JP2004156962A - 光分岐線路の監視システムおよび監視方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で的確に分岐光線路の監視を行う。
【解決手段】互いに異なるλt(1)〜λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光をOTDR装置2から発信し、第1〜第nの分岐光線路1(1a1〜1an)にそれぞれ入力する。第1〜第(n−1)の分岐光線路1(1a1〜1an−1)の検査光入射側に第1〜第(n−1)の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)を設ける。波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)は透過する検査光の波長数が順に多くなるように形成し、第nの分岐光線路1anの状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路1an−1の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引いて、第(n−2)の分岐光線路1an−2の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引いて求めるといったように、第n〜第1の分岐光線路1の状況を順次求める。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに異なるλt(1)〜λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光をOTDR装置2から発信し、第1〜第nの分岐光線路1(1a1〜1an)にそれぞれ入力する。第1〜第(n−1)の分岐光線路1(1a1〜1an−1)の検査光入射側に第1〜第(n−1)の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)を設ける。波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)は透過する検査光の波長数が順に多くなるように形成し、第nの分岐光線路1anの状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路1an−1の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引いて、第(n−2)の分岐光線路1an−2の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引いて求めるといったように、第n〜第1の分岐光線路1の状況を順次求める。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野に関し、光カプラ等により光線路(光伝送路)を分岐して構成される光分岐線路の監視システムおよび監視方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来、光ファイバ等により形成された光線路を用いて様々な光通信が行われており、この光通信システムにおいて、例えば図3に示す分岐光線路の監視システムによって光線路の異常の有無や異常箇所等を監視することが行われている(例えば非特許文献1参照。)。
【0003】
図3に示すように、光通信システムにおいて、例えば局側のSLT(加入者終端盤)に通信光の発信装置10が設けられており、この発信装置10から発信される通信光は、基幹光線路11を通り、さらに、例えばスターカプラ等の光分岐手段3により分岐され、それぞれの分岐光線路1(1a1〜1a8)を通って加入者宅側のONU(optical network unit;光加入者線終端装置)4に伝送される。
【0004】
ここで、分岐光線路1(1a1〜1a8)の監視を行えるようにするために、光分岐手段3の入射側にOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)装置2を設け、分岐光線路1(1a1〜1a8)の敷設時に、分岐光線路1(1a1〜1a8)の長さを互いに異なる長さに形成して敷設している。
【0005】
そして、分岐光線路1(1a1〜1a8)の敷設後、OTDR装置2から検査光(監視試験光)を、光ファイバ25と光カプラ18を介して基幹光線路11に入力すると、この検査光が分岐光線路1(1a1〜1a8)の終端位置で戻ってくる。この戻り光の測定を分岐光線路11(1a1〜1a8)の正常時に行い、各分岐光線路1(1a1〜1a8)の終端位置を記憶する。
【0006】
また、障害発生時に再度、OTDR装置2による上記検査光の測定試験を実施し、先に記憶していた各分岐光線路1(1a1〜1a8)の終端位置と比較すると、断線等故障が発生した分岐光線路1(1a1〜1a8)の終端位置が変化している(つまり、故障が発生した光線路は断線位置が終端位置となる)ことから、障害のある分岐光線路1の特定が可能となる。
【0007】
一般に、上記通信光として、例えば波長1.31μmの光や波長1.55μmの光が用いられ、OTDR装置2から発信される検査光として、波長1.6μm帯の光が用いられている。分岐光線路1(1a1〜1a8)の終端位置には検査光を反射する検査光遮断フィルタ9が設けられており、検査光による悪影響がONU4に及ぶことを抑制している。なお、図3の図中、17はMTコネクタを示す。
【0008】
また、分岐光線路監視システムの別の例として、図4に示す構成が提案されている(例えば非特許文献2、特許文献1参照。)。
【0009】
この提案の監視システムは、各分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)とONU4との間に光リフレクタ15(15a1,15a2,・・・)を設け、それぞれの光リフレクタ15(15a1,15a2,・・・)により互いに異なる設定波長の光のみを反射するようにし、この反射光を利用して分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)の監視を行うものである。
【0010】
OTDR装置2は波長可変機能を有するものとし、例えば分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)の敷設時に、前記光リフレクタ15(15a1,15a2,・・・)がそれぞれ反射する設定波長光λt(n)(nは整数であり、λt(1)、λt(2)、・・・)をOTDR装置2から順次発信する。
【0011】
そうすると、OTDR装置2から発信された波長λt(1)〜λt(n)の検査光は、光カプラ18を介してそれぞれの分岐光線路1(1a1、1a2、・・・)に入力され、各分岐光線路1(1a1、1a2、・・・)に設けた対応する光リフレクタ15(15a1、15a2、・・・)にて、分岐光線路1(1a1、1a2、・・・)ごとに反射した異なる波長の反射光が戻ってくる。
【0012】
この反射光情報に基づき、それぞれの分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)の終端位置を、上記と同様にして正常時に記憶しておく。そして、障害発生時にも同様に、1つ1つの光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)に対応する設定波長光を順次発信してそれぞれの分岐光線路1の終端位置を記憶し、正常時に記憶した終端位置と比較することにより、障害発生した分岐光線路1を特定する。
【0013】
なお、このシステムにおいても、通信光の発信装置から送信される通信光(λs)は、基幹光線路11を通り、スプリッタ等により形成された光分岐手段3により分岐されてそれぞれの光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)を通ってONU4に入力される。
【0014】
さらに、分岐光線路監視システムの別の例として、図5に示す構成が提案されている(例えば非特許文献3、特許文献2参照。)。
【0015】
このシステムは、光分岐手段3として、通信光の分岐と検査光の分波を行える光部品(スプリッタ/ルータ)を適用してそれぞれの光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)の監視を行うものである。つまり、光分岐手段3に適用される光部品は、OTDR装置2から発信される監視波長光を、波長ごとにそれぞれ対応する光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)に入力できるような、波長合分波機能を有するアレイ導波路回折格子の応用品等により形成される。
【0016】
OTDR装置2は、例えば光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)の本数に対応する種類の波長可変機能を有するものとする。OTDR装置2から発信された第1設定波長光は光分岐手段3を介し、対応する光分岐線路1a1に入射するので、光分岐線路1a1の終端位置が検出される。
【0017】
同様に、それぞれの分岐光線路1(1a2,・・・)の終端位置を記憶しておく。障害発生時にも同様に、1つ1つの光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)に対応する設定波長光を選択的に入射して、それぞれの分岐光線路1の終端位置を記憶し、正常時に記憶した終端位置と比較することにより、どの分岐光線路1のどの位置にどのような障害が発生しているかを検出する。
【0018】
さらに、分岐光線路監視システムの別の例として、図6に示す構成により光線路の監視を行うことが提案されている(例えば非特許文献4参照。)。
【0019】
この提案のシステムは、光分岐手段3の手前に、波長選択分波光部品13を設けて、波長λsの通信光と波長λt(1)〜λt(n)の検査光とを分離させ、通信光は光分岐手段3により分岐してそれぞれの分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)に入力する。
【0020】
一方、検査光は、検査光専用線路24を通り、波長分波器14によってそれぞれの波長ごとに分波され、対応する分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)側に伝送する。そして、光カプラ16を介して前記通信光と検査光が合波され、それぞれの分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)側を伝送する。なお、波長分波器14は、例えばバンドパスフィルタ型波長分波器等により形成される。
【0021】
この構成においても、図5に示した構成と同様に、OTDR装置2は、例えば光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)の本数に対応する種類の波長可変機能を有するものとする。そして、光線路敷設時にそれぞれの分岐光線路の終端位置を記憶しておき、異常発生時に記憶される各分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)の終端位置との比較によって、どの分岐光線路1のどの位置にどのような障害が発生しているかを検出する。
【0022】
【特許文献1】
特開平9―152386号公報
【特許文献2】
特開平9―113413号公報
【非特許文献1】
1994年信学会秋期大会B−846
【非特許文献2】
1996年信学会総合大会B−1073
【非特許文献3】
平成8年電気学会電子・情報・システム部門大会A−9−4
【非特許文献4】
電子情報通信学会技術研究報告(OFT2000−51)
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3に示した監視システムは、光線路の敷設時に各分岐光線路1(1a1〜1a8)の長さを互いに異なる長さに設計する必要があり、設計作業が面倒であるといった問題があった。また、このシステムを適用して分岐光線路の監視を行った場合、どの分岐光線路1に故障があるかを知ることができるだけであり、故障位置の特定はできなかった。
