JP2004157600A - 医用データ管理システム - Google Patents

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Tsukasa Furuse
司 古瀬
Jiro Kawashima
二郎 川島
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Abstract

【課題】電子カルテや医用画像などの医用電子データを管理するシステムを提供する。
【解決手段】本発明による医用データ管理システム1は、医用電子データを有効活用する機会を提供する。患者はユーザ端末18から自身の電子カルテを閲覧でき、また読影医などは、病院の外部に設置される院外端末20でCT画像などの医用画像を診断できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医用データ管理システムに関し、特にカルテやCT画像などを電子化した医用電子データの蓄積・管理を行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
1999年3月に厚生省(現厚生労働省)が「法令に保存義務が規定されている診療録及び診療諸記録の電子媒体による保存に関するガイドライン」を取りまとめ、また同年4月に「診療録等の電子媒体による保存について」の見解を出した。この画期的な見解の発表後、「電子カルテ」という用語がマスコミや医学雑誌で頻繁に取り上げられ、注目を集めるようになった。紙媒体で医用データを保管することと比べると、その保管スペースや人手による管理の煩わしさを解消できることから電子化の利点は明らかであり、今後はセキュリティ技術の向上とともに電子化の流れに一層拍車がかかることに疑いない。従来の医療情報の管理方法として、医療機関内の複数の部門で発行した医用データを、サーバで一元的に保存、管理する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−269228号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、コンピュータの普及やインターネットの発達により、情報流通の形態が大きく変化している。これに伴い、医療の分野でもインターネットを利用した遠隔診断方法が研究・開発され、医療設備が十分でない地域でも通常の医療を受けられるようになりつつある。地域間の医療格差を小さくすることで、地方でも人が安心して住めるようになり、大都市への人口集中という国全体の問題の解決に貢献する。
【0005】
一方で、医者という職業は大変な激務であり、患者の状況に合わせて診察等を行うため、自分のペースを保つことは難しい。しかしながら、エックス線写真やCT画像を診断する読影医は直接患者を診断することが少なく、必ずしも医療機関に常駐している必要はない。そこで、この情報社会のインフラを有効に活用して、読影医の院外における柔軟な勤務形態を実現することが望まれる。また、小さい医療機関には読影医が常駐していないことも多いため、読影医との連携を効率的に実現したい要望もある。
【0006】
また、インフォームド・コンセントの考えの普及に基づき、患者に正確な情報を知らせる機運が拡大している。医者と患者とがお互いに診療内容などについて納得することにより、良い治療ができるようになる。最近では診断の客観性を高めるために、特に命に関わるような重大な病気の患者などは、セカンド・オピニオンを徴求する傾向にある。また、専門性の高度化に伴って、かかりつけ医と専門病院との分業および連携の機運も拡大している。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子化された医用データおよびインターネットなどのインフラを利用して、患者や医者が医用電子データを有効に活用できるシステムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、電子カルテや医用画像などの医用電子データを送信する医療機関端末と、医療機関との間で医用電子データの院外保存に関する契約を結んで医用電子データの蓄積サービスを提供するASP(アプリケーションサービスプロバイダ)事業者により運営され、該蓄積サービスを管理する管理サーバと、医療機関から送信された医用電子データを蓄積するデータセンタとが、インターネットなどのネットワークにより接続されている医用データ管理システムを提供する。この医用データ管理システムによると、医療機関で作成された医用電子データを院外のデータセンタに記録することができ、医療機関側ではデータ管理を行う手間を省力化できるというメリットがある。
【0009】
ネットワークには、患者が保有するユーザ端末がさらに接続され、管理サーバは、ユーザ端末から電子カルテの閲覧要求があった場合に患者の本人認証を行い、本人認証により真正の患者であることが確認された場合には、患者が、ユーザ端末を介してデータセンタに蓄積されている自己の電子カルテを閲覧できるようにする。これにより、患者は、自宅などでカルテを閲覧することができるようになり、健康に対するインセンティブを高めることになる。また、患者は自分の病気を理解することにより、自主的に治療方法の選択・同意・拒否を行うことができ、このシステムが、インフォームド・コンセントの実現に寄与することになる。また電子カルテは、患者以外にも、患者の保護者、代理人、相続人、裁判所の許可を得た者など、カルテの閲覧に対して正当に権限を与えられた者による閲覧を可能としてもよい。
【0010】
またネットワークには、医療機関の外部に存在する読影サービス提供主体が保有する読影サービス端末がさらに接続されており、データセンタは、医療機関または読影サービス提供主体から要請があった場合に、蓄積しているCT画像などの医用画像を読影サービス端末に提供し、読影サービス端末は、読影サービス提供主体による診断レポートを、医療機関端末またはデータセンタに送信するシステムを実現する。これにより読影医は、医療機関外(院外)勤務が可能となり、また医療機関にとっても、ネットワークを通じて読影診断を効率的にアウトソーシングできるようになる。さらに、ネットワークには、読影サービス提供主体以外にも、患者の転院先医療機関、患者または医療機関からのセカンド・オピニオン徴求先医療機関、その他高度に専門化された医療機関など、医用電子データを送信した医療機関とは別の医療機関が保有する端末がさらに接続されていてもよく、データセンタは、当該医療機関またはそれとは別の医療機関から要請があった場合に、蓄積しているCT画像などの医用画像を、別の医療機関の端末に提供してもよい。
