JP2004161733A - O/w/o型乳化化粧料 - Google Patents
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Abstract
【構成】次の成分(a)〜(c);(a)(イ)油剤、(ロ)ビタミンA及び/またはその脂肪酸エステル、(ハ)リン脂質、(ニ)水を含有するO/W型乳化物、(b)シリコーン系界面活性剤、(c)(b)シリコーン系界面活性剤を溶解もしくは分散する油剤成分、において、成分(a)のO/W型乳化物が、成分(b)を含む成分(c)中に分散されていることを特徴とするO/W/O型乳化化粧料。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビタミンA及び/またはその脂肪酸エステルを安定に含有し、良好な使用感、肌荒れ改善効果を有し、かつ保存安定性に優れたO/W/O型乳化化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビタミンA及びその脂肪酸エステルは、肌荒れの改善、皮膚角化症等の予防や治療、さらには皮膚老化の防止等に有効な成分であることが知られている。しかしながら、ビタミンA及びその脂肪酸エステルは、構造的に極めて不安定であり、光、空気、熱、金属イオン等により容易に種々の異性化、分解、重合等を起こすため、安定に化粧料に含有することが困難であった。上述した問題点を解決するために多量の油剤を含有したり、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤を含有するなどの取り組みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、油剤を多量に含有した油性タイプの化粧料では、ビタミンA及びその脂肪酸エステルの保存安定性は優れるが、油のヌルツキやべたつきを生じたり使用感が悪くなることがあった。また、さっぱり感を付与する目的で、油性タイプに水を乳化した油中水型タイプのものも製剤として、油剤の種類や含有量などに制約があり、また、安定化のために水分量を制限したりすることが多く、その結果、べたつき感や油性感が強く感じられた。この問題を解決するためにシリコーン油や、ポリエーテルアルキル変性シリコーンを含有する油中水型乳化化粧料が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしこの化粧料も、伸びの改善を目的として乳液状とした場合、製剤としての保存安定性が不十分である場合があった。また、脂溶性薬剤を安定化する技術としてO/W/O型複合エマルジョンの内油層に脂溶性薬剤を含有し、外油相中に有機変性粘土鉱物を含有する複合エマルジョンが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしこの複合エマルジョンも、伸びの良さやべたつきのなさなどの使用性や使用感において十分満足できない場合があった。更に、使用時の感触、保湿効果、経時安定性が優れたO/W/O型の化粧料が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−210902号公報
【特許文献2】
特公昭63−36620号公報
【特許文献3】
特開平9−276676号公報
【特許文献4】
特開2001−213749号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、ビタミンA及び/またはその脂肪酸エステルを安定に含有し、伸びの良さ、べたつきのなさなどの使用感が良好で肌荒れ改善効果が高く、かつ保存安定性の良好な乳化化粧料の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記実状において鋭意検討を重ねた結果、油剤、ビタミンA及び/その脂肪酸エステル、リン脂質、水を含有するO/W型乳化物をシリコーン系界面活性剤により、該シリコーン系界面活性剤を溶解もしくは分散する油剤成分中に分散させたO/W/O型乳化化粧料が、上記課題を解決し、優れた使用感と保存安定性及び高い肌荒れ改善効果を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(a)〜(c);
(a)(イ)油剤、(ロ)ビタミンA及び/またはその脂肪酸エステル、
(ハ)リン脂質、(ニ)水を含有するO/W型乳化物
(b)シリコーン系界面活性剤
(c)前記成分(b)を溶解もしくは分散する油剤成分
において、成分(a)のO/W型乳化物が、成分(b)を含む成分(c)中に分散されていることを特徴とするO/W/O型乳化化粧料を提供するものである。また、前記(イ)油剤が、不飽和脂肪酸鎖あるいは不飽和脂肪アルコール鎖を構造中に含まない油剤であることを特徴とする前記O/W/O型乳化化粧料を提供するものである。更に、(イ)油剤中に、成分(d)油溶性抗酸化剤を含有することを特徴とする前記O/W/O型乳化化粧料を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について説明する。
本発明に用いられる成分(a)(イ)の油剤は、O/W/O剤型の最内油相に該当し、O/W/O剤型を構成する上で、必須の成分である。本発明に用いられる成分(a)(イ)の油剤は、通常の化粧料に使用されるものであれば特に限定されず、固体、半固体、液状油剤のいずれのものも使用することができ、例えば、天然動植物油脂類、及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、トウモロコシ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等;炭化水素油として、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール等;エステル油としては、アジピン酸2−ヘキシルデシル、モノイソステアリン酸n−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル等;シリコーン油としては、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどが挙げられ、これらの油剤は必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0008】
