JP2004159240A - 自動原稿送り装置を備えた画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動原稿送り装置と読取手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記自動原稿送り装置を原稿の搬送ができない状態にして第2の原稿搬送手段を作動させたとき、前記読取手段に前記第2の原稿搬送手段からの反射光を読み取らせて汚れデータを取得し、前記汚れデータの少なくとも変動幅の大きさを判別して透明部材及び前記第2の原稿搬送手段の汚れ検出制御を行うこと。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、スキャナー、ファクシミリ等の画像記録装置に関し、特に、原稿を搬送するローラや原稿読取位置に設けられたガラス等に付着したゴミやホコリ等の汚れを検出し、黒スジの発生を防止する自動原稿送り装置を備えた画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、スキャナー、ファクシミリ等の画像記録装置により原稿に記載された文字や記号あるいは画像等の原稿データを読み取り、メモリに記憶したり複写したり、他の機器に原稿データを送信したする際に、例えば、原稿を画像記録装置の原稿読取部に設けられたガラス(プラテンガラス)面に使用者が原稿を設置して、プラテンガラスを介して原稿データを読み取る原稿設置方式と、大量の原稿を扱う場合に、大量の原稿を順序よく自動的に画像記録装置に搬送できるようにした自動原稿送り装置(ADF)を使用して、前述の原稿読取部とは異なる位置に設けられたADF用の原稿読取部で原稿を搬送させながら、ADF用のプラテンガラスを介して原稿データを読み取る原稿自動送り方式の2つの読取方式に対応した画像記録装置が多く市販されている。
【0003】
原稿設置方式の場合は、プラテンガラス面にゴミやホコリ又は何らかの付着等の汚れ(以下、単に、ゴミやホコリ等という。)がある時は、使用者がゴミやホコリに気付いて清掃するので、原稿にゴミやホコリ等がそのまま再生され、きれいな原稿の再生を妨げることは少なかった。
【0004】
しかしながら、原稿自動送り方式の場合は、使用者が原稿をプラテンガラスに設置しないので、プラテンガラスやローラの汚れに気がつかず、汚れたままの状態で原稿データを読み取らせることが多くなり、しかも、原稿を搬送させながら原稿データを読み取るため、特に、プラテンガラスが汚れている場合は、ゴミやホコリ等の汚れが黒スジとなって再生して原稿に現れ、原稿自動送り方式の場合は原稿設置方式の場合より大量の原稿を扱うことが多いだけに、この黒スジは深刻な問題となっていた。
【0005】
そこで、従来では、この黒スジの対策として、基準データと比較して汚れを検出する方式として、例えば、予め白基準原稿の白基準データを読み取りメモリに格納しておき、原稿を読み取る前に再度、白基準原稿を読み取り、判定部でメモリに格納している白基準データと比較し、その差が所定の値以上になると、判定部は読取センサが汚れていると判断し制御部に通知し、制御部は汚れの通知を受けると、表示器にクリーニングを促すメッセージを表示するとともに印字部に汚れ情報を印字するように指示し、利用者は、印字結果を見て、読取センサの汚れている部分を知ることができるようにしたもの(例えば、特許文献1参照。)、1群の原稿束から搬送される原稿の余白部における読み取りを行い、読み取りデータを異常判定ユニットで判定し異常値が検出された場合には、原稿読み取り位置を読み取り位置変更ユニットにより予め定められた方法に従い変更するようにしたもの(例えば、特許文献2参照。)、透明白色板と透過した照明光を反射する白色基準板を設け、白色基準板を原稿読取用の撮像素子で撮像し、前記白色基準板を読み取った撮像素子の出力から異物の付着を検知するようにしたもの(例えば、特許文献3参照。)等があり、汚れを検出した部分を補正する方式としては、複写機で流し読みを行なう前に、原稿読み取り部の汚れを検知したとき、ごみ補正処理部で読み取り画像の汚れ部分に相当する画素の値をその幅に応じて隣接する複数の画素の値で置き換える補正処理を行ない、また、補正効果が認められない程度の太さの黒いラインを形成する汚れは、汚れが付着していることを利用者に告知するようにしたもの(例えば、特許文献4参照。)等がある。
【0006】
しかしながら、このような基準データと比較して汚れを検知する従来の技術は、基準となる白基準原稿等を汚さないように整備しておく必要があり、また、汚れ検知を行う場合に、その都度読み取りを行う必要があるので白基準原稿等の整備保管や汚れ検出制御の操作が面倒となる。
【0007】
余白部を検知する場合も、色や柄が施された原稿の原稿データを読み取る場合には、原稿の色や柄等に影響されず汚れ検出制御の判定が正確に行えるようにするためには、多くの原稿の色の柄等のデータを記憶しておく等が必要があり、また、汚れた部分を検知して隣接する複数の画素の値で置き換える補正処理を行なうものにおいては、極めて複雑な処理が必要で、複雑な制御を行なわせるために制御回路等を作製する場合には高価なものとなる等の問題がある。
【0008】
しかも、従来の汚れ検知の技術は、ADFを使用した場合に、原稿を搬送するローラ等の汚れか原稿を読み取る読取位置に設けられたプラテンガラス等の汚れかを判別して警告表示するものではなく、また、それぞれの汚れに対して適切な処置をする等の制御は行われていなかった。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−168002号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2000−310820号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2001−136346号公報
【0012】
【特許文献4】
特開2002−77548号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、直接汚れの原因となるローラやプラテンガラス等の部材の汚れを簡単に検知でき、ローラやプラテンガラス等の汚れを判別して、それぞれの汚れに対して適切な処置を行い、安価で常に高品質な画像を得ることが可能な自動原稿送り装置を備えた画像記録装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明においては、汚れ検出制御を行う際に、原稿積載台に原稿を積載していない状態又は原稿を原稿読取部に搬送する原稿搬送ローラ等を作動させない状態、つまり、自動原稿送り装置を原稿の搬送ができない状態にして読取ローラや原稿押さえ板等を作動させることにより、プラテンガラスを通して得られた読取ローラや原稿押さえ板等からの反射光の明るさデータを汚れデータとして読み取り、作動している読取ローラや原稿押さえ板に汚れが存在する場合は汚れデータが変動し、固定されているプラテンガラスの汚れの場合は汚れデータが変動しないことを見出し、汚れデータの変動を検出することで汚れ箇所の判別ができることを見出した。
【0015】
また、汚れ検出制御を行う際に、自動原稿送り装置を使用して原稿データを読み取る場合と同じ構成を活用して汚れ検知制御を行うようにすれば、複雑な駆動機構を新たに設けることなく、制御回路も簡単になることを見出したのである。
【0016】
すなわち、請求項1に記載の発明は、原稿積載部に積載した原稿を順次自動的に原稿読取部に搬送する第1の原稿搬送手段と前記第1の原稿搬送手段により搬送された原稿を前記原稿読取部の読取位置に配設する第2の原稿搬送手段を備えた自動原稿送り装置と、前記読取位置に対向して設けられた透明部材を介して前記読取位置に光を照射し反射光を読み取る読取手段と、前記自動原稿送り装置と前記読取手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記自動原稿送り装置を原稿の搬送ができない状態にして前記第2の原稿搬送手段を作動させたとき、前記読取手段に前記第2の原稿搬送手段からの反射光を読み取らせて汚れデータを取得し、前記汚れデータの少なくとも変動幅の大きさを判別して前記透明部材及び前記第2の原稿搬送手段の汚れ検出制御を行うことを特徴とする。
【0017】
