JP2004161616A - 基礎代謝促進方法 - Google Patents
基礎代謝促進方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004161616A JP2004161616A JP2002325648A JP2002325648A JP2004161616A JP 2004161616 A JP2004161616 A JP 2004161616A JP 2002325648 A JP2002325648 A JP 2002325648A JP 2002325648 A JP2002325648 A JP 2002325648A JP 2004161616 A JP2004161616 A JP 2004161616A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tea
- polymer
- metabolism
- catechin
- polymer catechins
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Tea And Coffee (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Abstract
【課題】効率的な基礎代謝及び脂質代謝改善方法の提供。
【解決手段】非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取するヒトの基礎代謝促進方法及び脂質代謝促進方法。
【選択図】 なし
【解決手段】非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取するヒトの基礎代謝促進方法及び脂質代謝促進方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、効率的に基礎代謝促進作用及び脂質代謝促進作用を発現させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒトの消費エネルギーは、大きくは基礎代謝と生活活動代謝に分かれる。このうち基礎代謝は、呼吸、血液循環、体温保持などヒトが生きていく上で最低限必要なエネルギーである。効果的な肥満解消には、運動などにより基礎代謝を上昇させることが必要とされている。すなわち、基礎代謝が低下すると消費エネルギー全体が少なくなるため、基礎代謝が低下しても以前と同じ食事量を摂取すると太ることになる。また、基礎代謝を上昇させれば、生命維持に必要な消費エネルギーが増加するため、同じ食事量だと体重が低下することになる。
【0003】
基礎代謝量、脂質代謝量は、通常呼吸商から求めることができる。呼吸商は、一定時間内に消費された酸素量に対する二酸化炭素の生成量の割合をいい、当該呼吸商に相当する酸素の燃焼カロリーから単位時間内のエネルギーを求め、基礎代謝量(Weirの式)、脂質代謝量(Zuntzの式)を算出することができる。
【0004】
このように呼吸商を促進すれば、基礎代謝、脂質代謝が促進され、太りにくい体質となる。従って、毎日摂取でき、かつ呼吸商促進作用を有する成分が求められている。
【0005】
茶カテキンをラットに長期摂取又は単回摂取させると脂質の酸化分解産物である二酸化炭素の生成量を増加させることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。また1日当たり270mgの粉末状の緑茶抽出カテキンを摂取すると、呼吸商の低下、日中のエネルギ−代謝量(EE)が増加することが知られている(例えば、非特許文献2参照)。一方、粉体状の緑茶抽出物は、摂取量に依存して血中のカテキン濃度が増加することが知られている(例えば、非特許文献3参照)。
【0006】
【非特許文献1】
Onizawa K,Watanabe H,Yamaguchi T et al:Effect of tea catechinson the oxidation of dietary lipids in rats.J.Oleo Sci.50:657−662,2001
【非特許文献2】
Dulloo, A.G., Duret, C., Rohrer, D., Girardier, L., Mensi, N.,Fathi, M., Chantre, P. & Vandermander, J. (2000) Am.J.Clin.Nutr.,70, 1040−1045.
【非特許文献3】
Nakagawa K.,Okuda S.,Miyazawa T.(1997)Biosci.Biotech.Biochem, 19,1981−1985.
