JP2004160443A - 水改質装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置に流通する水の流水エネルギーを利用して自己発電する発電手段を配設させることで、消費電力の少ない省動力を可能とした水改質装置を実現する。
【解決手段】電解槽11に水を流通させる通水路16、17に配設され、水車および発電機からなり、通水路16、17を流通する水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段30とこの発電手段30によって発電された電力を蓄える電源手段31とが設けられ、電圧印加手段15は、電源手段31から蓄えられた電力を供給するように構成した。これにより、消費電力の少ない省動力の水改質装置ができる。
【選択図】 図1
【解決手段】電解槽11に水を流通させる通水路16、17に配設され、水車および発電機からなり、通水路16、17を流通する水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段30とこの発電手段30によって発電された電力を蓄える電源手段31とが設けられ、電圧印加手段15は、電源手段31から蓄えられた電力を供給するように構成した。これにより、消費電力の少ない省動力の水改質装置ができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネシウムからなる電極を用いて電気分解を行なうことで水を中性もしくはアルカリ性に改質する水改質装置に関するものであり、特に、電気分解による電力消費の低減に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の水改質装置として、改質する水が導入された電解槽と、対向して電解槽内に配設される第1、第2電極と、マグネシウムで形成され、第1、第2電極間に配設される一枚または複数枚の中間電極と、この第1、第2電極に直流電圧を印加する電圧印加手段とから構成している。
【0003】
そして、第1、第2電極間に電圧を印加させると、隣り合う電極間に電位差が発生するため、マグネシウムで形成された中間電極からMg2+イオンを電解槽内に溶解させて、電解槽内の水をアルカリ性に改質している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−191078号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記、特許文献1によれば、電解槽内の水を電気分解するにあたり消費電力が4〜6W程度の使用であれば所定性能を得ることができるため比較的、商用電源から電源を供給するように構成されているのが一般的である。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、装置に流通する水の流水エネルギーを利用して自己発電する発電手段を配設させることで、消費電力の少ない省動力を可能とした水改質装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項9に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、改質する水が導入される電解槽(11)と、この電解槽(11)内に対向して配設されマグネシウムからなる一対の電極(12、13)と、この電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、電圧印加手段(15)により電極(12、13)間に電圧を印加させて電極(12、13)からMg2+イオンを溶解させて電解槽(11)内の水をアルカリ水に改質する水改質装置において、
電解槽(11)に水を流通させる通水路(16、17)に配設され、水車および発電機からなり、通水路(16、17)を流通する水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)とこの発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、電圧印加手段(15)は、電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、改質する水が流通される通水路(16、17)に、水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)と、この発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、電源手段(31)から蓄えられた電力を電圧印加手段(15)に供給するように構成したことにより、改質する水の流水エネルギーから電力を発電して蓄えることができる。これにより、電気分解するための電源を商用電源以外から自己発電による電力を得ることができるため消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、改質する水が導入される電解槽(11)と、この電解槽(11)内に対向して配設される一対の電極(12、13)と、この一対の電極(12、13)との間に配設されマグネシウムからなる一枚または複数枚の中間電極(14)と、電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、電圧印加手段(15)により電極(12、13)間に電圧を印加させて中間電極(14)からMg2+イオンを溶解させて電解槽(11)内の水をアルカリ水に改質する水改質装置において、
電解槽(11)に水を流通させる通水路(16、17)に配設され、水車および発電機からなり、通水路(16、17)を流通する水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)とこの発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、電圧印加手段(15)は、電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1では一対の電極(12、13)のみが電解槽(11)内に配設された水改質装置であるが、一対の電極(12、13)との間に一枚または複数枚の中間電極(14)が配設される水改質装置においても、請求項1と同じ効果を奏する。
【0011】
請求項3に記載の発明では、改質する水は、浴槽内の浴水であり、電解槽(11)は、浴水を浄化する浴水浄化装置(50)に配設されたことを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、上記請求項1および請求項2においては、具体的には、例えば、上水を電気分解してアルカリイオン水に改質するアルカリ整水器などの水改質装置の通水路(16、17)に発電手段(30)および電源手段(31)を設けたが、浴槽内の浴水を浄化する。例えば入浴後の浴水を浄化、保温する浴水浄化装置(50)に電解槽(11)を配設させて浴水をアルカリ性に改質する水改質装置に本発明を適用させても良い。これにより、本装置においても電気分解するための電源を商用電源以外から自己発電による電力を得ることができるため、消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、電解槽(11)は、水道水から粒子成分、遊離塩素や臭気成分、微細縣濁物を除去する浄水器(60)を有する通水路(16、17)に配設されたことを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、上記の他に、水道水を浄水する浄水器(60)とを有する通水路(16、17)に電解槽(11)を配設させて水道水をアルカリ性に改質する水改質装置に本発明を適用させても良い。これにより、本装置においても電気分解するための電源を商用電源以外から自己発電による電力を得ることができるため、消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0015】
また、水道水が電解槽(11)内での電気分解によりMg2+イオンがOH−イオンと反応してMg(OH)2が生成し、電解槽(11)内の水道水がアルカリ性に改質されるとともに、このときに生成されるMg(OH)2には2酸化マグネシウムよりなるミネラル成分が含まれているため、ミネラル成分を有するアルカリ水に改質される。これにより、浄水器(60)により浄水機能と電解槽(11)内でのミネラル成分を有するアルカリ水に改質できる。
【0016】
請求項5および請求項6に記載の発明では、燃焼により排出される排気ガスの潜熱を回収させることにより発生する排水が導入される電解槽(11)と、この電解槽(11)内に対向して配設されマグネシウムからなる一対の電極(12、13)と、この一対の電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、電圧印加手段(15)により電極(12、13)間に電圧を印加させて電極(12、13)からMg2+イオンを溶解させて電解槽(11)内の排水を中性もしくはアルカリ性に改質する水改質装置において、
電解槽(11)に排水を流通させる通水路(16、17)に配設され、水車および発電機からなり、通水路(16、17)を流通する排水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)とこの発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、電圧印加手段(15)は、電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴としている。
