JP2004159710A - 殺菌装置 - Google Patents

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Shigeru Okuda
滋 奥田
Makoto Ukekawa
信 請川
Kensaku Atsumi
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Abstract

【課題】マイクロ波照射装置の誤設定により、マイクロ波を長時間に渡って照射した場合においても、放電バルブ及び被処理物の破損等を防止できる安全性の高い殺菌装置を提供すること。
【解決手段】殺菌装置100は、箱体2内にマイクロ波照射装置1からのマイクロ波によって紫外線を放射する放電バルブ3を有して、被処理物4放電バルブ3に放電バルブが発生する紫外線を照射するものである。前記放電バルブ3の内表面で囲まれる立体形状、すなわち略中空円柱形状の放電バルブ3の内表面間を結ぶ直線の最長直線距離を、照射されるマイクロ波の波長の2分の1以下とし、内表面間を結ぶ内表面に垂直な直線の最短直線距離をA(cm)とした場合に、水銀蒸気の量を放電バルブ内容積で除した水銀密度y(g/cm)がy=2.2407×10−7exp[7.6822A]で算出される値よりも高くなるようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波を利用した殺菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の殺菌装置としては、特開2001−145688号公報に示されるものがある。このものは、水銀が液又は蒸気の形で封入され、蒸気状態における圧力が10−1kPa以下になされている紫外線透過ガラス製中空体と、マイクロ波照射装置との組み合わせである水及び医療器具の殺菌装置である。
【0003】
このものにおいては、水銀が封入され且つ内部が低圧になされた紫外線透過ガラス製中空体にマイクロ波を照射することにより該中空体の内部に発生する光線を水や医療器具等に照射して殺菌し、又は水を介して医療器具等に照射して殺菌する。
【0004】
【特許文献1】特開2001−145688号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例においては、マイクロ波による液温の上昇を極力抑制するため、マイクロ波照射装置(電子レンジ)の動作時間を所定の時間(90秒)に設定している。
【0006】
しかしながら、マイクロ波照射装置の動作時間の誤設定により、マイクロ波を長時間に渡って照射すると、放電バルブ(前記紫外線透過ガラス製中空体)や被処理物(前記水、医療器具等)の温度が上昇して、破損等至ることが懸念される。
【0007】
本発明は、かかる事由に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、マイクロ波照射装置の誤設定により、マイクロ波を長時間に渡って照射した場合においても、放電バルブ及び被処理物の破損等を防止できる安全性の高い殺菌装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、マイクロ波照射装置からのマイクロ波によって放電を発生させることにより紫外線を放射する放電バルブを有して、被処理物に放電バルブが発生する紫外線を照射する殺菌装置において、前記マイクロ波により所定の時間、前記放電バルブの放電を発生させ、その後マイクロ波が存在しても、放電バルブの放電を停止させる放電停止手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記放電停止手段は、前記放電バルブの内表面で囲まれる立体形状の寸法と、放電バルブ内の水銀蒸気の量とを規定することにより、放電バルブのバルブ温度が所定の温度に達したときに、放電が停止するものであることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の発明において、前記放電バルブの内表面で囲まれる立体形状において、内表面間を結ぶ直線の最長直線距離を、照射されるマイクロ波の波長の2分の1以下とし、内表面間を結ぶ内表面に略垂直な直線の最短直線距離をA(cm)とした場合に、水銀蒸気の量を放電バルブ内容積で除した水銀密度y(g/cm)がy=2.2407×10−7exp[7.6822A]で算出される値よりも高くなるように規定したことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記放電停止手段は、マイクロ波を反射若しくは吸収