JP2011229656A - 捜索割当装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】捜索エリアを短時間かつ精度良く求める捜索割当装置を得る。
【解決手段】目標予測点の集合である目標存在分布及び各目標予測点に対応する未発見確率を算出する目標存在分布算出手段105と、前記目標存在分布において、各目標予測点を未発見確率で重み付けした分布を、混合ガウス分布でモデル化し、そのガウス分布のパラメータを推定して保持するガウス分布推定手段107と、捜索機情報及び前記目標存在分布に基づき、捜索機が捜索に利用できる移動距離である捜索可能距離を算出する捜索可能距離算出手段112と、有効捜索幅、捜索機情報、捜索可能距離に基づき、捜索エリアの面積である捜索エリア面積を算出する捜索エリア面積設定手段113と、前記ガウス分布の推定されたパラメータに相当する位置、向き、縦横比を合わせるように、前記捜索エリア面積を持つ長方形の捜索エリアを設定するガウス分布基準捜索エリア設定手段114とを設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、陸や海を移動する遭難者等の目標を発見することを目的とした捜索活動において、捜索対象とする捜索エリアを適切に定める捜索割当装置に関するものである。
陸や海における遭難者を救助しなければならない場合など、何らかの目標を発見する必要がある状況を考える。事前情報などにより目標の位置が予め特定されていれば問題ないが、目標が存在する場所が不明な場合、まず、目標の捜索活動を行う必要がある。捜索活動を行う際には、目標の発見に高確率で成功するような、効率の良い捜索計画を立案した上で、実際の捜索を行わなければならない。以下、捜索対象とする領域のことを「捜索エリア」と呼ぶ。また、捜索を行う飛行機や船舶等を、以下、「捜索機」と呼ぶ。
一般にある領域を考えた場合、当該領域に目標が存在する確率をPOC(Probability of Containment:以下「目標存在確率」と呼ぶ)、当該領域内に目標が存在したと仮定して、当該領域の捜索の結果、目標を探知できる確率をPOD(Probability of Detection)と呼ぶ。さらに、当該領域の捜索により目標探知に成功する確率をPOS(Probability of Success:「目標探知成功確率」)と呼び、これはPOCとPODの積で計算される。一般に、捜索計画においては、POSを最大化することが求められる。
目標位置が高精度で予測できない場合、適切な捜索エリアについて、「平行捜索」と呼ばれるパターンで捜索が行われる場合が多い。これは、捜索機が等間隔の平行線に沿って移動しつつ捜索を行うというものである。平行捜索に基づく捜索機の移動経路の例を図14に示す。ここで、隣接する平行線の間隔を「トラック間隔」と呼ぶ。平行捜索において捜索対象とする捜索エリアは、一般に長方形とすることが多い。
ここで、図14内の「有効捜索幅」について説明する。捜索機が直線経路を移動する際に、目標との最近接距離がxであった場合(図15参照)、その目標を探知する確率のことを「横距離探知確率」と呼び、xの関数PL(x)で表される。横距離探知確率PL(x)の例を図16に示す。この時、横距離探知確率曲線の下の面積のことを有効捜索幅と呼ぶ。つまり、有効捜索幅をWで表すと、WはPL(x)に基づき、以下の式で表される。
Figure 2011229656
図16から分かるように、有効捜索幅の範囲内の目標の探知失敗確率と、有効捜索幅の範囲外の目標探知成功確率とが等しくなっている。有効捜索幅は、捜索可能な範囲の長さの指標として利用される値であり、捜索に用いるセンサ性能、目標の探知しやすさ、さらに、環境条件に基づいて計算される。
また、図14において、有効捜索幅をトラック間隔で割った値のことを「カバレッジ・ファクター」と呼び、「捜索エリアをどの程度入念に捜索したか」を表す。これは、平行捜索を行う場合のカバレッジ・ファクターの求め方であるが、より一般的には、捜索機の移動距離と、有効捜索幅との積を、捜索エリアの面積で割った値として定義される。つまり、有効捜索幅の範囲内を有効に捜索できると考え、捜索機の移動に伴い有効に捜索した面積を、捜索対象である捜索エリアの面積で割った値を、カバレッジ・ファクターとするのである。
一般に、PODは、カバレッジ・ファクターの関数として見積もられる。例えば、有効捜索幅の範囲内で探知確率が1、それ以外の範囲で探知確率が0であるような理想的な捜索状況を想定する場合、カバレッジ・ファクターが1であれば、捜索エリアを漏れなく捜索できるため、PODも1となる。
捜索エリア設定においては、目標の移動に関するシミュレーションを行い、その結果を利用する方式が知られている(例えば、非特許文献1において、「CHAPTER3:SAR Operations」のページ番号「3−10」を参照)。本方式では、目標を模擬する点(以下「目標予測点」と呼ぶ)を多数生成し、各目標予測点に対して、目標の運動モデルや環境条件等に基づくシミュレーションを適用することにより、捜索活動実施予定時刻付近における目標予測点の予測位置を生成する。結果として生成される目標予測点の集合を、以下「目標存在分布」と呼ぶ。目標存在分布の例を図17に示す。但し、図17では簡単のため、目標予測点の数を少ないものとして記載しているが、実際の運用では、数千個程度の目標予測点が利用されるのが普通である。
