JP2004156944A - 捜索システムおよび捜索方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】山並み等の背景の捜索を無駄なく高能率で行ない、山並みに存在し、または進入してくる目的物を素早く発見することができる捜索システムおよび捜索方法を提供する。
【解決手段】赤外カメラと、この赤外カメラを駆動する駆動機構と、この駆動機構にアジマス角およびエレベーション角の制御信号を出力して前記赤外カメラの動作を制御するセンサ制御器と、このセンサ制御器の制御信号処理および赤外カメラの画像信号処理を行なう信号処理器とを備える。センサ制御器により設定されたアジマス角およびエレベーション角に基づいて赤外カメラにより山並みの稜線に沿う捜索を行なう。
【選択図】 図1
【解決手段】赤外カメラと、この赤外カメラを駆動する駆動機構と、この駆動機構にアジマス角およびエレベーション角の制御信号を出力して前記赤外カメラの動作を制御するセンサ制御器と、このセンサ制御器の制御信号処理および赤外カメラの画像信号処理を行なう信号処理器とを備える。センサ制御器により設定されたアジマス角およびエレベーション角に基づいて赤外カメラにより山並みの稜線に沿う捜索を行なう。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は低速飛行物体の赤外カメラによる捜索を山並み等の背景に沿って能率よく素早く行なう捜索システムおよび捜索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、航空機等の飛行物体の捜索技術としてレーダ技術が知られており、この技術は主として遠隔広範囲、高速飛行物体の捜索に多用されている。しかし、通常のレーダ技術は、比較的近距離から低速で飛行する物体の捜索には必ずしも適しない。例えば山並みの隠れた場所から突然に出現する所謂アタックヘリ等の捜索については、その移動が低速であるため確認し難く、目標物の発見が困難である。
【0003】
一方、近年ではレーダエコーを画像展開して目標を探索し追尾する技術(例えば特開2001−272456号公報(特許文献1参照))、あるいは赤外カメラを使用して目標を画像情報として探索する技術(例えば特開平6−138201号公報(特許文献2参照)、特開平7−244145号公報(特許文献3参照))等が提案されており、これらの技術は近距離での適用、移動物体の発見が容易であるため上述した低速飛行物体の捜索に適している。
【0004】
ところで、このような赤外カメラ等により山並みに沿って進入する低速飛行物体の捜索を行なう場合、従来では山並みをなるべく含む固定のエレベーションにて全周を捜索するケースが多かった。この場合、アジマス角によっては目標が侵入する確率の高い山並みを見ていなく、進入する目標を探知できない場合があった。これを解消するために段階的にエレベーションを変化させて全周を捜索しても、捜索時間は多大であり、進入する目標に食い込まれる場合があった。また、インレンジ判定する手段を持たないため山並みが探知レンジよりも遠い場合も、目標の見える距離には限界があることから、目標を探知できないことがあった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−272456号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平6−138201号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平7−244145号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来では、赤外カメラ等により山並みに沿って進入する低速飛行物体の捜索を固定のエレベーションにて全周捜索するケースが多く、目標が侵入する確率の高い山並みを見ていなく、進入する目標を探知できない場合があった。また、エレベーションを変化させて全周を捜索しても、捜索時間は多大であり、進入する目標に食い込まれる場合があったり、インレンジ判定する手段を持たないため山並みが探知レンジよりも遠い場合に目標を探知できないことがある等の問題があった。
【0009】
発明者の検討によると、山並みを超えて進入するアタックヘリ等の飛行物体の場合、その飛行特性から捜索目標が存在または進入するだろうと考えられる範囲は、峰よりも尾根のような窪んだ地形である等、ある程度限定することが可能である。また、脅威度等を勘案すると一定距離以上の極めて遠方にある山並みを捜索することは重要性が低く、比較的近距離の山並みを捜索することが重要と判断することも可能である。さらに、山並みのある背景のうち、地形等に応じて考慮した場合には、全周捜索をする必要はなく、ある一定の広がりに対応したアジマス角の範囲のみを捜索すれば十分な場合もある。
【0010】
すなわち、従来のように、赤外カメラ等により視野範囲にある全ての山並みを全周捜索する必要はなく、そのような従来の捜索の無駄を省くことにより、合理的な範囲を効率よく捜索し、目標物を素早く発見することが可能である。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、山並み等の背景の捜索を無駄なく高能率で行ない、背景に存在し、または進入してくる目的物を素早く発見することができる捜索システムおよび捜索方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明では、赤外カメラと、この赤外カメラを駆動する駆動機構と、この駆動機構にアジマス角およびエレベーション角の制御信号を出力して前記赤外カメラの動作を制御するセンサ制御器と、このセンサ制御器の制御信号処理および前記赤外カメラの画像信号処理を行なう信号処理器とを備え、前記センサ制御器により設定されたアジマス角およびエレベーション角に基づいて前記赤外カメラにより山並みの稜線に沿う捜索を行なうことを特徴とする捜索システムを提供する。