【0024】
また、図4に示した方法は、例えば断線等の障害発生時には、どの分岐光線路1に故障が発生したかを知ることができるが、反射が無く、損失のみが増加する故障が発生した場合はどの位置で故障が発生したかを特定することができないといった問題があった。
【0025】
さらに、図5に示した方法は、障害発生時にどの分岐光線路1のどの位置にどのような故障が発生したかが分かるものの、光分岐手段3としてアレイ導波路回折格子の応用品等を適用する必要があり、この光部品が高価なため、システム構築のコストアップを招くといった問題があった。
【0026】
また、上記アレイ導波路回折格子の応用品は、アレイ導波路回折格子に温度依存性があることから、環境温度によって分波波長がシフトしてしまい、各分岐光線路1に正常に試験光が入力されない可能性がある。これを防止するために温度補償機構を設けると、光分岐手段3の部品コストが益々高くなり、システム構築の益々のコストアップを招く。
【0027】
さらに、図6に示した方法は、図5に示した方法と同様に、障害発生時にどの分岐光線路1のどの位置にどのような故障が発生したかが分かるものの、多数の光部品を用いており、システムが複雑なために、システム構築のコストアップを招くといった問題があった。
【0028】
本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、安いシステム構築コストで、障害発生時にどの分岐光線路のどの位置にどのような故障が発生したかを的確に監視できる分岐光線路の監視システムおよび監視方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明の分岐光線路の監視システムは、少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するOTDR装置と、該OTDR装置から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路にそれぞれ入力する光分岐手段と、前記n本の分岐光線路のうち第1から第(n−1)の分岐光線路の検査光入射側にそれぞれ設けられて互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタと、該第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタをそれぞれ透過して前記第1から第(n−1)の分岐光線路に入力された後にそれぞれの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光と波長選択透過フィルタが設けられていない第nの分岐光線路に入力された後に第nの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光のデータを受けて、波長λt(1)から波長λt(n)の戻り光の解析を行う検査光解析手段とを有し、前記第1の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、前記第2の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、前記第3の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタは透過する検査光の波長数が順に多くなるように形成されており、前記検査光解析手段は第nの分岐光線路の状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路の状況を順次求める構成をもって課題を解決する手段としている。
【0030】
また、第2の発明の分岐光線路の監視システムは、少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するOTDR装置と、該OTDR装置から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路にそれぞれ入力する光分岐手段と、前記第1から第nの分岐光線路の検査光入射側にそれぞれ設けられて互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第nの波長選択透過フィルタと、該第1から第nの波長選択透過フィルタをそれぞれ透過して前記第1から第nの分岐光線路に入力された後にそれぞれの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光を受けて、波長λt(1)から波長λt(n)の戻り光の解析を行う検査光解析手段とを有し、前記第1の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、前記第2の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、前記第3の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第nの波長選択透過フィルタは透過する検査光の波長数が順に多くなるように形成されており、前記検査光解析手段は第nの分岐光線路の状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路の状況を順次求める構成をもって課題を解決する手段としている。
【0031】
さらに、第3の発明の分岐光線路の監視システムは、上記第1または第2の発明の構成に加え、前記OTDR装置から発信される検査光と通信光を合波して分岐光導波路に送信する光合波器が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0032】
さらに、第4の発明の分岐光線路の監視システムは、上記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記波長選択透過フィルタは通信光を透過する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0033】
さらに、第5の発明の分岐光線路の監視システムは、上記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記分岐光線路の終端部に検査光遮断フィルタを設けた構成をもって課題を解決する手段としている。
【0034】
さらに、第6の発明の分岐光線路の監視システムは、上記第1乃至第5のいずれか一つの発明の構成に加え、前記OTDR装置から発信する検査光が通信光の発信装置に入射することを抑制する検査光遮断フィルタを設けた構成をもって課題を解決する手段としている。
【0035】
さらに、第7の発明の分岐光線路の監視システムは、上記第1乃至第6のいずれか一つの発明の構成に加え、前記1つのOTDR装置が光スイッチを介して複数の光分岐手段に接続されており、それぞれの光分岐手段に接続されている分岐光線路に前記OTDR装置からの検査光を切り替え入力する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0036】
さらに、第8の発明の分岐光線路の監視システムは、上記第1乃至第7のいずれか一つの発明の構成に加え、前記検査光解析手段は光ファイバ特性の波長依存性を補正する補正部を有している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0037】
さらに、第9の発明の分岐光線路の監視方法は、少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するOTDR装置と、該OTDR装置から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路にそれぞれ入力する光分岐手段を設け、前記n本の分岐光線路のうち第1から第(n−1)の分岐光線路の検査光入射側には互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタを設け、前記第1の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、前記第2の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、前記第3の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタは透過する検査光の波長数を順に多くし、該第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタをそれぞれ透過して前記第1から第(n−1)の分岐光線路に入力された後にそれぞれの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光と、波長選択透過フィルタが設けられていない第nの分岐光線路に入力された後に第nの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光のデータに基づき、第nの分岐光線路の状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路の状況を順次求める構成をもって課題を解決する手段としている。
【0038】
また、第10の発明の分岐光線路の監視方法は、少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するOTDR装置と、該OTDR装置から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路にそれぞれ入力する光分岐手段を設け、前記n本の分岐光線路のうち第1から第nの分岐光線路の検査光入射側には互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第nの波長選択透過フィルタを設け、前記第1の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、前記第2の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、前記第3の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第nの波長選択透過フィルタは透過する検査光の波長数を順に多くし、該第1から第nの波長選択透過フィルタをそれぞれ透過して前記第1から第nの分岐光線路に入力された後にそれぞれの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる波長λt(1)から波長λt(n)の戻り光のデータに基づき、第nの分岐光線路の状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路の状況を順次求める構成をもって課題を解決する手段としている。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略又は簡略化する。
【0040】
図1には、本発明に係る分岐光線路の監視システムの第1実施形態例が示されている。図1に示すように、本実施形態例の分岐光線路の監視システムは、OTDR装置2と光分岐手段3を有しており、光分岐手段3は、OTDR装置2から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路1(1a1〜1an)にそれぞれ入力する。
【0041】
また、本実施形態例の分岐光線路の監視システムにおいて、前記n本の分岐光線路1(1a1〜1an)のうち、第1から第(n−1)の分岐光線路1(1a1〜1an−1)の検査光入射側には、それぞれ、互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)が設けられている。
【0042】
前記OTDR装置2は、少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するものであり、光ファイバ25と光カプラ18を介して基幹光線路11に接続されている。
【0043】
