JP2004161693A - 化粧料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸水性ポリマー粒子、抗菌剤、及び消臭剤を含有する化粧料組成物、並びに表面疎水化吸水性ポリマー粒子と、抗菌剤及び消臭剤からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する化粧料組成物。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚外用剤として有用な化粧料組成物、特に制汗剤用化粧料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、汗をかく部位、特に腋は汗によるべたつきが肌の感触を悪くし、また不快臭が発生するために、制汗効果のある化粧料が使用されている。特に、制汗効果を示す主成分としてアルミニウム化合物が使用されている(特許文献1参照)。しかしながら、汗によるべたつき等の感触が残り、消臭効果及びその効果の持続性も不十分であった。
【0003】
そこで、特許文献2には、汗のべとつきを低減するために、疎水化処理された粉体及び吸水性ポリマーを含有する化粧料が開示されているが、汗によるべたつきはある程度抑えられるものの、消臭効果は、未だ十分ではなかった。更に、特許文献3には、制汗成分及び/又は殺菌成分と、高吸水性高分子化合物を含有する化粧料が開示されている。しかし、制汗成分として、アルミニウム化合物が用いられているため、きしみ感が生じ、感触的に好ましくない。また、アルミニウム化合物が強酸であるため、α,β−不飽和カルボン酸モノマーからなる吸水性ポリマーを併せて用いた場合、配合比次第では、吸汗性に影響を与える。
【0004】
【特許文献1】
特開昭52−99236号公報
【特許文献2】
特開平4−356415号公報
【特許文献3】
特開平3−284617号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、発汗後のべとつきを抑え、さらさらな使用感を維持でき、しかも消臭効果の優れた化粧料組成物、特に制汗剤用の化粧料組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸水性ポリマー粒子、抗菌剤、及び消臭剤を含有する化粧料組成物、並びに表面疎水化吸水性ポリマー粒子と、抗菌剤及び消臭剤からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する化粧料組成物、特に制汗剤用の化粧料組成物を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
[吸水性ポリマー粒子]
本発明の吸水性ポリマー粒子の形状については、特に限定はなく、真球状、卵型、塊状等が挙げられ、その他、燐片状、板状、繊維状、微粒子集合体状(造粒状)、不定形状のいずれも用いることができる。好ましくは、入手しやすさから、真球状、卵型、塊状であり、更に、感触的に好ましいことから真球状である。これらは、多孔質であってもよい。
【0008】
本発明に用いられる吸水性ポリマー粒子が、真球状、卵型、塊状の場合、化粧料として、視覚的に白い粉として目立たなくし、吸水後に違和感を引起さず、サラサラとした感触を有し、皮膚上から容易に脱落しないために、平均粒径は、好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.5μm以上であり、上限は、50μm以下が好ましく、更に好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下、最も好ましくは5μm以下である。平均粒径は、光散乱式粒径測定装置(例えば、シクロヘキサン中、(株)コールター社製LS−230型)にて、測定することにより得られる水膨潤していない粒径である。
【0009】
本発明に用いられる吸水性ポリマー粒子の吸水量は、十分な制汗能を得るために、5g/g以上が好ましく、10g/g以上が更に好ましく、上限は、肌上で汗を吸った吸水性ポリマーにより、ぬめり感を与えることを防止すると共に、皮膚上から脱落しにくくするために、好ましくは100g/g以下、更に好ましくは50g/g以下、特に好ましくは30g/g以下である。吸水量は、各試料5gに水1000mlを加え、30分間懸濁攪拌(100r/min、25℃)後、2,000G、30分間の遠心分離を行い、上清を静かに捨てた後、重量を測定し、初期試料重量との差から求めることができる。
【0010】
本発明の吸水性ポリマー粒子に用いられるポリマーとしては、水分を吸収する作用を有するポリマーであれば、天然ポリマー、半合成ポリマー、合成ポリマーのいずれも用いることが出来る。含水性を有するためには架橋構造を有するポリマーが好ましく、そのようなポリマーとしては、後述する架橋方法による(共)重合体の架橋体、又は水素結合もしくは疎水結合を介した架橋、部分的な結晶構造に由来した架橋、ヘリックス構造等に由来した架橋等を有する(共)重合体である(但し、(共)重合体とは、重合体又は共重合体を意味する)。
【0011】
例えば、天然ポリマー、半合成ポリマーとして、澱粉、カラギーナン、ゼラチン、寒天、ドラガントゴム、ビスコース、セルロース(例えば、結晶性セルロース)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等、又はそれらの架橋体、例えば澱粉−(メタ)アクリル酸塩グラフト共重合体(又は架橋体)(但し、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物を意味する)等を挙げることができる。
【0012】
合成ポリマーとして、親水性ビニルモノマー、例えばアニオン性モノマーもしくはその塩、ノニオン性親水性基含有モノマー、アミノ基含有不飽和モノマーもしくはその中和物あるいは四級化物の(共)重合体の架橋体を挙げることができる。親水性ビニルモノマーが、親水性とは、100gの水中(20℃)、溶解度が、好ましくは6質量%以上のものであり、より好ましくは20質量%を超えるものである。合成ポリマーの製造に用いられるモノマーの例として、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等のアニオン性モノマーもしくはその塩;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド等のノニオン性親水性基含有モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和モノマー又はその酸中和物もしくはその四級化物等を具体的に挙げることができる。酸中和物を得るための好ましい酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、乳酸等が挙げられ、四級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル,硫酸ジ−n−プロピル等の一般的なアルキル化剤が挙げられる。対イオンとして、塩素等のハロゲンイオンや、メトサルフェート等の有機アニオンが挙げられる。また、得られる重合体の親水性を極度に阻害しない程度に、アクリル酸エステル類やスチレン等の疎水性ビニルモノマーを、全モノマーの、好ましくは0〜50質量%、更に好ましくは0〜20質量%の割合で併用して共重合することもできる。
