JP2004161019A - 車両用収納装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、意匠面を周囲の車両用内装部材の意匠面と面一にすることができ、ドアの開操作が従来に比べて容易な車両用収納装置の提供。
【解決手段】収容部11を有するボックス10と、収容部11を開閉可能なドア20と、ドア20を閉位置でロックしドア20を押してロックを解除させるロック・ロック解除機構30と、ドア20を開方向に付勢するドア付勢バネ40とを、有し、ドア20は、ボックス10に移動可能に取り付けられたインナードア21と、インナードア21に対し移動可能なアウタードア22と、アウタードア22をインナードア21から離れる方向に付勢する付勢部材23を、備える、車両用収納装置1。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中央から開く一対の両開きのドアを有する車両用収納装置として、以下の▲1▼、▲2▼の車両用収納装置がある。
▲1▼ロック解除ボタンが設けられており、ロック解除ボタンを押してドアを開ける車両用収納装置。
▲2▼ドアにノブを設け、手動でドアを開ける車両用収納装置(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−38983号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記▲1▼、▲2▼の車両用収納装置には、つぎの問題がある。
▲1▼の車両用収納装置
一般的にロック解除ボタンは小さい。そのため、小さいロック解除ボタンをねらって押さなければならず、ドアの開操作が困難である。
また、ロック解除ボタンが設けられているため、収納装置の意匠面を周囲のコンソールの上面と面一にすることが困難である。
▲2▼の車両用収納装置
ドアにノブが設けられているので、収納装置の意匠面を周囲のコンソールの上面と面一にすることが困難である。
本発明の第1の目的は、意匠面を周囲の車両用内装部材の意匠面と面一にすることができる車両用収納装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、本発明の第1の目的に加えて、ドアの開操作が従来に比べて容易な車両用収納装置を提供することにある。
【0005】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 収容部を有するボックスと、
前記収容部を開閉可能なドアと、
前記ドアを閉位置でロックし前記ドアを押してロックを解除させるロック・ロック解除機構と、
前記ドアを開方向に付勢するドア付勢バネと、
を有し、
前記ドアは、前記ボックスに移動可能に取り付けられたインナードアと、該インナードアに対し移動可能なアウタードアと、該アウタードアを前記インナードアから離れる方向に付勢する付勢部材を、備える、
車両用収納装置。
(2) 前記インナードアの前記ボックスに対する移動と前記ロック・ロック解除機構のロック解除とが連動している(1)記載の車両用収納装置。
(3) 前記ロック・ロック解除機構はハート形状のカムと該カムに係脱可能なピンからなる(1)記載の車両用収納装置。
(4) 前記インナードアは前記ボックス側に延びるアームを有し該アームの先端部で前記ボックスに回動可能に取り付けられている(1)記載の車両用収納装置。
(5) 前記付勢部材の付勢力は前記ドア付勢バネの付勢力より小である(1)記載の車両用収納装置。
(6) 前記ドアは中央から開く一対の両開きのドアである(1)記載の車両用収納装置。
(7) 前記ドアは片開きのドアである(1)記載の車両用収納装置。
【0006】
上記(1)〜(7)の車両用収納装置では、ドアを押してロックを解除する。そのため、ロック解除ボタンやノブは不要である。したがって、意匠面を周囲の車両用内装部材の意匠面と面一にすることができる。
また、ドアを押してロックを解除するので、ロック解除ボタンやノブが設けられている場合に比べて大きな操作範囲でドアの開操作をおこなうことができる。そのため、ドアの開操作が従来に比べて容易である。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1〜図9は、本発明実施例1の車両用収納装置を示しており、図10は、本発明実施例2の車両用収納装置を示している。