基幹光線路11には通信光の発信装置10が接続されており、光カプラ18は、通信光と前記OTDR装置2から発信される検査光を合波して分岐光導波路1(1a1〜1an−1)に送信する光合波器として機能する。前記OTDR装置2により発信する検査光波長λt(1)〜λt(n)は、通信光波長λsに対し、λs<λt(1)<λt(2)<・・・・<λt(n)である。
【0044】
前記それぞれの波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)は、設定波長よりも短波長側の光を選択的に透過するSWPF(短波長域透過フィルタ)により形成されている。
【0045】
第1の波長選択透過フィルタ5a1は、OTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、第2の波長選択透過フィルタ5a2はOTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、第3の波長選択透過フィルタ5a3はOTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)は透過する検査光の波長数が順に多くなるように形成されている。
【0046】
この構成により、第(n−1)の波長選択透過フィルタ5an−1はOTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)から波長λt(n−1)までの検査光を透過する。また、分岐光線路1anには波長選択透過フィルタ5が設けられていないので、通信光と波長λt(1)から波長λt(n)のn個の波長を持った検査光が伝搬する。
【0047】
また、本実施形態例において、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)は、波長λsの通信光を透過する。したがって、それぞれの波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)を透過した検査光と通信光は、それぞれ、対応する分岐光線路1(1a1〜1an−1)を伝搬する。
【0048】
なお、本実施形態例において、各分岐光線路1(1a1〜1an)の終端部には、それぞれ、検査光遮断フィルタ9が設けられており、各分岐光線路1(1a1〜1an)を伝搬した検査光は検査光遮断フィルタ9で反射してOTDR装置2側に戻り、波長λsの通信光のみがONU4に受信される。
【0049】
また、基幹光線路11には、光カプラ18の入射側の位置に、OTDR装置2から発信される検査光が通信光の発信装置10に入射することを抑制する検査光遮断フィルタ9が設けられており、各分岐光線路1(1a1〜1an)で反射した戻り光は発信装置10には入射されないように構成されている。
【0050】
図1に示すように、本実施形態例の分岐光線路の監視システムは、前記OTDR装置2にコンピュータ22を接続し、このコンピュータ22内に、OTDR装置2により受信した戻り光のデータ(波形データ)を解析する検査光解析手段6を設けて形成されている。
【0051】
検査光解析手段6は、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)をそれぞれ透過して前記第1から第(n−1)の分岐光線路1(1a1〜1an−1)に入力された後にそれぞれの分岐光線路1(1a1〜1an−1)で反射してOTDR装置2に戻ってくる戻り光と、波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)が設けられていない第nの分岐光線路1anに入力された後に第nの分岐光線路1anで反射してOTDR装置2に戻ってくる戻り光のデータとを受けて、波長λt(1)から波長λt(n)の戻り光の解析を行う。
【0052】
検査光解析手段6は第nの分岐光線路1anの状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路1an−1の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路1an−2の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路1an、1an−1、・・・1a1の状況を順次求める。
【0053】
また、周知の如く、光ファイバの伝搬特性は波長依存性を有しており、本実施形態例に適用されている検査光解析手段6は上記光ファイバ特性の波長依存性を補正する補正部(図示せず)を有している。
【0054】
本実施形態例は以上のように構成されており、OTDR装置2から発信される互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光が、光ファイバ25と光カプラ18と分岐前光線路12と光分岐手段3を介して、第1から第nの分岐光線路1(1a1〜1an)側に向けて伝搬する。
【0055】
ただし、第1から第n−1の分岐光線路1(1a1〜1an−1)には、その入射側に第1から第n−1の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)が設けられているので、第1から第n−1の分岐光線路1(1a1〜1an−1)には、対応する第1から第n−1の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)を透過した検査光のみが伝搬する。
【0056】
つまり、第1の波長選択透過フィルタ5a1が設けられている第1の分岐光伝送路1a1には、OTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみが伝搬し、第2の波長選択透過フィルタ5a2が設けられている第2の分岐光伝送路1a2には、OTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光が伝搬する。
【0057】
また、第3の波長選択透過フィルタ5a3が設けられている第3の分岐光伝送路1a3には、OTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光が伝搬するというように、第1から第(n−1)の分岐光線路1(1a1〜1an−1)を伝搬する検査光の波長数は順に多くなる。
【0058】
そして、波長選択透過フィルタ5が設けられていない第nの分岐光伝送路1anには、波長λt(1)から波長λt(n)までの全ての検査光が伝搬し、波長λt(n)の検査光が伝搬する分岐光伝送路1は第nの分岐光伝送路1anのみであるので、検査光解析手段6は第nの分岐光線路1anの状況を波長λt(n)の戻り光により求める。
【0059】
また、波長λt(n−1)の検査光は、第nの分岐光線路1anと第(n−1)の分岐光線路1an−1にのみ伝搬し、第nの分岐光線路1anの状況は波長λt(n)の戻り光により求めて既知となっていることから、検査光解析手段6は、波長λt(n−1)の戻り光から、上記波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−1)の分岐光線路1an−1の状況を求めることができる。
【0060】
同様に、検査光解析手段6は、第(n−2)の分岐光線路1an−2の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路1an、1an−1、・・・1a1の状況を順次求める。
【0061】
なお、λt(n−2)は分岐光線路1anおよび分岐光線路1an−1および分岐光線路1an−2に入射するため、分岐光線路1anおよび分岐光線路1an−1および分岐光線路1an−2からの反射戻り光が観測される。また、λt(n−1)は分岐光線路1anおよび分岐光線路1an−1に入射するため、分岐光線路1anおよび分岐光線路1an−1からの反射戻り光が観測される。
【0062】
したがって、分岐光線路1an−2の状況を求めるためには、波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くだけでよい。
【0063】
また、本実施形態例では、検査光解析手段6は上記光ファイバ特性の波長依存性を補正する補正部(図示せず)を有しており、検査光解析手段6は上記データ解析において、光ファイバ特性の波長依存性を補正しながらデータ解析を行う。
【0064】
つまり、周知の如く、光ファイバの損失は波長に依存することが知られており、波長可変のOTDR装置2により検査光波長を可変して分岐光線路の監視試験を行う場合も、波長依存による影響がある。具体的にはOTDR装置2により検出される波形の傾きが波長ごとに変わってくる。
【0065】
この光ファイバ損失の波長依存性をなくすために、例えばOTDR装置2から互いに異なる波長の検査光を発信し、OTDR装置2に戻ってくる検出波形データの波長による違いを比較することによって検出波形の傾き補正を行う。
【0066】
例えば波長λt(n)をOTDR装置2から発信したときにOTDR装置2に戻ってくる波形データと、波長λt(n−1)をOTDR装置2から発信したときにOTDR装置2に戻ってくる波形データを比較した場合、これらの波形データは、それぞれの波長の光が入力される分岐光線路1の違いによって互いに異なる。ただし、たとえOTDR装置2からの発信波長が異なっていても、光ファイバ損失の波長依存性が全くない場合には、光カプラ18と光分岐手段3との間の分岐前光線路12を伝搬して戻ってくる光の波形はほぼ同じになるはずである。
【0067】
そこで、波長λt(n)が光分岐手段3の手前の分岐前光線路12で反射して戻る波形と、波長λt(n−1)が光分岐手段3の手前の分岐前光線路12で反射して戻る波形の傾きを算出し、波長λt(n−1)の波形の傾きを波長λt(n)に合わせる。あるいは、その逆に、波長λt(n)の波形の傾きを波長λt(n−1)に合わせる。このことにより、光ファイバ損失の波長依存性を補正する。
【0068】
また、光ファイバのレーリー散乱光等の反射戻り光も波長依存性があり、波長ごとに反射戻り光のパワーレベルが異なることも知られている。そこで、前述の傾き補正後の波長λt(n−1)の波形について、分岐前光線路12内の設定点のパワーレベルを求め、傾き補正後の波長λt(n)の波形について、分岐前光線路12内の前記設定点のパワーレベルを求め、両者のレベル差を算出する。そして、波長λt(n−1)の波形に対してその差分を加算または減算することで反射戻り光の波長依存性をなくすことができる。
【0069】
通常、OTDR装置2により検出される波形データは利得計算された値であることから、それぞれの波形を測定点毎にパワー換算し、パワー換算された波長λt(n−1)の波形データからパワー換算された波長λt(n)の波形データを測定点毎に減算する。得られた結果を再度利得計算することによって、第(n−1)の分岐光線路のみのOTDR波形を得ることができる。
【0070】
本実施形態例は、上記構成により、上記のようにして各分岐光線路1(1a1〜1an)の監視を行うものであり、OTDR装置2から発信されてそれぞれの分岐光線路1(1a1〜1an)に入射し、戻ってくる戻り光の解析によって、各分岐光線路1(1a1〜1an)の線路状態を的確に、かつ、容易に観測することができる。
【0071】
また、本実施形態例において、光分岐手段3は単純に光を分岐する機能を有していればよいので、光の分岐と分波の両方の機能を有するアレイ導波路回折格子等の応用品を用いた図5の構成のシステムに比べてシステム構築のコストアップを抑制でき、安価に分岐光線路の監視システムを構築できる。
【0072】
また、それぞれの分岐光線路1(1a1〜1an−1)の検査光入射側に設ける波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)は、アレイ導波路回折格子の応用品に比べて温度依存性が低いので、温度調節機構等を設ける必要が無く、システムの低コスト化をより一層実現できる。
【0073】
また、本実施形態例に適用している波長選択透過フィルタ5は、通信光を透過する機能を有しているので、図6に示したシステムのように、通信光とOTDR装置2から発信する検査光を別々の経路で各分岐光線路1(1a1〜1an)に導く必要はなく、少ない部品点数で、簡単な構成の分岐光線路の監視システムを構築できる。
【0074】