【0013】
疎水性ビニルモノマーが、疎水性とは、100gの水中(20℃)、溶解度が、好ましくは6質量%未満のものである。下限は特に無いが、0.01質量%以上であってもよい。
【0014】
モノマー成分としてはこれらのうちから1種又は2種以上を選択して用いることができるが、α,β−不飽和カルボン酸モノマーである(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸もしくはその塩の(共)重合体の架橋体が、吸水能力が高く、入手し易く、好ましい。α,β−不飽和カルボン酸モノマー以外に、他のモノマーも共重合することができる。
【0015】
吸水能力を高くするためには、親水性ビニルモノマーの配合量は、吸水性ポリマー粒子を構成する全モノマーの好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。
【0016】
吸水性ポリマー粒子は、好ましくは、親水性ビニルモノマー及び/又はその塩の重合体又は共重合体の架橋体であり、更に好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸モノマー及び/又はその塩の重合体又は共重合体の架橋体であり、特に好ましくはポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体である。上記吸水性ポリマーは、各々単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0017】
また、「塩」としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)、アンモニウム塩(第四級アンモニウム塩、第四級アルキルアンモニウム塩等)等が挙げられる。中でもナトリウム塩が最も安価であり好ましい。ここで、上記吸水性ポリマー粒子の中和度は、該吸水性ポリマー中の酸基のモル数に基づいて、好ましくは0.01〜100%、更に好ましくは1〜99%、特に好ましくは40〜95%である。尚、本発明において、「中和度」とは、該吸水性ポリマー中の酸基のうちの塩を構成しているものの割合(モル基準)、即ち、(塩を構成している酸基のモル数)/(塩を構成し得るフリーの酸基及び塩を構成している酸基の全体のモル数)×100(%)をいう。
【0018】
上記(共)重合体の架橋体を形成させる方法として、(a)重合時の自己架橋、(b)多官能性モノマーとの共重合、(c)放射線の照射 等の方法により架橋した共有結合性架橋、及び(d)多価金属イオンを介したイオン結合性架橋が挙げられる。これらの中でも、架橋構造の安定性、製造し易さの点から(b)が好ましく、多官能性モノマーとして少なくとも2個の反応性不飽和基を分子中に有する架橋性ビニルモノマー、及び分子内に少なくとも2個の不飽和基以外の官能基を有する化合物(以下、両者併せて架橋剤という)が挙げられる。
【0019】
少なくとも2個の反応性不飽和基を分子中に有する架橋性ビニルモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミドが更に好ましい。
【0020】
分子内に少なくとも2個の不飽和基以外の官能基を有する化合物として、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが更に好ましい。
【0021】
架橋剤の使用量は、架橋剤の種類、架橋方法によっても異なるが、吸水性ポリマー粒子を構成する全モノマー量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、特に好ましくは0.1質量部以上であり、上限は、好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。0.001質量部以上では、得られる吸水性ポリマーの水可溶性成分量の割合が少なくなるため、吸水量が維持でき、一方、20質量部以下であれば、架橋密度が適度となり、得られる吸水性ポリマーの吸水量も充分となる。
【0022】
本発明に用いられる吸水性ポリマー粒子は、吸水性ポリマー粒子の少なくとも表面の一部が、疎水化処理された吸水性ポリマー粒子(以下、表面疎水化吸水性ポリマー粒子という)であることが好ましい。
【0023】
このような表面疎水化吸水性ポリマー粒子として、例えば、(1)吸水性ポリマー粒子の表面が、1種以上の官能基を有するシリコーン化合物により被覆された、表面疎水化吸水性ポリマー粒子、(2)吸水性ポリマー粒子の表面が、疎水性ビニルモノマーの重合体により被覆された、表面疎水化吸水性ポリマー粒子、(3)吸水性ポリマー粒子の表面が、フッ素系界面活性剤で処理された、表面疎水化吸水性ポリマー粒子、(4)吸水性ポリマー粒子の表面が、シランカップリング剤で処理された、表面疎水化吸水性ポリマー粒子等が挙げられる。これらの中では、吸水性ポリマー粒子の表面が、1種以上の官能基を有するシリコーン化合物により被覆された、表面疎水化吸水性ポリマー粒子が好ましい。以下、各表面疎水化吸水性ポリマー粒子について詳述する。
【0024】
(1)吸水性ポリマー粒子の表面が、1種以上の官能基を有するシリコーン化合物により被覆された、表面疎水化吸水性ポリマー粒子
1種以上の官能基を有するシリコーン化合物は、吸水性ポリマー粒子表面に好ましくは化学結合、更に好ましくは共有結合及び/又はイオン結合できる官能基を1つ以上有する、少なくとも2個以上のケイ素原子を含むシリコーン化合物である。
【0025】
表面疎水化吸水性ポリマー粒子は、吸水性ポリマー粒子の表面が、1種以上の官能基を有するシリコーン化合物で、化学的な結合により被覆されていることが好ましい。これにより、化粧料中に配合されても、シリコーン化合物が吸水性ポリマー粒子の表面に安定に存在することができる。化学結合していることは、クロロホルム中で、シリコーン変性ポリマー粒子(対クロロホルム10質量%)を2時間攪拌処理(30r/min、50℃)し、遠心分離する洗浄工程を3回行っても、シリコーン化合物が吸水性ポリマー粒子に存在していることで確認できる。
【0026】
シリコーン化合物の被覆量は、吸水膨潤粒子の表面のべとつきを抑えられる程度に少なくとも吸水性ポリマー粒子の粒子表面を被覆していることが好ましい。
【0027】
1種以上の官能基を有するシリコーン化合物の、吸水性ポリマー粒子中の存在量は、全ポリマー粒子(シリコーン化合物を含めて)を100質量部とすると、下限は、好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、特に好ましくは1質量部以上である。上限は、好ましくは30質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。
【0028】
1種以上の官能基を有するシリコーン化合物は、ポリマー粒子同士のゲルブロッキングや使用時のベトツキ感を抑えるためには、疎水性であることが好ましい。特に、複数の種類の官能基を有するシリコーン化合物であって、反応に寄与しない官能基を有する場合、疎水性であることが好ましい。
【0029】
ここで疎水性とは、100gの水中、25℃での1種以上の官能基を有するシリコーン化合物の溶解度が、10質量%以下、好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下のものである。下限は特に無いが、0.01質量%以上であってもよい。