【0013】
請求項2係る発明では、赤外カメラと、測距用のレーザ装置と、これらの赤外カメラおよびレーザ装置を駆動する駆動機構と、この駆動機構にアジマス角およびエレベーション角の制御信号を出力して前記赤外カメラおよび前記レーザ装置の動作を制御するセンサ制御器と、このセンサ制御器の制御信号処理、前記赤外カメラの画像信号処理および前記レーザ装置の測距データ信号処理を行なう信号処理器とを備え前記レーザ装置により背景である山を測距して、インレンジ判定することにより、目標が進入または存在する確率の高い領域を捜索領域として設定し、前記センサ制御器により設定されたアジマス角およびエレベーション角ならびに捜索領域までの距離情報に基づいて前記赤外カメラによりインレンジの山並みの稜線に沿う捜索を行なうことを特徴とする捜索システムを提供する。
【0014】
請求項3係る発明では、前記センサ制御器に予め手動操作または自動操作により操作信号を出力して前記赤外カメラを駆動させる初期情報設定用の操作部と、この操作部からの指令によって設定された前記赤外カメラのアジマス角およびエレベーション角の初期情報に基づいて捜索時に前記センサ制御器に制御信号を出力して前記赤外カメラの動作を制御する制御部とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の捜索システムを提供する。
【0015】
請求項4係る発明では、前記信号処理器は、前記赤外カメラにより目標物が発見された場合に目標発見信号を出力する機能、目標現在位置計算機能および前記目標物の追随動作演算機能を有し、前記センサ制御器は、前記操作部または前記制御部からの指令により、前記赤外カメラの動作を前記目標物の追尾動作に切替える機能を有することを特徴とする請求項3記載の捜索システムを提供する。
【0016】
請求項5係る発明では、山並みを背景とする捜索領域について、手動操作または自動操作により前記山並みの稜線に沿う画像情報を初期情報として取得し、この初期情報をもとに設定したアジマスおよびエレベーションに合せて前記山並みの稜線に沿う捜索を行なうことを特徴とする捜索方法を提供する。
【0017】
請求項6係る発明では、遠近に配置する山並みを背景とする捜索領域について、手動操作または自動操作により前記山並みの稜線に沿う画像情報および測距情報を初期情報として取得し、この初期情報をもとに前記背景の全範囲の中から予め探索すべき目標物の存在・進入の予測性が高い近距離範囲の山並みをインレンジとして設定し、この設定したインレンジの山並みに沿うアジマスおよびエレベーションに合せて当該インレンジの山並みの稜線に沿う捜索を行なうことを特徴とする捜索方法を提供する。
【0018】
請求項7に係る発明では、遠近に配置する山並みを背景とする捜索領域について、レーザ装置による測距情報からインレンジに山並みが存在しないと判定された場合、手動操作により目標が進入または存在する確率が高いと予想される領域を設定し、この設定した領域について捜索を行なうことを特徴とする請求項6記載の捜索方法を提供する。
【0019】
請求項8係る発明では、捜索により目標物が発見された場合に、前記目標物の位置に合せて測距を繰り返して追尾することを特徴とする請求項5から7までのいずれかに記載の捜索方法を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る捜索システムおよび同システムを適用する捜索方法の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による捜索システムを実施する装置構成を示す系統構成図であり、図2は同システムの機能を説明するための機能ブロック図である。図3は捜索方法を具体的に示す説明図であり、図4は同方法により得られる画像の一例を示す説明図である。
【0021】
(1)システム構成(図1、図2)
本実施形態のシステムでは、2軸ジンバル式の駆動機構によって駆動されるセンサ本体1が適用される。このセンサ本体1は、2次元情報としての画像情報取得用の赤外カメラ2を有する。適用される赤外線としては、例えば10Km程度のレンジに適合するものとする。この赤外カメラ2には、目標および背景等の赤外光を集光するための集光光学系が付設され、これにより視野切換(ピント調整)が可能としてある。また、センサ本体1が所定のジンバル各速度で動作することから、赤外カメラ2には象流れ補正機構等が付設されている。
【0022】
また、センサ本体1は測距用のレーザ装置3を有する。このレーザ装置3は、制御器をもつレーザ発信器4およびレーザ受信器5により構成され、レーザ発信器4からの出射光は光学系を経て外部に出射され、また反射光は光学系を介してレーザ受信器に受信される。このレーザ装置3により、赤外カメラ2により捉えられる山並みまでの距離、あるいは発見される目標物体までの距離情報(レンジ:R)が得られ、これにより画像信号と合わせて3次元情報を得ることができる。
【0023】
センサ本体1を駆動する駆動機構は上述したように、2軸ジンバル式であり、所定のアジマス(Az)角およびエレベーション(EL)角でセンサ本体1を駆動する。駆動機構6はセンサ制御器7により制御され、これにより捜索制御および追随制御が行なわれる。
【0024】
