JP2004156918A - 穀粒画像読取装置用試料整列器 - Google Patents

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Soichi Yamamoto
惣一 山本
Hiroshi Arai
広志 荒井
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Yamamoto and Co Ltd
Yamamoto Co Ltd
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Abstract

【課題】簡単かつ迅速に、試料となる穀粒を試料台上に整列した状態で載置させることができる穀粒画像読取装置用試料整列器を得る。
【解決手段】試料整列器150は、トレイ172及び一対のガイドレール176から成る試料整列台170を備えている。トレイ172の傾斜部172Cは、所定角度傾斜されている。従って、この試料整列台170に試料整列器本体154をセットし、試料整列板152の把手152Fを持って、試料整列器本体154を傾斜部172Cに沿って当該往復運動させれば、簡単かつ迅速に試料を整列させることができる。しかも、試料整列板152の先端側には、往復運動時に余剰穀粒を自然に排出して余り受箱内へ落下させる排出部180が形成されているので、穀粒28が整列し易くなる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、米粒等の穀粒の品質を判定する際に使用される穀粒画像読取装置用試料整列器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光学的処理により穀粒の品質を判定する装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、米粒を一粒ずつ搬送して光を照射し、米粒一粒ずつの反射光量を測定することで、玄米、白米、又は籾米の品位を判定する米粒品位判定装置が開示されている。しかしながら、この装置の場合、米粒一粒ずつに光を照射して米粒一粒ずつの品位を判定するため、検査時間が極めて長くかかるという問題がある。
【0004】
一方、特許文献2には、米粒が一粒ずつ入る凹部が多数穿設された試料皿の凹部の各々に米粒を入れて米粒に光を照射し、スキャナを走査して米粒からの反射光又は透過光に基づいて穀粒の画像を取り込み、米粒の品質を一粒ずつ判定する米粒品質判定装置が記載されている。この装置の場合、特許文献1に開示された装置の欠点は解消されるが、米粒からの反射光又は透過光から得られる画像から米粒の品質を判定しているため、反射光を用いる場合には、砕粒米、籾米、死米、茶系着色米、青色未熟米、害虫被害による着色米については判別することができるものの、胴割れ米については精度良く判別することが困難であり、透過光を用いる場合には胴割れ米については判別することができるものの他の不良米を判別することが困難であり、いずれにしても精度良く米粒の品質を判定することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本件出願人は、これらの問題を解決し得る穀粒画像読取装置を開発するに至ったが、ここにきて種々の観点から更なる改良を加え、付加価値の高い穀粒画像読取装置を開発することを検討している。
【0006】
その一つとして、透明ガラス平板で構成された試料台上に試料となる穀粒を載置する際に、簡単な方法で迅速に、多数の試料を一定方向に一定の間隔で整列させることができないかどうかが検討されている。というのも、試料台にランダムに試料を載置するよりは、一定方向に一定の間隔で試料台に試料を載置できた方が、試料に対して光を同一条件で照射することができるので、均質な検査結果が得られるからである。また、試料台に試料を適当な密度で重なり合うことなく載置させる手間を省くことができれば、作業時間を短縮できるというメリットもある。
【0007】
上記を踏まえて、現在では、図10及び図11に示されるような試料整列器200が使用されている。簡単に説明すると、この試料整列器200は、試料整列器本体202と試料整列板204とによって構成されている。試料整列器本体202は、矩形状の支持体206の底部に矩形平板状のガラス板208を固着することにより構成されている。一方、試料整列板204は、矩形平板の四辺を折り曲げることにより形成されており、その底部には米粒が入り込むことが可能な多数の透孔210が形成されている。なお、試料整列板204の一辺には、把手204Aが形成されている。
【0008】
使用に際しては、試料整列器本体202に試料整列板204を被嵌させて両者一体とし、この状態で適当な量(約1000粒+α)の米粒を試料整列板204上に入れる。そして、作業者が人力で試料整列器200を空中で前後左右に揺することにより、多数の透孔210内へ米粒を一粒ずつ入れていく。試料整列板204上に残された余剰の米粒は、作業者が手で取り除く。
【0009】
【特許文献1】
特許第2815633号公報
【特許文献2】
実公平7−33151号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記試料整列器200による場合、作業者が試料整列器200を空中で前後左右に揺すった際に、試料整列器200が上下にも揺れてしまうため、米粒が多数の透孔210にスムーズに入らないという問題があった。また、前記のような人力による作業を要するため、米粒を整列させるのに時間と手間がかかるという問題もあった。
【0011】