【0030】
1種以上の官能基を有するシリコーン化合物の重量平均分子量は、好ましくは1000〜50万、更に好ましくは3000〜20万、特に好ましくは1万〜20万である。この重量平均分子量の測定方法は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、クロロホルム溶離液、ポリスチレン換算)による。
【0031】
官能基は、アミノ基、アンモニウム基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基又はラジカル重合性の不飽和基からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の官能基が好ましく、アミノ基及び/又はアンモニウム基であることが更に好ましい。これらの官能基は、シロキサンの側鎖、片末端及び/又は両末端のいずれに位置していてもよく、その混合物でも良い。
【0032】
本発明に用いられる1種以上の官能基を有するシリコーン化合物の代表例を以下に示す。
【0033】
(1−1)アミノ基及び/又はアンモニウム基を有するシリコーン化合物(以下、アミノ変性シリコーンという)
アミノ変性シリコーンは、下記一般式(I)で表わされる重合単位を有するものが好ましい。
【0034】
【化1】
【0035】
〔式中、R1は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、複数個のR1は同一でも異なっていてもよい。R2はR1又はXのいずれかを示し、Xは−R3−Z(R3は直接結合又は炭素数1〜20の二価炭化水素基、Zは1〜3級アミノ基含有基又は四級アンモニウム基含有基を示す)で表される反応性官能基を示す。aは2以上の数、bは1以上の数を示す。〕
一般式(I)中、R1は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、例えばアルキル基もしくはフェニル基を示し、好ましくはメチル基、エチル基、更に好ましくはメチル基である。R3は、好ましくは炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられ、より好ましくはトリメチレン基又はプロピレン基である。a及びbは、それぞれ重合単位の繰り返し数を示し、aは2〜1000の数が好ましく、bは1〜50の数が好ましい。また、Zは、下記の一般式(II)又は一般式(III)で表わされるアミノ基又はアンモニウム基含有基が好ましい。
【0036】
【化2】
【0037】
また、一般式(III)において、複数個のR5は同一でも異なっていてもよい。またT−の具体例としては、塩素、ヨウ素、臭素等のハロゲンイオン、メトサルフェート、エトサルフェート、メトフォスフェート、エトフォスフェート等の有機アニオンが挙げられる。
【0038】
一般式(I)中、好ましいX基は、−(CH2)3−NH2、−(CH2)3−N(CH3)2、−(CH2)3−NH−(CH2)2−NH2、−(CH2)3−NH−(CH2)2−N(CH3)2、−(CH2)3−N+(CH3)3・Cl−であり、更に好ましくは、−(CH2)3−NH−(CH2)2−NH2である。
【0039】
アミノ変性シリコーンの重量平均分子量は、好ましくは3000〜20万であり、アミン当量は、吸水性ポリマーのアニオン性官能基と反応し易く、またシリコーン化合物が疎水性であるためには、好ましくは250〜10000g/mol、更に好ましくは1000〜5000g/molである。即ち、アミノ基又はアンモニウム基のポリマー中の存在量は、好ましくは0.1〜4mmol/g、更に好ましくは0.2〜1mmol/gである。アミン当量はエタノール等の溶媒中、濃度既知の塩酸で滴定することができる。
【0040】
(1−2)カルボキシ基を有するシリコーン化合物(以下、カルボキシ変性シリコーンという)
カルボキシ変性シリコーンは、ケイ素原子とカルボキシ基とが飽和炭化水素で結合している化合物、並びに特開2002−114849号公報に記載されているカルボキシ基及び/又はその塩が、一般式(IV)及び(V)の少なくともいずれか一方で表わされる構造で、ケイ素原子に結合しているオルガノポリシロキサン化合物が好ましい。
【0041】
【化3】
【0042】
〔式中、R7、R8、R9及びR10は、同一又は異なって、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数2〜22の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキレン基もしくはアルケニレン基、又はアリーレン基を示す。Yは−O−又は−NH−基を示す。Mは水素原子、金属、アンモニウム、総炭素数1〜22のアルキルもしくはアルケニルアンモニウム、炭素数1〜22のアルキルもしくはアルケニル置換ピリジニウム、総炭素数1〜22のアルカノールアンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す。〕
また、特開平6−1711号公報に記載されているカルボキシ基及びアンモニウム基の両官能基を有する両性イオノマーシロキサンも、好ましく用いることができる。
【0043】
カルボキシ変性シリコーンの重量平均分子量は、好ましくは、3000〜20万である。カルボキシ当量は、吸水性ポリマーのカチオン性官能基と反応しやすく、シリコーン化合物が疎水性であるためには、好ましくは250〜10000g/mol、更に好ましくは1000〜5000g/molである。即ち、カルボキシ基のポリマー中の存在量は、好ましくは0.1〜4mmol/g、更に好ましくは0.2〜1mmol/gである。カルボキシ当量は、エタノール等の溶媒中、濃度既知のNaOHで滴定することにより求めることができる。
【0044】
(1−3)ヒドロキシ基を有するシリコーン化合物(以下、ヒドロキシ変性シリコーンという)
ヒドロキシ変性シリコーンとして、下記一般式(VI)で表される分岐型シリコーン、下記一般式(VII)で表される両末端型シリコーン、下記一般式(VIII)で表される片末端型シリコーン、特開平5−112424号公報に記載のアルキルグリセリルエーテル変性シリコーン等を挙げることができる。
【0045】
【化4】
【0046】
〔式中、R11は同一又は異なって炭素数1〜3のアルキル基を示し、メチル基が好ましい。R12は同一又は異なって、炭素数1〜8のアルキレン基を示し、トリメチレン基が好ましい。AOは同一又は異なって、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示し、f及びgは、それぞれ1以上の整数を示し、hは0又は1以上の整数を示す。〕
(1−4)エポキシ基を有するシリコーン化合物(以下、エポキシ変性シリコーンという)
エポキシ変性シリコーンとして、一般式(IX)で表される、片末端及び/又は両末端エポキシ基含有シリコーン化合物が好ましく挙げられる。
【0047】
【化5】
【0048】
〔式中、R13はそれぞれ同一又は異なって1価の炭化水素基、R14はエポキシ含有基又は1価の炭化水素基、Aはエポキシ含有基、nは1〜10000の数を示す。〕
