JP2004159635A - 食物繊維コロイドジャム及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多種多様の添加物の使用を排した、低カロリーの、加えて菓子パンなどに使用したときに加熱による融解や溶け出しのないジャムを提供すること。
【解決手段】150メッシュ通過の微粉砕したグルコマンナン、グルコマンナンの凝固剤および水の三者から作成したグルコマンナンの水和糊を原料の一部として使用して作成することを特徴とする食物繊維コロイドジャムの製造法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グルコマンナンの特性を活用した食物繊維ジャム及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジャムに関しては、例えば、「ジャム類とは、日本農林規格(JAS)によれば、果実、野菜または花弁を糖類とともにゼリー化するようになるまで加熱したもの、およびそれにゲル化剤、酸味料、香料等を加えたもの、となっている。その種類はジャム、マーマレード、ゼリー、プレザーブスタイルに分けられている。ジャムはジャム類のうち、マーマレードおよびゼリー以外のもの。マーマレードはジャム類のうち、柑橘類の果実を原料としたもので、柑橘類の果皮が認められるもの。ゼリーはジャム類のうち、果実等の搾汁を原料としたもの。またプレザーブスタイルはジャムのうち、イチゴ、その他のベリー類の果実を原料とするものでは全形の果実、ベリー類以外の果実等を原料とするものでは5mm以上の厚さの果肉等の片を原料とし、その原形を保持するようにしたものをいう、と定義されている。果実等を用いてゼリー化させる必須条件には糖、酸、ペクチンの3つの因子がある。糖は果実等の原料に含まれている糖分だけではゼリー化のための条件を満たさないので糖を加える必要があるが、酸、ペクチンは果実等に含まれている量が十分であれば添加する必要はない。しかし、不足する場合は酸味料としてクエン酸、DL−酒石酸、L−酒石酸及びDL−リンゴ酸を、ゲル化剤としてペクチンおよびカラギナンが使用される。ジャムは本来原料としての果実に含まれるペクチンで作られるものであったが、最近では果実より抽出したペクチン粉末が使用できるためペクチン含量の少ない果実、野菜、バラ等の花弁を利用したジャムが製造されるようになった。ジャム原料には多くの種類の果実、野菜が利用されている。わが国のジャムの生産量はイチゴを原料としたものが一番多く、その原料の大部分は冷凍イチゴが使用されている。ジャム類の糖濃度は従来のJASでは65%以上となっていたが、低カロリー、低甘味志向の消費者動向に合わせ平成2年9月の改正では、可溶性固形分(糖度)が40%以上であることとなり、現在市販されているものは従来より糖度が低いジャム類が多くなっている。」と解説されている(日本食品工業学会編「新版食品工業総合事典」第603頁(株)光琳 平成5年発行)。
【0003】
上に引用の解説にあるように、果実を原料とするジャムのゼリー形成に必須の原料は、砂糖、ペクチンおよび酸の三成分が一定の割合に混合して成る。
【0004】
例えば、イチゴジャムを作る場合、原料の使用割合は、例えば、砂糖は、除蔕後のイチゴ重量に対し、70〜80%、ペクチン0.3%、そしてクエン酸0.2%とすることができる。イチゴを除蔕したのち砂糖(総使用量の1/3)およびペクチンを加えて果実の原形を保ちながら適当な硬さに加熱して濃縮する。濃縮を開始し、沸騰してから残り2/3の砂糖を2回に分けて加える。最初から濃い糖液にすると果肉が収縮し、液面に浮き上がる。これを防ぐため薄い糖液から徐々に濃い糖液として果肉への糖の浸透を容易にする。加熱時間が長いとアントシアン色素が退色するため加熱時間は20分程とし、クエン酸は少量の水に溶解し、濃縮終了と同時に添加し撹拌して均質化を図る。然して、製品は真空密封し、例えば100℃で30分加熱殺菌する。