し、且つ温度変化により形状が変形する部材からなり、前記放電バルブのバルブ温度が所定の温度以上となった場合に、前記部材が変形して放電バルブの表面を覆うことにより、放電バルブへ照射されるマイクロ波を遮断して放電を停止させるものであることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記放電停止手段は、前記放電バルブを支持し、温度変化によって変形する部材からなり、放電バルブに放電が発生後、放電バルブのバルブ温度が所定の温度未満の場合に、マイクロ波の電界の強い場所で放電バルブを支持し、バルブ温度が所定の温度以上となった場合に、前記部材が変形して放電バルブをマイクロ波の電界の弱い場所に移動させて放電を停止させるものであることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の発明において、前記マイクロ波照射装置は、電子レンジ調理器であって、この電子レンジ調理器の出力が、500Wから700Wであることを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の発明において、前記放電バルブを収納する箱体を備え、この箱体は、前記被処理物を放電バルブの紫外線放射面と対向するよう保持するものであることを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の発明において、前記箱体の少なくとも一部は、前記放電バルブが発生する可視光を透過する材料で形成されることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
第1の実施形態を図1から図5に基づいて説明する。
【0017】
殺菌装置100は、箱体2内にマイクロ波照射装置1からのマイクロ波によって紫外線を放射する放電バルブ3を有して、被処理物4に放電バルブ3が発生する紫外線を照射するものである。
【0018】
マイクロ波照射装置1は、たとえば図1に示すような電子レンジ調理器であって、マグネトロンにより、2.45GHzの周波数のマイクロ波を発生する。
【0019】
箱体2は、図2に示すように放電バルブ3を備え、被処理物4を収納するもので、光の波長が380nmから780nmの可視光及びマイクロ波を透過し、紫外線しない材料、たとえばポリカーボネイト、ソーダガラス等を少なくとも一部用いて略卵型に成型されるものである。箱体2は、上部箱体部2aと図3に示す下部箱体部2bが開閉自在に結合されるものであり、下部箱体部2bの外面には、箱体2の支持部材2cが配設されている。下部箱体部2bの内部には、略円筒形状の支持台5が設置され、支持台5の紙面上で上側に開口した部分には、被処理物4である乳首が装着される。支持台5の下側には、略中空円柱形状の放電バルブ3の長手方向の面すなわち紫外線放射面が、被処理物4に対向するように設置されている。そして、上部箱体部2aの頂部近傍にも、略中空円柱形状の放電バルブ3の長手方向の面が、被処理物4に対向するように設置されている。
【0020】
放電バルブ3は、気密で少なくとも一部が紫外線透過性の部材からなるものであって、肉厚1mmの石英ガラス管の端部を封じて真空状態にし、内部に水銀30mgとバッファガスであるアルゴンガス10Torrを封入したものである。
この放電バルブ3の端面の直径は0.8cmで、長手方向の長さは2cmである。
【0021】
ここで、重要なことは、放電バルブ3自身が、放電バルブ3のバルブ温度が所定の温度に達したときに、放電が停止する放電停止手段として機能することである。これは、前記放電バルブ3の内表面で囲まれる立体形状の寸法と、前記放電バルブ内の水銀蒸気の量とを規定することにより実現される。具体的には、前記放電バルブ3の内表面で囲まれる立体形状、すなわち略中空円柱形状の放電バルブ3の内表面間を結ぶ直線の最長直線距離を、照射されるマイクロ波の波長の2分の1以下とし、内表面間を結ぶ内表面に垂直な直線の最短直線距離をA(cm)とした場合に、水銀蒸気の量を放電バルブ内容積で除した水銀密度y(g/cm)がy=2.2407×10−7exp[7.6822A]で算出される値よりも高くなるようにするのである。ここで、放電バルブ3が図4に示す形状では、最長直線距離は、放電バルブ3の断面視における対角線に相当する。また、最短直線距離Aは、放電バルブ3の内径である。
【0022】