【0011】
以上の各構成を方法またはプログラムとして表現したものも、本発明として有効である。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態に係る医用データ管理システム1を示す。この医用データ管理システム1は、電子カルテや医用画像などの医用電子データをデータセンタ16に蓄積し、医療機関と患者、および読影サービス提供主体との間で蓄積した医用電子データを有効に活用することを目的とする。この医用電子データの蓄積・管理サービスは、ASP事業者により運営される。
【0013】
このシステムでは、医療機関とASP事業者との間で、医用電子データの院外保存に関する契約が締結される(点線▲1▼)。厚生省通知にあるように、医用データを電子媒体に記録する場合には、保存義務のある情報の真正性、見読性および保存性を確保する義務があり、ASP事業者は、この点を徹底する必要がある。特に、データの改竄に対しては常に目を光らせなければならない。ASP事業者はデータセンタを自前で構築してもよいが、構築しない場合には、別機関であるDB(データベース)管理会社との間でデータセンタ16の運営委託契約を締結する(点線▲2▼)。
【0014】
システム構築については、ASP事業者がシステム会社22との間でシステム構築委託契約を締結する(点線▲3▼)。システム会社22は委託契約を受けてシステムを構築し、DB管理会社に提供する(点線▲4▼)。カルテなど個人情報を扱うため、システムのセキュリティには万全を期さなければならない。ハードウェア提供会社26は、システム構築のためのハードウェアをシステム会社22に提供し(点線▲5▼)、ハードウェア提供会社24は、ASP事業者にハードウェアを提供する(点線▲6▼)。ASP事業者は、システムプログラムやそれをインストールしたコンピュータなどを医療機関にレンタルする(点線▲7▼)。これにより、医療機関では、電子カルテの作成やエックス線写真などの電子化および送信を行うことが可能となる。
【0015】
この医用データ管理システム1においては、医療機関端末12、管理サーバ14、データセンタ16、ユーザ端末18および院外端末20がインターネットなどのネットワーク10に接続されている。医療機関では医用データの電子化を行うことにより、カルテや写真などの保管スペースが不要となり、またカルテ探しなどの人的手間をなくすことができる。医療機関は、医療機関端末12から電子カルテや医用画像などの医用電子データをデータセンタ16に送信する。ASP事業者により運営される管理サーバ14は、医療機関端末12の認証や利用状況の確認を行い、システムの動作状況を逐次監視する。データセンタ16は、医療機関端末12から送信された医用電子データを蓄積する。データ保存業務を専門とするDB管理会社に医用電子データの蓄積を任せることにより、医療機関はデータ管理業務の煩わしさから解放される。特に個人病院などでは電子データの管理業務を行う人的余裕も少ないため、この業務をアウトソーシングすることにより、病院スタッフも医療に専念できることになる。
【0016】
また、患者は、パーソナルコンピュータや携帯電話などのユーザ端末18から自己の電子カルテを閲覧できる。管理サーバ14は、ユーザ端末18から電子カルテの閲覧要求があると、患者から入力されたIDやパスワードにより本人認証を行う。真正の患者であることが確認されると、管理サーバ14は、データセンタ16から電子カルテをユーザ端末18に送信させる。これにより、患者は自宅にいながら自己の電子カルテを閲覧して、病気についての理解を深めることになる。
【0017】
また読影医は、医療機関の外部にいながら読影診断を行うことができる。複数の読影医が集まって読影サービス提供主体を構成し、医療機関の外部に独立した院外端末20を設置する。読影のプロはその数も少なく、また専門性が高いため、個人病院のような小さな医療機関では常勤していないことも多い。そのため、読影医が院外で独立している方が、小規模な医療機関および地方や遠隔地の医療機関等にとってメリットが大きい。医用データ管理システム1では、医療機関または読影サービス提供主体から要請があると、データセンタ16に蓄積されているCT画像などの医用画像を院外端末20に提供する。読影サービス提供主体は、医用画像の読影診断を行うと、その診断レポートを医療機関端末12またはデータセンタ16に送信する。このように、医用データ管理システム1によれば、アウトソーシング価値の高い読影サービスを実現できる。
【0018】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。なお本発明はこの実施の形態に限定されることなく、そのさまざまな変形例もまた、本発明の態様として有効である。例えば、ネットワーク10には、患者以外にも、患者の保護者、代理人、相続人、裁判所の許可を得た者など、カルテの閲覧に対して正当に権限を与えられた者が保有するユーザ端末18が接続されてもよい。管理サーバ14は、ユーザ端末18から電子カルテの閲覧要求があった場合に、その者の本人認証を行い、本人認証により真正の正当権限者であることが確認された場合には、その者は、ユーザ端末18を介してデータセンタ16に蓄積されている患者の電子カルテを閲覧できる。また、ネットワーク10には、患者の転院先医療機関、患者または医療機関からのセカンド・オピニオン徴求先医療機関、その他高度に専門化された医療機関など、医用電子データを送信した医療機関とは別の医療機関が保有する端末がさらに接続されてもよい。データセンタ16は、電子データを送信した医療機関や、転院先医療機関などから要請があった場合に、蓄積している医用画像を、転院先医療機関などの別の医療機関の端末に提供する。
【0019】
【発明の効果】
本発明によると、電子カルテや医用画像などの医用電子データを有効に利用できる医用データ管理システムを実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る医用データ管理システムを示す図である。
【符号の説明】
1・・・医用データ管理システム、10・・・ネットワーク、12・・・医療機関端末、14・・・管理サーバ、16・・・データセンタ、18・・・ユーザ端末、20・・・院外端末、22・・・システム会社、24・・・ハードウェア提供会社、26・・・ハードウェア提供会社。