【0005】
叙上のように、使用原料の品質や使用量の割合等が異なるため、ジャムの製品造りは模造品(モドキ)となり次第に停滞した。近時では増粘多糖類として海藻類やガム類を使用し、着色料で色合いを整え香料を付し、原材料名にはイチゴジャム、またはリンゴジャムと表示する菓子パンが一部で見かけられるが、本来のジャムとは程遠い製品内容である。
【0006】
このようなジャムが内包されたいわゆる菓子パンが市販されているが、翌日にはジャムから離水し、これが欠点ともなっている。ジャムは菓子パンに、またパン食に欠かせないバターにも匹敵する調味食材として親しまれてきた。
【0007】
従来、ジャムは果肉を原形のまま、相当量の砂糖を加え、濃く煮つめたもので主にパンの味つけとして用いられ、果実は原形を保つ必要がなく、混濁した状態となっているのが普通で、品質にも格段の影響を及ぼすことがなく、これを補うため色、香り、食感などについて食品添加物を多用するに至り、原料コストの低減にはなったが、見かけジャム風の製品が菓子パンに登場している。
【0008】
然しながら、元々果実の効果的な食用方法として生まれたジャムの原料表示は単に、イチゴジャム、リンゴジャムとしており、ジャム組成は不明で単なるみかけジャム様の甘味料である。
【0009】
日本ではジャム製品の規定は前記の通りであるが、アメリカでは、果肉50%以上、その他50%未満とする規定があり、可溶性物質の含量は68%に達しなければならないとされている。さて、ジャムの原料には全ての果実が用いられるが、日本ではイチゴ、リンゴ、アンズ、イチヂク、小果のブルーベリーなどがある。果実の貯蔵法の一つとして発達したいわゆる粗製ジャムは、パンの普及につれて需要拡大したが、今日の機械化量産製造では食品添加物多用から、主原料の果実利用は僅か20〜30%に低下し、澱粉や増粘多糖類のゲル化剤やゼラチン等に置き換え、砂糖を原料の80%を超えて使用し、着色料、香料等を利用するジャム様の製品は、加熱する菓子パンには僅かに特殊利用されるのが現状である。その主な原因はパンの焼成時に、当該ジャムが溶け出しパン質が劣化するためである。それで、中にはパンの成型時に、上部数箇所を切り分けて成型し、発酵した後焼成し、焼成後にその切り分け口からジャムを注入する方法によっている。
【0010】
このように、ジャム製品は単にパンの調味剤に過ぎないためその食用利用は減少し、地域農産物振興にもかげりを来している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前項記載の従来技術の背景下に、本発明は、多種多様の添加物の使用を排した、低カロリーの、加えて菓子パンなどに使用したときに加熱による融解や溶け出しのないジャムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前項記載の目的を達成すべく鋭意研究の結果、本発明者は果実の有効利用にも有用なジャムの製造法に関し、時代の健康志向にも有意な新規製造法として、例えば、パンの焼成時においても溶出しないゼリー状のジャムを、グルコマンナンの活用によって作成することが出来るとの知見に基いて「150メッシュ通過の微粉グルコマンナン、グルコマンナンの凝固剤および水の三者から作成したグルコマンナンの水和糊を加熱練りして作成したグルコマンナンの不可逆的ゲルを原料の一部として使用して作成したことを特徴とする食物繊維ジャム又はマーマレード、および150メッシュ通過の微粉グルコマンナン、グルコマンナンの凝固剤および水の三者から作成したグルコマンナンの水和糊を加熱練りして作成したグルコマンナンの不可逆的ゲルを、砂糖および必要による酸味料ならびに加熱又は未加熱の、主原料の果実又はこれに加えて果皮とともに混練して加熱することを特徴とする食物繊維ジャム又はマーマレードの製造法」に関する発明をし、既に特許出願をした(特願2002−189135)。
【0013】
