JP2002246056A - 燃料電池発電システム - Google Patents

燃料電池発電システム

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JP2002246056A
JP2002246056A JP2001044989A JP2001044989A JP2002246056A JP 2002246056 A JP2002246056 A JP 2002246056A JP 2001044989 A JP2001044989 A JP 2001044989A JP 2001044989 A JP2001044989 A JP 2001044989A JP 2002246056 A JP2002246056 A JP 2002246056A
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gas
fuel cell
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generation system
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JP2001044989A
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Satoshi Seike
聡 清家
Hoki Haba
方紀 羽場
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気相中の二酸化炭素を効率的かつ低廉に回収
しながら、さらに効率的な電力の生産も可能な燃料電池
発電システムを提供すること。 【解決手段】 当該システムは、燃料ガスを水素リッチ
な改質ガスに改良する改質手段10と、気相中の二酸化炭
素を固定除去する二酸化炭素固定手段と、前記改質ガス
中の水素を導入して発電を行う燃料電池11から成る。二
酸化炭素固定手段は、イオン供給源物質(例えば、ナト
リウム化合物)が供給される正極と前記改質ガスが供給
される負極とを設けた固体電解質(例えば、ナトリウム
イオン導電体)と、二酸化炭素固定時に前記正負極間に
電圧を印加するための電源とを備え、前記改質ガスの流
通経路(A)さらには燃料電池11の空気極側からの排出
経路(B)に設置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相中の二酸化炭
素を固定しながら発電を行う燃料電池発電システムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】1998年12月、京都市で、2000年以降にお
ける地球温暖化防止のための新たな国際的枠組みを決定
する気候変動枠条約第3回締約国会議(地球温暖化防止
会議、COP3)が開催された。京都会議では、先進国全体
の温室効果ガスを2008〜2012年において1990年比5%強
削減する数値目標などを含む「京都議定書」が採択さ
れ、この中で我が国についての数値目標は1990年比6%
削減とされている。
【0003】温室効果ガスの人為的排出の多くを占める
のが、エネルギーの燃焼に伴って発生する二酸化炭素
(CO2)である。我が国は、石油危機以降積極的な省エ
ネルギー努力を行った結果、産業部門のエネルギー利用
効率は世界最高水準にあり、GDP当りの一次エネルギー
消費も米国の約3分の1、ドイツの約2分の1と他の先進国
と比較して低い水準にある。
【0004】しかし、近年の運輸、民生部門を中心とし
たエネルギー消費の著しい伸びに伴い、エネルギー起因
の二酸化炭素排出量は1995年度には1990比8%強の大幅
な増加となっている。このことから、京都議定書の目標
の達成に向けては、直ちに最大限の対策に着手していく
必要がある。
【0005】京都議定書において、温室効果ガスは二酸
化炭素(CO2)、メタンガス(CH4)、亜酸化窒素(N
2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロ
カーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)の6種類とされ
ているが、我が国における温室効果ガスの排出量は1995
年度において1990年度比8.6%増加している。このう
ち、全体の9割近くを占めるとともに、経済社会活動全
体と密接な関わりを持つののがエネルギーの燃焼に伴っ
て発生する二酸化炭素である。
【0006】我が国におけるこれらのエネルギー起因の
二酸化炭素排出量は1980年代後半から急激な増加傾向に
あり、特に近年は運輸、民生部門の伸びが著しく、1995
年度には1990年度比8.1%の大幅な増加となっている。
したがって、我が国で今後国内の温室効果ガス対策を考
える際の中心的課題となるのが、運輸、民生部門での対
策強化をはじめとしたエネルギー起因の二酸化炭素削減
対策である。
【0007】尚、二酸化炭素については、正確な量の把
握は難しいものの森林等の働きによって吸収されるとい
われており、また二酸化炭素固定技術に関する研究開発
も進められている。さらに、代替フロン類(HFC,PFC及
びSF6)については半導体洗浄や製品の中の冷媒として
使われ、市中に残存しているものを回収し、分解するた
めの技術開発等が進められている。
【0008】このように、温室効果ガス対策の全体にお
いて、ガスの排出削減対策を進める一方で、森林・農地
の保全・整備や代替フロン類の回収に係るシステム創り
など、ガスの吸収・固定や回収・分離等に係る各種の対
策を進めることも極めて重要である。
【0009】排ガスのCO2排出濃度としては、排ガス中
でディーゼルエンジンが約10%、ボイラーで約13%、下
水処理場、食品工場の消化ガスで約40%である。
【0010】現在の二酸化炭素の分離技術として、水酸
化ナトリウムや水などを用いて分離回収する吸収法、ゼ
