JP2004158338A - 電子部品の防水構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】防水のための材料を少なくする。
【解決手段】本体部20とコネクタ10との完全嵌合時に本体部20の第1段差部27は、コネクタ10の第2段差部16が本体部20の嵌合方向端部28との間で構成する環状空間39内に、コネクタ10と非接触で存する状態となる。本体部20の基板収容孔29は、コネクタ10のコネクタハウジング40によりその開口部が塞がれる。コネクタハウジング40に形成された貫通孔14は、第2段差部16に貫通し環状空間39に連通する。コネクタハウジング40のモールド部形成側の端部15にモールド部50を形成するためにモールド樹脂を充填すると、充填されたモールド樹脂は貫通孔14を通って環状空間39内に導かれる。充填したモールド樹脂を固めると、導体4と圧接部31との接続部分と、貫通孔14の内部と、環状空間39の内部とを封止するモールド部50が形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】本体部20とコネクタ10との完全嵌合時に本体部20の第1段差部27は、コネクタ10の第2段差部16が本体部20の嵌合方向端部28との間で構成する環状空間39内に、コネクタ10と非接触で存する状態となる。本体部20の基板収容孔29は、コネクタ10のコネクタハウジング40によりその開口部が塞がれる。コネクタハウジング40に形成された貫通孔14は、第2段差部16に貫通し環状空間39に連通する。コネクタハウジング40のモールド部形成側の端部15にモールド部50を形成するためにモールド樹脂を充填すると、充填されたモールド樹脂は貫通孔14を通って環状空間39内に導かれる。充填したモールド樹脂を固めると、導体4と圧接部31との接続部分と、貫通孔14の内部と、環状空間39の内部とを封止するモールド部50が形成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等に搭載されるセンサなどの補機からなる電子部品に関し、特に防水のための材料を少なくすることができる電子部品の防水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等に搭載されるワイヤハーネスのジョイント部分においては、ハウジングやカバー等でジョイント部分を覆い、これらハウジングやカバー等で形成される内部空間にグリス等を注入して防水シールを施している(例えば、特許文献1参照。)。このような構造は、自動車に搭載されるセンサなどの補機からなる電子部品においても同様に適用されている。例えば、内部にセンサ基板などを収容した本体部の内部空間にグリスやシリコーンポッティング等のシール材を充填し、更に本体部にセンサ基板と接続されると共に導体に接続される接続端子を有するコネクタ部を取り付けて、本体部とコネクタ部との接続部分をシール材で防水処理することなどが行われている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−160429号公報(第3頁、第1−2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構造では、ハウジングやカバー等で構成される内部空間や電子部品の本体部の内部空間をシール材で満たして防水処理する必要があり、防水のためのシール材の材料消費量を少なくすることが難しいという問題がある。
【0005】
この発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、防水のための材料を少なくすることができる電子部品の防水構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電子部品の防水構造は、内部に電子部品を収容し開口部を有する本体部と、この本体部に収容された電子部品と導体からなるケーブルとを電気的に接続する接続端子及びこの接続端子を保持するハウジングを有し、前記本体部の開口部を前記ハウジングによって塞ぐように前記本体部に結合されるコネクタと、前記ケーブルと接続端子との接続部及び前記本体部とハウジングとの結合部にそれぞれ充填されるモールド部とを有し、前記本体部の開口部と前記ハウジングとの間には、前記開口部の縁に沿ったモールド充填用の環状空間が形成され、前記ハウジングには、前記環状空間に連通するモールド注入用の穴が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、ケーブルと接続端子との接続部に形成されるモールド部が本体部とハウジングとの結合部の環状空間にも形成されるため、従来のグリス等のシール材を本体部内に充填せずに本体部に収容された電子部品を防水することが可能となる。これにより、防水のための材料を少なくすることができる。
