JP2004073978A - 二酸化炭素固定方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】二酸化炭素を効率的かつ低廉に分離する。
【解決手段】イオン供給源物質が供給される正極11と被処理ガスが供給される負極12とを設けた固体電解質10と、固体電解質10に直流電圧を印加して負極において被処理ガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離固定すると共に、位相を逆転することで分離固定した二酸化炭素の取り出しをも可能とする電源13と、を具備した二酸化炭素固定装置において、前記電源の回路に、抵抗が可変である制限抵抗21を設けると共に、制限抵抗21の抵抗を調節することで、固体電解質10に印加する電力を制御する図示省略した制限手段を設ける。制御手段は、分離固定した二酸化炭素の取り出しの際、制限抵抗21の抵抗を調節して、固体電解質10に印加する電力を制御し、負極12側に吸蔵した炭酸塩を溶融させて、固定した二酸化炭素の連続的な取り出しを可能とさせ、一層の二酸化炭素除去の効率化を図る。
【選択図】 図1
【解決手段】イオン供給源物質が供給される正極11と被処理ガスが供給される負極12とを設けた固体電解質10と、固体電解質10に直流電圧を印加して負極において被処理ガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離固定すると共に、位相を逆転することで分離固定した二酸化炭素の取り出しをも可能とする電源13と、を具備した二酸化炭素固定装置において、前記電源の回路に、抵抗が可変である制限抵抗21を設けると共に、制限抵抗21の抵抗を調節することで、固体電解質10に印加する電力を制御する図示省略した制限手段を設ける。制御手段は、分離固定した二酸化炭素の取り出しの際、制限抵抗21の抵抗を調節して、固体電解質10に印加する電力を制御し、負極12側に吸蔵した炭酸塩を溶融させて、固定した二酸化炭素の連続的な取り出しを可能とさせ、一層の二酸化炭素除去の効率化を図る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二酸化炭素を固定する方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1998年12月、京都市で、2000年以降における地球温暖化防止のための新たな国際的枠組みを決定する気候変動枠条約第3回締約国会議(地球温暖化防止会議、COP3)が開催された。京都会議では、先進国全体の温室効果ガスを2008〜2012年において1990年比5%強削減する数値目標などを含む「京都議定書」が採択され、この中で我が国についての数値目標は1990年比6%削減とされている。
【0003】
温室効果ガスの人為的排出の多くを占めるのが、エネルギーの燃焼に伴って発生する二酸化炭素(CO2)である。我が国は、石油危機以降積極的な省エネルギー努力を行った結果、産業部門のエネルギー利用効率は世界最高水準にあり、GDP当りの一次エネルギー消費も米国の約3分の1、ドイツの約2分の1と他の先進国と比較して低い水準にある。
【0004】
しかし、近年の運輸、民生部門を中心としたエネルギー消費の著しい伸びに伴い、エネルギー起因の二酸化炭素排出量は1995年度には1990比8%強の大幅な増加となっている。このことから、京都議定書の目標の達成に向けては、直ちに最大限の対策に着手していく必要がある。
【0005】
京都議定書において、温室効果ガスは二酸化炭素(CO2)、メタンガス(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)の6種類とされているが、我が国における温室効果ガスの排出量は1995年度において1990年度比8.6%増加している。このうち、全体の9割近くを占めるとともに、経済社会活動全体と密接な関わりを持つのがエネルギーの燃焼に伴って発生する二酸化炭素である。
【0006】
我が国におけるこれらのエネルギー起因の二酸化炭素排出量は1980年代後半から急激な増加傾向にあり、特に近年は運輸、民生部門の伸びが著しく、1995年度には1990年度比8.1%の大幅な増加となっている。したがって、我が国で今後国内の温室効果ガス対策を考える際の中心的課題となるのが、運輸、民生部門での対策強化をはじめとしたエネルギー起因の二酸化炭素削減対策である。
【0007】
尚、二酸化炭素については、正確な量の把握は難しいものの森林等の働きによって吸収されるといわれており、また二酸化炭素固定技術に関する研究開発も進められている。さらに、代替フロン類(HFC,PFC及びSF6)については半導体洗浄や製品の中の冷媒として使われ、市中に残存しているものを回収し、分解するための技術開発等が進められている。
【0008】
このように、温室効果ガス対策の全体において、ガスの排出削減対策を進める一方で、森林・農地の保全・整備や代替フロン類の回収に係るシステム創りなど、ガスの吸収・固定や回収・分離等に係る各種の対策を進めることも極めて重要である。
【0009】
排ガスのCO2排出濃度としては、排ガス中でディーゼルエンジンが約10%、ボイラーで約13%、下水処理場、食品工場の消化ガスで約40%である。
【0010】
現在の二酸化炭素の分離技術として、水酸化ナトリウムや水などを用いて分離回収する吸収法、ゼオライト等の固体状の吸着剤を用いて分離回収する吸着法、二酸化炭素のみを通す膜を用いて二酸化炭素と他の排ガスとを「ふるい分け」する膜分離法等がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の吸収法及び吸着法は大掛かりな装置が必要であり、また前記膜分離法は、分離膜が高価であることからイニシャルコストが高く、分離後の処理やメンテナンス、膜交換等のランニングコストも高く、さらに二酸化炭素の除去率が低いという問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、その目的は、二酸化炭素を低廉かつ効率的に分離することを可能とした二酸化炭素固定方法及びその装置の提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は以下のことを特徴とする。
【0014】
請求項1記載の発明は、正極と負極とを設けた固体電解質の正極に、イオン供給源物質を接触させ、かつ、この固体電解質の負極に、被処理ガスを接触すると共に、当該両極間に直流電圧を印加することにより、前記負極側にガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離固定する工程と、
前記両極間に前記工程時とは逆の電位を印加することで、前記負極側に分離固定した二酸化炭素を取り出す工程と、を有する二酸化炭素固定方法において、
前記二酸化炭素を取り出す工程においては、前記固体電解質に印加する電力を制御することで、負極側に吸蔵された炭酸塩を溶融し、二酸化炭素を取り出すことを特徴とするものである。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の二酸化炭素固定方法において、