本発明は上記事実を考慮し、簡単かつ迅速に、試料となる穀粒を試料台上に整列した状態で載置させることができる穀粒画像読取装置用試料整列器を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明に係る穀粒画像読取装置用試料整列器は、試料台上に載置された穀粒の画像を光学的に読み取るための穀粒画像読取装置に適用される試料整列器であって、トレイ状に形成され、一粒の穀粒が入り込める程度の大きさを有しかつ略穀粒形状に形成され更に長軸方向が一定方向に向けられた多数の透孔が穿設された底壁部を備えた試料整列板と、この試料整列板の底壁部が嵌合される支持体と、この支持体の底部に配置されると共に前記試料台の上面に載置されかつ前記試料整列板の底壁部が載置される透明板と、を備えた試料整列器本体と、作業面に載置されると共に当該作業面対して所定角度傾斜した傾斜面を備え、前記試料整列板及び前記試料整列器本体を当該傾斜面に沿って往復運動させる際に当該試料整列器本体の少なくとも一方の側部をガイドする試料整列台と、を有し、さらに、前記試料整列板における、当該試料整列板を前記試料整列器本体と共に前記試料整列台の傾斜面上に載せたときに傾斜方向下側となる部分には、前記往復運動動作を利用して余剰となった穀粒を当該傾斜方向下側となる部分から排出させる排出部が形成されている、ことを特徴としている。
【0013】
請求項2記載の本発明に係る穀粒画像読取装置用試料整列器は、請求項1記載の発明において、前記試料整列板の全長は前記試料整列台の傾斜面の全長よりも長く設定されており、前記排出部からの余剰穀粒の落下位置には、当該余剰穀粒を受け止める受け部材が配置されている、ことを特徴としている。
【0014】
請求項3記載の本発明に係る穀粒画像読取装置用試料整列器は、請求項2記載の発明において、前記余剰穀粒が略放物線状の軌跡を描いて前記受け部材に落下するように、前記試料整列板の底壁部に対する前記排出部の傾斜角度が設定されている、ことを特徴としている。
【0015】
請求項1記載の本発明によれば、以下の如くして、試料となる穀粒を整列させることができる。
【0016】
まず、試料整列器本体の支持体に試料整列板の底壁部を嵌合させる。これにより、試料整列板に形成された多数の透孔の底面側が、試料整列器本体の底部に配置された透明板の上面によって閉塞される。つまり、透孔に底面が形成される。次いで、試料整列板上に適当数の試料が入れられる。なお、この際、後に試料整列器本体を傾けるため、試料は試料整列板の手元側に寄せておくのがよい。次に、試料整列板を試料整列器本体ごと試料整列台にセットする。セット後、試料整列器本体の少なくとも一方の側部を試料整列台にガイドさせながら、試料整列板及び試料整列器本体を試料整列台の傾斜面に沿って往復運動させる。これにより、試料整列板及び試料整列器本体が試料整列台の傾斜面の傾斜方向に揺さぶられるので、試料となる穀粒は傾斜方向の上側から下側へ流下する過程で、試料整列板の多数の透孔内へ一粒ずつ入り込む。なお、試料整列板上の余剰の穀粒は、試料整列台が作業面に対して所定角度傾斜した状態で配置されているため、試料整列板の下縁側に溜まる。
【0017】
付言すると、透孔は一粒の穀粒が入り込める程度の大きさを有しかつ略穀粒形状に形成されているため、同一の透孔に複数の穀粒が入り込むことはない。また、試料を入れるタイミングは、上記の通りでなくてもよく、試料整列板及び試料整列器本体を試料整列台の傾斜面の傾斜方向に沿って往復運動させる直前に入れてもよい。
【0018】
上記操作をした後、試料整列板及び試料整列器本体を試料整列台から取外し、穀粒画像読取装置の試料台上にそのまま載せる。そして最後に、試料整列板が試料整列器本体から取り外される。これにより、余剰の穀粒が退けられると共に、試料整列器本体の透明板の上面に多数の試料となる穀粒が、その長軸方向が一定方向を向くように整列した状態で載置される。
【0019】
なお、上記の如くして試料整列器本体の透明板の上面に試料が整列状態で載置されたら、穀粒画像読取装置を用いて穀粒の画像が光学的に読み取られる。このとき、試料整列器本体の底部は透明板であることから、試料整列器本体を試料台上に載置させたままの状態で、穀粒の画像を読取ることができる。
【0020】
このように本発明では、作業面に対して所定角度傾斜した傾斜面を備えた試料整列台を使って、試料整列器本体の少なくとも一方の側部をガイドさせながら、試料整列板及び試料整列器本体を傾斜面に沿って往復運動させることにより試料を整列させる構成としたので、試料整列板及び試料整列器本体を空中で手で揺さぶったときのように、左右だけでなく上下にも揺れてしまうといった不具合がなく、短時間で簡単に試料を整列させることができる。
【0021】
しかも、本発明では、試料整列板において、試料整列板を試料整列器本体と共に試料整列台の傾斜面上に載せたときに傾斜方向下側となる部分に、往復運動動作を利用して余剰となった穀粒を傾斜方向下側となる部分から排出させる排出部を形成したので、試料整列板及び試料整列器本体を試料整列台の傾斜面に沿って往復運動させると、余剰の穀粒は試料整列板の排出部から自然に排出される。従って、余剰の穀粒は速やかに試料整列板から除去されるので、試料が整列し易くなる。
【0022】
請求項2記載の本発明によれば、試料整列板の全長は試料整列台の傾斜面の全長よりも長く設定されているため、試料整列板の排出部から排出された余剰穀粒は、試料整列板の排出部から試料整列台の傾斜面上に零れ落ちてから傾斜面上を滑って試料整列台の傾斜面下側へ落下するのではなく、試料整列板の排出部から直接に試料整列台の傾斜面下側へ落下する。そして、この落下位置には受け部材が配置されているため、余剰穀粒は当該受け部材によって受け止められる。すなわち、本発明によれば、試料の落下位置が一通りに規定されるため、余剰穀粒を確実に受け部材で受け止めることができる。
【0023】