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いかなる非重合体カテキン類の摂取手段が基礎代謝促進及び脂質代謝促進に効果的なのかについての知見はなかった。
【0008】
本発明の目的は、呼吸商を促進し、効率的に基礎代謝促進作用及び脂質代謝促進作用を発現させるための非重合体カテキン類の摂取方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、カテキンの摂取方法について検討した結果、溶解状態では、カテキンを容易に大量摂取しやすいことが判明した。また、溶解状態にある非重合体カテキン類の効率の良い摂取の方法について検討した結果、特定の範囲の高濃度での摂取が特に効率的に、基礎代謝促進作用及び脂質代謝促進作用を発現させることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取するヒトの基礎代謝促進方法を提供するものである。
また、本発明は、非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取するヒトの脂質代謝促進方法を提供するものである。
更に本発明は、非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取する形態からなるヒトの基礎代謝促進剤を提供するものである。
更にまた、本発明は、非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取する形態からなるヒトの脂質代謝促進剤を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される非重合体カテキン類とは、具体的には、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート合計8種の総和である。
【0012】
本発明に使用する非重合体カテキン類としては、安全性、加工容易性の点から茶葉由来のものが好ましい。当該茶葉由来の非重合体カテキン類は、Camellia属、例えばC.sinensis及びC.assamica、やぶきた種又はそれらの雑種から得られる茶葉から製茶された、煎茶、玉露、などの緑茶類;総称して烏龍茶と呼ばれる鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶などの半発酵茶、紅茶と呼ばれるダージリン、アッサム、スリランカなどの発酵茶の茶葉から水や熱水により抽出して得られたものである。
【0013】
本発明においては、抽出したものを更に濃縮して使用してもよい。茶抽出物の濃縮物とは、茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものであって、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報などに詳細に例示されている方法で調製したものをいう。市販品としては三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」、サントリー(株)「サンウーロン」などが挙げられる。
【0014】
非重合体カテキン類の経口摂取においては、非重合性カテキンは、0.08〜0.5重量%、好ましくは0.092〜0.3重量%、更に好ましくは0.12〜0.25重量%の範囲含有する水溶液として摂取するのがよい。非重合体カテキン類濃度が0.08重量%未満の場合、効率的な呼吸商改善、基礎代謝促進及び脂質代謝促進作用の上昇効果がなく、0.5重量%を超える場合、日常的な経口摂取に耐えられない。
【0015】
1日当たりの非重合体カテキン類としての摂取量は400mg〜2000mg、好ましくは500mg〜2000mg、更に好ましくは600mg〜2000mgである。1日当たりの摂取量が400mg未満の場合、効率的な呼吸商改善、基礎代謝促進及び脂質代謝促進作用の上昇効果がなく好ましくない。また1日の摂取量が2000mgを超えると呈味の点で連用することが難しくなる。
【0016】
本発明における非重合体カテキン類を含有する水溶液の形態は特に制限はなく、容器詰飲料の形態、茶抽出物の濃縮物や精製物を水に溶かした形態、及びインスタント緑茶、インスタント紅茶などのインスタント粉末茶を水に溶解した形態が挙げられる。個人の嗜好に合せて微妙に濃度を調節できることから、風味の良好なインスタント粉末茶での摂取が比較的好ましい。
【0017】
例えば、容器詰飲料の形態としては、茶葉から直接抽出したもの、茶抽出液にカテキン製剤を添加したものなどが挙げられる。また、通常のインスタント緑茶の製造方法に相当する、煎茶を抽出、濃縮、乾燥、粒型の製造方法によって製造されたインスタント粉末茶を所定の濃度以上になるように水に溶解して使用してもよい。ここでいう煎茶とは普通煎茶、深蒸し茶の他、番茶も含む。一方、てん茶を微粉末にして製造される抹茶については、水溶性の非重合体カテキン類が固形物から溶出し、その濃度が0.08〜0.5重量%になる場合には使用することができる。本発明で使用するインスタント粉末茶の粒径は溶かして飲む場合に、非重合体カテキン類を高濃度に溶解させるために平均粒径10μm以下のものが好ましい。