以上の赤外カメラ2、レーザ装置3およびセンサ制御器7は、信号処理器8により信号制御が行なわれる。すなわち、信号処理器8では、センサ制御器7の制御信号処理、赤外カメラ2の画像信号処理(スーパーインポーズ処理を含む)およびレーザ装置3の測距データ信号処理等が行なわれ、赤外カメラ2により目標物が発見された場合に目標発見信号を出力する機能、目標現在位置計算機能および目標物の追随動作演算機能等を有する。なお、センサ制御器7はセンサ本体1による赤外カメラ2の動作を、目標物の追尾動作に切替える機能も有する。これらの信号処理は、操作部9および制御部10からの指令により行なわれる。
【0025】
操作部9は、センサ制御器7に予め手動操作または自動操作により操作信号を出力して、赤外カメラ2を駆動させる初期情報を設定するものである。例えば初期設定用の操作部9としては、図示しないがセンサ本体1と同様の機能を有するジンバル式駆動機構6により支持された手動式の光学眼鏡(OT)として構成される。光学眼鏡にはモニタが付設され、操作者が山並み等を確認して初期情報を設定することができる。すなわち、操作部9を手動操作することにより、センサ本体1を捜索時と同様のAZ角およびEL角で駆動し、これらの駆動情報を初期情報として設定し、信号処理器8のメモリに記憶する。また、操作部9および制御部10は、赤外カメラ2からの光波センサ画像、目標発見信号、目標現在位置等の情報を信号処理器8から受け、信号処理器8に応答指令を出力する機能を有し、例えば操作部9からの指令によって設定された赤外カメラ2のAZ角およびEL角の初期情報に基づいて捜索時にセンサ制御器7に制御信号を出力して赤外カメラ2の動作を制御する。
【0026】
図2には、信号処理器8の機能要素が詳細に示されている。この信号処理器8は、赤外カメラ2からの情報に基づく画像処理および記憶を行なう画像処理装置(スーパーインポーズ装置を含む)および画像メモリを有する。また、信号処理器8は、操作部9により設定されるAZ、EL、Rのメモリ、レーザ測距制御器、レーザ測距データメモリ、演算用メモリ、これらのデータに基づいて演算を行なう演算器およびセンサ出力部等を有する。これらの演算結果および画像情報等は、表示装置11に表示できるようになっている。
【0027】
(2)初期設定
本発明では、山並みを背景とする捜索領域について初期設定を行ない、手動操作または自動操作により山並みの稜線に沿う画像情報を初期情報として取得する。この初期情報をもとに設定したAZおよびELに合せて、山並みの稜線に沿う捜索を行なう。この捜索により目標を抽出した場合には、追尾に移行する。初期設定は、例えば上述の手動式の光学眼鏡(OT)を使用して行ない、山並みに沿った捜索等、背景に応じた捜索範囲を自己で設定または外部からの操作によって設定する。すなわち、山並みは、自動または手動で判定し、または両者を併用しての判定により抽出する。
【0028】
自動判定では、例えば2値化スレショルド等により白っぽい背景と黒っぽい山並みを分け、境界線を山並みとみなす処理や、連結調査を行ない、山の稜線を抽出する処理を行なう。この場合、赤外カメラ2による2次元画像を作成して抽出する処理、あるいはレーザ装置3による距離情報を加え、3次元画像を作成して抽出する処理等が可能である。レーザ装置3により背景の距離情報を取得した場合には、距離情報を加味して、例えば10Km以内等の山並みをインレンジとして設定し、その捜索レンジ範囲内での捜索範囲を設定することが可能となる。
【0029】
例えば、アタックヘリが山並みのいずれかの稜線を越える等により存在または進入する地域を遠隔にて探索するとき、探索すべき目標の存在または進入が予測される範囲を予めインレンジとして水平・垂直2方向の範囲を背景の中の特定の部位に帯状に設定しておき、その帯状の範囲に沿って動作するセンサを旋回させ、目標を赤外線カメラにより自動探索する。すなわち、例えば初期設定において人間が照準器としての光学眼鏡(OT)を使用して測距データを蓄積し、AZ角に対するEL角(目標が出現しそうな所)と、目標物体での距離を予め計測する。この場合、EL角は人間が設定し、例えば遠方の山並みの捜索はアウトレンジとして捨象する、という処理を行なうことができる。
【0030】
具体的には、第1初期設定として山並の稜線に沿う領域をインレンジとして設定し、第2初期設定として、EL角を下げて、山肌に沿う斜面等の領域をインレンジとして設定する。これにより、一層詳細な探索が可能となる。
【0031】
(3)山並みの捜索(図3、図4)
この段階では、初期情報をもとに設定したAZ角およびEL角に合せて山並みの稜線に沿う捜索を行なう。この場合、(1)センサ制御器7により設定されたAZ角およびEL角を用いた2次元情報に基づいて赤外カメラ2により山並み21の稜線に沿う捜索を行なう方法と、(2)センサ制御器7により設定されたAZ角およびEL角ならびに捜索領域までの距離情報を用いた3次元情報に基づいて赤外カメラ2によりインレンジの山並み22の稜線に沿う捜索を行なう方法とを、選択的に実施することができる。
【0032】
すなわち、(1)の方法では、赤外カメラ2と、この赤外カメラ2を駆動する駆動機構6と、この駆動機構6にAZ角およびEL角の制御信号を出力して赤外カメラ2の動作を制御するセンサ制御器7と、このセンサ制御器7の制御信号処理および赤外カメラ2の画像信号処理を行なう信号処理器8とを使用する。これにより、センサ制御器7により設定されたAZ角およびEL角に基づいて赤外カメラ2により山並み21の稜線に沿う捜索を行なう。すなわち、山並み21を背景とする捜索領域について、手動操作または自動操作により山並みの稜線に沿う画像情報を初期情報として取得し、この初期情報をもとに設定したAZ角およびEL角に合せて山並み21の稜線に沿う捜索を行なう。
【0033】
