JP2006312693A - フェノキシスルホン化芳香族ポリイミド及び高分子電解質膜 - Google Patents

フェノキシスルホン化芳香族ポリイミド及び高分子電解質膜 Download PDF

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Abstract

【課題】耐水性に優れ、イオン交換容量、プロトン伝導性及び低メタノール透過性等の特性に優れたフェノキシスルホン化芳香族ポリイミド及びこれを用いた電解質膜を提供する。
【解決手段】下記の構造単位を有するスルホン化芳香族ポリイミド及びこれを用いた電解質膜である。
Figure 2006312693

(但し、Ar1は少なくとも1つの芳香環を有する4価の基であり、Ar2は下記式(2)で示される2価の基である。)
Figure 2006312693

(但し、Xは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は4級アミンである。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なスルホン化芳香族ポリイミドに関し、詳しくは、高分子電解質膜に使用されるフェノキシスルホン化芳香族ポリイミド及びそれを製膜して得られる高分子電解質膜に関する。
燃料電池は、水の電気分解の逆動作に基づく動作原理により電気エネルギーを得る装置である。燃料電池では、一般に、天然ガス、メタノール、石炭などの燃料を改質して得られる水素と、空気中の酸素とを送り込むことによって、水が生成するとともに、直流電力が得られる。このように、発電効率が高く、クリーンなエネルギーを供給できることから燃料電池発電が注目されている。
そして、燃料電池の中でも、固体高分子型燃料電池 (Polymer Electrolyte Fuel Cell/PEFC)は、電解質として固体高分子電解質膜(プロトン交換膜)を使用しているため、電解質の散逸や保持の問題がないこと、100℃以下の低温でも動作可能であること、起動時間が極めて短いこと、高エネルギー密度化や小型軽量化が可能であることなどの長所を有していることから、自動車用電源、家庭用やビル用の分散型電源、宇宙船用電源、可搬型電源などとして開発が進められている。特に、地球温暖化などの環境問題や自動車排ガス対策の観点から、固体高分子型燃料電池は自動車搭載用の燃料電池として期待を集めている。
固体高分子電解質は、特定のイオンと強固に結合したり、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過する性質を有しているものであり、高分子鎖中にスルホン酸基等の電解質基を有する固体高分子材料が知られている。具体的には、高いプロトン伝導性を有し、高い耐酸化性を有するパーフルオロスルホン酸膜が用いられている。このパーフルオロスルホン酸基含有ポリマー膜は化学的安定性が非常に高いことから注目されているものの製造が困難であるためコストが高く、フッ素系材料であるため合成や廃棄時の環境問題に対する配慮も必要である。
また、固体高分子型燃料電池を小型軽量化するためには、100℃以下の低温での動作では出力が十分ではなく、100〜120℃の範囲での動作による高出力化が要求されている。しかし、従来のパーフルオロスルホン酸基含有ポリマー膜は100℃近辺に軟化点があるため、100℃を超える温度条件下では膜が変形して機能を十分に発揮できなくなる可能性が高い。これに対し、炭化水素系電解質膜は、製造が容易で低コストである上に、分子設計上の自由度が高く、イオン交換容量の調節が容易であるという利点がある。
芳香族ポリイミドは、一般にオキシジアニリンのような芳香族ジアミンとピロメリット酸無水物のような芳香族テトラカルボン酸類との重縮合により得られ、ジアミン残基と酸無水物残基との間の電荷移動相互作用に基づく強い分子間相互作用のため、薄膜形成能に優れ、機械的強度、耐熱性、耐溶剤性、そして化学的安定性に優れるので、スーパーエンジニアリングプラスチックス、層間絶縁材料等の電子材料あるいは中空糸気体分離膜などで利用されている。これらの優れた特性はイオン交換膜や燃料電池用の電解質膜においても必要なものであり、特にスルホン酸基(スルホ基ともいう)やリン酸基のようなイオン交換基を有するポリイミドは良好な燃料電池用電解質膜などとして期待される。
しかし、ポリイミドは酸性水溶液中でイミド環が加水分解し易い欠点があり、スルホン化ポリフェニレンやスルホン化ポリエーテルスルホンなどの他のスルホン化芳香族炭化水素系高分子に比べて劣る点を有していた。
特表2000‐510511号公報 特開2003‐64181号公報 特開2002‐110174号公報 特開2004‐155998号公報 特開2004‐35891号公報 特開2004‐107484号公報 ポリマー vol.42, p5097‐5105(2001) ジャーナル メンブラン サイエンス vol.230, p111‐120(2004) ソリッド ステート イオニクス vol.147, p189-194(2002) マクロモレキュラー ラピッド コミュニケーションズ vol.23, p896-900(2002) ジャーナル メンブラン サイエンス vol.230, p61-70(2004) ジャーナル マテリアルズ ケミストリー vol.14, p1062-1070(2004) トランザクション マテリアルズ リサーチ ソサイアティ ジャパン vol.29, p2541-2546(2004)