R13で表される1価の炭化水素としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、トリフルオロプロピル基等のフッ素原子置換アルキル基等が挙げられる。R13は全てが同一であっても異なってもよいが、すべてのR13がメチル基であることが望ましい。
【0049】
一般式(IX)中、Aで表されるエポキシ含有基としては特に制限はないが、具体的には下記一般式(X)〜(XII)で表される基が挙げられる。
【0050】
【化6】
【0051】
一般式(IX)において、R14が、R13と同じものである場合は、片末端エポキシ基含有シリコーンとなり、Aと同じものである場合は、両末端エポキシ基含有シリコーンとなる。
【0052】
エポキシ変性シリコーンとしては、R14が、R13と同じである片末端エポキシ基含有シリコーンが好ましく、炭化水素基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、トリフルオロプロピル基等のフッ素原子置換アルキル基等が挙げられ、メチル基であることが好ましい。
【0053】
一般式(IX)中、nは、1〜500が好ましく、5〜100が更に好ましく、10〜50が特に好ましい。
【0054】
(1−5)ラジカル重合性の不飽和基を有するシリコーン化合物
ラジカル重合性の不飽和基を有するシリコーン化合物として、特開平11−181003号公報に記載の片末端にラジカル重合性基を有するポリシロキサン化合物が好ましく挙げられる。
【0055】
(2)吸水性ポリマー粒子の表面が、疎水性ビニルモノマーの重合体により被覆された、表面疎水化吸水性ポリマー粒子
この表面疎水化吸水性ポリマー粒子は、吸水性ポリマー粒子の表面が1種類以上の疎水性ビニルモノマーの重合体により被覆されてなる吸水性ポリマー粒子である。
【0056】
吸水膨潤粒子の表面のべとつきを抑えられる程度に少なくとも吸水性ポリマー粒子の粒子表面の一部を被覆していることが好ましい。
【0057】
疎水性ビニルモノマーの重合体の、表面疎水化吸水性ポリマー粒子中の存在量は、吸水性ポリマー粒子100質量部に対し、下限は、好ましくは1質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、特に好ましくは10質量部以上である。上限は、好ましくは1000質量部以下、更に好ましくは400質量部以下、特に好ましくは200質量部以下である。この範囲であれば、吸水後のべとつき感がなく、また吸水速度もとくに阻害されることがなく好ましい。
【0058】
本発明に用いられる疎水性ビニルモノマーは、重合により疎水性重合体が得られる重合性モノマーであり、一般的なラジカル重合開始剤や紫外線照射等の重合法により重合することができる。
【0059】
疎水性ビニルモノマーは、前記で定義した疎水性を有するモノマーであり、通常のラジカル重合性の疎水性ビニルモノマーが好適に用いられる。かかるモノマーの具体例として、例えば、スチレン、酢酸ビニル、ジビニルベンゼン、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ドデセニル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸パルミチル、アクリル酸ヘキサデセニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸オクタデセニル、アクリル酸ベヘニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ドデセニル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸パルミチル、メタクリル酸ヘキサデセニル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸オクタデセニル、メタクリル酸ベヘニル等のメタクリル酸エステル類、トリフルオロエチルメタクリレート等のフッ素系単量体、シリコーンマクロモノマー等が挙げられる。これらの疎水性モノマーは1種以上を使用することが出来る。これらの中で、スチレン、アルキル基の炭素数1〜22のアルキル(メタ)アクリレートが、疎水性が高く、モノマーが入手し易く、好ましい。
【0060】
本発明に用いられる疎水性重合体の重量平均分子量は、好ましくは1000〜50万、更に好ましくは3000〜20万、特に好ましくは1万〜20万である。この重量平均分子量の測定方法は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、ポリスチレン換算)による。カラムは、昭和電工製、Shodex KF−806。
【0061】
また、得られる重合体の疎水性を極度に阻害しない程度に、生成する重合体の吸水性ポリマーへの接着性を向上させる目的で、前述の親水性ビニルモノマーを共重合させてもよい。
【0062】
そのような親水性ビニルモノマーは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、クロロメチルスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。これらの親水性ビニルモノマーは1種以上を使用することができる。親水性ビニルモノマーの使用量は、疎水性ビニルモノマーの重合体を構成する全モノマーに対して、好ましくは0〜50質量%、更に好ましくは0〜20質量%である。
【0063】
(3)吸水性ポリマー粒子の表面が、フッ素系界面活性剤で処理された、表面疎水化吸水性ポリマー粒子
フッ素系界面活性剤の親水部は、アニオン、ノニオン、カチオン又は両性の4種類何れを用いてもよく、疎水部は、フルオロカーボン鎖又はパーフルオロカーボン鎖を用いることができる。吸水性ポリマー粒子表面と反応することが出来る官能基を持つことが好ましく、親水部はアニオン、カチオン又は両性であることが好ましく、カチオン又は両性のものが更に好ましい。また、疎水部である炭素鎖は、直鎖であっても分枝鎖状であってもよい。例えば、次のようなフッ素系界面活性剤が挙げられる。
【0064】
フルオロアルキル(C2〜C10)カルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸塩(Li、K、Na)、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩(K)、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル、パーフルオロアルキル第四級アンモニウムヨウ化物(商品名 フロラードFC−135、住友スリーエム株式会社製カチオン性フッ素系界面活性剤)、パーフルオロアルキルアルコキシレート(商品名 フロラードFC−171、住友スリーエム株式会社製ノニオン性界面活性剤)、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウム塩(商品名 フロラードFC−95およびFC−98、住友スリーエム株式会社製アニオン性界面活性剤)。
【0065】
(4)吸水性ポリマー粒子の表面が、シランカップリング剤で処理された、表面疎水化吸水性ポリマー粒子
シランカップリング剤として、特開昭61−211305号公報記載のシランカップリング剤を用いることができる。
【0066】