オライト等の個体状の吸着剤を用いて分離回収する吸着
法、二酸化炭素のみを通す膜を用いて二酸化炭素と他の
排ガスとを「ふるい分け」する膜分離法等がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
吸収法及び吸着法は大掛かりな装置が必要であること、
また前記膜分離法はイニシャルコスト及びランニングコ
ストが高く、さらに除去率が低いという問題がある。
【0012】また、前述のように、温室効果ガスの大部
分を占める二酸化炭素の排出源のほとんどは、下水処理
場や工場であることからも、これら施設のランニングコ
ストも考慮した二酸化炭素固定システムの構築が必要と
なる。
【0013】本発明は、上記の事情に鑑み創作されたも
のであり、気相中の二酸化炭素を効率的かつ低廉に回収
しながら、さらに効率的な電力の生産も可能な燃料電池
発電システムを提供することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、前記課題を解決
するために、請求項1に係る燃料電池発電システムは、
燃料ガスを水素リッチな改質ガスに改良する改質手段
と、前記改質ガス中の二酸化炭素を固定除去する二酸化
炭素固定手段と、前記改質ガス中の水素を導入して発電
を行う燃料電池とからなる燃料電池発電システムであっ
て、前記二酸化炭素固定手段は、イオン供給源物質が供
給される正極と前記改質ガスが供給される負極とを設け
た固体電解質と、前記正負極間に電圧を印加するための
電源とを備えた二酸化炭素固定装置で、前記固体電解質
がナトリウムイオン導電体である場合、前記イオン供給
源物質はナトリウム化合物であること、または前記固体
電解質がリチウムイオン導電体である場合、前記イオン
供給源物質はリチウム化合物であることを特徴とする。
【0015】ここで、電極は、多孔質で、一般的に用い
られている導電性材料、Pt、Au、Cr、Cu及びNi若しくは
これらの酸化物等を基本材料としている。
【0016】ナトリウムイオン導電体には、β−アルミ
ナ(Na2O・11Al2O3)やNASICON(Na 1+XZr2P3-XSiXO12
Xは実数,0<X<3)等がある。
【0017】ナトリウム化合物には、水酸化ナトリウム
(NaOH)等がある。このとき、負極において、前記ガス
中の二酸化炭素は、炭酸ナトリウム(Na2CO3)の形態で
固定される。
【0018】リチウムイオン導電体には、LISICON(xLi
4GeO4(1−x)Zn2GeO4,x=3/4)、xLi4GeO4(1−x)
Li14VO4(Xは実数,0<X<1)、LiN(Li3N)やLi14Zn
(GeO44等がある。
【0019】リチウム化合物には、水酸化リチウム(Li
OH)等がある。このとき、負極42において、前記ガス中
の二酸化炭素は、炭酸ナトリウム(Li2CO3)の形態で固
定される。
【0020】炭酸塩の形態で分離した二酸化炭素の取出
しは、前記固体電解質に接続される電源を二酸化炭素固
定時と逆相に接続すると共に、前記炭酸塩をその融点以
上の温度に昇温することにより可能である。すなわち、
電源の正極を負極に、同電源の負極を正極接続し、放電
現象を起こさせ、分離した二酸化炭素を取出している。
尚、両極間に、負荷を接続してもよい。これにより、貯
えられた電力も取出すこともできる。また、融点以上の
温度としては、680〜850℃若しくはそれ以上の温
度であればよい。
【0021】電圧を印加するするための電源は、一般の
定電位電源(ポテンションスタット等)を用いることが
できるが、充放電できるものが望ましい。また、二酸化
炭素放出時に電位を逆転させる操作で対応できるもの
は、なおよい。
【0022】二酸化炭素固定時に印加する電圧は、−0.
5〜3V程度である。また、二酸化炭素放出時の電圧(放
電電圧)は、+0.5〜3V程度である。印加及び放電電圧
は、前記の値に限定されない。
【0023】前記燃料電池には、例えば、リン酸型、固
体高分子型及び固体酸化物型がある。
【0024】請求項2に係る燃料電池発電システムは、
請求項1に係る燃料電池発電システムにおいて、前記二
酸化炭素固定手段が、前記改質ガスの流通経路若しくは
前記燃料電池の空気極側からの排出経路に配置したこ
と、または前記流通経路及び前記排出経路に設置したこ
とを特徴とする。
【0025】請求項3に係る燃料電池発電システムは、
有機性汚泥の嫌気処理によって発生した消化ガスから二
酸化炭素を固定除去してメタンに富むガスを得るメタン
濃縮手段と、前記メタン濃縮手段からのガスを水と反応
させて、一酸化炭素と水素に富む改質ガスに改質する改
質手段と、前記改質ガスを燃料とする燃料電池を備えた
燃料電池発電システムであって、前記メタン濃縮手段
は、イオン供給源物質が供給される正極と前記改質ガス
が供給される負極とを設けた固体電解質と、前記正負極
間に電圧を印加するための電源とを備えた二酸化炭素固
定装置で、前記固体電解質がナトリウムイオン導電体で
ある場合、前記イオン供給源物質はナトリウム化合物で
あること、または前記固体電解質がリチウムイオン導電
体である場合、前記イオン供給源物質はリチウム化合物
であることを特徴とする。
【0026】請求項4に係る燃料電池発電システムは、
請求項1から3に係る燃料電池発電システムにおいて、
前記固体電解質は、器状に形成され、その空洞面には正
極が、その外壁面には負極が、覆設され、さらに前記空
洞部には前記イオン供給源物質が充填されることを特徴
とする。
【0027】前記固体電解質は、器状であれば、いかな
る形状のものでもよく、その断面形状も、例えば、円
形、楕円形、多種多角形の他、ガスの流通抵抗等を考慮
して流線形とするなど、使用状況等の各種条件を適宜考
慮される。
【0028】請求項5に係る燃料電池発電システムは、
請求項4に係る発明の燃料電池発電システムにおいて、
前記二酸化炭素固定手段及びメタン濃縮手段は、前記二