換言すれば、近年のジャムにおける欠点を改善すべくグルコマンナン(以下、単に「マンナン」と記載することがある)を主原料とし、これに凝固剤および適宜の副原料を加えて作成したマンナンの水和糊を加熱練りしたもの(マンナンの不可逆的ゲル)を、果実及び砂糖、酸味料などを適量添加混練した後、最終的に加熱(殺菌)して完成する食物繊維ジャムに関する発明である。
【0014】
本発明者は、さらに研究を続けた結果、先の発明においては、グルコマンナンを主原料とし、これに凝固剤および適宜の副原料を加えて作成したマンナンの水和糊は、ネトを防止するためなどの理由からこれを事前に加熱練りすることが必須要件であると考えられていたのに対し、予期せざることに水和糊は直ちにこれを果実及び砂糖、酸味料などを適量添加混練した後、最終的に加熱(殺菌)しても同様の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0015】
すなわち、本発明は、150メッシュ通過の微粉砕したグルコマンナン、グルコマンナンの凝固剤および水の三者から作成したグルコマンナンの水和糊を原料の一部として使用して作成することを特徴とする食物繊維コロイドジャムの製造法に関する。
【0016】
本発明の食物繊維コロイドジャムは、果実を50%、少なくとも40%以上使用することのできるジャムであって、例えば砂糖40〜60%(現状では80〜90%)、酸味料は調味効果目的に適量使用し、食物繊維グルコマンナンの不可逆的ゲルを相当量使用して最終的に加熱殺菌することによりジャム形成を安定する。この食物繊維コロイドジャムは加熱によるも溶け出しがなく、製パンにも支障なく利用することができる。さらに、ジャム製品として相当期間の保存も、防腐剤無用で可能となる等、果実の有効利用にも有用である。
【0017】
さらに、従来ジャムの構成原料であるペクチンに替えて、グルコマンナンの結合水である水和ゲルを使用する結果、各種の製造効果はもとより、菜汁が多いトマトの有用活用が新たにコロイドジャムとして伸展するなど、時代対応の重要性を併せ持っている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
先ず、マンナンの水和ゲルおよび水和糊作成について述べる。
【0020】
周知のように、水に溶解して得るマンナンの水和ゲルはCa(OH)などのアルカリ性化合物(凝固剤)と接触させて加温すると不可逆的凝固を完成する。すなわち、弾性に富む日本の伝統的食品である蒟蒻ができる。この蒟蒻は特有の臭(嫌忌臭)を内包する特殊な食品で、然もpH11.0付近以上の高アルカリ域は他に類例が無く我が国特有の食品である。今日の食生活の多様化からこのような蒟蒻は毎年衰微し、異例のアルカリ性食品は消滅の一途であり、その最たる原因は一に嫌忌臭の存在と、食品中唯一の高アルカリ域は他に存在しない欠点を持つ食品ゆえである。
【0021】
この現実を直視しながら開発されたのが本発明者の発明に係る特許第2619743号「即溶解性グルコマンナン組成物」、及び特許第3023837号「微粉グルコマンナン組成物並びにその製造法及び使用方法」に係る微粉精製したマンナンである。
【0022】
さて、本発明のジャムの製造方法で、マンナンの水和ゲル、延いてはその水和糊、最終的にはその不可逆的ゲルの作成に使用するマンナンの粒度は、水に溶解が早く且つ膨潤時間を不要ならしめるなどの見地から150メッシュ通過が適し、好ましくは160メッシュ通過、更に好ましくは180メッシュ通過である(微粉マンナン)。
【0023】
マンナンは、水に撹拌すると水和ゲルとなり、これに凝固剤を加えると水和糊となり、これを加熱すると不可逆的に変化してマンナンの不可逆的ゲルとなる。
【0024】
本発明の食物繊維コロイドジャムの製造法において、微粉マンナンを水に撹拌して水和ゲルを作成する水の量は、マンナンが容易に溶解し且つ平衡状態になりやすい量であって、この量はマンナン1重量部当たり約25〜85重量部、好ましくは約35〜65重量部である。