【0017】
請求項5および請求項6に記載の発明によれば、また、例えばガスや灯油などの化石燃料を燃やして給湯用水を加熱して給湯の用途に使用される給湯器などにおいては、近年の環境問題から排気ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器が設けられ、この潜熱用熱交換器により回収して得られる排水を電解槽(11)内に導いて改質する水改質装置にも本発明は適用する。
【0018】
因みに、潜熱回収用熱交換器により排気ガスの潜熱を回収して得られる排水は、一般的にPH3程度の酸性を有したものであるため、これを電気分解により電解槽(11)内にMg2+イオンを溶解させて改質させることで、酸性の排水を中性もしくはアルカリ性に改質させることができる。これにより、本装置においても電気分解するための電源を商用電源以外から自己発電による電力を得ることができるため、消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0019】
請求項7に記載の発明では、電圧印加手段(15)は、発電手段(30)が作動され発電を開始したときに、発電された電力によって電極(12、13)間に電圧が印加されることを特徴としている。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、通水路(16、17)を流通する水の流水エネルギーによって電源手段(31)に自己発電による電力が蓄えられる。例えばその蓄えられた電力が所定の電力以上となったときに、電気分解の運転開始信号を受けるように構成すれば、従来、電解槽(11)内の水の液面レベルを検知する検知手段を必要としていたが、これにより、この検知手段を不要にできる。
【0021】
請求項8および請求項9に記載の発明では、燃焼により給湯用水を加熱する給湯用熱交換器(42a)と燃焼により排出される排気ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器(42b)とを有する燃焼装置(40)に設けられ、潜熱回収用熱交換器(42b)から発生する排水が導入される電解槽(11)と、この電解槽(11)内に対向して配設されマグネシウムからなる一対の電極(12、13)と、この電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、電圧印加手段(15)により電極(12、13)間に電圧を印加させて電極(12、13)からMg2+イオンを溶解させて電解槽(11)内の排水を中性もしくはアルカリ性に改質する水改質装置において、
給湯用水を流通させる通水路(44、45、46)に配設され、水車および発電機からなり、この通水路(44、45、46)を流通する給湯用水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)と、この発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、電圧印加手段(15)は、電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴としている。
【0022】
請求項8および請求項9に記載の発明によれば、また、給湯の用途に使用される給湯器などの燃焼装置(40)に配設される水改質装置においては、燃焼装置(40)内の通水路(44、45、46)内を流通する給湯用水の流水エネルギーによって電力を発電させて蓄えるように発電手段(30)および電源手段(31)を配設するようにしたことにより、前項の潜熱用熱交換器(42b)により回収して得られる排水よりも給湯用水の方が流水エネルギーを大きくすることができるため水改質装置の電気分解するための電源を商用電源以外からより多くの自己発電による電力を得ることができるため、消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0023】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、水道水をアルカリ水に改質するアルカリ整水器に本発明を適用した第1実施形態について図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態の水改質装置10の全体構成を示す模式図である。水改質装置10は、水道水が導入される電解槽11、この電解槽11内に対向して配設される第1、第2電極12、13、この第1、第2電極12、13との間に配設される複数の中間電極14、第1、第2電極12、13間に直流電圧を印加する電圧印加手段15、この電圧印加手段15を制御する制御装置20、水車30aを回転させて電力を発電する発電手段30および発電手段30からの電力を蓄える電源手段31とから構成されている。
【0025】
電解槽11は、アルカリに強いプラスチックなどの材料で形成された容器であり、上流端が図示しない給水配管に開閉弁(図示せず)を介して接続されて、水道水を電解槽11内に流通させる通水路16と、下流端が開口し改質されたアルカリ水を流通させる通水路17とが設けられ、電気分解を行なうための容器である。
【0026】
そして、電解槽11内に配設される第1、第2電極12、13は、導電性金属である。例えば、Ti材にPtメッキかPtを焼成したものかのいずれかで板状に形成されている。また、3枚の中間電極14は、マグネシウムの材料で板状に形成され、電気絶縁性の図示しないスペーサを介して、各中間電極14が互いに略平行に配設されるように所定間隔を設けて第1、第2電極12、13間に積層されている。
【0027】
そして、第1、第2電極12、13は、直流電圧を印加する電圧印加手段15に接続している。この電圧印加手段15は、第1、第2電極12、13間に直流電圧を印加するように制御装置20により制御され、一方の第1電極12側に高電位電圧(例えば、DC24V)を印加して、もう一方の第2電極13側に低電位電圧(DC0V)を一定時間(例えば5分)印加させ、その後、第1電極12側に低電位電圧(DC0V)を印加して、第2電極13側に高電位電圧(例えば、DC24V)を一定時間(例えば5分)印加させるように交互に極性を切り換えるように制御している。
【0028】
なお、電解性能は水道水の水質等の条件によって変動するため、性能を安定させるために、第1、第2電極12、13に印加する電圧を制御装置20により制御させ、電解槽11内を流れる電流が一定に保つ機構を設けても良い。また、制御装置20は、図示しない操作パネルに接続され、操作パネルからの操作信号に基づいて電圧印加手段15の制御を行なう。
【0029】
次に、発電手段30は、水車30aと発電機30bとからなり通水路16に設けられ、この通水路16を流通する水道水の流水エネルギーにより水車30aを回転させて、回転子、固定子からなる発電機30bによって電力を発電されるものである。そして、発電された電力は蓄電池などの電源手段31に蓄えられるように構成されている。また、電源手段31は、蓄電された電力を出力するように制御装置20に接続されている。
【0030】
なお、本実施形態の制御装置20は、電源手段31より蓄電された電力の供給を受けるとともに、電源手段31以外から、すなわち、図示しない商用電源の供給を受け、直流電圧に変圧させて電圧印加手段15に印加するように構成されている。因みに、電源手段31において、蓄電された電力が所定以下のときには図示しない商用電源からの電源を出力するようにしている。また、ここでは、発電手段30を通水路16に配置したが、これに限らず、電解槽11下流側の通水路17側に配置しても良い。
【0031】
次に、以上の構成による水改質装置10の作動について説明する。まず、アルカリ水を生成させたいときには、図示しないアルカリスイッチを操作させることで、制御装置20により、通水路16の上流に設けられた開閉弁(図示)が開いて水道水が電解槽11内に導入される。これにより、通水路16に水道水が流通されることで水車30aが回転し、発電機30bによって電力が発電されて電源手段31に蓄えられる。
【0032】
そして、制御装置20は、蓄えられた電力が所定値を超えたときに、電圧印加手段15に電圧を印加する開始信号を出力するとともに、第1電極12と第2電極13との間に電圧が印加されると、第1、第2電極12、13間の水道水が以下に示すように電気分解される。因みに、第1、第2電極12、13間に印加される電圧の極性は所定時間(例えば、5分)毎に切り換えられるが、説明の便宜上、一方の第1電極12が陽極、もう一方の第2電極13が陰極の状態を例に、電気分解による電解水生成の化学反応について説明する。
【0033】
図1に示すように、電圧V0が印加されると高電位側の第1電極12からMg2+イオンが溶解し、下記化学反応式(1)によって示されるように、Mg2+イオンがOH−イオンと反応してMg(OH)2が生成し、電解槽11内の水がアルカリ性に改質される。なお、このときに生成されるMg(OH)2には2酸化マグネシウムよりなるミネラル成分が含まれているため、ミネラル成分を有するアルカリ水に改質される。
【0034】
【化1】Mg2++2OH−→Mg(OH)2
また、一方の低電位側の第2電極13では、水素イオン2H+が電子を受け取って水素ガスH2になる反応が起きている。この水素ガスH2は量が僅かであるため安全上問題なく、図示しない排気口から排出されるように構成している。
【0035】
なお、第1、第2電極12、13の極性が反転したときには、第1電極12では水素イオン2H+が電子を受け取って水素ガスH2になる反応が起き、第2電極13では化学式(1)で示す反応が起こるので、説明は省略する。
