JP2007080705A - マイクロ波放電ランプおよび当該マイクロ波放電ランプを備えたマイクロ波放電光源装置 - Google Patents

マイクロ波放電ランプおよび当該マイクロ波放電ランプを備えたマイクロ波放電光源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 管壁安定型の放電が形成されることを防止して、マイクロ波放電ランプを点光源化することにより、短波長の紫外光の放射強度が低下することを防止することにより、短波長の紫外光による効果的な処理を行い得るマイクロ波放電ランプを提供することを目的とする。
【解決手段】 放電コンセントレーターは、その長手方向が、共振室構成容器内に生じるマイクロ波電界の振動方向に対して略平行となるよう配置され、発光管内には、発光管内の圧力が5気圧〜20気圧の範囲となるようアルゴンガスが封入され、電磁エネルギー供給手段に投入する電磁エネルギーE(W)は、発光管内のアルゴンガスの圧力をP(気圧)としたとき、26.6P<E<60Pの関係を満たすことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、発光管内に電磁エネルギーを供給することにより、放電開始時において、放電コンセントレーターの先端に電界を集中させて発光することによって、点光源となり得るマイクロ波放電ランプに関する。
従来から、プラスチックの表面改質、光CVD、光アッシング、UVキュアリングの処理には紫外光が利用されている。効果的な処理をするには、短波長(180nm〜300nm)の出力が高いことが必要であるところ、高圧水銀ランプやキセノンランプでは、エネルギー変換効率が低いことから、効果的な処理を行うことが困難である。また、短波長の光を放射する光源として、エキシマーレーザが考えられるが、コスト面を考慮すると、実用上、好ましくない。
高圧水銀ランプ等に代わる短波長の光を放射する光源として、棒状の発光管の内部に、水銀、カドミウム、亜鉛、ビスマス等の金属を封入し、発光管内に導入したマイクロ波を水銀に吸収させることによって、発光管内部の温度を上昇させ、この熱により、カドミウム、亜鉛、ビスマス等の金属を蒸発させることによって、カドミウム、亜鉛、ビスマス等に固有の波長の光を放射させるものが知られている(特許文献1参照)。この光源によれば、水銀、カドミウム、亜鉛、ビスマス等の相互作用が行なわれることによって、波長が180nm〜800nmの範囲において、高強度の連続スペクトルが得られることから、効果的な紫外光による処理が期待される。
しかしながら、高強度の短波長の光を放射させるには、以下に説明するように、点光源化することが必須の条件であるところ、特許文献1に記載の光源によれば、発光管が棒状であること、および無電極放電を行なうことから、マイクロ波によって点灯する場合において、管壁安定型の放電が形成され、点光源化することが困難である、という問題がある。すなわち、光源が点光源でない場合、発光管内部の全体にわたって放電が形成されることにより、イオン化したカドミウム、亜鉛、ビスマスなどの発光物質が発光管内の発光空間の全体に存在することとなり、自己吸収現象が生じて、これらの物質から放射される短波長のイオン共鳴線が発光管の外部へ放射されることが妨げられる結果、短波長の紫外光の放射強度が低下するからである。
マイクロ波によって点灯する点光源として、特許文献2に示される光源が知られている。図5は、従来のマイクロ波によって点灯する光源の一例を説明するための断面図である。
図5に示すように、電磁エネルギー供給手段42から電磁エネルギーが発せられると、マイクロ波放電ランプ43の発光管431内に対向して配置された一対の放電コンセントレーター432aおよび432bに電波共振作用によって電力が供給され、放電開始時に発光空間の中で放電コンセントレーター432aおよび432bによって電界が集中され、電界が強められて、対向する2つの放電コンセントレーター432aおよび432bのそれぞれの先端の間に放電が集中することによって、高強度の短波長の光が放射される。そして、マイクロ波放電ランプ43から放射された光は、楕円反射鏡44によって反射され、共振室構成容器41に設けられた開口411から外部へ放出される。図5に示すマイクロ波放電ランプによれば、発光管431の内部に配置した放電コンセントレーター432aおよび432bの間に放電が集中するため、管壁安定型の放電とならず、点光源となることが期待される。