前記固体電解質に印加する電力の制御は、前記両極間に直流電圧を印加する回路における電圧または制限抵抗を制御することにより行うことを特徴とするものである。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の二酸化炭素固定方法において、
前記二酸化炭素の取り出し工程においては、前記両極間に印加する直流電圧に、正弦半波状電圧を重畳することを特徴とするものである。
【0017】
請求項4記載の発明は、イオン供給源物質が供給される正極と被処理ガスが供給される負極とを設けた固体電解質と、この固体電解質に直流電圧を印加して負極において被処理ガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離固定すると共に、位相を逆転することで分離固定した二酸化炭素の取り出しをも可能とする電源と、を具備した二酸化炭素固定装置において、
前記電源の回路に、抵抗が可変である制限抵抗を設けると共に、
この制限抵抗の抵抗を調節することで、前記固体電解質に印加する電力を制御する制限手段を設け、
制御手段は、分離固定した二酸化炭素の取り出しの際、前記制限抵抗の抵抗を調節して、前記固体電解質に印加する電力を制御することで、負極側に吸蔵した炭酸塩が溶融させることを特徴とするものである。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の二酸化炭素固定装置において、
前記電源の回路における直流電源は、印加電圧が可変であり、
前記制御手段は、当該直流電源の印加電圧を調節することで、前記固体電解質に印加する電力を制御することを特徴とするものである。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の二酸化炭素固定装置において、
前記電源の回路には、前記制御手段からの制御信号に基づき、直流電圧に正弦半波状電圧を重畳して前記固体電解質に印加する電力を制御する電源を設け、
当該電源は、分離固定した二酸化炭素の取り出しの際、直流電圧に正弦半波状電圧を重畳させることで、負極側に吸蔵した炭酸塩を溶融させることを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか記載の二酸化炭素固定方法及びその装置において、前記イオン供給源物質はナトリウム化合物であり、前記固体電解質はナトリウムイオン導電体であることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
発明者らは、本発明の創出にあたり、以下のことを特徴とする二酸化炭素固定方法(特願2001−044988号)を発案した。図7は、当該二酸化炭素固定方法の原理を説明している。
【0022】
当該方法における二酸化炭素固定は、図7に示されたように、イオン供給源物質(ここでは、水酸化ナトリウム(NaOH))が導入された正極と前記被処理ガスが導入された負極を備えた固体電解質の両極11,12間に電圧(直流)を印加すること(充電)によって行われる。
【0023】
また、この二酸化炭素固定方法を実施するための装置は、図7に示したように、二次電池構造を成し、正極11と負極12を備えた固体電解質10と、電源(直流)とから構成される。正極にはイオン供給源物質が、負極12には被処理ガス(ここでは消化ガス)が供給される。
【0024】
固体電解質10は、いかなる形状のものでもよく、略器状に形成してもよい。そして、その断面形状も、使用状況等の各種条件、またガスの流通抵抗等を考慮して、円形、楕円形、多角形及び流線形等、種々の形状のものが適宜に形成される。
【0025】
正極11と負極12は、先に述べた多孔質性の電極が用いられ、固体電解質10に蒸着により設けられる。尚、蒸着以外に、溶射、ディップコーティング等により形成してよい。
【0026】
ここで、固体電解質10を前述のナトリウムイオン導電体(NASICON等)、イオン供給源物質をNaOH、被処理ガスをCH4とCO2とO2とを含んだガスとした場合の電極11,12における作用について、図7に基づき説明する。
【0027】
先ず、NaOHが接触した正極11表面において、以下の反応が起こる。
【0028】
2NaOH → 2Na++H2O+1/2O2+2e− …… (1)
このとき、NaOHから遊離したナトリウムイオン(Na+)は、正極11を通過し、さらに固体電解質10内を泳動して負極12に達する。そして、負極12の表面おいて、以下の反応が起こる。
【0029】
2Na++CO2+1/2O2+2e− → Na2CO3 …… (2)
この反応により、負極12の表面に拡散してきた前記被処理ガス中に含まれた二酸化炭素(CO2)は、炭酸ナトリウム(Na2CO3)の形態で、同極12の表面に分離固定される。また、二酸化炭素以外のガスは、反応を起こさないため、別の経路にて回収される。
【0030】
反応式(2)によれば、二酸化炭素の固定には酸素を必要とするが、被処理ガス中に酸素が含まれていれば酸素を供給する必要はない。尚、反応式(2)は可逆反応であるから、当該ガス中の酸素濃度を監視しながら系外から新たに酸素を導入すれば、二酸化炭素の固定化はさらに促進される。
【0031】
また、反応式(1)によれば、正極11における酸化反応により酸素が生成される。したがって、この生成した酸素を、直接、負極12に導入すれば、系外から酸素を新たに供給する必要はなくなる。
【0032】
また、被処理ガス中に、一酸化炭素が含まれていても、これも前述と同様の原理で除去が可能となる。
【0033】
一方、二酸化炭素の取り出しは、前記電極に接続される電源を、二酸化炭素固定時と逆相に接続(放電)すると共に加熱手段を設けて炭酸ナトリウムの融点以上の温度に昇温することによって行われる。すなわち、電源の正極を負極12に、同電源の負極を正極11に接続する。
【0034】
このとき、負極12において酸化反応((2)式とは逆の反応)が、正極11において還元反応((1)式とは逆の反応)が進行し、炭酸ナトリウムは分解され、二酸化炭素の取り出しが可能となる。
【0035】
また、正極11と負極12との間に外部負荷を接続して放電することにより、二酸化炭素を取り出してもよい。
【0036】
この放電により負極12において酸素と二酸化炭素の混合ガスが生成されるが、このガスを放電中に正極11室を介して系外に移送すれば、酸素と二酸化炭素と分離することができる((1)の逆の反応が進行するから)。
【0037】
このように、当該二酸化炭素固定装置は、理想的な二次電極の構成を成すため、系外から二酸化炭素が供給される限り、蓄電が可能となる。
【0038】
ところで、固定した二酸化炭素の放出持において、炭酸ナトリウムを二酸化炭素とナトリウムイオンに分離する方法として、以下に示す2つの方法がある。
【0039】
第一の方法は、炭酸塩に水分を供給して、炭酸塩水溶液状態とする。
【0040】
第二の方法は、炭酸塩を融点付近まで加熱し溶解する。
【0041】