【0008】
なお、本体部の開口部には、環状空間に沿って環状空間に突出する形状の突条又は環状空間から凹む形状の連続した溝が形成されていることが好ましい。
【0009】
また、ハウジングには、環状空間に沿って環状空間に突出する形状の突条又は環状空間から凹む形状の溝が形成されていることが好ましい。これら突条又は溝が形成されることにより、モールド部の本体部やハウジングとの接触面積を増やしてより確実に本体部とハウジングとを接続し防水することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る防水構造が適用された電子部品を示す一部省略分解斜視図、図2は、図1のA−A´断面図、図3は、図1のB−B´断面図、図4は、図1の電子部品にモールド部が形成された場合のA−A´断面図、図5は、図1の電子部品にモールド部が形成された場合のB−B´断面図である。以下、図1〜図5を参照して説明する。
図1(a)に示すように、電子部品としてのセンサ1は、接続端子30と、この接続端子30を保持するコネクタハウジング40とから構成されるコネクタ10と、図示しない基板を収容する基板収容孔29が形成されたコネクタ10と嵌合される本体部20とから構成されている。本体部20は、コネクタ10との嵌合方向端部28に、基板収容孔29の開口部周縁を包囲する形状で形成された連続する突条からなる第1段差部27を備えている。
【0011】
コネクタ10のコネクタハウジング40は、本体部20の嵌合方向と直交する方向の外側端部26に、第1段差部27を内在させる状態でいわゆるインロー構造で嵌り込む同図(b)に示すような外壁部19と、この外壁部19の内側に、本体部20との完全嵌合時に第1段差部27の内周に収まる形状で形成され、本体部20の嵌合方向端部28と先端部分が当接するように形成された連続する突条からなる内壁部18とを有する嵌合部17を備えている。この嵌合部17の外壁部19と内壁部18との間には、本体部20との完全嵌合時に第1段差部27が非接触で存する状態となる環状空間を形成する溝から構成される第2段差部16が備えられている。また、コネクタハウジング40には、嵌合部17形成側の端部と反対側(モールド部形成側)の端部15から第2段差部16へ貫通する形状で形成された貫通孔14と、接続端子30が収容される端子収容孔11とが備えられている。この端部15には、例えば図4及び図5に示すようにモールド部50が形成される。
【0012】
コネクタハウジング40のモールド部50形成側の端部15には、接続端子30と接続されるケーブル2の導体4(図2〜図5参照)をコネクタハウジング40に位置決めするリブ49が複数設けられ、端子収容孔11に収容された接続端子30の圧接部31が端子収容孔11から露出した状態となっている。この接続端子30は、いわゆる圧接端子(フォーク端子)であり、圧接部31は、先端が二股に分岐された複数の圧接片でケーブル2の絶縁被覆5に食い込んで、導体4を挟み込んで圧接する構造からなるものである。
【0013】
コネクタ10に接続されるケーブル2は、例えばCu又はAlからなる丸型導体の単線や撚り線等の線材からなる導体4を、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)及びポリオレフィン(PO)等の絶縁樹脂からなる絶縁被覆5で覆った構造からなる。また、ケーブル2は、複数の導体4をそれぞれ絶縁被覆5で覆い、各絶縁被覆5間をブリッジ部(図示せず)で結合して平面状に並設した構造からなるいわゆるフラットケーブルであっても良い。フラットケーブルである場合は、例えば平角導体からなる導体4をラミネート又は押出しにより平面的に形成された絶縁被覆5によって覆った構造からなるいわゆるフレキシブルフラットケーブルでも良い。
【0014】
なお、本体部20の外側端部26の一部には、係合突起部25が形成され、コネクタ10の外壁部19の一部には、コネクタ10と本体部20との完全嵌合時にこの係合突起部25と係合する係合穴13が形成された係合片12が形成されている。これら係合突起部25及び係合片12は、モールド部50形成前のインロー構造で嵌り込んだ本体部20とコネクタ10との嵌合状態を保持する係合機構を構成する。
【0015】
