JP2004155998A - アルコキシスルホン化芳香族ポリイミド及びアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドを含有する電解質膜 - Google Patents

アルコキシスルホン化芳香族ポリイミド及びアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドを含有する電解質膜 Download PDF

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Abstract

【課題】耐水性に優れ、且つ、イオン交換容量、プロトン伝導性及び低メタノール透過性等の特性に優れたアルコキシスルホン化芳香族ポリイミド及びこれを用いた電解質膜を提供する。
【解決手段】下記の構造単位を有するスルホン化芳香族ポリイミド及びこれを用いた電解質膜である。
【化19】
Figure 2004155998

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン交換樹脂、燃料電池用高分子電解質膜、ガスセンサーなどに好適に用いることができるω−スルホアルコキシ基を有するアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドに関する。また、本発明は、耐水性が改良され、イオン交換容量やプロトン伝導度に優れ、更に、メタノール透過性が小さいことを特徴とするω−スルホアルコキシ基を有するアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドからなる電解質膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
スルホ基を有するスルホン化ポリイミドは、吸湿性が高いという特徴を有する電解質として、例えば、燃料電池用高分子電解質膜として検討されている。(例えば、特許文献1参照。)
しかし、これらのスルホン化ポリイミドは、電子吸引性のスルホ基のためにイミド結合が加水分解するので耐水性が著しく劣るものであった。耐水性を持たせるために、加水分解し易いスルホ基含量成分を減らし、非スルホ基含有成分を多量に含んだ共重合ポリイミドが検討された。しかし、このような共重合ポリイミドフィルムは、スルホ基含有量の低下のためイオン交換容量やプロトン伝導性などの特性を著しく低下させるものであり、電解質膜として好ましいものではなかった。このため、耐水性が改良され且つイオン交換容量やプロトン伝導性などの電解質膜としての特性がより優れた電解質膜が求められていた。
【0003】
特許文献2には、ポリイミドからなるプロトン伝導性膜が開示され、そのポリイミドのジアミン成分には、ω−スルホアルコキシ基含有芳香族ジアミンが例示されている。しかし、化合物の安定性、工業的入手の容易さ、及びポリイミドの合成の容易さから、芳香環が直接スルホン化された芳香族ジアミンが好適に用いられることが記載されており、一方、ω−スルホアルコキシ基含有芳香族ジアミンについては、具体的な製造方法や、それを用いたポリイミドの製造例などの説明は全くされていない。また、アルコキシスルホン化ポリイミドが極めて優れた耐水性を有すること、且つ、イオン交換容量やプロトン伝導性などの電解質膜としての特性が芳香環が直接スルホン化されたポリイミドに比較してより優れたものであることは全く開示されていなかった。
【0004】
特許文献3〜特許文献7には、スルホン化ポリイミド及びそのスルホン化ポリイミドからなる分離膜について開示されている。しかし、アルコキシスルホン化ポリイミドについては言及されていない。
【0005】
【特許文献1】
特表2000−510511号公報
【特許文献2】
特開2002−105200号公報
【特許文献3】
特開平5−192552号公報
【特許文献4】
特開平6−87957号公報
【特許文献5】
特開平8−333451号公報
【特許文献6】
特開平8−333452号公報
【特許文献7】
特開平8−333453号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の芳香環が直接スルホン化されたスルホン化ポリイミドに較べて著しく耐水性が改良され、且つ、イオン交換容量、プロトン伝導性及び低メタノール透過性などの特性がより優れたアルコキシスルホン化芳香族ポリイミド、及び前記アルコキシスルホン化芳香族ポリイミドからなる電解質膜を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、下記化学式(6)で示される構造からなる芳香族ジアミンを原料として合成されるアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドが、吸水時の耐水性が特に優れていること、更に、イオン交換容量、プロトン伝導性及び低メタノール透過性などの特性が優れており、電解質膜として極めて好適に用いることが出来ることを見出して、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
【化6】
Figure 2004155998
【0009】
ここで、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を表し、mは1〜2の整数であり、nは1〜6の整数であり、kは1〜2の整数であり、Xは水素原子、アルカリ金属、又は、アンモニウム又は4級アミンである。但し、k=2のときはRは存在しない。