そこで、1,4,5,8‐ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)からの六員環イミド環を有するポリイミドがフタル酸無水物からの五員環イミド環より耐加水分解性に優れているとの提案がなされている(非特許文献1)。例えば、特許文献1では、NTDAと下記式(11)〜(13)で示されるスルホン化ジアミンと、非スルホン化ジアミン(例えば、オキシジアニリン)との共重合ポリイミド膜が燃料電池用の電解質膜として優れているとしている。
Figure 2006312693
しかし、これらのスルホン化ポリイミド膜の耐水性は十分なものではなく、特許文献2では、下記式(14)で示されるスルホン化ジアミンからのスルホン化共重合ポリイミド膜がさらに優れた耐水性を有することを開示している。これは、電子吸引性のスルホ基がアミノ基の結合しているフェニル環から離れたフェニル環に結合しているのでアミンの塩基性が高く、イミド環の耐加水分解性が増すためである(例えば、非特許文献2)と考えられる。
Figure 2006312693
(D2はO、S、CH2又はC(CF32等、R4〜R7は水素原子又はアルキル基、Arはスルホ基を有する芳香環残基)
上記のスルホン化ポリイミドは、いずれもスルホ基が高分子主鎖に直接結合している場合である。パーフルオロスルホン酸系高分子電解質膜では、側鎖のフルオロエーテル末端にスルホ基が結合し、親水性のスルホ基部が疎水性の主鎖部からミクロ相分離し、親水性のイオンチャンネルを形成していると考えられている。
同様の効果を期待してこれまでに、芳香族炭化水素系高分子の側鎖にスルホ基を導入した側鎖型のスルホン化芳香族炭化水素系高分子膜が報告されている。例えば、下記式(15)で示される4-(4-スルホフェノキシ)ベンゾイル基を有するポリ-1,4-フェニレン(非特許文献3)、式(16)で示される2‐スルホベンゾイル基を有するポリスルホン(非特許文献4)、式(17)で示されるω‐スルホアルキルスルホニル基を有するポリスルホン(非特許文献5)、式(18)で示されるω‐スルホアルキル基を有するポリスルホンなどの芳香族炭化水素系ポリマー(特許文献3)が挙げられる。
Figure 2006312693
Figure 2006312693
ポリイミドにおいても式(19)で示されるω‐スルホアルコキシ基を有するジアミン(非特許文献6、特許文献4)や式(20)で示されるスルホフェノキシ基を有するジアミン(非特許文献7)の合成とそのポリイミドの合成と物性が報告されている。これらの側鎖型スルホン化ポリイミド膜はミクロ相分離構造を有し、比較的優れた高温耐水性を有することが明らかにされている。
Figure 2006312693
その他に、側鎖にスルホ基を有するものとして、主鎖の芳香族環にアルキレンエーテル結合を介してスルホン化芳香族基を結合したポリイミド(特許文献5)や下記式(21)
‐R‐SO3H (21)
(Rは、アルキレン、ハロゲン化アルキレン、アリーレン、ハロゲン化アリーレン又はエーテル結合を含むもの)に示される側鎖にスルホン酸基を有するポリイミドが開示されている(特許文献6)。これらのイオン交換体のあるものは、比較的高温下での耐久性や耐加水分解性を有しているが、更なる耐加水分解性が望まれる。
ポリイミドの強い分子間相互作用に基づく優れた特性を活かし、強靱で可撓性に富むスルホン化ポリイミド薄膜で、かつイミド環の耐加水分解性が改良された優れた高温耐水性を有する電解質膜の開発が求められている。これまでに開発されたスルホン化ポリイミド膜は、長期間使用するとイミド環の加水分解が生じ、分子量が低下するために膜は機械的特性を失うことがある。また、高温使用中、経時的にスルホ基の脱離を生じ、イオン交換容量の低下を来たし、性能が低下するという現象が見られることがある。これらの現象は、特に100℃を超える高温で顕著になることから、100℃以上の温度下で用いても長期耐久性と機械的強度を有し、幅広い温度領域で使用可能であり、しかも低湿度下でのプロトン伝導性低下の少ない燃料電池用の電解質膜として使用に耐え得る高分子電解質膜の開発が望まれている。また、本発明の他の目的は高分子電解質膜として適するスルホン化ポリイミドを提供することである。
本発明者等は上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、特定のジアミン化合物をモノマーとして用いたスルホン化ポリイミドは、耐熱性の高い、100〜120℃の温度条件下でも高い機械的強度を保ち、しかも経時的劣化の少ない陽イオン交換膜、特に燃料電池用高分子電解質膜に適するスルホン化ポリイミド膜を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される構造単位を有することを特徴とするフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドである。
Figure 2006312693