さらに、本実施形態例では、各分岐光線路1(1a1〜1an)の終端部および、通信光の発信装置10とOTDR装置2との間に、検査光遮断フィルタ9が設けられており、OTDR装置2から発信される検査光はONU4や発信装置10には入射されないように構成されているので、インサービスの線路において分岐光線路1の監視を行っても、検査光によるノイズ等の支障が無く光通信を行うことができる。
【0075】
次に、本発明に係る分岐光線路の監視システムの第2実施形態例について説明する。なお、この第2実施形態例の説明において、上記第1実施形態例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。
【0076】
第2実施形態例の分岐光線路の監視システムは、図2に示すように、1つのOTDR装置2が光スイッチ7を介して複数の光分岐手段3(3a,3b,・・・)に接続されており、それぞれの光分岐手段3(3a,3b,・・・)に接続されている分岐光線路1(1a1〜1an,1b1〜1bn,・・・)にOTDR装置2からの検査光を切り替え入力する構成としたことを特徴とする。
【0077】
第2実施形態例の上記以外の構成は上記第1実施形態例と同様であり、上記第1実施形態例と同様の動作により同様の効果を奏することができる。
【0078】
また、第2実施形態例の分岐光線路の監視システムは、1つのOTDR装置2が光スイッチ7を介して複数の光分岐手段3(3a,3b,・・・)に接続されているので、少ない部品構成でより多くの分岐光線路1の監視を行うことができ、システム構成を簡略化でき、システム構築のコストダウンを図ることができる。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上記各実施形態例では、波長選択透過フィルタ5をSWPFにより形成したが、波長選択透過フィルタ5は、設定波長帯の光のみを選択的に透過するBPF(帯域透過型フィルタ)により形成してもよい。なお、この場合、通信光λsはBPFの透過帯域内にあればよい。
【0080】
例えば、第1の波長選択透過フィルタ5a1は、波長λsと波長λt(1)の光を透過するフィルタとし、第2の波長選択透過フィルタ5a2は、波長λsと波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過するフィルタとし、第(n−1)の波長選択透過フィルタ5an−1は波長λsと波長λt(1)〜λt(n−1)の光を透過するフィルタとすればよい。
【0081】
また、通信光波長λsとOTDR装置2から発信する検査光の波長λtの関係を、λs>λt(1)>λt(2)>・・・>λt(n)としてもよい。この場合、波長選択透過フィルタ5を、設定波長よりも長波長側の光のみを透過するLWPF(長波長域透過フィルタ)により形成すればよい。
【0082】
例えば、波長選択透過フィルタ5a1は波長λsと波長λt(1)を透過するLWPFとし、波長選択透過フィルタ5a2は波長λsと波長λt(1)と波長λt(2)を透過するLWPFとし、波長選択透過フィルタ5an−1は波長λsと波長λt(1)〜波長λt(n−1)を透過するLWPFとする。
【0083】
また、上記のように、通信光波長と検査光波長の関係を、λs>λt(1)>λt(2)>・・・>λt(n)とした場合も、LWPFの代わりにBPFを適用することもできる。
【0084】
さらに、上記各実施形態例では、n本の分岐光線路1(1a1〜1an)のうち、第1から第(n−1)の分岐光線路1(1a1〜1an−1)の検査光入射側にそれぞれ、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)を設けたが、第nの分岐光線路1anにも、図1の鎖線で示すように、波長選択透過フィルタ5(5n)を設けてもよい。
【0085】
この場合、第nの分岐光線路1anに設ける波長選択透過フィルタ5nは、波長λt(1)から波長λt(n)の検査光を全て透過する構成とし、検査光解析手段6は、第nの分岐光線路1anでの反射戻り光と第1から第(n−1)の分岐光線路1(1a1〜1an−1)での反射戻り光のデータを受けて、上記各実施形態例と同様の解析を行うことにより同様の効果を奏することができる。
【0086】
さらに、上記各実施形態例では、OTDR波形の線形演算の際に、光ファイバ損失・反射戻り光の補正を、測定波形を元に行うようにしたが、測定線路の光ファイバの検査光波長毎の光ファイバ損失・反射戻り光レベルが既知であればそれを用いて補正を行うようにしてもよい。
【0087】
また、OTDR波形演算の際に距離方向の補正を行うようにしてもよい。光ファイバ中の光の伝搬速度は波長により異なるため、波長可変OTDR装置2により波長を変えて測定した場合には、光線路の同一地点であっても観測される時間遅れが異なってくる。
【0088】
これは対象となる光線路が長距離になると顕著である。検査光波長毎の光ファイバ中の伝搬時間が既知であれば、それを元に距離方向の補正を行うことができる。なお、光ファイバの波長ごとの光伝搬速度が不明の場合でも、各検査光波長による任意の2点間の距離から遅延時間の差を割り出して、距離補正を行ってもよい。このように、データの補正方法は適宜設定されるものである。
【0089】
さらに、上記各実施形態例では、OTDR装置2にコンピュータ22を接続し、コンピュータ22に設けた検査光解析手段6によりOTDR波形の線形演算を行うようにしたが、検査光解析手段6をOTDR装置2内に組み込んで、OTDR装置2に上記線形演算機能をもたせてもよい。
【0090】
さらに、本発明の分岐光線路の監視システムおよび監視方法は、インサービスされていないシステムに適用してもよい。この場合は、波長選択透過フィルタは通信光を透過しないフィルタとしてもよいし、発信装置10と光カプラ18の間に設けた検査光透過フィルタ9およびONU4の前に設けた検査光遮断フィルタ9は設けなくてもよい。
【0091】
さらに、上記各実施形態例では、OTDR装置2は互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信したが、OTDR装置3は、少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信できればよく、それ以外の光を発信できる装置としてもよい。
【0092】
【発明の効果】
本発明の分岐光線路の監視システムおよび監視方法によれば、複数波長を持つ検査光をOTDR装置から発信して該検査光を光分岐手段で単純に分岐し、分岐光線路の検査光入射側に設けた波長選択透過フィルタの波長選択透過特性を利用して、それぞれの分岐光線路に入射する検査光の数を順に多くして、分岐光線路で反射してOTDR装置側に戻る戻り光を解析することにより、簡単で安価にできる構成で的確に分岐光線路の監視を行うことができる。
【0093】
また、本発明の分岐光線路の監視システムにおいて、OTDR装置から発信される検査光と通信光を合波して分岐光導波路に送信する光合波器が設けられている構成によれば、光合波器によって検査光と通信光を合波し、光通信と分岐光線路の監視を的確に行うことができる。
【0094】
さらに、本発明の分岐光線路の監視システムにおいて、波長選択透過フィルタは通信光を透過する構成によれば、波長選択透過フィルタを通して通信光と検査光を分岐光線路に入力できるので、構成が簡単で低コストの監視システムを構築できる。
【0095】
また、本発明の分岐光線路の監視システムにおいて、分岐光線路の終端部に検査光遮断フィルタを設けた構成によれば、検査光による悪影響を光加入者線終端装置に与えることを抑制できる。
【0096】
さらに、本発明の分岐光線路の監視システムにおいて、OTDR装置から発信する検査光が通信光の発信装置に入射することを抑制する検査光遮断フィルタを設けた検査光遮断フィルタを設けた構成によれば、検査光による悪影響を通信光の発信装置に与えることを抑制できる。
【0097】
さらに、本発明の分岐光線路の監視システムにおいて、1つのOTDR装置が光スイッチを介して複数の光分岐手段に接続されており、それぞれの光分岐手段に接続されている分岐光線路に前記OTDR装置からの検査光を切り替え入力する構成とした構成によれば、1つのOTDR装置によって、より多くの分岐光線路の監視を効率的に行うことができ、監視システムのコストダウンをより一層図ることができる。
【0098】
さらに、本発明の分岐光線路の監視システムにおいて、検査光解析手段は光ファイバ特性の波長依存性を補正する補正部を有している構成によれば、検査光解析手段による検査光解析をより一層的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分岐光線路の監視システムの第1実施形態例を示す要部構成図である。
【図2】本発明に係る分岐光線路の監視システムの第2実施形態例を示す要部構成図である。
【図3】従来の分岐光線路の監視システムの一例を示す説明図である。
【図4】従来の分岐光線路の監視システムの別の例を示す説明図である。
【図5】従来の分岐光線路の監視システムのさらに別の例を示す説明図である。
【図6】従来の分岐光線路の監視システムのさらにまた別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1a1〜1an,1b1〜1bn 分岐光線路
2 OTDR装置
3 光分岐手段
4 ONU
5,5a1〜5an 波長選択透過フィルタ
6 検査光解析手段
7 光スイッチ
9 検査光遮断フィルタ
10 発信装置
11 基幹光線路
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野に関し、光カプラ等により光線路(光伝送路)を分岐して構成される光分岐線路の監視システムおよび監視方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来、光ファイバ等により形成された光線路を用いて様々な光通信が行われており、この光通信システムにおいて、例えば図3に示す分岐光線路の監視システムによって光線路の異常の有無や異常箇所等を監視することが行われている(例えば非特許文献1参照。)。
【0003】
図3に示すように、光通信システムにおいて、例えば局側のSLT(加入者終端盤)に通信光の発信装置10が設けられており、この発信装置10から発信される通信光は、基幹光線路11を通り、さらに、例えばスターカプラ等の光分岐手段3により分岐され、それぞれの分岐光線路1(1a1〜1a8)を通って加入者宅側のONU(optical network unit;光加入者線終端装置)4に伝送される。
【0004】
ここで、分岐光線路1(1a1〜1a8)の監視を行えるようにするために、光分岐手段3の入射側にOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)装置2を設け、分岐光線路1(1a1〜1a8)の敷設時に、分岐光線路1(1a1〜1a8)の長さを互いに異なる長さに形成して敷設している。
【0005】
そして、分岐光線路1(1a1〜1a8)の敷設後、OTDR装置2から検査光(監視試験光)を、光ファイバ25と光カプラ18を介して基幹光線路11に入力すると、この検査光が分岐光線路1(1a1〜1a8)の終端位置で戻ってくる。この戻り光の測定を分岐光線路11(1a1〜1a8)の正常時に行い、各分岐光線路1(1a1〜1a8)の終端位置を記憶する。
【0006】
また、障害発生時に再度、OTDR装置2による上記検査光の測定試験を実施し、先に記憶していた各分岐光線路1(1a1〜1a8)の終端位置と比較すると、断線等故障が発生した分岐光線路1(1a1〜1a8)の終端位置が変化している(つまり、故障が発生した光線路は断線位置が終端位置となる)ことから、障害のある分岐光線路1の特定が可能となる。
【0007】
一般に、上記通信光として、例えば波長1.31μmの光や波長1.55μmの光が用いられ、OTDR装置2から発信される検査光として、波長1.6μm帯の光が用いられている。分岐光線路1(1a1〜1a8)の終端位置には検査光を反射する検査光遮断フィルタ9が設けられており、検査光による悪影響がONU4に及ぶことを抑制している。なお、図3の図中、17はMTコネクタを示す。
【0008】
また、分岐光線路監視システムの別の例として、図4に示す構成が提案されている(例えば非特許文献2、特許文献1参照。)。