このうち、第二の方法に対しては、以下の問題が生じる恐れがある。炭酸ナトリウムの性質を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
表から明らかなように、炭酸ナトリウムの融点は851℃で、融解熱は7000cal/g・molであり、ヒーター温度400℃を基準とすると、1gの炭酸ナトリウムを融解させるには0.27kWhのエネルギーが必要である。すなわち、熱効率1の状態で60秒後に融点まで温度上昇させるのに、16Wの電力を常に与えておかなければならないことになる。
【0044】
ここで、固体電解質がNASICONである場合、この抵抗値は材料自身の絶縁抵抗値の他に内部に含まれるナトリウムイオンの量に影響されるため、1cm2当たり1MΩ〜10Ωと非常に広い範囲となる。そして、この電解質に所定の直流電圧を印加すると、抵抗値と、電圧値、電流値及び電力値との関係は図8(a)(b)のような結果となる。尚、当該実験において、試料電解質であるNASICONは、1cm2及び厚さ3mmの板状のものを採用した。また、ナトリウムイオンが生成・移動し電解質の抵抗値が下がり始める時のしきい値は、約0.1mA(0.01W)以上、定格電流1000mA、最適電力2〜20W程度となることが確認されている。
【0045】
図8(a)の結果によると、印加電圧10Vの時では、ナトリウムイオンが十分に存在し抵抗値が最低の10Ω程度まで下がれば、定格電流値1000mAで約10Wの電力を与えることができるため二酸化炭素の放出が可能となるが、ナトリウムイオンが存在しない抵抗値1MΩでの領域では0.01mA(電力1×10−4W)と非常に小さく、表1で述べた電力量を与えることができないことが確認できる。
【0046】
また、図8(b)の結果によると、印加電圧100Vの時では、ナトリウムイオンが存在しない抵抗値1MΩの領域では0.1mA(電力0.01W)となり、ナトリウムイオンの生成・移動が生じるしきい値に達する。しかし、ナトリウムイオンが十分に流れを始めると抵抗値1000Ω程度で過電力となり、100Ω以上で定格電流1000mA以上となるため電極・電線の溶断や、電解質の破壊が生じる。
【0047】
従って、二酸化炭素放出(取り出し)過程においては、直流電圧源のみを用いて制御することは困難となる場合がある。
【0048】
そこで、本発明の二酸化炭素固定方法は、固体電解質に設けた正極と負極に接続される電源に制限抵抗を備えることで、負極に分離させた炭酸ナトリウムを二酸化炭素とナトリウムイオンとに分離させることができ、これにより、固定した二酸化炭素の放出(取り出し)を連続的に可能とさせる。そして、このことにより、二酸化炭素の除去効率がより一層高まる。
【0049】
本発明の実施形態例について図面を参照しながら説明する。
【0050】
(実施形態1)
図1は、本発明を実施する二酸化炭素固定装置の実施形態例を示した概略構成図である。また、図4は、固体電解質(NASICON)に印加される電圧、電流、電力特性図で、(a)は直流電流電源が300Vで制限抵抗が3000Ωである場合の、(b)は直流電流電源が300Vで制限抵抗が100Ωである場合の特性図である。
【0051】
本実施形態における二酸化炭素固定システムは、固体電解質に直流電圧を印加する直流電源回路に、制限抵抗21を設けている。
【0052】
制限抵抗21は、直流電源電圧、固体電解質の抵抗値及び必要電力量に応じ可変できるものを採用するとよい。具体的な制限抵抗の抵抗値は、例えば、固体電解質の寸法が10mm2及び厚み3mmの条件下で、100〜3000Ωとし、固体電解質に印加される電力のピーク値は2W以上になるようにする。
【0053】
例えば直流電源の電圧値は、固体電解質の抵抗値が1MΩである場合、0.1mA以上の電流が流れるように、100V以上としている(尚、図4(a)における計算例では、電圧は300V、電力量は0.09Wとなっている)。このように制限抵抗を具備することにより、固体電解質に流れる電流を抑え且つ低抵抗領域で定電流効果を持たせ、ナトリウムイオンの移動量を一定に制御することが可能となる。
【0054】
図5に、当該実施形態の実施例を開示した。(a)は経過時間と電流値及び電力値との関係を示した特性図、(b)は経過時間と二酸化炭素放出量との関係を示した特性図である。(a)において、実線は電力値の経時的変化を、点線は電流値の経時的変化を示す。
【0055】
当該実施例では、固体電解質に10mm2厚み3mmのNASICONを採用し、直流電圧は350V、制限抵抗は3000Ωとした。当該実施例の結果によると、電流値≒100mA、電力が6〜10Wで、二酸化炭素の放出量は150±100ppmとなっている。このことから、所望の電力を与えることにより、炭酸ナトリウムから二酸化炭素を分離放出することができ、二酸化炭素を吸収した後に逆反応を起こさせ二酸化炭素が取り出せることがわかる。
【0056】
尚、二酸化炭素放出量を増やすには、固体電解質にかける電力をあげればよい。具体的な電力制御の方法としては、直流電圧値または制限抵抗値を制御する方式がある。また、制限抵抗値を低くした場合においては、図4(b)のように定電流効果を持たせることはできないが、常にNASICONの低抵抗領域に電力ピークを持っていくことができるので、常時、炭酸ナトリウムを溶融している状態となり、連続的に炭酸ガスの放出を行うことができる。
【0057】
(実施形態2)固体電解質に印加される電力の制御
図2は、本発明の他の一実施形態例を示す概略図で、特に、固体電解質に印加される電力の制御を図った二酸化炭素固定システムの実施形態例を示したものである。
【0058】
当該制御システムは、実施形態1の二酸化炭固定システムにおいて、固体電解質に直流電圧を印加する直流電源回路に、電力計23と、固体電解質に印加される電力の制御するための制御手段30を、備えている。このとき、直流電源22には印加電圧が可変なものが、制限抵抗には抵抗が可変なものが、採用される。
【0059】
制御手段30における電力制御には、電源電圧制御方式と、抵抗値制御方式と、がある。いずれの制御方式において、制御手段30には、制御因子として、電力計23から供給された測定信号が供給される。尚、制御因子は、電力計23の測定値に限定されず、電圧計・電流計による電力算出値でもよい。
【0060】
また、固体電解質10の抵抗値が非常に大きい領域では、高電圧電源を必要とするが、本発明は、装置の絶縁耐力を考慮して一定電圧(例えば1000V)に制限している。このとき、固体電解質10に与える電力は、炭酸ナトリウムの一部または全部を溶融するのに必要な電力としている(例えば、10W)。
【0061】
図6(a)(b)に、当該実施形態の実施例を開示した。
【0062】
図6(a)は、電源電圧制御方式による実施結果を示している。当該実施例では、固体電解質にNASICONを採用し、その寸法は10mm2厚み3mmとした。このとき、電源電圧の上限は1000Vに固定し、制限抵抗値は1kΩとした。当該実施例の結果によると、固体電解質の抵抗値が減少していくに従って、電源電圧を減少させていくことにより、常に一定の電力を与えることができることが確認できる。また、このとき、常に、炭酸アトリウムが溶融し、電気解質において、ナトリウムイオンが大量に存在している状態となり、固体電解質の抵抗値は10Ω程度となることも確認された。この値の領域では、圧力変動幅が小さくなるので、ナトリウムイオンの移動量が安定し、一定量の二酸化炭素を放出することが可能となる。