請求項3記載の本発明によれば、余剰穀粒が略放物線状の軌跡を描いて受け部材に落下するように、試料整列板の底壁部に対する排出部の傾斜角度を設定したので、受け部材の最適配置位置を予め知ることができる。従って、例えば、試料整列台の先端部に余剰穀粒の落下位置までの距離を有する紐を結んでおくと共にその紐の先端部にフック等の係止具を取り付け、紐の伸長位置にてフックを受け部材に引っ掛けることにより、受け部材が最適位置にセットされるといったことも可能になるし、或いは、受け部材を試料整列台に引出し可能・折り畳み可能・開閉可能等に設けることで、受け部材を試料整列台に予め一体化しておき、引出し等すると受け部材が最適位置にセットされるといったことも可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図9を用いて、本発明に係る穀粒画像読取装置用試料整列器の一実施形態について説明する。
【0025】
図1に示されるように、穀粒品質判定装置10は、LAN等のネットワーク12に接続された複数のクライアントコンピュータ14と、管理用のサーバコンピュータ16と、各クライアントコンピュータ14に接続された「穀粒画像読取装置」としてのカラースキャナ18と、を含んで構成されている。
【0026】
クライアントコンピュータ14には、画像及び判定結果の集計、データ圧縮、データの暗号化、補助記憶装置メディアへの記録、印刷、ネットワーク経由での配信、及びパスワードによるデータ保護の機能が装備されており、穀粒品質判定システム端末として機能するように構成されている。
【0027】
図2及び図3には、カラースキャナ18の概略構成が断面図にて示されている。これらの図に示されるように、カラースキャナ18は、画像読取面を上端面に有するスキャナ本体20と、このスキャナ本体20の画像読取面を覆う蓋体22とによって構成されている。
【0028】
スキャナ本体20は、直方体形状のケーシング24を備えている。ケーシング24の上端面の大半は開口されており、この部分にガラス製の試料台26が着脱可能に配設されている。なお、試料台26は必ずしもガラス板である必要はなく、アクリル板を使用してもよいし、これら以外の透明材料から成る板材を使用してもよい。上記構成の試料台26には、多数の穀粒(試料;主に米と麦)28が二次元状に載置可能とされている。
【0029】
また、スキャナ本体20のケーシング24内には、走査装置30が配設されている。走査装置30は試料台26に対して対向して配置されており、試料台26の底面に沿って図2の矢印方向へ往復移動(二次元走査)可能とされている。また、走査装置30は、穀粒28に対して光を照射する光照射部(光源)32と、後述する蓋体22側の光源40から照射されて試料台26上の穀粒28を透過した透過光並びに光照射部32から照射されて穀粒28で反射された反射光を受光する受光部34とを含んで構成されている。なお、図2等においては、光照射部32及び受光部34を含めた全体を走査装置「30」として表記している。また、走査装置30の受光部34はカラーCCDを含んで構成されており、試料台26に載置された穀粒28の画像をRGBの三色(赤色、緑色、青色)に分解して読取ってクライアントコンピュータ14に出力するようになっている。
【0030】
一方、蓋体22は比較的薄型のケーシング35を備えており、このケーシング35の下端一辺がスキャナ本体20の上端一辺にヒンジ結合されている。従って、蓋体22はヒンジ36回りに回動可能とされており、これによりスキャナ本体20の画像読取面を開閉するカバーとしての機能を果たしている。なお、蓋体22の開閉形式は、本実施形態のようにヒンジ形式でもよいし、スライド形式でもよく、両者の複合形式でもよい。蓋体22の下端面の大半は開口されており、当該開口38の奥側(即ち、蓋体22の内部)には蛍光灯等によって構成された複数の棒状の光源40が所定の間隔で配設されている(図3(B)参照)。
【0031】
さらに、蓋体22の開口38に臨む位置には、プラスチック製の板状部材で構成された斜光ルーバ42が配設されている。斜光ルーバ42は、蓋体22が閉止された状態(図3(A)の状態)において、試料台26の上面に載置された穀粒28に対して傾斜した方向から光が照射されるように、光源40から照射された光の方向を斜め方向に均一化する目的で配設されている。そのため、斜光ルーバ42には、斜め方向に光を透過する多数の光路42Aが並設されている。なお、試料台26の底面に対する照射光の傾斜角、即ち光路42Aの試料台26の底面に対する傾斜角度は約30度〜約60度の範囲に設定するのが好ましく、その中でも約30度に設定するのが好適である。さらに付言すると、斜光ルーバ42としては、ライトコントロールパネル(エドモンドサイエンティフィックジャパン社製、商品名)を使用することができる。
【0032】
次に、図7〜図9を用いて、本実施形態の要部である穀粒画像読取装置用の試料整列器150について詳細に説明する。
【0033】
これらの図に示されるように、試料整列器150は、略トレイ状に形成された試料整列板152と、この試料整列板152が上方側から嵌合される枠体状の試料整列器本体154と、図示しない作業台の作業面168上に載置される滑り台状の試料整列台170と、によって構成されている。
【0034】
試料整列板152は、平面視で矩形状の底壁部152Aと、この底壁部152Aの周縁部から立ち上げられた側壁部152B、152C、152D、152Eと、短辺側の一方の側壁部152Cの上端から張出された把手部152Fとによって構成されている。把手部152Fの延出長さは、後述する試料整列器本体154の支持体160の幅よりも大きく設定されている。
【0035】
また、試料整列板152の底壁部152Aには、多数(一例として、1000個)の透孔156が形成されている。各透孔156は穀粒28が入り込むことが可能なトラック形状を成しており、寸法的には短径が3.0mm〜3.3mm、長径が5.5mm〜6.0mmとされている。さらに、試料整列板152の厚さは、試料となる穀粒28が透孔156内に二個入るのを防止するため、1.5mm〜2.0mmに設定されている。
【0036】