このように本体部20とコネクタ10とが嵌合した場合、図2及び図3に示すように、本体部20の第1段差部27は、コネクタ10の第2段差部16が本体部20の嵌合方向端部28との間で構成する環状空間39内に、コネクタ10と非接触で存する状態となる。本体部20の基板収容孔29は、コネクタ10のコネクタハウジング40によりその開口部が塞がれる。コネクタハウジング40に形成された貫通孔14は、図2に示すように、第2段差部16に貫通し環状空間39に連通する。そして、コネクタハウジング40のモールド部形成側の端部15にモールド部50を形成するためにホットメルト樹脂等からなるモールド樹脂を充填すると、充填されたモールド樹脂は貫通孔14を通って環状空間39内に導かれる。こうして充填したモールド樹脂を固めれば、図4及び図5に示すように、ケーブル2の導体4と接続端子30の圧接部31との接続部分と、貫通孔14の内部と、環状空間39の内部とを封止するモールド部50が形成される。このように形成されたモールド部50により、本体部20とコネクタ10とが封止され接続されて基板収容孔29が密閉された状態のセンサ1が形成される。なお、本体部20の第1段差部27は、環状空間39内に形成されたモールド部50の嵌合方向端部28との接触面積を増大させ、より強固に本体部20とコネクタ10とを接続するためのものであり、例えば図6に示すように、突条ではなく溝からなる構造であっても同様の効果を得ることができる。
【0016】
このように、この電子部品の防水構造によれば、ケーブル2の導体4と接続端子30の圧接部31との接続部分に形成されるモールド部50で本体部20とコネクタ10との嵌合部分を封止して両者を接続するため、本体部20の基板収容孔29内に従来のようにシール材を充填せずにセンサ1の防水処理を施すことができる。これにより、防水のための材料を少なくすることが可能となる。
【0017】
図7及び図8は、この発明の他の実施形態に係る防水構造が適用された電子部品の断面図である。なお、以降において既に説明した部分と重複する説明は割愛する。
図7に示すように、この例のセンサ1´では、本体部20の嵌合方向端部28に溝からなる第1段差部27が形成され、コネクタ10のコネクタハウジング40に外壁部(壁部)19と、第1段差部27の開口部分を塞ぐ形状で形成された蓋部48とから構成される嵌合部17が形成され、嵌合部17の蓋部48に、本体部20と非接触で、本体部20とコネクタ10との完全嵌合時に第1段差部27が形成する環状空間39に連通する状態の突条からなる第2段差部16が形成されている点が、先の例のセンサ1と相違している。コネクタハウジング40の貫通孔14は、先の例のセンサ1と同様に、第2段差部16に貫通する形状で形成されているため、モールド部50は、ケーブル2の導体4と接続端子30の圧接部31との接続部分と、貫通孔14の内部と、環状空間39の内部とを封止する。これにより、本体部20とコネクタ10との嵌合部分が封止されて両者が接続されるため、この例のセンサ1´では先の例のセンサ1と同様に、本体部20の基板収容孔29内に防水のための材料を充填する必要はない。なお、この例では、コネクタ10の第2段差部16が、環状空間39内に形成されたモールド部50の蓋部48との接触面積を増大させて本体部20とコネクタ10とを強固に接続するためのものであり、例えば図8に示すように、突条ではなく溝からなる構造であっても同様の効果を得ることが可能である。
【0018】
図9は、この発明の更に他の実施形態に係る防水構造が適用された電子部品の断面図である。
図9に示すように、この例のセンサ1”では、本体部20の嵌合方向端部28に溝からなる第1段差部27が形成され、コネクタ10のコネクタハウジング40に外壁部(壁部)19から構成される嵌合部17と、本体部20との完全嵌合時に第1段差部27と連通する形状で形成された溝からなる第2段差部16とが形成され、第1段差部27と第2段差部16とが本体部20とコネクタ10との嵌合合わせ面に対してそれぞれ本体部20側及びコネクタ10側に凹んだ形状からなる連通する環状空間39を構成する点が先の例のセンサ1,1´と相違している。コネクタハウジング40の貫通孔14は、先の例のセンサ1,1´と同様に、第2段差部16に貫通する形状で形成されているため、モールド部50は、ケーブル2の導体4と接続端子30の圧接部31との接続部分と、貫通孔14の内部と、環状空間39の内部とを封止する。これにより、本体部20とコネクタ10との嵌合部分が封止されて両者が接続される。このため、この例のセンサ1”でも先の例のセンサ1,1´と同様に、本体部20の基板収容孔29内に防水のための材料を充填せずに本体部20とコネクタ10とに防水処理を施し接続することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、ケーブルと接続端子との接続部に形成されるモールド部が本体部とハウジングとの結合部の環状空間にも形成されるため、従来のグリス等のシール材を本体部内に充填せずに本体部に収容された電子部品を防水することが可能となる。これにより、防水のための材料を少なくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る防水構造が適用された電子部品を示す一部省略分解斜視図である。