また、(2)の方法では、背景の距離情報を取得できる手段を使用して、距離情報を加味して捜索レンジ範囲内での捜索範囲を設定して捜索する方法である。この場合には、赤外カメラ2と、測距用のレーザ装置3と、これらの赤外カメラ2およびレーザ装置3を駆動する駆動機構6と、この駆動機構6にAZ角およびEL角の制御信号を出力して赤外カメラ2およびレーザ装置3の動作を制御するセンサ制御器7と、このセンサ制御器7の制御信号処理、赤外カメラ2の画像信号処理およびレーザ装置3の測距データ信号処理を行なう信号処理器8とを使用する。これにより、センサ制御器7により設定されたAZ角およびEL角ならびに捜索領域までの距離情報に基づいて赤外カメラ2によりインレンジの山並み22の稜線に沿う捜索を行なう。すなわち、遠近に配置する山並み21を背景とする捜索領域について、手動操作または自動操作により山並み21の稜線に沿う画像情報および測距情報を初期情報として取得し、この初期情報をもとに背景の全範囲の中から予め探索すべき目標物の存在・進入の予測性が高い近距離範囲の山並み22をインレンジとして設定し、アウトレンジの山並み23の情報は使用しない。そして、この設定したインレンジの山並み22に沿うAZ角およびEL角に合せて当該インレンジの山並みの稜線に沿う捜索を行なう。図3には、この(2)の方法により設定した帯状の捜索範囲24が示されている。図3には、一画像の視野範囲が符号24aとして示されている。この視野範囲24が、各AZ角に対応して設定したEL角毎にエレベーションを変えて捜索が行なわれる。図4には、以上の捜索によって発見された目標♯1(25a)、♯2(25b)、♯3(25c)がパノラマ表示として、表示装置11に方向、距離および速度等の文字とともに表示された状態が示されている。
【0034】
以上の(1)の捜索方法によれば、目標の存在または進入するだろう範囲をある程度限定して(例えばアタックヘリは山並み21からポップアップ攻撃する特性から山並み21を特に捜索する等)捜索することにより、効率良く素早く目標を探知することができる。
【0035】
また、(2)の方法によれば、距離情報を加えることにより、探知レンジ範囲内の目標の存在しうる領域を限定・設定してインレンジの山並み22を捜索することが可能である。
【0036】
(4)山並みがない場合の捜索
遠近に配置する山並みを背景とする捜索領域について、レーザ装置3による測距情報からインレンジに山並みが存在しないと判定された場合には、手動操作により目標が進入または存在する確率が高いと予想される領域を設定し、この設定した領域について捜索を行なう。
【0037】
これにより、山並みがない場合においても目標の捜索が可能となる。
【0038】
(5)追尾
この段階では、捜索により目標物25a,25b,25cが発見された場合に、操作部9または制御部10の指令によりその目標物の追尾が行なわれる。すなわち、信号処理器8は、赤外カメラ2により目標物が発見された場合に目標発見信号を出力する機能、目標現在位置計算機能および目標物の追随動作演算機能を有し、センサ制御器7は操作部9または制御部10からの指令により、赤外カメラ2の動作を目標物25a,25b,25cの追尾動作に切替える機能を有するものとされている。そして、捜索により目標物が発見された場合に、目標物25a,25b,25cの位置に合せて測距が繰り返され、追尾が行なわれる。
【0039】
(6)実施形態の効果
以上の実施形態によれば、従来技術において全周捜索を含む広範囲を捜索する方式により探知までに多大な時間がかかっていたのに比較して、目標の存在または進入するだろう範囲をある程度限定して捜索することにより、効率良く素早く目標を探知・追尾することができる。また、距離情報を加えることにより、探知レンジ範囲内の目標の存在しうる領域を限定・設定することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、背景の捜索を無駄なく高能率で行ない、背景に存在し、または進入してくる目的物を素早く発見することができる捜索システムおよび捜索方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す系統構成図。
【図2】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図。
【図3】本発明の一実施形態による捜索方法を示す説明図。
【図4】本発明の一実施形態による画像の例を示す説明図。
【符号の説明】
1 センサ本体
2 赤外カメラ
3 レーザ装置
6 駆動機構
7 センサ制御器
8 信号処理器
9 操作部
10 制御部
21 山並み
22 インレンジの山並み
25a,25b,25c 目標
【発明の属する技術分野】
本発明は低速飛行物体の赤外カメラによる捜索を山並み等の背景に沿って能率よく素早く行なう捜索システムおよび捜索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、航空機等の飛行物体の捜索技術としてレーダ技術が知られており、この技術は主として遠隔広範囲、高速飛行物体の捜索に多用されている。しかし、通常のレーダ技術は、比較的近距離から低速で飛行する物体の捜索には必ずしも適しない。例えば山並みの隠れた場所から突然に出現する所謂アタックヘリ等の捜索については、その移動が低速であるため確認し難く、目標物の発見が困難である。
【0003】
一方、近年ではレーダエコーを画像展開して目標を探索し追尾する技術(例えば特開2001−272456号公報(特許文献1参照))、あるいは赤外カメラを使用して目標を画像情報として探索する技術(例えば特開平6−138201号公報(特許文献2参照)、特開平7−244145号公報(特許文献3参照))等が提案されており、これらの技術は近距離での適用、移動物体の発見が容易であるため上述した低速飛行物体の捜索に適している。