本発明実施例1と本発明実施例2にわたって共通する部分には、本発明実施例1と本発明実施例2にわたって共通する符号を付してある。
【0008】
まず、本発明実施例1と本発明実施例2にわたって共通する部分を、たとえば図1〜図9を参照して、説明する。
本発明実施例の車両用収納装置1は、たとえば、車両の内装部材であるインスツルメントパネル、コンソールパネルに取り付けられる。以下、本発明実施例では、車両用内装部材1がコンソールパネルに取り付けられる場合を例にとって説明する。
車両用収納装置1は、図1に示すように、収容部11を有するボックス10と、収容部11を開閉可能なドア20と、ドア20を閉位置でロックしドア20を押してロックを解除させるロック・ロック解除機構30と、ドア20を開方向に付勢するドア付勢バネ40とを、有する。
【0009】
ボックス10は、樹脂製である。ボックス10は箱状である。ボックス10は、コンソールパネルに固定して取り付けられる。ボックス10は、底壁10aと、前壁10bと、後壁10cと、右側壁10dと、左側壁10eとを、有する。ボックス10は、上方(車室側)に開放する収容部11を有する。前壁10bと後壁10cとは互いに対向し、右側壁10dと左側壁10eとは互いに対向する。前壁10bと後壁10cには、後述のインナードア21の突出部21cを回転摺動可能に支持する穴部10fが形成されている。
【0010】
ドア20は、中央から開く一対の両開きのドア(観音開きのドア)であるか(本発明実施例1)、片開きのドアである(本発明実施例2)。
ドア20は、ボックス10の収容部11を開放する開位置と、収容部11を覆う閉位置を超えた押し込み位置との間で、回動可能である。
ドア20は、ボックス10に回動可能に取り付けられるインナードア21と、インナードア21に対し移動可能なアウタードア22と、アウタードア22をインナードア21から離れる方向に付勢する付勢部材23を備える。
【0011】
インナードア21は、樹脂製である。インナードア21は、インナードア平板部21aと、インナードアアーム21bと、突出部21cを、有する。
インナードアアーム21bは、インナードア平板部21aの車両前後方向の両端に設けられる。インナードアアーム21bは、インナードア平板部21aと一体に形成されていてもよく、インナードア平板部21aと別体に形成されてインナードア平板部21aに固定して取付けられていてもよい。
インナードアアーム21bは、ドア20が閉位置にあるとき、インナードア平板部21aの車両左右方向根元側端21fまたはその近傍から下方に延び、延び方向先端部でインナードア平板部21aの車両左右方向先端21e側に折れ曲がり、インナードア平板部21aの車両左右方向先端21e側に所定距離延びている。
インナードアアーム21bの先端部(インナードア平板部21aに連なる側と反対側の端部)には、ギヤ21dが設けられている。ギヤ21dは、インナードアアーム21bと一体に形成されていてもよく、インナードアアーム21bと別体に形成されてインナードアアーム21bに固定して取り付けられていてもよい。ギヤ21dの回動中心は、ドア20の回動中心と一致する。ギヤ21dは、周方向に全周にわたって形成されていてもよく、周方向の一部にのみ形成されていてもよい(図示例では、ギヤ21dが周方向の一部にのみ形成される場合を示している)。ギヤ21dは、直接またはギヤ21dとは異なる第2のギヤ50を介して、ダンパ51のギヤと噛み合っている。
【0012】
突出部21cは、インナードアアーム21bの先端部に設けられる。突出部21cは、インナードアアーム21bと一体に形成されていてもよく、インナードアアーム21bと別体に形成されてインナードアアーム21bに固定して取付けられていてもよい。突出部21cは、インナードアアーム21bから車両前後方向に突出している。突出部21cは、ボックス10の穴部10fに回転摺動可能に支持される。突出部21cがボックス10に回動可能に支持されているので、ドア20は、ボックス10に対して突出部21cまわりに回動可能である。以下、ドア20のボックス10に対する回動軸を、第1の回動軸Pという。
【0013】