【0010】
即ち、本発明は、化学式(7)で示される構造単位を有することを特徴とするアルコシキスルホン化芳香族ポリイミド及び前記アルコシキスルホン化芳香族ポリイミドからなる電解質膜に関する。
【0011】
【化7】
Figure 2004155998
【0012】
ここで、Arは少なくとも1つ以上の芳香環を有する4価の基であり、Arは下記化学式(8)の構造を有する基である。
【0013】
【化8】
Figure 2004155998
【0014】
ここで、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を表し、mは1〜2の整数であり、nは1〜6の整数であり、kは1〜2の整数であり、Xは水素原子、アルカリ金属、又は、アンモニウム又は4級アミンである。但し、k=2のときはRは存在しない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミド及び前記アルコキシスルホン化芳香族ポリイミドからなる電解質膜について説明する。
【0016】
本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドは、ジアミン成分として、前記化学式(6)で示される構造からなるω−スルホアルコキシ基含有芳香族ジアミンを用いることを特徴とする。
【0017】
前記化学式(6)で示される構造からなるω−スルホアルコキシ基含有芳香族族ジアミンは、例えば、(1)水酸基を有する芳香族ジニトロ化合物とハロゲン化アルキルスルホン酸アルカリ金属とを反応させ、ω−スルホアルコキシ基を有する芳香族ジニトロ化合物を合成後、ニトロ基を還元してω−スルホアルコキシ基含有芳香族ジアミンを得る方法、(2)水酸基を有する芳香族モノニトロ化合物とハロゲン化アルキルスルホン酸アルカリ金属塩とを反応させ、ω−スルホアルコキシ基を有する芳香族モノニトロ化合物を合成し、アゾカップリング反応に続き、還元、転位反応を行うことによって、ω−スルホアルコキシ基含有芳香族ジアミンを得る方法など、その構造に応じた合成法で調整することができる。
【0018】
前記ω−スルホアルコキシ基含有芳香族ジアミンの合成法(1)で、水酸基を有する芳香族ジニトロ化合物とハロゲン化アルキルスルホン酸アルカリ金属塩との反応は、水酸基を有する芳香族ジニトロ化合物のアルカリ金属塩とハロゲン化アルキルスルホン酸アルカリ金属塩をN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒中で、50〜140℃で1〜80時間反応することによって合成できる。
【0019】
前記水酸基を有する芳香族ジニトロ化合物は、少なくとも1つ以上の芳香環を有し、且つ、芳香環に直接結合した2個のニトロ基と少なくとも1つ以上の水酸基を有するものであり、例えば、2,4−ジニトロフェノール、2,5−ジニトロフェノール、4,6−ジニトロレゾルシノール、3,5−ジニトロカテコール、2,5−ジニトロヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシ−(3,3’−ジニトロ)ビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−(5,5’−ジニトロ)ビフェニルなどを好適に挙げることができる。
【0020】
前記水酸基を有する芳香族ジニトロ化合物のアルカリ金属塩は、前記極性溶媒中で、水酸基を有する芳香族ジニトロ化合物と炭酸カリウム又は炭酸ナトリウム等とを、共沸溶媒としてトルエン、ベンゼン、キシレンなどを用いて共沸によって生成水を除去しながら、100〜160℃で0.5〜5時間反応することによって合成できる。
【0021】
また、前記ハロゲン化アルキルスルホン酸アルカリ金属塩は、末端にスルホン酸アルカリ金属塩を有するハロゲン化アルキル化合物であり、例えば、2−ブロモエタンスルホン酸、3−ブロモプロパンスルホン酸、4−ブロモブタンスルホン酸、などのカリウム、ナトリウム、リチウム塩を好適に挙げることができる。
【0022】
前記ω−スルホアルコキシ基含有芳香族ジアミンの合成法(1)で、ω−スルホアルコキシ基を有する芳香族ジニトロ化合物のニトロ基の還元は、日本化学会編、新実験化学講座15,酸化と還元II、丸善、1975年(p.22,433−435)などに記載されているような公知の方法を用いることができ、例えば、Pd/Cを用い水素添加することで達成される。
【0023】
前記ω−スルホアルコキシ基含有芳香族ジアミンの合成法(2)で用いられる水酸基を有する芳香族モノニトロ化合物は、少なくとも1つ以上の水酸基を有する芳香族モノニトロ化合物であり、例えば、m−ニトロフェノール、o−ニトロフェノールなどを好適に挙げることができる。
【0024】
前記ω−スルホアルコキシ基含有芳香族ジアミンの合成法(2)において、ω−スルホアルコキシ基を有する芳香族モノニトロ化合物は、水酸基を有する芳香族モノニトロ化合物とハロゲン化アルキルスルホン酸アルカリ金属塩とを、前記ω−スルホアルコキシ基含有芳香族ジアミンの合成法(1)で述べた方法と同様に反応させて合成できる。
【0025】