これらの中でも、成分(a)(ロ)ビタミンA及び/その脂肪酸エステルの保存安定性を更に向上させるには、成分(a)(イ)油剤が、不飽和脂肪酸鎖あるいは不飽和脂肪アルコール鎖を構造中に含まない油剤であることが好ましい。具体的に例示すると、スクワラン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ステアリン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、アジピン酸2−ヘキシルデシル、モノイソステアリン酸n−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルジエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセラリル、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられ、必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。これらの中でも、コレステロール、フィトステロール、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリルがより好ましいものとして挙げられる。
【0009】
本発明における成分(a)(イ)の油剤の含有量は、特に限定されないが、O/W/O型乳化化粧料の0.1〜40質量%(以下、単に「%」と記す)が好ましく、より好ましくは0.5〜30%である。
【0010】
本発明に用いられる成分(a)(ロ)のビタミンA及び/またはその脂肪酸エステルは、肌荒れの改善、皮膚角化症等の予防や治療、さらには皮膚老化の防止等を目的に含有される。本発明に用いられるビタミンA及び/またはその脂肪酸エステルとしては、ビタミンA、ビタミンA酢酸エステル、ビタミンAパルミチン酸エステル等が挙げられ、all−トランス型または13−シス型であることが好ましく、それらの混合物であっても構わない。これらは、一種または二種以上を適宜選択して組み合わせて用いることができる。また、(ロ)ビタミンA及び/またはその脂肪酸エステルは、O/W/O型乳化化粧料の最内相である油相に含有させた場合のみ、著しく保存安定性を向上させることが可能となる。
【0011】
本発明における成分(a)(ロ)のビタミンA及び/またはその脂肪酸エステルの含有量は、特に限定されないが、優れた肌荒れの改善効果を得るためには、O/W/O型乳化化粧料の0.001%以上が好ましく、0.01〜10%がより好ましい。
【0012】
本発明に用いられる成分(a)(ハ)のリン脂質は、O/W乳化物の乳化剤として含有されるが、内相油に(ロ)ビタミンA及び/又はその脂肪酸エステルを含有した場合において、(ロ)ビタミンA及び/又はその脂肪酸エステルの保存安定性を向上させる効果もある。本発明に用いられるリン脂質は、通常の化粧料に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、大豆由来リン脂質、大豆由来水素添加リン脂質、大豆由来リゾリン脂質、大豆由来水素添加リゾリン脂質、卵黄由来リン脂質、卵黄由来水素添加リン脂質、卵黄由来リゾリン脂質、卵黄由来水素添加リゾリン脂質、が挙げられ、これらのリン脂質は必要に応じて一種、又は二種以上用いることができ、より好ましくは、大豆由来水素添加リン脂質、大豆由来水素添加リゾリン脂質、卵黄由来水素添加リン脂質、卵黄由来水素添加リゾリン脂質が挙げられる。これらのリン脂質は必要に応じて一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】
本発明における成分(a)(ハ)のリン脂質の含有量は、特に限定されないが、O/W/O型乳化化粧料の0.01〜20%が好ましく、より優れた乳化安定性及び(ロ)ビタミンA及び/又はその脂肪酸エステルの保存安定性向上効果を得るためには、0.1〜15%がより好ましい。
【0014】
本発明における成分(a)(ニ)の水の含有量は、特に限定されないが、O/W/O型乳化化粧料の1〜90%が好ましく、より好ましくは10〜80%である。
【0015】
本発明用いられる成分(a)は、通常、公知の製造方法により、O/W型乳化物を調製することができる。具体的には、(イ)中に(ロ)及び(ハ)を分散し、これを(ニ)中に添加し、乳化させる方法等が挙げられる。尚、成分(a)のO/W型乳化物には、上記必須成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて、通常の化粧料に使用される、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、油溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌あれ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等を添加することができる。
【0016】
本発明における成分(a)のO/W型乳化物の含有量は、特に限定されないが、O/W/O型乳化化粧料の40〜95%が好ましく、より好ましくは60〜90%である。
【0017】
本発明に用いられる成分(b)のシリコーン系界面活性剤は、成分(a)のO/W型乳化物を成分(c)中に分散させるための乳化剤として含有するものであるが、伸びの良さやべたつきのなさなどの優れた使用感も付与する。本発明に用いられる成分(b)のシリコーン系界面活性剤は、シロキサン鎖を骨格とし、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン等のポリオキシアルキレン基が付加したものであれば特に限定されない。