特開平10−21885号 特開2001−202924号
然るに、図5に示す光源によっても、マイクロ波によって点灯させた場合、管壁安定型の放電が形成されることに起因して、点光源化が妨げられることによって、紫外光の放射強度が低下するという問題を完全に排除することはできなかった。すなわち、本発明者らが、後述の第3の実験に示すように、発光物質として亜鉛を選択して、図5に示すマイクロ波放電ランプを実際に作成してマイクロ波によって点灯させたところ、管壁安定型の放電が形成されるため、点光源化が不十分であり、紫外光の放射強度が低下することが判明した。
以上から、本発明は、管壁安定型の放電が形成されることを防止して、マイクロ波放電ランプを点光源化することにより、短波長の紫外光の放射強度が低下することを防止することにより、短波長の紫外光による効果的な処理を行い得るマイクロ波放電ランプを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために検討を重ねたところ、以下の知見を得た。(1)マイクロ波電界の振動方向と放電コンセントレーターの向きを合わせることにより、放電コンセントレーターの先端部への電界集中が促進される。(2)マイクロ波放電ランプ内への封入ガス圧を高くした場合、放電コンセントレーター間において、電界の強い部分、すなわち、放電コンセントレーターの先端部においてのみ放電が生じる。(3)放電の広がりには、前記(2)のマイクロ波放電ランプ内における封入ガス圧のみでなく、電磁エネルギーの大小も影響を与え、封入ガス圧との関係で電磁エネルギーが大きすぎれば放電が広がり、一方、封入ガス圧との関係で電磁エネルギーが小さすぎれば放電が生じない。
すなわち、本発明者らは、前記(1)ないし(3)の知見に基づいて、マイクロ波の振動方向と放電コンセントレーターとの向きを合わせるとともに、封入ガス圧とマイクロ波電力との関係を最適に規定することにより、放電ランプを点光源化できることを見出したのである。
従って、請求項1の発明は、透光性材料からなり、内部に発光媒体が封入された発光管と、一端が該発光管内の発光空間に臨出した放電コンセントレーターとを備えたマイクロ波放電ランプと、前記放電コンセントレーターに放電を励起する電磁エネルギー供給手段と、電磁エネルギーを漏洩することなく、前記マイクロ波放電ランプからの光を外部へ取出す開口が設けられた、電磁エネルギー共振を生ずる共振室構成容器とを備えたマイクロ波放電光源装置において、前記放電コンセントレーターは、その長手方向が、前記共振室構成容器内に生じるマイクロ波電界の振動方向に対して略平行となるよう配置され、前記発光管内には、発光管内の圧力が5気圧〜20気圧の範囲となるようアルゴンガスが封入され、前記電磁エネルギー供給手段に投入する電磁エネルギーE(W)は、前記発光管内のアルゴンガスの圧力をP(気圧)としたとき、26.6P<E<60Pの関係を満たすことを特徴とする。なお、発光管内のアルゴンガスの封入圧は、外気が300K(27℃)の状態のときの値とする。
さらに、本発明者らは、請求項1の発明の発光媒体が亜鉛である場合において、波長203nmおよび波長206nmの紫外光の強度が最大となるように、亜鉛の封入量を最適範囲に規定した。
従って、請求項2の発明は、前記発光媒体が、0.3mg/cc〜0.6mg/ccの亜鉛であることを特徴とする。