この合成法(2)で、アゾカップリング反応及びそれに続く転位反応は、日本化学会編、新実験化学講座15,酸化と還元II、丸善、1975年(p.23,24,67,68)及び第4版実験化学講座20、有機合成II、丸善、1992年、p.302などに記載されているような公知の方法を用いることができ、例えば、Zn/NaOH/メタノール−水中で加熱してアゾベンゼンとし、次いで、Zn/エタノール−アンモニア中で加熱してヒドラゾベンゼンにし、濃塩酸中で加熱してベンジジン転移して達成される。
【0026】
本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドの合成に用いられる前記化学式(6)で示される構造からなるω−スルホアルコキシ基含有芳香族ジアミンとしては、特に限定されるものではないが、具体的には、3−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパンスルホン酸、4−(2,4−ジアミノフェノキシ)ブタンスルホン酸、3−(2,5−ジアミノフェノキシ)プロパンスルホン酸、4−(2,5−ジアミノフェノキシ)ブタンスルホン酸、1,2−ビス(3−スルホプロポキシ)3,5−ジアミノベンゼン、1,2−ビス(4−スルホブトキシ)3,5−ジアミノベンゼン、1,5−ビス(3−スルホプロポキシ)2,4−ジアミノベンゼン、1,5−ビス(4−スルホブトキシ)2,4−ジアミノベンゼン、1,4−ビス(3−スルホプロポキシ)2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ビス(4−スルホブトキシ)2,5−ジアミノベンゼン、4,4’−ビス(3−スルホプロポキシ)3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(3−スルホプロポキシ)5,5’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(3−スルホプロポキシ)ベンジジン、2,2’−ビス(4−スルホブトキシ)ベンジジン、3,3’−ビス(3−スルホプロポキシ)ベンジジン、3,3’−ビス(4−スルホブトキシ)ベンジジンを好適にあげることができ、特に、2,2’−ビス(3−スルホプロポキシ)ベンジジン及び2,2’−ビス(4−スルホブトキシ)ベンジジンが、得られたアルコキシスルホン化ポリイミドのプロトン伝導性、耐水性、低メタノール透過性などから、好適である。
【0027】
本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドの合成に用いられる芳香族テトラカルボン酸成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ピロメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸、m−(ターフェニル)3,4,3”,4”−テトラカルボン酸又はそれらの酸二無水物やエステル化物を挙げることができる。
【0028】
本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドの合成に用いられる芳香族テトラカルボン酸成分としては、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸又はそれらの酸二無水物やエステル化物が、得られたアルコキシスルホン化ポリイミドの耐水性から、特に好適である。
【0029】
本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドは、ジアミン成分として前記化学式(6)で示される構造からなるω−スルホアルコキシ基含有芳香族ジアミン成分と共に、置換基としてスルホ基を有しないジアミン成分を併用しても構わない。
【0030】
すなわち、本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドは、前記化学式(7)で示される構造単位と共に、下記化学式(9)で示される構造単位を含んで構成されたものであっても構わない。
【0031】
【化9】
Figure 2004155998
【0032】
ここで、Arは少なくとも1つ以上の芳香環を有する4価の基であり、Arは少なくとも1つ以上の芳香環を有する2価の基であって置換基としてスルホ基を有しないものである。
【0033】
本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドは、化学式(7)で示される構造単位が全重量に対して1〜100重量%、好ましくは10〜100重量%、更に50〜100重量%、特に70〜100重量%である。
【0034】
本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドにおいて、化学式(7)で示される構造単位が全重量に対して1重量%未満になると、イオン交換容量やプロトン伝導性などの特徴を発現し難くなるので好ましくない。また、化学式(9)で示される構造単位を含む共重合アルコキシスルホン化芳香族ポリイミドの構造は、ランダム共重合及び/又はブロック共重合体である。
【0035】