【0025】
水和ゲルを水和糊に変える凝固剤には特別の制限はなく、従来の食用こんにゃくに使用されているものを使用することができる。凝固剤として、Ca(OH)などのアルカリ性化合物を使用する時は、マンナンに対してそのネトを防止し、且つ凝固するための適量であって、更に特有の嫌忌臭を解消するなどの見地から、マンナンに対して2〜5%、好ましくは2.5〜3.5%の量で使用する。アルカリ剤は1種を単独に、又は2種以上を別々に若しくは混合物として使用することもできる。
【0026】
マンナンの水和糊は、微粉マンナンに凝固剤および所望による多糖類などの副原料を予め粉体混合しておき、これを水と混合撹拌して作成することもできる。混合撹拌開始の例えば5〜8分後には糊状を呈し、微粉マンナンはすでに膨潤した状態になっており適正に水和する。ここに至る過程において、水と接触し撹拌する時点の化学的変化により、鎖状のマンナン分子が水素結合して会合体を生成しコロイド状となる。
【0027】
因みに、前記した特許第2619743号の「即溶解性グルコマンナン組成物」には予じめ凝固剤を添加調整しておくことができ、また特許第3023837号の「微粉グルコマンナン組成物」には凝固剤は添加調整済であり、こられのマンナンが微粉精製されたものであることとも相まって、マンナンの水和進行と同時に、特有の嫌忌臭を気化喪失せしめて解消することができ、以後再発はないので、本発明のマンナン水和糊を作成するのに好ましいマンナンである。また、マンナンには、多糖類その他の副原料を併用することもできる(両特許公報参照)。
【0028】
ここに至るマンナン活用においての注意点は、従来の蒟蒻原料でもある精粉、又は蒟蒻芋から採取したグルコマンナンは、如何に漂白され精製したものであっても、微紛化されていないために水に撹拌して膨潤時間を凡そ60〜120分程度必要とするものは、次ぐ凝固剤の添加混練を必須とするため、この時点に発生する嫌忌臭は水和糊に包抱された状態で残留する。従って、食材や食品への活用は不都合となる。然しながら、前記特許に係わるマンナン組成物による食材利用では、特有の嫌忌臭解消が工程始めの水和と同時であり、さらにマンナン水和糊の不可逆的凝固が最終工程の加熱において完成する。
【0029】
次に、上に説明したようにして作成されたマンナンの水和糊を使用した食物繊維コロイドジャムの製造法を説明する。
【0030】
本発明の食物繊維コロイドジャムの特徴は、マンナンの水和糊を原料の一部として使用することに特徴があり、このことを除いては、その製造法は、ペクチンが不要となる他は適宜従来のジャムの製造法に準ずることができる。
【0031】
従って、主原料の果実にも特別の制限がなく、従来ジャムの原料に使用されていたものがそのまま使用されることはもちろんである。ペクチンは、前記のように、糖および酸と相俟って主としてゼリー化のために使用されているのであるが、本発明の食物繊維コロイドジャムの製造法ではペクチンを使用しない。しかしながら、本発明のジャムの製造法においても、糖を使用することはもちろんのこと、酸味料としてクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などを必要に応じて使用することのできることはいうまでもない。その他、本発明の効果の妨げとならない範囲でその他の調味料を使用することができる。
【0032】
主原料の果実は、加熱または未加熱のままでマンナンの水和糊を混合して加熱する。前記のように、マンナンの不可逆的ゲルは、加熱において完成する。
【0033】
この加熱の条件は、水和糊が不可逆的ゲルに変化し、かつ、主原料の果実はこれが特に未加熱の場合は喫食に適するように加熱されるような条件である。このような条件は、当業者であれば所与の場合に容易に定めることができるが、例えば温度90〜100℃で加熱すると30〜50分で喫食に適するものとなる。
