JP2004157481A - 定着装置・画像形成装置 - Google Patents

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Hideo Furukawa
英男 古川
Genichi Yasui
元一 安井
Masanao Ebara
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Abstract

【課題】定着装置でジャムが発生した場合でも、ジャム紙によって分離爪が押圧されることによる回転部材(定着ローラ等)に対する損傷付与を抑制できるようにする。
【解決手段】定着ローラの表面から転写紙を分離するための分離爪5は、定着装置側板間に支持された軸10に嵌められた基部5aと、基部5aから一体に延びるアーム部5bと、アーム部5bの先端部に一体に形成又は固着された先端部としての爪部5cを有している。爪部5cの定着ローラの回転軸心方向(母線方向)における爪幅aは、定着ローラの表面に対する当接圧を低減すべく7mm以上に設定され、角部5dは湾曲状に形成されている。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、未定着画像を定着する定着装置、該定着装置を有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置では、画像情報に基づいて例えば像担持体としての感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像として可視像化し、該トナー像を転写手段によりシート状記録媒体としての転写紙に転写し、その後該転写紙を定着装置のニップ部に通して熱と圧力により未定着画像を定着することが行われている。
定着装置は、例えば熱源を有する回転部材としての定着ローラと、該定着ローラに対向配置されて圧接する加圧ローラを有している。定着ローラと加圧ローラのニップ部に未定着画像を保持した転写紙を通すことにより、熱と圧力によりトナーが溶融して転写紙に定着される。
ニップ部で転写紙を挟持・搬送した場合、滑らかな表面を有する定着ローラ及び加圧ローラと転写紙との間には密着力が発生し、特に、溶融したトナーが介在する定着ローラとの間には大きな密着力が生じる場合がある。
【0003】
このため、ニップ部を出た転写紙を定着ローラや加圧ローラから強制的に分離すべく、ニップ部の下流側には分離爪が設けられている。分離爪はその先端部が定着ローラや加圧ローラの表面に近接又は接触するように設けられており、定着ローラや加圧ローラの回転軸心方向(母線方向)の爪幅は6mm程度に設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の定着装置では、ニップ部を出た転写紙が、その後の排紙経路上において引っ掛かったり、定着ローラや加圧ローラに巻き付いてジャムが発生する場合がある。ジャムが発生した場合、分離爪を定着ローラや加圧ローラ側へ押圧する力が生じるときがある。
このようなジャムによる押圧力が発生した場合、上述のような従来の構成では分離爪の先端部が定着ローラ又は加圧ローラの表面に食い込んでその表層を傷付けることがあった。ローラ表層が傷付いた場合、定着機能の低下及び装置寿命の早期低下を来たすことになる。
【0005】
そこで、本発明は、ジャムが発生した場合でも分離爪の回転部材に対する損傷付与を抑制できる定着装置、該定着装置を備えた画像形成装置の提供を、その主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、回転部材間でニップ部を形成し、該ニップ部に未定着画像を保持したシート状記録媒体を通して熱と圧力により定着を行い、上記回転部材から上記シート状記録媒体を分離する分離爪を有する定着装置において、上記分離爪の上記回転部材に近接又は接触する先端部の上記回転部材の回転軸心方向における爪幅が、上記先端部が上記回転部材に食い込む方向に外力が作用したときに上記先端部が上記回転部材の表面を傷付けない当接力となる大きさに設定されている、という構成を採っている。
【0007】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記分離爪の先端部の爪幅が7mm以上である、という構成を採っている。
【0008】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記分離爪の先端部の角部が湾曲状に形成されており、該湾曲状の角部を含む上記爪幅が7mm以上である、という構成を採っている。
【0009】
請求項4記載の発明では、請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の定着装置において、上記分離爪の少なくとも上記先端部に、トナーの固着を防止する表面処理がなされている、という構成を採っている。
【0010】
請求項5記載の発明では、請求項4記載の定着装置において、上記表面処理が、テフロン(登録商標)コーティングである、という構成を採っている。
【0011】
請求項6記載の発明では、画像形成されたシート状記録媒体をニップ部に通して熱と圧力により定着を行う定着装置を有する画像形成装置において、上記定着装置が、請求項1乃至5のうちの何れか1つに記載のものである、という構成を採っている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて本実施形態における画像形成装置としてのフルカラー複写機(以下単に「複写機」という)の構成の概要を説明する。複写機20は、原稿画像に応じた各色毎の画像を形成する、図中左肩上がりに斜めに配置された作像装置21C、21Y、21M、21Bkと、各作像装置21C、21Y、21M、21Bkに対向して配置されたベルト方式の転写装置22と、各作像装置21C、21Y、21M、21Bkと転写装置22とが対向する転写領域に各種のシート状記録媒体としての転写紙を供給する給紙手段としての手差しトレイ23、給紙カセット24、31と、これらの給紙手段から給紙された転写紙を作像装置21C、21Y、21M、21Bkによる作像のタイミングに合わせて供給するレジストローラ対30と、転写後の転写紙の定着を行う定着装置36等を有している。