図17に示すように、各目標予測点には、それぞれPfail(以下「未発見確率」と呼ぶ)と呼ばれる数値が付与される。未発見確率とは、「当該目標予測点の位置に目標が存在したと仮定して、今までに実施した捜索活動にも関わらず、その目標の探知に失敗する確率」のことであり、1回も捜索活動を行っていない時点においては、全ての目標予測点の未発見確率は1に初期化される。そして、捜索を実施する度に、その捜索に対応するPODに応じて、未発見確率は減少していく。具体的には、未発見確率Pfailの目標予測点に対し、探知確率PODの捜索が行われた場合、捜索後の未発見確率は、Pfail×(1−POD)に更新される。また、ある領域におけるPOC、すなわち目標存在確率は、当該領域内に存在する目標予測点の未発見確率の和を計算し、これを、全目標予測点の未発見確率の和で割ることにより、求めることができる。
捜索エリア設定においては、前述のようにPOS最大化が求められるが、ある捜索エリアにおけるPOSは、当該捜索エリアにおける目標存在確率およびPODより求められる。但し、捜索エリア設定に際しては、POS最大化の他、捜索エリアに課せられる各種制約を満たす必要がある。主要な制約を以下に示す。
まず、捜索に利用できる移動距離(以下「捜索可能距離」と呼ぶ)が決まっている。捜索機の総移動距離から、捜索機の基地から捜索エリアへの往復に要する移動距離等を引いた値が捜索可能距離となる。カバレッジ・ファクターを固定の値とすると、捜索可能距離の制約より、捜索エリアの面積が一定との制約が導かれる。
次に、トラック間隔の下限が決まっている。これは、捜索機の運動性能や、移動の精度によって定まる。
さて、捜索エリアの最適化については、最適化の代表的な枠組みである局所探索を利用する方式が知られている(例えば、非特許文献1において、「Appendix H: Search Planning Guide」のページ番号「H−67」から「H−68」を参照)。本方式においては、まず、捜索エリアを初期化した後、捜索エリアに対して移動/回転/伸長/圧縮等の微小変化の適用を反復し、POSの改善を試みる。但し、捜索エリアに課せられた制約は守るものとする。POSが改善しない状況となった場合は、捜索エリアを再初期化して、同様の操作を繰り返す。そして、一定時間経過後、得られた捜索エリアの中でPOSが最大であったものを、最適と見做して選択する。
上述した捜索エリア決定方式によれば、適切な捜索エリアを導出可能であると期待されるが、局所探索を利用するため、その結果は捜索エリアの初期配置に依存する。しかし、捜索エリアをどのように初期化すれば良いかについては、非特許文献1を含む従来文献には記述されていなかった。
しかし、捜索エリアの初期化が適切でないと、捜索エリアの最適化の過程で、質の悪い局所最適解に陥る危険性がある。また、質の良い最適解に至る場合であっても、必要な捜索エリア修正処理の回数が多くなり、従って、処理時間が長くなってしまう恐れがある。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、目標存在分布の特徴を抽出し、その結果に基づいて有望な捜索エリアを短時間で、かつ精度良く求めることができる捜索割当装置を得ることを目的とする。
本発明に係る捜索割当装置は、複数の目標予測点に対し、環境情報及び目標情報に基づいたシミュレーションを適用し、一定時間毎の各目標予測点の2次元位置を算出するとともに、過去の捜索状況に基づき各目標予測点に対応する未発見確率を算出し、算出した目標予測点の集合である目標存在分布を各目標予測点に対応する未発見確率とともに保持する目標存在分布算出部と、前記目標存在分布において、各目標予測点を未発見確率で重み付けした分布を、混合ガウス分布又は1個のガウス分布でモデル化し、そのガウス分布のパラメータを推定して保持するガウス分布推定部と、捜索機情報及び前記目標存在分布に基づき、捜索機が捜索に利用できる移動距離である捜索可能距離を算出する捜索可能距離算出部と、前記捜索機が目標を捜索する際の有効捜索幅、前記捜索機情報、及び前記捜索可能距離に基づき、捜索対象とする領域である捜索エリアの面積である捜索エリア面積を算出する捜索エリア面積設定部と、前記ガウス分布の推定されたパラメータに相当する位置、向き及び縦横比を合わせるように、前記捜索エリア面積を持つ長方形の捜索エリアを設定するガウス分布基準捜索エリア設定部とを備えるものである。
本発明に係る捜索割当装置によれば、有望な捜索エリアを短時間で、かつ精度良く求めることができる。