Claims (5)

  1. 電子カルテや医用画像などの医用電子データを送信する医療機関端末と、
    医療機関との間で医用電子データの院外保存に関する契約を結び、医用電子データの蓄積サービスを提供するASP事業者により運営され、該蓄積サービスを管理する管理サーバと、
    医療機関から送信された医用電子データを蓄積するデータセンタとが、インターネットなどのネットワークにより接続されていることを特徴とする医用データ管理システム。
  2. ネットワークには、患者が保有するユーザ端末がさらに接続されており、
    管理サーバは、ユーザ端末から電子カルテの閲覧要求があった場合に患者の本人認証を行い、本人認証により真正の患者であることが確認された場合には、患者は、ユーザ端末を介してデータセンタに蓄積されている自己の電子カルテを閲覧できることを特徴とする請求項1に記載の医用データ管理システム。
  3. ネットワークには、患者の保護者、代理人、相続人、裁判所の許可を得た者など、カルテの閲覧に対して正当に権限を与えられた者が保有するユーザ端末がさらに接続されており、
    管理サーバは、ユーザ端末から電子カルテの閲覧要求があった場合に、その者の本人認証を行い、本人認証により真正の正当権限者であることが確認された場合には、その者は、ユーザ端末を介してデータセンタに蓄積されている患者の電子カルテを閲覧できることを特徴とする請求項1に記載の医用データ管理システム。
  4. ネットワークには、医療機関の外部に存在する読影サービス提供主体が保有する読影サービス端末がさらに接続されており、
    データセンタは、医療機関または読影サービス提供主体から要請があった場合に、蓄積しているCT画像などの医用画像を読影サービス端末に提供し、読影サービス端末は、読影サービス提供主体による診断レポートを、医療機関端末またはデータセンタに送信することを特徴とする請求項1に記載の医用データ管理システム。
  5. ネットワークには、患者の転院先医療機関、患者または医療機関からのセカンド・オピニオン徴求先医療機関、その他高度に専門化された医療機関など、医用電子データを送信した医療機関とは別の医療機関が保有する端末がさらに接続されており、
    データセンタは、当該医療機関またはそれとは別の医療機関から要請があった場合に、蓄積しているCT画像などの医用画像を、別の医療機関の端末に提供することを特徴とする請求項1に記載の医用データ管理システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015170305A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 日本Ra株式会社 診断支援システム、診断支援サーバ及びプログラム
WO2018042545A1 (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 株式会社オプティム 画面共有遠隔診察システム、画面共有遠隔診察方法及びプログラム

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