これにより、汚れ検知制御において複雑な駆動機構や複雑な制御回路を必要とせず、ローラやガラスの汚れを検出でき、また、容易にローラ汚れかガラス汚れを判別できるので、常に、高品質な原稿データの読み取りを可能とした自動原稿送り装置を備えた画像記録装置を提供できる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記汚れデータは、前記制御手段が前記第2の原稿搬送手段に対して所定の作動を行わせたとき、前記第2の原稿搬送手段の所定の範囲内で検出した少なくとも反射光の明るさの最大値及び最小値であることを特徴とする。
【0019】
これにより、反射光の明るさの最大値と最小値を読み取ればよいので、読み取るデータ量を少なくすることができ、しかも、簡単な制御回路で汚れの判別も容易にできるので汚れ検出制御が迅速に行え、安価で高品質な自動原稿送り装置を備えた画像記録装置を提供できる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、予め設定された前記第2の原稿搬送手段に対する反射光の明るさの所定幅を記憶した記憶手段を備え、前記制御手段は、前記汚れデータの前記最大値と最小値の差から変動幅を求めると共に、前記記憶手段から前記所定幅を読み出し、前記変動幅と前記所定幅とを比較し、前記変動幅が前記所定幅より大きい場合は、前記第2の原稿搬送手段の汚れと判断する汚れ検出制御を行うことを特徴とする。
【0021】
これにより、汚れデータの変動幅と所定幅を比較するだけで容易に第2の原稿搬送手段、つまり、読取ローラや原稿押さえ板等の汚れを検出できるので、汚れ検出制御が極めて簡単で迅速に行えるようになった。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記記憶手段に予め設定された前記第2の原稿搬送手段に対する反射光の明るさの閾値を記憶し、前記制御手段は、前記変動幅が前記所定幅より小さいと判断したとき前記汚れデータの最大値と前記閾値とを比較して、前記汚れデータの最大値が前記閾値より小さいときは前記透明部材の汚れと判断し、前記汚れデータの最小値が前記閾値より大きいときは汚れなしと判断する汚れ検出制御を行うことを特徴とする。
【0023】
これにより、変動幅が所定値より小さいときに、汚れデータの最小値と閾値を比較すれば、ガラス汚れか汚れ無しかが判別でき、汚れ検出制御における判別が簡単で迅速に行えるようになった。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の発明において、前記閾値と所定幅は予め前記第2の原稿搬送手段に対する反射光の明るさに関連してテーブル化して前記記憶手段に記憶され、前記制御手段が汚れ検出制御を行う際に、前記読取手段が検出した前記第2の原稿搬送手段の反射光の明るさに基づき前記閾値と所定幅を選択することを特徴とする。
【0025】
これにより、反射光の明るさに基づき閾値と所定幅を選択することができるので、より適切な汚れ検出制御が行えるようになった。
【0026】
請求項6に記載の発明は、請求項3乃至請求項5に記載の発明において、操作手段を備え、前記制御手段が前記汚れ検出制御を行う汚れ検出制御モードにおいて、前記操作手段により前記閾値又は所定幅を設定したときは、前記記憶手段に記憶されている前記閾値又は所定幅に対して優先して前記汚れ検出制御の判定に使用するようにしたことを特徴とする。
【0027】
これにより、予め設定された閾値や所定幅が変更できるので、使用者の汚れ状態の判断等に適応した汚れ検出制御が行えることになった。
【0028】
請求項7に記載の発明は、原稿積載部に積載した原稿を順次自動的に原稿読取部に搬送する第1の原稿搬送手段と前記第1の原稿搬送手段により搬送された原稿を前記原稿読取部の読取位置に配設する第2の原稿搬送手段を備えた自動原稿送り装置と、前記読取位置に対向して設けられた透明部材を介して前記読取位置に光を照射し反射光を読み取る読取手段と、前記自動原稿送り装置と前記読取手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記自動原稿送り装置を原稿の搬送ができない状態にして前記第2の原稿搬送手段を作動させたとき、前記読取手段に前記第2の原稿搬送手段からの反射光を読み取らせて汚れデータを取得し、前記汚れデータの少なくとも変動幅の大きさを判別して前記透明部材及び前記第2の原稿搬送手段の汚れ検出制御を行う自動原稿送り装置を備えた画像記録装置において、前記自動原稿送り装置は前記読取手段に対して原稿の搬送が可能な第1の位置と原稿の搬送が出来ない第2の位置に移動可能に設けられ、前記制御手段は、前記自動原稿送り装置に電源が投入されたとき、又は、前記自動原稿送り装置が原稿積載部に原稿を積載しない状態で前記第2の位置から前記第1の位置に変化したとき、又は、前記自動原稿送り装置の原稿積載部に原稿を積載して原稿の搬送を開始する前の何れかを検知したとき、汚れ検出制御を行うことを特徴とする。
【0029】
これにより、自動的に汚れ検出制御が行え、使用者を煩わせることなく、常に、高品質な原稿データの読み取りを可能とした自動原稿送り装置を備えた画像記録装置を提供できる。
【0030】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、表示手段と、少なくとも第1及び第2の汚れ検出制御モードを設定可能な操作手段を備え、前記制御手段が前記透明部材及び前記第2の原稿搬送手段の汚れを検出したとき、前記操作手段により前記第1の汚れ検出制御モードが設定されている場合は、前記表示手段に警告表示を行うと共に、前記自動原稿送り装置の作動を禁止し、前記操作手段により前記第2の汚れ検出制御モードが設定されている場合は、前記表示手段に警告表示を行うと共に、前記自動原稿送り装置の作動を可能にすることを特徴とする。
【0031】
これにより、使用者は、急ぎの原稿データの読み取りが必要なときは、汚れが検出された場合でも、予め自動原稿送り装置が作動するように選択でき、使用者の実情に合わせた便利な汚れ検知制御ができるようになった。
【0032】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載の発明において、清掃手段を備え、前記第2の原稿搬送手段がローラ部材であるとき、前記制御手段が前記第2の原稿搬送手段の汚れを検出した場合は、前記清掃手段を作動し、前記ローラ部材を清掃する制御を行うことを特徴とする。
【0033】
これにより、自動的にローラ部材の清掃ができ、常に、高品質な原稿データの読み取りを可能とした自動原稿送り装置を備えた画像記録装置を提供できる。
【0034】
請求項10に記載の発明は、原稿積載部に積載した原稿を順次自動的に原稿読取部に搬送する第1の原稿搬送手段と前記第1の原稿搬送手段により搬送された原稿を前記原稿読取部の読取位置に配設する第2の原稿搬送手段を備えた自動原稿送り装置と、前記読取位置に対向して設けられた透明部材を介して前記読取位置に光を照射し反射光を読み取る読取手段と、前記自動原稿送り装置と前記読取手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記自動原稿送り装置を原稿の搬送ができない状態にして前記第2の原稿搬送手段を作動させたとき、前記読取手段に前記第2の原稿搬送手段からの反射光を読み取らせて汚れデータを取得し、前記汚れデータの少なくとも変動幅の大きさを判別して前記透明部材及び前記第2の原稿搬送手段の汚れ検出制御を行う自動原稿送り装置を備えた画像記録装置において、前記読取手段を所定範囲で移動可能な移動手段を備え、前記制御手段が、前記透明部材の汚れを検知したとき、前記移動手段により前記読取手段を予め設定した所定距離分移動させる制御を行うことを特徴とする。
【0035】
これにより、使用者は、汚れが検出された場合に清掃しないで原稿の読み取りを行っても読取手段の位置が変更されて黒スジの無い原稿データの読み取りができ、使用者の実情に合わせた便利な汚れ検知制御ができると共に、高品質な原稿データの読み取りを可能とした自動原稿送り装置を備えた画像記録装置を提供できる。
【0036】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記制御手段が前記移動手段により前記読取手段を移動させた後の次回の汚れ検出制御で前記透明部材の汚れを検出したときは、再度、前記移動手段により前記読取手段を予め設定した所定距離分移動させ、前記透明部材の汚れを検出しなかったときは、前記移動手段による前記読取手段の移動を行わないようにしたことを特徴とする。