好ましい具体例として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0067】
[吸水性ポリマー粒子の製造法]
(1)親水性ビニルモノマーを重合して吸水性ポリマー粒子を製造する方法
吸水性ポリマーに、親水性ビニルモノマーの重合体を用いる場合は、親水性ビニルモノマー及び架橋剤の重合方法としては、如何なる方法を採用してもよいが、親水性ビニルモノマーの水溶液(好ましくは濃度1〜70質量%)を重合させる方法が好ましく、例えば、水溶液重合法、逆相懸濁重合法、パール重合法等の各種の方法を採用することができる。中でも、重合時の作業性や、得られる吸水性ポリマーの吸水性能の点から、水溶液重合法又は逆相懸濁重合法が好ましく、吸水性ポリマーの吸水性能が高い点から、逆相懸濁重合法が特に好ましい。親水性ビニルモノマーの重合温度は20〜120℃であることが好ましく、重合時間は20〜180分であることが好ましい。
【0068】
重合開始剤は、水溶性ラジカル重合開始剤、例えば過酸化物、ハイドロパーオキシド、あるいはアゾ化合物等が既知の量で用いられる。これらの重合開始剤は、2種以上を混合して使用することも可能であり、更には、クロムイオン、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン等を加えてレドックス系重合開始剤として使用することも可能である。必要に応じて、油溶性ラジカル重合開始剤、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシド系開始剤、アゾビス(イソブチロニトリル)、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(ジメチルイソブチレート)、アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ系開始剤も用いることができる。
【0069】
水溶性重合開始剤の使用量は、親水性ビニルモノマーに対して0.03〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%が更に好ましい。
【0070】
親水性ビニルモノマーを、油相(溶剤)中に分散安定化させるために分散剤を使用する。分散剤としては、一般のアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性の界面活性剤、天然、半合成及び合成ポリマー等が挙げられる。例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム、ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム等のアニオン性界面活性剤;トリメチルステアリルアンモニウムクロリド及びカルボキシメチルジメチルセチルアンモニウム等のカチオン性及び両性の界面活性剤;ショ糖モノステアレート、ショ糖ジラウレート等のショ糖脂肪酸エステル、ソルビタンモノステアレート等のソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のソルビタンエステルのポリオキシアルキレン付加物等のノニオン性界面活性剤;デンプン及びその誘導体、エチルセルロース等のセルロースエーテル、セルロースアセテート等のセルロースエステル等のセルロース誘導体等の天然及び半合成ポリマー; ポリビニルアルコール及びその誘導体、マレイン化ポリブタジエン、スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩等の合成ポリマーが挙げられる。
【0071】
表面疎水化吸水性ポリマー粒子を製造するためには、前述の1種以上の官能基を有するシリコーン化合物あるいは前述のフッ素系界面活性剤を分散剤として用いることが好ましい。前述の他の分散剤と併用してもよい。シリコーン化合物中、分散剤として好ましいものは、アミノ基、アンモニウム基、ヒドロキシ基、及びカルボキシ基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有するシリコーン化合物である。
【0072】
分散剤は、吸水性ポリマー粒子を構成する全ビニルモノマー100質量部に対して、0.5〜30質量部が好ましく、1〜10質量部が更に好ましく、1〜7質量部存在させることが特に好ましい。
【0073】
逆相懸濁重合法に用いる溶剤は、好ましくは、炭化水素系溶剤もしくはシリコーン系溶剤又はそれらの混合物である。炭化水素系溶剤として、ヘキサン、ヘプタン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、水添トリイソブチレン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等が例示され、シリコーン系溶剤として、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等が例示される。これらの中でヘキサン、シクロヘキサンが特に好ましい。
【0074】
重合後、反応系中の水もしくは溶剤を留去する前に、架橋剤を後から添加して、好ましくは40〜150℃に加熱し、表面架橋させても良い。
【0075】
(2)吸水性ポリマー粒子から表面疎水化吸水性ポリマー粒子を製造する方法
表面疎水化吸水性ポリマー粒子は、重合後の吸水性ポリマー粒子、又は天然ポリマー等の予め得られた吸水性ポリマー粒子から製造することができる。
【0076】
吸水性ポリマー粒子と、1種以上の官能基を有するシリコーン化合物、フッ素系界面活性剤又はシランカップリング剤存在下、更に必要に応じ、架橋剤及び/又はラジカル重合開始剤を加え、水存在下、好ましくは溶剤中、加熱する製造法が好ましい。水が存在することで、吸水性ポリマー粒子の官能基が解離し、1種以上の官能基を有するシリコーン化合物、フッ素系界面活性剤又はシランカップリング剤の官能基と反応し易くなる。1種以上の官能基を有するシリコーン化合物、フッ素系界面活性剤又はシランカップリング剤の存在量は、吸水性ポリマー(粒子)100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、特に好ましくは0.1質量部以上であり、上限は、好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、特に好ましくは5質量部以下である。
【0077】
溶剤としては、前述の炭化水素系溶剤もしくはシリコーン系溶剤又はそれらの混合物が好ましく用いられる。水の反応系中の存在量は、吸水性ポリマー(粒子)100質量部に対して、好ましくは1〜200質量部、更に好ましくは10〜100質量部である。水は反応後、留去等により脱水される。架橋剤は、使用する場合、吸水性ポリマー(粒子)100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、更に好ましくは0.01〜5質量部、特に好ましくは0.01〜3質量部存在させる。
【0078】
ラジカル重合性の不飽和基を有するシリコーン化合物を用いる場合、前述の油溶性ラジカル重合開始剤を共に存在させることが好ましい。1種以上の官能基を有するシリコーン化合物又はフッ素系界面活性剤は、直接、又は有機溶媒、界面活性剤もしくは分散剤で、可溶化もしくは乳化分散した溶液にし、場合によっては噴霧状で添加することができる。表面処理を円滑に行うための加熱は、40〜150℃の範囲が好ましい。