【0018】
本発明にインスタント粉末茶にはサイクロデキストリンとしては、α−、β−、γ−サイクロデキストリン及び分岐α−、β−、γ−サイクロデキストリンが使用できる。サイクロデキストリンの配合により、更に苦味が抑制された良好な味となる。
【0019】
本発明で使用するインスタント粉末茶には、更に緑茶、紅茶、烏龍茶などの茶類抽出液由来の乾燥粉末を配合しても良い。また果実エキス粉末、野菜エキス粉末などを配合することもできる。通常、インスタント緑茶は抽出、濃縮、乾燥、粒型化の四つの工程を経るものをいう。非重合体カテキン類の血中移行性の観点から、インスタント緑茶または水不溶性成分は少ない飲料が好ましい。
【0020】
本発明で使用するインスタント粉末茶には、茶由来の成分にあわせて、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類などの添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。
【0021】
例えば甘味料としては、砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化液糖、グリチルリチン、ステビア、アスパルテーム、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などが挙げられる。酸味料としては、天然成分から抽出した果汁類のほか、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、リン酸が挙げられる。
無機酸類、無機酸塩類としてはリン酸、リン酸二ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0022】
本発明で使用するインスタント粉末茶の濃縮には真空濃縮法や凍結濃縮法などがある。本発明で使用するインスタント粉末茶は公知の方法で微粉末化することが可能である。微粉末化の方法は乾式でも湿式でもよい。具体的には、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥などがあり、品質的には凍結乾燥が好ましく、コスト面では噴霧乾燥が好ましい。
【0023】
また本発明で使用するインスタント粉末茶の形態は、特に限定はなく、容器詰の上でスプーンによる計量方法を用いても良いが、スティックタイプのものが1杯分を簡便に調製できる上で好ましい。また密封容器内は窒素ガスを充填し、材質は酸素透過性の低いものの方がインスタント粉末茶の品質を維持する上で好ましい。
【0024】
当該非重合体カテキン類の含有量の30〜98重量%、好ましくは40〜90重量%がエピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン及びガロカテキンから選ばれたものであると、製剤としての呈味が更に優れ、無理なく連用できるため好ましい。
【0025】
【実施例】
非重合体カテキン類の測定
フィルター(0.8μm)で濾過した試験サンプルを、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
【0026】
試験サンプルの調製
試験サンプルは市販のカテキン製剤を、所望の濃度とした。表1に試験サンプルの対照群と試験群の非重合体カテキン類含有量及び非重合体カテキン類摂取量を示す。
【0027】
【表1】
【0028】
非重合体カテキン類の濃度は、対照群:0.0624重量%、試験群:0.178重量%とした。
非重合体カテキン類の摂取量は、対照群:624mg/回、試験群:624mg/回とした。
【0029】
試験方法
被験者は年齢が36.4±2.8歳の健常男子10名を対象とした。被験者の試験開始前の日本肥満学会基準により求めたBody Mass Index(BMI)は23.3±2.6であった。すべての試験の溶解状態の非重合体カテキン類の単回投与試験は、試験期間を2週間とし、1週間に1回の割合で無作為抽出による摂取試験を実施した。
食事由来のエネルギー消費量の影響を排除するために、試験前日の夕食の栄養組成は、毎回同じ献立で837kcal、蛋白質41.4g、脂質31.6g、糖質90.0gのものとし、更に食事性の脂肪と体脂肪に対する作用を区別するため、被験者を15時間絶食させた後に試験を実施した。また前日の夕食後から測定終了まで水以外の食事を禁じ各自500mLを限度に水分を摂取した。起床から試験までの運動、作業、喫煙を禁止した。試験飲料の摂取は午前9時に実施し、試験中の安静状態を維持するために、室温26.5±0.1℃、相対湿度52±1RH%の室内で測定した。