【0037】
これにより、使用者は、汚れが検出された場合に清掃しないで原稿の読み取りを行っても読取手段の位置が変更されて黒スジの無い原稿データの読み取りができ、使用者の実情に合わせた便利な汚れ検知制御ができると共に、高品質な原稿データの読み取りを可能とした自動原稿送り装置を備えた画像記録装置を提供できる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0039】
図1は、本発明に係る読取ローラを有する自動原稿送り装置を備えた画像記録装置の概略図である。図2は、本発明に係る原稿押さえ板を有する自動原稿送り装置を備えた画像記録装置の概略図である。図3は、本発明に係る自動原稿送り装置を備えた画像記録装置の回路構成を示すブロック図である。図4は、本発明に係る汚れ検出制御の判定方法を説明するための模式図である。図5は、本発明に係る汚れ検出制御の手順を示すフローチャートである。
【0040】
図1により、本発明の実施の形態における原稿データの読み取り構造について説明する。
【0041】
20は自動原稿送り装置(ADF)で、画像記録装置30に付設された状態を示している。
【0042】
ADF20は、筐体1で覆われ、原稿積載部H1、原稿搬送部H2、原稿読取部H3および原稿排紙部H4で構成されおり、本発明に係る制御手段としての駆動制御回路(図示せず。)により全ての作動が制御される。
【0043】
原稿積載部H1には、原稿積載台2と原稿検知手段S1が設けられており、原稿積載台2には、第1頁の表面を上にした状態で複数枚の原稿10が積載できるようになっている。
【0044】
原稿検知手段S1は、原稿積載台2上の原稿10の有無を検知するために、例えば、発光素子と受光素子等で構成されたフォトセンサまたは機械的なスイッチ等の検知手段により構成され、原稿積載台2に原稿10が積載されていることを検知したときは原稿有り信号を、原稿10が積載されていないことを検知したときには原稿なし信号を駆動制御回路に出力する。
【0045】
なお、駆動制御回路は、原稿有り信号を入力した場合は、ADF20による原稿の搬送制御を継続し、原稿なし信号を入力した場合は、搬送している原稿が排紙された後に作動完了するようになっている。
【0046】
原稿搬送部H2には、本発明の第1の原稿搬送手段である送りローラ4、一対のローラからなる搬送ローラ(A)5、搬送ローラ(B)6および原稿通過検知手段S2が設けられている。
【0047】
送りローラ4は矢印X方向に揺動可能になっており、原稿搬送時には送りモータ(図示せず。)を備えた駆動機構(図示せず。)を介して回転作動して、原稿積載台2に積載されている最上部の原稿10に当接し、1枚の原稿10を搬送ローラ(A)5方向に送る。
【0048】
搬送ローラ(A)5と搬送ローラ(B)6は、搬送・読取モータ(図示せず。)を備えた駆動機構(図示せず。)を介して回転作動し、搬送ローラ(A)5と搬送ローラ(B)6は、送りローラ4により送られた1枚の原稿10を一対のローラで挟持して回転作動することにより原稿読取部H3の読取ローラ7方向に搬送する。
【0049】
なお、本発明の実施の形態においては、搬送ローラ(A)5と搬送ローラ(B)6の2組の搬送ローラを設けたが、搬送経路の屈曲状態や長さ等に応じて組数等を変更しても良い。
【0050】
原稿通過検知手段S2は、原稿10が搬送されたことを検知するために、例えば、原稿10の後端部を検知するようになっており、フォトセンサまたは機械的なスイッチ等の検知手段により構成されていて、搬送ローラ(A)5と搬送ローラ(B)6との間の原稿搬送経路に配置され、搬送されている原稿10の後端部を検知したときに原稿通過情報を駆動制御回路に出力する。
【0051】
なお、駆動制御回路は、原稿通過情報により送りローラ4を作動させ、次の原稿の搬送を開始させるようになっている。
【0052】
原稿読取部H3には、搬送・読取モータを備えた駆動機構(図示せず。)を介して回転作動する読取ローラ7と読取ローラ7に追従して作動するローラ8が設けられ、本発明に係る第2の原稿搬送手段としての読取ローラ7は、原稿10をローラ8と挟持するように回転作動して原稿排紙部H4方向へ搬送する。
【0053】
また、原稿読取部H3では、図1における原稿読取位置に設けられた読取ローラ7の下側の筐体1には開口部11が設けられ、後述する画像記録装置30の読取手段H5により原稿データが読みとれるようになっており、読取ローラ7により読取手段H5の読取速度と同じ搬送速度で搬送されている原稿10の先端部が読取ローラ7のほぼ直下に到達すると、画像記録装置30の読取手段H5で原稿データが読み取られるようになっている。
【0054】
原稿排紙部H4には、一対のローラからなる排紙ローラ9と排紙皿3が設けられており、原稿データの読取が完了した原稿10が搬送されて来ると、排紙モータ(図示せず。)を備えた駆動機構(図示せず。)が作動し、排紙ローラ9は原稿10を一対のローラで挟持して、回転作動することにより排紙皿3に搬送し、原稿積載台2から排紙皿3に至る搬送経路(矢印Y)を経て原稿10の搬送が終了する。
【0055】
画像記録装置30の読取手段H5は、ADF20の原稿読取位置である開口部11に対向して枠体31に設けられたプラテンガラス(A)32、光源34、反射鏡35、結像光学系36および位置が固定された読取センサ37等が設けられている。
【0056】
読取手段H5でADF20を使用して原稿データを読み取る場合は、図1に示す原稿読取位置において、光源34によりプラテンガラス(A)32を通して原稿10の表面を照射し、反射した光を反射鏡35で結像光学系36に導き、結像光学系36によりCCD等の光電変換素子からなる読取センサ37の光電面に原稿像を結像させた後、電気信号に変換し、例えば、デジタル化した原稿データとする。
【0057】
また、プラテンガラス(B)33上に原稿を設置して原稿データを読み取る場合は、ADF20が画像記録装置30のプラテンガラス(B)33に対して開閉作動するようになっており、使用者によりADF20が画像記録装置30のプラテンガラス(B)33上の位置(第1の位置)からプラテンガラス(B)33から隔てた位置(第2の位置)に移動させられ、次に使用者がプラテンガラス(B)33上に原稿を設置した後に、再びADF20をプラテンガラス(B)33上の位置(第1の位置)に戻し、図示せぬ作動開始釦を押すことにより、詳細は割愛するが、読取手段H5が原稿データを読み取るようになっている。
【0058】
なお、読取手段H5は、本発明の実施の形態においては、説明を簡単にするために、光源34、反射鏡35、結像光学系36の構成に関しては簡単な構成を示しているが、従来公知の構成を使用しても良いことはいうまでもない。
【0059】
そして、画像記録装置30が複写機の場合は、この読み取られた原稿データに基づき複写原稿を形成し、画像記録装置30がファクシミリやスキャナーの場合は、この原稿データを送信したり、記憶装置に記憶するようにすればよい。
【0060】
また、詳細は後述するが、本発明に係る汚れ検出制御を行う場合は、本発明の実施の形態では、前述のADF20を使用して原稿データを読み取る場合と同様に図1に示す原稿読取位置において、駆動制御回路は、少なくとも読取ローラ7を回転させて、光源34によりプラテンガラス(A)32を通して読取ローラ7の表面を照射し、反射した光を反射鏡35で結像光学系36に導き、結像光学系36によりCCD等の光電変換素子からなる読取センサ37の光電面に結像させた後、電気信号に変換し、例えば、読取ローラ7またはプラテンガラス(A)32のデジタル化した明るさデータとする。
【0061】
また、図1において実線と波線で示された光源34、反射鏡35、結像光学系36は、読取ローラ7の汚れが検出されたとき、原稿読取位置が変更できるように図示せぬ読取手段移動装置により図1において左右方向の所定の距離の範囲内で移動できるようにして、汚れのない位置で原稿データの読み取りを行うようにした。
【0062】
更に、読取ローラ7の近傍に設けられた清掃手段12は、例えば、ブラシ状の物や海綿状の物あるいは布状の物等により構成され、ローラ汚れと判定された際に、駆動制御回路が図示せぬ駆動機構により清掃手段12を読取ローラ7に当接させ、所定時間あるいは読取ローラ7の所定回転数が終了すると当接を解除して清掃を完了するようにしている。