【0009】
この提案の監視システムは、各分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)とONU4との間に光リフレクタ15(15a1,15a2,・・・)を設け、それぞれの光リフレクタ15(15a1,15a2,・・・)により互いに異なる設定波長の光のみを反射するようにし、この反射光を利用して分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)の監視を行うものである。
【0010】
OTDR装置2は波長可変機能を有するものとし、例えば分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)の敷設時に、前記光リフレクタ15(15a1,15a2,・・・)がそれぞれ反射する設定波長光λt(n)(nは整数であり、λt(1)、λt(2)、・・・)をOTDR装置2から順次発信する。
【0011】
そうすると、OTDR装置2から発信された波長λt(1)〜λt(n)の検査光は、光カプラ18を介してそれぞれの分岐光線路1(1a1、1a2、・・・)に入力され、各分岐光線路1(1a1、1a2、・・・)に設けた対応する光リフレクタ15(15a1、15a2、・・・)にて、分岐光線路1(1a1、1a2、・・・)ごとに反射した異なる波長の反射光が戻ってくる。
【0012】
この反射光情報に基づき、それぞれの分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)の終端位置を、上記と同様にして正常時に記憶しておく。そして、障害発生時にも同様に、1つ1つの光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)に対応する設定波長光を順次発信してそれぞれの分岐光線路1の終端位置を記憶し、正常時に記憶した終端位置と比較することにより、障害発生した分岐光線路1を特定する。
【0013】
なお、このシステムにおいても、通信光の発信装置から送信される通信光(λs)は、基幹光線路11を通り、スプリッタ等により形成された光分岐手段3により分岐されてそれぞれの光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)を通ってONU4に入力される。
【0014】
さらに、分岐光線路監視システムの別の例として、図5に示す構成が提案されている(例えば非特許文献3、特許文献2参照。)。
【0015】
このシステムは、光分岐手段3として、通信光の分岐と検査光の分波を行える光部品(スプリッタ/ルータ)を適用してそれぞれの光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)の監視を行うものである。つまり、光分岐手段3に適用される光部品は、OTDR装置2から発信される監視波長光を、波長ごとにそれぞれ対応する光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)に入力できるような、波長合分波機能を有するアレイ導波路回折格子の応用品等により形成される。
【0016】
OTDR装置2は、例えば光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)の本数に対応する種類の波長可変機能を有するものとする。OTDR装置2から発信された第1設定波長光は光分岐手段3を介し、対応する光分岐線路1a1に入射するので、光分岐線路1a1の終端位置が検出される。
【0017】
同様に、それぞれの分岐光線路1(1a2,・・・)の終端位置を記憶しておく。障害発生時にも同様に、1つ1つの光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)に対応する設定波長光を選択的に入射して、それぞれの分岐光線路1の終端位置を記憶し、正常時に記憶した終端位置と比較することにより、どの分岐光線路1のどの位置にどのような障害が発生しているかを検出する。
【0018】
さらに、分岐光線路監視システムの別の例として、図6に示す構成により光線路の監視を行うことが提案されている(例えば非特許文献4参照。)。
【0019】
この提案のシステムは、光分岐手段3の手前に、波長選択分波光部品13を設けて、波長λsの通信光と波長λt(1)〜λt(n)の検査光とを分離させ、通信光は光分岐手段3により分岐してそれぞれの分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)に入力する。
【0020】
一方、検査光は、検査光専用線路24を通り、波長分波器14によってそれぞれの波長ごとに分波され、対応する分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)側に伝送する。そして、光カプラ16を介して前記通信光と検査光が合波され、それぞれの分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)側を伝送する。なお、波長分波器14は、例えばバンドパスフィルタ型波長分波器等により形成される。
【0021】
この構成においても、図5に示した構成と同様に、OTDR装置2は、例えば光分岐線路1(1a1,1a2,・・・)の本数に対応する種類の波長可変機能を有するものとする。そして、光線路敷設時にそれぞれの分岐光線路の終端位置を記憶しておき、異常発生時に記憶される各分岐光線路1(1a1,1a2,・・・)の終端位置との比較によって、どの分岐光線路1のどの位置にどのような障害が発生しているかを検出する。
【0022】
【特許文献1】
特開平9―152386号公報
【特許文献2】
特開平9―113413号公報
【非特許文献1】
1994年信学会秋期大会B−846
【非特許文献2】
1996年信学会総合大会B−1073
【非特許文献3】
平成8年電気学会電子・情報・システム部門大会A−9−4
【非特許文献4】
電子情報通信学会技術研究報告(OFT2000−51)
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3に示した監視システムは、光線路の敷設時に各分岐光線路1(1a1〜1a8)の長さを互いに異なる長さに設計する必要があり、設計作業が面倒であるといった問題があった。また、このシステムを適用して分岐光線路の監視を行った場合、どの分岐光線路1に故障があるかを知ることができるだけであり、故障位置の特定はできなかった。
【0024】
また、図4に示した方法は、例えば断線等の障害発生時には、どの分岐光線路1に故障が発生したかを知ることができるが、反射が無く、損失のみが増加する故障が発生した場合はどの位置で故障が発生したかを特定することができないといった問題があった。
【0025】
さらに、図5に示した方法は、障害発生時にどの分岐光線路1のどの位置にどのような故障が発生したかが分かるものの、光分岐手段3としてアレイ導波路回折格子の応用品等を適用する必要があり、この光部品が高価なため、システム構築のコストアップを招くといった問題があった。
【0026】
また、上記アレイ導波路回折格子の応用品は、アレイ導波路回折格子に温度依存性があることから、環境温度によって分波波長がシフトしてしまい、各分岐光線路1に正常に試験光が入力されない可能性がある。これを防止するために温度補償機構を設けると、光分岐手段3の部品コストが益々高くなり、システム構築の益々のコストアップを招く。
【0027】
さらに、図6に示した方法は、図5に示した方法と同様に、障害発生時にどの分岐光線路1のどの位置にどのような故障が発生したかが分かるものの、多数の光部品を用いており、システムが複雑なために、システム構築のコストアップを招くといった問題があった。
【0028】
本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、安いシステム構築コストで、障害発生時にどの分岐光線路のどの位置にどのような故障が発生したかを的確に監視できる分岐光線路の監視システムおよび監視方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明の分岐光線路の監視システムは、少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するOTDR装置と、該OTDR装置から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路にそれぞれ入力する光分岐手段と、前記n本の分岐光線路のうち第1から第(n−1)の分岐光線路の検査光入射側にそれぞれ設けられて互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタと、該第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタをそれぞれ透過して前記第1から第(n−1)の分岐光線路に入力された後にそれぞれの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光と波長選択透過フィルタが設けられていない第nの分岐光線路に入力された後に第nの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光のデータを受けて、波長λt(1)から波長λt(n)の戻り光の解析を行う検査光解析手段とを有し、前記第1の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、前記第2の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、前記第3の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタは透過する検査光の波長数が順に多くなるように形成されており、前記検査光解析手段は第nの分岐光線路の状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路の状況を順次求める構成をもって課題を解決する手段としている。
【0030】
また、第2の発明の分岐光線路の監視システムは、少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するOTDR装置と、該OTDR装置から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路にそれぞれ入力する光分岐手段と、前記第1から第nの分岐光線路の検査光入射側にそれぞれ設けられて互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第nの波長選択透過フィルタと、該第1から第nの波長選択透過フィルタをそれぞれ透過して前記第1から第nの分岐光線路に入力された後にそれぞれの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光を受けて、波長λt(1)から波長λt(n)の戻り光の解析を行う検査光解析手段とを有し、前記第1の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、前記第2の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、前記第3の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第nの波長選択透過フィルタは透過する検査光の波長数が順に多くなるように形成されており、前記検査光解析手段は第nの分岐光線路の状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路の状況を順次求める構成をもって課題を解決する手段としている。
【0031】
さらに、第3の発明の分岐光線路の監視システムは、上記第1または第2の発明の構成に加え、前記OTDR装置から発信される検査光と通信光を合波して分岐光導波路に送信する光合波器が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0032】