【0036】
また、高電位側の電極からMg2+イオンが溶解することにより、第1、第2電極12、13の材料であるマグネシウムが消耗してしまう。本実施形態では、高電位側と低電位側とを交互に切り換えて通電を行なうことにより、第1、第2電極12、13が交互に溶解するため均等に消耗するように構成されている。
【0037】
そして、アルカリ水に改質された水道水が電解槽11をオーバーフローして通水路17から流出される。従って、電圧印加手段15が通電している電気分解を実行中は通水路16、17は水道水が流通しているため、水車30aが回転し、発電機30bによって電力が発電されて電源手段31に自己発電による電力が蓄えられている。これにより、電気分解を実行する消費電力の一部が自己発電による電力を消費するようにしている。
【0038】
また、アルカリ水の生成を停止させたいときには、アルカリスイッチ(図示せず)を停止操作することにより、開閉弁(図示せず)が閉じられて、水車の30aの回転が停止するとともに、発電機30bの発電も停止される。これにより、制御装置20は、電源手段31からの発電停止信号を入力することで電圧印加手段15への通電を終了させる。
【0039】
なお、本実施形態では、アルカリ水の生成の操作をアルカリスイッチ(図示せず)を操作させて開閉弁(図示せず)を制御したが、これに限らず、通水路17の下流端に吐水弁を設けて、この吐水弁を開閉操作することでアルカリ水の生成および生成停止をさせても良い。
【0040】
以上の第1実施形態の水改質装置10によれば、水車30aを回転させて電力を発電する発電手段30と、この発電手段30によって発電された電力を蓄える電源手段31とが改質する水道水が流通される通水路16、17に設けられ、電源手段31から蓄えられた電力を電圧印加手段15に供給するように構成したことにより、改質する水道水の流水エネルギーから電力を発電して蓄えることができる。これにより、電気分解するための電源を商用電源以外からも自己発電による電力を得ることができるため消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0041】
また、電圧印加手段15は、通水路16、17に水道水が流通して発電手段30が作動して電力の発電を開始したときに、発電された電力によって、電気分解の開始信号を受けるようにしたことにより、従来、電解槽11内の水道水の液面レベルを検知する検知手段を必要としていたが、これにより、この検知手段を不要にできる。
【0042】
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、電解槽11内に配設される電極を12、13、14を導電性金属からなる第1、第2電極12、13と、複数枚のマグネシウムからなる中間電極14とで構成させたが、これに限らず、第1、第2電極12、13をマグネシウムの材料で形成して、中間電極14を省略させても良い。
【0043】
具体的には、図2に示すように、電解槽11内にマグネシウムからなる第1、第2電極12、13を配設されたものである。なお、図中の符号は、第1実施形態と同じ構成のものは、第1実施形態と同じ符号を付して説明は省略している。
【0044】
また、第1実施形態では、第1、第2電極12、13を導電性金属で形成させたが、中間電極14と同様のマグネシウム材料で形成させても良い。これによれば、電極の表面積が拡大されてMg2+イオンの溶解が大とできる。
【0045】
(第3実施形態)
以上の実施形態では、水道水をアルカリ水に改質するアルカリ整水器に本発明を適用した水改質装置10について説明したが、これに限らず、例えば、ガスや灯油などの化石燃料を燃やして給湯用水を加熱して給湯の用途に使用される給湯器などの排気ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器が設けられ、この潜熱用熱交換器により回収して得られる排水を電解槽11内に導いて、概して酸性である排水を中性もしくはアルカリ性に改質する水改質装置にも本発明を適用させても良い。
【0046】
具体的には、図3に示すように、燃焼装置である給湯器40は、一般に屋外に設置され、給湯器40内の下方側にガス焚きによる燃焼器41、この燃焼器41の上方側に上水を給湯用水に熱交換させる給湯用熱交換器42a、その上方側に潜熱回収用熱交換器42b、その潜熱回収用熱交換器42bの下流側に排気口13が配設されている。
【0047】
そして、燃焼器41の上流側には、給排気用燃焼送風機(図示せず)が設けられていて燃焼用空気を取り入れ燃焼器41に送り、燃焼によって排気ガスとなり給湯用熱交換器42a、潜熱回収用熱交換器42bを介して排気口43から屋外に排出される。
【0048】
また、潜熱回収用熱交換器42bの入口側には給水管44が接続されており、潜熱回収用熱交換器42bの出口側と給湯用熱交換器42aの入口側とは連結管45と接続されており、給湯用熱交換器42aの出口側には給湯管46が接続されている。
【0049】
そして、潜熱回収用熱交換器42bの下側には、この潜熱回収用熱交換器42bで発生するドレン排水(以下、排水と称する)を受ける受け皿47が設けられており、この受け皿47の下流端に排水管48が接続され、この排水管48の下流側は給湯器40の機外に導出され、受け皿47に溜まった排水を水改質装置10に排出する構成となっている。なお、受け皿47の材質は、酸および排気ガスに触れるために防食性を有するステンレス材を用いている。
【0050】
次に、水改質装置10は、通水路16の上流端が排水管48の下流端に接続されている。これにより、排水管18から導入される排水が電解槽11内に導入される。なお、排水管48から導入される排水には、主に燃焼排気ガス中の窒素酸化物など酸性(pH3程度)の腐食性分が含まれているために電解槽11の材料は、酸およびアルカリに強いプラスチックなどの材料で形成され、排水管48からの排水を導いて、排水を中和もしくはアルカリ性に改質させる容器であり、排水管48より下方に設置されている。その他の構成部品については第1実施形態と同じ構成のものは、第1実施形態と同じ符号を付して説明は省略している。
【0051】
次に、以上の構成による給湯器40に適用した水改質装置10は、給湯器40の運転によって排気ガスから回収された排水を改質するものである。この排水は排気ガス中のNOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)が溶解して、HNO3やH2SO4が生成されておりpH3程度の強酸性となっている。そこで、本実施形態では、酸性の排水を電気分解させることで中性もしくは弱アルカリ性に改質させることができる。因みに、高電位側の第1電極12からMg2+イオンが溶解し、下記化学式(2)によって示されるようにMg2+イオンがOH−と反応してMg(OH)2が生成され、さらに、化学式(3)ないし(6)に示すように、排水中に含まれるHNO3およびH2SO4と、MgおよびMg(OH)2とがそれぞれ反応して3Mg(NO3)2およびMgSO4などの水に溶けやすい物質が生成されてドレン水に混じるので改質槽20内の酸性の排水が中性もしくはアルカリ性に改質される。
【0052】
【化2】Mg2++2OH−→Mg(OH)2
【0053】
【化3】3Mg+8HNO3→3Mg(NO3)2+2NO+4H2O
【0054】
【化4】Mg+H2SO4→MgSO4+H2
【0055】
【化5】Mg(OH)2+2HNO3→Mg(NO3)2+2H2O
【0056】
【化6】Mg(OH)2+2H2SO4→MgSO4+2H2O
一方、第1、第2実施形態と同様に、低電位側の第2電極13では、水素イオン2H+が電子を受け取って水素ガスH2になる反応が起きている。なお、両電極12、13の極性が反転したときには、第1電極12では水素イオン2H+が電子を受け取って水素ガスH2になる反応が起き、第2電極13では化学式(2)ないし(6)で示す反応が起こるので、説明は省略する。
【0057】
そして、酸性の排水が中性もしくはアルカリ性に改質された改質水は、通水路17からオーバーフローして図示しない外部の下水管に排出されるものである。この改質水は環境汚染の心配はない。以上が電解槽11内で酸性の排水が中性もしくはアルカリ性に改質されるるとともに、通水路16において、水車30aが回転し、発電機30bによって電力が発電されて電源手段31に自己発電による電力が蓄えられている。
【0058】
以上の第3実施形態の水改質装置10によれば、本装置においても電気分解するための電源を商用電源以外から自己発電による電力を得ることができるため、消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0059】
(第4実施形態)
以上の実施形態では、発電手段30を電解槽11上流側の通水路16に設けたが、これに限らず、給湯器40の給湯用水を流通させる通水路に設けても良い。具体的には、図4に示すように、潜熱回収用熱交換器42bおよび給湯用熱交換器42aに給湯用水を流通させる通水路である給水管44に、水車30aと発電機30bとからなる発電手段30が設けられている。これによれば、給水管44に流通させる給湯用水の流水エネルギーにより電力を発電させて、発電された電力を電源手段31に蓄えることができる。
【0060】
以上の構成による水改質装置10によれば、第3実施形態の潜熱用熱交換器42bにより回収して得られる排水よりも、本実施形態の給湯用水の方が流水エネルギーを大きくすることができるため、商用電源以外からより多くの自己発電による電力を得ることができるため、第3実施形態よりも消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0061】