【0004】
ところで、このような赤外カメラ等により山並みに沿って進入する低速飛行物体の捜索を行なう場合、従来では山並みをなるべく含む固定のエレベーションにて全周を捜索するケースが多かった。この場合、アジマス角によっては目標が侵入する確率の高い山並みを見ていなく、進入する目標を探知できない場合があった。これを解消するために段階的にエレベーションを変化させて全周を捜索しても、捜索時間は多大であり、進入する目標に食い込まれる場合があった。また、インレンジ判定する手段を持たないため山並みが探知レンジよりも遠い場合も、目標の見える距離には限界があることから、目標を探知できないことがあった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−272456号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平6−138201号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平7−244145号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来では、赤外カメラ等により山並みに沿って進入する低速飛行物体の捜索を固定のエレベーションにて全周捜索するケースが多く、目標が侵入する確率の高い山並みを見ていなく、進入する目標を探知できない場合があった。また、エレベーションを変化させて全周を捜索しても、捜索時間は多大であり、進入する目標に食い込まれる場合があったり、インレンジ判定する手段を持たないため山並みが探知レンジよりも遠い場合に目標を探知できないことがある等の問題があった。
【0009】
発明者の検討によると、山並みを超えて進入するアタックヘリ等の飛行物体の場合、その飛行特性から捜索目標が存在または進入するだろうと考えられる範囲は、峰よりも尾根のような窪んだ地形である等、ある程度限定することが可能である。また、脅威度等を勘案すると一定距離以上の極めて遠方にある山並みを捜索することは重要性が低く、比較的近距離の山並みを捜索することが重要と判断することも可能である。さらに、山並みのある背景のうち、地形等に応じて考慮した場合には、全周捜索をする必要はなく、ある一定の広がりに対応したアジマス角の範囲のみを捜索すれば十分な場合もある。
【0010】
すなわち、従来のように、赤外カメラ等により視野範囲にある全ての山並みを全周捜索する必要はなく、そのような従来の捜索の無駄を省くことにより、合理的な範囲を効率よく捜索し、目標物を素早く発見することが可能である。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、山並み等の背景の捜索を無駄なく高能率で行ない、背景に存在し、または進入してくる目的物を素早く発見することができる捜索システムおよび捜索方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明では、赤外カメラと、この赤外カメラを駆動する駆動機構と、この駆動機構にアジマス角およびエレベーション角の制御信号を出力して前記赤外カメラの動作を制御するセンサ制御器と、このセンサ制御器の制御信号処理および前記赤外カメラの画像信号処理を行なう信号処理器とを備え、前記センサ制御器により設定されたアジマス角およびエレベーション角に基づいて前記赤外カメラにより山並みの稜線に沿う捜索を行なうことを特徴とする捜索システムを提供する。
【0013】
請求項2係る発明では、赤外カメラと、測距用のレーザ装置と、これらの赤外カメラおよびレーザ装置を駆動する駆動機構と、この駆動機構にアジマス角およびエレベーション角の制御信号を出力して前記赤外カメラおよび前記レーザ装置の動作を制御するセンサ制御器と、このセンサ制御器の制御信号処理、前記赤外カメラの画像信号処理および前記レーザ装置の測距データ信号処理を行なう信号処理器とを備え前記レーザ装置により背景である山を測距して、インレンジ判定することにより、目標が進入または存在する確率の高い領域を捜索領域として設定し、前記センサ制御器により設定されたアジマス角およびエレベーション角ならびに捜索領域までの距離情報に基づいて前記赤外カメラによりインレンジの山並みの稜線に沿う捜索を行なうことを特徴とする捜索システムを提供する。
【0014】
請求項3係る発明では、前記センサ制御器に予め手動操作または自動操作により操作信号を出力して前記赤外カメラを駆動させる初期情報設定用の操作部と、この操作部からの指令によって設定された前記赤外カメラのアジマス角およびエレベーション角の初期情報に基づいて捜索時に前記センサ制御器に制御信号を出力して前記赤外カメラの動作を制御する制御部とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の捜索システムを提供する。
【0015】
請求項4係る発明では、前記信号処理器は、前記赤外カメラにより目標物が発見された場合に目標発見信号を出力する機能、目標現在位置計算機能および前記目標物の追随動作演算機能を有し、前記センサ制御器は、前記操作部または前記制御部からの指令により、前記赤外カメラの動作を前記目標物の追尾動作に切替える機能を有することを特徴とする請求項3記載の捜索システムを提供する。
【0016】
請求項5係る発明では、山並みを背景とする捜索領域について、手動操作または自動操作により前記山並みの稜線に沿う画像情報を初期情報として取得し、この初期情報をもとに設定したアジマスおよびエレベーションに合せて前記山並みの稜線に沿う捜索を行なうことを特徴とする捜索方法を提供する。
【0017】