【0063】
読取手段H5に設けられた移動位置センサS3は、ADF20を使用して原稿データを読み取るときや汚れ検出制御を行うとき、あるいは汚れが検出されたとき等の場合に、読取手段H5の光源34、反射鏡35、結像光学系36を読取手段移動装置で移動させる際に、移動の基準となる位置や移動した位置を検出するためのセンサで、本発明の実施の形態においては、図1のように反射鏡35の下端部検出するように配置しているが、移動の基準となる位置や移動した位置を検出できる位置であれば、配置もこの位置に限定されるものではなく、また、どのような手段のセンサを用いても良い。
【0064】
図2は、図1の読取ローラ7の代わりに原稿押さえ板を有するADF20の他の構造を示すもので、図1と同じ機能や性能等を示すものには同じ記号を付しており説明は省略する。
【0065】
図1との構造上の相異は、図2において原稿搬送部H2に一対の搬送ローラ(C)8を加えて原稿を原稿読取部H3に搬送し易いようにすると共に、図1における読取ローラ7の代わりに原稿読取部H3において、原稿読取部の開口11の位置で筐体1と原稿が通過するだけの間隔を隔てた原稿押さえ板7が設けられた点である。
【0066】
本発明に係る汚れ検出制御を行う場合には、図1における読取ローラ7の代わりに原稿押さえ板7が矢印Zで示されるように、図2において左右方向に予め設定された所定の作動を行う。
【0067】
なお、図1と同様に実線と波線で示された光源34、反射鏡35、結像光学系36は、原稿押さえ板7の汚れが検出されたとき、原稿読取位置が変更できるように図示せぬ読取手段移動装置により図2において左右方向の所定の距離の範囲内で移動できるようにしている。
【0068】
図3により、本発明の実施の形態における自動原稿送り装置を備えた画像記録装置の駆動制御回路の構成について説明する。
【0069】
100は自動原稿送り装置を備えた画像記録装置の駆動制御回路の全体を示しており、駆動制御回路100には、予め記憶されたプログラムに基づき全体のシステムを制御するCPU110が設けられ、CPU110には、情報制御回路120、画像処理制御回路140、スキャナー制御回路150、および電源回路160が接続されている。
【0070】
また、駆動制御回路100は、インタフェース(I/F)130を介して外部の情報機器200、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等と接続して、各種情報の授受ができるようになっている。
【0071】
情報制御回路120は、CPU110の指示により作動し、全体のシステムが円滑に作動するために必要な各種情報の入出力等を適切なタイミングで円滑に行う機能を有し、各種情報を適切に制御したり記憶するための記憶手段123や適宜に必要な情報を使用者に告知するための表示手段121、また、必要なデータ等の情報や各種モードを設定したり選択したりする操作手段122を備えてる。
【0072】
表示手段121は、例えば、液晶等を使用した表示部等を備え、情報制御回路120と連携して、例えば、各種モードを設定したり選択したりするための操作表示や後述する汚れ検出制御において汚れを検出したときの警告表示、あるいは操作手段122で入力したデータやモード等の表示を行うものである。
【0073】
操作手段122は、使用者が数字や記号等によりデータを入力したり、各種モードを選択したりするためのもので、例えば、複数のボタンからなるキーボードや、使用者が数字や記号又は画像の印刷された部材の表面に触れると、印刷された数字等に対応したデータが入力できるタッチパネル等により構成されている。
【0074】
後述する汚れ検出制御においては、明るさデータを判定する際に使用する所定幅や閾値を、判定の結果を見て調整できるように設定値を変更したり、汚れ検出制御の判定に基づく各種処理作動のモード等の選択設定を行うために予め定められた設定方法に従って入力できるようにしている。
【0075】
記憶手段123は、各種情報を記憶するもので、各種情報としては、作動状態等を検出する各種センサ等による検出情報やADFや画像記録装置等の作動を制御する制御データあるいは制御プログラム、および読取手段151や外部の情報機器200から入力された画像データ等が記憶されている。
【0076】
また、後述する汚れ検出制御においては、読取手段151で読み取られた明るさデータや明るさデータを判定する際に使用する所定幅や閾値、又は明るさデータに基づく所定幅や閾値のテーブル、あるいは、汚れ検出制御の判定に基づく各種処理作動のプログラム等が記憶されている。
【0077】
画像処理制御回路140は、CPU110の指示や情報制御回路120あるいはスキャナー制御回路150と連携して作動し、読取手段151で読み取った原稿の画像や文字情報等の原稿データ(以下、画像データともいう。)、また、外部の情報機器200から入力された画像データ、あるいは記憶手段123に記憶されている画像データ等を適切なデータ等に変換したりするデータ処理機能を有している。
【0078】
なお、画像処理制御回路140で処理された画像データの画像形成を行う場合は、例えば、駆動制御回路100に画像形成手段(図示せず。)を備えているときは画像形成手段により画像形成を行うことができ、画像形成手段を備えていないときは、情報制御回路120を介して、外部の情報機器200のプリンタ等により画像形成ができるようになっている。
【0079】
後述する汚れ検出制御においては、読取手段151で読み取った明るさデータ(以下、汚れデータともいう。)をデジタル値に変換して、最大値(Max値)や最小値(Min値)を求めたり、Max値とMin値の差分の変動幅を求めて、情報制御回路120を介して予め記憶手段123に記憶している所定幅や閾値と比較して汚れ検出制御の判定を行うようになっている。
【0080】
スキャナー制御回路150は、CPU110の指示により画像処理制御回路140と連携して、ADF(図示せず。)を適切に作動させたり、読取手段151により原稿データを適切に読み取ったりする作動を制御するもので、例えば、ADFを使用して原稿データを読み取る場合には、読取手段移動装置(図示せず。)により読取手段151をADF用の所定の読取位置に設定移動した後、ADF駆動手段152によりADFの搬送ローラや読取ローラ等の搬送装置(図示せず。)を作動させて原稿データを読み取らせ、ADFを使用せず使用者が手動で原稿を図1に示すプラテンガラス(B)33上に設置して原稿データを読み取る場合は、読取手段移動装置により読取手段151を手動による場合の所定の読取位置に設定移動した後、読取手段151により原稿データを読み取るようになっている。
【0081】
また、後述する汚れ検出制御においては、同様に読取手段移動装置により読取手段151をADF用の所定の読取位置に設定移動した後、読取ローラや原稿押さえ板の明るさデータを汚れデータとして読み取るようになっている。
【0082】
また、汚れ検出制御の判定結果により、読取手段151の読取位置を移動する場合は、読取手段移動装置により予め設定されたプログラムに従い読取手段151を所定の距離の単位で移動するようになっている。
【0083】
読取手段151は、図1に示すように、光源34、反射鏡35、結像光学系36と固定された読取センサ37等で構成され、原稿データを読み取るようになっている。
【0084】
読取手段151は、読取手段移動装置により移動可能になっており、前述のようにADFを使用した場合は、図1に示すプラテンガラス(A)32を通して読取位置で原稿データが読み取れるように移動し、使用者が図1に示すプラテンガラス(B)33上に原稿を設置した場合は、プラテンガラス(B)33上の原稿を走査して原稿データを読み取るようになっている。
【0085】
そして、読取手段移動装置により移動された読取手段151の位置が所定位置にあるか否かは、本発明の実施の形態においては、図1に示す移動位置センサS3により反射鏡35の下端部を検出して、その出力情報をスキャナー制御回路150に出力することによりスキャナー制御回路150がその位置を判断して、移動の制御が行われる。
【0086】