前記化学式(9)で示される構造単位を形成する芳香族テトラカルボン酸成分は、前述の化学式(7)の構造単位を形成する芳香族テトラカルボン酸と同様の芳香族テトラカルボン酸を好適に用いることができる。また、前記化学式(9)で示される構造単位を形成する芳香族ジアミンは、置換基としてスルホ基を有しない芳香族ジアミンであって、例えば、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、3,3’−ビス(3−アミノフェニル)スルホン、4,4’−ビス(3―アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2’−トリフルオロメチルベンジジンなどを好適に挙げることができる。
【0036】
本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドは、前記芳香族テトラカルボン酸成分と前記芳香族ジアミン成分とを用いて、従来公知の記載の方法によって容易に行うことができる。(例えば、特許文献1〜特許文献7参照。)
具体的には、例えば、極性溶媒中で、前記ジアミンと前記芳香族テトラカルボン酸二無水物、3級アミノ化合物、共沸溶媒としてトルエン又はキシレンなどを添加し、140〜220℃に加熱し生成した水を共沸溶媒と共に除去しながら0.5〜100時間縮重合反応させることによって容易に達成できる。この時用いられる3級アミノ化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどを挙げることができ、また、必要ならば、安息香酸、イソキノリンなどを触媒として添加しても良い。芳香族ジアミンのアミノ基と芳香族テトラカルボン酸二無水物の酸二無水物基に対するモル比は、0.95〜1.05の範囲が好ましく、この範囲よりアミノ基が少なくても多くても、ポリイミドの分子量が低くなって得られる膜の強度が低下することから好ましくない。上記の縮重合法によりアミン塩型のスルホン化ポリイミドが得られるが、これを塩酸水溶液などに浸漬しイオン交換することによりプロトン型のスルホン化ポリイミドが容易に得られる。また、アミン塩型又はプロトン型のスルホン化ポリイミドをアルカリ金属塩、アンモニウム塩水溶液などに浸漬しイオン交換することによりアルカリ金属塩、アンモニウム塩型のスルホン化ポリイミドが容易に得られる。
【0037】
本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドからなるフィルムは、吸湿性が優れているにも拘わらず、耐水性が極めて良好である。具体的には、25μm厚のフィルムを温度80℃の温水中に50時間以上浸漬後120度折り曲げても破断しない。一方、従来の特許文献などに記載されている2,2’−ベンジジンジスルホン酸等のスルホ基が芳香環に直接結合したスルホン化芳香族ジアミンから合成したスルホン化芳香族ポリイミドからなるフィルムは、同様の条件でスルホ基の結合した芳香環のイミド環が容易に加水分解を起こすので、非スルホン化ジアミンとの共重合組成にも依存するが、1分〜数時間程度で溶解ないし破断する。
【0038】
また、本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドからなるフィルムは、好ましくは、温度80℃相対湿度100%において0.1S/cm以上、特に0.1〜3.0S/cmの極めて高いプロトン伝導度を示す。更に、本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドからなるフィルムは、好ましくは、温度30℃の希薄メタノール水溶液に浸漬して測定したメタノール透過係数が0.8×10−6cm/sec以下、特に0.01×10−6〜0.8×10−6cm/secの極めて低いものである。
【0039】
以上のとおり、本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドは、電解質膜として実用的に極めて好適なものであって、イオン交換用、燃料電池用高分子電解質膜用、ガスセンサー用などに好適に用いることができるものである。
【0040】
本発明の電解質膜は、前記アルコキシスルホン化芳香族ポリイミドを含んで構成されるものであって、前記アルコキシスルホン化芳香族ポリイミド以外の樹脂成分を含んだ組成物であっても構わないが、前記アルコキシスルホン化芳香族ポリイミドが全樹脂成分中10重量%以上、好ましくは50重量%以上、更に80重量%以上が、更には、90重量%以上、特に100重量%が好適である。
【0041】
樹脂成分中10重量%未満では、本発明のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドの良好な電解質としての特性を発現することが難しい。
【0042】
また、他の樹脂成分との組成物を構成する場合、他の樹脂成分は特に限定されないが、例えば、置換基としてスルホ基を有するか又は有さない芳香族ポリイミドを用いても構わない。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0044】
尚、以下の合成例に示したH−NMRのデータは、溶媒として重水素化ジメチルスルホキシドを用いて、日本電子JEOL EX−270により測定した。
【0045】
本発明における評価方法及び評価基準は以下のとおりである。
【0046】
(耐水性)
プロトン型スルホン化ポリイミドからなる膜のサンプル(2cm×2cm×25μmのフィルム)を80℃又は50℃の水に所定時間浸漬した後で取り出し、ピンセットを用いて120度に折り曲げた時の破断の有無を目視で観察し評価した。破断がない場合を○、破断する場合を×で示す。