【0034】
本発明の食物繊維コロイドジャムの製造法においては、果実はジュースの形態であってもよく、この場合はジュースは、喫食に適するように事前に加熱することは不要で、別途作成したマンナンの水和糊を混合した後、殺菌を兼ねた加熱を行なうことで充分である場合もある。
【0035】
その他の原料、例えば酸味料の添加時期も、製造の具体的場合に応じて適宜選ぶことができる。
【0036】
マンナンの水和糊、果実、糖、酸味料などの原料の使用割合については、当業者であれば目的とする製品ジャムに求める甘さや、硬さなどの物性に応じて適当な割合を選ぶことは容易である。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に説明する。
【0038】
実施例1:イチゴの食物繊維コロイドジャム
160メッシュ通過の微粉末に粉砕したマンナン10g、デキストリン10gおよびCa(OH)0.3g(合計20.3g)に水(20℃)400gを注入し小型ホイッパーによって分散し、次にハンドミキサーの最小回転で7分間攪拌してマンナンの水和糊420gを得た。一方、除蔕したイチゴ200g、グラニュー糖120gおよびクエン酸10g(合計330g)をステンレース鍋で加熱練りして濃縮した。すなわち、砂糖は3回に分けて添加し、アントシアン色素が退色しないよう配慮して90℃付近で約10分加熱混練した。また、クエン酸10gは水20gに溶解し、濃縮終了と同時に添加した。次に、上のようにして準備したマンナン水和糊とイチゴを90℃付近で約20分間加熱混練した後、約500gを蓋付きガラス瓶に収容した。
【0039】
このイチゴジャムは、食物繊維を主体にイチゴ風味を活用するコロイドジャムで、食品添加物無用の健康志向に応じる原料構成で完成した。
【0040】
実施例2:リンゴの食物繊維コロイドジャム
実施例1のイチゴのコロイドジャムにおけると同じ方法でマンナンの水和糊420gを得た。一方、紅玉リンゴ6個の皮をむき、これをスライスして1%食塩水に5分間浸して褐変防止を図り、次にこれをフードミキサーの最小回転で20秒間破砕し、次に網目の大きさ1.2〜1.8mmの裏漉器で裏漉しして、次に水100gを加え90℃付近で20分間蒸煮し、これに対し60%のグラニュー糖240g及びクエン酸15gを添加混合し約750gを得た。これに上記水和糊から250gを分取して加えて混合した。次に、耐熱瓶6本に各140gを充填密封して、100℃で30分加熱殺菌して、リンゴのコロイドジャムを収得した。
【0041】
このものは、イチゴジャム同様に好ましいジャム体を形成し、良好な性状であり、なお凡そ6か月後に該ジャム約50gを瓶から取り出し、常温から冷蔵庫、冷蔵庫から常温へ移動して性状を調べたが、離水は認めなかった。更に、電子レンジで適当に加熱したが融解もなかった。
【0042】
実施例3:オレンジの食物繊維コロイドジャム
市販のカリフォルニアオレンジ(米国産)、1個約330gを皮むきして内房、約240gを取り出し、フードミキサーの最小回転で20秒間破砕してジュース状とした。一方、実施例1におけると同じ方法により、マンナン10g、デキストリン10gおよびCa(OH)3g(合計20.3g)に、水(20℃)400gを注入し、小型ホイッパーで8分間攪拌してマンナン特有の嫌忌臭を解消したマンナン水和糊を得た。次に、上記のオレンジジュース240gにグラニュー糖250gおよびクエン酸10gを添加した後、上記のマンナン水和糊400gを添加して90℃付近で10分間加熱混練して混練物約720g収得した。次に、耐熱瓶5本に加熱混練物各140gを充填密封して、100℃で30分加熱殺菌してオレンジコロイドジャムを収得した。
【0043】
このものは、オレンジ特有の黄色と芳香を有したコロイド形状のジャムを形成し、然も従来のジャム質とは異なり、加熱しても融解しないコロイド形状は、新たに様々な食用方法の伸展を提供するに至った。