請求項6係る発明では、遠近に配置する山並みを背景とする捜索領域について、手動操作または自動操作により前記山並みの稜線に沿う画像情報および測距情報を初期情報として取得し、この初期情報をもとに前記背景の全範囲の中から予め探索すべき目標物の存在・進入の予測性が高い近距離範囲の山並みをインレンジとして設定し、この設定したインレンジの山並みに沿うアジマスおよびエレベーションに合せて当該インレンジの山並みの稜線に沿う捜索を行なうことを特徴とする捜索方法を提供する。
【0018】
請求項7に係る発明では、遠近に配置する山並みを背景とする捜索領域について、レーザ装置による測距情報からインレンジに山並みが存在しないと判定された場合、手動操作により目標が進入または存在する確率が高いと予想される領域を設定し、この設定した領域について捜索を行なうことを特徴とする請求項6記載の捜索方法を提供する。
【0019】
請求項8係る発明では、捜索により目標物が発見された場合に、前記目標物の位置に合せて測距を繰り返して追尾することを特徴とする請求項5から7までのいずれかに記載の捜索方法を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る捜索システムおよび同システムを適用する捜索方法の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による捜索システムを実施する装置構成を示す系統構成図であり、図2は同システムの機能を説明するための機能ブロック図である。図3は捜索方法を具体的に示す説明図であり、図4は同方法により得られる画像の一例を示す説明図である。
【0021】
(1)システム構成(図1、図2)
本実施形態のシステムでは、2軸ジンバル式の駆動機構によって駆動されるセンサ本体1が適用される。このセンサ本体1は、2次元情報としての画像情報取得用の赤外カメラ2を有する。適用される赤外線としては、例えば10Km程度のレンジに適合するものとする。この赤外カメラ2には、目標および背景等の赤外光を集光するための集光光学系が付設され、これにより視野切換(ピント調整)が可能としてある。また、センサ本体1が所定のジンバル各速度で動作することから、赤外カメラ2には象流れ補正機構等が付設されている。
【0022】
また、センサ本体1は測距用のレーザ装置3を有する。このレーザ装置3は、制御器をもつレーザ発信器4およびレーザ受信器5により構成され、レーザ発信器4からの出射光は光学系を経て外部に出射され、また反射光は光学系を介してレーザ受信器に受信される。このレーザ装置3により、赤外カメラ2により捉えられる山並みまでの距離、あるいは発見される目標物体までの距離情報(レンジ:R)が得られ、これにより画像信号と合わせて3次元情報を得ることができる。
【0023】
センサ本体1を駆動する駆動機構は上述したように、2軸ジンバル式であり、所定のアジマス(Az)角およびエレベーション(EL)角でセンサ本体1を駆動する。駆動機構6はセンサ制御器7により制御され、これにより捜索制御および追随制御が行なわれる。
【0024】
以上の赤外カメラ2、レーザ装置3およびセンサ制御器7は、信号処理器8により信号制御が行なわれる。すなわち、信号処理器8では、センサ制御器7の制御信号処理、赤外カメラ2の画像信号処理(スーパーインポーズ処理を含む)およびレーザ装置3の測距データ信号処理等が行なわれ、赤外カメラ2により目標物が発見された場合に目標発見信号を出力する機能、目標現在位置計算機能および目標物の追随動作演算機能等を有する。なお、センサ制御器7はセンサ本体1による赤外カメラ2の動作を、目標物の追尾動作に切替える機能も有する。これらの信号処理は、操作部9および制御部10からの指令により行なわれる。
【0025】
操作部9は、センサ制御器7に予め手動操作または自動操作により操作信号を出力して、赤外カメラ2を駆動させる初期情報を設定するものである。例えば初期設定用の操作部9としては、図示しないがセンサ本体1と同様の機能を有するジンバル式駆動機構6により支持された手動式の光学眼鏡(OT)として構成される。光学眼鏡にはモニタが付設され、操作者が山並み等を確認して初期情報を設定することができる。すなわち、操作部9を手動操作することにより、センサ本体1を捜索時と同様のAZ角およびEL角で駆動し、これらの駆動情報を初期情報として設定し、信号処理器8のメモリに記憶する。また、操作部9および制御部10は、赤外カメラ2からの光波センサ画像、目標発見信号、目標現在位置等の情報を信号処理器8から受け、信号処理器8に応答指令を出力する機能を有し、例えば操作部9からの指令によって設定された赤外カメラ2のAZ角およびEL角の初期情報に基づいて捜索時にセンサ制御器7に制御信号を出力して赤外カメラ2の動作を制御する。
【0026】
図2には、信号処理器8の機能要素が詳細に示されている。この信号処理器8は、赤外カメラ2からの情報に基づく画像処理および記憶を行なう画像処理装置(スーパーインポーズ装置を含む)および画像メモリを有する。また、信号処理器8は、操作部9により設定されるAZ、EL、Rのメモリ、レーザ測距制御器、レーザ測距データメモリ、演算用メモリ、これらのデータに基づいて演算を行なう演算器およびセンサ出力部等を有する。これらの演算結果および画像情報等は、表示装置11に表示できるようになっている。
【0027】
(2)初期設定
本発明では、山並みを背景とする捜索領域について初期設定を行ない、手動操作または自動操作により山並みの稜線に沿う画像情報を初期情報として取得する。この初期情報をもとに設定したAZおよびELに合せて、山並みの稜線に沿う捜索を行なう。この捜索により目標を抽出した場合には、追尾に移行する。初期設定は、例えば上述の手動式の光学眼鏡(OT)を使用して行ない、山並みに沿った捜索等、背景に応じた捜索範囲を自己で設定または外部からの操作によって設定する。すなわち、山並みは、自動または手動で判定し、または両者を併用しての判定により抽出する。