さらに、第4の発明の分岐光線路の監視システムは、上記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記波長選択透過フィルタは通信光を透過する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0033】
さらに、第5の発明の分岐光線路の監視システムは、上記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記分岐光線路の終端部に検査光遮断フィルタを設けた構成をもって課題を解決する手段としている。
【0034】
さらに、第6の発明の分岐光線路の監視システムは、上記第1乃至第5のいずれか一つの発明の構成に加え、前記OTDR装置から発信する検査光が通信光の発信装置に入射することを抑制する検査光遮断フィルタを設けた構成をもって課題を解決する手段としている。
【0035】
さらに、第7の発明の分岐光線路の監視システムは、上記第1乃至第6のいずれか一つの発明の構成に加え、前記1つのOTDR装置が光スイッチを介して複数の光分岐手段に接続されており、それぞれの光分岐手段に接続されている分岐光線路に前記OTDR装置からの検査光を切り替え入力する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0036】
さらに、第8の発明の分岐光線路の監視システムは、上記第1乃至第7のいずれか一つの発明の構成に加え、前記検査光解析手段は光ファイバ特性の波長依存性を補正する補正部を有している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0037】
さらに、第9の発明の分岐光線路の監視方法は、少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するOTDR装置と、該OTDR装置から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路にそれぞれ入力する光分岐手段を設け、前記n本の分岐光線路のうち第1から第(n−1)の分岐光線路の検査光入射側には互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタを設け、前記第1の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、前記第2の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、前記第3の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタは透過する検査光の波長数を順に多くし、該第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタをそれぞれ透過して前記第1から第(n−1)の分岐光線路に入力された後にそれぞれの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光と、波長選択透過フィルタが設けられていない第nの分岐光線路に入力された後に第nの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光のデータに基づき、第nの分岐光線路の状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路の状況を順次求める構成をもって課題を解決する手段としている。
【0038】
また、第10の発明の分岐光線路の監視方法は、少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するOTDR装置と、該OTDR装置から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路にそれぞれ入力する光分岐手段を設け、前記n本の分岐光線路のうち第1から第nの分岐光線路の検査光入射側には互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第nの波長選択透過フィルタを設け、前記第1の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、前記第2の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、前記第3の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第nの波長選択透過フィルタは透過する検査光の波長数を順に多くし、該第1から第nの波長選択透過フィルタをそれぞれ透過して前記第1から第nの分岐光線路に入力された後にそれぞれの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる波長λt(1)から波長λt(n)の戻り光のデータに基づき、第nの分岐光線路の状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路の状況を順次求める構成をもって課題を解決する手段としている。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略又は簡略化する。
【0040】
図1には、本発明に係る分岐光線路の監視システムの第1実施形態例が示されている。図1に示すように、本実施形態例の分岐光線路の監視システムは、OTDR装置2と光分岐手段3を有しており、光分岐手段3は、OTDR装置2から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路1(1a1〜1an)にそれぞれ入力する。
【0041】
また、本実施形態例の分岐光線路の監視システムにおいて、前記n本の分岐光線路1(1a1〜1an)のうち、第1から第(n−1)の分岐光線路1(1a1〜1an−1)の検査光入射側には、それぞれ、互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)が設けられている。
【0042】
前記OTDR装置2は、少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するものであり、光ファイバ25と光カプラ18を介して基幹光線路11に接続されている。
【0043】
基幹光線路11には通信光の発信装置10が接続されており、光カプラ18は、通信光と前記OTDR装置2から発信される検査光を合波して分岐光導波路1(1a1〜1an−1)に送信する光合波器として機能する。前記OTDR装置2により発信する検査光波長λt(1)〜λt(n)は、通信光波長λsに対し、λs<λt(1)<λt(2)<・・・・<λt(n)である。
【0044】
前記それぞれの波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)は、設定波長よりも短波長側の光を選択的に透過するSWPF(短波長域透過フィルタ)により形成されている。
【0045】
第1の波長選択透過フィルタ5a1は、OTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、第2の波長選択透過フィルタ5a2はOTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、第3の波長選択透過フィルタ5a3はOTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)は透過する検査光の波長数が順に多くなるように形成されている。
【0046】
この構成により、第(n−1)の波長選択透過フィルタ5an−1はOTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)から波長λt(n−1)までの検査光を透過する。また、分岐光線路1anには波長選択透過フィルタ5が設けられていないので、通信光と波長λt(1)から波長λt(n)のn個の波長を持った検査光が伝搬する。
【0047】
また、本実施形態例において、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)は、波長λsの通信光を透過する。したがって、それぞれの波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)を透過した検査光と通信光は、それぞれ、対応する分岐光線路1(1a1〜1an−1)を伝搬する。
【0048】
なお、本実施形態例において、各分岐光線路1(1a1〜1an)の終端部には、それぞれ、検査光遮断フィルタ9が設けられており、各分岐光線路1(1a1〜1an)を伝搬した検査光は検査光遮断フィルタ9で反射してOTDR装置2側に戻り、波長λsの通信光のみがONU4に受信される。
【0049】
また、基幹光線路11には、光カプラ18の入射側の位置に、OTDR装置2から発信される検査光が通信光の発信装置10に入射することを抑制する検査光遮断フィルタ9が設けられており、各分岐光線路1(1a1〜1an)で反射した戻り光は発信装置10には入射されないように構成されている。
【0050】
図1に示すように、本実施形態例の分岐光線路の監視システムは、前記OTDR装置2にコンピュータ22を接続し、このコンピュータ22内に、OTDR装置2により受信した戻り光のデータ(波形データ)を解析する検査光解析手段6を設けて形成されている。
【0051】
検査光解析手段6は、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)をそれぞれ透過して前記第1から第(n−1)の分岐光線路1(1a1〜1an−1)に入力された後にそれぞれの分岐光線路1(1a1〜1an−1)で反射してOTDR装置2に戻ってくる戻り光と、波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)が設けられていない第nの分岐光線路1anに入力された後に第nの分岐光線路1anで反射してOTDR装置2に戻ってくる戻り光のデータとを受けて、波長λt(1)から波長λt(n)の戻り光の解析を行う。
【0052】
検査光解析手段6は第nの分岐光線路1anの状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路1an−1の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路1an−2の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路1an、1an−1、・・・1a1の状況を順次求める。
【0053】
また、周知の如く、光ファイバの伝搬特性は波長依存性を有しており、本実施形態例に適用されている検査光解析手段6は上記光ファイバ特性の波長依存性を補正する補正部(図示せず)を有している。
【0054】
本実施形態例は以上のように構成されており、OTDR装置2から発信される互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光が、光ファイバ25と光カプラ18と分岐前光線路12と光分岐手段3を介して、第1から第nの分岐光線路1(1a1〜1an)側に向けて伝搬する。
【0055】
ただし、第1から第n−1の分岐光線路1(1a1〜1an−1)には、その入射側に第1から第n−1の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)が設けられているので、第1から第n−1の分岐光線路1(1a1〜1an−1)には、対応する第1から第n−1の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)を透過した検査光のみが伝搬する。
【0056】
つまり、第1の波長選択透過フィルタ5a1が設けられている第1の分岐光伝送路1a1には、OTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみが伝搬し、第2の波長選択透過フィルタ5a2が設けられている第2の分岐光伝送路1a2には、OTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光が伝搬する。