【0063】
図6(b)は、抵抗制御方式による実施結果を示している。当該実施例でも、固体電解質にNASICONを採用し、その寸法は10mm2厚み3mmとした。このとき、電源電圧は1000Vに固定した。当該実施例の結果によると、図6(a)と同様に、一定の電力を与えることにより、常に、炭酸ナトリウムが溶融し、ナトリウムイオンが大量に存在している状態となり、固体電解質の抵抗値は10Ω程度に落ち着くが確認された。また、固体電解質に印加される電圧・電流も、図6(a)と同じ結果となることが確認された。これらのことから、抵抗制御方式によっても、一定量の二酸化炭素を放出することが可能となる。
【0064】
(実施形態3)印加電圧へのパルス状電圧の付加
実施形態1及び2における放電開始時の初期段階においては、固体電解質(NASICON)の抵抗値が非常に大きく電流が流れないため、吸蔵させた炭酸ナトリウムを融解するのに十分な電力を与えることができない場合がある。
【0065】
そこで、本実施形態における二酸化炭素固定システムのように、固体電解質に印加される電圧に正弦半波状の電圧を重畳させれば、固体電解質への電力供給が安定化し、これによりナトリウムイオンの移動量を一定に制御することができる。
【0066】
図3(a)は、本発明の他の一実施形態例を示す概略図で、特に、本実施形態に係る二酸化炭素固定システムにおける電源回路の一形態例を示したものである。また、図3(b)は、当該電源回路による動作を概説した電圧波形図である。
【0067】
図3(a)に示したように、当該実施形態における二酸化炭素固定システムは、実施形態1または2の二酸化炭素固定システムにおいて、固体電解質に直流電圧を印加する電源回路に、パルス状電圧を供給する電源23を、備えている。尚、この回路において、電源24と直流電源22と制限抵抗23との間には、ダイオード等の整流手段が適宜設けられる。
【0068】
電源24は、交流電源に、パルス発生器を備えている。交流電源及びパルス発生器は、既知のものでよい。また、交流電源は、インバータ機能付きのものであるとなおよい。そして、電源24は、図示省略された制御手段等によって動作制御され、正弦半波状の電圧波形と、ベース(直流電源22)の直流電圧と、を重畳させて、所定のパルス状電圧を出力する。
【0069】
尚、制御手段には、パルス状電圧出力の制御因子として、正弦波状電圧、直流電圧、正弦波状電圧を印加する時間、ベース電圧を印加する時間、二酸化炭素放出量、固体電解質温度等の測定値信号が適時適宜供給される。
【0070】
当該電源回路の動作例について、図3(b)を参照しながら、概説する。
【0071】
本実施形態に係る二酸化炭素固定システムが、二酸化炭素固定工程から二酸化炭素放出工程に移行すると、当該電源回路は、V1値の正弦半波状の電圧を重畳して、固体電解質10に所定の電力を与えて炭酸ナトリウムを融解し、その後、V2値のベース電圧のみを印加して、ナトリウムイオンの移動量を一定に制御する。また、このとき、制御手段は、デューティ比(T1/T2,T1:正弦半波状電圧を印加する時間,T1:ベース電圧を印加する時間)を調整することで、正弦半波状電圧(V1)を重畳しているときに発生する過剰な逆反応(反応(1)(2)の逆反応)を抑えることも可能である。また、パルス状電圧源の周波数は、例えば0.1〜1kHzに調節され、二酸化炭素放出量や固体電解質の温度などが監視されながら、常時適宜制御される。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る二酸化炭素固定方法及びその装置、並びに二酸化炭素固定ユニット及びシステムによれば、二酸化炭素を効率的かつ低廉に分離することができる。
【0073】
すなわち、気相中から二酸化炭素だけを選択的かつ効率的に分離することができ、さらに分離した二酸化炭素を単独で取り出すことができる。また、本発明に係る二酸化炭素固定システムは、充放電を交互に行っているので、二酸化炭素の固定と取り出しが連続的に可能となっている。さらに、本発明における電解質及び正負極は二次電池構造を成し、当該電解質の両極で起こる酸化還元反応は可逆的な反応で、放電によってイオン供給源物質は再生されることから、薬品コストの消費量を最小限に抑えることができる。また、電解質は、固体電解質であるため、液漏れの心配がなくなるばかりでなく、装置として小型化が可能となりイニシャルコストの低減が可能となる。さらに、負荷量に応じて有効反応容量を調整できるため、小規模から大規模な施設までの用途が広がる。
【0074】
また、固体電解質に設けた電極に接続される電源回路に、制限抵抗を設けたことで、所望の電力を与えることができ、これにより、負極に分離させた炭酸ナトリウムは溶融し、容易に二酸化炭素とナトリウムイオンとに分離させることができるので、固定した二酸化炭素の連続的な取り出しが可能となり、二酸化炭素の除去効率が一層高まる。
【0075】
さらに、当該電源回路において、印加電圧や制限抵抗を可変するとすることや、パルス状電圧を印加させることで、所望の電力を制御することができ、二酸化炭素の除去効率は、さらに顕著なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二酸化炭素固定装置の概略説明図。
【図2】本発明の二酸化炭素固定装置の概略説明図。
【図3】本発明の二酸化炭素固定装置の概略説明図で、(a)は本実施形態に係る二酸化炭素固定システムにおける電源回路の一形態例を示した概略説明図で、(b)は当該電源回路による動作を概説した電圧波形図。
【図4】固体電解質と電圧値及び電流値との関係を示した特性図で、(a)は直流電流電源が300Vで、制限抵抗が3000Ωである場合、(b)は直流電流電源が300Vで、制限抵抗が100Ωである場合。
【図5】実施例1の結果を開示したと特性図で、(a)は経過時間と電流値及び電力値との関係を示した特性図、(b)は経過時間と二酸化炭素放出量との関係を示した特性図。
【図6】実施例2の結果を開示したと特性図で、(a)は電源電圧制御方式による実施結果を示した特性図、(b)は抵抗制御方式による実施結果を示した特性図。
【図7】二酸化炭素固定装置の原理説明図。
【図8】抵抗値と電圧及び電流値との関係を示した特性図で、(a)は印加電圧が10Vである場合、(b)は印加電圧が100Vである場合。
【符号の説明】
10…固体電解質
11…正極
12…負極
13,24…電源
21…制限抵抗
22…直流電源
23…電力計
30…制御手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、二酸化炭素を固定する方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1998年12月、京都市で、2000年以降における地球温暖化防止のための新たな国際的枠組みを決定する気候変動枠条約第3回締約国会議(地球温暖化防止会議、COP3)が開催された。京都会議では、先進国全体の温室効果ガスを2008〜2012年において1990年比5%強削減する数値目標などを含む「京都議定書」が採択され、この中で我が国についての数値目標は1990年比6%削減とされている。