なお、本実施形態では、給湯用水の通水路である給水管44に発電手段30を設けたが、連結管45または給湯管46に発電手段30を設けても良い。
【0062】
(第5実施形態)
本実施形態では、浴槽内の浴水を浄化する。例えば入浴後の浴水を浄化、保温する浴水浄化装置に電解槽11を配設させて浴水をアルカリ性に改質する水改質装置に本発明を適用させても良い。具体的には、図5に示すように、浴水浄化装置50は、入浴により汚れが生じた浴槽51内の浴水を浄化する浄化部52aを内部に備えた浄化槽52、浴水を汲み上げる循環ポンプ53および図示しないが浴水を加温するためのヒータなどから構成されている。
【0063】
本実施形態では、この浴水浄化装置50に循環される浴水を電気分解することによりアルカリ性に改質するものであって、浴水を循環させる通水路16と浄化槽52との間に、発電手段30および電解槽11を配設させたものである。
【0064】
以上の構成による水改質装置10は、浴水を浄化、保温するときに、循環ポンプ53の作動により、浴槽51内の浴水が電解槽11内に流通されて浴水がアルカリ性に改質されるとともに、通水路16において、水車30aが回転し、発電機30bによって電力が発電されて電源手段31に自己発電による電力が蓄えられている。
【0065】
以上の第5実施形態の水改質装置10によれば、本装置においても電気分解するための電源を商用電源以外から自己発電による電力を得ることができるため、消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0066】
なお、本実施形態では、通水路16と浄化槽52との間に、発電手段30および電解槽11を配設させたが、図6に示すように、通水路16の途中を分岐させて浴水の一部を電解槽11内に導入させても良い。
【0067】
(第6実施形態)
本実施形態では、水道水から粒子成分、遊離塩素や臭気成分、微細縣濁物などを除去する浄水器の通水路に電解槽11を配設させて水道水を浄水およびアルカリ性に改質する水改質装置に本発明を適用させても良い。具体的には、図7に示すように、浄水器60は、水道水を浄水器60に流通させる通水路16と、下流端に蛇口17aが設けられ浄水された水道水を流通させる通水路17との間に設けられて構成している。
【0068】
そこで、本実施形態では、電解槽11を有する水改質装置10を浄水器60の下流側の通水路17に配設させたものである。以上の構成によれば、浄水器60により水道水から粒子成分、遊離塩素や臭気成分、微細縣濁物などを除去された浄水が水改質装置10により、浄水からミネラル成分を有するアルカリ水に改質して蛇口17aから給水できるようにした物である。
【0069】
なお、本実施形態の浄水器60は、中空紙膜と活性炭などからなるカートリッジを有するものである。また、図中の図中61は洗面器であり、62は排水管である。以上の構成による第6実施形態の水改質装置10によれば、電気分解によりMg2+イオンがOH−イオンと反応してMg(OH)2が生成し、電解槽11内の水がアルカリ性に改質されるとともに、このときに生成されるMg(OH)2には2酸化マグネシウムよりなるミネラル成分が含まれているため、ミネラル成分を有するアルカリ水に改質される。これにより、浄水器60により浄水機能と水改質装置10によるミネラル成分を有するアルカリ水に改質できる。
【0070】
また、本実施形態では、電解槽11を有する水改質装置10を浄水器60の下流側の通水路17に配設させたが、図8に示すように、水改質装置10を浄水器60の上流側の通水路16に配設させても良い。さらに、図9に示すように、水改質装置10を浄水器60の内部に収容して一体に構成しても良い。
【0071】
(他の実施形態)
以上の第3、第4実施形態では、ガス、石油焚きの燃焼器41による給湯器40を対象にして説明したが、石油やガスを燃料とする給湯器に限定されることはなく、風呂釜、冷房機、暖房機、冷暖房機、空調機等の、潜熱回収用熱交換器42bを備えた各種の燃焼装置に適用されるものである。
【0072】
以上の実施形態では、中間電極14の配設個数を3枚設けて説明したが、この数に限定されることなく少なくとも1枚ないし複数枚以上でも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第2実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第3実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図4】本発明の第4実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図5】本発明の第5実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図6】本発明の第5実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図7】本発明の第6実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図8】本発明の第6実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図9】本発明の第6実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【符号の説明】
11…電解槽
12、13…第1、第2電極(電極)
14…中間電極
15…電圧印加手段
16、17…通水路
30…発電手段
31…電源手段
40…燃焼装置(給湯器)
42a…給湯用熱交換器
42b…潜熱回収用熱交換器
44…給水管(通水路)
45…連結管(通水路)
46…給湯管(通水路)
50…浴水浄化装置
60…浄水器
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネシウムからなる電極を用いて電気分解を行なうことで水を中性もしくはアルカリ性に改質する水改質装置に関するものであり、特に、電気分解による電力消費の低減に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の水改質装置として、改質する水が導入された電解槽と、対向して電解槽内に配設される第1、第2電極と、マグネシウムで形成され、第1、第2電極間に配設される一枚または複数枚の中間電極と、この第1、第2電極に直流電圧を印加する電圧印加手段とから構成している。
【0003】
そして、第1、第2電極間に電圧を印加させると、隣り合う電極間に電位差が発生するため、マグネシウムで形成された中間電極からMg2+イオンを電解槽内に溶解させて、電解槽内の水をアルカリ性に改質している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−191078号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記、特許文献1によれば、電解槽内の水を電気分解するにあたり消費電力が4〜6W程度の使用であれば所定性能を得ることができるため比較的、商用電源から電源を供給するように構成されているのが一般的である。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、装置に流通する水の流水エネルギーを利用して自己発電する発電手段を配設させることで、消費電力の少ない省動力を可能とした水改質装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項9に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、改質する水が導入される電解槽(11)と、この電解槽(11)内に対向して配設されマグネシウムからなる一対の電極(12、13)と、この電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、電圧印加手段(15)により電極(12、13)間に電圧を印加させて電極(12、13)からMg2+イオンを溶解させて電解槽(11)内の水をアルカリ水に改質する水改質装置において、
電解槽(11)に水を流通させる通水路(16、17)に配設され、水車および発電機からなり、通水路(16、17)を流通する水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)とこの発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、電圧印加手段(15)は、電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、改質する水が流通される通水路(16、17)に、水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)と、この発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、電源手段(31)から蓄えられた電力を電圧印加手段(15)に供給するように構成したことにより、改質する水の流水エネルギーから電力を発電して蓄えることができる。これにより、電気分解するための電源を商用電源以外から自己発電による電力を得ることができるため消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、改質する水が導入される電解槽(11)と、この電解槽(11)内に対向して配設される一対の電極(12、13)と、この一対の電極(12、13)との間に配設されマグネシウムからなる一枚または複数枚の中間電極(14)と、電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、電圧印加手段(15)により電極(12、13)間に電圧を印加させて中間電極(14)からMg2+イオンを溶解させて電解槽(11)内の水をアルカリ水に改質する水改質装置において、