【0057】
また、第3の波長選択透過フィルタ5a3が設けられている第3の分岐光伝送路1a3には、OTDR装置2から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光が伝搬するというように、第1から第(n−1)の分岐光線路1(1a1〜1an−1)を伝搬する検査光の波長数は順に多くなる。
【0058】
そして、波長選択透過フィルタ5が設けられていない第nの分岐光伝送路1anには、波長λt(1)から波長λt(n)までの全ての検査光が伝搬し、波長λt(n)の検査光が伝搬する分岐光伝送路1は第nの分岐光伝送路1anのみであるので、検査光解析手段6は第nの分岐光線路1anの状況を波長λt(n)の戻り光により求める。
【0059】
また、波長λt(n−1)の検査光は、第nの分岐光線路1anと第(n−1)の分岐光線路1an−1にのみ伝搬し、第nの分岐光線路1anの状況は波長λt(n)の戻り光により求めて既知となっていることから、検査光解析手段6は、波長λt(n−1)の戻り光から、上記波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−1)の分岐光線路1an−1の状況を求めることができる。
【0060】
同様に、検査光解析手段6は、第(n−2)の分岐光線路1an−2の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路1an、1an−1、・・・1a1の状況を順次求める。
【0061】
なお、λt(n−2)は分岐光線路1anおよび分岐光線路1an−1および分岐光線路1an−2に入射するため、分岐光線路1anおよび分岐光線路1an−1および分岐光線路1an−2からの反射戻り光が観測される。また、λt(n−1)は分岐光線路1anおよび分岐光線路1an−1に入射するため、分岐光線路1anおよび分岐光線路1an−1からの反射戻り光が観測される。
【0062】
したがって、分岐光線路1an−2の状況を求めるためには、波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くだけでよい。
【0063】
また、本実施形態例では、検査光解析手段6は上記光ファイバ特性の波長依存性を補正する補正部(図示せず)を有しており、検査光解析手段6は上記データ解析において、光ファイバ特性の波長依存性を補正しながらデータ解析を行う。
【0064】
つまり、周知の如く、光ファイバの損失は波長に依存することが知られており、波長可変のOTDR装置2により検査光波長を可変して分岐光線路の監視試験を行う場合も、波長依存による影響がある。具体的にはOTDR装置2により検出される波形の傾きが波長ごとに変わってくる。
【0065】
この光ファイバ損失の波長依存性をなくすために、例えばOTDR装置2から互いに異なる波長の検査光を発信し、OTDR装置2に戻ってくる検出波形データの波長による違いを比較することによって検出波形の傾き補正を行う。
【0066】
例えば波長λt(n)をOTDR装置2から発信したときにOTDR装置2に戻ってくる波形データと、波長λt(n−1)をOTDR装置2から発信したときにOTDR装置2に戻ってくる波形データを比較した場合、これらの波形データは、それぞれの波長の光が入力される分岐光線路1の違いによって互いに異なる。ただし、たとえOTDR装置2からの発信波長が異なっていても、光ファイバ損失の波長依存性が全くない場合には、光カプラ18と光分岐手段3との間の分岐前光線路12を伝搬して戻ってくる光の波形はほぼ同じになるはずである。
【0067】
そこで、波長λt(n)が光分岐手段3の手前の分岐前光線路12で反射して戻る波形と、波長λt(n−1)が光分岐手段3の手前の分岐前光線路12で反射して戻る波形の傾きを算出し、波長λt(n−1)の波形の傾きを波長λt(n)に合わせる。あるいは、その逆に、波長λt(n)の波形の傾きを波長λt(n−1)に合わせる。このことにより、光ファイバ損失の波長依存性を補正する。
【0068】
また、光ファイバのレーリー散乱光等の反射戻り光も波長依存性があり、波長ごとに反射戻り光のパワーレベルが異なることも知られている。そこで、前述の傾き補正後の波長λt(n−1)の波形について、分岐前光線路12内の設定点のパワーレベルを求め、傾き補正後の波長λt(n)の波形について、分岐前光線路12内の前記設定点のパワーレベルを求め、両者のレベル差を算出する。そして、波長λt(n−1)の波形に対してその差分を加算または減算することで反射戻り光の波長依存性をなくすことができる。
【0069】
通常、OTDR装置2により検出される波形データは利得計算された値であることから、それぞれの波形を測定点毎にパワー換算し、パワー換算された波長λt(n−1)の波形データからパワー換算された波長λt(n)の波形データを測定点毎に減算する。得られた結果を再度利得計算することによって、第(n−1)の分岐光線路のみのOTDR波形を得ることができる。
【0070】
本実施形態例は、上記構成により、上記のようにして各分岐光線路1(1a1〜1an)の監視を行うものであり、OTDR装置2から発信されてそれぞれの分岐光線路1(1a1〜1an)に入射し、戻ってくる戻り光の解析によって、各分岐光線路1(1a1〜1an)の線路状態を的確に、かつ、容易に観測することができる。
【0071】
また、本実施形態例において、光分岐手段3は単純に光を分岐する機能を有していればよいので、光の分岐と分波の両方の機能を有するアレイ導波路回折格子等の応用品を用いた図5の構成のシステムに比べてシステム構築のコストアップを抑制でき、安価に分岐光線路の監視システムを構築できる。
【0072】
また、それぞれの分岐光線路1(1a1〜1an−1)の検査光入射側に設ける波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)は、アレイ導波路回折格子の応用品に比べて温度依存性が低いので、温度調節機構等を設ける必要が無く、システムの低コスト化をより一層実現できる。
【0073】
また、本実施形態例に適用している波長選択透過フィルタ5は、通信光を透過する機能を有しているので、図6に示したシステムのように、通信光とOTDR装置2から発信する検査光を別々の経路で各分岐光線路1(1a1〜1an)に導く必要はなく、少ない部品点数で、簡単な構成の分岐光線路の監視システムを構築できる。
【0074】
さらに、本実施形態例では、各分岐光線路1(1a1〜1an)の終端部および、通信光の発信装置10とOTDR装置2との間に、検査光遮断フィルタ9が設けられており、OTDR装置2から発信される検査光はONU4や発信装置10には入射されないように構成されているので、インサービスの線路において分岐光線路1の監視を行っても、検査光によるノイズ等の支障が無く光通信を行うことができる。
【0075】
次に、本発明に係る分岐光線路の監視システムの第2実施形態例について説明する。なお、この第2実施形態例の説明において、上記第1実施形態例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。
【0076】
第2実施形態例の分岐光線路の監視システムは、図2に示すように、1つのOTDR装置2が光スイッチ7を介して複数の光分岐手段3(3a,3b,・・・)に接続されており、それぞれの光分岐手段3(3a,3b,・・・)に接続されている分岐光線路1(1a1〜1an,1b1〜1bn,・・・)にOTDR装置2からの検査光を切り替え入力する構成としたことを特徴とする。
【0077】
第2実施形態例の上記以外の構成は上記第1実施形態例と同様であり、上記第1実施形態例と同様の動作により同様の効果を奏することができる。
【0078】
また、第2実施形態例の分岐光線路の監視システムは、1つのOTDR装置2が光スイッチ7を介して複数の光分岐手段3(3a,3b,・・・)に接続されているので、少ない部品構成でより多くの分岐光線路1の監視を行うことができ、システム構成を簡略化でき、システム構築のコストダウンを図ることができる。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上記各実施形態例では、波長選択透過フィルタ5をSWPFにより形成したが、波長選択透過フィルタ5は、設定波長帯の光のみを選択的に透過するBPF(帯域透過型フィルタ)により形成してもよい。なお、この場合、通信光λsはBPFの透過帯域内にあればよい。
【0080】
例えば、第1の波長選択透過フィルタ5a1は、波長λsと波長λt(1)の光を透過するフィルタとし、第2の波長選択透過フィルタ5a2は、波長λsと波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過するフィルタとし、第(n−1)の波長選択透過フィルタ5an−1は波長λsと波長λt(1)〜λt(n−1)の光を透過するフィルタとすればよい。
【0081】
また、通信光波長λsとOTDR装置2から発信する検査光の波長λtの関係を、λs>λt(1)>λt(2)>・・・>λt(n)としてもよい。この場合、波長選択透過フィルタ5を、設定波長よりも長波長側の光のみを透過するLWPF(長波長域透過フィルタ)により形成すればよい。
【0082】
例えば、波長選択透過フィルタ5a1は波長λsと波長λt(1)を透過するLWPFとし、波長選択透過フィルタ5a2は波長λsと波長λt(1)と波長λt(2)を透過するLWPFとし、波長選択透過フィルタ5an−1は波長λsと波長λt(1)〜波長λt(n−1)を透過するLWPFとする。
【0083】
また、上記のように、通信光波長と検査光波長の関係を、λs>λt(1)>λt(2)>・・・>λt(n)とした場合も、LWPFの代わりにBPFを適用することもできる。
【0084】
さらに、上記各実施形態例では、n本の分岐光線路1(1a1〜1an)のうち、第1から第(n−1)の分岐光線路1(1a1〜1an−1)の検査光入射側にそれぞれ、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタ5(5a1〜5an−1)を設けたが、第nの分岐光線路1anにも、図1の鎖線で示すように、波長選択透過フィルタ5(5n)を設けてもよい。
【0085】
この場合、第nの分岐光線路1anに設ける波長選択透過フィルタ5nは、波長λt(1)から波長λt(n)の検査光を全て透過する構成とし、検査光解析手段6は、第nの分岐光線路1anでの反射戻り光と第1から第(n−1)の分岐光線路1(1a1〜1an−1)での反射戻り光のデータを受けて、上記各実施形態例と同様の解析を行うことにより同様の効果を奏することができる。
【0086】
さらに、上記各実施形態例では、OTDR波形の線形演算の際に、光ファイバ損失・反射戻り光の補正を、測定波形を元に行うようにしたが、測定線路の光ファイバの検査光波長毎の光ファイバ損失・反射戻り光レベルが既知であればそれを用いて補正を行うようにしてもよい。
【0087】
また、OTDR波形演算の際に距離方向の補正を行うようにしてもよい。光ファイバ中の光の伝搬速度は波長により異なるため、波長可変OTDR装置2により波長を変えて測定した場合には、光線路の同一地点であっても観測される時間遅れが異なってくる。
【0088】
これは対象となる光線路が長距離になると顕著である。検査光波長毎の光ファイバ中の伝搬時間が既知であれば、それを元に距離方向の補正を行うことができる。なお、光ファイバの波長ごとの光伝搬速度が不明の場合でも、各検査光波長による任意の2点間の距離から遅延時間の差を割り出して、距離補正を行ってもよい。このように、データの補正方法は適宜設定されるものである。
【0089】
さらに、上記各実施形態例では、OTDR装置2にコンピュータ22を接続し、コンピュータ22に設けた検査光解析手段6によりOTDR波形の線形演算を行うようにしたが、検査光解析手段6をOTDR装置2内に組み込んで、OTDR装置2に上記線形演算機能をもたせてもよい。
【0090】
さらに、本発明の分岐光線路の監視システムおよび監視方法は、インサービスされていないシステムに適用してもよい。この場合は、波長選択透過フィルタは通信光を透過しないフィルタとしてもよいし、発信装置10と光カプラ18の間に設けた検査光透過フィルタ9およびONU4の前に設けた検査光遮断フィルタ9は設けなくてもよい。