酸化炭素固定装置を、二酸化炭素を含有したガスが流通
する配管内に、垂下支持して、配置した二酸化炭素固定
ユニットであることを特徴とする。
【0029】請求項6に係る燃料電池発電システムは、
請求項4に係る発明の燃料電池発電システムにおいて、
前記二酸化炭素固定手段及びメタン濃縮手段は、二酸化
炭素及び酸素を含有したガスが供給される容器内に、前
記二酸化炭素固定装置を設置された二酸化炭素固定ユニ
ットで、前記容器の開口部には、二酸化炭素及び酸素を
含有したガスを導入するための配管と、前記容器内のガ
スを排出するための配管とが、具備されることを特徴と
する。開口部に具備される配管としては、例えば、配管
を同心円状に配置した二重配管でもよい。
【0030】請求項7に係る燃料電池発電システムは、
請求項5に係る燃料電池発電システムの前記配管内にお
いて、前記二酸化炭素固定装置の下端を通過するガスの
流れを迂回させる障害手段を、配置したことを特徴とす
る。障害手段として、二酸化炭素固定装置の下端と配管
内壁面との隙間を通過するガスの流れを迂回させるため
の迂流板や、二酸化炭素固定装置の下端と配管内壁面と
の間に介在させるための耐熱性繊維魂がある。かかる構
成により、二酸化炭素固定装置と二酸化炭素の接触効率
が高まり、効率的な二酸化炭素の分離固定が可能とな
る。
【0031】請求項8に係る燃料電池発電システムは、
請求項5に係る燃料電池発電システムにおいて、前記二
酸化炭素固定装置は、前記配管を貫通して支持されるこ
とを特徴とする。
【0032】請求項9に係る燃料電池発電システムは、
請求項5から8に係る燃料電池発電システムにおいて、
前記配管または容器には、前記二酸化炭素固定装置が複
数設けられることを特徴とする。当該二酸化炭素固定装
置を複数配列する際には、千鳥状または格子状の配置が
望ましい。
【0033】請求項10に係る燃料電池発電システム
は、請求項5から9に係る燃料電池発電システムにおい
て、前記二酸化炭素固定ユニットに二酸化炭素を排出す
るための配管を設けると共に、前記二酸化炭素固定ユニ
ットを昇温する加熱手段を設けたことを特徴とする。
【0034】当該配管は、固定した二酸化炭素を分離除
去するために、系外移送するための配管であり、二酸化
炭素固定ユニットに直接接続されるか、または前記ユニ
ットの二次側経路に設置されたバルブ手段(例えば、三
方弁)を介して接続される。尚、二酸化炭素を放出する
際に、該バルブ手段の通気路は系外移送側に設定される
ことが望ましい。
【0035】また、配管には、ファン、ブロワ等の吸引
手段が接続される。放電時における負極での二酸化炭素
の遊離は可逆反応であるから、ユニット内の二酸化炭素
を強制的に排出させることにより、分離させた二酸化炭
素を効率的な取出が可能となる。
【0036】尚、加熱手段には、設定温度可変の、ヒー
ターやバーナー等がある。
【0037】請求項11に係る燃料電池発電システム
は、被処理ガスが、一定時間毎交互に、供給される請求
項5から10記載のいずれかの二酸化炭素固定ユニット
を、少なくとも2つ並列に配置し、該ガスが供給され
る、一の二酸化炭素固定ユニットにおいては、前記電源
の負極を該ユニット内の二酸化炭素固定装置の負極と、
またその正極を同二酸化炭素固定装置の正極と、導通す
ることで、該ガス中の二酸化炭素を炭酸塩として同二酸
化炭素固定装置の負極に分離固定すること、燃料ガスが
供給されない、他の二酸化炭素ユニットにおいては、同
電源の負極を同二酸化炭素固定装置の正極と、またその
負極を同二酸化炭素固定装置の負極と、導通すること
で、分離固定した二酸化炭素を装置外に放出すること、
を特徴している。かかる構成によって、連続的な二酸化
炭素の固定と取出しが可能なる。
【0038】二酸化炭素固定ユニットは、バルブ手段
(例えば三方弁)を介して、各々並列に接続され、さら
に、同ユニットには、相を変換させることが可能な充放
電装置が付帯された電源が接続される。例えば、二酸化
炭素固定ユニット二つを並列に接続した場合には、一方
のユニットが二酸化炭素の固定を、他方のユニットが二
酸化炭素の放出を、交互に行うことで、連続な二酸化炭
素の除去を可能としている。また、三つ並列された場合
には、例えば、固定、放出を各々1/2づつタイミング
をずらせるなど、その数等に応じて、切換えのタイミン
グは適宜設定できる。但し、三つ以上の二酸化炭素固定
ユニットを設置する場合には、切換えのタイミング等に
応じて、適宜に複数の電源を設ける必要がある。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0040】図1は、本発明に係る燃料電池発電システ
ムの概要図である。
【0041】当該発電システムは、改質装置10と燃料電
池11とを具備し、さらに改質装置10の前段には脱硫装置
12が、また燃料電池11には水蒸気分離器13及びインバー
タ14が設置されている。
【0042】燃料ガスは水蒸気(H2O)と混合されて、
改質装置10に供給される。改質装置10では、触媒反応に
より、改質反応と水性ガスシフト反応とが同時に進行
し、燃料ガスは分解され、水素(H2)に富むガスに改質
される。
【0043】燃料ガスをメタン(CH4)をベースとした
場合の改質反応と水性ガスシフト反応は、以下の通りと
なる。
【0044】改質反応(吸熱反応) CH4+H2O → 3H2+CO …… (1) 水性ガスシフト反応(発熱反応) CO+H2O → CO2+H2 …… (2) 改質装置10での反応は、総合して吸熱反応となる。した
がって、外部より加熱する必要がある。この熱は、通
常、電池本体から排出された使用済みの燃料を空気によ
り燃焼させて得ることが多い。
【0045】改質装置10出口での一酸化炭素濃度(CO)
は10〜15%程度となっている。一酸化炭素は、特にリン
酸型、固体高分子型の燃料電池にとって、電池特性を低
下させる原因となっている。このままでは電池本体に直