手差しトレイ23、給紙カセット24、31に収容される転写紙は、給紙コロ32及び分離コロ33により最上のものから順に一枚ずつ分離されて給紙され、搬送ローラ対34、35によりレジストローラ対30へ向けて搬送される。
【0013】
複写機20は、一般にコピー等に用いられる普通紙と、OHPシートやカード、葉書といった90K紙、坪量約100g/m相当以上の厚紙や、封筒等の、用紙よりも熱容量がおおきないわゆる特殊シートの何れをもシート状記録媒体と用いることが可能である。
各作像装置21C、21Y、21M、21Bkは、それぞれシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色の現像を行うものであり、用いるトナーの色が異なるが、その構成は同様であるので、作像装置21Cの構成を各作像装置21C、21Y、21M、21Bkの代表例として説明し、他については対応する符号を付して説明を省略する。
【0014】
作像装置21Cは、静電潜像担持体としての感光体ドラム25Cと、感光体ドラム25Cの周りにその回転方向(矢印方向)に沿って順に配置されている帯電装置27C、現像装置26C、クリーニング装置28Cを有し、帯電装置27Cと現像装置26Cとの間で露光光29Cを受ける周知の構成が用いられている。
静電潜像担持体としては、ドラム状の他にベルト状のものを採用してもよい。本実施形態における複写機20は、転写装置22が斜めに延びる構成であるので、水平方向での画像形成部位の占有幅を小さくすることができ、装置のコンパクト化を実現できる利点を有している。
【0015】
定着装置36を出た転写紙は、切換爪51により例えば図中上方に延びる排紙路37へ案内され、排紙ローラ対38により装置上面に形成された排紙トレイ39上に排出される。排紙路37へ案内されない場合には、その下流に設けられた切換爪50によりさらに排紙路40と42の何れかに選択的に案内される。排紙路40へ案内された場合には排紙ローラ対41により図示しない排紙トレイへ排出される。
排紙路42へ案内された場合、両面印刷がなされるときは切換爪43により反転されて再給紙カセット44へ案内される。排紙路42へ案内された転写紙は定着面を下向きにして排紙ローラ対45、46から図示しない排紙トレイへ排出される場合もある。
【0016】
定着装置36は、図2に示すように、内部に熱源としてのハロゲンヒータ6を有する回転部材としての定着ローラ1と、該定着ローラ1に対向して設けられ、図示しない付勢手段により定着ローラ1に圧接する回転部材としての加圧ローラ2を有している。加圧ローラ2も内部に熱源としてのハロゲンヒータ6を有している。定着ローラ1と加圧ローラ2の間には、未定着画像としてのトナー像Tを保持した転写紙8を挟持搬送するニップ部Nが形成されている。転写紙8はガイド部材3によりニップ部Nに案内される。
ニップ部Nの下流側には、定着ローラ1から転写紙8を分離するための分離爪5が設けられているとともに、加圧ローラ2から転写紙8を分離するための分離爪4が設けられている。分離爪5と分離爪4はほぼ同様の構成を有している。
【0017】
図3に示すように、分離爪5は、図示しない定着装置側板間に支持された軸10に嵌められた基部5aと、基部5aから一体に延びるアーム部5bと、アーム部5bの先端部に一体に形成又は固着された先端部としての爪部5cを有している。
爪部5cは、矩形状の平面形状を有し、先端に向かって(定着ローラ1側へ向かって)厚みが小さくなる形状に形成されている。分離爪5は、爪部5cの先端が定着ローラ1の表面に近接するか又は当接する状態に設定される。
爪部5cの定着ローラ1の回転軸心方向(母線方向)における爪幅aは7mm以上に設定され、本実施形態では8mmに設定されている。
爪幅aは、分離爪5がその爪部5cの先端が定着ローラ1の表面に食い込む方向の外力を受けたときに、定着ローラ1の表面を傷付けない当接力となる大きさに設定されるもので、実験により得られた値である。
【0018】
図1に示すように、ニップ部Nを出た転写紙8が排紙経路上において引っ掛かり、ジャムが発生する場合がある。このような場合にはジャム紙により、例えば矢印b方向、すなわち分離爪5の爪部5cを定着ローラ1の表面に押圧する押圧力が生じる。この押圧力は転写紙8が定着ローラ1や加圧ローラ2に巻き付いた場合等にも生じ、その発生状態や方向は多種多様である。
従来では、上述のように爪部5cの爪幅aは6mm程度と狭く、爪部5cはその分離機能を確保する観点から先端は先鋭化されているため、定着ローラ1の表面に食い込んで傷を付けていた。
本実施形態では爪部5cの爪幅aを7mm以上と従来よりも広くしているため、ジャムによる押圧力が発生した場合でも定着ローラ1(分離爪4の場合には加圧ローラ2)の表面に対する爪部5cの当接圧が分散されて小さくなり、ローラ表面への食い込みによる損傷付与は生じないことが確認された。
【0019】
次に、図4に基づいて第2の実施形態を説明する。なお上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略し、要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
本実施形態では爪部5cの両角部5dが湾曲状(R状)に形成されており、該湾曲状の角部5dを含む爪幅aが8mm(7mm以上)に設定されている。ジャム紙による押圧力の方向性によっては、爪部5cの角部5cに当接力が集中する場合があり、このようなときは角部5cが定着ローラ1の表面に容易に食い込む状況が発生し、傷が付くことになる。