一方、試料整列器本体(ガラストレイ)154は、平面視で矩形枠状に形成されかつ内側に試料整列板152の底壁部152Aが嵌合可能とされた支持体160と、この支持体160の底部に嵌め込まれて固定された透明板162と、によって構成されている。なお、透明板162は、アクリル樹脂等によって構成してもよい。
【0037】
上述した試料整列板152が試料整列器本体154に嵌合された状態では、透明板162の上面に試料整列板152の底壁部152Aが当接状態で載置されており、試料整列板152に形成された透孔156は透明板162によって閉塞されている(図8参照)。さらに、試料整列器150が試料台26の上面に載置された状態では、試料台26の上面に透明板162が当接状態で載置されるようになっている。
【0038】
図7に示されるように、試料整列台170は、樹脂又は金属によって構成されたトレイ172を備えている。トレイ172は、側面視で略台形状に形成されており、互いに平行に配置された一対の脚部172A、172Bと、これらの脚部172A、172Bの上端部間を繋ぐ傾斜部172Cとによって構成されている。一対の脚部172A、172Bは、作業面168に載置されるべく、L字形状を成している。また、前側の脚部172Aは後側の脚部172Bよりも短く設定されており、これにより傾斜部172Cに5°〜10°の傾斜角が設定されている。さらに、一対の脚部172A、172Bの下面には、広義には「制動部材」として把握される制動ゴム174がそれぞれ貼設されている。
【0039】
上述したトレイ172の傾斜部172Cの両側部には、広義には「ガイド部材」として把握されるプラスチック製の一対のガイドレール176が貼設されている。ガイドレール176の断面形状はL字形とされており、垂直部176Aの対向面間の長さは試料整列器本体154の幅方向寸法よりも若干大きめに設定されている。従って、試料整列器本体154(支持体160の両側部160A)を一対のガイドレール176でガイドしながら、傾斜部172Cの傾斜方向に沿って往復運動させることができる構成である。
【0040】
また、ガイドレール176の水平部176Bは傾斜部172Cの上面に載置された状態で固定されているため、試料整列器本体154が一対のガイドレール176の水平部176Bに載置された状態では、試料整列器本体154の底面とトレイ172の傾斜部172Cの上面との間に水平部176Bの板厚分の隙間(段差)176が形成されるようになっている。
【0041】
ここで、上述した試料整列板152の側壁部152Bは、底壁部152Aに対して所定の傾斜角度を成すように設定されている。つまり、側壁部152Bは、これと対向する側壁部152Cと平行には配置されておらず、傾倒されている。これにより、試料整列板152の先端部側(把手部152Fと反対側)に、余剰の穀粒28を排出するための排出部180が形成されている。
【0042】
また、図8に示されるように、上述した試料整列板152の全長は、試料整列台170のトレイ172の傾斜部172Cの全長よりも長く設定されている。従って、試料整列板152及び試料整列器本体154をトレイ172の傾斜部172Cに沿って往復運動させた場合、余剰の穀粒28はトレイ172の前方へ落下されるようになっている。そして、この落下位置には、排出された穀粒28を受け止めるための「受け部材」としての余り受箱182が配設されている。
【0043】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0044】
最初に本実施形態に係るカラースキャナ18及び穀粒品質判定装置10の基本的な作用(全体的な作動)を説明しておく。
【0045】
まず最初に、予め等級が既知の穀粒(良品の穀粒)28を試料台26の上に載置させて、判定結果が良品となるようにティーチングを行う。このとき、穀粒28の品質と判定結果が一致しない場合には、図4〜図6に示す二色を組み合わせて予め定められた穀粒28の品質を判定するための判定用テーブルのR信号の最小値Rmin、R信号の最大値Rmax、二色間の関係を示す直線の傾きa1、a2、b1、b2等を調整し、穀粒28の品質と判定結果とが一致するようにティーチングを行う。なお、他の等級の穀粒28を判定するときには、判定対象の等級に分類された穀粒28を試料台26の上に載置して、判定結果が良品になるようにテーチィングを行えばよい。このように、テーチィングを行うことにより目的とする等級の穀粒28を良品として判定することができる。
【0046】
次に、実際に穀粒28の品質を判定する作業が行われる。
【0047】
以下の如くして、試料整列器150を用いて、試料となる穀粒28が整列される。
【0048】
まず、試料整列器本体154の支持体160に試料整列板152を嵌合させる。これにより、試料整列板152の底壁部152Aに形成された多数の透孔156の底面側が、試料整列器本体154の透明板162の上面によって閉塞される。つまり、透孔156に底面が形成される。次いで、試料整列板152上に適当数の試料が入れられる。なお、この際、後に試料整列器本体154を傾けるため、試料は試料整列板152の手元側に寄せておくのがよい。次に、試料整列板152を試料整列器本体154ごと試料整列台170にセットする。
【0049】
セット後、試料整列板152の把手部152Fを摘んで、試料整列器本体154の支持体160の両側部160Aを試料整列台170の一対のガイドレール176にガイドさせながら、試料整列板152及び試料整列器本体154を試料整列台170のトレイ172の傾斜部172Cに沿って往復運動させる。これにより、試料整列板152及び試料整列器本体154が試料整列台170のトレイ172の傾斜部172Cの傾斜方向に揺さぶられるので、試料となる穀粒28は傾斜方向の上側から下側へ流下する過程で、試料整列板152の多数の透孔156内へ一粒ずつ入り込む。なお、試料整列板152上の余剰の穀粒28は、試料整列板152の排出部180を乗り越えて余り受箱182内へ落下して溜められる。