電解槽(11)に水を流通させる通水路(16、17)に配設され、水車および発電機からなり、通水路(16、17)を流通する水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)とこの発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、電圧印加手段(15)は、電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1では一対の電極(12、13)のみが電解槽(11)内に配設された水改質装置であるが、一対の電極(12、13)との間に一枚または複数枚の中間電極(14)が配設される水改質装置においても、請求項1と同じ効果を奏する。
【0011】
請求項3に記載の発明では、改質する水は、浴槽内の浴水であり、電解槽(11)は、浴水を浄化する浴水浄化装置(50)に配設されたことを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、上記請求項1および請求項2においては、具体的には、例えば、上水を電気分解してアルカリイオン水に改質するアルカリ整水器などの水改質装置の通水路(16、17)に発電手段(30)および電源手段(31)を設けたが、浴槽内の浴水を浄化する。例えば入浴後の浴水を浄化、保温する浴水浄化装置(50)に電解槽(11)を配設させて浴水をアルカリ性に改質する水改質装置に本発明を適用させても良い。これにより、本装置においても電気分解するための電源を商用電源以外から自己発電による電力を得ることができるため、消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、電解槽(11)は、水道水から粒子成分、遊離塩素や臭気成分、微細縣濁物を除去する浄水器(60)を有する通水路(16、17)に配設されたことを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、上記の他に、水道水を浄水する浄水器(60)とを有する通水路(16、17)に電解槽(11)を配設させて水道水をアルカリ性に改質する水改質装置に本発明を適用させても良い。これにより、本装置においても電気分解するための電源を商用電源以外から自己発電による電力を得ることができるため、消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0015】
また、水道水が電解槽(11)内での電気分解によりMg2+イオンがOH−イオンと反応してMg(OH)2が生成し、電解槽(11)内の水道水がアルカリ性に改質されるとともに、このときに生成されるMg(OH)2には2酸化マグネシウムよりなるミネラル成分が含まれているため、ミネラル成分を有するアルカリ水に改質される。これにより、浄水器(60)により浄水機能と電解槽(11)内でのミネラル成分を有するアルカリ水に改質できる。
【0016】
請求項5および請求項6に記載の発明では、燃焼により排出される排気ガスの潜熱を回収させることにより発生する排水が導入される電解槽(11)と、この電解槽(11)内に対向して配設されマグネシウムからなる一対の電極(12、13)と、この一対の電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、電圧印加手段(15)により電極(12、13)間に電圧を印加させて電極(12、13)からMg2+イオンを溶解させて電解槽(11)内の排水を中性もしくはアルカリ性に改質する水改質装置において、
電解槽(11)に排水を流通させる通水路(16、17)に配設され、水車および発電機からなり、通水路(16、17)を流通する排水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)とこの発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、電圧印加手段(15)は、電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴としている。
【0017】
請求項5および請求項6に記載の発明によれば、また、例えばガスや灯油などの化石燃料を燃やして給湯用水を加熱して給湯の用途に使用される給湯器などにおいては、近年の環境問題から排気ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器が設けられ、この潜熱用熱交換器により回収して得られる排水を電解槽(11)内に導いて改質する水改質装置にも本発明は適用する。
【0018】
因みに、潜熱回収用熱交換器により排気ガスの潜熱を回収して得られる排水は、一般的にPH3程度の酸性を有したものであるため、これを電気分解により電解槽(11)内にMg2+イオンを溶解させて改質させることで、酸性の排水を中性もしくはアルカリ性に改質させることができる。これにより、本装置においても電気分解するための電源を商用電源以外から自己発電による電力を得ることができるため、消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0019】
請求項7に記載の発明では、電圧印加手段(15)は、発電手段(30)が作動され発電を開始したときに、発電された電力によって電極(12、13)間に電圧が印加されることを特徴としている。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、通水路(16、17)を流通する水の流水エネルギーによって電源手段(31)に自己発電による電力が蓄えられる。例えばその蓄えられた電力が所定の電力以上となったときに、電気分解の運転開始信号を受けるように構成すれば、従来、電解槽(11)内の水の液面レベルを検知する検知手段を必要としていたが、これにより、この検知手段を不要にできる。
【0021】
請求項8および請求項9に記載の発明では、燃焼により給湯用水を加熱する給湯用熱交換器(42a)と燃焼により排出される排気ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器(42b)とを有する燃焼装置(40)に設けられ、潜熱回収用熱交換器(42b)から発生する排水が導入される電解槽(11)と、この電解槽(11)内に対向して配設されマグネシウムからなる一対の電極(12、13)と、この電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、電圧印加手段(15)により電極(12、13)間に電圧を印加させて電極(12、13)からMg2+イオンを溶解させて電解槽(11)内の排水を中性もしくはアルカリ性に改質する水改質装置において、
給湯用水を流通させる通水路(44、45、46)に配設され、水車および発電機からなり、この通水路(44、45、46)を流通する給湯用水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)と、この発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、電圧印加手段(15)は、電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴としている。
【0022】
請求項8および請求項9に記載の発明によれば、また、給湯の用途に使用される給湯器などの燃焼装置(40)に配設される水改質装置においては、燃焼装置(40)内の通水路(44、45、46)内を流通する給湯用水の流水エネルギーによって電力を発電させて蓄えるように発電手段(30)および電源手段(31)を配設するようにしたことにより、前項の潜熱用熱交換器(42b)により回収して得られる排水よりも給湯用水の方が流水エネルギーを大きくすることができるため水改質装置の電気分解するための電源を商用電源以外からより多くの自己発電による電力を得ることができるため、消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0023】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、水道水をアルカリ水に改質するアルカリ整水器に本発明を適用した第1実施形態について図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態の水改質装置10の全体構成を示す模式図である。水改質装置10は、水道水が導入される電解槽11、この電解槽11内に対向して配設される第1、第2電極12、13、この第1、第2電極12、13との間に配設される複数の中間電極14、第1、第2電極12、13間に直流電圧を印加する電圧印加手段15、この電圧印加手段15を制御する制御装置20、水車30aを回転させて電力を発電する発電手段30および発電手段30からの電力を蓄える電源手段31とから構成されている。
【0025】