アウタードア22は、樹脂製である。アウタードア22は、インナードア21と別体に形成されてインナードア21に取り付けられるか、または、インナードア21とインテグラルヒンジ結合することによりインナードア22と一体に形成される(図示例では、アウタードア22がインナードア21と別体に形成されてインナードア21に取り付けられる場合を示している)。以下、本発明実施例では、アウタードア22がインナードア21と別体に形成されてインナードア21に取り付けられる場合を説明する。
アウタードア22は、アウタードア平板部22aと、アウタードアアーム22bと、引っ掛かり部22c(図5参照)とを、有する。
アウタードア平板部22aの車両左右方向長さは、図5に示すように、インナードア平板部21aの車両左右方向長さより大である。アウタードア平板部22aの車両左右方向両端22d、22eは、インナードア平板部21aから車両左右方向に出ている。
【0014】
アウタードアアーム22bは、図1に示すように、アウタードア平板部22aの車両前後方向の両端に設けられる。アウタードアアーム22bは、アウタードア平板部22aと一体に形成されていてもよく、アウタードア平板部22aと別体に形成されてアウタードア平板部22aに固定して取付けられていてもよい。アウタードアアーム22bは、ドア20が閉位置にあるとき、アウタードア平板部22aの車両左右方向根元側端22eまたはその近傍から下方に延びている。アウタードアアーム22bの先端部(アウタードア平板部22aに連なる側と反対側の端部)は、インナードアアーム21bに回動可能に取り付けられる。アウタードアアーム22bの先端部がインナードアアーム21bに回動可能に取り付けられるため、アウタードア22は、インナードア21に対して、アウタードアアーム22bの先端部まわりに回動可能である。以下、アウタードア22のインナードア21に対する回動軸を、第2の回動軸Qという。
第2の回動軸Qは、第1の回動軸Pと同方向に延びている。第2の回動軸Qは、ドア20が閉位置にあるとき、第1の回動軸Pより上方に位置し、第1の回動軸Pよりボックス10の車両左右方向外側に位置する。
【0015】
引っ掛かり部22cは、図5に示すように、アウタードア平板部22aの車両左右方向先端22dまたはその近傍に設けられる。引っ掛かり部22cは、アウタードア平板部22aと一体に形成されていてもよく、アウタードア平板部22aと別体に形成されてアウタードア平板部22aに固定して取付けられていてもよい。
引っ掛かり部22cは、ドア20が閉位置にあるとき、アウタードア平板部22aから下方に延び、延び方向先端部でインナードア平板部21aの下面側に折れ曲がり、インナードア平板部21aの下側に延びている。引っ掛かり部22cの先端部(アウタードア平板部22aに連なる側と反対側の端部)はインナードア平板部21aの下側に位置する。
【0016】
付勢部材23は、たとえば、コイルスプリング、ゴム、スポンジ等からなる。付勢部材23は、インナードア平板部21aとアウタードア平板部22aとの間に配置される。付勢部材23は、アウタードア22をインナードア21から離れる方向に付勢する。
付勢部材23の付勢力は、ドア付勢バネ40の付勢力より小である。
【0017】
ロック・ロック解除機構30は、図1に示すように、ハート形状のカム31と、カム31に係脱可能なピン32と、からなる。カム31は、ボックス10とドア20とのいずれか一方に設けられる。ピン32は、ボックス10とドア20とのいずれか他方に設けられる(図示例では、カム31がボックス10またはボックス10に固定して取り付けられる部材10gに設けられ、ピン32がドア20のインナードアアーム21bに設けられる場合を示している)。ピン32がカム31に係合しているとき、ドア20がドア付勢バネ40の付勢力に抗して閉位置に保持される(ロックされる)。ロック・ロック解除機構30のロック解除は、インナードア21のボックス10に対する第1の回動軸Pまわりの回動と連動している。
ドア付勢バネ40は、たとえばトーションスプリングである。ドア付勢バネ40は、ドア20を常時、閉位置から開位置側に回動付勢する。
【0018】
ここで、本発明実施例1と本発明実施例2にわたって共通する作動を説明する。
ドア20が閉位置にあるときを、図2、図3を参照して、説明する。