本発明の請求項1の発明によれば、一端が発光管内の発光空間に臨出する放電コンセントレーターの長手方向が共振室構成容器内に生じるマイクロ波電界の振動方向に対して略平行となるように配置されるとともに、発光管内におけるアルゴンガスの封入圧が5気圧〜20気圧の範囲に規定されるとともに、マイクロ波放電ランプに供給する電磁エネルギーE(W)と、発光管内のアルゴンガスの封入圧P(気圧)との関係が26.6P<E<60Pを満たすようにマイクロ波放電ランプに供給する電磁エネルギーE(W)が規定されていることから、発光管内に配置されている放電コンセントレーターの先端部のみで放電が生じ、放電が広がることはないため、確実にマイクロ波放電ランプを点光源とすることができる。従って、マイクロ波放電ランプから高強度の短波長の紫外光を放射させることが可能となるため、効果的に紫外光による処理を行なうことができる。
本発明の請求項2の発明によれば、請求項1における発光媒体が亜鉛である場合において、その封入量が0.3mg/cc〜0.6mg/ccと最適範囲に規定されていることから、波長203nmおよび波長206nmという短波長の紫外光を効率良く放射することができるため、紫外光による処理を効果的に行なうことができる。
図1は、本発明のマイクロ波放電ランプを搭載したマイクロ波放電光源装置を説明するための断面図である。マイクロ波放電光源装置100は、共振室構成容器1と、電磁エネルギー供給手段2と、マイクロ波放電ランプ3とを備えている。
共振室構成容器1は、例えばアルミニウムなどの金属からなり、内部空間にマイクロ波放電ランプ3が配置され、上面に設けられた開口11に対して電磁エネルギー供給手段2の指向性アンテナ21が挿入されて、電磁エネルギー供給手段2が配設されている。共振室構成容器1の側面には、マイクロ波放電ランプから放射された紫外光を共振室構成容器1の外部へと放出するための開口12が設けられている。開口12は、電磁エネルギーが共振室構成容器1から外部へ漏れ出ない必要があることから、金属製の網を用いて電磁波の遮蔽をしてあることが好ましい。
電磁エネルギー供給手段2は、マグネトロンであり、供給される電磁エネルギーは、150W〜1200Wの範囲である。
マイクロ波放電ランプ3は、例えば石英ガラス等の透光性材料からなる発光管31を有し、発光管31は、膨出部32と、膨出部32の両端に連続して形成された細管部33(33a、33b)とを備えている。発光管31内の発光空間Sには、発光媒体としての亜鉛と、バッファガスとしてのアルゴンガスが封入されている。細管部33(33a、33b)には、各々の先端部が対向する円柱状の一対の放電コンセントレーター34(34a、34b)が支持されている。放電コンセントレーター34は、例えばタングステンからなり、電磁エネルギーが供給されると放電開始時に発光空間S内の電界を集中させて強め、定常点灯時には、放電を集中させることによってマイクロ波放電ランプ3を点光源化させるためのものである。
放電コンセントレーター34aおよび34bは、その長手方向が、共振室構成容器1内に生じるマイクロ波電界の振動方向と略平行になっている。マイクロ波電界の振動方向は、共振室構成容器1の開口11に挿入された指向性アンテナ21の向きによって決まり、マイクロ波電界の振動方向と放電コンセントレーター34aおよび34bの長手方向とが平行になるようにするには、図1に示すように指向性アンテナ21の長手方向と放電コンセントレーター34aおよび34bの長手方向とが平行になるようにすれば良い。これによれば、以下の図2に示すように、放電コンセントレーターの先端部341aおよび341b間の空間にのみ強電界が集中することにより、マイクロ波放電ランプを点光源とすることができると考えられる。
図2は、マイクロ波放電ランプの発光管内に形成される電界の状態を説明するための図であり、マイクロ波電界の強弱をドットの粗密にて表しており、ドットが密の箇所では強電界が形成され、ドットが疎の箇所では弱電界が形成されていることを示す。図2(a)は、マイクロ波電界の振動方向と放電コンセントレーターの長手方向とが平行である場合を示し、図2(b)は、マイクロ波電界の振動方向と放電コンセントレーターの長手方向とが垂直である場合を示している。
マイクロ波電界の振動方向と放電コンセントレーターの長手方向とが平行である場合、図2(a)に示すように、放電コンセントレーターの先端部341aおよび341b間の空間に強電界が集中し、放電コンセントレーターの先端部341aおよび341b間の空間以外の空間には強電界が形成されないため、点光源化が促進される。一方、マイクロ波電界の振動方向と放電コンセントレーター34aおよび34bの長手方向とが垂直である場合、図2(b)に示すように、放電コンセントレーターの先端部341aおよび341b間の空間以外の空間にも強電界が形成されることから、管壁安定型の放電となり、点光源とならない。