【0050】
付言すると、透孔156は一粒の穀粒28が入り込める程度の大きさを有しかつ略穀粒形状に形成されているため、同一の透孔156に複数の穀粒28が入り込むことはない。また、試料を入れるタイミングは、上記の通りでなくてもよく、試料整列板152及び試料整列器本体154を試料整列台170のトレイ172の傾斜部172Cの傾斜方向に沿って往復運動させる直前に入れてもよい。
【0051】
上記操作をした後、試料整列板152及び試料整列器本体154を試料整列台170から取外し、蓋体22をヒンジ36回りに開放させてから、カラースキャナ18の試料台26上にそのまま載せる。そして最後に、把手部152Fを摘んで、試料整列板152が試料整列器本体154から取り外される。これにより、余剰の穀粒28が退けられると共に、試料整列器本体154の透明板162の上面に多数の試料となる穀粒28が、その長軸方向が一定方向を向くように整列した状態で載置される。その後、蓋体22が閉止される。
【0052】
次に、実際に、カラースキャナ18を用いて、穀粒28の画像の読取作業が行われる。この作業は、前記の如く、試料整列器本体154を試料台26の上面に載置させた状態で行われる。
【0053】
具体的には、スキャナ本体20の走査装置30を駆動して試料台26の底面に沿って移動(二次元走査)させる。これにより、走査装置30の光照射部32から穀粒28へ光が照射され、穀粒28で反射して戻ってきた反射光が走査装置30の受光部34に受光される。反射光の受光結果は、受光部34を構成するカラーCCDによってRGB(赤色、緑色、青色)に分解して読み取られ、画像(以下、「反射光画像」と称す)情報としてクライアントコンピュータ14に出力される。上記により、穀粒28の反射光画像が得られるため、穀粒28の外形や色彩といった穀粒表面の状態を読取ることが可能となり、表面異常の穀粒(砕米、籾米、死米、茶系着色米、青色未熟米、害虫被害米等の着色米)28を高精度で見つけることができる。
【0054】
続いて、蓋体22側の光源40を点灯させ、穀粒28に光を照射させる。このとき、本実施形態の場合、光源40と試料台26との間に斜光ルーバ42が介在されているため、光源40からの照射光は穀粒28に対して約30度〜約60度の範囲で斜め方向から均一に照射される。なお、このように斜光ルーバ42を使って穀粒28に対して斜め方向から光を照射させるのは、穀粒28の内部に亀裂や破断面等が存在している場合には、当該亀裂や破断面等により光が遮光され、影が生じ易くなり、この影を読取ることにより、亀裂や破断面等の有無といった穀粒内部の状態を読取ることが可能となり、内部異常の穀粒(胴割れ米)28の検出精度を上げることができるからである。
【0055】
上記の状態で、前述した場合と同様にしてスキャナ本体20の走査装置30を駆動して試料台26の底面に沿って移動(二次元走査)させる。これにより、蓋体22側の光源40から照射され穀粒28を透過した透過光、並びに、走査装置30の光照射部32から穀粒28へ照射されて穀粒28で反射した反射光が走査装置30の受光部34に受光される。つまり、走査装置30の受光部34には、蓋体22側の光源40から照射されて穀粒28を透過した透過光と、走査装置30側の光照射部32から照射されて穀粒28で反射されて戻ってきた反射光とが同時に受光される。透過光と反射光を同時に受光した受光結果は、受光部34を構成するカラーCCDによってRGB(赤色、緑色、青色)に分解して読取られ、画像(以下、「透過光・反射光画像」と称す)情報としてクライアントコンピュータ14に出力される。
【0056】
上記の如くして得られた画像情報に基づいて穀粒28の品質判定処理が行われる。具体的には、透過光・反射光画像(受光信号値)から反射光画像(受光信号値)を減算する画像間演算処理が行われる。これにより、穀粒28の透過光画像(受光信号値)が得られるため、穀粒内部の状態(亀裂・破断面等)を読取ることが可能となり、前述した如く内部異常の穀粒(胴割れ米)28を高精度で見つけることができる。
【0057】
つまり、本実施形態によれば、透過光・反射光画像と反射光画像とで画像間演算を行うことにより、穀粒28の内部の画像情報と穀粒28の表面の画像情報の双方を抽出することができることになる。その場合、穀粒28の内部の画像情報は前記画像間演算の結果から求めることができ、穀粒28の表面の画像情報は反射光画像から求めることができる。その結果、胴割れ粒と腹白等の部分着色粒とをそれぞれ明確に判別することが可能となり、精度の高い品質判定を行うことができる。
【0058】
なお、上記の画像読取操作では、反射光画像を先に読取り、透過光・反射光画像を後で読取る場合を例にして説明したが、これに限らず、逆の手順で穀粒28の画像の読取りを行ってもよい。
【0059】
上述した穀粒28の品質判定処理の仕方について補足説明しておくと、各クライアントコンピュータ14は、スキャナ本体20から送信された穀粒28の画像信号を取り込み、各画素のRGB3色の画像信号の各々について、図4に示すように、a1B>R>a2B、かつ、Rmin<R<Rmaxの条件を満たし、図5に示すように、b1B>G>b2B、かつ、Gmin<G<Gmaxの条件を満たし、更に図6に示すように、c1G>R>c2G、かつ、Rmin<R<Rmaxの条件を満たすか否かを判断する。なお、RminはR色の画像信号の最小値、RmaxはR色の画像信号の最大値、GminはG色の画像信号の最小値、GmaxはG色の画像信号の最大値を示しており、又a1、a2、b1、b2、c1、c2は図4〜図6に示す直線の傾きを示す定数である。
【0060】
なお、穀粒28の内部及び表面の両方の情報を抽出して判定する場合には、穀粒28の内部及び表面の各々の情報(画像信号)について、上記の条件を満たすか否かを判断すればよい。