この発明の実施の形態1に係る捜索割当装置の構成を示すブロック図である。 目標存在分布を3個のガウス分布から構成される混合ガウス分布でモデル化した例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る捜索割当装置の捜索エリア設定の方法を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る捜索割当装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る捜索割当装置の構成を示すブロック図である。 目標存在分布を示す図である。 目標存在分布を混合ガウス分布(ガウス分布数:2)でモデル化した場合の結果を示す図である。 1つのガウス分布による目標存在分布のモデル化結果を示す図である。 この発明の実施の形態4に係る捜索割当装置の構成を示すブロック図である。 ガウス分布において、平均から1標準偏差だけ離れた、確率密度一定の点を結んでできる楕円を示す図である。 k=0.5の場合について、長方形Rと捜索エリアとの関係を示す図である。 k=1.0の場合について、長方形Rと捜索エリアとの関係を示す図である。 k=1.5の場合について、長方形Rと捜索エリアとの関係を示す図である。 平行捜索に基づく捜索機の移動経路の例を示す図である。 捜索機が直線経路を移動する際に、目標との最近接距離がxであった場合の例を示す図である。 横距離探知確率PL(x)の例を示す図である。 目標予測点の集合である目標存在分布の例を示す図である。
以下、本発明の捜索割当装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る捜索割当装置について図1から図3までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る捜索割当装置の構成を示すブロック図である。なお、この実施の形態1は、海上を移動する目標を捜索する際に、捜索機の捜索エリアを適切に決定し、それに基づき、捜索機のパス、すなわち移動経路を求めるものである。また、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1において、この発明の実施の形態1に係る捜索割当装置は、環境情報保持手段101と、目標情報保持手段102と、捜索機情報保持手段103と、捜索状況保持手段104と、目標存在分布算出手段105と、目標存在分布保持手段106と、ガウス分布推定手段107と、有効捜索幅算出手段111と、捜索可能距離算出手段112と、捜索エリア面積設定手段113と、ガウス分布基準捜索エリア設定手段114と、捜索エリア保持手段115と、捜索エリア評価手段116と、捜索エリア更新手段117と、捜索パス調整手段118とが設けられている。
また、ガウス分布推定手段107は、ガウス分布初期化手段108と、ガウス分布保持手段109と、ガウス分布更新手段110とが設けられている。
なお、目標存在分布算出手段105と目標存在分布保持手段106により、目標存在分布算出部が構成される。また、ガウス分布推定手段107によりガウス分布推定部が構成される。捜索可能距離算出手段112により捜索可能距離算出部が構成される。捜索エリア面積設定手段113により捜索エリア面積設定部が構成される。ガウス分布基準捜索エリア設定手段114によりガウス分布基準捜索エリア設定部が構成される。さらに、捜索エリア保持手段115、捜索エリア評価手段116、捜索エリア更新手段117、及び捜索パス調整手段118により、捜索エリア最適化部が構成される。
つぎに、この実施の形態1に係る捜索割当装置の動作について図面を参照しながら説明する。
環境情報保持手段101は、海流や風速等の環境情報を保持する。目標情報保持手段102は、捜索対象となる目標に関する、大きさや形状等の目標情報を保持する。捜索機情報保持手段103は、捜索機に関する、基地、捜索に利用するセンサ、運動性能等の捜索機情報を保持する。捜索状況保持手段104は、既に捜索が実施されている場合について、その捜索状況に関する情報を保持する。
目標存在分布算出手段105は、複数の目標予測点に対し、環境情報および目標情報に基づいたシミュレーションを適用し、一定時間毎の目標予測点の海上における2次元位置を算出する。さらに、過去の捜索状況に基づき、各目標予測点に対応する未発見確率を算出する。
目標存在分布保持手段106は、算出された目標存在分布を、各目標予測点の未発見確率とともに保持する。
ガウス分布推定手段107は、目標存在分布において、各目標予測点を未発見確率で重み付けした分布を、1個または複数の2次元ガウス分布の重ね合わせ、すなわち混合ガウス分布でモデル化し、そのパラメータを推定し、その結果を保持する。ここで、ガウス分布の空間は海面に対応するものであり、従って2次元である。
ここで、混合ガウス分布について説明する。
この混合ガウス分布とは、複数のガウス分布、すなわち正規分布の重ね合わせで表現される確率モデルであり、以下の式で表される。但し、ここでは、2次元のガウス分布K個の重ね合わせで表現される混合ガウス分布について示す。
Figure 2011229656
ここで、
Figure 2011229656
は、平均μ(2次元ベクトル)、分散共分散行列Σ(2×2行列)のパラメータを持つガウス分布であり、混合ガウス分布における「混合要素」と呼ばれ、以下の式で表される。但し、上付きのTは行列の転置を表す。
Figure 2011229656
また、πは各ガウス分布の重みを表す係数であり、「混合係数」と呼ばれる。
混合ガウス分布において推定すべきパラメータは、各ガウス分布の平均、分散共分散行列、混合係数である。ガウス分布の数については、適当に小さすぎない値を設定すれば良い。ガウス分布の数が目標存在分布に対して大きすぎる場合は、パラメータ推定後、平均と分散共分散行列が類似したガウス分布が複数生成されることが多い。このときは、これら類似したガウス分布を1つにまとめる処理を行えば良い。もしくは、AIC(Akaike's Information Criterion)、BIC(Bayesian Information Criterion)、MDL(Minimum Description Length)等のモデル選択基準を利用して、最適なガウス分布数を導出しても良い。