【0030】
呼気分析方法
呼気分析装置はVmax(センサーメディック社製)を用いた。測定は呼気と大気をそれぞれ装置内に取り込み、大気中の酸素と二酸化炭素の濃度と呼気して排泄された酸素と二酸化炭素の濃度の差から、酸素消費量、二酸化炭素排泄量、呼吸商の算出及びWeirの式によりエネルギー消費量の算出を行った。呼気測定は、呼気採取直前の30分前からベッドに横たわった状態で安静を確保し、その後、静かにマスクを装着して10分間、横たわった状態で呼気を採取した。被験物質を採取していない状態を初期値とするために、試験飲料の摂取直前に呼気分析を行った。試験飲料の摂取は初期値の測定終了後、10分以内に全量を摂取した。呼気測定の間隔は、茶カテキン摂取終了を起点とし、150分、225分、300分に実施した。
【0031】
データ解析
基礎代謝量、脂質代謝量(Zuntzの式)の各測定値と飲料摂取前の値に対する各測定値の相対値(%)を算出し、平均値±標準誤差で示した。各群の初期値の比較は、PAIRED t−testにより行った。初期値と飲料摂取後の各時間の値の比較は測定値を用い、検定を行った。また各飲料の群間の有意差は、各被験者の初期値のばらつきを相殺するため、相対値を用い、検定を行った。すべての統計解析は、Stat View for Window version5.0J(SAA Institute Inc.,Cary,USA)を用いて行った。
【0032】
結果
非重合体カテキン類の経口摂取量が同等である対照群と試験群それぞれの基礎代謝量及び脂質代謝量について、呼吸商測定に基づき比較を行った。その結果、表2に示すように溶解非重合体カテキン類濃度が0.08〜0.5重量%で1日摂取量が400〜2000mgの場合に基礎代謝量及び脂質代謝量が有意に上昇することがわかった。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば非重合体カテキン類の濃度を一定濃度に調整し、一定量を経口摂取することによって効率的にヒトの基礎代謝量及び脂質代謝量が効率的に上昇する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、効率的に基礎代謝促進作用及び脂質代謝促進作用を発現させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒトの消費エネルギーは、大きくは基礎代謝と生活活動代謝に分かれる。このうち基礎代謝は、呼吸、血液循環、体温保持などヒトが生きていく上で最低限必要なエネルギーである。効果的な肥満解消には、運動などにより基礎代謝を上昇させることが必要とされている。すなわち、基礎代謝が低下すると消費エネルギー全体が少なくなるため、基礎代謝が低下しても以前と同じ食事量を摂取すると太ることになる。また、基礎代謝を上昇させれば、生命維持に必要な消費エネルギーが増加するため、同じ食事量だと体重が低下することになる。
【0003】
基礎代謝量、脂質代謝量は、通常呼吸商から求めることができる。呼吸商は、一定時間内に消費された酸素量に対する二酸化炭素の生成量の割合をいい、当該呼吸商に相当する酸素の燃焼カロリーから単位時間内のエネルギーを求め、基礎代謝量(Weirの式)、脂質代謝量(Zuntzの式)を算出することができる。
【0004】
このように呼吸商を促進すれば、基礎代謝、脂質代謝が促進され、太りにくい体質となる。従って、毎日摂取でき、かつ呼吸商促進作用を有する成分が求められている。
【0005】
茶カテキンをラットに長期摂取又は単回摂取させると脂質の酸化分解産物である二酸化炭素の生成量を増加させることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。また1日当たり270mgの粉末状の緑茶抽出カテキンを摂取すると、呼吸商の低下、日中のエネルギ−代謝量(EE)が増加することが知られている(例えば、非特許文献2参照)。一方、粉体状の緑茶抽出物は、摂取量に依存して血中のカテキン濃度が増加することが知られている(例えば、非特許文献3参照)。
【0006】
【非特許文献1】
Onizawa K,Watanabe H,Yamaguchi T et al:Effect of tea catechinson the oxidation of dietary lipids in rats.J.Oleo Sci.50:657−662,2001
【非特許文献2】
Dulloo, A.G., Duret, C., Rohrer, D., Girardier, L., Mensi, N.,Fathi, M., Chantre, P. & Vandermander, J. (2000) Am.J.Clin.Nutr.,70, 1040−1045.
【非特許文献3】
Nakagawa K.,Okuda S.,Miyazawa T.(1997)Biosci.Biotech.Biochem, 19,1981−1985.