このような構成において、マイクロ波照射装置1を動作させると、2.45GHzの周波数のマイクロ波が発生する。このマイクロ波の波長は、12cmである。放電バルブ3は、マイクロ波を受け、マイクロ波の電界により、放電バルブ3内の電子が運動エネルギーを得て、水銀原子に衝突して電離させる。ここで、放電バルブ3内には、水銀だけでなく、アルゴンガスも封入されおり、アルゴン原子の励起状態のエネルギー準位が水銀原子の電離のエネルギー準位に近いため、電離が容易になる。そして、ある程度電子の数が増えると、マイクロ波により直接エネルギーを受けて放電を維持する。放電が維持された状態では、電子がマイクロ波による電界で加速され水銀原子に衝突し、電離又は励起をさせる。そして、励起状態の水銀原子が、基底状態に再び戻るときに、そのエネルギー差を光として放出する。この光の主な波長は、254nmであり、この紫外線は強い殺菌作用を持っている。この紫外線を、被処理物4に照射し、殺菌処理を行う。また、放電バルブ3は、254nm以外にも436nm及び546nmの可視光領域の波長の光も放射する。ここで、図4に示す放電バルブ3の内表面間を結ぶ直線の最長直線距離は約2.15cm、一方照射されるマイクロ波の波長は12cmであり、前記最長直線距離はマイクロ波の波長の2分の1以下である。放電バルブ3の内表面間を結ぶ直線の最長直線距離がマイクロ波の波長の2分の1以上の場合には、マイクロ波の最大電界が印加される確率が高くなる。これにより、マイクロ波から放電バルブ3に供給されるエネルギーが過大となり、放電バルブ3の温度は著しく上昇する。そしてたとえば、放電バルブ3のバルブ温度は500℃以上になり、放電バルブ3又は被照射物4が破損する等の問題が生じる。そこで、前記最長直線距離を、マイクロ波の波長の2分の1以下にすることで、バルブ温度の著しい温度上昇を抑制することができる。ただし、殺菌に必要な紫外線を放射するだけのマイクロ波のエネルギーを受けるために、最長直線距離を、マイクロ波の波長の10分の1以上にすることが望ましい。ここで、マイクロ波照射装置1である電子レンジ調理器の出力は、500Wから700Wとしている。
【0023】
また、前述のように、放電バルブ3には、水銀が封入されている。前述のように、放電バルブ3に放電が発生すると、バルブ温度が上昇する。バルブ温度が上昇すると放電バルブ3内の水銀蒸気圧が上昇する。ここで、バルブ温度と水銀蒸気圧の関係は表1に示す関係になる。
【0024】
【表1】
Figure 2004159710
【0025】
そして、水銀蒸気圧が一定の値以上になると、マイクロ波から電子がエネルギーを受けて、水銀原子に衝突しても、電子のエネルギーが、水銀原子の電離に寄与しにくくなり、放電バルブ3内の電子の数が減少する。すなわち、放電が維持されにくくなる。このことは、水銀蒸気の量を放電バルブ内容積で除した水銀密度を適当な値にすることで、放電を停止することができることを意味する。
【0026】
また、放電を停止させるために必要な水銀密度は、最短直線距離Aの長さに依存することが実験により明らかである。実験によれば、図4に示す最短直線距離Aが0.8cmで、バルブ温度が200℃の時に放電が停止した。この時の水銀密度は、1.178×10−4g/cmである。これにより、最短直線距離Aが0.8cmでは、水銀密度が、1.178×10−4g/cmとなるだけの水銀を放電バルブ3に封入すればよいことになる。なお、放電バルブ3に封入した水銀量は30mgである。そして、最短直線距離Aが1cmの場合には、放電を停止させるに必要な水銀密度は、4.58×10−4g/cmである。これらのデータを図5に示す。データを元に回帰直線を描くと、水銀密度y、前記最短直線距離Aの関係は、y=2.2407×10−7exp[7.6822A]で表される。
【0027】
このようにしたので、前記放電バルブ3の内表面で囲まれる立体形状の寸法と、前記放電バルブ3内の水銀蒸気の量とを規定することにより、放電バルブ3の放電を発生後、マイクロ波が存在しても、放電バルブ3のバルブ温度が所定の温度に達したときに、放電が停止し、紫外線が放射されなくなる。また、図6に示すように放電が停止しバルブ温度が低下した場合には、水銀密度が低下して再び放電が発生し、紫外線を放射する。すなわち、放電発生と放電停止を繰り返すのである。これにより、マイクロ波照射装置の誤設定により、マイクロ波を長時間に渡って被処理物4に照射した場合においても、放電バルブ3及び被処理物4の破損等を防止できるのである。また、箱体2に可視光が透過する材料を用いたので、放電バルブ3から放射される436nm及び546nmの可視光領域の波長の光は、箱体2の外部に放射される。これにより、殺菌装置100の使用者は、殺菌装置100の動作状態を目視で確認することができる。さらに、マイクロ波照射装置1である電子レンジ調理器の出力を、500Wから700Wとすると、被処理物4に殺菌を施すに必要な紫外線を照射することができ、且つ放電バルブ3のバルブ温度が上昇し過ぎることがない。また、放電バルブ3は、前記被処理物4が放電バルブ3の紫外線放射面と対向するよう保持される箱体2に収納されるようにしたので、被処理面と紫外線放射面との相対的な位置関係は、安定的に保持され、被処理物4を効率良く殺菌処理することができる。