【0047】
(吸水性)
プロトン型スルホン化ポリイミドからなる膜のサンプル(2cm×2cm×25μmのフィルム)を120℃で2時間真空乾燥し、乾燥重量W0を測定した後、80℃又は50℃の水に所定時間浸漬した。サンプルを水から取り出し、手早く表面に付着した水をろ紙で拭き取り秤量瓶に入れて、重量Wを測定し、次式、
S=〔(W−W0)/W0〕×100
で吸水率S(%)を求めた。
【0048】
(水蒸気収着量)
プロトン型スルホン化ポリイミドからなる膜のサンプル(厚さ25μmのフィルム)80mgを用いて、水蒸気の収着量を所定の温度及び湿度雰囲気中で、容量法により日本ベル(株)製の容量法収着装置BEL−18SPを用いて測定した。
【0049】
(プロトン伝導性)
テフロン(登録商標)製のプロトン伝導度測定セルに、プロトン型スルホン化ポリイミドからなる膜のサンプル(0.5cm×1.5cm×25μmのフィルム)と2枚の白金黒電極板(電極間隔0.5cm)を取り付け、所定の温度の水中(これを相対湿度100%とした。)又は温度湿度制御したチャンバー内に置き、日置電気(株)製3552LCRハイテスタを用いて、複素インピーダンス測定法によりプロトン伝導度を測定した。
【0050】
(メタノール透過性)
プロトン型スルホン化ポリイミドからなる膜(直径6cm×厚み25μmのフィルム)及びナフィオン117膜(デュポン社製電解質膜、直径6cm×厚み170μmのフィルム)のサンプル(直径6cm×厚み25μmのフィルム)を用いて、アクリル製の液透過測定セル(この測定セルにおいて、容量350mlの供給側セルと100mlの透過側セルとの間にバイトンゴムのシール板を介してサンプル膜を挟み付ける。供給側と透過側液はマグネチックスターラで撹拌する。有効膜透過面積:16cm)を温度30℃に制御したチャンバー内に置き、供給側にメタノールを10%添加して、透過側のメタノール組成をガスクロ分析してメタノール透過係数を求めた。
【0051】
以下の実施例及び比較例で用いた化合物の略号は次のとおりである。
NTDA:1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
DAPPS:3−(2’,4’−ジアミノフェノキシ)プロパンスルホン酸、
2,2’−BSPB:2,2’−ビス(3−スルホプロポキシ)ベンジジン、
3,3’−BSPB:3,3’−ビス(3−スルホプロポキシ)ベンジジン、
m−PDA:m−フェニレンジアミン、
BDSA:2,2’−ベンジジンスルホン酸、
ODA:4,4’−オキシジアニリン、
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、
DMSO:ジメチルスルホキシド。
【0052】
(実施例1)
(1)3−(2’,4’−ジニトロフェノキシ)プロパンスルホン酸ナトリウム塩の合成
以下の手順で、下記化学式(10)の3−(2’,4’−ジニトロフェノキシ)プロパンスルホン酸ナトリウム塩を合成した。
【0053】
【化10】
Figure 2004155998
【0054】
完全に乾燥させた100mlの4つ口フラスコに2,4−ジニトロフェノール1.84g(10ミリモル)とDMF10mlとを加え、窒素気流下で撹拌した。これに水酸化ナトリウム0.4gを水0.6mlに溶かした溶液を加え、室温で0.5時間撹拌した。この反応混合液にトルエン15mlを加えたあと、2時間加熱・還流して生成水をトルエンとの共沸で反応系外に除去した。次いで反応混合物を室温に冷却し、3−ブロモプロパンスルホン酸ナトリウム2.25gを一度に加え、110℃に再加熱して48時間反応させた。この反応混合液を室温に冷却後ろ過し、その濾液を減圧下で留去して得られた固体をエタノール/水混合液体から再結晶した後、真空乾燥し、淡黄色固体生成物1.7gを得た。収率は50%であった。
【0055】
(2)DAPPS一塩酸塩の合成
以下の手順で、下記化学式(11)のDAPPS一塩酸塩を合成した。
【0056】
【化11】
Figure 2004155998
【0057】
完全に乾燥させた100mlの4つ口フラスコに、3−(2’,4’−ジニトロフェノキシ)プロパンスルホン酸ナトリウム1.64g(5.0ミリモル)、水6ml、エタノール6mlを加え、窒素気流下で撹拌し、次いで、パラジウム/活性炭(Pd/C)0.1gを加えて90℃に加熱し、ヒドラジン1水和物4mlを滴下し、反応混合液を90℃で20時間保持した。室温に冷却後、反応混合液を濾過し、濾液を6mlの濃塩酸に加えた。これをアセトン100mlに注いで加え、生成した沈殿を濾別、アセトン洗浄及び真空乾燥することによって、淡赤色の生成物1.3gを得た。収率は92%であった。
【0058】
この生成物について、トリエチルアミンの存在下でH−NMRを測定した。6.50−6.40ppm(d)、5.97−5.93ppm(s)、5.80−5.70ppm(d)が観測され、フェニル環のプロトンに帰属された。4.6−4.2ppm(br)はアミノ基のプロトンに、3.88−3.78ppm(t)はエーテル結合に隣接するCH2のプロトンに、2.65−2.55ppm(t)はスルホ基に隣接するCH2のプロトンに、2.02−1.88ppm(m)は中間のCH2のプロトンに、それぞれ帰属された。その帰属と積分強度比から、生成物は化学式(11)の化学構造を有することが確認された。
【0059】