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いかなる非重合体カテキン類の摂取手段が基礎代謝促進及び脂質代謝促進に効果的なのかについての知見はなかった。
【0008】
本発明の目的は、呼吸商を促進し、効率的に基礎代謝促進作用及び脂質代謝促進作用を発現させるための非重合体カテキン類の摂取方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、カテキンの摂取方法について検討した結果、溶解状態では、カテキンを容易に大量摂取しやすいことが判明した。また、溶解状態にある非重合体カテキン類の効率の良い摂取の方法について検討した結果、特定の範囲の高濃度での摂取が特に効率的に、基礎代謝促進作用及び脂質代謝促進作用を発現させることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取するヒトの基礎代謝促進方法を提供するものである。
また、本発明は、非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取するヒトの脂質代謝促進方法を提供するものである。
更に本発明は、非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取する形態からなるヒトの基礎代謝促進剤を提供するものである。
更にまた、本発明は、非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取する形態からなるヒトの脂質代謝促進剤を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される非重合体カテキン類とは、具体的には、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート合計8種の総和である。
【0012】
本発明に使用する非重合体カテキン類としては、安全性、加工容易性の点から茶葉由来のものが好ましい。当該茶葉由来の非重合体カテキン類は、Camellia属、例えばC.sinensis及びC.assamica、やぶきた種又はそれらの雑種から得られる茶葉から製茶された、煎茶、玉露、などの緑茶類;総称して烏龍茶と呼ばれる鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶などの半発酵茶、紅茶と呼ばれるダージリン、アッサム、スリランカなどの発酵茶の茶葉から水や熱水により抽出して得られたものである。
【0013】
本発明においては、抽出したものを更に濃縮して使用してもよい。茶抽出物の濃縮物とは、茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものであって、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報などに詳細に例示されている方法で調製したものをいう。市販品としては三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」、サントリー(株)「サンウーロン」などが挙げられる。
【0014】
非重合体カテキン類の経口摂取においては、非重合性カテキンは、0.08〜0.5重量%、好ましくは0.092〜0.3重量%、更に好ましくは0.12〜0.25重量%の範囲含有する水溶液として摂取するのがよい。非重合体カテキン類濃度が0.08重量%未満の場合、効率的な呼吸商改善、基礎代謝促進及び脂質代謝促進作用の上昇効果がなく、0.5重量%を超える場合、日常的な経口摂取に耐えられない。
【0015】
1日当たりの非重合体カテキン類としての摂取量は400mg〜2000mg、好ましくは500mg〜2000mg、更に好ましくは600mg〜2000mgである。1日当たりの摂取量が400mg未満の場合、効率的な呼吸商改善、基礎代謝促進及び脂質代謝促進作用の上昇効果がなく好ましくない。また1日の摂取量が2000mgを超えると呈味の点で連用することが難しくなる。
【0016】
本発明における非重合体カテキン類を含有する水溶液の形態は特に制限はなく、容器詰飲料の形態、茶抽出物の濃縮物や精製物を水に溶かした形態、及びインスタント緑茶、インスタント紅茶などのインスタント粉末茶を水に溶解した形態が挙げられる。個人の嗜好に合せて微妙に濃度を調節できることから、風味の良好なインスタント粉末茶での摂取が比較的好ましい。
【0017】
例えば、容器詰飲料の形態としては、茶葉から直接抽出したもの、茶抽出液にカテキン製剤を添加したものなどが挙げられる。また、通常のインスタント緑茶の製造方法に相当する、煎茶を抽出、濃縮、乾燥、粒型の製造方法によって製造されたインスタント粉末茶を所定の濃度以上になるように水に溶解して使用してもよい。ここでいう煎茶とは普通煎茶、深蒸し茶の他、番茶も含む。一方、てん茶を微粉末にして製造される抹茶については、水溶性の非重合体カテキン類が固形物から溶出し、その濃度が0.08〜0.5重量%になる場合には使用することができる。本発明で使用するインスタント粉末茶の粒径は溶かして飲む場合に、非重合体カテキン類を高濃度に溶解させるために平均粒径10μm以下のものが好ましい。
【0018】
本発明にインスタント粉末茶にはサイクロデキストリンとしては、α−、β−、γ−サイクロデキストリン及び分岐α−、β−、γ−サイクロデキストリンが使用できる。サイクロデキストリンの配合により、更に苦味が抑制された良好な味となる。
【0019】
本発明で使用するインスタント粉末茶には、更に緑茶、紅茶、烏龍茶などの茶類抽出液由来の乾燥粉末を配合しても良い。また果実エキス粉末、野菜エキス粉末などを配合することもできる。通常、インスタント緑茶は抽出、濃縮、乾燥、粒型化の四つの工程を経るものをいう。非重合体カテキン類の血中移行性の観点から、インスタント緑茶または水不溶性成分は少ない飲料が好ましい。