ドア20は、ボックス10の収納部11を覆っている。アウタードア平板部22aは、付勢部材23の付勢力により上方に(インナードア平板部21aから離れる方向に)押し上げられている。引っ掛かり部22cはインナードア平板部21aに引っ掛かっている。ロック・ロック解除機構30のピン32は、カム31に係合している(ロックしている)。
【0019】
閉位置にあるドア20を開けるときを、図4〜図7を参照して、説明する。
アウタードア平板部22aを付勢部材23の付勢力に抗して手で下方に押すと、図4、図5に示すように、アウタードア22がインナードア21に対し第2の回動軸Qまわりに回動する。さらにアウタードア平板部22aを押し続けると、アウタードア平板部22aがインナードア平板部21aに当り、アウタードア22とインナードア21が第1の回動軸Pまわりに回動しはじめる。図6、図7に示すように、アウタードア平板部22aとインナードア平板部21aとが接触した状態で(重なりあった状態で)、インナードア21がドア付勢バネ40の付勢力に抗して下方に回動する。インナードア21が押し込み位置まで下方に回動すると、ロック・ロック解除機構30のカム31とピン32との係合が解除される(ロックが解除される)。
アウタードア22を下方に押していた手をアウタードア22からはなすと、アウタードア平板部22aが付勢部材23の付勢力により第2の回動軸Qまわりに引っ掛かり部22cがインナードア平板部21aに引っ掛かるまで上方に回動し、インナードア21がドア付勢バネ40の付勢力により第1の回動軸Pまわりに開動する。
【0020】
ドア20が開位置にあるときを、図8、図9を参照して、説明する。
ドア20は、ボックス10に当たっており、それ以上の開動を規制されている。アウタードア平板部22aは付勢部材23の付勢力によりインナードア平板部21aから離れている。引っ掛かり部22cはインナードア平板部21aに引っ掛かっている。ロック・ロック解除機構30のピン32は、カム31に係合していない(ロックしていない)。
【0021】
開位置にあるドア20を閉めるときを説明する。
アウタードア平板部22aを手で付勢部材23の付勢力に抗して閉位置側に移動させる。アウタードア22がインナードア21に対し第2の回動軸Qまわりに回動する。さらにアウタードア22を押し続けると、アウタードア平板部22aがインナードア平板部21aに当り、アウタードア22とインナードア21が第1の回動軸Pまわりに回動する。アウタードア平板部22aとインナードア平板部21aとが接触した状態で(重なりあった状態で)、インナードア21がドア付勢バネ40の付勢力に抗して下方に回動する。ドア20を押し込み位置まで押し込み、アウタードア22から手をはなすと、アウタードア平板部22aが付勢部材23の付勢力により第2の回動軸Qまわりに引っ掛かり部22cがインナードア平板部21aに引っ掛かるまで回動し、ロック・ロック解除機構30のピン32がカム31に係合するまでインナードア21がドア付勢バネ40の付勢力により開位置側に移動する。ロック・ロック解除機構30のピン32がカム31に係合したとき、ドア20は閉位置に位置する(ロックされる)。
【0022】
つぎに、本発明実施例1と本発明実施例2にわたって共通する作用を説明する。
ドア20を押してロックを解除する。そのため、従来必要であったロック解除ボタンやノブは不要である。したがって、車両用収納装置1の上面をコンソールパネルの上面と面一にすることができる。
ドア20を押してロックを解除するので、ロック解除ボタンやノブが設けられている場合に比べて大きな操作範囲でドア20の開操作をおこなうことができる。そのため、ドア20の開操作が従来に比べて容易になる。
【0023】
つぎに、本発明各実施例に特有な部分を説明する。
本発明実施例1では、図1〜図9に示すように、ドア20は中央から開く一対の両開きのドア(観音開きのドア)である。
ドア20は、左右のドア20a、20bからなる。ドア20は、左右のドア20a、20bのどちらか一方のドアのプッシュ操作により、左右両方のドア20を連動させて開放できる構成にある。
ボックス10の後壁10cには、第2のギヤ50が設けられている。第2のギヤ50は、左右のドア20a、20bの一方の動きを他方に伝える。第2のギヤ50は、偶数個のギヤからなる(図示例では、2個のギヤからなる場合を示している)。第2のギヤ50は、ドア20のギヤ21dと噛み合う。第2のギヤ50の回動軸は、ギヤ21dの回動軸と同方向に延びている。第2のギヤ50は、ダンパ51のギヤと噛み合っている。