【図2】図1のA−A´断面図である。
【図3】図1のB−B´断面図である。
【図4】図1の電子部品にモールド部が形成された場合のA−A´断面図である。
【図5】図1の電子部品にモールド部が形成された場合のB−B´断面図である。
【図6】同防水構造が適用された他の形状の第1段差部を有する電子部品の断面図である。
【図7】この発明の他の実施形態に係る防水構造が適用された電子部品の断面図である。
【図8】同防水構造が適用された他の形状の第2段差部を有する電子部品の断面図である。
【図9】この発明の更に他の実施形態に係る防水構造が適用された電子部品の断面図である。
【符号の説明】1,1´,1”…センサ、2…ケーブル、4…導体、5…絶縁被覆、10…コネクタ、11…端子収容孔、12…係合片、13…係合穴、14…貫通孔、15…端部、16…第2段差部、17…嵌合部、18…内壁部、19…外壁部、20…本体部、24…25…係合突起部、26…外側端部、27…第1段差部、28…嵌合方向端部、29…基板収容孔、30…接続端子、31…圧接部、39…環状空間、40…コネクタハウジング、49…リブ、50…モールド部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等に搭載されるセンサなどの補機からなる電子部品に関し、特に防水のための材料を少なくすることができる電子部品の防水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等に搭載されるワイヤハーネスのジョイント部分においては、ハウジングやカバー等でジョイント部分を覆い、これらハウジングやカバー等で形成される内部空間にグリス等を注入して防水シールを施している(例えば、特許文献1参照。)。このような構造は、自動車に搭載されるセンサなどの補機からなる電子部品においても同様に適用されている。例えば、内部にセンサ基板などを収容した本体部の内部空間にグリスやシリコーンポッティング等のシール材を充填し、更に本体部にセンサ基板と接続されると共に導体に接続される接続端子を有するコネクタ部を取り付けて、本体部とコネクタ部との接続部分をシール材で防水処理することなどが行われている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−160429号公報(第3頁、第1−2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構造では、ハウジングやカバー等で構成される内部空間や電子部品の本体部の内部空間をシール材で満たして防水処理する必要があり、防水のためのシール材の材料消費量を少なくすることが難しいという問題がある。
【0005】
この発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、防水のための材料を少なくすることができる電子部品の防水構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電子部品の防水構造は、内部に電子部品を収容し開口部を有する本体部と、この本体部に収容された電子部品と導体からなるケーブルとを電気的に接続する接続端子及びこの接続端子を保持するハウジングを有し、前記本体部の開口部を前記ハウジングによって塞ぐように前記本体部に結合されるコネクタと、前記ケーブルと接続端子との接続部及び前記本体部とハウジングとの結合部にそれぞれ充填されるモールド部とを有し、前記本体部の開口部と前記ハウジングとの間には、前記開口部の縁に沿ったモールド充填用の環状空間が形成され、前記ハウジングには、前記環状空間に連通するモールド注入用の穴が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、ケーブルと接続端子との接続部に形成されるモールド部が本体部とハウジングとの結合部の環状空間にも形成されるため、従来のグリス等のシール材を本体部内に充填せずに本体部に収容された電子部品を防水することが可能となる。これにより、防水のための材料を少なくすることができる。