ADF駆動手段152は、スキャナー制御回路151の支持により、図1に示す送りローラ4、搬送ローラ(A)5、搬送ローラ(B)6、読取ローラ7、排紙ローラ9等の回転作動を制御するもので、それぞれのローラを駆動するモータ(図示せず)を予め設定されたプログラムに従い作動させ、所定の搬送速度や読取速度で適切な原稿データの読み取りが実行できるように制御する。
【0087】
移動位置センサ153(図1及び図2のS3)は、前述のように、読取手段151の移動位置を検出するセンサである。また、本発明の実施の形態においては、説明を簡単にするために、図1に示す反射鏡35の下端部を検出するようにしているが、検出方式はこれに限るものではなく、移動位置が適宜検出できるセンサであれば、特にセンサの種類や形式等を限定するものでもなく、従来公知のセンサを適宜選択して使用しても良いことはいうまでもない。
【0088】
電源回路160は、駆動制御回路100全体に適切な電力を供給するもので、スイッチ手段(図示せず。)を使用者が作動させ時に電源の投入や遮断を行ったり、CPU110と連携して電源の遮断を行ったりするようになっている。
【0089】
図1と図2を参照して、本発明に係る汚れ検出制御方法に関して説明する。
本発明に係る汚れ検出制御は、ADFを使用した場合に、本発明に係る透明部材としてのる図1のプラテンガラス(A)32及び第2の原稿搬送手段である読取ローラ7又は図2の原稿押さえ板に付着したゴミやホコリ等に起因して発生する黒スジを防止するためのものである。
【0090】
従って、説明を簡単にするために、図1におけるプラテンガラス(B)33上に原稿が設置されていないことを前提にして説明する。
【0091】
また、本発明に係る制御手段に関しても、前述の図3による駆動制御回路の構成の説明で作動について詳細な説明をしたので、ここでは単に駆動制御回路として詳細な説明を割愛する。
【0092】
本発明の実施の形態において、汚れ検出制御を行う場合は、以下の3通りの場合がある。
【0093】
(1)駆動制御回路が、ADF20に電源が投入されたことを、例えば、電源スイッチ(図示せず。)からの電源投入情報により検知したとき。
【0094】
(2)ADF20が原稿積載部に原稿を積載しない状態で、ADF20が画像記録装置30のプラテンガラス(B)33から隔てた位置(第2の位置)から再びADF20をプラテンガラス(B)33上の位置(第1の位置)に戻されたことを、例えば、原稿検知手段S1やADF開閉センサ(図示せず。)等が検出した情報により検知したとき。
【0095】
(3)ADF20の原稿積載部に原稿を積載して原稿の搬送を開始する前であることを、例えば、原稿検知手段S1や作動開始スイッチ(図示せず。)等が検出した情報により検知したときに、汚れ検出制御モードを設定し、汚れ検出制御作動を開始する。
【0096】
勿論、前記3通りの場合に全て汚れ検出制御を行うようにするばかりでなく、操作手段により、予め前記3通りの中から何れか1つの場合に、汚れ検出制御を実行するようにモードを選択できるようにしても良い。
【0097】
汚れ検出制御モードにおいて、駆動制御回路は、図1又は図2における読取手段H5の光源34、反射鏡35、結像光学系36等が、ADFを使用して原稿を読み取る場合の図1又は図2の図示位置にあるか否かを移動位置センサS3で確認し、ADFを使用して原稿を読み取る場合の図1又は図2の図示位置に無い場合は、図1又は図2の図示位置に読取手段移動装置(図示せず。)により読取手段を移動させる。
【0098】
続いて、駆動制御回路は、第1の原稿搬送手段である送りローラ4や搬送ローラ(A)5及び搬送ローラ(B)6等を作動させず、第2の原稿搬送手段である図1の読取ローラ7又は図2の原稿押さえ板7を作動させて明るさデータを読み取る。
【0099】
つまり、汚れ検出制御を行う場合は、読取ローラ7又は図2の原稿押さえ板7の反射光を読み取るので、ADFを原稿を搬送できない状態にすることが必要で、原稿を搬送できない状態とは、1つには原稿積載台2に原稿を積載しないことであり、もう1つは第1の原稿搬送手段を作動させないようにすることで、少なくとも何れか1つの条件を満たすようにすればよいが、装置側からすれば第1の原稿搬送手段を作動させないようにすることが簡単である。
【0100】
図1においては読取ローラ7を回転させ、図2においては原稿押さえ板7を矢印Z方向に予め設定されたプログラムに従い往復作動させ、プラテンガラス(A)32を通して図1の読取ローラ7(以下、単に、読取ローラ7という。)又は図2の原稿押さえ板7(以下、単に、原稿押さえ板7という。)の表面を光源34で照射し、プラテンガラス(A)32を通して反射した光を反射鏡35で結像光学系36に導き、結像光学系36によりCCD等の光電変換素子からなる読取センサ37の光電面に結像させた後、電気信号に変換し、例えば、第2の原稿搬送手段(読取ローラ7、原稿押さえ板7)及びプラテンガラス(A)32のデジタル化した明るさデータとする。
【0101】
明るさデータは、読取ローラ7又は原稿押さえ板7の軸方向の長さに対応して設けられた、例えばN個の画素数に相当するCCD数を有するラインCCDからなる読取センサ37により読み取るものとし、対象が読取ローラ7の場合は、1つの画素に相当する1個のCCDで読取ローラ7を1回転させて1回転分(1作動分)の明るさデータを読み取るようになっており、読取ローラ7の1回転で、同時に軸方向(図1の図面に対して垂直方向)の全ての明るさデータを読取センサ37で読み取るように成っている。
【0102】
同様に、対象が原稿押さえ板7の場合は、1つの画素に相当する1個のCCDで原稿押さえ板7を、例えば、図2の矢印Z方向の片側の右方向又は左方向に1回作動させて、片側の右方向又は左方向(1作動分)の明るさデータを同時に読み取るようになっている。
【0103】
勿論、軸方向のCCDを順次切り換えて読取ローラ7や原稿押さえ板7の軸方向の全ての明るさデータを記憶手段に蓄積した後に、記憶手段から明るさデータを読み出して汚れ判定を行いローラ汚れ処理やガラス汚れ処理の作動を実行するようにしても良い。
【0104】
また、明るさデータを読み取る場合、読取ローラ7や原稿押さえ板7の1作動分の明るさデータを距離間隔を小さくして細かく読み取ると、明るさデータを記憶するメモリの容量が大きくなったり、明るさデータ読取完了までの時間がかかるので、黒スジが発生するゴミやホコリ等の大きさが想定できる場合等においては、その大きさが検出できる範囲の適宜の距離間隔を設定して、明るさデータを飛び飛びに読み取るようにしてメモリの容量や時間の効率化を図っても良い。また、同様に、軸方向に関しても明るさデータを飛び飛びに読み取るようにしても良い。
【0105】
明るさデータは、例えば、予め8ビットのデジタル値で256段階のレベルに区分し、255を白(明)、0を黒(暗)と設定しておき、読み取った明るさデータを、駆動制御回路では、例えば、8ビットの256通りのデジタル値に変換すると共に、明るさデータの最大値(Max値)と最小値(Min値)を求め、後述するMax値とMin値の差分の変動幅を求めるようになっている。
【0106】
なお、読み取った明るさデータをデジタル値に変換する際に、読み取った明るさのレベルを適正にし、後述する汚れ検出制御の判定を常に正確に行えるように、使用する読取手段H5の光源34、反射鏡35、結像光学系36及び読取センサ37を用いて、予め基準白板の明るさデータを読み取っておき、実際に読み取った明るさデータを基準白板の明るさデータに基づき正規化する校正や補正を適宜に行うようにすることが望ましい。
【0107】
汚れ検出制御における明るさデータの判定方法に関して説明する。
前述の読取手段H5の読取センサ37で読み取った明るさデータから汚れを判定するためには、明るさデータの他に、明るさデータのMax値とMin値、変動幅及び予め設定した所定幅、閾値が必要となる。
【0108】
所定幅は、読取ローラ7や原稿押さえ板7あるいはプラテンガラス(A)32に製品のばらつき等が生じた際に、明るさデータの明るさのレベルが変動することを予測して、予め実験等で得られた明るさデータに基づき予め明るさのレベル等の変動を許容する幅を設定したものである。
【0109】
閾値は、同様に製品のばらつき等が生じても、少なくとも汚れがない場合に得られるであろうと予測される明るさデータの下限値を示し、予め実験等で得られた明るさデータに基づき設定したものである。
【0110】
Max値は、検出した明るさデータの最大値であり、Min値は最小値である。
【0111】