【0044】
実施例4:トマトの食物繊維コロイドジャム
市販のトマト3個(250g×3)750gを水洗いし、へた部を除去し、次にフードミキサーの最小回転で15秒間破砕した。一方、前出特許第3023837号に係わる微粉グルコマンナン組成物30gに20℃の水600gを注入し、小型ホイッパーで7分間攪拌して、水和糊約630gを収得した。次に、上記トマトの破砕物から500g、そしてマンナン水和糊から500gをそれぞれ分取して混合し(計1kg)、これを90℃付近で、始めの糊状がコロイド状に変わるまで約20分間加熱練りして、約760gのトマトコロイドジャム形状とした。次に、グラニュー糖350gおよびクエン酸20gを熱水100gに溶き、これをトマトのコロイドジャム形状物に添加し、約5分間加熱練りしてトマトのコロイドジャム1.1kgを収得した。
【0045】
このものは、加熱練りの状態で広口ビン2本に各500gを詰め蓋をして密封した。残量は常温に放置した状態で試食したが、耐熱性においても有用である点からも、新規食用方法も併せ持つトマトのコロイドジャムを確認した。
【0046】
【発明の効果】
ジャムは、果実により、果実を原形のままか、あるいは果肉だけにしたものに、適当量の砂糖を加え、濃く煮詰めたもので、果実は必ずしも原形を保つ必要がなく、崩れて混濁した状態となっているのが普通である。従って、果実の生産に於て、幅広い有効利用が提供される。然しながら、果実以外の共用原料には、ゼリー化のために寒天やペクチン、さらには各種の増粘多糖類が水と1:1の割合で使用されている。これらは加熱により溶解して不安定となり、結果的に離水して製品は劣化する。結果的に量産製品の分野から消滅し、みかけがジャムもどきの製品でつくろっている。
【0047】
ここに於て、本発明者は微粉砕したマンナンの活用から、ジャム製品の宿命的欠点である離水、特に加熱によって溶失する不安定な欠点をも解消した。その結果、和洋中は元より世界の調理食材として有用な新規食用方法を提供する。
【0048】
更にまた、多汁液の果実、例えばオレンジ類、ブドー、延いてはトマトなども本発明の食物繊維コロイドジャムへの活用が可能となり、健康志向にも応える新製品として誕生したが、果実や菜果(トマト)の新規食材活用にも新分野を提供するに至った。
【0049】
付言すると、農産品のトマトは、量産収穫が達せられるが成熟したトマトの市場への輸送は積載すると表面を傷付けたり、潰れて商品価値を失うなどのため特別の品様維持(例えば棚枠や個別囲い、更に輸送量の制限等)から格別の費用を要し、割高の価格となり、日時経過と共に価格も低下する現状である。かかる現状において、トマトの食用方法が調理食材にも及ぶコロイド形成は、産業活性効果ともに大きい。

Claims (5)

  1. 150メッシュ通過の微粉砕したグルコマンナン、グルコマンナンの凝固剤および水の三者から作成したグルコマンナンの水和糊を原料の一部として使用して作成することを特徴とする食物繊維コロイドジャムの製造法。
  2. 150メッシュ通過の微粉砕したグルコマンナン、グルコマンナンの凝固剤および水の三者から作成したグルコマンナンの水和糊を砂糖および必要による酸味料ならびに加熱又は未加熱の、主原料の果実とともに混練して加熱することを特徴とする食物繊維コロイドジャムの製造法。
  3. 該果実がトマトであることを特徴とする請求項1または2記載の食物繊維コロイドジャムの製造法。
  4. 赤色の着色に赤シソを使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食物繊維コロイドジャムの製造法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造法により作成されたことを特徴とする食物繊維コロイドジャム。
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