【0008】
なお、本体部の開口部には、環状空間に沿って環状空間に突出する形状の突条又は環状空間から凹む形状の連続した溝が形成されていることが好ましい。
【0009】
また、ハウジングには、環状空間に沿って環状空間に突出する形状の突条又は環状空間から凹む形状の溝が形成されていることが好ましい。これら突条又は溝が形成されることにより、モールド部の本体部やハウジングとの接触面積を増やしてより確実に本体部とハウジングとを接続し防水することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る防水構造が適用された電子部品を示す一部省略分解斜視図、図2は、図1のA−A´断面図、図3は、図1のB−B´断面図、図4は、図1の電子部品にモールド部が形成された場合のA−A´断面図、図5は、図1の電子部品にモールド部が形成された場合のB−B´断面図である。以下、図1〜図5を参照して説明する。
図1(a)に示すように、電子部品としてのセンサ1は、接続端子30と、この接続端子30を保持するコネクタハウジング40とから構成されるコネクタ10と、図示しない基板を収容する基板収容孔29が形成されたコネクタ10と嵌合される本体部20とから構成されている。本体部20は、コネクタ10との嵌合方向端部28に、基板収容孔29の開口部周縁を包囲する形状で形成された連続する突条からなる第1段差部27を備えている。
【0011】
コネクタ10のコネクタハウジング40は、本体部20の嵌合方向と直交する方向の外側端部26に、第1段差部27を内在させる状態でいわゆるインロー構造で嵌り込む同図(b)に示すような外壁部19と、この外壁部19の内側に、本体部20との完全嵌合時に第1段差部27の内周に収まる形状で形成され、本体部20の嵌合方向端部28と先端部分が当接するように形成された連続する突条からなる内壁部18とを有する嵌合部17を備えている。この嵌合部17の外壁部19と内壁部18との間には、本体部20との完全嵌合時に第1段差部27が非接触で存する状態となる環状空間を形成する溝から構成される第2段差部16が備えられている。また、コネクタハウジング40には、嵌合部17形成側の端部と反対側(モールド部形成側)の端部15から第2段差部16へ貫通する形状で形成された貫通孔14と、接続端子30が収容される端子収容孔11とが備えられている。この端部15には、例えば図4及び図5に示すようにモールド部50が形成される。
【0012】
コネクタハウジング40のモールド部50形成側の端部15には、接続端子30と接続されるケーブル2の導体4(図2〜図5参照)をコネクタハウジング40に位置決めするリブ49が複数設けられ、端子収容孔11に収容された接続端子30の圧接部31が端子収容孔11から露出した状態となっている。この接続端子30は、いわゆる圧接端子(フォーク端子)であり、圧接部31は、先端が二股に分岐された複数の圧接片でケーブル2の絶縁被覆5に食い込んで、導体4を挟み込んで圧接する構造からなるものである。
【0013】
コネクタ10に接続されるケーブル2は、例えばCu又はAlからなる丸型導体の単線や撚り線等の線材からなる導体4を、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)及びポリオレフィン(PO)等の絶縁樹脂からなる絶縁被覆5で覆った構造からなる。また、ケーブル2は、複数の導体4をそれぞれ絶縁被覆5で覆い、各絶縁被覆5間をブリッジ部(図示せず)で結合して平面状に並設した構造からなるいわゆるフラットケーブルであっても良い。フラットケーブルである場合は、例えば平角導体からなる導体4をラミネート又は押出しにより平面的に形成された絶縁被覆5によって覆った構造からなるいわゆるフレキシブルフラットケーブルでも良い。
【0014】
なお、本体部20の外側端部26の一部には、係合突起部25が形成され、コネクタ10の外壁部19の一部には、コネクタ10と本体部20との完全嵌合時にこの係合突起部25と係合する係合穴13が形成された係合片12が形成されている。これら係合突起部25及び係合片12は、モールド部50形成前のインロー構造で嵌り込んだ本体部20とコネクタ10との嵌合状態を保持する係合機構を構成する。
【0015】