【0079】
1種以上の官能基を有するシリコーン化合物、フッ素系界面活性剤又はシランカップリング剤の混合時期は、吸水性ポリマーの重合体の粉砕前又は粉砕後いずれでもよいが、より好ましくは、吸水性ポリマーを粉砕後、吸水性ポリマー粒子とし、必要に応じ乾燥などにより含水量を適当な範囲に調整し、例えばニーダー中で混合させる。
【0080】
疎水性ビニルモノマーの重合体により被覆された吸水性ポリマー粒子は、吸水性ポリマー粒子の重合中又は重合後の逆相懸濁重合溶液、すなわち溶剤中に吸水性ポリマー粒子が懸濁したスラリーに、疎水性ビニルモノマー及び前述の油溶性重合開始剤を添加し、重合させることにより得られるものが好ましい。溶剤としては、前述の炭化水素系溶剤もしくはシリコーン系溶剤又はそれらの混合物が好ましく挙げられる。
【0081】
油溶性重合開始剤の使用量は、疎水性ビニルモノマーに対して0.03〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%が更に好ましい。重合開始剤はあらかじめ他の成分と混合溶解して使用されるが、残存モノマーを低減する目的から重合途中で溶剤等に希釈して、一括あるいは連続的に添加することが可能である。重合温度は20〜120℃であることが好ましく、重合時間は20〜180分であることが好ましい。
【0082】
本発明に用いられる表面疎水化吸水性ポリマー粒子としては、親水性ビニルモノマー及び架橋剤を、1種以上の官能基を有するシリコーン化合物又はフッ素系界面活性剤の存在下、逆相懸濁重合法で、重合して得られるもの、吸水性ポリマー粒子と、1種以上の官能基を有するシリコーン化合物、フッ素系界面活性剤又はシランカップリング剤を、水存在下、加熱して得られるもの、又は親水性ビニルモノマー及び架橋剤を、水溶性重合開始剤及び分散剤の存在下、逆相懸濁重合させ、重合中又は重合後に、疎水性ビニルモノマー及び油溶性重合開始剤を添加し、重合して得られるものが好ましく挙げられる。
【0083】
[抗菌剤]
本発明の化粧料組成物には、抗菌や殺菌により皮膚常在菌を抑制及び/又は殺菌するために、抗菌剤を用いることが好ましい。抗菌剤の種類は、本発明の目的を損なわない限り何れでもよい。
【0084】
抗菌剤としては、例えば、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、アルキル4級アンモニウム塩、クロルヘキシジン塩、ピリジニウム塩等のカチオン系化合物;イソプロピルメチルフェノール等のフェノール化合物;トリクロロカルバン等のカルバニリド化合物;トリクロサン等のジフェニルエーテル化合物;ヘキサクロロフェン;銀担持シリカ、銀担持ゼオライト、8−オキシキノリン銅等の抗菌性の金属又は有機金属が好ましく挙げられる。
【0085】
カチオン系化合物としては、次の一般式(XIII)で表わされる第4級アンモニウム塩、一般式(XIV)で表わされるベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、一般式(XV)で表わされるクロルヘキシジン塩、一般式(XVI)で表わされるピリジニウム塩等が好ましく挙げられる。
【0086】
【化7】
【0087】
(式中、R15、R16、R17及びR18の内、少なくとも1つは、炭素数16〜26のアルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。残りは、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はエチレンオキサイド平均付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。Z1−はハロゲンイオン又は有機アニオンを示す。)
【0088】
【化8】
【0089】
(式中、R19は炭素数8〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基あるいは式
【0090】
【化9】
【0091】
で表わされる基を示し、Z1−は前記と同じ意味を示す。)
【0092】
【化10】
【0093】
(式中、Z2はグルコン酸、酢酸又は塩酸を示す。)
【0094】
【化11】
【0095】
(式中、R20は炭素数6〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Z1−は前記と同じ意味を示す。)
上記一般式(XIII)、(XIV)及び(XVI)中のZ1−としては、塩素、ヨウ素、臭素等のハロゲンイオンが好ましく、塩素イオンが更に好ましい。
【0096】
カチオン系化合物の好適なものの具体例としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジンが挙げられる。
【0097】
抗菌剤は、1種単独又は2種類以上を混合して用いることができる。抗菌剤中、殺菌効果のあるカチオン系化合物が更に好ましく、塩化ベンザルコニウムが特に好ましい。
【0098】
[消臭剤]
本発明の化粧料組成物は、汗の成分が菌により分解され、発生した臭いを消臭するために、消臭剤を含有することが好ましい。消臭剤は本発明の目的を損なわない限り、従来の化粧料に慣用的に用いられているものであれば何でもよい。消臭方法は臭気物質の物理的吸着、化学的中和などの物理的消臭剤、中和消臭剤が挙げられる。好ましいものは、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、及び酸化バリウムからなる群から選ばれる1種以上の金属酸化物である。 金属酸化物は1種類又は2種類以上を混合して用いることができる。これらの中でも、酸化亜鉛が特に好ましい。化粧料中の分散性を向上させるため、また汗で流されないために、金属酸化物の表面が疎水化処理されたもの、特にシリコーン及び/又はフッ素化合物で被覆したものが好ましい。被覆するためには、表面処理を行うことが好ましい。処理剤としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、特開平5−339518号公報や特開平7−196946号公報に記載されているように、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基又はアルコキシ基等を有する反応性アルキルポリシロキサン(これらの官能基は、片末端、両末端、側鎖中にあってもよく、ケイ素原子に直接、又は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を介して結合している)、特開平6−23262号公報に記載されているフッ素基含有ハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。これらは、必要なら加熱等を行い金属酸化物と反応させることができる。シリコーン及び/又はフッ素化合物の被覆量は、金属酸化物100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部が更に好ましい。
【0099】