【0028】
なお、本実施形態においては、放電バルブ3に水銀とアルゴンガスを封入したが、キセノンや重水素、ハロゲン化鉄、硫黄などを封入してもよい。また、アルゴンガスに替えて、アルゴンとネオンの混合ガスを用いてもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態を図7(a)、(b)、(c)に基づいて説明する。
なお、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態においては、放電停止手段は、マイクロ波を反射若しくは吸収し、且つ温度変化により形状が変形する部材7からなり、バルブ温度が所定の温度以上となった場合に、部材7が変形して放電バルブ3の表面を覆うことにより、放電バルブ3へ照射されるマイクロ波を遮断して放電を停止させるものからなる。
【0029】
部材7は、ニッケル−鉄合金又はニッケル−鉄−クロミウム合金の組み合わせからなるいわゆるバイメタルである。部材7は、板状のものであって、放電バルブ3がマイクロ波を受けない状態において、図7(a)に示すように部材7の平面が放電バルブ3長手方向の面に平行な状態で、放電バルブ3の端部から突出するように配設されている。
【0030】
このような構成において、マイクロ波照射装置1からのマイクロ波によって放電バルブ3に放電が発生すると、放電バルブ3は紫外線を被処理物4に放射し、これにより被処理物4は殺菌される。その後、放電の存在により、バルブ温度が上昇する。そして、バルブ温度が所定の温度以上になると、膨張率の違いにより部材7は、図7(b)に示すように放電バルブ3の端部を支点として、部材7の平面が、放電バルブ3の長手方向の面に向かって折れ曲がり、図7(c)に示すように放電バルブ3を覆う。部材7は、マイクロ波を反射するので、放電バルブ3内に入射されるマイクロ波エネルギーは、減少して放電は停止する。放電が停止した後、バルブ温度が低下すると、部材7は、膨張率の違いにより、放電バルブ3に放電が発生する前の状態、すなわち、部材7の平面が放電バルブ3長手方向の面に平行な状態で、放電バルブ3の端部から突出する位置に再び戻る。このような、部材7の動作により、バルブ温度は必要以上に上昇することがない。
【0031】
なお、本実施形態では、部材7として、ニッケル−鉄合金又はニッケル−鉄−クロミウム合金の組み合わせからなるバイメタルを用いたが、いわゆる形状記憶合金などの他の組成の合金でもよい。また、部材7は、板状のものを用いたが、金属メッシュや金属粉が樹脂又はセラミックなどの他の材料に混合されたものでもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態を図8(a)、(b)に基づいて説明する。
図8(a)に示す、部材8は、放電バルブ3を支持し、温度変化によって変形するもので、ニッケル−鉄合金又はニッケル−鉄−クロミウム合金の組み合わせからなるいわゆるバイメタルである。部材8は、初期状態すなわちマイクロ波を受けない状態において、二つ折りの状態で放電バルブ3を支持する状態で箱体2の内部に設置されている。
【0032】
この状態で、放電バルブ3にマイクロ波が照射されると、放電バルブ3内に放電が発生し、紫外線が放射されて被処理物4が殺菌される。その後、バルブ温度が所定の温度以上となった場合には、部材8が、膨張率の違いにより、図8(b)の矢印のように、二つ折りの状態から、部材8が開き角をなすように変形する。この部材8の変形により、部材8に支持された放電バルブ3は、初期に設置された位置とは異なる位置、すなわち斜め上方向に移動する。
【0033】
このように、放電バルブ3を移動させる理由は、マイクロ波の電界の強度が、空間的な位置で異なる為である。マイクロ波照射装置1として、電子レンジを使用した場合には、マイクロ波の波長が約12cmであるので、6cmおきに電界の強い場ところが存在する。さらに、電子レンジでは、食品を皿に乗せて電子レンジ内の底面付近にすることが多いため、底面付近から数cmの位置に電界の強い部分が存在するように設計されることが多い。本実施形態では、放電バルブ3に放電が発生後、放電バルブ3のバルブ温度が所定の温度未満の場合においては、マイクロ波の電界の強い場所で放電バルブ3を支持する。すなわち、底面付近から数cmの位置の電界の強い部分に放電バルブ3を設置するのである。そして、バルブ温度が所定の温度以上となった場合に、前記部材8が変形して放電バルブ3をマイクロ波の電界の弱い場所に移動させる。すなわち、初期に設置された場所から約3cm離れた斜め上方向のマイクロ波の電界が弱い位置に移動するのである。この動作により、放電バルブ3に入射されるマイクロ波エネルギーは、減少し、放電は停止する。その後、放電が停止したことによりバルブ温度が低下すると、部材8は初期の形状、すなわち二つ折りの状態に再び戻るのである。