【0003】
温室効果ガスの人為的排出の多くを占めるのが、エネルギーの燃焼に伴って発生する二酸化炭素(CO2)である。我が国は、石油危機以降積極的な省エネルギー努力を行った結果、産業部門のエネルギー利用効率は世界最高水準にあり、GDP当りの一次エネルギー消費も米国の約3分の1、ドイツの約2分の1と他の先進国と比較して低い水準にある。
【0004】
しかし、近年の運輸、民生部門を中心としたエネルギー消費の著しい伸びに伴い、エネルギー起因の二酸化炭素排出量は1995年度には1990比8%強の大幅な増加となっている。このことから、京都議定書の目標の達成に向けては、直ちに最大限の対策に着手していく必要がある。
【0005】
京都議定書において、温室効果ガスは二酸化炭素(CO2)、メタンガス(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)の6種類とされているが、我が国における温室効果ガスの排出量は1995年度において1990年度比8.6%増加している。このうち、全体の9割近くを占めるとともに、経済社会活動全体と密接な関わりを持つのがエネルギーの燃焼に伴って発生する二酸化炭素である。
【0006】
我が国におけるこれらのエネルギー起因の二酸化炭素排出量は1980年代後半から急激な増加傾向にあり、特に近年は運輸、民生部門の伸びが著しく、1995年度には1990年度比8.1%の大幅な増加となっている。したがって、我が国で今後国内の温室効果ガス対策を考える際の中心的課題となるのが、運輸、民生部門での対策強化をはじめとしたエネルギー起因の二酸化炭素削減対策である。
【0007】
尚、二酸化炭素については、正確な量の把握は難しいものの森林等の働きによって吸収されるといわれており、また二酸化炭素固定技術に関する研究開発も進められている。さらに、代替フロン類(HFC,PFC及びSF6)については半導体洗浄や製品の中の冷媒として使われ、市中に残存しているものを回収し、分解するための技術開発等が進められている。
【0008】
このように、温室効果ガス対策の全体において、ガスの排出削減対策を進める一方で、森林・農地の保全・整備や代替フロン類の回収に係るシステム創りなど、ガスの吸収・固定や回収・分離等に係る各種の対策を進めることも極めて重要である。
【0009】
排ガスのCO2排出濃度としては、排ガス中でディーゼルエンジンが約10%、ボイラーで約13%、下水処理場、食品工場の消化ガスで約40%である。
【0010】
現在の二酸化炭素の分離技術として、水酸化ナトリウムや水などを用いて分離回収する吸収法、ゼオライト等の固体状の吸着剤を用いて分離回収する吸着法、二酸化炭素のみを通す膜を用いて二酸化炭素と他の排ガスとを「ふるい分け」する膜分離法等がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の吸収法及び吸着法は大掛かりな装置が必要であり、また前記膜分離法は、分離膜が高価であることからイニシャルコストが高く、分離後の処理やメンテナンス、膜交換等のランニングコストも高く、さらに二酸化炭素の除去率が低いという問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、その目的は、二酸化炭素を低廉かつ効率的に分離することを可能とした二酸化炭素固定方法及びその装置の提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は以下のことを特徴とする。
【0014】
請求項1記載の発明は、正極と負極とを設けた固体電解質の正極に、イオン供給源物質を接触させ、かつ、この固体電解質の負極に、被処理ガスを接触すると共に、当該両極間に直流電圧を印加することにより、前記負極側にガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離固定する工程と、
前記両極間に前記工程時とは逆の電位を印加することで、前記負極側に分離固定した二酸化炭素を取り出す工程と、を有する二酸化炭素固定方法において、
前記二酸化炭素を取り出す工程においては、前記固体電解質に印加する電力を制御することで、負極側に吸蔵された炭酸塩を溶融し、二酸化炭素を取り出すことを特徴とするものである。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の二酸化炭素固定方法において、
前記固体電解質に印加する電力の制御は、前記両極間に直流電圧を印加する回路における電圧または制限抵抗を制御することにより行うことを特徴とするものである。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の二酸化炭素固定方法において、
前記二酸化炭素の取り出し工程においては、前記両極間に印加する直流電圧に、正弦半波状電圧を重畳することを特徴とするものである。
【0017】
請求項4記載の発明は、イオン供給源物質が供給される正極と被処理ガスが供給される負極とを設けた固体電解質と、この固体電解質に直流電圧を印加して負極において被処理ガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離固定すると共に、位相を逆転することで分離固定した二酸化炭素の取り出しをも可能とする電源と、を具備した二酸化炭素固定装置において、
前記電源の回路に、抵抗が可変である制限抵抗を設けると共に、
この制限抵抗の抵抗を調節することで、前記固体電解質に印加する電力を制御する制限手段を設け、
制御手段は、分離固定した二酸化炭素の取り出しの際、前記制限抵抗の抵抗を調節して、前記固体電解質に印加する電力を制御することで、負極側に吸蔵した炭酸塩が溶融させることを特徴とするものである。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の二酸化炭素固定装置において、
前記電源の回路における直流電源は、印加電圧が可変であり、
前記制御手段は、当該直流電源の印加電圧を調節することで、前記固体電解質に印加する電力を制御することを特徴とするものである。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の二酸化炭素固定装置において、
前記電源の回路には、前記制御手段からの制御信号に基づき、直流電圧に正弦半波状電圧を重畳して前記固体電解質に印加する電力を制御する電源を設け、
当該電源は、分離固定した二酸化炭素の取り出しの際、直流電圧に正弦半波状電圧を重畳させることで、負極側に吸蔵した炭酸塩を溶融させることを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか記載の二酸化炭素固定方法及びその装置において、前記イオン供給源物質はナトリウム化合物であり、前記固体電解質はナトリウムイオン導電体であることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