放電コンセントレーター34aと34b間の離間距離は、点光源とみなせるように10mm以下である。なお、マイクロ波による強い電界は放電コンセントレーター34aおよび34bの先端部にのみ生じ、両者の離間距離が広がったとしても、放電コンセントレーター34aおよび34bの先端部341aおよび341b間に生じる電界の強度は同じであることから、放電コンセントレーター34aと34bの間の離間距離は、放電の広がりに影響を与えない。
このようなマイクロ波放電光源装置100は、電磁エネルギー供給手段2から電磁エネルギーが共振室構成容器1内へ発せられると、発光管31内の放電コンセントレーター34aおよび34bに電波共振作用によって電力が供給され、放電開始時に発光空間S中で放電コンセントレーター34aおよび34bによって電界が集中されて電界が強められ、放電コンセントレーター34aおよび34bの先端部341aおよび341b間に放電が集中し、マイクロ波放電ランプ3が高輝度の点光源となる。そして、発光管31内に封入された発光媒体が亜鉛である場合、波長203nmおよび波長206nmという短波長のイオン共鳴線が、発光管31から放出され、共振室構成容器1の開口12から外部へ放出され、プラスチックの表面改質等の処理に供される。このようなイオン共鳴線の放射強度を増加させるには、マイクロ波放電ランプ3が点光源であることは必須の条件である。なお、本発明は、亜鉛以外のイオン共鳴線を放射する発光媒体を採用することもでき、さらに、放電ランプ3が点光源であることは、イオン共鳴線以外の紫外光の放射強度の増加に繋がることから、イオン共鳴線を放射しない発光媒体を使用することもできる。
ここで、発光管31内には、発光管31内の圧力Pが5気圧〜20気圧の範囲内となるようにアルゴンガスが封入されている。そして、電磁エネルギー供給手段2によって共振室構成容器1内に投入される電磁エネルギーE(W)は、発光管31内のアルゴンガスの圧力をPとした場合に、26.6P<E<60Pの関係を満たす必要がある。その理由は、以下に示すとおりである。
発光管31内の圧力が5気圧未満である場合、放電コンセントレーター34aおよび34bの間で放電が生じると、発光管31内の封入ガス圧が低いことにより、放電が拡散しやすくなって、発光管31の管壁に広がり、管壁安定型の放電が形成されることになる。
そして、放電の広がりにはマイクロ波電界の強さも影響を与え、マイクロ波電界が強まれば放電が広がる傾向にあることから、発光管31内の封入ガス圧が低い状態において放電の広がりを抑制しようとすると、供給する電磁エネルギーEを小さくすることによって、共振室構成容器1内に発生するマイクロ波電界を弱めざるを得ない。そうすると、発光管31から放出されて、共振室構成容器1の開口11から外部へと放出される紫外光の放射強度が低下することになって、プラスチックの表面改質等の紫外光による処理の効率が低下する。
一方、発光管31内の圧力が20気圧を超える場合、発光管内の封入ガス圧が高すぎることにより、電子の平均自由行程が短くなり、電子とバッファガスであるアルゴン原子とが頻繁に衝突することになる。そうすると、電子がマイクロ波電界から放電を励起するのに必要なエネルギーを受け取る前に、アルゴン原子との衝突によってエネルギーを失ってしまうことから、如何に供給する電磁エネルギーEを増大させたとしても、放電コンセントレーター34aおよび34bの先端部341aおよび341b間で放電が形成されない。
このような理由から、放電の広がりを抑制して点光源のマイクロ波放電ランプを実現するには、バッファガスであるアルゴンガスを封入することにより発光管31内の圧力Pを、5気圧〜20気圧の範囲とし、さらに、電磁エネルギーE(W)を、発光管31内の圧力Pとの関係で26.6P<E<60Pを満たすように調整することが必須条件であり、この点は後述する実験によって確認されている。