【0034】
このように、放電停止手段として、放電バルブ3を支持し、温度変化によって変形する部材8を用いても、マイクロ波が存在する状態で、放電バルブ3の放電を停止させることができるのである。
【0035】
なお、本実施形態では、部材7として、ニッケル−鉄合金又はニッケル−鉄−クロミウム合金の組み合わせからなるいわゆるバイメタルを用いたが、いわゆる形状記憶合金などの他の組成の合金でもよい。
【0036】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、マイクロ波照射装置からのマイクロ波によって放電を発生させることにより紫外線を放射する放電バルブを有して、被処理物に放電バルブが発生する紫外線を照射する殺菌装置において、前記マイクロ波により所定の時間、前記放電バルブの放電を発生させ、その後マイクロ波が存在しても、放電バルブの放電を停止させる放電停止手段を備えるようにしたので、放電バルブの過温度上昇が抑制されるため、バルブの破損等を防止でき、安全性を高めることができる。
【0037】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記放電停止手段は、前記放電バルブの内表面で囲まれる立体形状の寸法と、放電バルブ内の水銀蒸気の量とを規定することにより、放電バルブのバルブ温度が所定の温度に達したときに、放電が停止するものであるようにしたので、バルブ温度が上昇すると、水銀蒸気圧が上昇し、電子が減少する。これにより、放電を停止させることができる。
【0038】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の発明において、前記放電バルブの内表面で囲まれる立体形状において、内表面間を結ぶ直線の最長直線距離を、照射されるマイクロ波の波長の2分の1以下とし、内表面間を結ぶ内表面に略垂直な直線の最短直線距離をA(cm)とした場合に、水銀蒸気の量を放電バルブ内容積で除した水銀密度y(g/cm)がy=2.2407×10−7exp[7.6822A]で算出される値よりも高くなるように規定したので、マイクロ波のエネルギーの過入力によりバルブ温度が過上昇することがなく、またバルブ温度が所定の温度になったときに、水銀原子の電離が抑えられることにより電子が減少し、放電を停止させることができる。
【0039】
請求項4に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記放電停止手段は、マイクロ波を反射若しくは吸収し、且つ温度変化により形状が変形する部材からなり、前記放電バルブのバルブ温度が所定の温度以上となった場合に、前記部材が変形して放電バルブの表面を覆うことにより、放電バルブへ照射されるマイクロ波を遮断して放電を停止させるものであるようにしたので、バルブの形状、水銀の蒸発量に、関わらず、上記部材によりマイクロ波を反射若しくは吸収するので、放電の維持、停止を制御することができる。
【0040】
請求項5に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記放電停止手段は、前記放電バルブを支持し、温度変化によって変形する部材からなり、放電バルブに放電が発生後、放電バルブのバルブ温度が所定の温度未満の場合に、マイクロ波の電界の強い場所で放電バルブを支持し、バルブ温度が所定の温度以上となった場合に、前記部材が変形して放電バルブをマイクロ波の電界の弱い場所に移動させて放電を停止させるものであるようにしたので、バルブの位置を変化させることで、マイクロ波からの供給電力を調整することができ、放電の維持、停止を制御することができる。
【0041】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の発明において、前記マイクロ波照射装置は、電子レンジ調理器であって、この電子レンジ調理器の出力が、500Wから700Wであるようにしたので、殺菌するに適当な能力を発揮することができる。