電解槽11は、アルカリに強いプラスチックなどの材料で形成された容器であり、上流端が図示しない給水配管に開閉弁(図示せず)を介して接続されて、水道水を電解槽11内に流通させる通水路16と、下流端が開口し改質されたアルカリ水を流通させる通水路17とが設けられ、電気分解を行なうための容器である。
【0026】
そして、電解槽11内に配設される第1、第2電極12、13は、導電性金属である。例えば、Ti材にPtメッキかPtを焼成したものかのいずれかで板状に形成されている。また、3枚の中間電極14は、マグネシウムの材料で板状に形成され、電気絶縁性の図示しないスペーサを介して、各中間電極14が互いに略平行に配設されるように所定間隔を設けて第1、第2電極12、13間に積層されている。
【0027】
そして、第1、第2電極12、13は、直流電圧を印加する電圧印加手段15に接続している。この電圧印加手段15は、第1、第2電極12、13間に直流電圧を印加するように制御装置20により制御され、一方の第1電極12側に高電位電圧(例えば、DC24V)を印加して、もう一方の第2電極13側に低電位電圧(DC0V)を一定時間(例えば5分)印加させ、その後、第1電極12側に低電位電圧(DC0V)を印加して、第2電極13側に高電位電圧(例えば、DC24V)を一定時間(例えば5分)印加させるように交互に極性を切り換えるように制御している。
【0028】
なお、電解性能は水道水の水質等の条件によって変動するため、性能を安定させるために、第1、第2電極12、13に印加する電圧を制御装置20により制御させ、電解槽11内を流れる電流が一定に保つ機構を設けても良い。また、制御装置20は、図示しない操作パネルに接続され、操作パネルからの操作信号に基づいて電圧印加手段15の制御を行なう。
【0029】
次に、発電手段30は、水車30aと発電機30bとからなり通水路16に設けられ、この通水路16を流通する水道水の流水エネルギーにより水車30aを回転させて、回転子、固定子からなる発電機30bによって電力を発電されるものである。そして、発電された電力は蓄電池などの電源手段31に蓄えられるように構成されている。また、電源手段31は、蓄電された電力を出力するように制御装置20に接続されている。
【0030】
なお、本実施形態の制御装置20は、電源手段31より蓄電された電力の供給を受けるとともに、電源手段31以外から、すなわち、図示しない商用電源の供給を受け、直流電圧に変圧させて電圧印加手段15に印加するように構成されている。因みに、電源手段31において、蓄電された電力が所定以下のときには図示しない商用電源からの電源を出力するようにしている。また、ここでは、発電手段30を通水路16に配置したが、これに限らず、電解槽11下流側の通水路17側に配置しても良い。
【0031】
次に、以上の構成による水改質装置10の作動について説明する。まず、アルカリ水を生成させたいときには、図示しないアルカリスイッチを操作させることで、制御装置20により、通水路16の上流に設けられた開閉弁(図示)が開いて水道水が電解槽11内に導入される。これにより、通水路16に水道水が流通されることで水車30aが回転し、発電機30bによって電力が発電されて電源手段31に蓄えられる。
【0032】
そして、制御装置20は、蓄えられた電力が所定値を超えたときに、電圧印加手段15に電圧を印加する開始信号を出力するとともに、第1電極12と第2電極13との間に電圧が印加されると、第1、第2電極12、13間の水道水が以下に示すように電気分解される。因みに、第1、第2電極12、13間に印加される電圧の極性は所定時間(例えば、5分)毎に切り換えられるが、説明の便宜上、一方の第1電極12が陽極、もう一方の第2電極13が陰極の状態を例に、電気分解による電解水生成の化学反応について説明する。
【0033】
図1に示すように、電圧V0が印加されると高電位側の第1電極12からMg2+イオンが溶解し、下記化学反応式(1)によって示されるように、Mg2+イオンがOH−イオンと反応してMg(OH)2が生成し、電解槽11内の水がアルカリ性に改質される。なお、このときに生成されるMg(OH)2には2酸化マグネシウムよりなるミネラル成分が含まれているため、ミネラル成分を有するアルカリ水に改質される。
【0034】
【化1】Mg2++2OH−→Mg(OH)2
また、一方の低電位側の第2電極13では、水素イオン2H+が電子を受け取って水素ガスH2になる反応が起きている。この水素ガスH2は量が僅かであるため安全上問題なく、図示しない排気口から排出されるように構成している。
【0035】
なお、第1、第2電極12、13の極性が反転したときには、第1電極12では水素イオン2H+が電子を受け取って水素ガスH2になる反応が起き、第2電極13では化学式(1)で示す反応が起こるので、説明は省略する。
【0036】
また、高電位側の電極からMg2+イオンが溶解することにより、第1、第2電極12、13の材料であるマグネシウムが消耗してしまう。本実施形態では、高電位側と低電位側とを交互に切り換えて通電を行なうことにより、第1、第2電極12、13が交互に溶解するため均等に消耗するように構成されている。
【0037】
そして、アルカリ水に改質された水道水が電解槽11をオーバーフローして通水路17から流出される。従って、電圧印加手段15が通電している電気分解を実行中は通水路16、17は水道水が流通しているため、水車30aが回転し、発電機30bによって電力が発電されて電源手段31に自己発電による電力が蓄えられている。これにより、電気分解を実行する消費電力の一部が自己発電による電力を消費するようにしている。
【0038】
また、アルカリ水の生成を停止させたいときには、アルカリスイッチ(図示せず)を停止操作することにより、開閉弁(図示せず)が閉じられて、水車の30aの回転が停止するとともに、発電機30bの発電も停止される。これにより、制御装置20は、電源手段31からの発電停止信号を入力することで電圧印加手段15への通電を終了させる。
【0039】
なお、本実施形態では、アルカリ水の生成の操作をアルカリスイッチ(図示せず)を操作させて開閉弁(図示せず)を制御したが、これに限らず、通水路17の下流端に吐水弁を設けて、この吐水弁を開閉操作することでアルカリ水の生成および生成停止をさせても良い。
【0040】
以上の第1実施形態の水改質装置10によれば、水車30aを回転させて電力を発電する発電手段30と、この発電手段30によって発電された電力を蓄える電源手段31とが改質する水道水が流通される通水路16、17に設けられ、電源手段31から蓄えられた電力を電圧印加手段15に供給するように構成したことにより、改質する水道水の流水エネルギーから電力を発電して蓄えることができる。これにより、電気分解するための電源を商用電源以外からも自己発電による電力を得ることができるため消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0041】
また、電圧印加手段15は、通水路16、17に水道水が流通して発電手段30が作動して電力の発電を開始したときに、発電された電力によって、電気分解の開始信号を受けるようにしたことにより、従来、電解槽11内の水道水の液面レベルを検知する検知手段を必要としていたが、これにより、この検知手段を不要にできる。
【0042】
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、電解槽11内に配設される電極を12、13、14を導電性金属からなる第1、第2電極12、13と、複数枚のマグネシウムからなる中間電極14とで構成させたが、これに限らず、第1、第2電極12、13をマグネシウムの材料で形成して、中間電極14を省略させても良い。
【0043】
具体的には、図2に示すように、電解槽11内にマグネシウムからなる第1、第2電極12、13を配設されたものである。なお、図中の符号は、第1実施形態と同じ構成のものは、第1実施形態と同じ符号を付して説明は省略している。
【0044】
また、第1実施形態では、第1、第2電極12、13を導電性金属で形成させたが、中間電極14と同様のマグネシウム材料で形成させても良い。これによれば、電極の表面積が拡大されてMg2+イオンの溶解が大とできる。
【0045】
(第3実施形態)
以上の実施形態では、水道水をアルカリ水に改質するアルカリ整水器に本発明を適用した水改質装置10について説明したが、これに限らず、例えば、ガスや灯油などの化石燃料を燃やして給湯用水を加熱して給湯の用途に使用される給湯器などの排気ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器が設けられ、この潜熱用熱交換器により回収して得られる排水を電解槽11内に導いて、概して酸性である排水を中性もしくはアルカリ性に改質する水改質装置にも本発明を適用させても良い。
【0046】
具体的には、図3に示すように、燃焼装置である給湯器40は、一般に屋外に設置され、給湯器40内の下方側にガス焚きによる燃焼器41、この燃焼器41の上方側に上水を給湯用水に熱交換させる給湯用熱交換器42a、その上方側に潜熱回収用熱交換器42b、その潜熱回収用熱交換器42bの下流側に排気口13が配設されている。
【0047】
そして、燃焼器41の上流側には、給排気用燃焼送風機(図示せず)が設けられていて燃焼用空気を取り入れ燃焼器41に送り、燃焼によって排気ガスとなり給湯用熱交換器42a、潜熱回収用熱交換器42bを介して排気口43から屋外に排出される。
【0048】
また、潜熱回収用熱交換器42bの入口側には給水管44が接続されており、潜熱回収用熱交換器42bの出口側と給湯用熱交換器42aの入口側とは連結管45と接続されており、給湯用熱交換器42aの出口側には給湯管46が接続されている。