さらに、発光媒体としての亜鉛の封入量は、0.3mg/cc〜0.6mg/ccの範囲内であることが好ましく、その理由は以下に示すとおりである。
すなわち、亜鉛の封入量が少なすぎる場合、短波長の紫外光の放射強度が小さいことから、紫外光による処理を効率良く行なうことができないためであり、一方、亜鉛の封入量が多すぎる場合、発光管31内における亜鉛蒸気が飽和状態となることにより、発光管内の低温部分に亜鉛蒸気が固体になり付着する。この付着した亜鉛によって放電によって発生した亜鉛の発光が吸収されてしまうために、放射強度が減衰してしまい紫外光による処理を効率よく行うことができなくなる。この点は、後述の実験によって確認されている。
以下、本発明の効果を確認するために行った第1ないし第3の実験について説明する。
〔第1の実験〕
以下の仕様により、図1に示す構成のマイクロ波放電ランプを130本作製した。
発光管31は、全長が60mmであり、そのうち、膨出部32の全長が14mm、細管部33の全長が23mmである。膨出部32の最大外径が14mmであり、細管部33の外径が6mmである。放電コンセントレーター34は、全長が27mm、外径が1mmである。発光媒体としての亜鉛の封入量は全て0.5mg/ccで固定し、バッファガスとしてのアルゴンガスの封入量を5気圧、10気圧、15気圧、20気圧、25気圧の5種類とし、それぞれのアルゴンガスの封入量について26本用意した。
それぞれのマイクロ波放電ランプを共振室構成容器1内に配置し、電磁エネルギー供給手段2によって各マイクロ波放電ランプ3に対し、表1に示すように、50W〜1300Wの範囲内において26パターンの電磁エネルギーを供給し、マイクロ波放電ランプ3の点灯状態(点灯の有無、放電の広がり)を目視で確認した。その結果を表1に示す。
Figure 2007080705
表1においては、電磁エネルギーE(W)について、数値そのものに加え、発光管31内のバッファガスの封入圧に対する比を、例えば「10P」のように示している。また、「×」は、マイクロ波放電ランプ3が不点灯だったことを示し、「△」は、マイクロ波放電ランプは点灯したが、放電が広がったことを示し、「○」は、マイクロ波放電ランプが、点灯し、かつ、放電が広がることなく、点光源であったことを示す。
表1に示すように、発光管31内のバッファガスの封入圧が25気圧であるマイクロ波放電ランプ3は、電磁エネルギーEの値に関係なく、不点灯であった。バッファガスの封入圧が5気圧未満の場合については、紫外線の放射強度が小さいことから、実用性に乏しいと考え、実験を省略している。第1の実験により、発光管31内のバッファガスの封入圧は、5気圧〜20気圧の範囲内であると好ましいことが判明した。
さらに、表1に示すように、太線枠内の領域、すなわち、発光管31内のバッファガスの圧力Pと電磁エネルギーEとの関係が26.6P<E<60Pを満たす場合には、マイクロ波放電ランプ3は、確実に点灯するとともに、放電の広がりが抑制されて、点光源となることが判明した。一方、表1の太線枠外で示される領域、すなわち、電磁エネルギーEが26.6P未満の場合、マイクロ波放電ランプ3が不点灯になり、電磁エネルギーEが60Pを上回る場合、マイクロ波放電ランプ3に発生する放電の広がりが抑制されず、点光源にならなかった。
〔第2の実験〕
発光管31内に、アルゴンガスを10気圧封入し、発光媒体としての亜鉛の封入量を0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7mg/ccの13種類としたことを除き、第1の実験と同じマイクロ波放電ランプ3を13本作製した。
これらのマイクロ波放電ランプ3を共振室構成容器1内に配置し、電磁エネルギー供給手段2によって各マイクロ波放電ランプ3に対し、500(W)の電磁エネルギーを供給して、マイクロ波放電ランプを点灯させ、波長203nmおよび波長206nmの放射強度(μW/cm)を測定することにより、亜鉛の封入量(mg/cc)と波長203nmおよび波長206nmの放射強度(μW/cm)との関係を調べた。その結果を図3に示す。図3は、縦軸を相対値で示している。