【0061】
そして、これらのR・G・Bに関する色彩の条件を満たすとき、当該穀粒28は色彩に関しては良品であると判定し、上記条件を満たさないとき、当該穀粒28は色彩に関しては不良品(即ち、死米、茶系着色米、青色未熟米、害虫被害による着色米、或いは籾米)であると判定する。なお、同じ不良品でも、砕粒米については面積比(画素数の多・少)によって判別され(籾米も基本的には面積比から判別される)、胴割れ米は前述した如く傾斜光の照射によって米内部に発生した影(即ち、明度の急激な変化)を読取ることによって判別される。これにより、穀粒28の等級付けを行うことができる。
【0062】
また、定期的に、クライアントコンピュータ14からサーバコンピュータ16に、スキャナ本体20で取り込んだ画像とクライアントコンピュータ14の判定結果とを送信し、サーバコンピュータ16の画面に表示させる。これにより、熟練したオペレータが、スキャナ本体20で取り込んだ画像とクライアントコンピュータ14の判定結果とを目視により比較することで、穀粒品質判定装置10のクライアントコンピュータ14が正常に作動しているか、或いは、クライアントコンピュータ14の判定結果にバラツキがないかをチェックし、統一的な管理を行うことができる。
【0063】
このように本実施形態に係る試料整列器150では、作業面168に対して所定角度傾斜したトレイ172を備えた試料整列台170を使って、試料整列器本体154の支持体160の両側部160Aを一対のガイドレール176にガイドさせながら、試料整列板152及び試料整列器本体154をトレイ172の傾斜部172Cに沿って往復運動させることにより試料を整列させる構成としたので、試料整列板152及び試料整列器本体154を空中で手で揺さぶったときのように、左右だけでなく上下にも揺れてしまうといった不具合がなく、簡単かつ迅速に、試料となる穀粒28を試料台26上に整列した状態で載置させることができる。
【0064】
しかも、本実施形態に係る試料整列器150では、試料整列板152において、試料整列板152を試料整列器本体154と共に試料整列台170のトレイ172の傾斜部172C上に載せたときに傾斜方向下側となる部分に排出部180を形成したので、試料整列板152及び試料整列器本体154を試料整列台170のトレイ172の傾斜部172Cに沿って往復運動させると、余剰の穀粒28が試料整列板152の排出部180からその前方に自然に排出される。従って、余剰の穀粒28は速やかに試料整列板152から除去されるので、穀粒28が整列し易くなる。その結果、本実施形態によれば、より一層簡単かつ迅速に、試料となる穀粒28を試料台26上に整列した状態で載置させることができる。
【0065】
また、本実施形態に係る試料整列器150では、試料整列板152の全長が試料整列台170のトレイ172の傾斜部172Cの全長よりも長く設定されているため、試料整列板152の排出部180から排出された余剰の穀粒28は、試料整列板152の排出部180から試料整列台170のトレイ172の傾斜部172C上に零れ落ちてから傾斜面上を滑って試料整列台170の傾斜面下側へ落下するのではなく、試料整列板152の排出部180から直接に試料整列台170の傾斜面下側へ落下する。そして、この落下位置には余り受箱182が配置されているため、余剰穀粒28は当該余り受箱182によって受け止められる。すなわち、本実施形態によれば、試料となる穀粒28の落下位置が一通りに規定されるため、余剰の穀粒28を確実に余り受箱182で受け止めることができる。その結果、本実施形態によれば、余剰の穀粒28が試料整列台170のトレイ172の傾斜部172C付近に散乱するのを防止することができる。
【0066】
さらに、本実施形態に係る試料整列器150では、余剰の穀粒28が略放物線状の軌跡を描いて余り受箱182に落下するように、試料整列板152の底壁部152Aに対する排出部180の傾斜角度が設定されているので、余り受箱182の最適配置位置を予め知ることができる。従って、例えば、試料整列台170の先端部に当該先端部から余剰の穀粒28の落下位置までの距離を有する紐を結んでおくと共にその紐の先端部にフック等の係止具を取り付け、紐の伸長位置にてフックを受け部材に引っ掛けることにより、余り受箱182が最適位置にセットされるといったことも可能になるし、或いは、余り受箱182を試料整列台170に引出し可能・折り畳み可能・開閉可能等に設けることで、余り受箱182を試料整列台170に予め一体化しておき、引出し等すると余り受箱182が最適位置にセットされるといったことも可能になる。
【0067】
その他にも、本実施形態に係る試料整列器150には、以下の効果がある。
【0068】
第1に、本実施形態では、試料整列台170に試料整列板152及び試料整列器本体154をセットした状態では、試料整列器本体154の透明板162が一対のガイドレール176の水平部176B上に載置され、トレイ172の傾斜部172Cの上面との間に所定の隙間176が形成されるため、試料整列器本体154を試料整列台170の傾斜部172Cに沿って往復運動させた際に、透明板162に傷が付くのを防止することができる。その結果、本実施形態によれば、穀粒28の画像が不正確になるのを防止することができる。
【0069】
第2に、本実施形態では、トレイ172は作業面168に載置される脚部172A、172Bを有しており、当該脚部172A、172Bにおける作業面168との接触面に制動ゴム174を取り付けたので、試料整列器本体154の往復運動時に試料整列台170が作業面168上を摺動してしまうのを防止することができる。換言すれば、作業時の試料整列台170の安定性を確保することができる。その結果、本実施形態によれば、試料となる穀粒28の整列作業を円滑に行うことができる。
【0070】
〔実施形態の補足説明〕
<斜光手段のバリエーションについて>