(3)NTDAとDAPPSからのポリイミドの製造
以下の手順で、下記化学式(12)の構造単位からなるNTDA−DAPPSポリイミドからなる膜を製造した。
【0060】
【化12】
Figure 2004155998
【0061】
完全に乾燥させた100mlの4つ口フラスコに、DAPPS一塩酸塩0.43g(1.5ミリモル)、m−クレゾール3.5ml及びトリエチルアミン0.46mlを加え、窒素気流下で撹拌し、DAPPS一塩酸塩が完全に溶解した後、NTDA0.40g(1.5ミリモル)と触媒の安息香酸0.26gとを加え、反応混合液を80℃で4時間次いで180℃で20時間加熱した。反応混合液を室温に冷却後、m−クレゾール5mlを加えて高粘度の液を希釈したのち、アセトン中に注いで加え、糸状の沈殿物を得た。これを濾別し、アセトンで洗浄した後、真空乾燥して、NTDA−DAPPSポリイミド(トリエチルアミン塩)を得た。
【0062】
これをDMSOに溶かした5%溶液をガラス板上に流延し、80℃で10時間乾燥することにより、NTDA−DAPPSポリイミド(トリエチルアミン塩)からなる柔軟なフイルムを得た。このフィルムを60℃のメタノールに1時間浸漬し、次いで1Nの塩酸水溶液に室温で10時間浸漬してプロトン交換した後、水洗し150℃で15時間真空乾燥して、プロトン型のNTDA−DAPPSポリイミド膜を得た。
【0063】
(実施例2)
(1)3−(3’−ニトロフェノキシ)プロパンスルホン酸ナトリウムの合成
以下の手順で、下記化学式(13)の3−(3’−ニトロフェノキシ)プロパンスルホン酸ナトリウム塩を合成した。
【0064】
【化13】
Figure 2004155998
【0065】
完全に乾燥させた100mlの4つ口フラスコに、m−ニトロフェノール13.9g(100ミリモル)とDMF120mlとを加え、窒素雰囲気下で撹拌した。m−ニトロフェノールが溶解した後、炭酸カリウム20g(150ミリモル)とトルエン20mlとを加えた。この反応混合物を室温で30分間撹拌した後、加熱・還流を2時間行った。反応混合物を再び室温まで冷却し、3−ブロモプロパンスルホン酸ナトリウム22.5g(100ミリモル)を一度に加えたて110℃まで再加熱し、この温度で24時間保持した。次に、室温まで冷却した後、暗橙色の反応液を濾過し、濾別された沈殿物をアセトンで洗浄した後、40℃で10時間真空乾燥させた。得られた固形物にDMSO300ml加え、この混合物を室温で30分間撹拌し、不溶解の無機塩を濾過して除いた。更に、ろ液から溶媒(DMSO)を減圧下で留去し、得られた固形物をアセトンで洗浄し、50℃で20時間真空乾燥させた。この固形物をメタノールから再結晶することにより精製し、24gの化学式(13)の3−(3’−ニトロフェノキシ)プロパンスルホン酸ナトリウム塩を得た。収率は86%であった。
【0066】
この生成物について、H−NMRを測定した。その結果、7.82ppm(d)、7.69ppm(s)、7.60−7.55(t)及び7.44−7.37(m)が観測され、フェニル環のHに基づくシグナルとして帰属された。また、4.22−4.18ppm(t)はエーテル結合に隣接するCH2のプロトンに、2.62−2.56ppm(t)はスルホ基に隣接するCH2のプロトンに、2.09−1.99ppm(m)は中間のCH2のプロトンにそれぞれ帰属された。その帰属と積分強度比から、生成物は化学式(13)の構造を有することが確認された。
【0067】
(2)3,3’−ビス(3−スルホプロポキシ)アゾベンゼン二ナトリウム塩の合成
以下の手順で、下記化学式(14)の3,3’−ビス(3−スルホプロポキシ)アゾベンゼン二ナトリウム塩を合成した。
【0068】
【化14】
Figure 2004155998
【0069】
完全に乾燥させた100mlの4つ口フラスコに、3−(3’−ニトロフェノキシ)プロパンスルホン酸ナトリウム5.7g(20ミリモル)と水15mlとメタノール15mlとを加え、窒素を流しながら亜鉛粉4.6gを加えた。混合物を撹拌しながら90℃まで加熱し、次に、水10mlに溶解した水酸化ナトリウム5gをフラスコ内に滴下した。この反応混合液を90℃で3時間撹拌した後、室温まで冷却し、濾過した濾液を減圧下で留去し、得られた固形物をエタノールで洗浄し、これを60℃で20時間真空乾燥させ、オレンジ色の生成物4.4gを得た。収率は88%であった。
【0070】
この生成物について、H−NMRを測定した。その結果、7.51ppm(m)、7.4ppm(s)、7.15ppm(split)が観測され、フェニル環のHに基づくシグナルとして帰属された。プロポキシ基のプロトンのシグナルは、前記と同様に帰属された。その帰属と積分強度比から、生成物は化学式(14)の化学構造を有することが確認された。
【0071】
(3)3,3’−ビス(3−スルホプロポキシ)ヒドラゾベンゼン二ナトリウム塩の合成
以下の手順で、下記化学式(15)の3,3’−ビス(3−スルホプロポキシ)ヒドラゾベンゼン二ナトリウム塩を合成した。
【0072】
【化15】
Figure 2004155998
【0073】
完全に乾燥させた100mlの4つ口フラスコに、3,3’−ビス(3−スルホプロポキシ)アゾベンゼン二ナトリウム1.5g(3.0ミリモル)と水15mlと酢酸1.5mlとを窒素雰囲気にて撹拌しながら加えた。次に、反応混合物を90℃まで加熱し、亜鉛粉1.5gを素早く加え、反応混合液を更に1時間この温度で撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を濾過し、濾液から溶媒を減圧下で留去した。得られた固形物をエタノールで洗浄した後、真空乾燥させて灰白色の固体生成物1.32gを得た。収率は87%であった。