【0020】
本発明で使用するインスタント粉末茶には、茶由来の成分にあわせて、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類などの添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。
【0021】
例えば甘味料としては、砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化液糖、グリチルリチン、ステビア、アスパルテーム、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などが挙げられる。酸味料としては、天然成分から抽出した果汁類のほか、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、リン酸が挙げられる。
無機酸類、無機酸塩類としてはリン酸、リン酸二ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0022】
本発明で使用するインスタント粉末茶の濃縮には真空濃縮法や凍結濃縮法などがある。本発明で使用するインスタント粉末茶は公知の方法で微粉末化することが可能である。微粉末化の方法は乾式でも湿式でもよい。具体的には、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥などがあり、品質的には凍結乾燥が好ましく、コスト面では噴霧乾燥が好ましい。
【0023】
また本発明で使用するインスタント粉末茶の形態は、特に限定はなく、容器詰の上でスプーンによる計量方法を用いても良いが、スティックタイプのものが1杯分を簡便に調製できる上で好ましい。また密封容器内は窒素ガスを充填し、材質は酸素透過性の低いものの方がインスタント粉末茶の品質を維持する上で好ましい。
【0024】
当該非重合体カテキン類の含有量の30〜98重量%、好ましくは40〜90重量%がエピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン及びガロカテキンから選ばれたものであると、製剤としての呈味が更に優れ、無理なく連用できるため好ましい。
【0025】
【実施例】
非重合体カテキン類の測定
フィルター(0.8μm)で濾過した試験サンプルを、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
【0026】
試験サンプルの調製
試験サンプルは市販のカテキン製剤を、所望の濃度とした。表1に試験サンプルの対照群と試験群の非重合体カテキン類含有量及び非重合体カテキン類摂取量を示す。
【0027】
【表1】
【0028】
非重合体カテキン類の濃度は、対照群:0.0624重量%、試験群:0.178重量%とした。
非重合体カテキン類の摂取量は、対照群:624mg/回、試験群:624mg/回とした。
【0029】
試験方法
被験者は年齢が36.4±2.8歳の健常男子10名を対象とした。被験者の試験開始前の日本肥満学会基準により求めたBody Mass Index(BMI)は23.3±2.6であった。すべての試験の溶解状態の非重合体カテキン類の単回投与試験は、試験期間を2週間とし、1週間に1回の割合で無作為抽出による摂取試験を実施した。
食事由来のエネルギー消費量の影響を排除するために、試験前日の夕食の栄養組成は、毎回同じ献立で837kcal、蛋白質41.4g、脂質31.6g、糖質90.0gのものとし、更に食事性の脂肪と体脂肪に対する作用を区別するため、被験者を15時間絶食させた後に試験を実施した。また前日の夕食後から測定終了まで水以外の食事を禁じ各自500mLを限度に水分を摂取した。起床から試験までの運動、作業、喫煙を禁止した。試験飲料の摂取は午前9時に実施し、試験中の安静状態を維持するために、室温26.5±0.1℃、相対湿度52±1RH%の室内で測定した。
【0030】
呼気分析方法
呼気分析装置はVmax(センサーメディック社製)を用いた。測定は呼気と大気をそれぞれ装置内に取り込み、大気中の酸素と二酸化炭素の濃度と呼気して排泄された酸素と二酸化炭素の濃度の差から、酸素消費量、二酸化炭素排泄量、呼吸商の算出及びWeirの式によりエネルギー消費量の算出を行った。呼気測定は、呼気採取直前の30分前からベッドに横たわった状態で安静を確保し、その後、静かにマスクを装着して10分間、横たわった状態で呼気を採取した。被験物質を採取していない状態を初期値とするために、試験飲料の摂取直前に呼気分析を行った。試験飲料の摂取は初期値の測定終了後、10分以内に全量を摂取した。呼気測定の間隔は、茶カテキン摂取終了を起点とし、150分、225分、300分に実施した。
【0031】
データ解析
基礎代謝量、脂質代謝量(Zuntzの式)の各測定値と飲料摂取前の値に対する各測定値の相対値(%)を算出し、平均値±標準誤差で示した。各群の初期値の比較は、PAIRED t−testにより行った。初期値と飲料摂取後の各時間の値の比較は測定値を用い、検定を行った。また各飲料の群間の有意差は、各被験者の初期値のばらつきを相殺するため、相対値を用い、検定を行った。すべての統計解析は、Stat View for Window version5.0J(SAA Institute Inc.,Cary,USA)を用いて行った。
【0032】
結果