混合ガウス分布のパラメータ推定においては、最尤法に基づき、データセットに対する対数尤度関数を最大化するようなパラメータを求めれば良い。目標存在分布の場合、データセットは具体的には、目標予測点の集合のことである。各目標予測点が混合ガウス分布から独立に生起すると考えると、目標存在分布全体に対する対数尤度関数は、各目標予測点の対数尤度の和となる。但し、目標存在分布の場合、各目標予測点には未発見確率が付与されており、未発見確率が高いほど、その目標予測点を含む領域の目標存在確率は高くなる。従って、混合ガウス分布のパラメータ推定を実施する際にも、各目標予測点を同等に扱うのではなく、各目標予測点の対数尤度を未発見確率で重み付けした値の総和について、最大化を行うものとする。
目標存在分布の対数尤度関数の最適化は、ニュートン法等の非線形最適化手法を適用しても良いが、より効率的な方法として、EM(Expectation-Maximization)法などの方式が知られている。いずれの方式についても、パラメータを初期化後、データセットに基づき、パラメータの更新処理を反復することにより、適切なパラメータに至るとの枠組みに基づいている。
混合ガウス分布の、効率の良いEM法等のパラメータ推定方法については、例えば文献「パターン認識と機械学習 下」(著:C.M.ビショップ、監訳:元田浩/栗田多喜夫/樋口和之/松本裕治/村田昇、発行所:シュプリンガー・ジャパン株式会社、発行:2008年8月8日(初版2刷))の154〜155ページを参照のこと。
目標存在分布を、3個のガウス分布から構成される混合ガウス分布でモデル化した例を図2に示す。ここでガウス分布は、確率密度が一定である楕円として表している。
ここで、ガウス分布推定手段107について、より詳細に説明する。
ガウス分布初期化手段108は、混合ガウス分布のパラメータ、つまり、各ガウス分布の平均、分散共分散行列、混合係数を適当な値に初期化する。その際、平均は、目標存在分布において目標存在確率が0でない領域に配置するのが適切である。
ガウス分布保持手段109は、初期化したパラメータを記録(保持)する。
ガウス分布更新手段110は、ガウス分布保持手段109に保持されているパラメータおよび、各目標予測点を未発見確率で重み付けした分布に基づいて、パラメータを更新後、ガウス分布保持手段109に記録する。ここで、パラメータの更新は、例えばEM法に基づいて行えば良い。この、ガウス分布更新手段110によるパラメータ更新処理を十分な回数反復することにより、ガウス分布保持手段109が保持するパラメータは適切な値に収束する。
有効捜索幅算出手段111は、環境情報、目標情報、捜索機情報に基づき、捜索の際の有効捜索幅を算出する。有効捜索幅の具体的な算出方法については、例えば非特許文献1において、「Appendix H: Search Planning Guide」のページ番号「H−29」から「H−52」を参照のこと。
捜索可能距離算出手段112は、捜索機の基地から目標予測点が存在する領域までの往復距離や、捜索機の移動可能距離などに基づき、捜索に利用できる移動距離、つまり、捜索可能距離を算出する。ここで、「目標予測点が存在する領域」が狭ければ、その領域内の代表的な点を抽出し、それに基づいて捜索機の往復距離、さらに捜索可能距離を求めれば良い。一方、「目標予測点が存在する領域」が広い場合、想定する捜索エリアや、ガウス分布の中心点に基づいて、捜索機の往復距離、さらに捜索可能距離を求めれば良い。
捜索エリア面積設定手段113は、カバレッジ・ファクターを標準的な値(例えば1)に設定し、捜索可能距離と有効捜索幅に基づき、捜索エリアの標準的な面積を算出する。カバレッジ・ファクターを1とした場合、捜索エリアの面積は、捜索可能距離と有効捜索幅の積として算出される。しかし、捜索機のトラック間隔の下限が有効捜索幅よりも大きい場合、カバレッジ・ファクターが1であるような平行捜索は実現できない。その場合、平行捜索のトラック間隔を、捜索機のトラック間隔下限と設定し、捜索エリアの面積を算出する。このとき、捜索エリアの面積は、捜索可能距離と、トラック間隔下限の積として算出される。
ガウス分布基準捜索エリア設定手段114は、ガウス分布推定手段107で推定されたガウス分布のうち、1つまたは複数のガウス分布を抽出する。この抽出処理においては、例えば、混合係数の大きいガウス分布を選択すれば良い。その後、抽出されたガウス分布に位置、向き等を合わせるように、捜索エリア面積設定手段113で算出された捜索エリア面積を持つ、長方形の捜索エリアを導出する。但し、導出された捜索エリアの1辺の長さが、捜索可能距離よりも長くなる場合は、その長さが捜索可能距離となるように、各辺の長さを調整する。
捜索エリア保持手段115は、設定された1つまたは複数の捜索エリアを記録される。ここで複数の捜索エリアを考慮するのは、複数の捜索機による捜索を想定する場合である。以下、利用予定の捜索機群で捜索対象とする、1つまたは複数の捜索エリアを「捜索エリアセット」と呼ぶことにする。