【0018】
本発明に用いられる成分(b)のシリコーン系界面活性剤を具体的に例示するのであれば、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(例えば、KF6015、KF6017(信越化学工業社製)など)、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体(例えば、KF6012(信越化学工業社製)、NUCシリコンL7002(日本ユニカー社製)、ABIL EM−97(ゴ−ルドシュミット社製)など)、ポリオキシエチレンアルキルシロキサン・ポリオキシプロピレンアルケニルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(例えば、KF6026(信越化学工業社製)など)、メチルポリシロキサン・アルキルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体(例えば、ABIL EM−90(ゴ−ルドシュミット社製)など)、ポリオキシエチレン・ポリジメチルシロキシエチル・ジメチコン共重合体(例えば、KF6028(信越化学工業社製)など)等が挙げられる。
【0019】
本発明における成分(b)のシリコーン系界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、O/W/O型乳化化粧料の0.1〜10%が好ましく、より優れた保存安定性向上効果及び使用感を得るには、0.5〜5%が好ましい。
【0020】
本発明に用いられる成分(b)シリコーン系界面活性剤を溶解もしくは分散する成分(c)の油剤成分は、成分(a)を乳化させる媒体であり、例えば、直鎖状または分岐状のメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン油;オクタン、イソオクタン、ノナン、イソノナン、デカン、イソデカン等の低分子量の炭化水素油;オクタン酸イソオクチル、ノナン酸イソノニル、ヘキサデカン酸イソオクチル、ジイソオクタン酸プロピレングリコール、ジイソノナン酸プロピレングリコール、ジイソオクタン酸エチレングリコール、ジイソノナン酸エチレングリコール、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソノナン酸グリセリル、ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール等の液状のエステル油剤等が挙げられ、これらの油剤は必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。これらの中でも、メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどのシリコーン油がより好ましい。
【0021】
本発明における成分(c)の油相剤成分の含有量は、特に限定されないが、O/W/O型乳化化粧料の5〜60%が好ましく、より優れた乳化安定性を得るためには、10〜40%がより好ましい。
【0022】
また、本発明のO/W/O型乳化化粧料には、成分(a)(ロ)ビタミンA及び/またはその脂肪酸エステルの安定を更に向上させるために、成分(c)油溶性抗酸化剤を含有することも可能である。このような油溶性抗酸化剤を成分(a)(イ)油剤中に含有させることで(ロ)ビタミンA及び/またはその脂肪酸エステルの保存安定性を更に向上させることができる。本発明に用いられる油溶性抗酸化剤は、特に限定されないが、例えばジブチルヒドロキシトルエン(以下BHTと表記する)、ブチルヒドロキシアニソール(以下BHAと表記する)、α、β、γ、δトコフェロール、ノルジヒドログアヤレチン酸、没食子酸プロピル、油溶性ビタミンC誘導体、ソルビン酸等が挙げられるが、その他化粧品に含有可能な油溶性の抗酸化効果を有する成分一般を一種又は二種以上用いることが可能である。
【0023】
本発明における成分(c)油溶性抗酸化剤の含有量は、特に限定されないが、(ロ)ビタミンA及び/またはその脂肪酸エステルの安定化効果をより得るためには、O/W/O型乳化化粧料の0.001〜5%が好ましく、0.01%〜1%がより好ましい。
【0024】
本発明には、更に乳化安定性を向上させる成分として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム等の電解質を含有することが好ましい。本発明において、このような電解質の含有量は、特に限定されないが、O/W/O型乳化化粧料の0.1〜5%が好ましい。
【0025】
本発明のO/W/O型乳化化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて、上記成分(a)〜(d)以外の成分として、通常の化粧料に使用される、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、油溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌あれ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等を添加することができる。
【0026】
本発明のO/W/O型乳化化粧料は、通常、公知の製造方法により調製することができる。具体的には、成分(b)シリコーン系界面活性剤を成分(c)に溶解もしくは分散し、これに成分(a)のO/W型乳化物を添加し、乳化する方法等が挙げられる。
【0027】
本発明のO/W/O型乳化化粧料は、室温下で流動性のある低粘度のものから、クリーム状、さらには固形状のものまで、各種性状のものが含まれる。また、本発明のO/W/O型乳化化粧料の用途は特に限定されず、例えば、美容液、乳液、クリーム、パック、クレンジング、マッサージ料等のスキンケア化粧料、下地、ファンデーション、アイシャドウ、アイライナー等のメーキャップ化粧料、サンプロテクト等の日焼け止め化粧料等が挙げられる