【0028】
自動判定では、例えば2値化スレショルド等により白っぽい背景と黒っぽい山並みを分け、境界線を山並みとみなす処理や、連結調査を行ない、山の稜線を抽出する処理を行なう。この場合、赤外カメラ2による2次元画像を作成して抽出する処理、あるいはレーザ装置3による距離情報を加え、3次元画像を作成して抽出する処理等が可能である。レーザ装置3により背景の距離情報を取得した場合には、距離情報を加味して、例えば10Km以内等の山並みをインレンジとして設定し、その捜索レンジ範囲内での捜索範囲を設定することが可能となる。
【0029】
例えば、アタックヘリが山並みのいずれかの稜線を越える等により存在または進入する地域を遠隔にて探索するとき、探索すべき目標の存在または進入が予測される範囲を予めインレンジとして水平・垂直2方向の範囲を背景の中の特定の部位に帯状に設定しておき、その帯状の範囲に沿って動作するセンサを旋回させ、目標を赤外線カメラにより自動探索する。すなわち、例えば初期設定において人間が照準器としての光学眼鏡(OT)を使用して測距データを蓄積し、AZ角に対するEL角(目標が出現しそうな所)と、目標物体での距離を予め計測する。この場合、EL角は人間が設定し、例えば遠方の山並みの捜索はアウトレンジとして捨象する、という処理を行なうことができる。
【0030】
具体的には、第1初期設定として山並の稜線に沿う領域をインレンジとして設定し、第2初期設定として、EL角を下げて、山肌に沿う斜面等の領域をインレンジとして設定する。これにより、一層詳細な探索が可能となる。
【0031】
(3)山並みの捜索(図3、図4)
この段階では、初期情報をもとに設定したAZ角およびEL角に合せて山並みの稜線に沿う捜索を行なう。この場合、(1)センサ制御器7により設定されたAZ角およびEL角を用いた2次元情報に基づいて赤外カメラ2により山並み21の稜線に沿う捜索を行なう方法と、(2)センサ制御器7により設定されたAZ角およびEL角ならびに捜索領域までの距離情報を用いた3次元情報に基づいて赤外カメラ2によりインレンジの山並み22の稜線に沿う捜索を行なう方法とを、選択的に実施することができる。
【0032】
すなわち、(1)の方法では、赤外カメラ2と、この赤外カメラ2を駆動する駆動機構6と、この駆動機構6にAZ角およびEL角の制御信号を出力して赤外カメラ2の動作を制御するセンサ制御器7と、このセンサ制御器7の制御信号処理および赤外カメラ2の画像信号処理を行なう信号処理器8とを使用する。これにより、センサ制御器7により設定されたAZ角およびEL角に基づいて赤外カメラ2により山並み21の稜線に沿う捜索を行なう。すなわち、山並み21を背景とする捜索領域について、手動操作または自動操作により山並みの稜線に沿う画像情報を初期情報として取得し、この初期情報をもとに設定したAZ角およびEL角に合せて山並み21の稜線に沿う捜索を行なう。
【0033】
また、(2)の方法では、背景の距離情報を取得できる手段を使用して、距離情報を加味して捜索レンジ範囲内での捜索範囲を設定して捜索する方法である。この場合には、赤外カメラ2と、測距用のレーザ装置3と、これらの赤外カメラ2およびレーザ装置3を駆動する駆動機構6と、この駆動機構6にAZ角およびEL角の制御信号を出力して赤外カメラ2およびレーザ装置3の動作を制御するセンサ制御器7と、このセンサ制御器7の制御信号処理、赤外カメラ2の画像信号処理およびレーザ装置3の測距データ信号処理を行なう信号処理器8とを使用する。これにより、センサ制御器7により設定されたAZ角およびEL角ならびに捜索領域までの距離情報に基づいて赤外カメラ2によりインレンジの山並み22の稜線に沿う捜索を行なう。すなわち、遠近に配置する山並み21を背景とする捜索領域について、手動操作または自動操作により山並み21の稜線に沿う画像情報および測距情報を初期情報として取得し、この初期情報をもとに背景の全範囲の中から予め探索すべき目標物の存在・進入の予測性が高い近距離範囲の山並み22をインレンジとして設定し、アウトレンジの山並み23の情報は使用しない。そして、この設定したインレンジの山並み22に沿うAZ角およびEL角に合せて当該インレンジの山並みの稜線に沿う捜索を行なう。図3には、この(2)の方法により設定した帯状の捜索範囲24が示されている。図3には、一画像の視野範囲が符号24aとして示されている。この視野範囲24が、各AZ角に対応して設定したEL角毎にエレベーションを変えて捜索が行なわれる。図4には、以上の捜索によって発見された目標♯1(25a)、♯2(25b)、♯3(25c)がパノラマ表示として、表示装置11に方向、距離および速度等の文字とともに表示された状態が示されている。
【0034】
以上の(1)の捜索方法によれば、目標の存在または進入するだろう範囲をある程度限定して(例えばアタックヘリは山並み21からポップアップ攻撃する特性から山並み21を特に捜索する等)捜索することにより、効率良く素早く目標を探知することができる。
【0035】
また、(2)の方法によれば、距離情報を加えることにより、探知レンジ範囲内の目標の存在しうる領域を限定・設定してインレンジの山並み22を捜索することが可能である。
【0036】
(4)山並みがない場合の捜索
遠近に配置する山並みを背景とする捜索領域について、レーザ装置3による測距情報からインレンジに山並みが存在しないと判定された場合には、手動操作により目標が進入または存在する確率が高いと予想される領域を設定し、この設定した領域について捜索を行なう。