【0049】
そして、潜熱回収用熱交換器42bの下側には、この潜熱回収用熱交換器42bで発生するドレン排水(以下、排水と称する)を受ける受け皿47が設けられており、この受け皿47の下流端に排水管48が接続され、この排水管48の下流側は給湯器40の機外に導出され、受け皿47に溜まった排水を水改質装置10に排出する構成となっている。なお、受け皿47の材質は、酸および排気ガスに触れるために防食性を有するステンレス材を用いている。
【0050】
次に、水改質装置10は、通水路16の上流端が排水管48の下流端に接続されている。これにより、排水管18から導入される排水が電解槽11内に導入される。なお、排水管48から導入される排水には、主に燃焼排気ガス中の窒素酸化物など酸性(pH3程度)の腐食性分が含まれているために電解槽11の材料は、酸およびアルカリに強いプラスチックなどの材料で形成され、排水管48からの排水を導いて、排水を中和もしくはアルカリ性に改質させる容器であり、排水管48より下方に設置されている。その他の構成部品については第1実施形態と同じ構成のものは、第1実施形態と同じ符号を付して説明は省略している。
【0051】
次に、以上の構成による給湯器40に適用した水改質装置10は、給湯器40の運転によって排気ガスから回収された排水を改質するものである。この排水は排気ガス中のNOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)が溶解して、HNO3やH2SO4が生成されておりpH3程度の強酸性となっている。そこで、本実施形態では、酸性の排水を電気分解させることで中性もしくは弱アルカリ性に改質させることができる。因みに、高電位側の第1電極12からMg2+イオンが溶解し、下記化学式(2)によって示されるようにMg2+イオンがOH−と反応してMg(OH)2が生成され、さらに、化学式(3)ないし(6)に示すように、排水中に含まれるHNO3およびH2SO4と、MgおよびMg(OH)2とがそれぞれ反応して3Mg(NO3)2およびMgSO4などの水に溶けやすい物質が生成されてドレン水に混じるので改質槽20内の酸性の排水が中性もしくはアルカリ性に改質される。
【0052】
【化2】Mg2++2OH−→Mg(OH)2
【0053】
【化3】3Mg+8HNO3→3Mg(NO3)2+2NO+4H2O
【0054】
【化4】Mg+H2SO4→MgSO4+H2
【0055】
【化5】Mg(OH)2+2HNO3→Mg(NO3)2+2H2O
【0056】
【化6】Mg(OH)2+2H2SO4→MgSO4+2H2O
一方、第1、第2実施形態と同様に、低電位側の第2電極13では、水素イオン2H+が電子を受け取って水素ガスH2になる反応が起きている。なお、両電極12、13の極性が反転したときには、第1電極12では水素イオン2H+が電子を受け取って水素ガスH2になる反応が起き、第2電極13では化学式(2)ないし(6)で示す反応が起こるので、説明は省略する。
【0057】
そして、酸性の排水が中性もしくはアルカリ性に改質された改質水は、通水路17からオーバーフローして図示しない外部の下水管に排出されるものである。この改質水は環境汚染の心配はない。以上が電解槽11内で酸性の排水が中性もしくはアルカリ性に改質されるるとともに、通水路16において、水車30aが回転し、発電機30bによって電力が発電されて電源手段31に自己発電による電力が蓄えられている。
【0058】
以上の第3実施形態の水改質装置10によれば、本装置においても電気分解するための電源を商用電源以外から自己発電による電力を得ることができるため、消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0059】
(第4実施形態)
以上の実施形態では、発電手段30を電解槽11上流側の通水路16に設けたが、これに限らず、給湯器40の給湯用水を流通させる通水路に設けても良い。具体的には、図4に示すように、潜熱回収用熱交換器42bおよび給湯用熱交換器42aに給湯用水を流通させる通水路である給水管44に、水車30aと発電機30bとからなる発電手段30が設けられている。これによれば、給水管44に流通させる給湯用水の流水エネルギーにより電力を発電させて、発電された電力を電源手段31に蓄えることができる。
【0060】
以上の構成による水改質装置10によれば、第3実施形態の潜熱用熱交換器42bにより回収して得られる排水よりも、本実施形態の給湯用水の方が流水エネルギーを大きくすることができるため、商用電源以外からより多くの自己発電による電力を得ることができるため、第3実施形態よりも消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0061】
なお、本実施形態では、給湯用水の通水路である給水管44に発電手段30を設けたが、連結管45または給湯管46に発電手段30を設けても良い。
【0062】
(第5実施形態)
本実施形態では、浴槽内の浴水を浄化する。例えば入浴後の浴水を浄化、保温する浴水浄化装置に電解槽11を配設させて浴水をアルカリ性に改質する水改質装置に本発明を適用させても良い。具体的には、図5に示すように、浴水浄化装置50は、入浴により汚れが生じた浴槽51内の浴水を浄化する浄化部52aを内部に備えた浄化槽52、浴水を汲み上げる循環ポンプ53および図示しないが浴水を加温するためのヒータなどから構成されている。
【0063】
本実施形態では、この浴水浄化装置50に循環される浴水を電気分解することによりアルカリ性に改質するものであって、浴水を循環させる通水路16と浄化槽52との間に、発電手段30および電解槽11を配設させたものである。
【0064】
以上の構成による水改質装置10は、浴水を浄化、保温するときに、循環ポンプ53の作動により、浴槽51内の浴水が電解槽11内に流通されて浴水がアルカリ性に改質されるとともに、通水路16において、水車30aが回転し、発電機30bによって電力が発電されて電源手段31に自己発電による電力が蓄えられている。
【0065】
以上の第5実施形態の水改質装置10によれば、本装置においても電気分解するための電源を商用電源以外から自己発電による電力を得ることができるため、消費電力の少ない省動力の水改質装置の提供ができる。
【0066】
なお、本実施形態では、通水路16と浄化槽52との間に、発電手段30および電解槽11を配設させたが、図6に示すように、通水路16の途中を分岐させて浴水の一部を電解槽11内に導入させても良い。
【0067】
(第6実施形態)
本実施形態では、水道水から粒子成分、遊離塩素や臭気成分、微細縣濁物などを除去する浄水器の通水路に電解槽11を配設させて水道水を浄水およびアルカリ性に改質する水改質装置に本発明を適用させても良い。具体的には、図7に示すように、浄水器60は、水道水を浄水器60に流通させる通水路16と、下流端に蛇口17aが設けられ浄水された水道水を流通させる通水路17との間に設けられて構成している。
【0068】
そこで、本実施形態では、電解槽11を有する水改質装置10を浄水器60の下流側の通水路17に配設させたものである。以上の構成によれば、浄水器60により水道水から粒子成分、遊離塩素や臭気成分、微細縣濁物などを除去された浄水が水改質装置10により、浄水からミネラル成分を有するアルカリ水に改質して蛇口17aから給水できるようにした物である。
【0069】
なお、本実施形態の浄水器60は、中空紙膜と活性炭などからなるカートリッジを有するものである。また、図中の図中61は洗面器であり、62は排水管である。以上の構成による第6実施形態の水改質装置10によれば、電気分解によりMg2+イオンがOH−イオンと反応してMg(OH)2が生成し、電解槽11内の水がアルカリ性に改質されるとともに、このときに生成されるMg(OH)2には2酸化マグネシウムよりなるミネラル成分が含まれているため、ミネラル成分を有するアルカリ水に改質される。これにより、浄水器60により浄水機能と水改質装置10によるミネラル成分を有するアルカリ水に改質できる。
【0070】
また、本実施形態では、電解槽11を有する水改質装置10を浄水器60の下流側の通水路17に配設させたが、図8に示すように、水改質装置10を浄水器60の上流側の通水路16に配設させても良い。さらに、図9に示すように、水改質装置10を浄水器60の内部に収容して一体に構成しても良い。
【0071】
(他の実施形態)
以上の第3、第4実施形態では、ガス、石油焚きの燃焼器41による給湯器40を対象にして説明したが、石油やガスを燃料とする給湯器に限定されることはなく、風呂釜、冷房機、暖房機、冷暖房機、空調機等の、潜熱回収用熱交換器42bを備えた各種の燃焼装置に適用されるものである。
【0072】
以上の実施形態では、中間電極14の配設個数を3枚設けて説明したが、この数に限定されることなく少なくとも1枚ないし複数枚以上でも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第2実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第3実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図4】本発明の第4実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図5】本発明の第5実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図6】本発明の第5実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図7】本発明の第6実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図8】本発明の第6実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【図9】本発明の第6実施形態における水改質装置10の全体構成を示す模式図である。