上述した本実施形態に係るカラースキャナ18では、広義には斜光手段として解釈される構成要素について、光源40及び斜光ルーバ42を使用したが、これに限らず、種々の構成を採用することができる。例えば、棒状の光源40に代えて面発光光源を用いてもよい。面発光光源としては、斜光ルーバに42に対して平行に矩形状の拡散板を配置し、その対向辺となる位置に一対の棒状光源を配置する構成等が考えられる。この場合、一対の棒状光源が点灯すると、拡散板によって光が拡散されるため、穀粒28への照射光が均一化され、精度向上に寄与する。
【0071】
また、例えば、光源40及び斜光ルーバ42に代えて、多数の発光ダイオード(LED)を二次元状に傾斜した状態で配設する構成を採ってもよいし、発光ダイオードを一次元状に傾斜した状態で配置した上で当該発光ダイオードアレイを直交する方向へ走査させる構成を採ってもよい。この場合、斜光ルーバ42を廃止することができる。なお、発光ダイオードに代えて、有機EL素子を使用することも可能である。
【0072】
<画像処理について>
上述した本実施形態に係る穀粒品質判定装置10では、カラースキャナ18をクライアントコンピュータ14に接続し、当該クライアントコンピュータ14をネットワーク12に接続する構成を採ったが、これに限らず、判定装置として機能するスタンドアローン型のコンピュータをクライアントコンピュータ14として用い、ネットワーク12に接続しない構成を採ってもよい。
【0073】
また、上述した本実施形態に係る穀粒品質判定装置10では、透過光・反射光画像と反射光画像とを読取り、クライアントコンピュータ14で画像間演算を行うことにより透過光画像を得る構成を採ったが、これに限らず、以下の方法を採ってもよい。
【0074】
一つには、上記とは逆に、透過光画像を読取って画像間演算により反射光画像を得る方法である。すなわち、走査装置30の光照射部32を投光・消灯切換可能に構成し、斜光手段の光源及び光照射部32を共に点灯させた状態で、前者の光源から照射されて穀粒28を透過した透過光及び後者から照射されて穀粒28で反射された反射光の双方を受光部34で受光したときの画像情報(透過光・反射光画像情報)を得る一方で、斜光手段の光源を点灯させかつ光照射部32を消灯させた状態で、前者から照射されて穀粒28を透過した透過光のみを受光部34で受光したときの画像情報(透過光画像情報)を得る。そして、これらの画像情報はクライアントコンピュータ14に出力され、当該クライアントコンピュータ14において透過光・反射光画像から透過光画像を減算し、反射光画像を求める。上記方法によっても、本実施形態と同様に精度の高い品質判定を行うことができる。
【0075】
他の一つの方法は、前記方法と同様に、走査装置30の光照射部32を投光・消灯切換可能に構成し、斜光手段の光源を点灯させかつ光照射部32を消灯させた状態で、前者の光源から照射されて穀粒28を透過した透過光のみを受光部34で受光したときの画像情報(透過光画像情報)を得る一方で、斜光手段の光源を消灯させかつ光照射部32を点灯させた状態で、後者から照射されて穀粒28で反射された反射光のみを受光部34で受光したときの画像情報(反射光画像情報)を得る。そして、これらの画像情報はクライアントコンピュータ14に出力される。上記構成によれば、透過光画像情報と反射光画像情報とが個別に直接得られるため、画像間演算を行う必要がなくなる。従って、クライアントコンピュータ14では、入力された二種類の画像情報から直接的に穀粒28の品質を判定することができる。よって、画像間演算が不要になる分、短時間で穀粒28の品質の判定をすることができる。
【0076】
<試料整列器について>
上述した本実施形態では、試料台26及び走査装置30を備えたスキャナ本体20と、斜光手段として機能する光源40及び斜光ルーバ42を備えた蓋体22とによって構成されたカラースキャナ18に対して試料整列器150を使用する態様を例にして説明したが、本発明に係る穀粒画像読取装置用試料整列器は前記構成以外の態様のカラースキャナに対しても適用可能である。すなわち、蓋体22側には何らの光源も配設されておらず(従って、この場合の蓋体は試料台26を覆うカバーとしてのみ機能する)、試料台26及び走査装置30を備えたスキャナ本体20のみによって主要部が構成されたカラースキャナに対して本発明を適用してもよい。
【0077】
また、上述した実施形態では、支持体160と透明板162とを別部品で構成したが、例えば透明板をアクリル板等の樹脂で成形するのであれば、支持体と透明板とを一体化してもよい。
【0078】
さらに、上述した実施形態では、支持体160を平面視で矩形の枠状に構成したが、支持体は必ずしも全周に亘って形成されている必要はなく、試料整列板152に対する位置決めができる程度に各辺に対応して一定の長さ部分的に形成されている構成でもよい。特に、前記のように支持体と透明板とを一体化する場合には、このような構成も充分成立する。
【0079】
また、上述した本実施形態では、試料整列台170のトレイ172の両側部に一対のガイドレール176を貼設し、試料整列器本体154の支持体160の両側部160Aをガイドする構成を採ったが、これに限らず、試料整列器本体154の支持体160の両側部160A、160Bのいずれか一方をガイドする構成を採ることも可能である。例えば、トレイ172の傾斜部172Cをトレイ172の長手方向に傾斜させるだけでなく、幅方向にも傾斜させることにより、一本のガイドレール176だけで試料整列器本体154の往復運動をガイド(支持)することができる。
【0080】
さらに、上述した本実施形態では、トレイ172とガイドレール176を別体で構成したが、樹脂成形により一体に構成することも可能である。例えば、本実施形態のガイドレール176は断面L字状であるが、これを矩形中実断面のガイドバーに変更し、かかる一対のガイドバーをトレイの両側部に一体形成する構成を採ってもよい。