このように本体部20とコネクタ10とが嵌合した場合、図2及び図3に示すように、本体部20の第1段差部27は、コネクタ10の第2段差部16が本体部20の嵌合方向端部28との間で構成する環状空間39内に、コネクタ10と非接触で存する状態となる。本体部20の基板収容孔29は、コネクタ10のコネクタハウジング40によりその開口部が塞がれる。コネクタハウジング40に形成された貫通孔14は、図2に示すように、第2段差部16に貫通し環状空間39に連通する。そして、コネクタハウジング40のモールド部形成側の端部15にモールド部50を形成するためにホットメルト樹脂等からなるモールド樹脂を充填すると、充填されたモールド樹脂は貫通孔14を通って環状空間39内に導かれる。こうして充填したモールド樹脂を固めれば、図4及び図5に示すように、ケーブル2の導体4と接続端子30の圧接部31との接続部分と、貫通孔14の内部と、環状空間39の内部とを封止するモールド部50が形成される。このように形成されたモールド部50により、本体部20とコネクタ10とが封止され接続されて基板収容孔29が密閉された状態のセンサ1が形成される。なお、本体部20の第1段差部27は、環状空間39内に形成されたモールド部50の嵌合方向端部28との接触面積を増大させ、より強固に本体部20とコネクタ10とを接続するためのものであり、例えば図6に示すように、突条ではなく溝からなる構造であっても同様の効果を得ることができる。
【0016】
このように、この電子部品の防水構造によれば、ケーブル2の導体4と接続端子30の圧接部31との接続部分に形成されるモールド部50で本体部20とコネクタ10との嵌合部分を封止して両者を接続するため、本体部20の基板収容孔29内に従来のようにシール材を充填せずにセンサ1の防水処理を施すことができる。これにより、防水のための材料を少なくすることが可能となる。
【0017】
図7及び図8は、この発明の他の実施形態に係る防水構造が適用された電子部品の断面図である。なお、以降において既に説明した部分と重複する説明は割愛する。
図7に示すように、この例のセンサ1´では、本体部20の嵌合方向端部28に溝からなる第1段差部27が形成され、コネクタ10のコネクタハウジング40に外壁部(壁部)19と、第1段差部27の開口部分を塞ぐ形状で形成された蓋部48とから構成される嵌合部17が形成され、嵌合部17の蓋部48に、本体部20と非接触で、本体部20とコネクタ10との完全嵌合時に第1段差部27が形成する環状空間39に連通する状態の突条からなる第2段差部16が形成されている点が、先の例のセンサ1と相違している。コネクタハウジング40の貫通孔14は、先の例のセンサ1と同様に、第2段差部16に貫通する形状で形成されているため、モールド部50は、ケーブル2の導体4と接続端子30の圧接部31との接続部分と、貫通孔14の内部と、環状空間39の内部とを封止する。これにより、本体部20とコネクタ10との嵌合部分が封止されて両者が接続されるため、この例のセンサ1´では先の例のセンサ1と同様に、本体部20の基板収容孔29内に防水のための材料を充填する必要はない。なお、この例では、コネクタ10の第2段差部16が、環状空間39内に形成されたモールド部50の蓋部48との接触面積を増大させて本体部20とコネクタ10とを強固に接続するためのものであり、例えば図8に示すように、突条ではなく溝からなる構造であっても同様の効果を得ることが可能である。
【0018】
図9は、この発明の更に他の実施形態に係る防水構造が適用された電子部品の断面図である。
図9に示すように、この例のセンサ1”では、本体部20の嵌合方向端部28に溝からなる第1段差部27が形成され、コネクタ10のコネクタハウジング40に外壁部(壁部)19から構成される嵌合部17と、本体部20との完全嵌合時に第1段差部27と連通する形状で形成された溝からなる第2段差部16とが形成され、第1段差部27と第2段差部16とが本体部20とコネクタ10との嵌合合わせ面に対してそれぞれ本体部20側及びコネクタ10側に凹んだ形状からなる連通する環状空間39を構成する点が先の例のセンサ1,1´と相違している。コネクタハウジング40の貫通孔14は、先の例のセンサ1,1´と同様に、第2段差部16に貫通する形状で形成されているため、モールド部50は、ケーブル2の導体4と接続端子30の圧接部31との接続部分と、貫通孔14の内部と、環状空間39の内部とを封止する。これにより、本体部20とコネクタ10との嵌合部分が封止されて両者が接続される。このため、この例のセンサ1”でも先の例のセンサ1,1´と同様に、本体部20の基板収容孔29内に防水のための材料を充填せずに本体部20とコネクタ10とに防水処理を施し接続することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、ケーブルと接続端子との接続部に形成されるモールド部が本体部とハウジングとの結合部の環状空間にも形成されるため、従来のグリス等のシール材を本体部内に充填せずに本体部に収容された電子部品を防水することが可能となる。これにより、防水のための材料を少なくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る防水構造が適用された電子部品を示す一部省略分解斜視図である。