非重合体カテキン類の経口摂取量が同等である対照群と試験群それぞれの基礎代謝量及び脂質代謝量について、呼吸商測定に基づき比較を行った。その結果、表2に示すように溶解非重合体カテキン類濃度が0.08〜0.5重量%で1日摂取量が400〜2000mgの場合に基礎代謝量及び脂質代謝量が有意に上昇することがわかった。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば非重合体カテキン類の濃度を一定濃度に調整し、一定量を経口摂取することによって効率的にヒトの基礎代謝量及び脂質代謝量が効率的に上昇する。
Claims (4)
- 非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取するヒトの基礎代謝促進方法。
- 非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取するヒトの脂質代謝促進方法。
- 非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取する形態からなるヒトの基礎代謝促進剤。
- 非重合体カテキン類を0.08〜0.5重量%含有する水溶液を1日当たり非重合体カテキン類として400〜2000mg経口摂取する形態からなるヒトの脂質代謝促進剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002325648A JP2004161616A (ja) | 2002-11-08 | 2002-11-08 | 基礎代謝促進方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002325648A JP2004161616A (ja) | 2002-11-08 | 2002-11-08 | 基礎代謝促進方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004161616A true JP2004161616A (ja) | 2004-06-10 |
Family
ID=32804807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002325648A Pending JP2004161616A (ja) | 2002-11-08 | 2002-11-08 | 基礎代謝促進方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004161616A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005225804A (ja) * | 2004-02-13 | 2005-08-25 | Kao Corp | Ampk活性化剤 |
-
2002
- 2002-11-08 JP JP2002325648A patent/JP2004161616A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005225804A (ja) * | 2004-02-13 | 2005-08-25 | Kao Corp | Ampk活性化剤 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2007278221B2 (en) | Beverage precursor and process for the manufacture thereof | |
US8088429B2 (en) | Package drink | |
JP4562682B2 (ja) | 精製緑茶抽出物の製造法 | |
JP4569965B2 (ja) | 精製緑茶抽出物の製造法 | |
AU2007278373B2 (en) | Improved beverage | |
JP2007061037A (ja) | 精製緑茶抽出物の製造方法 | |
JP4247178B2 (ja) | 精製緑茶抽出物の製造方法 | |
JP4999084B2 (ja) | インスタント粉末茶 | |
JP4280232B2 (ja) | 精製緑茶抽出物の製造方法 | |
JP2005176760A (ja) | 精製緑茶抽出物を配合した容器詰飲料 | |
JP4383337B2 (ja) | 高濃度カテキン含有容器詰烏龍茶飲料 | |
US20120183614A1 (en) | Polyphenol compound absorption promoter and utilization of same | |
JP2004161616A (ja) | 基礎代謝促進方法 | |
JP2011006355A (ja) | 骨密度改善組成物及び飲食物 | |
JP2004159505A (ja) | インスタント粉末飲料 | |
JP7320992B2 (ja) | 飲料組成物 | |
JP5393770B2 (ja) | 粉末紅茶 | |
JP4840003B2 (ja) | 経口用組成物 | |
JP2009274969A (ja) | 血清トリグリセリド濃度低下剤 | |
JP2010275275A (ja) | 集中力向上用組成物及び飲食物 | |
JP2005082533A (ja) | 血中過酸化脂質濃度低下剤 | |
WO2012033488A1 (en) | Composition comprising tea solids | |
JP2007145830A (ja) | くしゃみ発作、鼻漏改善剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041213 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080805 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081006 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081118 |