(但し、Ar1は少なくとも1つの芳香環を有する4価の基であり、Ar2は下記式(2)で示される2価の基である。)
Figure 2006312693
(但し、Xは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は4級アミンである。)
また、本発明は、上記式(1)で表される構造単位を5〜100モル%、下記式(3)で表される構造単位を0〜95モル%有するフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドである。
Figure 2006312693
(但し、Ar3は少なくとも1つの芳香環を有する4価の基であり、Ar4はAr2とは異なる少なくとも1つの芳香環を有し、-SO3Xを有しない2価の基である。)
上記式(1)及び(3)において、Ar1及びAr3が下記式(4)又は(5)で示される4価の基であるとより良好な物性を示すフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドとなる。
Figure 2006312693
(但し、Z及びYは直結合、CO、O、CH2又はSOである。)
更に、本発明は、上記のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドを製膜して得られる高分子電解質膜である。
この高分子電解質膜は、次の要件の1以上を満たすことが望ましい。
1)30μm厚の高分子電解質膜を温度130℃の加圧熱水中に190時間浸漬後、180°折り曲げても破断せず、破断応力が50MPa以上であること。
2)温度60℃で相対湿度100%においてプロトン伝導度が0.10S/cm以上、相対湿度50%においてプロトン伝導度が0.004S/cm以上、温度120℃で相対湿度50%においてプロトン伝導度が0.03S/cm以上、更に130℃の加圧熱水中に190時間浸漬し、その前後において、プロトン伝導度の低下が見られないこと。
また、本発明のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドの製造方法は、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸類とから合成するに当たり、芳香族ジアミンとして下記式(6)で表されるフェノキシ基含有芳香族ジアミン5〜100モル%と、他の芳香族ジアミン0〜95モル%とを使用することを特徴とする。
Figure 2006312693
(但し、Xは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は4級アミンである。)
以下、本発明を更に説明する。
本発明のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドは、前記式(1)又は式(1)と式(3)で表される構造単位を有する。このポリイミドは、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸類(好ましくは、芳香族テトラカルボン酸二無水物)とを反応させることにより合成することができる。式(1)又は式(3)において、芳香族ジアミンはAr2又はAr4を与え、芳香族テトラカルボン酸類はAr1又はAr3を与えるので、好ましいAr1〜Ar4は以下に示すジアミン成分及び芳香族テトラカルボン酸類から理解される。
式(1)で表される構造単位を形成するジアミン成分としては、上記式(6)で表されるフェノキシ基含有芳香族ジアミンが用いられ、これと芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得ることができる。式(6)中、Xは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は4級アミンであり、好ましくは水素原子である。また、C6H4はフェニレン基であり、o-、m-又はp-フェニレンであることができるが、好ましくはp-フェニレンである。
本発明のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドの合成に用いられる芳香族テトラカルボン酸類としては、特に限定されるものではないが、例えば、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3',3,4'−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ピロメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、4,4'−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸、m−(ターフェニル)3,4,3",4"−テトラカルボン酸又はそれらの酸二無水物やエステル化物を挙げることができる。特に、次式(7)又は(8)で示されるナフタレン環を有し、六員環のイミドを形成し得る酸二無水物がスルホン化ポリイミドの耐水性から好適である。なお、式(8)において、Z及びYは直結合、CO、O、CH2及びSOから選ばれ、同一であっても異なっていてもよい。好ましくは直結合である。
Figure 2006312693