接は供給できないことから、さらに、水性ガスシフト反
応(反応式(2))を介し、一酸化炭素濃度を1%以下
(固体高分子型に関してさらにシビアに)に減少させて
いる。
【0046】このように、改質装置10から排出されたガ
スの成分は、ほとんど水素(H2)か二酸化炭素(CO2
である。このうち、H2は燃料電池で利用されるが、CO2
は大気中に放出されている。温室効果ガスの一つである
二酸化炭素の削減対策が急がれていることは先に述べ
た。
【0047】そこで、発明者らは、気相中の二酸化炭素
を回収しながらの電力の生産を可能な燃料電池発電シス
テムを新たに創出した。 (第1形態)本形態に係る燃料電池発電システムは、図1
において、リン酸型若しくは固体高分子型燃料電池発電
システムの燃料供給系(A)において、二酸化炭素固定
手段A1を具備させて構成される。
【0048】図3(a)は、当該二酸化炭素固定手段の
概要図である。
【0049】二酸化炭素固定手段A1は、被処理ガスが
供給される後述の二酸化炭素固定ユニット(以下、ユニ
ット31a,b)を2基並列に配置させ、交互に二酸化炭素
の固定と取出しを行っている。
【0050】ユニット31a,bは、一次側経路に三方弁20
(以下、V20)を、二次側経路に三方弁23(以下、V23)
を介して並列に配置される(図3(a))。また、ユニ
ット31aの二次側経路には三方弁21(以下、V21)が、さ
らにユニット31bの二次側経路には三方弁22(以下、V2
2)が設置され、各々弁21,22に二酸化炭素排出経路34が
接続される。
【0051】尚、ユニット31a,bの二次側(図3におい
ては、V23の二次側)には、二酸化炭素濃度測定手段33
が付帯され、ユニット31a,bの二酸化炭素除去性能が監
視される。
【0052】電源32は、ユニット31aとユニット31bの共
有設備であり、充放電装置を備えている。充放電装置
は、交流電源を直流電源に変換させる機能を有してい
る。当該装置は、二酸化炭素固定時には、前記直流電源
の正極をユニット31a,bの正極に接続させ、同じくこの
電源の負極を同ユニット31a,bの負極に接続させる(以
下、これを充電接続と称する)。また、二酸化炭素取出
時には、前記直流電源の正極を前記ユニット31a,bの負
極に接続させ、同じくこの電源の負極を同ユニット31a,
bの正極に接続させる(以下、これを放電接続と称す
る)。
【0053】尚、前記二酸化炭素取出時において、ユニ
ット31aとユニット31bに外部負荷を接続することによ
り、貯えた電気エネルギーを系外に供給してもよい。
【0054】ここで、ユニット31a,bは、被処理ガスが
供給される配管若しくは被処理ガスが滞留する容器に二
酸化炭素固定装置が設置されて構成される。
【0055】図4及び5は、当該二酸化炭素固定装置の
原理説明図及び概略構成図である。
【0056】当該二酸化炭素固定装置は、二次電池構造
を成し、正極41と負極42を備えた固体電解質40と、電源
(直流)43とから構成される。正極41にはイオン供給源
物質43が、負極42には被処理ガス(ここでは消化ガス)
が供給される。
【0057】固体電解質は、いかなる形状のものでもよ
く、例えば図5のように、器状に形成してもよい。そし
て、その断面形状も、使用状況等の各種条件、またガス
の流通抵抗等を考慮して、円形、楕円形、多角形及び流
線形等、種々の形状のものが適宜に形成される。
【0058】正極41,51と負極42,52は、先に述べた多孔
質性の電極が用いられ、固体電解質40,50に蒸着により
設けられる。尚、蒸着以外に、溶射、ディップコーティ
ング等により形成してよい。
【0059】ここで、固体電解質を前述のナトリウムイ
オン導電体(NASICON等)、イオン供給源物質を水酸化
ナトリウム、被処理ガスをCH4とCO2とO2とを含んだガス
とした場合の電極における作用について、図4に基づき
説明する。
【0060】二酸化炭素固定は、イオン供給源物質(こ
こでは、水酸化ナトリウム(以下、NaOH))が供給され
る正極41と前記被処理ガスが供給される負極42を備えた
固体電解質40の両極41,42間に電圧(直流)を印加する
こと(充電)によって行われる(図4)。
【0061】先ず、NaOHが接触した正極41表面におい
て、以下の酸化反応が起こる。
【0062】 2NaOH → 2Na++H2O+1/2O2+2e- …… (3) このとき、NaOHから遊離したナトリウムイオン(Na+
は、正極41を通過し、さらに固体電解質40内を泳動して
負極42に達する。そして、負極42の表面おいて、以下の
還元反応が起こる。
【0063】 2Na++CO2+1/2O2+2e- → Na2CO3 …… (4) この反応により、負極42の表面に拡散してきた前記被処
理ガス中に含まれた二酸化炭素(CO2)は、炭酸ナトリ
ウム(Na2CO3)の形態で、同極42の表面に分離固定され
る。また、二酸化炭素以外のガスは、反応を起こさない
ため、別の経路にて回収される。
【0064】反応式(4)によれば、二酸化炭素の固定
には酸素を必要とするが、被処理ガス中に酸素が含まれ
ていれば酸素を供給する必要はない。尚、反応式(4)
は可逆反応であるから、当該ガス中の酸素濃度を監視し
ながら系外から新たに酸素を導入すれば、二酸化炭素の
固定化はさらに促進される。
【0065】また、反応式(3)によれば、正極41にお
ける酸化反応により酸素が生成される。したがって、こ
の生成した酸素を、直接、負極42に導入すれば、系外か
ら酸素を新たに供給する必要はなくなる。
【0066】一方、二酸化炭素の取出しは、前記電極に
接続される電源を、二酸化炭素固定時と逆相に接続する
(放電)と共に、加熱手段を設けて炭酸ナトリウムの融
点以上の温度に昇温することによって行われる。すなわ
ち、電源の正極を負極42に、同電源の負極を正極41に接
続して、ガス雰囲気を該所定温度に昇温している。
【0067】このとき、負極42において酸化反応