【0081】
また、上述した本実施形態では、制動部材として制動ゴム174を用いたが、必ずしもゴムである必要はなく、摩擦抵抗を増加させることができる構成であればよく、テープ、コーティング等でもよい。
【0082】
さらに、上述した本実施形態では、試料整列板152及び試料整列器本体154の往復運動を手動で行っていたが、これに限らず、自動で行うようにしてもよい。
【0083】
また、上述した本実施形態では、受け部材として余り受箱182を用いたが、必ずしも箱である必要はなく、袋等でも代替可能である。
【0084】
さらに、上述した本実施形態では、試料整列板152の先端部に形成される排出部180を傾斜面(平面)によって構成したが、これに限らず、曲面で構成してもよい。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る穀粒画像読取装置用試料整列器は、作業面に載置されると共に当該作業面に対して所定角度傾斜した傾斜面を備えた試料整列台を使って、試料整列器本体の少なくとも一方の側部をガイドさせながら、試料整列板及び試料整列器本体を試料載置台の傾斜面の傾斜方向に沿って往復運動させることにより試料を整列させる構成とした上で、さらに、試料整列板における、当該試料整列板を試料整列器本体と共に試料整列台の傾斜面上に載せたときに傾斜方向下側となる部分に、往復運動動作を利用して余剰となった穀粒を傾斜方向下側となる部分から排出させる排出部を形成したので、簡単かつ迅速に、試料となる穀粒を試料台上に整列した状態で載置させることができるという優れた効果を有する。
【0086】
請求項2記載の本発明に係る穀粒画像読取装置用試料整列器は、請求項1記載の発明において、試料整列板の全長を試料整列台の傾斜面の全長よりも長く設定すると共に、排出部からの余剰穀粒の落下位置に、当該余剰穀粒を受け止める受け部材を配置したので、余剰穀粒を確実に受け部材で受け止めることができ、その結果、余剰穀粒が試料台の傾斜面付近に散乱するのを防止することができるという優れた効果を有する。
【0087】
請求項3記載の本発明に係る穀粒画像読取装置用試料整列器は、請求項2記載の発明において、余剰穀粒が略放物線状の軌跡を描いて受け部材に落下するように、試料整列板の底壁部に対する排出部の傾斜角度を設定したので、受け部材の最適配置位置を予め知ることができ、その結果、受け部材も含めたトータルとして試料整列器を成立させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る穀粒品質判定装置のシステム構成図である。
【図2】本実施形態に係る穀粒画像読取装置の全体構成を蓋体が開いた状態で示す断面図である。
【図3】(A)は図2に示される穀粒画像読取装置の全体構成を蓋体を閉めた状態で示す断面図、(B)はその側面図である。
【図4】良品領域を示す画像情報のRとBとの関係を示す線図である。
【図5】良品領域を示す画像情報のGとBとの関係を示す線図である。
【図6】良品領域を示す画像情報のRとGとの関係を示す線図である。
【図7】本実施形態に係る試料整列器の全体構成を示す斜視図である。
【図8】試料整列板及び試料整列器本体が試料整列台上にセットされた状態を示す縦断面図である。
【図9】本実施形態の要部に係る試料整列板を示す斜視図である。
【図10】従来の試料整列器を示す斜視図である。
【図11】図10に示される試料整列器の用い方を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
18 カラースキャナ(穀粒画像読取装置)
26 試料台
28 穀粒
150 試料整列器
152 試料整列板
152B 底壁部
154 試料整列器本体
156 透孔
160 支持体
160A 側部
162 透明板
168 作業面
170 試料整列台
172 トレイ
172C 傾斜部
176 ガイドレール
180 排出部
182 余り受箱(受け部材)

Claims (3)

  1. 試料台上に載置された穀粒の画像を光学的に読み取るための穀粒画像読取装置に適用される試料整列器であって、
    トレイ状に形成され、一粒の穀粒が入り込める程度の大きさを有しかつ略穀粒形状に形成され更に長軸方向が一定方向に向けられた多数の透孔が穿設された底壁部を備えた試料整列板と、
    この試料整列板の底壁部が嵌合される支持体と、この支持体の底部に配置されると共に前記試料台の上面に載置されかつ前記試料整列板の底壁部が載置される透明板と、を備えた試料整列器本体と、
    作業面に載置されると共に当該作業面に対して所定角度傾斜した傾斜面を備え、前記試料整列板及び前記試料整列器本体を当該傾斜面に沿って往復運動させる際に当該試料整列器本体の少なくとも一方の側部をガイドする試料整列台と、
    を有し、
    さらに、前記試料整列板における、当該試料整列板を前記試料整列器本体と共に前記試料整列台の傾斜面上に載せたときに傾斜方向下側となる部分には、前記往復運動動作を利用して余剰となった穀粒を当該傾斜方向下側となる部分から排出させる排出部が形成されている、
    ことを特徴とする穀粒画像読取装置用試料整列器。
  2. 前記試料整列板の全長は前記試料整列台の傾斜面の全長よりも長く設定されており、
    前記排出部からの余剰穀粒の落下位置には、当該余剰穀粒を受け止める受け部材が配置されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の穀粒画像読取装置用試料整列器。
  3. 前記余剰穀粒が略放物線状の軌跡を描いて前記受け部材に落下するように、前記試料整列板の底壁部に対する前記排出部の傾斜角度が設定されている、
    ことを特徴とする請求項2記載の穀粒画像読取装置用試料整列器。
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