【0037】
これにより、山並みがない場合においても目標の捜索が可能となる。
【0038】
(5)追尾
この段階では、捜索により目標物25a,25b,25cが発見された場合に、操作部9または制御部10の指令によりその目標物の追尾が行なわれる。すなわち、信号処理器8は、赤外カメラ2により目標物が発見された場合に目標発見信号を出力する機能、目標現在位置計算機能および目標物の追随動作演算機能を有し、センサ制御器7は操作部9または制御部10からの指令により、赤外カメラ2の動作を目標物25a,25b,25cの追尾動作に切替える機能を有するものとされている。そして、捜索により目標物が発見された場合に、目標物25a,25b,25cの位置に合せて測距が繰り返され、追尾が行なわれる。
【0039】
(6)実施形態の効果
以上の実施形態によれば、従来技術において全周捜索を含む広範囲を捜索する方式により探知までに多大な時間がかかっていたのに比較して、目標の存在または進入するだろう範囲をある程度限定して捜索することにより、効率良く素早く目標を探知・追尾することができる。また、距離情報を加えることにより、探知レンジ範囲内の目標の存在しうる領域を限定・設定することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、背景の捜索を無駄なく高能率で行ない、背景に存在し、または進入してくる目的物を素早く発見することができる捜索システムおよび捜索方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す系統構成図。
【図2】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図。
【図3】本発明の一実施形態による捜索方法を示す説明図。
【図4】本発明の一実施形態による画像の例を示す説明図。
【符号の説明】
1 センサ本体
2 赤外カメラ
3 レーザ装置
6 駆動機構
7 センサ制御器
8 信号処理器
9 操作部
10 制御部
21 山並み
22 インレンジの山並み
25a,25b,25c 目標
Claims (8)
- 赤外カメラと、この赤外カメラを駆動する駆動機構と、この駆動機構にアジマス角およびエレベーション角の制御信号を出力して前記赤外カメラの動作を制御するセンサ制御器と、このセンサ制御器の制御信号処理および前記赤外カメラの画像信号処理を行なう信号処理器とを備え、前記センサ制御器により設定されたアジマス角およびエレベーション角に基づいて前記赤外カメラにより山並みの稜線に沿う捜索を行なうことを特徴とする捜索システム。
- 赤外カメラと、測距用のレーザ装置と、これらの赤外カメラおよびレーザ装置を駆動する駆動機構と、この駆動機構にアジマス角およびエレベーション角の制御信号を出力して前記赤外カメラおよび前記レーザ装置の動作を制御するセンサ制御器と、このセンサ制御器の制御信号処理、前記赤外カメラの画像信号処理および前記レーザ装置の測距データ信号処理を行なう信号処理器とを備え、前記レーザ装置により背景である山を測距して、インレンジ判定することにより、目標が進入または存在する確率の高い領域を捜索領域として設定し、前記センサ制御器により設定されたアジマス角およびエレベーション角ならびに捜索領域までの距離情報に基づいて前記赤外カメラによりインレンジの山並みの稜線に沿う捜索を行なうことを特徴とする捜索システム。
- 前記センサ制御器に予め手動操作または自動操作により操作信号を出力して前記赤外カメラを駆動させる初期情報設定用の操作部と、この操作部からの指令によって設定された前記赤外カメラのアジマス角およびエレベーション角の初期情報に基づいて捜索時に前記センサ制御器に制御信号を出力して前記赤外カメラの動作を制御する制御部とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の捜索システム。
- 前記信号処理器は、前記赤外カメラにより目標物が発見された場合に目標発見信号を出力する機能、目標現在位置計算機能および前記目標物の追随動作演算機能を有し、前記センサ制御器は、前記操作部または前記制御部からの指令により、前記赤外カメラの動作を前記目標物の追尾動作に切替える機能を有することを特徴とする請求項3記載の捜索システム。
- 山並みを背景とする捜索領域について、手動操作または自動操作により前記山並みの稜線に沿う画像情報を初期情報として取得し、この初期情報をもとに設定したアジマスおよびエレベーションに合せて前記山並みの稜線に沿う捜索を行なうことを特徴とする捜索方法。
- 遠近に配置する山並みを背景とする捜索領域について、手動操作または自動操作により前記山並みの稜線に沿う画像情報および測距情報を初期情報として取得し、この初期情報をもとに前記背景の全範囲の中から予め探索すべき目標物の存在・進入の予測性が高い近距離範囲の山並みをインレンジとして設定し、この設定したインレンジの山並みに沿うアジマスおよびエレベーションに合せて当該インレンジの山並みの稜線に沿う捜索を行なうことを特徴とする捜索方法。
- 遠近に配置する山並みを背景とする捜索領域について、レーザ装置による測距情報からインレンジに山並みが存在しないと判定された場合、手動操作により目標が進入または存在する確率が高いと予想される領域を設定し、この設定した領域について捜索を行なうことを特徴とする請求項6記載の捜索方法。
- 捜索により目標物が発見された場合に、前記目標物の位置に合せて測距を繰り返して追尾することを特徴とする請求項5から7までのいずれかに記載の捜索方法。
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