発明者らは、本発明の創出にあたり、以下のことを特徴とする二酸化炭素固定方法(特願2001−044988号)を発案した。図7は、当該二酸化炭素固定方法の原理を説明している。
【0022】
当該方法における二酸化炭素固定は、図7に示されたように、イオン供給源物質(ここでは、水酸化ナトリウム(NaOH))が導入された正極と前記被処理ガスが導入された負極を備えた固体電解質の両極11,12間に電圧(直流)を印加すること(充電)によって行われる。
【0023】
また、この二酸化炭素固定方法を実施するための装置は、図7に示したように、二次電池構造を成し、正極11と負極12を備えた固体電解質10と、電源(直流)とから構成される。正極にはイオン供給源物質が、負極12には被処理ガス(ここでは消化ガス)が供給される。
【0024】
固体電解質10は、いかなる形状のものでもよく、略器状に形成してもよい。そして、その断面形状も、使用状況等の各種条件、またガスの流通抵抗等を考慮して、円形、楕円形、多角形及び流線形等、種々の形状のものが適宜に形成される。
【0025】
正極11と負極12は、先に述べた多孔質性の電極が用いられ、固体電解質10に蒸着により設けられる。尚、蒸着以外に、溶射、ディップコーティング等により形成してよい。
【0026】
ここで、固体電解質10を前述のナトリウムイオン導電体(NASICON等)、イオン供給源物質をNaOH、被処理ガスをCH4とCO2とO2とを含んだガスとした場合の電極11,12における作用について、図7に基づき説明する。
【0027】
先ず、NaOHが接触した正極11表面において、以下の反応が起こる。
【0028】
2NaOH → 2Na++H2O+1/2O2+2e− …… (1)
このとき、NaOHから遊離したナトリウムイオン(Na+)は、正極11を通過し、さらに固体電解質10内を泳動して負極12に達する。そして、負極12の表面おいて、以下の反応が起こる。
【0029】
2Na++CO2+1/2O2+2e− → Na2CO3 …… (2)
この反応により、負極12の表面に拡散してきた前記被処理ガス中に含まれた二酸化炭素(CO2)は、炭酸ナトリウム(Na2CO3)の形態で、同極12の表面に分離固定される。また、二酸化炭素以外のガスは、反応を起こさないため、別の経路にて回収される。
【0030】
反応式(2)によれば、二酸化炭素の固定には酸素を必要とするが、被処理ガス中に酸素が含まれていれば酸素を供給する必要はない。尚、反応式(2)は可逆反応であるから、当該ガス中の酸素濃度を監視しながら系外から新たに酸素を導入すれば、二酸化炭素の固定化はさらに促進される。
【0031】
また、反応式(1)によれば、正極11における酸化反応により酸素が生成される。したがって、この生成した酸素を、直接、負極12に導入すれば、系外から酸素を新たに供給する必要はなくなる。
【0032】
また、被処理ガス中に、一酸化炭素が含まれていても、これも前述と同様の原理で除去が可能となる。
【0033】
一方、二酸化炭素の取り出しは、前記電極に接続される電源を、二酸化炭素固定時と逆相に接続(放電)すると共に加熱手段を設けて炭酸ナトリウムの融点以上の温度に昇温することによって行われる。すなわち、電源の正極を負極12に、同電源の負極を正極11に接続する。
【0034】
このとき、負極12において酸化反応((2)式とは逆の反応)が、正極11において還元反応((1)式とは逆の反応)が進行し、炭酸ナトリウムは分解され、二酸化炭素の取り出しが可能となる。
【0035】
また、正極11と負極12との間に外部負荷を接続して放電することにより、二酸化炭素を取り出してもよい。
【0036】
この放電により負極12において酸素と二酸化炭素の混合ガスが生成されるが、このガスを放電中に正極11室を介して系外に移送すれば、酸素と二酸化炭素と分離することができる((1)の逆の反応が進行するから)。
【0037】
このように、当該二酸化炭素固定装置は、理想的な二次電極の構成を成すため、系外から二酸化炭素が供給される限り、蓄電が可能となる。
【0038】
ところで、固定した二酸化炭素の放出持において、炭酸ナトリウムを二酸化炭素とナトリウムイオンに分離する方法として、以下に示す2つの方法がある。
【0039】
第一の方法は、炭酸塩に水分を供給して、炭酸塩水溶液状態とする。
【0040】
第二の方法は、炭酸塩を融点付近まで加熱し溶解する。
【0041】
このうち、第二の方法に対しては、以下の問題が生じる恐れがある。炭酸ナトリウムの性質を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
表から明らかなように、炭酸ナトリウムの融点は851℃で、融解熱は7000cal/g・molであり、ヒーター温度400℃を基準とすると、1gの炭酸ナトリウムを融解させるには0.27kWhのエネルギーが必要である。すなわち、熱効率1の状態で60秒後に融点まで温度上昇させるのに、16Wの電力を常に与えておかなければならないことになる。
【0044】
ここで、固体電解質がNASICONである場合、この抵抗値は材料自身の絶縁抵抗値の他に内部に含まれるナトリウムイオンの量に影響されるため、1cm2当たり1MΩ〜10Ωと非常に広い範囲となる。そして、この電解質に所定の直流電圧を印加すると、抵抗値と、電圧値、電流値及び電力値との関係は図8(a)(b)のような結果となる。尚、当該実験において、試料電解質であるNASICONは、1cm2及び厚さ3mmの板状のものを採用した。また、ナトリウムイオンが生成・移動し電解質の抵抗値が下がり始める時のしきい値は、約0.1mA(0.01W)以上、定格電流1000mA、最適電力2〜20W程度となることが確認されている。
【0045】
図8(a)の結果によると、印加電圧10Vの時では、ナトリウムイオンが十分に存在し抵抗値が最低の10Ω程度まで下がれば、定格電流値1000mAで約10Wの電力を与えることができるため二酸化炭素の放出が可能となるが、ナトリウムイオンが存在しない抵抗値1MΩでの領域では0.01mA(電力1×10−4W)と非常に小さく、表1で述べた電力量を与えることができないことが確認できる。
【0046】
また、図8(b)の結果によると、印加電圧100Vの時では、ナトリウムイオンが存在しない抵抗値1MΩの領域では0.1mA(電力0.01W)となり、ナトリウムイオンの生成・移動が生じるしきい値に達する。しかし、ナトリウムイオンが十分に流れを始めると抵抗値1000Ω程度で過電力となり、100Ω以上で定格電流1000mA以上となるため電極・電線の溶断や、電解質の破壊が生じる。
【0047】
従って、二酸化炭素放出(取り出し)過程においては、直流電圧源のみを用いて制御することは困難となる場合がある。
【0048】
そこで、本発明の二酸化炭素固定方法は、固体電解質に設けた正極と負極に接続される電源に制限抵抗を備えることで、負極に分離させた炭酸ナトリウムを二酸化炭素とナトリウムイオンとに分離させることができ、これにより、固定した二酸化炭素の放出(取り出し)を連続的に可能とさせる。そして、このことにより、二酸化炭素の除去効率がより一層高まる。