捜索エリア設定の方法について、図3を用いて具体的に説明する。
図3(a)の楕円は、抽出されたガウス分布を表し、ガウス分布において、平均から1標準偏差だけ離れた、確率密度一定の点を結んでできる楕円である。より具体的には、確率密度が、平均μにおける確率密度のexp(−1/2)倍となる点を結んでできる楕円となっている。また、図3(a)において、平均μを通る2本の矢印は、楕円の主軸を表し、これは、ガウス分布の分散共分散行列Σの固有ベクトルの向きと一致する。さらに、楕円の主軸方向の標準偏差は、分散共分散行列Σにおいて、固有ベクトルに対応する固有値λ、λの平方根である。
図3(a)のガウス分布に合わせて設定した捜索エリアの例を図3(b)に示す。図3(b)に示すように、捜索エリアの中心をガウス分布の平均に、捜索エリアの向きをガウス分布の楕円の向きに合わせる。また、捜索エリアを表す長方形の縦横比を、ガウス分布を表す楕円の各主軸方向の標準偏差の比に合わせる。ここで、捜索エリアの面積が決まっているので、捜索エリアの形状が一意に定まることになる。
導出された捜索エリアにおいて、縦と横のいずれかの長さが捜索可能距離より長い場合、そのような捜索エリアを捜索するような捜索パスを設定することは不可能である。そのため、そのような状況が生じた場合は、捜索可能距離より長い辺が捜索可能距離の長さになるよう調整する。その際、もう1辺の長さも、捜索エリアの面積が所与のものとなるよう調整する。
捜索エリア評価手段116は、捜索エリア保持手段115が保持する捜索エリアセットおよび、目標存在分布、捜索可能距離、また、有効捜索幅に基づき、捜索エリアセットの捜索によって目標探知に成功する確率、すなわちPOS(目標探知成功確率)を評価する。そして、算出されたPOSを、捜索エリア保持手段115において、対応する捜索エリアセットに対応させて記録する。
捜索エリア更新手段117は、捜索エリア保持手段115が保持する捜索エリアセットに対し、移動/回転/伸長/圧縮等の微小変化を適用する。この際、捜索エリアの面積を変えるような微小変化も許す。これは、カバレッジ・ファクターの変化に対応し、従って、捜索エリア面積とPODのトレードオフを調整することに相当する。また、複数捜索機による捜索を想定して、捜索エリアセットに複数の捜索エリアが含まれる場合、「(捜索機の衝突を防ぐため)捜索エリア同士が重なってはいけない」等の制約条件がある場合、その制約条件を守るように捜索エリアセットを変化させるものとする。
そして、得られた捜索エリアセットを、捜索エリア保持手段115に記録する。新たに生成された捜索エリアセットは、捜索エリア評価手段116によって、POSに基づき評価する。
捜索パス調整手段118は、捜索エリア保持手段115が保持する捜索エリアセットのうち、最もPOSが大きいものを抽出し、その捜索エリアセットに含まれる各捜索エリアに対し、捜索機の捜索パス、すなわち移動経路を設定する。この際、目標発見時間を早くすることを目的として、目標存在確率の高い領域を早期に捜索するようなパスを設定する。
以上のように、目標存在分布を表現力の高い混合ガウス分布でモデル化するため、目標存在分布の形状が複雑な場合でも、精度良く、適切にモデル化できる。そして、この精度の良いモデルに基づいて、目標存在確率の高い領域に捜索エリアを設定するため、有望な捜索エリアを精度良く設定することができる。ここで、混合ガウス分布のモデル化に関しては、EM法等の効率の良い処理方法を利用することにより、処理を短時間で完了することができる。
また、設定された捜索エリアに対して局所探索を適用することにより、さらに良い捜索エリアを得ることができる。この際、初期値としてもともと有望な捜索エリアが設定されているため、局所探索に要する処理時間は短くて済む。
なお、上記の説明では海上を移動する目標を捜索する場合について説明したが、陸を移動する目標にも適用可能であることは言うまでもない。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る捜索割当装置について図4を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態2に係る捜索割当装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態2は、図4に示すように、ガウス分布推定手段107Aの構成が、上記の実施の形態1と異なる。この実施の形態2におけるガウス分布推定手段107Aは、ガウス分布パラメータ算出手段201とガウス分布保持手段109から構成されている。ガウス分布保持手段109および、それ以外の構成は、基本的に上記の実施の形態1と同じである。
ガウス分布推定手段107Aは、目標存在分布において、各目標予測点を未発見確率で重み付けした分布を、1個のガウス分布でモデル化し、そのパラメータを推定する。
ガウス分布推定手段107A内のガウス分布パラメータ算出手段201は、ガウス分布のパラメータ、つまり、平均および分散共分散行列を、目標存在分布において、各目標予測点を未発見確率で重み付けした分布に基づいて推定する。混合ガウス分布のパラメータ推定と異なり、単一のガウス分布のパラメータ推定は、最尤法に基づき、解析的に高速に解くことができる。