変動幅は、前述のように駆動制御回路が読取ローラ7又は原稿押さえ板7の1作動分の明るさデータのMax値とMin値の差分を変動幅として求めたもので、変動幅が小さい場合は、ゴミやホコリ等の汚れの変化が少ない、つまり、均一に汚れているか、あるいは汚れがない又は極めて汚れが少ないことを示し、変動幅が大きいときは、ゴミやホコリ等の汚れの大きい部分と汚れていない部分が存在することを示している。
【0112】
なお、所定幅又は閾値は、前述のように予め設定した値をメモリに記憶したものを使用するようにしても良く、また、汚れ検出制御における判定の結果を見ながら、適切な判定が行えるように、例えば、汚れ検出制御モードにおいて、操作手段(図示せず。)により、適宜、所定幅又は閾値の設定値を入力できるようにしても良く、あるいは、明るさのレベルにより所定幅又は閾値が選択できるように、明るさデータの明るさのレベルに基づき所定幅又は閾値の設定値をテーブル化して記憶手段に記憶しておき、駆動制御回路が、読取センサ37で明るさデータを読み取ったとき、明るさデータのMax値やMin値等から明るさのレベルを検出して、その明るさのレベルに基づきテーブルから所定幅又は閾値の設定値を読み出し、判定の際に使用するようにしても良い。
【0113】
なお、テーブル化する場合の明るさのレベルは、例えば、前述の256段階の明るさデータのレベルを、明るい、やや明るい、標準、やや暗い、暗い等の5段階程度になるように設定すると、判定の際に制御も複雑にならず好ましい。
【0114】
汚れ検出制御の判定に関して、更に図4を参照して詳細に説明する。
図4の(イ)図、(ロ)図、(ハ)図は、縦軸に明るさ(明〜暗)を示し、横軸に読取ローラ7又は原稿押さえ板7の1作動分の移動距離(0〜1)を示し、前述のラインCCDの1つの画素に相当する1個のCCDにより得られた明るさデータDを記入したグラフである。
【0115】
判定は、基本的には、読取ローラ7や原稿押さえ板7の1作動分の明るさデータの変動幅と所定幅とを比較し、次に、前述の明るさデータのMax値と閾値を比較することにより汚れを判定する。
【0116】
(A)明るさデータの変動幅と所定幅とを比較した際に、所定幅より変動幅が大きいときは、読取ローラ7又は原稿押さえ板7の汚れと判定する。
【0117】
(イ)図の場合が、これに相当し、明るさデータDの変動幅と所定幅とを比較すると、所定幅より変動幅の方が大きく、次に、明るさデータDのMin値やMax値と閾値を比較すると、Min値が閾値より大きいことが解る。
【0118】
つまり、仮に、プラテンガラス(A)32にゴミやホコリ等の汚れが付着している場合は、プラテンガラス(A)32は静止しているので、プラテンガラス(A)32に付着しているゴミやホコリ等の汚れを通して得られた明るさデータはゴミやホコリ等の影響を受けて明るさのレベルが低く変動が少ないはずである。
【0119】
また、明るさデータが所定幅より大きく変動するということは明るさのレベルが高く、汚れている部分と汚れていない部分が存在することを示し、しかも、汚れている部分と汚れていない部分を検出するということは、作動している読取ローラ7や原稿押さえ板7に付着した汚れを検出したものであると判断できるからである。
【0120】
従って、この場合は、所定幅より変動幅が大きということで明るさのレベルが高いことを示すことになるから、明るさのレベルを判断するためのMin値と閾値を比較することは行わなくても良い。
【0121】
(B)明るさデータの変動幅と所定幅とを比較した際に、所定幅より変動幅が小さいときは、Min値と閾値を比較する。
【0122】
(B−1)所定幅より変動幅が小さく、Min値が閾値より大きいときは、汚れ無しと判定する。
【0123】
(ロ)図の場合が、これに相当し、明るさデータDの変動幅と所定幅とを比較すると、所定幅より変動幅の方が小さく、次に、明るさデータDのMin値と閾値を比較すると、Min値が閾値より大きいことが解る。
【0124】
つまり、所定幅より変動幅が少ないということは、前述のように読取ローラ7又は原稿押さえ板7あるいはプラテンガラス(A)32が均一に汚れているか又は汚れがないことを示し、また、Min値が閾値より大きいことから明るさのレベルは高いと判断できるので、少なくとも黒スジの影響が出るほどには汚れていないと判断できる。
【0125】
(B−2)所定幅より変動幅が小さく、Max値が閾値より小さいときは、プラテンガラス(A)32の汚れと判定する。
【0126】
(ハ)図の場合が、これに相当し、明るさデータDの変動幅と所定幅とを比較すると、所定幅より変動幅の方が小さく、次に、明るさデータDのMax値と閾値を比較すると、Max値が閾値より小さいことが解る。
【0127】
つまり、所定幅より変動幅が少ないということは、前述のように読取ローラ7又は原稿押さえ板7あるいはプラテンガラス(A)32が均一に汚れているか又は汚れがないことを示し、また、Max値が閾値より小さいことから明るさのレベルがかなり低いと判断できるので、読取ローラ7又は原稿押さえ板7あるいはプラテンガラス(A)32が均一にひどく汚れていると考えられる。
【0128】
しかしながら、読取ローラ7又は原稿押さえ板7に関しては、読取ローラ7又は原稿押さえ板7を作動させて明るさデータを読み取っているので、読取ローラ7又は原稿押さえ板7が汚れている場合には、前述のように明るさデータが変動するはずであり、明るさデータが変動しないで均一にひどく汚れた状態を示すことは極めて希なことと考えられる。
【0129】
また、一般に原稿データを読み取る場合に、黒スジの発生原因となるのは原稿面と対向するプラテンガラス(A)32が汚れている場合であり、これを考慮すると、読取ローラ7又は原稿押さえ板7が作動する範囲が均一にひどく汚れていると判断するより、むしろプラテンガラス(A)32に付着した汚れの影響が大きいと判断するのが自然であると考えられる。
【0130】
従って、この場合は、プラテンガラス(A)32の汚れと判断することにしている。
【0131】
以上により、本発明の実施の形態においては、読取ローラ7又は原稿押さえ板7を作動させ、プラテンガラス(A)32を通して反射した光を読取センサ37で明るさデータとして読み取り、この明るさデータを所定幅や閾値により判定することにより汚れを検出するようにしたので、特に、基準とする白板等とのデータ比較を常時行うことなく、簡単に、汚れを検出でき、読取ローラ7又は原稿押さえ板7あるいはプラテンガラス(A)32の何れの汚れかを判定できる。
【0132】
図1を参照して、図5により汚れ検出制御の手順を説明する。
説明を簡単にするため、図1の第2の原稿搬送手段が読取ローラ7で有る場合について説明する。
【0133】
なお、図2の第2の原稿搬送手段が原稿押さえ板7の場合は、読取ローラ7は回転し明るさデータを読み取るときは1回転させるのに対し、原稿押さえ板7は図2の矢印Z方向に往復作動し、明るさデータを読み取るときは矢印Z方向の往復作動のうち何れか片側の1方向に作動した場合が読取ローラ7の1回転に相当する作動を行う点が異なるだけである。
【0134】
また、明るさデータは、前述のように読取ローラ7の軸方向(図1の図面に対して垂直方向)の長さに対応して設けられた、例えばN個の画素数に相当するCCD数を有するラインCCDからなる読取センサ37により読み取るものとし、原稿押さえ板7の場合も同様とする。
【0135】
(ST1)
読取手段の設定を行うステップである。例えば、図1において読取手段H5の光源34、反射鏡35、結像光学系36等がADFを使用して原稿を読み取る場合と同様に、図1に示す所定の位置にあるか否かを移動位置センサS3等で確認し、所定の位置にない場合は、駆動制御回路(図示せず)により図示せぬ読取手段移動装置により読取手段H5を図1に示す所定の位置に設定する。
【0136】
(ST2)
作動を開始するステップである。駆動制御回路は読取ローラ7の作動を開始する。
【0137】
(ST3)
明るさデータの読み取りを開始するステップである。駆動制御回路は読取手段H5の光源34で読取ローラ7を照射し、プラテンガラス(A)32を通した反射光を反射鏡35、結像光学系36を介して読取センサ37で読み取り、明るさデータを、例えば、デジタル値に変換して記憶手段(図示せず。)に記憶する。
【0138】
(ST4)