本発明に用いられる消臭剤としては、例えば、「微細亜鉛華」、「FINEX−25」、「FINEX−25LP」、「FINEX−50」「FINEX−50LP」、「FINEX−75」(以上、堺化学工業(株)製)、「ZnO−305」、「ZnO−310」「ZnO−350」(以上、住友大阪セメント(株)製)、「MZ−500」(テイカ社製)等が挙げられる。より好ましくは、表面が疎水化処理された金属酸化物が微分散したものであり、例えば、「コスメサーブ WPA−65MP」、「コスメサーブ WPA−STD」(以上、大日本化成(株)製)、「ダイトパーションZn50」(大東化成工業(株)製)等が挙げられる。
【0100】
金属酸化物の平均粒径は特に限定されないが、0.001〜5μmが好ましく、0.01〜1μmが更に好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。
【0101】
[化粧料組成物]
本発明の化粧料組成物は、乳化化粧料、油性化粧料、スプレー化粧料、スティック状化粧料、パウダー状化粧料、ロールオン型化粧料のいずれでもよいが、制汗剤用であることが好ましい。
【0102】
本発明の化粧料組成物中、吸水性ポリマー粒子の含有量(水膨潤していない状態の含有量)は、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%が更に好ましく、1〜20質量%が特に好ましい。この範囲内では、吸汗後のべとつきを抑えることができるため好ましい。更に、表面疎水化吸水性ポリマー粒子を用いることにより、吸汗後も粒子のサラサラ感を維持するため、皮膚上の感触がよく好ましい。
【0103】
本発明の化粧料組成物中、抗菌剤の含有量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜3質量%が更に好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。この範囲内では、殺菌効果が高く、配合安定性がよく好ましい。
【0104】
本発明の化粧料組成物中、消臭剤の含有量は、0.01〜30質量%が好ましく、0.05〜20質量%が更に好ましく、0.1〜10質量%が特に好ましい。この範囲内では、好ましい消臭効果が得られ、塗布後の白さが目だたず好ましい。
【0105】
吸水性ポリマー粒子と消臭剤の割合は、消臭剤/吸水性ポリマー粒子(質量比)=1/30〜1/1が好ましく、1/20〜1/2が更に好ましい。この範囲内では、消臭剤により、吸水性ポリマー粒子の吸水効果に影響を与えないために好ましい。
【0106】
また、本発明の化粧料組成物は、更にシリコーン油を含有することにより、よりべとつき感を低減し、さっぱりした使用感を与える化粧料が得られる。かかるシリコーン油としては、特に限定されないが、具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン等が挙げられ、必要に応じて、これらの1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。本発明の化粧料組成物が、スティック状である場合、シリコーン油は、組成物中に、好ましくは5〜90質量%、更に好ましくは30〜80質量%含有される。
【0107】
本発明の化粧料組成物には、更に化粧料成分として一般に使用されているその他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で、上記化粧料の形態、種類等に応じて適宜配合することができる。
【0108】
かかる化粧料成分としては、例えばマイカ、タルク、セリサイト、カオリン、ポリメチルシルセスキオキサン、硫酸バリウム等の体質顔料;酸化チタン、亜鉛華、酸化鉄等の無機顔料;ナイロンパウダー等の有機粉体;これら粉体をシリコーン処理、金属石けん処理、N−アシルグルタミン酸処理等の表面疎水化処理した粉体;固体状又は液状のパラフィン、固形パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、セレシン、オゾケライト、モンタンろう等の炭化水素類;オリーブ、地ろう、カルナウバろう、ラノリン、鯨ろう等の植物性油脂、動物性油脂又はロウ;ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、イソプロピルミリスチン酸エステル、イソプロピルステアリン酸エステル、ブチルステアリン酸エステル等の脂肪酸又はそのエステル類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール、ヘキシルドデシルアルコール等の高級アルコール類;カチオン化セルロース、カルボキシベタイン型ポリマー、カチオン化シリコーン等の吸着又は増粘剤;グリコール、ソルビトール等の保湿作用を有する多価アルコール類;美白剤、鎮痛消炎剤、鎮痒剤、収斂剤、皮膚軟化剤、ホルモン剤等の薬効成分;水;界面活性剤;W/O又はO/W型乳化剤;ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル変性シリコーン、グリセリルエーテル変性シリコーン等のシリコーン油用の乳化剤;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、トラガント、寒天、ゼラチン等の増粘剤;エタノール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の低級アルコール;その他、乳化安定剤、キレート剤、紫外線防御剤、pH調整剤、防腐剤、色素類、香料等が挙げられる。
【0109】
本発明の化粧料は、それぞれ常法に従って製造される。
【0110】
【実施例】
以下の例における「%」は、特に断らない限り、「質量%」を示す。
【0111】
合成例1
メタクリル酸(三菱レイヨン(株)製)500gとイオン交換水210gを2Lのビーカーに取り、冷却しつつ攪拌下、30%の苛性ソーダ水溶液581gを滴下して75%の中和を行った後、過硫酸カリウム2.0g(0.4%対メタクリル酸)を40.0gのイオン交換水に溶解した溶液と、架橋剤であるエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名、デナコールEX810、長瀬化成(株)製)10g(2.0%対メタクリル酸)を加え、均一に溶解した。得られた溶液を2Lのビーカー中、シクロヘキサン1130mlにアミノ変性シリコーン(ジーイー東芝シリコーン(株)製TSF4703、粘度(25℃):1000mm2/s、アミン当量:1600g/mol)15gを溶解して得られた溶液に添加し、ホモミキサーを用い、回転数10000r/minで5分間強攪拌を行い微細な油中水型分散滴を作った。次に還流冷却器を付した5Lのステンレス製反応釜に、シクロヘキサン1180mlにアミノ変性シリコーン(ジーイー東芝シリコーン(株)製TSF4703、粘度(25℃):1000mm2/s、アミン当量:1600g/mol)10gを入れ350r/minで攪拌し、予め系内を75℃に加熱し、窒素置換した溶液の中に、上記のメタクリル酸部分中和油中水型分散滴を滴下し、同時に重合を開始させた。全量を2.0時間で滴下した後、還流温度で更に4時間熟成を行った。その後脱水管を取り付け、昇温し600mlの脱水を行い、更に2310mlのシクロヘキサンを蒸発留去後、放冷し合成を完結した。減圧下で蒸発乾固を行うことによって630gの微粉末状の白色乾燥ポリマーを得た。得られた吸水性ポリマー粒子の平均粒径は3.0μmであった。吸水量は22g/gであった。