【図2】図1のA−A´断面図である。
【図3】図1のB−B´断面図である。
【図4】図1の電子部品にモールド部が形成された場合のA−A´断面図である。
【図5】図1の電子部品にモールド部が形成された場合のB−B´断面図である。
【図6】同防水構造が適用された他の形状の第1段差部を有する電子部品の断面図である。
【図7】この発明の他の実施形態に係る防水構造が適用された電子部品の断面図である。
【図8】同防水構造が適用された他の形状の第2段差部を有する電子部品の断面図である。
【図9】この発明の更に他の実施形態に係る防水構造が適用された電子部品の断面図である。
【符号の説明】1,1´,1”…センサ、2…ケーブル、4…導体、5…絶縁被覆、10…コネクタ、11…端子収容孔、12…係合片、13…係合穴、14…貫通孔、15…端部、16…第2段差部、17…嵌合部、18…内壁部、19…外壁部、20…本体部、24…25…係合突起部、26…外側端部、27…第1段差部、28…嵌合方向端部、29…基板収容孔、30…接続端子、31…圧接部、39…環状空間、40…コネクタハウジング、49…リブ、50…モールド部。
Claims (5)
- 内部に電子部品を収容し開口部を有する本体部と、
この本体部に収容された電子部品と導体からなるケーブルとを電気的に接続する接続端子及びこの接続端子を保持するハウジングを有し、前記本体部の開口部を前記ハウジングによって塞ぐように前記本体部に結合されるコネクタと、
前記ケーブルと接続端子との接続部及び前記本体部とハウジングとの結合部にそれぞれ充填されるモールド部と
を有し、
前記本体部の開口部と前記ハウジングとの間には、前記開口部の縁に沿ったモールド充填用の環状空間が形成され、
前記ハウジングには、前記環状空間に連通するモールド注入用の穴が設けられている
ことを特徴とする電子部品の防水構造。 - 前記本体部の開口部には、前記環状空間に沿って前記環状空間に突出する形状の突条が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の防水構造。
- 前記本体部の開口部には、前記環状空間に沿って前記環状空間から凹む形状の連続した溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の防水構造。
- 前記ハウジングには、前記環状空間に沿って前記環状空間に突出する形状の突条が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電子部品の防水構造。
- 前記ハウジングには、前記環状空間に沿って前記環状空間から凹む形状の溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電子部品の防水構造。
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JP2002323875A JP2004158338A (ja) | 2002-11-07 | 2002-11-07 | 電子部品の防水構造 |
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Cited By (2)
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US7544888B2 (en) | 2006-11-06 | 2009-06-09 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Watertight and nonwatertight electrical junction box |
WO2013054945A1 (en) | 2011-10-14 | 2013-04-18 | Yazaki Corporation | Terminal and connector |
-
2002
- 2002-11-07 JP JP2002323875A patent/JP2004158338A/ja active Pending
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