よって、本発明の好ましいスルホン化ポリイミドは、次式(9)又は(10)で示される構造単位を有する。ここで、Z及びYは上記と同義である。
Figure 2006312693
本発明のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドは、ジアミン成分として前記式(6)で表されるフェノキシ基含有芳香族ジアミン成分と共に、置換基としてスルホ基(SO3X)を有しないジアミン成分を併用してもよい。すなわち、本発明のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドは、前記式(1)で示される構造単位と共に、式(3)で示される構造単位を含んで構成されたものであってもよい。
式(3)において、Ar3は少なくとも1つ以上の芳香環を有する4価の基であり、Ar4は少なくとも1つ以上の芳香環を有する2価の基であって置換基としてスルホ基を有しないものである。なお、Ar1とAr3とは、同一であっても異なっていてもよい。
式(3)においてAr3を形成する芳香族テトラカルボン酸類としては、前述と同様の芳香族テトラカルボン酸を好適に用いることができる。好ましくは、式(3)のAr3において、式(4)又は(5)の残基を与えるものである。
また、式(3)においてAr4を形成する芳香族ジアミンは、置換基としてスルホ基を有しない芳香族ジアミンであって、例えば、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4'−オキシジアニリン、3,4'−オキシジアニリン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、3,3'−ビス(3−アミノフェニル)スルホン、4,4'−ビス(3-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2'−トリフルオロメチルベンジジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルなどを好適に挙げることができる。
本発明のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミンとを用いて、公知の方法によって容易に行うことができる。芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミンは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を使用してもよいが、少なくとも式(6)で表されるフェノキシ基含有芳香ジアミンを使用する。
例えば、極性溶媒中で、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物、3級アミノ化合物、共沸溶媒としてトルエン又はキシレンなどを添加し、140〜220℃に加熱し生成した水を共沸溶媒と共に除去しながら0.5〜100時間縮重合反応させることによって容易に達成できる。ここで、3級アミノ化合物としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミンなどを挙げることができ、また必要ならば、安息香酸、イソキノリンなどを触媒として添加しても良い。芳香族ジアミンのアミノ基と芳香族テトラカルボン酸二無水物の酸二無水物基に対するモル比は、0.95〜1.05の範囲が好ましく、この範囲から外れると、ポリイミドの分子量が低くなって得られる膜の強度が低下することから好ましくない。上記の縮重合法により使用するフェノキシ基含有芳香ジアミンの種類によっては、アミン塩型のスルホン化ポリイミドが得られるが、これを塩酸水溶液などに浸漬しイオン交換することによりプロトン型のスルホン化ポリイミドが容易に得られる。また、アミン塩型又はプロトン型のスルホン化ポリイミドをアルカリ金属塩、アンモニウム塩水溶液などに浸漬しイオン交換することによりアルカリ金属塩、アンモニウム塩型のスルホン化ポリイミドが容易に得られる。
本発明のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドは、式(1)で表される構造単位の他に式(3)で表される構造単位を有することができる他、本発明の効果を阻害しない範囲で少量の他の構造単位を有することができる。式(1)で表される構造単位は5〜100モル%、好ましくは50〜100モル%の範囲で含まれることがよい。なお、ポリイミド末端は含有量の計算から除外される。
式(3)で表される構造単位を含む場合は、式(1)/式(3)のモル比は、5/95〜95/5の範囲であり、好ましくは10/90〜95/5、より好ましくは50/50〜95/5、特に好ましくは70/30〜95/5である。共重合フェノキシスルホン化芳香族ポリイミドにおいて、式(1)で示される単位が全重量に対して5モル%未満になると、イオン交換容量やプロトン伝導性などの特徴を発現し難くなるので好ましくない。また、共重合フェノキシスルホン化芳香族ポリイミドの構造は、ランダム共重合及びブロック共重合体のいずれであってもよい。