((4)式とは逆の反応)が、正極41において還元反応
((3)式とは逆の反応)が進行し、炭酸ナトリウムは
分解され、二酸化炭素の取出しが可能となる。
【0068】また、正極41と負極42との間に負荷を接続
して放電することにより、二酸化炭素を取出してもよ
い。
【0069】この放電により負極42において酸素と二酸
化炭素の混合ガスが生成されるが、このガスを放電中に
正極41室を介して系外に移送すれば、酸素と二酸化炭素
と分離することができる((3)の逆の反応が進行する
から)。
【0070】図6は、充電時及び放電時の負極42側にお
ける二酸化炭素濃度の経時的変化を示している。
【0071】本実験に係る二酸化炭素固定装置は、固体
電解質に前述のNASICONを、電極に白金(Pt)を用い、
作動温度を充電時350℃とし、放電時には850℃まで昇温
している。特性図が示すように、二酸化炭素固定装置の
上流側の二酸化炭素濃度が単位秒当り1025ppmであ
る場合、二酸化炭素固定時においては、約4000秒
(約66分)で斜線部aにおける積分量の二酸化炭素の
吸蔵を可能とし、二酸化炭素放出時においては、約40
分で斜線部bにおける積分量の二酸化炭素の放出が可能
となっている。そして、斜線部aと斜線部bにおける積
分量がほぼ同等であるので、該二酸化炭素固定装置は吸
蔵した分の二酸化炭素の放出が可能であることが示され
た。
【0072】二酸化炭素固定時に印加する電圧は−0.5
〜3V、二酸化炭素放出時の電圧は+0.5〜3Vが好ましい
ことが考えられる。但し、電圧は、これらの値に限定す
るものではなく、適宜に設定される。
【0073】また、前記電解質において前述のリチウム
イオン導電体を用いても図6と同様な結果が得られてい
る。この場合、二酸化炭素は、負極42において、炭酸リ
チウム(Li2CO3)の形態で固定される。
【0074】尚、動作温度は当該実験を行った際の温度
に限るものではなく、固体電解質、電極、イオン供給源
物質など、各材料毎に性能、分解温度等が異なるため、
動作温度は電極の触媒性能、電解質の導電率、イオン供
給源物質の溶解温度、さらには配管等をはじめとする各
構成の材料等を考慮して適宜に設定することが望まし
い。
【0075】例えば、固体電解質としてNASICONを用
い、イオン供給源物質をNaOHとして種々の温度条件で実
験を行ったところ、280〜400℃の温度範囲で二酸化炭素
を分離固定することができ、特にNaOHの融点である318.
4℃以上が好ましいことが確認できた。ここで、融点31
8.4℃は一般に使用されている水、炭酸塩等の不純物を
含んでいるNaOHのものであり、純粋なNaOHであれば融点
は320℃である。
【0076】動作温度は、充電時には排ガス自体の排熱
を利用して確保することができ、ガス温度が低い場合及
び放電時には、ヒーターやバーナー等の加熱手段(図示
省略)により二酸化炭素固定装置(または後述の二酸化
炭素固定ユニット)自体を加熱することにより温度制御
することも可能である。
【0077】このように、当該二酸化炭素固定装置は、
理想的な二次電極の構成を成すため、系外から二酸化炭
素が供給される限り、新たな蓄電が可能となる。
【0078】また、当該二酸化炭素固定装置の電解質の
両極で起こる酸化還元反応は可逆的な反応で、放電によ
ってイオン供給源物質は再生されることから、薬品コス
トの消費量を最小限に抑えることができる。しかも、こ
の放電により電気エネルギーを取出すことも可能である
から、ランニングコストも低く抑えることができる。
【0079】さらに、当該電解質の両極で起こる酸化還
元反応は可逆的な反応で、放電によってイオン供給源物
質は再生されることから、薬品コストの消費量を最小限
に抑えることができる。しかも、この放電により電気エ
ネルギーを取出すことも可能であるから、ランニングコ
ストも低く抑えることができる。
【0080】そして、電解質は固体であるため、液漏れ
の心配がなくなるばかりでなく、装置として小型化が可
能となる。これより、イニシャルコストの低減が可能と
なるばかりでなく、負荷量に応じて有効反応容量を調整
できるため、小規模から大規模な施設までの用途が広が
る。
【0081】ユニット31a,bの実施形態例を、図7〜1
1に示す。
【0082】図7は、二酸化炭素固定ユニット(その
1)の概略構成図である。
【0083】当該ユニットは、二酸化炭素を含有したガ
スが流通する配管(ダクトともいう)70内に、二酸化炭
素固定装置71を複数垂下支持することで構成される。
【0084】尚、当該ユニットを単独で使う場合、図示
されていないが、二酸化炭素固定装置71に電圧を印加す
るための充電機能と、固定した二酸化炭素を取出すため
の放電機能とを備えた電源が具備される(以下、図8〜
10においても同じ)。
【0085】二酸化炭素固定装置71は、図7(a)にお
いて、横断面が円形となるように形成されている。当該
装置71は、容易に脱着可能で、被処理ガスの負荷量に応
じて、配管70内に任意の数設置される。イオン供給源物
質も、適宜補充される。
【0086】また、二酸化炭素固定装置71と被処理ガス
の接触効率を高めるため、配管70内には、装置71の下端
を通過するガスの流れを迂回させるための障害手段が設
置されている。障害手段は、図7において、迂流板72が
設置される。板72の高さは適宜調整される。
【0087】図8は、二酸化炭素固定ユニット(その
2)の概略構成図である。
【0088】当該ユニットは、二酸化炭素固定装置81の
下端と配管80内壁面との間に耐熱性繊維魂82を介在させ
ることにより、装置81と被処理ガスの接触効率を高めて
いる(図8)。
【0089】図9は、二酸化炭素固定ユニット(その
3)の概略構成図である。
【0090】当該ユニットは、二酸化炭素固定装置91
が、配管90を貫通して垂下支持されて構成される。かか
る構成によって、図4及び5のような障害手段を備えな