【0074】
この生成物について、H−NMRを測定した。その結果、7.25−7.15(t)ppm、6.77−6.62ppm(m)が観測され、フェニル環のHに基づくシグナルとして帰属された。プロポキシ基のプロトンのシグナルは、前記と同様に帰属された。その帰属と積分強度比から、生成物は化学式(15)の化学構造を有することが確認された。
【0075】
(4)2,2’−BSPBの合成
以下の手順で、化学式(16)の2,2’−BSPBを合成した。
【0076】
【化16】
Figure 2004155998
【0077】
完全に乾燥させた100mlの4つ口フラスコに、3,3’−ビス(3−スルホプロポキシ)ヒドラゾベンゼン二ナトリウム1.0gと水5mlと濃塩酸5mlとを窒素気流下で撹拌しながら加えた。混合物を100℃で2時間加熱した後、室温まで冷却した。生成した沈殿を濾過し、真空乾燥することにより、化学式(16)に示す白色の2,2’−BSPB0.5gを得た。収率は60%であった。
【0078】
この生成物について、トリエチルアミンの存在下でH−NMRを測定した。その結果、6.77−6.71ppm(d)、6.2ppm(s)が観測され、フェニル環のHに基づくシグナルとして帰属された。4.91ppm(br)は2つのアミノ基のプロトンに帰属された。また、3.9−3.8ppm(t)はエーテル結合に隣接するCH2のプロトンに、2.52−2.45ppm(t)はスルホ基に隣接するCH2のプロトンに、1.93−1.79ppm(m)は中間のCH2のプロトンにそれぞれ帰属された。その帰属と積分強度比から、生成物は化学式(16)の化学構造を有することが確認された。
【0079】
(5)NTDAと2,2’−BSPBからなるポリイミドの製造
以下に示す手順で、化学式(17)で示される構造単位からなるNTDA−2,2’−BSPBポリイミドからなる膜を製造した。
【0080】
【化17】
Figure 2004155998
【0081】
完全に乾燥させた100mlの4つ口フラスコに、2,2’−BSPB0.92g(2ミリモル)とm−クレゾール7.0mlとトリエチルアミン1.0mlとを窒素気流中で撹拌しながら投入した。2,2’−BSPBが完全に溶解した後、NTDA0.536g(2ミリモル)と触媒の安息香酸0.17gとを前記フラスコに加えた。反応混合液を80℃で4時間加熱し次いで180℃で20時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、m−クレゾール60mlを加え、更に80℃に再加熱した。その反応混合物をアセトン中に投入した。得られる繊維状の沈殿物を濾取し、60℃で20時間真空乾燥させることにより、NTDA−2,2’−BSPBポリイミド(トリエチルアミン型)を得た。
【0082】
これをDMSOに溶解し濾過した粘性のある濾液をガラス板上に流延し、80℃で10時間乾燥させてフィルムを得た。フィルムを60℃で1時間メタノール中に浸漬した後、室温で1.0N塩酸に10時間浸漬してプロトン交換した後水洗し、次いで150℃で10時間真空乾燥させて、プロトン型のNTDA−2,2’−BSPBポリイミドからなる膜を得た。
【0083】
(実施例3)
ジアミン成分として実施例2で合成した2,2’−BSPB 0.736g(1.60ミリモル)とメタフェニレンジアミン(m−PDA)0.043g(0.40ミリモル)との混合物を用いた以外は実施例2と同様の方法によって、NTDA−2,2’−BSPB/m−PDA共重合ポリイミド(トリエチルアミン型)を得た。これを、実施例2と同様に、キャスト製膜、プロトン交換し、プロトン型のNTDA−2,2’−BSPB/m−PDA共重合ポリイミドからなる膜を得た。
【0084】
(実施例4)
m−ニトロフェノールに代えてo−ニトロフェノールを用いた以外、実施例2と同様の方法によって、3,3’−BSPBを合成した。全体での収率は46%であった。
【0085】
この生成物について、トリエチルアミンの存在下でH−NMRを測定した。6.98−6.93ppm(s)、6.93−6.82ppm(d)、6.70−6.60ppm(d)が観測され、フェニル環のプロトンに帰属された。4.9−4.5ppm(br)はアミノ基のプロトンに、4.17−4.02ppm(t)はエーテル結合に隣接するCH2のプロトンに、2.8ppm附近(トリエチルアミンのシグナルと重なる)はスルホ基に隣接するCH2のプロトンに、2.15−1.98ppm(m)は中間のCH2のプロトンに、それぞれ帰属された。その帰属と積分強度比から、生成物は下記化学式(18)の化学構造を有することが確認された。
【0086】
【化18】
Figure 2004155998
【0087】
ジアミン成分として前記3,3’−BSPB 0.920g(2ミリモル)用いる以外は実施例2と同様の方法によって、NTDA−3,3’−BSPBポリイミド(トリエチルアミン型)を得た。これを、実施例2と同様に、キャスト製膜、プロトン交換し、プロトン型のNTDA−3,3’−BSPBポリイミドからなる膜を得た。
【0088】
(比較例1)
NTDA−BDSAポリイミド膜の調製