以上のように、目標存在分布を単一のガウス分布でモデル化し、その結果に基づいて捜索エリアを設定するため、捜索エリア設定をより高速に実行できる。目標存在分布の形状が単純であれば、生成される捜索エリアの精度も、十分良いものとなる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る捜索割当装置について図5から図8までを参照しながら説明する。図5は、この発明の実施の形態3に係る捜索割当装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態3は、図5に示すように、ガウス分布推定手段107Bの構成が、上記の実施の形態1と異なる。この実施の形態3におけるガウス分布推定手段107Bは、ガウス分布初期化手段108、ガウス分布保持手段109、ガウス分布更新手段110の他、ガウス分布条件判定手段301、ガウス分布削除手段302も含んで構成される。ガウス分布初期化手段108、ガウス分布保持手段109、ガウス分布更新手段110および、それ以外の構成は、基本的に上記の実施の形態1と同じである。
ガウス分布推定手段107Bは、目標存在分布において、各目標予測点を未発見確率で重み付けした分布を、1個または複数のガウス分布の重ね合わせ、すなわち混合ガウス分布でモデル化して、そのパラメータを推定し、その結果を保持する。そして、処理の過程で、パラメータが収束した際に、特定の条件(後述)を満たすガウス分布の組が存在する場合には、そこから1つまたは複数のガウス分布を削除して、パラメータ推定処理を続行する。
ガウス分布推定手段107内のガウス分布条件判定手段301は、ガウス分布保持手段109内のパラメータが収束したと判定された時点で、以下の2条件を満たすガウス分布の組が存在するか否かを判定する。
[A]各ガウス分布の対に関し、その平均(つまり、ガウス分布の中心)の間の距離が、予め定めた閾値よりも小さい。
[B]各ガウス分布の広がり、具体的には、ガウス分布を表す楕円の主軸方向の標準偏差の積が、予め定めた閾値よりも小さい。
ここで、上記閾値は、「ガウス分布の組において、各ガウス分布の高確率密度範囲(具体的には、例えば1標準偏差の楕円で囲まれる領域)を、1つの捜索エリアで覆うことが可能か否か」との観点から決定される。従って、事前に定めた1より大きい定数C,Cに対し、条件Aの閾値は、捜索可能距離の1/C倍の値、条件Bの閾値は、捜索エリア面積の1/C倍の値として設定する。
ガウス分布削除手段302は、ガウス分布条件判定手段301の判定結果を受け、上記条件を満たすガウス分布の組が存在しない場合には、混合ガウス分布のパラメータ推定処理を完了させる。一方、上記条件を満たすガウス分布の組が存在する場合には、それらのガウス分布のうち、1つまたは複数のガウス分布をガウス分布保持手段109が保持する情報から削除し、パラメータ推定処理を続行させる。
以下、上記構成の意味について説明する。具体例として、図6に示すような目標存在分布を想定する。但し、図6では簡単のため、目標存在確率に比例するようサンプリングした数個の目標予測点のみを表示しているものとする。
図6の目標存在分布を混合ガウス分布(ガウス分布数:2)でモデル化した場合、その結果は図7(a)に示すようなものとなる。上記の実施の形態1で示した方式に基づいて、図7(a)の各ガウス分布に合わせるように捜索エリアを設定すると、図7(b)のようになる。図7(b)に示すように、いずれのガウス分布に基づいて生成した捜索エリアも、2つある目標存在確率の高い領域のうち、一方のみを覆うものとなる。しかし、所与の面積の捜索エリアで、目標存在確率の高い領域の両方を覆えるのであれば、その方が望ましい。この実施の形態3で説明した捜索割当装置は、これを実現するものである。
この実施の形態3において、図6に示す目標存在分布が生成された場合、混合ガウス分布(ガウス分布数:2)でのモデル化により、まず、図7(a)に示すガウス分布が得られる。その後、ガウス分布条件判定手段301が、前述の判定処理を行う。図7(a)の場合、2つのガウス分布の組に関し、A,Bの両方の条件が満たされていると判定され、その結果に基づき、ガウス分布削除手段302が、いずれかのガウス分布を削除する。
その後、パラメータ推定処理が続行されると、1つのガウス分布による目標存在分布のモデル化が行われ、結果として、図8(a)に示すモデル化結果が得られる。ガウス分布基準捜索エリア設定手段114による、図8(a)のガウス分布に基づく捜索エリア導出により、図8(b)の捜索エリアが得られる。図8(b)に示す捜索エリアは、目標存在確率の高い領域の両方を覆うものであり、つまり、望ましい結果となっている。
なお、目標存在確率の高い領域が離れており、1つの捜索エリアで覆うことが不可能であるような場合には、条件Aが満たされないため、2つの離れたガウス分布によるモデル化結果に基づき、捜索エリアが設定されることになる。