本実施形態ではこれを防止すべく、角部5cに丸みを付けている。丸みは例えば曲率半径が1mm以上となるように形成される。このようにすれば、角部5cが定着ローラ1の表面に集中的に当接してもその食い込みを抑制できる。
【0020】
図5に第3の実施形態を示す。分離爪5は定着ローラ1に近接又は当接しているので、転写紙8から定着ローラ1に転移したトナーが付着して固着し易い。分離爪5にトナーが付着して固着した場合には、定着ローラ1の表面を傷付けやすく、あるいは転写紙8の定着面に影響を及ぼし、画質低下を来たす懸念がある。
本実施形態ではこのような問題を防止すべく、分離爪5の少なくとも先端部に、トナーの固着を防止する表面処理を施している。
具体的には、分離爪5の爪部5cとこれを保持するアーム部5bの先端部の表面に亘って(wの範囲)テフロン(登録商標)によるコーティング12を施している。
上記各実施形態において説明した分離爪5の構成及び機能は分離爪4においても同様である。
【0021】
【発明の効果】
請求項1又は6記載の発明によれば、回転部材間でニップ部を形成し、該ニップ部に未定着画像を保持したシート状記録媒体を通して熱と圧力により定着を行い、上記回転部材から上記シート状記録媒体を分離する分離爪を有する定着装置において、上記分離爪の上記回転部材に近接又は接触する先端部の上記回転部材の回転軸心方向における爪幅が、上記先端部が上記回転部材に食い込む方向に外力が作用したときに上記先端部が上記回転部材の表面を傷付けない当接力となる大きさに設定されている構成としたので、回転部材と分離爪との当接圧(接触圧)を低減でき、回転部材の表面への損傷付与を抑制することができる。
【0022】
請求項2又6記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記分離爪の先端部の爪幅が7mm以上である構成としたので、回転部材と分離爪との当接圧(接触圧)を低減でき、回転部材の表面への損傷付与を抑制することができる。
【0023】
請求項3又は6記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記分離爪の先端部の角部が湾曲状に形成されており、該湾曲状の角部を含む上記爪幅が7mm以上である構成としたので、角部が集中的に回転部材の表面に当接しても回転部材の表面への損傷付与を効果的に抑制することができる。
また、回転部材の表面への分離爪の先端部の食い込み易さを低減できる。
【0024】
請求項4又は6記載の発明によれば、請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の定着装置において、上記分離爪の少なくとも上記先端部に、トナーの固着を防止する表面処理がなされている構成としたので、トナーが分離爪に固着することによる回転部材の表面への傷付け易さ、シート状記録媒体の画像面への悪影響を抑制できる。
【0025】
請求項5又は6記載の発明によれば、請求項4記載の定着装置において、上記表面処理が、テフロン(登録商標)コーティングである構成としたので、トナーが分離爪に固着することによる回転部材の表面への傷付け易さ、シート状記録媒体の画像面への悪影響を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置としてのフルカラー複写機の概要正面図である。
【図2】定着装置の概要正面図である。
【図3】定着ローラに対応する分離爪の斜視図である。
【図4】第2の実施形態における分離爪の斜視図である。
【図5】第3の実施形態における分離爪の概要正面図である。
【符号の説明】
1 回転部材としての定着ローラ
2 回転部材としての加圧ローラ
4、5 分離爪
5c 先端部としての爪部
5d 角部
8 シート状記録媒体としての転写紙
a 爪幅
N ニップ部

Claims (6)

  1. 回転部材間でニップ部を形成し、該ニップ部に未定着画像を保持したシート状記録媒体を通して熱と圧力により定着を行い、上記回転部材から上記シート状記録媒体を分離する分離爪を有する定着装置において、
    上記分離爪の上記回転部材に近接又は接触する先端部の上記回転部材の回転軸心方向における爪幅が、上記先端部が上記回転部材に食い込む方向に外力が作用したときに上記先端部が上記回転部材の表面を傷付けない当接力となる大きさに設定されていることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1記載の定着装置において、
    上記分離爪の先端部の爪幅が7mm以上であることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1記載の定着装置において、
    上記分離爪の先端部の角部が湾曲状に形成されており、該湾曲状の角部を含む上記爪幅が7mm以上であることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の定着装置において、
    上記分離爪の少なくとも上記先端部に、トナーの固着を防止する表面処理がなされていることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項4記載の定着装置において、
    上記表面処理が、テフロン(登録商標)コーティングであることを特徴とする定着装置。
  6. 画像形成されたシート状記録媒体をニップ部に通して熱と圧力により定着を行う定着装置を有する画像形成装置において、
    上記定着装置が、請求項1乃至5のうちの何れか1つに記載のものであることを特徴とする画像形成装置。
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