【0024】
ここで、本発明実施例1に特有な作動を説明する。
ドア20が閉位置にあるときを、図2、図3を参照して、説明する。
左右のインナードア平板部21aの車両左右方向先端21e間には、隙間Sがある。左右のアウタードア平板部22aの車両左右方向先端22d間には、隙間がないかまたは隙間Sがあっても無視できる程度である。左右のアウタードア平板部22aの一方は、左右のアウタードア平板部22aの他方の第1の回動軸Pまわりの回動軌跡内にある。左右のアウタードア平板部22aの一方は、左右のアウタードア平板部22aの他方の第2の回動軸Qまわりの回動軌跡外にある。
【0025】
閉位置にあるドア20をプッシュしてロックを解除するときを、図4、図5を参照して、説明する。
右側のドア20aのアウタードア平板部22aを手で付勢部材23の付勢力に抗して下方に押すと、右側のドア20aのアウタードア22が右側のドア20aのインナードア21に対し第2の回動軸Qまわりに回動する。さらに右側のドア20aのアウタードア平板部22aを押し続けると、右側のドア20aのアウタードア平板部22aが右側のドア20aのインナードア平板部21aに当り、右側のドア20aのアウタードア22と右側のドア20aのインナードア21が第1の回動軸Pまわりに回動しはじめる。右側のドア20aのアウタードア平板部22aと右側のドア20aのインナードア平板部21aとが接触した状態で(重なりあった状態で)、右側のドア20aのインナードア21がドア付勢バネ40の付勢力に抗して下方に回動する。右側のドア20aのインナードア21が押し込み位置まで下方に回動すると、ロック・ロック解除機構30のカム31とピン32との係合が解除される(ロックが解除される)。
【0026】
つぎに、本発明実施例1に特有な作用を説明する。
閉位置にあるドア20をプッシュしてロック解除するとき、アウタードア22をインナードア21側に第2の回動軸Qまわりに回動させた後にインナードア21を第1の回動軸Pまわりに回動させるので(2軸にしているので)、左右のドア20a、20bの動きを異ならせることができる。そのため、左右のドア20a、20bのアウタードア平板部22a間の隙間がないかまたは無視できる程度の隙間しかない場合であっても、ドア20をプッシュしてロック解除できる。
【0027】
本発明実施例1の作動では、右側のドア20aのアウタードア平板部22aを手で下方に押してロックを解除する場合を示しているが、左側のドア20bのアウタードア平板部22aを手で下方に押してロックを解除してもよい。
また、本発明実施例1では、左右のドア20a、20bの両方で、アウタードア22がインナードア21に対して第2の回動軸Qまわりに回動できる場合を示しているが、左右のドア20a、20bの片側のドアを固定してもよい(アウタードア22をインナードア21に対して回動軸Qまわりに回動不能としてもよい)。左右のドア20a、20bの片側のドアを固定した場合、固定していない側のドアをプッシュしてドア20の開閉を行う。
【0028】
本発明実施例2では、図10に示すように、ドア20は片開きのドアである。本発明実施例2の構成は、本発明実施例1と本発明実施例2にわたって共通する部分の構成と同じである。
【0029】
本発明実施例2に特有な作動を説明する。
ドア20が閉位置にあるときを説明する。
アウタードア平板部22aの車両左右方向先端22dとコンソールパネルとの間には、隙間がないか、または隙間Sがあっても無視できる程度である。コンソールパネルは、アウタードア平板部22aの第1の回動軸Pまわりの回動軌跡内にある。コンソールパネルは、アウタードア平板部22aの第2の回動軸Qまわりの回動軌跡外にある。
【0030】
閉位置にあるドア20をプッシュしてロックを解除するときを説明する。
アウタードア平板部22aを手で付勢部材23の付勢力に抗して下方に押すと、アウタードア22がインナードア21に対し第2の回動軸Qまわりに回動する。さらにアウタードア22を押し続けると、アウタードア平板部22aがインナードア平板部21aに当り、アウタードア22とインナードア21が第1の回動軸Pまわりに回動しはじめる。アウタードア平板部22aとインナードア平板部21aとが接触した状態で(重なりあった状態で)、インナードア21がドア付勢バネ40の付勢力に抗して下方に回動する。インナードア21が下方に押し込み位置まで回動すると、ロック・ロック解除機構30のカム31とピン32との係合が解除される(ロックが解除される)。