図3に示すように、亜鉛の封入量を0.3mg/ccとした場合に放射強度が最大となり、亜鉛の封入量をそれ以上に増やしても放射強度は一定であり、亜鉛の封入量が0.6mg/ccを超えた場合、放射強度が低下することが判明した。これは、気化した亜鉛が発光管の低温部に凝集して発光を吸収するようになってしまったために外部へ放出される紫外線量が減少したためと考えられる。
〔第3の実験〕
実施例として、発光管31内のアルゴンガスの封入圧が10気圧であることを除き、第1の実験と同じマイクロ波放電ランプ3を1本作製した。比較例として、発光管31のアルゴンガスの封入圧が0.66気圧であることを除き、第1の実験と同じマイクロ波放電ランプ3を1本作製した。
それぞれのマイクロ波放電ランプ3を共振室構成容器1内に配置し、電磁エネルギー供給手段2によって各マイクロ波放電ランプ3に対し、500(W)の電磁エネルギーを供給することによって、各マイクロ波放電ランプ3を点灯させ、波長(nm)と放射強度(μW/cm)との関係を測定した。その結果を図4に示す。
図4に示すように、実施例のマイクロ波放電ランプ3は、それぞれ波長203nm、波長206nmをピーク波長とするイオン共鳴線が観測され、一方、比較例のマイクロ波放電ランプ3は、これらのイオン共鳴線のピークは観測されなかった。このことから、本発明のマイクロ波放電ランプは、点光源となることにより、自己吸収現象の発生が抑制されて、イオン共鳴線が発光管31の外部へと良好に放射されることが判明した。また、実施例のマイクロ波放電ランプは、220nm〜250nmの波長範囲において、比較例のマイクロ波放電ランプに比して積分放射強度が増加したことから、点光源化により、紫外光の放射強度が増加することも判明した。
本発明のマイクロ波放電ランプを搭載したマイクロ波放電光源装置を説明するための断面図である。 マイクロ波放電ランプの発光管内に形成される電界の状態を説明するための図である。 本発明のマイクロ波放電ランプについて、亜鉛の封入量(mg/cc)と放射強度(μW/cm)との関係を示す図である。 本発明のマイクロ波放電ランプについて、波長(nm)と放射強度(μW/cm)との関係を示す図である。 従来のマイクロ波によって点灯する光源の一例を説明するための断面図である。
符号の説明
1 共振室構成容器
11 開口
12 開口
2 電磁エネルギー供給手段
21 指向性アンテナ
3 マイクロ波放電ランプ
31 発光管
32 膨出部
33 細管部
34a、34b 放電コンセントレーター
41 共振室構成容器
411 開口
42 電磁エネルギー供給手段
43 マイクロ波放電ランプ
431 発光管
432a、432b 放電コンセントレーター
44 楕円反射鏡
100 マイクロ波放電光源装置

Claims (2)

  1. 透光性材料からなり、内部に発光媒体が封入された発光管と、一端が該発光管内の発光空間に臨出した放電コンセントレーターとを備えたマイクロ波放電ランプと、前記放電コンセントレーターに放電を励起する電磁エネルギー供給手段と、電磁エネルギーを漏洩することなく、前記マイクロ波放電ランプからの光を外部へ取出す開口が設けられた、電磁エネルギー共振を生ずる共振室構成容器とを備えたマイクロ波放電光源装置において、
    前記放電コンセントレーターは、その長手方向が、前記共振室構成容器内に生じるマイクロ波電界の振動方向に対して略平行となるよう配置され、
    前記発光管内には、発光管内の圧力が5気圧〜20気圧の範囲となるようアルゴンガスが封入され、
    前記電磁エネルギー供給手段に投入する電磁エネルギーE(W)は、前記発光管内のアルゴンガスの圧力をP(気圧)としたとき、26.6P<E<60Pの関係を満たすことを特徴とするマイクロ波放電光源装置。
  2. 前記発光媒体が、0.3mg/cc〜0.6mg/ccの亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波放電光源装置。
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