【0042】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の発明において、前記放電バルブを収納する箱体を備え、この箱体は、前記被処理物を放電バルブの紫外線放射面と対向するよう保持するものであるようにしたので、被処理面と紫外線放射面との相対的な位置関係は、安定的に保持され、被処理物を効率良く殺菌処理することができる。
【0043】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の発明において、前記箱体の少なくとも一部は、前記放電バルブが発生する可視光を透過する材料で形成されるようにしたので、使用者は、放電の消滅や点滅が目視できることになり、殺菌の完了等の情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の殺菌装置をマイクロ波照射装置内に収めた図である。
【図2】第1の実施形態の殺菌装置の一部破断斜視図である。
【図3】第1の実施形態の殺菌装置の開封時の斜視図である。
【図4】放電バルブの断面図である。
【図5】最短直線距離Aと水銀密度の関係を示す図である。
【図6】マイクロ波の照射の時間と紫外線強度の関係を示すグラフ(a)、マイクロ波の照射の時間とバルブ温度の関係を示すグラフ(b)である。
【図7】第2の実施形態の殺菌装置のバルブ温度が所定の温度未満の場合の斜視図(a)、(a)における放電バルブの拡大図(b)、バルブ温度が所定の温度以上の場合の斜視図(c)である。
【図8】第3の実施形態において、バルブ温度が所定の温度未満の場合の状態を示す図(a)、バルブ温度が所定の温度以上の場合の状態を示す図(b)である。
【符号の説明】
1 マイクロ波照射装置
2 箱体
2a 上部箱体部
2b 下部箱体部
2c 支持部材
3 放電バルブ
4 被処理物
5 支持台
7 部材
8 部材
100 殺菌装置

Claims (8)

  1. マイクロ波照射装置からのマイクロ波によって放電を発生させることにより紫外線を放射する放電バルブを有して、被処理物に放電バルブが発生する紫外線を照射する殺菌装置において、前記マイクロ波により所定の時間、前記放電バルブの放電を発生させ、その後マイクロ波が存在しても、放電バルブの放電を停止させる放電停止手段を備えたことを特徴とする殺菌装置。
  2. 前記放電停止手段は、前記放電バルブの内表面で囲まれる立体形状の寸法と、放電バルブ内の水銀蒸気の量とを規定することにより、放電バルブのバルブ温度が所定の温度に達したときに、放電が停止するものであることを特徴とする請求項1記載の殺菌装置。
  3. 前記放電バルブの内表面で囲まれる立体形状において、内表面間を結ぶ直線の最長直線距離を、照射されるマイクロ波の波長の2分の1以下とし、内表面間を結ぶ内表面に略垂直な直線の最短直線距離をA(cm)とした場合に、水銀蒸気の量を放電バルブ内容積で除した水銀密度y(g/cm)がy=2.2407×10−7exp[7.6822A]で算出される値よりも高くなるように規定したことを特徴とする請求項2記載の殺菌装置。
  4. 前記放電停止手段は、マイクロ波を反射若しくは吸収し、且つ温度変化により形状が変形する部材からなり、前記放電バルブのバルブ温度が所定の温度以上となった場合に、前記部材が変形して放電バルブの表面を覆うことにより、放電バルブへ照射されるマイクロ波を遮断して放電を停止させるものであることを特徴とする請求項1の殺菌装置。
  5. 前記放電停止手段は、前記放電バルブを支持し、温度変化によって変形する部材からなり、放電バルブに放電が発生後、放電バルブのバルブ温度が所定の温度未満の場合に、マイクロ波の電界の強い場所で放電バルブを支持し、バルブ温度が所定の温度以上となった場合に、前記部材が変形して放電バルブをマイクロ波の電界の弱い場所に移動させて放電を停止させるものであることを特徴とする請求項1の殺菌装置。
  6. 前記マイクロ波照射装置は、電子レンジ調理器であって、この電子レンジ調理器の出力が、500Wから700Wであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の殺菌装置。
  7. 前記放電バルブを収納する箱体を備え、この箱体は、前記被処理物を放電バルブの紫外線放射面と対向するよう保持するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の殺菌装置。
  8. 前記箱体の少なくとも一部は、前記放電バルブが発生する可視光を透過する材料で形成されることを特徴とする請求項7に記載の殺菌装置。
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