【0112】
合成例2
架橋剤であるエチレングリコールジグリシジルエーテルの量を25gにした以外は合成例1と同様の操作を行い、吸水性ポリマー粒子を得た。得られた吸水性ポリマー粒子の平均粒径は2.8μmであった。吸水量は15g/gであった。
【0113】
合成例3
メタクリル酸(三菱レイヨン(株)製)500gとイオン交換水210gを2Lのビーカーに取り、冷却しつつ攪拌下、30%の苛性ソーダ水溶液581gを滴下して75%の中和を行った後、過硫酸カリウム2.0g(0.4%対メタクリル酸)を40.0gのイオン交換水に溶解した溶液と、架橋剤であるエチレングリコールジグリシジルエーテル(商品名、デナコールEX810、長瀬化成(株)製)25g(5.0%対メタクリル酸)を加え、均一に溶解した。得られた溶液を2Lのビーカー中、シクロヘキサン1130mlにアミノ変性シリコーン(信越化学工業(株)製 KF−861、粘度(25℃):3500mm2/s、アミン当量:2000g/mol)15gを溶解して得られた溶液に添加し、ホモミキサーを用い、回転数5000r/minで5分間強攪拌を行い微細な油中水型分散滴を作った。次に還流冷却器を付した5Lのステンレス製反応釜に、シクロヘキサン1180mlにアミノ変性シリコーン(信越化学工業(株)製 KF−861、粘度(25℃):3500mm2/s、アミン当量:2000g/mol)10gを入れ350r/minで攪拌し、予め系内を75℃に加熱し、窒素置換した溶液の中に、上記のメタクリル酸部分中和油中水型分散滴を滴下し、同時に重合を開始させた。全量を2.0時間で滴下した後、還流温度で更に4時間熟成を行った。その後脱水管を取り付け、昇温し600mlの脱水を行い、デカメチルシクロペンタシロキサン(SH245、東レダウコーニングシリコーン社製)350gを加えて、更に2310mlのシクロヘキサンのみを蒸発留去後、放冷し合成を完結した。950gの白色スラリー状のポリマーを得た。得られた吸水性ポリマー粒子の平均粒径は6.3μmであった。吸水量は25g/gであった。
【0114】
合成例4
架橋剤であるエチレングリコールジグリシジルエーテルの量を5g、ホモミキサーの回転数を3000r/minにした以外は合成例3と同様の操作を行い、吸水性ポリマー粒子を得た。得られた吸水性ポリマー粒子の平均粒径は12.1μmであった。吸水量は38g/gであった。
【0115】
実施例1〜5及び比較例1〜2
200mlのビーカーに、下記に示す、オイル類、制汗成分、吸水性ポリマー粒子、粉体類、抗菌剤、消臭剤を入れ、室温で20分間混合した。80℃まで昇温後、高級アルコールを混ぜて更に20分間攪拌した。65℃まで冷却させて取り出すことで、スティック状制汗剤を製造した。得られた制汗剤について、下記方法で制汗試験及び防臭試験を行った。結果を表1に示す。
【0116】
<配合成分>
オイル類
a−1:デカメチルシクロペンタシロキサン、SH245、東レダウコーニングシリコーン社製
a−2:ジメチルポリシロキサン、KF96A−10cs、信越化学工業(株)製
粉体類
b−1:シリコンレジン、KMP599、信越化学工業(株)製
高級アルコール
c−1:ステアリルアルコール
吸水性ポリマー粒子
d−1:合成例1で得られたもの
d−2:合成例2で得られたもの
d−3:合成例3で得られたもの
d−4:合成例4で得られたもの
制汗成分
e−1:アルミニウムハイドロキシクロライド
e−2:パラフェノールスルホン酸亜鉛
抗菌剤
f−1:塩化ベンザルコニウム
f−2:イソプロピルメチルフェノール
f−3:トリクロサン
消臭剤
g−1:酸化亜鉛、FINEX−50LP、堺化学工業(株)製
g−2:酸化亜鉛、ダイトパーションZn50、大東化成工業(株)製
g−3:酸化亜鉛、コスメサーブ WPA−65MP、大日本化成(株)製
<制汗試験>
健康な男性パネラー5名に制汗剤を塗布後、温室(40℃/80%RH)に5分間入室した時の腋の濡れ具合を、下記項目の4段階で評価し、その平均値で判定した。未塗布では3.7であった。
【0117】
1:乾いている
2:やや湿っている
3:明らかに湿っている
4:濡れている
<防臭試験>
腋臭を有する健康な男性パネラー5名に、制汗剤を朝、腋に塗布して8時間後に腋の臭気強度を、3名の官能評価者によって下記項目の6段階で評価し、その平均値で判定した。未塗布では3.5であった。
【0118】
0:無臭
1:微臭
2:やや臭う
3:やや強く臭う
4:強く臭う
5:非常に強く臭う
【0119】
【表1】
【0120】
注)
*1:吸水性ポリマー粒子の配合量はポリマー量である
*2:酸化亜鉛としての配合量である
比較例1及び2の制汗剤は、塗布後、腋にきしみ感が生じた。
【0121】
以下に処方例を示す。
【0122】
処方例1:ボディーローション
<組成>
吸水性ポリマー粒子(合成例1) 3.0%
酸化亜鉛(ダイトパーションZn50) 1.0
塩化ベンザルコニウム 0.1
グリセリン 80.0
ステアリルアルコール 5.0
ジメチルポリシロキサン* 2.0
シリコーン処理タルク 3.0
水 残量
*:KF96A−10cs、信越化学工業(株)製。
【0123】
処方例2:パウダースプレー型制汗剤
<組成>
吸水性ポリマー粒子(合成例2) 2.0%
酸化亜鉛(FINEX−50LP) 0.2
塩化ベンザルコニウム 0.02
シリコーンパウダー* 1.0
タルク 12.0
パルミチン酸イソプロピル 2.0
香料 0.2
液化石油ガス 残 量
*:KMP599、信越化学工業(株)製。
【0124】
処方例3:ロールオン型制汗剤
<組成>
ジメチルポリシロキサン* 5.0%
エタノール 20.0
グリセリン 4.0
吸水性ポリマー粒子(合成例3) 5.0
酸化亜鉛(コスメサーブ WPA−65MP) 1.0
塩化ベンザルコニウム 0.1
オクタメチルシクロテトラシロキサン 残量
*:KF96A−10cs、信越化学工業(株)製
【0125】
【発明の効果】
本発明の化粧料組成物は、汗によるべたつきを防ぎ、消臭効果が高く、好ましい使用感を有するものである。また、表面疎水化吸水性ポリマー粒子を用いることで、更に吸汗後もサラサラ感が高く、感触的に好ましいものである。
Claims (7)
- 吸水性ポリマー粒子、抗菌剤、及び消臭剤を含有する化粧料組成物。
- 表面疎水化吸水性ポリマー粒子と、抗菌剤及び消臭剤からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する化粧料組成物。
- 抗菌剤が、カチオン系化合物である請求項1又は2記載の化粧料組成物。
- 消臭剤が、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛及び酸化バリウムからなる群から選ばれる1種以上の金属酸化物である請求項1〜3いずれかの項記載の化粧料組成物。
- 吸水性ポリマー粒子又は表面疎水化吸水性ポリマー粒子から選ばれるポリマー粒子の平均粒径が、0.1〜50μmである請求項1〜4いずれかの項記載の化粧料組成物。
- 表面疎水化吸水性ポリマー粒子が、吸水性ポリマー粒子の表面が1種以上の官能基を有するシリコーン化合物により被覆されてなるものである請求項2〜5いずれかの項記載の化粧料組成物。
- 制汗剤用である請求項1〜6いずれかの項記載の化粧料組成物。
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