【0091】
さらに、上記各実施形態例では、OTDR装置2は互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信したが、OTDR装置3は、少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信できればよく、それ以外の光を発信できる装置としてもよい。
【0092】
【発明の効果】
本発明の分岐光線路の監視システムおよび監視方法によれば、複数波長を持つ検査光をOTDR装置から発信して該検査光を光分岐手段で単純に分岐し、分岐光線路の検査光入射側に設けた波長選択透過フィルタの波長選択透過特性を利用して、それぞれの分岐光線路に入射する検査光の数を順に多くして、分岐光線路で反射してOTDR装置側に戻る戻り光を解析することにより、簡単で安価にできる構成で的確に分岐光線路の監視を行うことができる。
【0093】
また、本発明の分岐光線路の監視システムにおいて、OTDR装置から発信される検査光と通信光を合波して分岐光導波路に送信する光合波器が設けられている構成によれば、光合波器によって検査光と通信光を合波し、光通信と分岐光線路の監視を的確に行うことができる。
【0094】
さらに、本発明の分岐光線路の監視システムにおいて、波長選択透過フィルタは通信光を透過する構成によれば、波長選択透過フィルタを通して通信光と検査光を分岐光線路に入力できるので、構成が簡単で低コストの監視システムを構築できる。
【0095】
また、本発明の分岐光線路の監視システムにおいて、分岐光線路の終端部に検査光遮断フィルタを設けた構成によれば、検査光による悪影響を光加入者線終端装置に与えることを抑制できる。
【0096】
さらに、本発明の分岐光線路の監視システムにおいて、OTDR装置から発信する検査光が通信光の発信装置に入射することを抑制する検査光遮断フィルタを設けた検査光遮断フィルタを設けた構成によれば、検査光による悪影響を通信光の発信装置に与えることを抑制できる。
【0097】
さらに、本発明の分岐光線路の監視システムにおいて、1つのOTDR装置が光スイッチを介して複数の光分岐手段に接続されており、それぞれの光分岐手段に接続されている分岐光線路に前記OTDR装置からの検査光を切り替え入力する構成とした構成によれば、1つのOTDR装置によって、より多くの分岐光線路の監視を効率的に行うことができ、監視システムのコストダウンをより一層図ることができる。
【0098】
さらに、本発明の分岐光線路の監視システムにおいて、検査光解析手段は光ファイバ特性の波長依存性を補正する補正部を有している構成によれば、検査光解析手段による検査光解析をより一層的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分岐光線路の監視システムの第1実施形態例を示す要部構成図である。
【図2】本発明に係る分岐光線路の監視システムの第2実施形態例を示す要部構成図である。
【図3】従来の分岐光線路の監視システムの一例を示す説明図である。
【図4】従来の分岐光線路の監視システムの別の例を示す説明図である。
【図5】従来の分岐光線路の監視システムのさらに別の例を示す説明図である。
【図6】従来の分岐光線路の監視システムのさらにまた別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1a1〜1an,1b1〜1bn 分岐光線路
2 OTDR装置
3 光分岐手段
4 ONU
5,5a1〜5an 波長選択透過フィルタ
6 検査光解析手段
7 光スイッチ
9 検査光遮断フィルタ
10 発信装置
11 基幹光線路
Claims (10)
- 少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するOTDR装置と、該OTDR装置から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路にそれぞれ入力する光分岐手段と、前記n本の分岐光線路のうち第1から第(n−1)の分岐光線路の検査光入射側にそれぞれ設けられて互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタと、該第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタをそれぞれ透過して前記第1から第(n−1)の分岐光線路に入力された後にそれぞれの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光と波長選択透過フィルタが設けられていない第nの分岐光線路に入力された後に第nの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光のデータを受けて、波長λt(1)から波長λt(n)の戻り光の解析を行う検査光解析手段とを有し、前記第1の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、前記第2の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、前記第3の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタは透過する検査光の波長数が順に多くなるように形成されており、前記検査光解析手段は第nの分岐光線路の状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路の状況を順次求めることを特徴とする分岐光線路の監視システム。
- 少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するOTDR装置と、該OTDR装置から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路にそれぞれ入力する光分岐手段と、前記第1から第nの分岐光線路の検査光入射側にそれぞれ設けられて互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第nの波長選択透過フィルタと、該第1から第nの波長選択透過フィルタをそれぞれ透過して前記第1から第nの分岐光線路に入力された後にそれぞれの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光を受けて、波長λt(1)から波長λt(n)の戻り光の解析を行う検査光解析手段とを有し、前記第1の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、前記第2の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、前記第3の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第nの波長選択透過フィルタは透過する検査光の波長数が順に多くなるように形成されており、前記検査光解析手段は第nの分岐光線路の状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路の状況を順次求めることを特徴とする分岐光線路の監視システム。
- OTDR装置から発信される検査光と通信光を合波して分岐光導波路に送信する光合波器が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の分岐光線路の監視システム。
- 波長選択透過フィルタは通信光を透過することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の分岐光線路の監視システム。
- 分岐光線路の終端部に検査光遮断フィルタを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の分岐光線路の監視システム。
- OTDR装置から発信する検査光が通信光の発信装置に入射することを抑制する検査光遮断フィルタを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の分岐光線路の監視システム。
- 1つのOTDR装置が光スイッチを介して複数の光分岐手段に接続されており、それぞれの光分岐手段に接続されている分岐光線路に前記OTDR装置からの検査光を切り替え入力する構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の分岐光線路の監視システム。
- 検査光解析手段は光ファイバ特性の波長依存性を補正する補正部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の分岐光線路の監視システム。
- 少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するOTDR装置と、該OTDR装置から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路にそれぞれ入力する光分岐手段を設け、前記n本の分岐光線路のうち第1から第(n−1)の分岐光線路の検査光入射側には互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタを設け、前記第1の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、前記第2の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、前記第3の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタは透過する検査光の波長数を順に多くし、該第1から第(n−1)の波長選択透過フィルタをそれぞれ透過して前記第1から第(n−1)の分岐光線路に入力された後にそれぞれの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光と、波長選択透過フィルタが設けられていない第nの分岐光線路に入力された後に第nの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる戻り光のデータに基づき、第nの分岐光線路の状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路の状況を順次求めることを特徴とする分岐光線路の監視方法。
- 少なくとも互いに異なる波長λt(1)から波長λt(n)のn個(nは整数)の波長を持った検査光を発信するOTDR装置と、該OTDR装置から発信される検査光を分岐して第1から第nのn本の分岐光線路にそれぞれ入力する光分岐手段を設け、前記n本の分岐光線路のうち第1から第nの分岐光線路の検査光入射側には互いに異なる波長選択透過特性を有する第1から第nの波長選択透過フィルタを設け、前記第1の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)の検査光のみを透過し、前記第2の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)の光を透過し、前記第3の波長選択透過フィルタは前記OTDR装置から発信される検査光のうち波長λt(1)と波長λt(2)と波長λt(3)の検査光を透過するというように、第1から第nの波長選択透過フィルタは透過する検査光の波長数を順に多くし、該第1から第nの波長選択透過フィルタをそれぞれ透過して前記第1から第nの分岐光線路に入力された後にそれぞれの分岐光線路で反射してOTDR装置に戻ってくる波長λt(1)から波長λt(n)の戻り光のデータに基づき、第nの分岐光線路の状況を波長λt(n)の戻り光により、第(n−1)の分岐光線路の状況を波長λt(n−1)の戻り光から波長λt(n)の戻り光を差し引くことにより、第(n−2)の分岐光線路の状況を波長λt(n−2)の戻り光から波長λt(n−1)の戻り光を差し引くことによりことにより求めるといったように、第nから第1の分岐光線路の状況を順次求めることを特徴とする分岐光線路の監視方法。
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