【符号の説明】
11…電解槽
12、13…第1、第2電極(電極)
14…中間電極
15…電圧印加手段
16、17…通水路
30…発電手段
31…電源手段
40…燃焼装置(給湯器)
42a…給湯用熱交換器
42b…潜熱回収用熱交換器
44…給水管(通水路)
45…連結管(通水路)
46…給湯管(通水路)
50…浴水浄化装置
60…浄水器
Claims (9)
- 改質する水が導入される電解槽(11)と、
前記電解槽(11)内に対向して配設されマグネシウムからなる一対の電極(12、13)と、
前記電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、前記電圧印加手段(15)により前記電極(12、13)間に電圧を印加させて前記電極(12、13)からMg2+イオンを溶解させて前記電解槽(11)内の水をアルカリ水に改質する水改質装置において、
前記電解槽(11)に水を流通させる通水路(16、17)に配設され、水車および発電機からなり、前記通水路(16、17)を流通する水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)と前記発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、前記電圧印加手段(15)は、前記電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴とする水改質装置。 - 改質する水が導入される電解槽(11)と、
前記電解槽(11)内に対向して配設される一対の電極(12、13)と、
前記一対の電極(12、13)との間に配設されマグネシウムからなる一枚または複数枚の中間電極(14)と、
前記電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、前記電圧印加手段(15)により前記電極(12、13)間に電圧を印加させて前記中間電極(14)からMg2+イオンを溶解させて前記電解槽(11)内の水をアルカリ水に改質する水改質装置において、
前記電解槽(11)に水を流通させる通水路(16、17)に配設され、水車および発電機からなり、前記通水路(16、17)を流通する水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)と前記発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、前記電圧印加手段(15)は、前記電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴とする水改質装置。 - 前記改質する水は、浴槽内の浴水であり、前記電解槽(11)は、浴水を浄化する浴水浄化装置(50)に配設されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水改質装置。
- 前記電解槽(11)は、水道水から粒子成分、遊離塩素や臭気成分、微細縣濁物を除去する浄水器(60)を有する通水路(16、17)に配設されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の水改質装置。
- 燃焼により排出される排気ガスの潜熱を回収させることにより発生する排水が導入される電解槽(11)と、
前記電解槽(11)内に対向して配設されマグネシウムからなる一対の電極(12、13)と、
前記電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、前記電圧印加手段(15)により前記電極(12、13)間に電圧を印加させて前記電極(12、13)からMg2+イオンを溶解させて前記電解槽(11)内の前記排水を中性もしくはアルカリ性に改質する水改質装置において、
前記電解槽(11)に前記排水を流通させる通水路(16、17)に配設され、水車および発電機からなり、前記通水路(16、17)を流通する前記排水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)と前記発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、前記電圧印加手段(15)は、前記電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴とする水改質装置。 - 燃焼により排出される排気ガスの潜熱を回収させることにより発生する排水が導入される電解槽(11)と、
前記電解槽(11)内に対向して配設される一対の電極(12、13)と、
前記一対の電極(12、13)との間に配設されマグネシウムからなる一枚または複数枚の中間電極(14)と、
前記電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、前記電圧印加手段(15)により前記電極(12、13)間に電圧を印加させて前記中間電極(14)からMg2+イオンを溶解させて前記電解槽(11)内の排水を中性もしくはアルカリ性に改質する水改質装置において、
前記電解槽(11)に前記排水を流通させる通水路(16、17)に配設され、水車および発電機からなり、前記通水路(16、17)を流通する前記排水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)と前記発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、前記電圧印加手段(15)は、前記電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴とする水改質装置。 - 前記電圧印加手段(15)は、前記発電手段(30)が作動され発電を開始したときに、発電された電力によって前記電極(12、13)間に電圧が印加されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の水改質装置。
- 燃焼により給湯用水を加熱する給湯用熱交換器(42a)と燃焼により排出される排気ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器(42b)とを有する燃焼装置(40)に設けられ、前記潜熱回収用熱交換器(42b)から発生する排水が導入される電解槽(11)と、
前記電解槽(11)内に対向して配設されマグネシウムからなる一対の電極(12、13)と、
前記電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、前記電圧印加手段(15)により前記電極(12、13)間に電圧を印加させて前記電極(12、13)からMg2+イオンを溶解させて前記電解槽(11)内の前記排水を中性もしくはアルカリ性に改質する水改質装置において、
前記給湯用水を流通させる通水路(44、45、46)に配設され、水車および発電機からなり、前記通水路(44、45、46)を流通する前記給湯用水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)と、前記発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、前記電圧印加手段(15)は、前記電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴とする水改質装置。 - 燃焼により給湯用水を加熱する給湯用熱交換器(42a)と燃焼により排出される排気ガスの潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器(42b)とを有する燃焼装置(40)に設けられ、前記潜熱回収用熱交換器(42b)から発生する排水が導入される電解槽(11)と、
前記電解槽(11)内に対向して配設される一対の電極(12、13)と、
前記一対の電極(12、13)との間に配設されマグネシウムからなる一枚または複数枚の中間電極(14)と、
前記電極(12、13)間に電圧を印加する電圧印加手段(15)とを有し、前記電圧印加手段(15)により前記電極(12、13)間に電圧を印加させて前記中間電極(14)からMg2+イオンを溶解させて前記電解槽(11)内の前記排水を中性もしくはアルカリ性に改質する水改質装置において、
前記給湯用水を流通させる通水路(44、45、46)に配設され、水車および発電機からなり、前記通水路(44、45、46)を流通する前記給湯用水の流水エネルギーにより水車を回転させて電力を発電する発電手段(30)と、前記発電手段(30)によって発電された電力を蓄える電源手段(31)とが設けられ、前記電圧印加手段(15)は、前記電源手段(31)から蓄えられた電力を供給するように構成したことを特徴とする水改質装置。
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CN105036257A (zh) * | 2015-08-30 | 2015-11-11 | 罗民雄 | 一种高效电解开水与热水的方法与装置 |
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