いで、二酸化炭素固定装置91と被処理ガスとを効率的に
接触させることができる。
【0091】図10は、二酸化炭素固定ユニット(その
4)の概略構成図である。
【0092】当該ユニットは、二酸化炭素及び酸素を含
有したガスが供給される容器100内に、二酸化炭素固定
装置101が設置された二酸化炭素固定ユニットであっ
て、前記容器の開口部102には、二酸化炭素及び酸素を
含有したガスを導入するための配管103と、前記容器内
のガスを排出するための配管104とが、具備されて構成
される。
【0093】容器100の容積と装置101の設置数は、被処
理ガスの負荷量に応じ定まる。二酸化炭素固定装置101
は、もちろん脱着可能で、例えば図10のように、容器天
井部から垂下支持される。
【0094】開口部102と配管103,104の設置形態は、立
地条件に応じて様々である。ここでは、開口部102は容
器100底部に設けられ、配管103,104は開口部102から槽1
00内に引込まれて設置されている。図示されたように、
配管103,104は同心円状に配置した二重配管としてもよ
い。
【0095】尚、図示省略されているが、図7〜10記
載の二酸化炭素固定ユニットには、前記二酸化炭素固定
ユニット内の所定温度に昇温する加熱手段が付帯されて
いる。加熱手段には、設定温度可変の、ヒーターやバー
ナー等がある。
【0096】図11は、これらの二酸化炭素固定ユニッ
ト(以下、ユニット111と称する)の実施形態の一例を
示している。
【0097】ユニット111は、消化ガス等の被処理ガス
が流通する経路に設置され、ユニット111の一次側には
二方弁V10が、また二次側にはユニット111側から三方弁
V11及び二方弁V12が順次設置される。そして、V11に
は、前記ガスから分離されたガスを排出するための配管
114が接続される。
【0098】配管114は、二酸化炭素固定ユニットに直
接接続してもよい。また、二酸化炭素を放出する際(装
置111の放電時)に、V11の通気路は114側に設定される
ことが望ましい。また、このとき、配管114には、ファ
ン、ブロワ等の吸引手段が接続される。放電時における
負極での二酸化炭素の遊離は可逆反応であるから、ユニ
ット111内の二酸化炭素を強制的に排出させることによ
って効率的な二酸化炭素の取出しが可能となる。
【0099】ところで、ユニット31a,bは、図3(b)
のタイムスケジュールに基づき、二酸化炭素の固定及び
取出しを交互に行なって、連続的な二酸化炭素の固定と
電力の生産を可能としている。ここで、二酸化炭素の固
定及び取出しの切替時間は、流入負荷量に応じて任意に
設定される。
【0100】図3(b)において、ユニット31aは二酸
化炭素固定工程を終了させると二酸化炭素取出し工程に
移行し、ユニット31bは二酸化炭素固定工程に移行す
る。
【0101】このとき、被処理ガスの供給路はV20によ
ってユニット31b側に設定され、さらにユニット31bから
の処理ガスの排出路はV22,23によって次工程側(図9に
おいては改質器等)に設定される。
【0102】二酸化炭素取出し工程に移行したユニット
31aにおいて、電源32の接続は放電接続に切り替わる。
このときV21は経路34側に設定されており、放電により
遊離した二酸化炭素が、ブロワ等により吸引され、系外
に移送される。
【0103】一方、二酸化炭素固定工程に移行したユニ
ット31bにおいて、電源32の接続は充電接続に切り替わ
る。ここでの二酸化炭素固定の詳細な説明は、図1での
二酸化炭素原理に説明に譲る。二酸化炭素が除去された
処理ガスは、ブロワ等によって吸引され、前記次工程に
供される。設定時間が消化されると、ユニット31bは二
酸化炭素取出し工程に移行し、ユニット31aは二酸化炭
素固定工程に移行する。
【0104】当該燃料電池発電システムの動作について
説明する。
【0105】図1において、燃料ガスは、先ず脱硫装置1
2に、空気は、直接空気極11b室に供給される。脱硫装置
12を経た燃料ガスは、水蒸気(H2O)と共に、改質装置1
0に供給される。
【0106】改質装置10において、燃料ガス中のメタン
(CH4)及び水蒸気は、前記反応(1)(2)を経て、
二酸化炭素(CO2)と水素ガス(H2)とに変換される。
この混合ガスは、二酸化炭素固定手段1において二酸化
炭素成分が除去された後、水素に富んだガスとして燃料
電池11の燃料極11a室に供給される。
【0107】二酸化炭素固定手段1において分離固定さ
れた二酸化炭素は、前記二酸化炭素の取出し工程によっ
て取出され系外移送される。また時には、二酸化炭素固
定手段1に外部負荷が接続されることで、貯えられた二
酸化炭素及び電力が取出される。尚、改質装置10及び燃
料電池11から排出された熱は、熱エネルギーとして利用
される。
【0108】また、燃料電池11内は、冷却系11cによっ
て作動温度が一定に保たれる。冷却系11cから排出され
た水分は、水蒸気分離器13において気相成分と液相成分
に分離され、気相成分は改質装置10若しくは蒸気利用に
供され、液相成分は給水系に返送される。
【0109】(第2形態)固体酸化物型の燃料電池発電
システムは、その燃料ガスに一酸化炭素(CO)が含まれ
ていても支障はないので、水性ガスシフト反応工程(反
応式(2))は必要としない。しかしながら、本発電シ
ステムの燃料ガスの改質工程において(3)(4)式の
反応が同時に進行することから、燃料極に供給されるガ
スには二酸化炭素が含まれており、発電に伴い二酸化炭
素の排出量が多くなる。
【0110】そこで、固体酸化物型の燃料電池を用いた
場合、第1形態と同様に、燃料供給系(A)に二酸化炭
素固定手段A1を設置している。かかる構成によって二
酸化炭素は回収されて、水素ガスに富んだ燃料ガスが得
られ効率的な発電が可能となる。二酸化炭素固定手段A
1の動作説明は、第1形態に譲る。
【0111】また、燃料極11aに供給されたガス中に一