【0049】
本発明の実施形態例について図面を参照しながら説明する。
【0050】
(実施形態1)
図1は、本発明を実施する二酸化炭素固定装置の実施形態例を示した概略構成図である。また、図4は、固体電解質(NASICON)に印加される電圧、電流、電力特性図で、(a)は直流電流電源が300Vで制限抵抗が3000Ωである場合の、(b)は直流電流電源が300Vで制限抵抗が100Ωである場合の特性図である。
【0051】
本実施形態における二酸化炭素固定システムは、固体電解質に直流電圧を印加する直流電源回路に、制限抵抗21を設けている。
【0052】
制限抵抗21は、直流電源電圧、固体電解質の抵抗値及び必要電力量に応じ可変できるものを採用するとよい。具体的な制限抵抗の抵抗値は、例えば、固体電解質の寸法が10mm2及び厚み3mmの条件下で、100〜3000Ωとし、固体電解質に印加される電力のピーク値は2W以上になるようにする。
【0053】
例えば直流電源の電圧値は、固体電解質の抵抗値が1MΩである場合、0.1mA以上の電流が流れるように、100V以上としている(尚、図4(a)における計算例では、電圧は300V、電力量は0.09Wとなっている)。このように制限抵抗を具備することにより、固体電解質に流れる電流を抑え且つ低抵抗領域で定電流効果を持たせ、ナトリウムイオンの移動量を一定に制御することが可能となる。
【0054】
図5に、当該実施形態の実施例を開示した。(a)は経過時間と電流値及び電力値との関係を示した特性図、(b)は経過時間と二酸化炭素放出量との関係を示した特性図である。(a)において、実線は電力値の経時的変化を、点線は電流値の経時的変化を示す。
【0055】
当該実施例では、固体電解質に10mm2厚み3mmのNASICONを採用し、直流電圧は350V、制限抵抗は3000Ωとした。当該実施例の結果によると、電流値≒100mA、電力が6〜10Wで、二酸化炭素の放出量は150±100ppmとなっている。このことから、所望の電力を与えることにより、炭酸ナトリウムから二酸化炭素を分離放出することができ、二酸化炭素を吸収した後に逆反応を起こさせ二酸化炭素が取り出せることがわかる。
【0056】
尚、二酸化炭素放出量を増やすには、固体電解質にかける電力をあげればよい。具体的な電力制御の方法としては、直流電圧値または制限抵抗値を制御する方式がある。また、制限抵抗値を低くした場合においては、図4(b)のように定電流効果を持たせることはできないが、常にNASICONの低抵抗領域に電力ピークを持っていくことができるので、常時、炭酸ナトリウムを溶融している状態となり、連続的に炭酸ガスの放出を行うことができる。
【0057】
(実施形態2)固体電解質に印加される電力の制御
図2は、本発明の他の一実施形態例を示す概略図で、特に、固体電解質に印加される電力の制御を図った二酸化炭素固定システムの実施形態例を示したものである。
【0058】
当該制御システムは、実施形態1の二酸化炭固定システムにおいて、固体電解質に直流電圧を印加する直流電源回路に、電力計23と、固体電解質に印加される電力の制御するための制御手段30を、備えている。このとき、直流電源22には印加電圧が可変なものが、制限抵抗には抵抗が可変なものが、採用される。
【0059】
制御手段30における電力制御には、電源電圧制御方式と、抵抗値制御方式と、がある。いずれの制御方式において、制御手段30には、制御因子として、電力計23から供給された測定信号が供給される。尚、制御因子は、電力計23の測定値に限定されず、電圧計・電流計による電力算出値でもよい。
【0060】
また、固体電解質10の抵抗値が非常に大きい領域では、高電圧電源を必要とするが、本発明は、装置の絶縁耐力を考慮して一定電圧(例えば1000V)に制限している。このとき、固体電解質10に与える電力は、炭酸ナトリウムの一部または全部を溶融するのに必要な電力としている(例えば、10W)。
【0061】
図6(a)(b)に、当該実施形態の実施例を開示した。
【0062】
図6(a)は、電源電圧制御方式による実施結果を示している。当該実施例では、固体電解質にNASICONを採用し、その寸法は10mm2厚み3mmとした。このとき、電源電圧の上限は1000Vに固定し、制限抵抗値は1kΩとした。当該実施例の結果によると、固体電解質の抵抗値が減少していくに従って、電源電圧を減少させていくことにより、常に一定の電力を与えることができることが確認できる。また、このとき、常に、炭酸アトリウムが溶融し、電気解質において、ナトリウムイオンが大量に存在している状態となり、固体電解質の抵抗値は10Ω程度となることも確認された。この値の領域では、圧力変動幅が小さくなるので、ナトリウムイオンの移動量が安定し、一定量の二酸化炭素を放出することが可能となる。
【0063】
図6(b)は、抵抗制御方式による実施結果を示している。当該実施例でも、固体電解質にNASICONを採用し、その寸法は10mm2厚み3mmとした。このとき、電源電圧は1000Vに固定した。当該実施例の結果によると、図6(a)と同様に、一定の電力を与えることにより、常に、炭酸ナトリウムが溶融し、ナトリウムイオンが大量に存在している状態となり、固体電解質の抵抗値は10Ω程度に落ち着くが確認された。また、固体電解質に印加される電圧・電流も、図6(a)と同じ結果となることが確認された。これらのことから、抵抗制御方式によっても、一定量の二酸化炭素を放出することが可能となる。
【0064】
(実施形態3)印加電圧へのパルス状電圧の付加
実施形態1及び2における放電開始時の初期段階においては、固体電解質(NASICON)の抵抗値が非常に大きく電流が流れないため、吸蔵させた炭酸ナトリウムを融解するのに十分な電力を与えることができない場合がある。
【0065】
そこで、本実施形態における二酸化炭素固定システムのように、固体電解質に印加される電圧に正弦半波状の電圧を重畳させれば、固体電解質への電力供給が安定化し、これによりナトリウムイオンの移動量を一定に制御することができる。
【0066】
図3(a)は、本発明の他の一実施形態例を示す概略図で、特に、本実施形態に係る二酸化炭素固定システムにおける電源回路の一形態例を示したものである。また、図3(b)は、当該電源回路による動作を概説した電圧波形図である。
【0067】
図3(a)に示したように、当該実施形態における二酸化炭素固定システムは、実施形態1または2の二酸化炭素固定システムにおいて、固体電解質に直流電圧を印加する電源回路に、パルス状電圧を供給する電源23を、備えている。尚、この回路において、電源24と直流電源22と制限抵抗23との間には、ダイオード等の整流手段が適宜設けられる。
【0068】
電源24は、交流電源に、パルス発生器を備えている。交流電源及びパルス発生器は、既知のものでよい。また、交流電源は、インバータ機能付きのものであるとなおよい。そして、電源24は、図示省略された制御手段等によって動作制御され、正弦半波状の電圧波形と、ベース(直流電源22)の直流電圧と、を重畳させて、所定のパルス状電圧を出力する。