以上のように、目標存在確率の高い小領域が複数近接して存在する状況下において、混合ガウス分布のモデル化後、互いに近接し、かつ高確率密度範囲の狭いガウス分布の組が得られるが、その場合、一部のガウス分布を削除して、パラメータ推定処理を続行する。本処理により、目標存在確率の高い小領域が複数近接して存在する場合でも、これら複数の小領域を覆うようなガウス分布が得られる。そして、得られたガウス分布に基づいて捜索エリアを導出することにより、これら複数の、目標存在確率の高い小領域を覆うような、有望な捜索エリアが得られるとの効果がある。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る捜索割当装置について図9から図13までを参照しながら説明する。図9は、この発明の実施の形態4に係る捜索割当装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態4は、図9に示すように、ガウス分布推定手段107Cの構成が、上記の実施の形態1と異なる。この実施の形態4におけるガウス分布推定手段107Cは、ガウス分布初期化手段108、ガウス分布保持手段109、ガウス分布更新手段110の他、ガウス分布修正手段401も含んで構成される。ガウス分布初期化手段108、ガウス分布保持手段109、ガウス分布更新手段110および、それ以外の構成は、基本的に上記の実施の形態1と同じである。
ガウス分布推定手段107Cは、目標存在分布において、各目標予測点を未発見確率で重み付けした分布を、1個または複数のガウス分布の重ね合わせ、すなわち混合ガウス分布でモデル化し、そのパラメータを推定して、その結果を保持する。ここで、ガウス分布推定手段107Cは、推定結果となるガウス分布が、以下の制約A,Bを満たすように制御する。
[A]ガウス分布を表す楕円の各主軸方向の標準偏差の積が、捜索エリア面積に予め定めた値を掛けた値に等しい。
[B]ガウス分布を表す楕円の各主軸方向の標準偏差の値が、捜索可能距離に予め定めた値を掛けた値以下である。
ここで、制約A、Bについて、図10を用いて説明する。図10の楕円は、ガウス分布において、平均から1標準偏差だけ離れた、確率密度一定の点を結んでできる楕円である。ここで、楕円の各主軸方向の標準偏差は、ガウス分布の分散共分散行列Σにおいて、固有ベクトルに対応する固有値λ、λの平方根である。また、図10には、上記楕円に外接する長方形も示している。この長方形をRと置く。
このとき、制約Aは、「長方形Rの面積が一定」との意味を持つ。従って、ガウス分布基準捜索エリア設定手段114において、図10の楕円に合わせて、指定された捜索エリア面積を持つ捜索エリアを導出する際には、長方形Rを、その中心(言い換えるとガウス分布の平均μ)を基準として一定倍(以下、この係数をkと置く)だけ拡大すれば、それが求める捜索エリアとなる。制約Aの所定値は、このkおよび、指定される捜索エリア面積に基づいて設定する。例えば、k=1の場合(このとき、長方形Rが、そのまま求めるべき捜索エリアということになる)、制約Aの所定値は、捜索エリア面積の1/4と設定すれば良い。
また、前述のように、捜索エリアの長方形、つまり、長方形Rをk倍した結果として得られる長方形の一辺の長さは、捜索可能距離以下でなければならない。これを満たすための制約が、上記の制約Bである。すなわち、制約Bの所定値は、「捜索可能距離を2×kで割った値」と設定しておけば良い。
ここで、上記の値の間の関係について、整理しておく。捜索エリアの面積は、捜索エリア面積設定手段113によって与えられ、捜索可能距離は、捜索可能距離算出手段112によって与えられる。また、kはガウス分布において、平均からどの程度の範囲を高確率密度範囲と見做して、捜索エリアに対応させるかを表す係数であり、ユーザが設定する。そして、kおよび捜索エリア面積に基づいて、制約Aの所定値を設定する。具体的には、制約Aの所定値を、捜索エリア面積を、「4×k」で割った値と設定すれば良い。k=0.5、1.0、1.5のそれぞれの場合について、長方形Rと捜索エリアとの関係を、図11、図12、図13に示す。また、kおよび捜索可能距離に基づいて、制約Bの所定値を設定する。具体的には、制約Bの所定値を、「捜索可能距離を2×kで割った値」と設定すれば良い。
さて、ガウス分布推定手段107Cにおけるパラメータ推定処理は、パラメータを初期化後、目標存在分布に基づくパラメータ更新処理を反復することにより行うが、パラメータの更新の後に、そのパラメータが上記の制約A,Bを満たすようパラメータを修正する処理を行うことにより、推定結果となるガウス分布についても、制約A,Bを満たすようにする。ここで、パラメータ修正処理は、ガウス分布修正手段401が行う。
ガウス分布修正手段401は、ガウス分布更新手段110が算出した、更新後の混合ガウス分布のパラメータを入力として、上記制約A,Bを満たすように、各ガウス分布のパラメータ修正処理を行う。但し、この際、ガウス分布を表す楕円の各主軸方向の標準偏差の比は変えないものとする。
以下、上記構成の意味について説明する。具体例として、上記の実施の形態3の説明と同様に、図6に示す目標存在分布を想定する。上記の実施の形態3で説明したように、図6の目標存在分布を通常の混合ガウス分布(ガウス分布数:2)でモデル化した場合、その結果は図7(a)に示すものとなり、さらに、上記の実施の形態1で示した方式に基づいて捜索エリアを設定すると、図7(b)のようになる。図7(b)では、いずれのガウス分布に基づいて生成した捜索エリアも、2つある目標存在確率の高い領域のうち、一方のみを覆うものとなる。しかし、所与の面積の捜索エリアで、目標存在確率の高い領域の両方を覆えるのであれば、その方が望ましい。この実施の形態4で説明した捜索割当装置は、これを実現するものである。