【0031】
つぎに、本発明実施例2に特有な作用を説明する。
閉位置にあるドア20をプッシュしてロック解除するとき、アウタードア22をインナードア21側に第2の回動軸Qまわりに回動させた後にインナードア21を第1の回動軸Pまわりに回動させるので(2軸にしているので)、アウタードア平板部22aとコンソールパネルとの間の隙間がないかまたは無視できる程度の隙間しかない場合であっても、ドア20をプッシュしてロック解除できる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1〜請求項7記載の車両用収納装置によれば、ドアを押してロックを解除する。そのため、ロック解除ボタンやノブは不要である。したがって、意匠面を周囲の車両用内装部材の意匠面と面一にすることができる。
また、ドアを押してロックを解除するので、ロック解除ボタンやノブが設けられている場合に比べて大きな操作範囲でドアの開操作をおこなうことができる。そのため、ドアの開操作が従来に比べて容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の車両用収納装置の、ドアが閉位置にあるときの分解斜視図である。
【図2】本発明実施例1の車両用収納装置の、ドアが閉位置にあるときの斜視図である。
【図3】本発明実施例1の車両用収納装置の、ドアが閉位置にあるときの断面図である。
【図4】本発明実施例1の車両用収納装置の、閉位置にあるドアを押し込みアウタードアがインナードアに当ったときの斜視図である。
【図5】本発明実施例1の車両用収納装置の、閉位置にあるドアを押し込みアウタードアがインナードアに当ったときの断面図である。
【図6】本発明実施例1の車両用収納装置の、ドアが押し込み位置まで押し込まれたときの斜視図である。
【図7】本発明実施例1の車両用収納装置の、ドアが押し込み位置まで押し込まれたときの断面図である。
【図8】本発明実施例1の車両用収納装置の、ドアが開位置にあるときの斜視図である。
【図9】本発明実施例1の車両用収納装置の、ドアが開位置にあるときの断面図である。
【図10】本発明実施例2の車両用収納装置の、ドアが開位置にあるときの断面図である。
【符号の説明】
1 車両用収納装置
10 ボックス
11 収容部
20 ドア
21 インナードア
21a インナードア平板部
21b インナードアアーム
21c 突出部
22 アウタードア
22a アウタードア平板部
22b アウタードアアーム
22c 引っ掛かり部
23 付勢部材
30 ロック・ロック解除機構
31 カム
32 ピン
40 ドア付勢バネ
50 第2のギヤ
51 ダンパ
P 第1の回動軸
Q 第2の回動軸

Claims (7)

  1. 収容部を有するボックスと、
    前記収容部を開閉可能なドアと、
    前記ドアを閉位置でロックし前記ドアを押してロックを解除させるロック・ロック解除機構と、
    前記ドアを開方向に付勢するドア付勢バネと、
    を有し、
    前記ドアは、前記ボックスに移動可能に取り付けられたインナードアと、該インナードアに対し移動可能なアウタードアと、該アウタードアを前記インナードアから離れる方向に付勢する付勢部材を、備える、
    車両用収納装置。
  2. 前記インナードアの前記ボックスに対する移動と前記ロック・ロック解除機構のロック解除とが連動している請求項1記載の車両用収納装置。
  3. 前記ロック・ロック解除機構はハート形状のカムと該カムに係脱可能なピンからなる請求項1記載の車両用収納装置。
  4. 前記インナードアは前記ボックス側に延びるアームを有し該アームの先端部で前記ボックスに回動可能に取り付けられている請求項1記載の車両用収納装置。
  5. 前記付勢部材の付勢力は前記ドア付勢バネの付勢力より小である請求項1記載の車両用収納装置。
  6. 前記ドアは中央から開く一対の両開きのドアである請求項1記載の車両用収納装置。
  7. 前記ドアは片開きのドアである請求項1記載の車両用収納装置。
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