読取ローラ7が1作動分の1回転を終了したか否かを判断するステップである。つまり、駆動制御回路は読取ローラ7の1回転分(1作動分)の明るさデータを読み取ったか否かを判断し、1回転分の明るさデータの読み取りが終了するまで読み取りを続け、読み取りが終了すると、次のST5ステップに進む。
【0139】
(ST5)
読取終了により読み取り作動を終了するステップである。駆動制御回路は読取ローラ7の回転作動と読取センサ37の読み取り作動を終了させ、次のST6ステップに進む。
【0140】
(ST6)
データ変換を行うステップである。駆動制御回路は読取センサ37の1つの画素に相当する1個のCCDの1作動分の明るさデータを記憶手段から読み出し、Max値とMin値を求め、更に、Max値とMin値の差分を変動幅として求め、求められたそれぞれのデータを記憶手段に記憶して、次のST7ステップに進む。
【0141】
(ST7)
変動幅が所定幅より小さいか否かを判定するステップである。駆動制御回路は予め設定された所定幅とST5のステップで求められた読取センサ37の1つの画素に相当する1個のCCDの1作動分の明るさデータの変動幅とを記憶手段から読み出し、所定幅と変動幅と比較し、変動幅が所定幅より大きいときはローラ汚れと判定(原稿押さえ板7の汚れ場合は、原稿押さえ板7の汚れと判定する。)しST10に飛ぶ。変動幅が所定幅より小さいときは、次のST7ステップに進む。
【0142】
(ST8)
Max値が閾値より大きいか否かを判定するステップである。変動幅が所定幅より小さいことがST6のステップで確認されたので、明るさのレベルを判定する。駆動制御回路は予め設定された閾値とST5のステップで求められた読取センサ37の1つの画素に相当する1個のCCDの1作動分の明るさデータのMax値を記憶手段から読み出し、閾値とMax値とを比較し、Max値が閾値より小さいときはガラス汚れと判定しST11に飛ぶ。Min値が閾値より大きいときは、次のST8ステップに進む。
【0143】
(ST9)
汚れ無し処理を行うステップである。変動幅が所定幅より小さく、Min値が閾値より大きい場合にこのステップに到達するので、このステップでは汚れ無しと判定し、汚れ無し処理の作動を実行する。汚れなし処理としては、例えば、表示手段(図示せず)に汚れ無しと表示を行ない、使用者に安心させる。なお、汚れなしの場合は、特に、表示を行わないで、次のST9ステップに進んでも良い。
【0144】
(ST10)
全画素確認したか否かを判断するステップである。駆動制御回路は判定回数カウンタを備え、判定回数カウンタが判定回数n=N(全てのCCD数に相当する数)になっていない場合は、判定回数としてn=n+1を設定し、次のCCDの明るさデータの判定を行うためにST6に飛ぶ。
【0145】
また、判定回数カウンタがn=Nであれば、汚れ検出制御に関する全ての作動を終了する。
【0146】
(ST11)
ローラ汚れ処理の作動を実行するステップである。このステップでは、ローラ汚れと判断された場合に予め設定されたローラ汚れ処理の作動を実行するようにしている。
【0147】
ローラ汚れ処理としては、例えば、表示手段(図示せず)にローラ汚れと表示し警告表示を行うと共に、ADFの作動を禁止するモードや表示手段にローラ汚れの警告表示を行うのみでADFの作動を許容するモード、あるいは、表示手段にローラ汚れの警告表示を行うと共に、図1に示すように読取ローラ7の近傍にローラ清掃手段12を設け、ローラ汚れと判定されたときは、駆動制御回路は、直ちに読取ローラ7を回転させると共に、ローラ清掃手段12を読取ローラ7に押しつけることにより読取ローラを清掃するようにするモード等を実行するようにしており、使用者は、何れかのモードを実行できるように操作手段(図示せず)で予めモードを選択し設定することができるようになっている。
【0148】
なお、原稿押さえ板7の汚れの場合は、表示手段に原稿押さえ板7の汚れであることを表示するが、清掃手段12による清掃は行わない。
【0149】
(ST12)
ガラス汚れ処理の作動を実行するステップである。このステップでは、ガラス汚れと判断された場合に予め設定されたガラス汚れ処理の作動を実行するようにしている。
【0150】
ガラス汚れ処理としては、例えば、表示手段にガラス汚れの警告表示を行うと共に、ADFの作動を禁止するモードや表示手段にガラス汚れの警告表示を行うのみでADFの作動を許容するモード等を実行するようになっており、使用者は、何れかのモードを実行できるように操作手段(図示せず)で予めモードを選択し設定することができるようになっている。
【0151】
また、ガラス汚れ処理の1つとして、読取手段H5を図1の実線と波線で示すように所定距離の範囲で予め設定した距離単位で移動できるようにしており、ガラス汚れと判定されたときに、駆動制御回路は図示せぬ読取手段移動装置を作動させ、予め設定した距離分だけ移動させるモードを備えており、使用者が操作手段でこのモードを設定できるようになっている。
【0152】
これは、例えば、清掃する時間が無く直ちに原稿データを読み取らせて、原稿データの複写や送信を行いたい場合や、プラテンガラス(A)32の原稿読取位置にゴミやホコリ等の汚れだけではなく清掃では簡単に除去できない汚れや微少のキズが付いたような場合でも黒スジ等の発生のない原稿データが得られるようにしたものである。
【0153】
なお、読取手段H5を移動させた後の次回の汚れ検知制御を実行したときに、再度汚れが検知された場合は再度予め設定した距離単位で移動させ、汚れが検知されなかった場合は移動させず、現在の読取手段H5の位置を継続して使用して原稿データの読み取りを行うようにしている。
【0154】
以上に説明した汚れ検出制御においては、ローラ汚れやガラス汚れと判定された際に、使用者にローラ汚れやガラス汚れを表示手段に表示して告知することで、一刻も早く読取ローラ7又は原稿押さえ板7やプラテンガラス(A)32の清掃を促し、黒スジ等の防止を行うようにするため、直ちにローラ汚れ処理やガラス汚れ処理の作動を実行するようにしているが、全ての判定が終了した後に、ローラ汚れ処理やガラス汚れ処理の作動を実行するようにしても良い。
【0155】
また、汚れが検出された箇所のデータを汚れ箇所データとして、例えば、n番目のCCDで検出したときの汚れ箇所データとして記憶手段に記臆しておき、警告表示をするときに汚れの告知と共に汚れ箇所データに基づき汚れ箇所を表示すれば、使用者は汚れの発生箇所を特定することができるので清掃を迅速に行え便利である。
【0156】
なお、警告表示として、表示手段にローラ汚れやガラス汚れを文字情報として表示するだけでなく、ランプや発光素子を点滅させたり、ブザーで警告音を発するようにしても良い。
【0157】
本発明の実施の形態においては、汚れ検出制御を行う場合、白基準板等の部材を必要とせず、ADFを使用した原稿データの読み取り作動と同様な作動を行わせるだけで、簡単に読取ローラや原稿押さえ板あるいはプラテンガラスの汚れを検知できるので、常に、黒スジの発生のない原稿データの読み取りが行え、画像記録装置が複写機やファクシミリ、スキャナー等の何れであっても、高品質な原稿データの複写や送信、あるいは原稿データの記録が行えるようになった。
【0158】
【発明の効果】
原稿データを読み取る読取手段を使用し、ADFの読取ローラや原稿押さえ板を作動させるだけで汚れ検出制御が行え、しかも、明るさデータの変動幅や最小値を予め設定した所定幅や閾値と比較するだけで、読取ローラ又は原稿押さえ板の汚れかプラテンガラスの汚れかを簡単に識別できるので、制御回路も複雑にならず、特別な駆動装置を設けることもなく、安価で高品質な原稿データの読み取りを可能とした自動原稿送り装置を備えた画像記録装置を提供できる。
【0159】
また、汚れが検出されたときに、表示手段により読取ローラ又は原稿押さえ板の汚れかプラテンガラスの汚れかを表示した警告表示が行われ、使用者は容易に汚れ箇所が解り、迅速に汚れを清掃することができる。
【0160】
また、予め汚れ処理のモードを選択設定すれば、仮に、急ぎの原稿データ読み取りを行う必要がある場合には、汚れが検出されても、清掃をせず読み取りを行えるようにしたり、読み取り位置を変更できるので、高品質な原稿データの読み取りが可能となり、使用者が、時間に余裕があるときに清掃すればよいので時間の有効活用ができるようになった。
【0161】