酸化炭素が含まれていた場合、空気極11bにおいて電池
反応により二酸化炭素が生成される。そのため、空気極
11bの排気経路(B)においても、二酸化炭素固定手段
A1と同じ構成の二酸化炭素固定手段B2が設置される。
かかる構成によって、空気極11bから排出されたガス中
から二酸化炭素のみを分離することができ、これと共存
した酸素のみを再び空気極における酸化剤として再利用
することができ、効率的な発電が可能となる。二酸化炭
素固定手段B2の動作説明は、第1形態に譲る。
【0112】当該燃料電池発電システムの動作について
説明も、第1形態に譲る。 (第3形態)下水処理場や食品工場における汚泥処理施
設の汚泥消化工程から排出された消化ガスの組成は、お
よそメタン60%、二酸化炭素40%程度となっている。こ
の消化ガスに含まれているメタンガスは、ボイラー、ガ
スエンジン等の燃料燃焼機関や燃料電池の燃料として有
効利用されている。
【0113】しかしながら、メタン濃度が低いために前
記燃料燃焼機関及び燃料電池のエネルギー効率が低くな
る欠点がある。
【0114】そこで、本形態に係る燃料電池システム
は、汚泥処理施設における汚泥消化槽の後段にメタン濃
縮手段を設置してメタン濃度を90%以上に高めることに
より、前記燃料燃焼機関及び燃料電池のエネルギー効率
の向上を図っている。
【0115】図2は、本形態に係る燃料電池発電システ
ムの概要図である。
【0116】当該発電システムは、汚泥処理施設におけ
る汚泥消化槽の後段に設置されるメタン濃縮手段(メタ
ン濃縮槽)20と、メタン濃縮手段から供給されたガスを
水素と一酸化炭素に富んだガスに改質する改質手段10
と、改質手段10からのガスを燃料とする燃料電池11とか
ら構成されている。
【0117】メタン濃縮手段20は、図3の二酸化炭素固
定手段1,2と同じ構成を成し、汚泥処理施設の消化槽か
ら供給された消化ガス中の二酸化炭素の分離除去を行
う。これによりメタンガス濃度は90%以上まで濃縮さ
れ、燃料電池11の発電効率が向上する。メタン濃縮手段
20における二酸化炭素固定ユニットの構成及び動作につ
いての説明は、第1形態に譲る。
【0118】燃料電池11には、アルカリ水溶液電解質燃
料電池、リン酸電解質燃料電池、溶融炭酸塩燃料電池、
固体電解質燃料電池、高分子固体電解質燃料電池などが
ある。本形態の燃料電池11には、脱硫装置12とコンバー
タ14が具備され、さらに改質装置10には脱硫装置12が、
燃料電池11には高温側熱交換器と熱回収水蒸気発生器と
低温熱交換器とが付帯されている。
【0119】メタン濃縮手段20から供給されたメタン濃
縮ガスは、脱硫装置12を介し、水蒸気(H2O)と共に、
改質装置10に供給される。改質装置10において、燃料ガ
ス中のメタン(CH4)及び水蒸気は、前記反応(1)
(2)を経て、二酸化炭素(CO2)と水素ガス(H2)と
に変換された後に燃料電池11(例えば、10kW)に供され
る。このとき、第1及び2形態のように、燃料極への供
給経路及び空気極からの排出経路に二酸化炭素固定手段
1,2を付帯すれば、さらに燃料電池11の発電効率が高ま
る。
【0120】第1形態と同様、改質装置10及び燃料電池1
1から排出された熱は、熱エネルギーとして利用され
る。特に、燃料電池11の燃料極において発生した水蒸気
は、高温側熱交換器、熱回収水蒸気発生器及び低温熱交
換器へと供給され、熱源として利用される。
【0121】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
であるところの請求項1から11記載の燃料電池発電シス
テムは以下の効果を奏する。
【0122】燃料電池に供給される燃料ガスの濃度が高
まり、燃料発電システム全体の発電効率が向上する。特
に、リン酸型燃料電池及び固体高分子型電池において
は、燃料ガスの濃度が高まり、発電効率が向上する。ま
た、固体酸化物型燃料電池においては、酸素極側から排
出されたガス中の二酸化炭素が除去されることから、酸
素の再利用が容易となり、発電効率が高まる。さらに、
請求項11に係る燃料電池発電システムは充放電を交互に
行っているので、二酸化炭素の固定と取出しが連続的に
可能となっている。これにより、水素ガス濃度の高い燃
料ガスの供給の連続的な可能なることから、発電システ
ム全体としてさらに発電効率が向上する。
【0123】また、効率的かつ低廉な温室効果ガスの回
収と電力の生産とが可能となる。これにより、下水処理
場や食品工場等の施設における温室効果ガスの削減と、
当該施設のランニングコストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池発電システム(第1,2
形態)の概要図。
【図2】本発明に係る燃料電池発電システム(第3形
態)の概要図。
【図3】(a)は本発明に係る二酸化炭素固定手段の概
要図、(b)はそのタイムスケジュールの一例。
【図4】本発明に係る二酸化炭素固定装置の原理説明
図。
【図5】本発明に係る二酸化炭素固定装置の概略構成
図。
【図6】本発明に係る二酸化炭素固定装置の負極側にお
ける二酸化炭素濃度の経時的変化を示した特性図。
【図7】二酸化炭素固定ユニット(その1)の概略構成
図、(a)は平面図、(b)はA-A断面図。
【図8】二酸化炭素固定ユニット(その2)の概略構成
図、(a)は平面図、(b)はA-A断面図。
【図9】二酸化炭素固定ユニット(その3)の概略構成
図、(a)は平面図、(b)はA-A断面図。
【図10】二酸化炭素固定ユニット(その4)の概略構
成図。
【図11】二酸化炭素固定ユニットの実施形態の一例。
【符号の説明】