【0028】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0029】
実施例1〜13及び比較例1〜4:O/W/O型乳化化粧料
下記表1に示す組成のO/W/O型乳化化粧料を調製し、(1)保存安定性、(2)使用感(伸びの良さ、べたつきのなさ)、(3)肌荒れ改善効果の各評価項目について下記の方法によりに評価し、結果を併せて表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
(製造方法)
A.成分1〜8を均一に混合溶解する。(70℃)
B.成分9〜10を加熱する。(70℃)
C.AにBを添加し乳化する。
D.Cを冷却する。
E.成分11〜14を均一に混合する。(室温)
F.EにDを添加し乳化する。
【0032】
〔評価方法:保存安定性〕
保存安定性(分離、変臭、変色)について、各試料を40℃及び5℃の恒温槽にセットし、1ヶ月間保管し、調製直後の状態を基準として、以下の(A)4段階判定基準を用いて判定した。
(A)4段階判定基準
(評価) (判定)
変化なし : ◎
軽微な変化がある : ○
やや変化がある : △
かなり変化がある : ×
【0033】
〔評価方法:使用感(伸びの良さ、べたつきのなさ)〕
専門評価パネル10名により、各試料を皮膚に塗布した際の使用感について、下記(B)評価基準にて5段階評価し、更に各試料の評点の平均値を(C)4段階判定基準を用いて判定した。
(B)5段階評価基準
評点): (評価)
5 : 非常に良好
4 : 良好
3 : 普通
2 : 不良
1 : 非常に不良
(C)4段階判定基準
(評点の平均値) :(判定)
4.5以上 : ◎
3.5以上、4.5未満 : ○
2.5以上、3.5未満 : △
2.5未満 : ×
【0034】
〔評価方法:肌荒れ改善効果〕
専門評価パネル10名により、各試料を皮膚に1日2回1ヶ月間塗布した後の肌荒れの改善効果を以下の(D)4段階評価基準にて評価し、更に各試料の評点の平均点を(E)4段階判定基準を用いて判定した。
(D)4段階評価基準
(評点): (評価)
4 : 非常に肌荒れ改善効果がある
3 : かなり肌荒れ改善効果がある
2 : わずかに肌荒れ改善効果がある
1 : 肌荒れ改善効果が見られない
(E)4段階判定基準
(評点の平均値) :(判定)
3.5以上 : ◎
2.5以上、3.5未満 : ○
1.5以上、2.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0035】
上記表1の結果から明かなように、本発明品の実施例1〜13のO/W/O型乳化化粧料は、比較例1〜4のO/W/O型乳化化粧料に比較して、保存安定性に優れ、良好な使用感(伸びの良さ、べたつきのなさ)を有し、かつ肌荒れ改善効果に優れたものであった。
【0036】
実施例14:美容液
(成分) (%)
1.水素添加大豆リン脂質 3.0
2.グリセリン 7.0
3.ジプロピレングリコール 10.0
4.トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
5.ヒドロキシステアリン酸コレステロール 3.0
6.コレステロール 0.3
7.ビタミンAパルミテート 0.3
8.BHT 0.1
9.精製水 残量
10.エタノール 5.0
11.美容剤 適量
12.防腐剤 適量
13.塩化ナトリウム 1.0
14.X−22−4991(注1) 3.0
15.デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
16.ジメチルポリシロキサン 7.0
17.香料 適量
【0037】
(製造方法)
A.成分1〜8を均一に混合溶解する。(70℃)
B.成分9を加熱する。(70℃)
C.AにBを添加し乳化する。
D.Cを冷却する。
E.Dに成分10〜13を添加し、混合する。
F.成分14〜17を均一に混合する。(室温)
G.FにEを添加し乳化する。
【0038】
実施例14の美容液は、保存安定性が良く、良好な使用感を有し、肌あれ改善効果に優れたものであった。
【0039】
(注3)メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシオキサン・ポリ(オキシ エチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体(ゴー ルドシュミット社製)
【0040】
(製造方法)
A.成分1〜9を均一に混合溶解する。(70℃)
B.成分10を加熱する。(70℃)
C.AにBを添加し乳化する。
D.Cを冷却する。
E.Dに成分11〜13を添加し、混合する。
F.成分14〜18を均一に混合する。(室温)
G.FにEを添加し乳化する。
【0041】
実施例15のアイクリームは、保存安定性に優れ、良好な使用感を有し、肌荒れ改善効果に優れたものであった。
【0042】
【発明の効果】
本発明のO/W/O型乳化化粧料は、保存安定性や伸びの良さやべたつきのなさなどの使用感に優れ、かつ肌荒れ改善効果の高い、O/W/O型乳化化粧料である。
Claims (3)
- 次の成分(a)〜(c);
(a)(イ)油剤、(ロ)ビタミンA及び/またはその脂肪酸エステル、
(ハ)リン脂質、(ニ)水を含有するO/W型乳化物
(b)シリコーン系界面活性剤
(c)前記成分(b)を溶解もしくは分散する油剤成分
において、成分(a)のO/W型乳化物が、成分(b)を含む成分(c)中に分散されていることを特徴とするO/W/O型乳化化粧料。 - (イ)油剤が、不飽和脂肪酸鎖あるいは不飽和脂肪アルコール鎖を構造中に含まない油剤であることを特徴とする請求項1記載のO/W/O型乳化化粧料。
- (イ)油剤中に、(d)油溶性抗酸化剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のO/W/O型乳化化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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