【0069】
尚、制御手段には、パルス状電圧出力の制御因子として、正弦波状電圧、直流電圧、正弦波状電圧を印加する時間、ベース電圧を印加する時間、二酸化炭素放出量、固体電解質温度等の測定値信号が適時適宜供給される。
【0070】
当該電源回路の動作例について、図3(b)を参照しながら、概説する。
【0071】
本実施形態に係る二酸化炭素固定システムが、二酸化炭素固定工程から二酸化炭素放出工程に移行すると、当該電源回路は、V1値の正弦半波状の電圧を重畳して、固体電解質10に所定の電力を与えて炭酸ナトリウムを融解し、その後、V2値のベース電圧のみを印加して、ナトリウムイオンの移動量を一定に制御する。また、このとき、制御手段は、デューティ比(T1/T2,T1:正弦半波状電圧を印加する時間,T1:ベース電圧を印加する時間)を調整することで、正弦半波状電圧(V1)を重畳しているときに発生する過剰な逆反応(反応(1)(2)の逆反応)を抑えることも可能である。また、パルス状電圧源の周波数は、例えば0.1〜1kHzに調節され、二酸化炭素放出量や固体電解質の温度などが監視されながら、常時適宜制御される。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る二酸化炭素固定方法及びその装置、並びに二酸化炭素固定ユニット及びシステムによれば、二酸化炭素を効率的かつ低廉に分離することができる。
【0073】
すなわち、気相中から二酸化炭素だけを選択的かつ効率的に分離することができ、さらに分離した二酸化炭素を単独で取り出すことができる。また、本発明に係る二酸化炭素固定システムは、充放電を交互に行っているので、二酸化炭素の固定と取り出しが連続的に可能となっている。さらに、本発明における電解質及び正負極は二次電池構造を成し、当該電解質の両極で起こる酸化還元反応は可逆的な反応で、放電によってイオン供給源物質は再生されることから、薬品コストの消費量を最小限に抑えることができる。また、電解質は、固体電解質であるため、液漏れの心配がなくなるばかりでなく、装置として小型化が可能となりイニシャルコストの低減が可能となる。さらに、負荷量に応じて有効反応容量を調整できるため、小規模から大規模な施設までの用途が広がる。
【0074】
また、固体電解質に設けた電極に接続される電源回路に、制限抵抗を設けたことで、所望の電力を与えることができ、これにより、負極に分離させた炭酸ナトリウムは溶融し、容易に二酸化炭素とナトリウムイオンとに分離させることができるので、固定した二酸化炭素の連続的な取り出しが可能となり、二酸化炭素の除去効率が一層高まる。
【0075】
さらに、当該電源回路において、印加電圧や制限抵抗を可変するとすることや、パルス状電圧を印加させることで、所望の電力を制御することができ、二酸化炭素の除去効率は、さらに顕著なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二酸化炭素固定装置の概略説明図。
【図2】本発明の二酸化炭素固定装置の概略説明図。
【図3】本発明の二酸化炭素固定装置の概略説明図で、(a)は本実施形態に係る二酸化炭素固定システムにおける電源回路の一形態例を示した概略説明図で、(b)は当該電源回路による動作を概説した電圧波形図。
【図4】固体電解質と電圧値及び電流値との関係を示した特性図で、(a)は直流電流電源が300Vで、制限抵抗が3000Ωである場合、(b)は直流電流電源が300Vで、制限抵抗が100Ωである場合。
【図5】実施例1の結果を開示したと特性図で、(a)は経過時間と電流値及び電力値との関係を示した特性図、(b)は経過時間と二酸化炭素放出量との関係を示した特性図。
【図6】実施例2の結果を開示したと特性図で、(a)は電源電圧制御方式による実施結果を示した特性図、(b)は抵抗制御方式による実施結果を示した特性図。
【図7】二酸化炭素固定装置の原理説明図。
【図8】抵抗値と電圧及び電流値との関係を示した特性図で、(a)は印加電圧が10Vである場合、(b)は印加電圧が100Vである場合。
【符号の説明】
10…固体電解質
11…正極
12…負極
13,24…電源
21…制限抵抗
22…直流電源
23…電力計
30…制御手段
Claims (7)
- 正極と負極とを設けた固体電解質の正極に、イオン供給源物質を接触させ、かつ、この固体電解質の負極に、被処理ガスを接触すると共に、当該両極間に直流電圧を印加することにより、前記負極側にガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離固定する工程と、
前記両極間に前記工程時とは逆の電位を印加することで、前記負極側に分離固定した二酸化炭素を取り出す工程と、を有する二酸化炭素固定方法において、
前記二酸化炭素を取り出す工程においては、前記固体電解質に印加する電力を制御することで、負極側に吸蔵された炭酸塩を溶融し、二酸化炭素を取り出すことを特徴とする二酸化炭素固定方法。 - 前記固体電解質に印加する電力の制御は、前記両極間に直流電圧を印加する回路における電圧または制限抵抗を制御することにより行うこと
を特徴とする請求項1記載の二酸化炭素固定方法。 - 前記二酸化炭素の取り出し工程においては、前記両極間に印加する直流電圧に、正弦半波状電圧を重畳すること
を特徴とする請求項1または2記載の二酸化炭素固定方法。 - イオン供給源物質が供給される正極と被処理ガスが供給される負極とを設けた固体電解質と、
この固体電解質に直流電圧を印加して負極において被処理ガス中の二酸化炭素を炭酸塩として分離固定すると共に、位相を逆転することで分離固定した二酸化炭素の取り出しをも可能とする電源と、
を具備した二酸化炭素固定装置において、
前記電源の回路に、抵抗が可変である制限抵抗を設けると共に、
この制限抵抗の抵抗を調節することで、前記固体電解質に印加する電力を制御する制限手段を設け、
制御手段は、分離固定した二酸化炭素の取り出しの際、前記制限抵抗の抵抗を調節して、前記固体電解質に印加する電力を制御することで、負極側に吸蔵した炭酸塩が溶融させること
を特徴とする二酸化炭素固定装置。 - 前記電源の回路における直流電源は、印加電圧が可変であり、前記制御手段は、当該直流電源の印加電圧を調節することで、前記固体電解質に印加する電力を制御すること
を特徴とする請求項4記載の二酸化炭素固定装置。 - 前記電源の回路には、前記制御手段からの制御信号に基づき、直流電圧に正弦半波状電圧を重畳して前記固体電解質に印加する電力を制御する電源を設け、
当該電源は、分離固定した二酸化炭素の取り出しの際、直流電圧に正弦半波状電圧を重畳させることで、負極側に吸蔵した炭酸塩を溶融させること
を特徴とする請求項4または5記載の二酸化炭素固定装置。 - 前記イオン供給源物質は、ナトリウム化合物であり、
前記固体電解質は、ナトリウムイオン導電体であること
を特徴とする請求項1から6のいずれか記載の二酸化炭素固定方法及びその装置。
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