図6に示す目標存在分布を、この実施の形態4の構成に基づいて、混合ガウス分布(ガウス分布数:2)でモデル化することを考える。この実施の形態4では、ガウス分布が制約Aを満たすことを強制するため、モデル化結果は図8(a)に示すようなものとなる。ここで、図8(a)は、2つのガウス分布が同一のパラメータに収束するため、重なっている状況を示す。これら2つの類似したガウス分布を1つに統合するものとすると、ガウス分布基準捜索エリア設定手段114による、図8(a)のガウス分布に基づく捜索エリア導出により、図8(b)の捜索エリアが得られる。図8(b)に示す捜索エリアは、目標存在確率の高い領域の両方を覆うものであり、つまり、望ましい結果となっている。
以上のように、混合ガウス分布のモデル化過程において、各ガウス分布の広がり(具体的には、ガウス分布を表す楕円の各主軸方向の標準偏差の積)が、捜索エリア面積に応じて算出される一定値となるよう制約を課す。そのため、捜索エリア面積程度の大きさを持つ領域内に、目標存在確率の高い小領域が複数存在する場合、これらを個別のガウス分布でモデル化するのではなく、1つのガウス分布で覆うようなモデル化がなされる。結果として、これら複数の、目標存在確率の高い小領域を覆うような、有望な捜索エリアが得られるとの効果がある。
101 環境情報保持手段、102 目標情報保持手段、103 捜索機情報保持手段、104 捜索状況保持手段、105 目標存在分布算出手段、106 目標存在分布保持手段、107 ガウス分布推定手段、107A ガウス分布推定手段、107B ガウス分布推定手段、107C ガウス分布推定手段、108 ガウス分布初期化手段、109 ガウス分布保持手段、110 ガウス分布更新手段、111 有効捜索幅算出手段、112 捜索可能距離算出手段、113 捜索エリア面積設定手段、114 ガウス分布基準捜索エリア設定手段、115 捜索エリア保持手段、116 捜索エリア評価手段、117 捜索エリア更新手段、118 捜索パス調整手段、201 ガウス分布パラメータ算出手段、301 ガウス分布条件判定手段、302 ガウス分布削除手段、401 ガウス分布修正手段。

Claims (5)

  1. 複数の目標予測点に対し、環境情報及び目標情報に基づいたシミュレーションを適用し、一定時間毎の各目標予測点の2次元位置を算出するとともに、過去の捜索状況に基づき各目標予測点に対応する未発見確率を算出し、算出した目標予測点の集合である目標存在分布を各目標予測点に対応する未発見確率とともに保持する目標存在分布算出部と、
    前記目標存在分布において、各目標予測点を未発見確率で重み付けした分布を、混合ガウス分布又は1個のガウス分布でモデル化し、そのガウス分布のパラメータを推定して保持するガウス分布推定部と、
    捜索機情報及び前記目標存在分布に基づき、捜索機が捜索に利用できる移動距離である捜索可能距離を算出する捜索可能距離算出部と、
    前記捜索機が目標を捜索する際の有効捜索幅、前記捜索機情報、及び前記捜索可能距離に基づき、捜索対象とする領域である捜索エリアの面積である捜索エリア面積を算出する捜索エリア面積設定部と、
    前記ガウス分布の推定されたパラメータに相当する位置、向き及び縦横比を合わせるように、前記捜索エリア面積を持つ長方形の捜索エリアを設定するガウス分布基準捜索エリア設定部と
    を備えたことを特徴とする捜索割当装置。
  2. 前記ガウス分布推定部は、パラメータの更新処理を反復することにより適切なパラメータを得るものであり、パラメータの収束後に、「各ガウス分布の対に関し、その平均の間の距離が、予め定めた閾値よりも小さい」及び「各ガウス分布の広がりが、予め定めた閾値よりも小さい」の2条件を満たす複数のガウス分布の組が存在するか否かを判定し、存在する場合には、前記複数のガウス分布の組から1つまたは複数のガウス分布を削除してパラメータ推定を続行し、存在しない場合には、パラメータ推定を終了する
    ことを特徴とする請求項1記載の捜索割当装置。
  3. 前記ガウス分布推定部は、パラメータの更新処理を反復することにより適切なパラメータを得るものであり、パラメータを更新する度に、「ガウス分布を表す楕円の各主軸方向の標準偏差の積が、前記捜索エリア面積に予め定めた値を掛けた値に等しい」及び「ガウス分布を表す楕円の各主軸方向の標準偏差の値が、前記捜索可能距離に予め定めた値を掛けた値以下である」の制約を守るようパラメータを修正する
    ことを特徴とする請求項1記載の捜索割当装置。
  4. 前記ガウス分布基準捜索エリア設定部により設定された前記捜索エリアを初期値とし、捜索エリアの微小変化を反復しつつ、変化後の捜索エリアを捜索した場合の目標探知成功確率を評価し、前記目標探知成功確率が最大である捜索エリアを選択する捜索エリア最適化部をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の捜索割当装置。
  5. 前記ガウス分布推定部は、パラメータの推定に、EM法を利用する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の捜索割当装置。
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