1…二酸化炭素固定手段A 2…二酸化炭素固定手段B 10…改質装置 11…燃料電池 11a…燃料極(負極) 11b…空気極(正極) 11c…冷却系 12…脱硫装置 13…水蒸気分離器 14…インバータ 20…メタン濃縮手段(メタン濃縮槽) 30…改質装置 31a…二酸化炭素固定ユニットA 31b…二酸化炭素固定ユニットB 33…二酸化炭素濃度測定手段 32…電源 40…固体電解質 41…正極 42…負極 43…電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G040 EA03 EA06 EB31 FA02 FB04 FC06 FC09 FE01 4G140 EA03 EA06 EB31 FA02 FB04 FC06 FC09 FE01 5H027 AA04 AA06 BA01 DD03 DD05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ガスを水素リッチな改質ガスに改良
    する改質手段と、前記改質ガス中の二酸化炭素を固定除
    去する二酸化炭素固定手段と、前記改質ガス中の水素を
    導入して発電を行う燃料電池とからなる燃料電池発電シ
    ステムであって、 前記二酸化炭素固定手段は、イオン供給源物質が供給さ
    れる正極と前記改質ガスが供給される負極とを設けた固
    体電解質と、前記正負極間に電圧を印加して前記負極に
    おいて気相中の二酸化炭素を炭酸塩として分離固定させ
    る電源とを、備えた二酸化炭素固定装置で、前記固体電
    解質がナトリウムイオン導電体である場合、前記イオン
    供給源物質はナトリウム化合物であること、または前記
    固体電解質がリチウムイオン導電体である場合、前記イ
    オン供給源物質はリチウム化合物であることを特徴とす
    る燃料電池発電システム。
  2. 【請求項2】 前記二酸化炭素固定手段は、前記改質ガ
    スの流通経路若しくは前記燃料電池の空気極側からの排
    出経路に配置したこと、または前記流通経路及び前記排
    出経路に設置したことを特徴とする請求項1記載の燃料
    電池発電システム。
  3. 【請求項3】 有機性汚泥の嫌気処理によって発生した
    消化ガスから二酸化炭素を固定除去してメタンに富むガ
    スを得るメタン濃縮手段と、前記メタン濃縮手段からの
    ガスを水と反応させて、一酸化炭素と水素に富む改質ガ
    スに改質する改質手段と、前記改質ガスを燃料とする燃
    料電池を備えた燃料電池発電システムであって、 前記メタン濃縮手段は、イオン供給源物質が供給される
    正極と前記改質ガスが供給される負極とを設けた固体電
    解質と、前記正負極間に電圧を印加するための電源とを
    備えた二酸化炭素固定装置で、前記固体電解質がナトリ
    ウムイオン導電体である場合、前記イオン供給源物質は
    ナトリウム化合物であること、または前記固体電解質が
    リチウムイオン導電体である場合、前記イオン供給源物
    質はリチウム化合物であることを特徴とする燃料電池発
    電システム。
  4. 【請求項4】 前記固体電解質は、器状に形成され、そ
    の空洞面には前記正極が、その外壁面には前記負極が、
    覆設され、さらに前記空洞部には前記イオン供給源物質
    が充填されることを特徴とする請求項1から3記載の燃
    料電池発電システム。
  5. 【請求項5】 前記二酸化炭素固定手段及びメタン濃縮
    手段は、前記二酸化炭素固定装置を、二酸化炭素を含有
    したガスが流通する配管内に、垂下支持して、配置した
    二酸化炭素固定ユニットであることを特徴とする請求項
    4記載の燃料電池発電システム。
  6. 【請求項6】 前記二酸化炭素固定手段及びメタン濃縮
    手段は、二酸化炭素及び酸素を含有したガスが供給され
    る容器内に、前記二酸化炭素固定装置を設置された二酸
    化炭素固定ユニットで、前記容器の開口部には、二酸化
    炭素及び酸素を含有したガスを導入するための配管と、
    前記容器内のガスを排出するための配管とが、具備され
    ることを特徴とする請求項4記載の燃料電池発電システ
    ム。
  7. 【請求項7】 前記配管内において、前記二酸化炭素固
    定装置の下端を通過するガスの流れを迂回させる障害手
    段を、配置したことを特徴とする請求項5記載の燃料電
    池発電システム。
  8. 【請求項8】 前記二酸化炭素固定装置は、前記配管を
    貫通して支持されることを特徴とする請求項5記載の燃
    料電池発電システム。
  9. 【請求項9】 前記配管または容器には、前記二酸化炭
    素固定装置が複数設けられることを特徴とする請求項5
    から8記載の燃料電池発電システム。
  10. 【請求項10】 前記二酸化炭素固定ユニットに二酸化
    炭素を排出するための配管を設けると共に、前記二酸化
    炭素固定ユニットを昇温する加熱手段を設けたことを、
    を特徴とする請求項5から9記載の燃料電池発電システ
    ム。
  11. 【請求項11】 前記二酸化炭素固定手段及びメタン濃
    縮手段は、被処理ガスが、一定時間毎交互に、供給され
    る請求項5から10記載のいずれかの二酸化炭素固定ユニ
    ットを、少なくとも2つ並列に配置し、該ガスが供給さ
    れる、一の二酸化炭素固定ユニットにおいては、前記電
    源の負極を該ユニット内の二酸化炭素固定装置の負極
    と、またその正極を同二酸化炭素固定装置の正極と、導
    通することで、該ガス中の二酸化炭素を炭酸塩として同
    二酸化炭素固定装置の負極に分離固定すること、燃料ガ
    スが供給されない、他の二酸化炭素ユニットにおいて
    は、同電源の負極を同二酸化炭素固定装置の正極と、ま
    たその負極を同二酸化炭素固定装置の負極と、導通する
    ことで、分離固定した二酸化炭素を装置外に放出するこ
    と、特徴とする燃料電池発電システム。
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