ジアミン成分としてBDSA 0.689g用いた以外は実施例2と同様の方法によってポリイミド(トリエチルアミン型)を合成し、柔軟なフィルムを得た。1.0N塩酸に1時間浸漬する以外は実施例2と同様の方法によってプロトン交換処理して、プロトン型のNTDA−BDSAポリイミドからなる膜を得た。
【0089】
(比較例2)
NTDA−BDSA/ODA共重合ポリイミド膜の調製
ジアミン成分としてBDSAを0.344g(1.0ミリモル)と、ODA0.200g(1.0ミリモル)とを用いる以外実施例2と同様にして、NTDA−2,2’−BDSA/ODA共重合ポリイミド(トリエチルアミン型)を合成し、柔軟なフィルムを得た。このフィルムを実施例2と同様の方法によってプロトン交換処理して、プロトン型のNTDA−BDSA/ODA共重合ポリイミドからなる膜を得た。
【0090】
<ポリイミド膜の評価>
前記実施例及び比較例で調製したポリイミドからなる膜の耐水性、吸水性、水蒸気収着量及びプロトン伝導性を評価した。結果を表1、表2に示す。
【0091】
尚、比較例1で得られたNTDA−BDSAポリイミドからなる膜は、50℃の水中1分間で破断が生じるほど耐水性が低いものであるため、加湿状態で実質的なフィルム形状を保持できなかった。このため、吸水性、水蒸気収着量及びプロトン伝導性の評価をすることができなかった。比較例2で得られたNTDA−BDSA/ODA共重合ポリイミドからなる膜は、80℃の水中に6時間浸漬すると破断が生じ実質的なフィルム形状を保持することが難しくなるため、吸水性の測定は80℃の水中に5.5時間浸漬したあとで測定した。
【0092】
【表1】
Figure 2004155998
【0093】
【表2】
Figure 2004155998
【0094】
また、前記実施例1、2で調製したポリイミドからなる膜と、デュポン社の電解質膜であるナフィオン117(登録商標)とのメタノール透過係数を測定した結果、表3のとおりであった。
【0095】
【表3】
Figure 2004155998
【0096】
【発明の効果】
本発明は、以上の説明のとおりのものであるから、以下の効果を奏する。即ち、本発明は、従来のスルホン化ポリイミドに較べて著しく耐水性が改良され、且つ、イオン交換容量、プロトン伝導性及び低メタノール透過性などの特性がより優れたアルコキシスルホン化芳香族ポリイミド及び前記アルコキシスルホン化芳香族ポリイミドからなるイオン交換膜や燃料電池用高分子電解質膜として有用な電解質膜を提供することができる。

Claims (9)

  1. 下記化学式(1)で示される構造単位を有することを特徴とするアルコシキスルホン化芳香族ポリイミド。
    Figure 2004155998
    [ここで、Arは少なくとも1つ以上の芳香環を有する4価の基であり、Arは下記化学式(2)の構造を有する基である。]
    Figure 2004155998
    [ここで、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を表し、mは1〜2の整数であり、nは1〜6の整数であり、kは1〜2の整数であり、Xは水素原子、アルカリ金属、又は、アンモニウム又は4級アミンである。但し、k=2のときはRは存在しない。]
  2. 請求項1の化学式(1)で示される構造単位と下記化学式(3)で示される構造単位とを有し、上記化学式(1)で示される構造単位が1〜100重量%であることを特徴とするアルコキシスルホン化芳香族ポリイミド。
    Figure 2004155998
    [ここで、Arは少なくとも1つ以上の芳香環を有する4価の基であり、Arは少なくとも1つ以上の芳香環を有する2価の基であって置換基としてスルホ基を有しないものである。]
  3. Arが下記化学式(4)で示される4価の基であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミド。
    Figure 2004155998
  4. Arが下記化学式(5)で示される2価の基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミド。
    Figure 2004155998
    [ここで、nは1〜6の整数である。]
  5. 前記nが3又は4の整数である請求項4記載のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミド。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のアルコキシスルホン化芳香族ポリイミドを含有することを特徴とする電解質膜。
  7. 25μm厚のフィルムを温度80℃の温水中に50時間以上浸漬後120度に折り曲げても破断しない耐水性を有することを特徴とする請求項6に記載の電解質膜。
  8. 温度80℃相対湿度100%において、プロトン伝導度が0.1S/cm以上であることを特徴とする請求項6又は7記載の電解質膜。
  9. 温度30℃のメタノール水溶液に浸漬して測定したメタノール透過係数が0.8×10−6cm/sec以下であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の電解質膜。
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