また、ローラ汚れが発生した場合、自動的に読取ローラを清掃手段で清掃することができ、使用者の手を煩わせることなく、常に、高品質な原稿データの読み取りを可能とした自動原稿送り装置を備えた画像記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る読取ローラを有する自動原稿送り装置を備えた画像記録装置の概略図である。
【図2】本発明に係る原稿押さえ板を有する自動原稿送り装置を備えた画像記録装置の概略図である。
【図3】本発明に係る自動原稿送り装置を備えた画像記録装置の回路構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る汚れ検出制御の判定方法を説明するための模式図である。
【図5】本発明に係る汚れ検出制御の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 筐体
2 原稿積載台
3 排紙皿
4 送りローラ
5 搬送ローラ(A)
6 搬送ローラ(B)
7 読取ローラ
8 ローラ
9 排紙ローラ
10 原稿
11 開口部
12 清掃手段
20 ADF
30 画像記録装置
31 枠体
32 プラテンガラス(A)
33 プラテンガラス(B)
34 光源
35 反射鏡
36 結像光学系
37 読取センサ
Claims (11)
- 原稿積載部に積載した原稿を順次自動的に原稿読取部に搬送する第1の原稿搬送手段と前記第1の原稿搬送手段により搬送された原稿を前記原稿読取部の読取位置に配設する第2の原稿搬送手段を備えた自動原稿送り装置と、前記読取位置に対向して設けられた透明部材を介して前記読取位置に光を照射し反射光を読み取る読取手段と、前記自動原稿送り装置と前記読取手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記自動原稿送り装置を原稿の搬送ができない状態にして前記第2の原稿搬送手段を作動させたとき、前記読取手段に前記第2の原稿搬送手段からの反射光を読み取らせて汚れデータを取得し、前記汚れデータの少なくとも変動幅の大きさを判別して前記透明部材及び前記第2の原稿搬送手段の汚れ検出制御を行うことを特徴とする自動原稿送り装置を備えた画像記録装置。
- 前記汚れデータは、前記制御手段が前記第2の原稿搬送手段に対して所定の作動を行わせたとき、前記第2の原稿搬送手段の所定の範囲内で検出した少なくとも反射光の明るさの最大値及び最小値であることを特徴とする請求項1に記載の自動原稿送り装置を備えた画像記録装置。
- 予め設定された前記第2の原稿搬送手段に対する反射光の明るさの所定幅を記憶した記憶手段を備え、前記制御手段は、前記汚れデータの前記最大値と最小値の差から変動幅を求めると共に、前記記憶手段から前記所定幅を読み出し、前記変動幅と前記所定幅とを比較し、前記変動幅が前記所定幅より大きい場合は、前記第2の原稿搬送手段の汚れと判断する汚れ検出制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の自動原稿送り装置を備えた画像記録装置。
- 前記記憶手段に予め設定された前記第2の原稿搬送手段に対する反射光の明るさの閾値を記憶し、前記制御手段は、前記変動幅が前記所定幅より小さいと判断したとき前記汚れデータの最大値と前記閾値とを比較して、前記汚れデータの最大値が前記閾値より小さいときは前記透明部材の汚れと判断し、前記汚れデータの最小値が前記閾値より大きいときは汚れなしと判断する汚れ検出制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の自動原稿送り装置を備えた画像記録装置。
- 前記閾値と所定幅は予め前記第2の原稿搬送手段に対する反射光の明るさに関連してテーブル化して前記記憶手段に記憶され、前記制御手段が汚れ検出制御を行う際に、前記読取手段が検出した前記第2の原稿搬送手段の反射光の明るさに基づき前記閾値と所定幅を選択することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の自動原稿送り装置を備えた画像記録装置。
- 操作手段を備え、前記制御手段が前記汚れ検出制御を行う汚れ検出制御モードにおいて、前記操作手段により前記閾値又は所定幅を設定したときは、前記記憶手段に記憶されている前記閾値又は所定幅に対して優先して前記汚れ検出制御の判定に使用するようにしたことを特徴とする請求項3乃至請求項5に記載の自動原稿送り装置を備えた画像記録装置。
- 原稿積載部に積載した原稿を順次自動的に原稿読取部に搬送する第1の原稿搬送手段と前記第1の原稿搬送手段により搬送された原稿を前記原稿読取部の読取位置に配設する第2の原稿搬送手段を備えた自動原稿送り装置と、前記読取位置に対向して設けられた透明部材を介して前記読取位置に光を照射し反射光を読み取る読取手段と、前記自動原稿送り装置と前記読取手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記自動原稿送り装置を原稿の搬送ができない状態にして前記第2の原稿搬送手段を作動させたとき、前記読取手段に前記第2の原稿搬送手段からの反射光を読み取らせて汚れデータを取得し、前記汚れデータの少なくとも変動幅の大きさを判別して前記透明部材及び前記第2の原稿搬送手段の汚れ検出制御を行う自動原稿送り装置を備えた画像記録装置において、前記自動原稿送り装置は前記読取手段に対して原稿の搬送が可能な第1の位置と原稿の搬送が出来ない第2の位置に移動可能に設けられ、前記制御手段は、前記自動原稿送り装置に電源が投入されたとき、又は、前記自動原稿送り装置が原稿積載部に原稿を積載しない状態で前記第2の位置から前記第1の位置に変化したとき、又は、前記自動原稿送り装置の原稿積載部に原稿を積載して原稿の搬送を開始する前の何れかを検知したとき、汚れ検出制御を行うことを特徴とする自動原稿送り装置を備えた画像記録装置。
- 表示手段と、少なくとも第1及び第2の汚れ検出制御モードを設定可能な操作手段を備え、前記制御手段が前記透明部材及び前記第2の原稿搬送手段の汚れを検出したとき、前記操作手段により前記第1の汚れ検出制御モードが設定されている場合は、前記表示手段に警告表示を行うと共に、前記自動原稿送り装置の作動を禁止し、前記操作手段により前記第2の汚れ検出制御モードが設定されている場合は、前記表示手段に警告表示を行うと共に、前記自動原稿送り装置の作動を可能にすることを特徴とする請求項7に記載の自動原稿送り装置を備えた画像記録装置。
- 清掃手段を備え、前記第2の原稿搬送手段がローラ部材であるとき、前記制御手段が前記第2の原稿搬送手段の汚れを検出した場合は、前記清掃手段を作動し、前記ローラ部材を清掃する制御を行うことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の自動原稿送り装置を備えた画像記録装置。
- 原稿積載部に積載した原稿を順次自動的に原稿読取部に搬送する第1の原稿搬送手段と前記第1の原稿搬送手段により搬送された原稿を前記原稿読取部の読取位置に配設する第2の原稿搬送手段を備えた自動原稿送り装置と、前記読取位置に対向して設けられた透明部材を介して前記読取位置に光を照射し反射光を読み取る読取手段と、前記自動原稿送り装置と前記読取手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記自動原稿送り装置を原稿の搬送ができない状態にして前記第2の原稿搬送手段を作動させたとき、前記読取手段に前記第2の原稿搬送手段からの反射光を読み取らせて汚れデータを取得し、前記汚れデータの少なくとも変動幅の大きさを判別して前記透明部材及び前記第2の原稿搬送手段の汚れ検出制御を行う自動原稿送り装置を備えた画像記録装置において、前記読取手段を所定範囲で移動可能な移動手段を備え、前記制御手段が、前記透明部材の汚れを検知したとき、前記移動手段により前記読取手段を予め設定した所定距離分移動させる制御を行うことを特徴とする自動原稿送り装置を備えた画像記録装置。
- 前記制御手段が前記移動手段により前記読取手段を移動させた後の次回の汚れ検出制御で前記透明部材の汚れを検出したときは、再度、前記移動手段により前記読取手段を予め設定した所定距離分移動させ、前記透明部材の汚れを検出しなかったときは、前記移動手段による前記読取手段の移動を行わないようにしたことを特徴とする請求項10に記載の自動原稿送り装置を備えた画像記録装置。
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