本発明のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドは、その溶液粘度(35℃、0.5wt%溶液)が0.7〜20dl/g、好ましくは2.0〜10dl/gの範囲にあることが製膜性や膜の性状の点で好ましい。このフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドの用途には制限はないが、その電解質性、イオン交換性、導電性から、膜、粒子、繊維状に成形し、電気透析、拡散透析、電池隔膜等の用途に適する。膜を形成する場合は、フェノキシスルホン化芳香族ポリイミド又はその前駆体(ポリアミック酸)の溶液を基材上に所定厚みに塗布し、乾燥又は硬化させることにより得られる。
本発明のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドからなるフィルムは、耐水性が極めて良好である。具体的には、30μm厚のフィルムを温度130℃の加圧熱水中に190時間浸漬後、180°折り曲げても破断せず、破断応力が50MPa以上であるものとすることができ、これは電池隔膜等の用途に優れる。一方、従来の特許文献などに記載されている2,2'−ベンジジンジスルホン酸等のスルホ基が主鎖の芳香環に直接結合したスルホン化芳香族ジアミンから合成したスルホン化芳香族ポリイミドのフィルムは、スルホ基の結合した芳香環のイミド環が容易に加水分解を起こすので、非スルホン化ジアミンとの共重合組成にも依存するが、同様の条件では1分〜数時間程度で溶解ないし破断する。なお、180°折り曲げは、折り目の角度が0°となるように折り曲げることをいう。
また、本発明のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドからなる高分子電解質膜は、温度60℃で、プロトン伝導度が相対湿度100%において0.10S/cm以上であることが好ましく、0.15〜0.5S/cmの範囲にあることが特に好ましい。また、相対湿度50%においては、0.004S/cm以上であることが好ましく、0.006〜0.05S/cmの範囲にあることが特に好ましい。更に好ましくは、温度120℃で相対湿度50%において、0.03S/cm以上の極めて高いプロトン伝導度を示す。また、130℃の加圧熱水中に190hr浸漬の前後において、プロトン伝導度の低下が実質的に観測されないこと(±5%の範囲内)がよい。
本発明のポリイミドは、機械的強度が優れ、且つ主鎖を構成する芳香族環に直接スルホン酸基が結合しているポリイミド、エーテル結合を介してアルキル基にスルホン酸基が結合したポリイミドや3,3'-(4-スルホフェノキシ)ベンジジンを一方の成分とするポリイミドなどに比べて、高温下での酸性水溶液中など過酷な条件下で用いた場合の加水分解による高分子鎖の切断及びスルホン酸基の脱離等経時的劣化が少なく、しかも低湿度下でのプロトン伝導性低下が少なく、燃料電池電解質膜として使用した場合、燃料の水素ガス等とメタノール等の液体に対して高いバリヤー性を併せ持つ、優れた電解質膜とすることができる。すなわち、本発明のポリイミドの場合、主鎖を構成する部分に親水性の基であるスルホン酸基は存在せず、スルホン酸基を有する側鎖芳香環はエーテル基を介して主鎖を構成するフェニル環と結合しており、親水性のスルホン酸基含有側鎖芳香環がイミド環から離れた構造になっているので、疎水性の主鎖部と親水性の側鎖基部がミクロ相分離構造をとり易い。そのため、ポリイミド主鎖部の疎水性ドメインへ水収着量は少なく、電解質膜としての利用時に主鎖が加水分解を受け難くなるのである。更に、3,3'-(4-スルホフェノキシ)ベンジジンを一方の成分とするポリイミドに比べて、特に低湿度下での水蒸気収着量が大きく、プロトン伝導度が大きい、優れた特性を持つのである。
本発明のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドは、電解質膜として実用的に極めて好適なものであって、イオン交換用、燃料電池用高分子電解質膜用、ガスセンサー用などに好適に用いることができる。また、プロトン伝導性が高く、耐熱性が高く、機械的強度が大きい固体電解質であるポリイミドで、陽イオン交換体や各種電解用隔膜等とした場合、ガス及び液体に対するバリヤー性が大きく、特に燃料電池用電解質膜として優れた性質を有する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、H−NMRのデータは、溶媒として重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)を用いて、日本電子JEOL EX−270により測定した。
また、評価方法及び評価基準は以下のとおりである。
〔吸水性〕
スルホン化ポリイミドからなる膜のサンプル約80mgを120℃で2時間真空乾燥し、乾燥重量Wdを測定した後、30℃及び100℃で2〜4時間に水に浸漬した。サンプルを水から取り出し、手早く表面に付着した水を拭き取り、膨潤時の膜重量Wsを測定し、次式から吸水率(WU)を求めた。
WU=〔(Ws−Wd)/Wd〕×100
〔耐水性〕
膜厚約30μmの膜サンプルを130℃加圧下熱水に192時間浸漬した後、膜形状と強度の観点から、次の5段階で評価した。なお、II〜Vで用いたフィルム片は、浸漬処理、風乾後に幅5mm長さ2cmの形状としたものである。
I:膜形状を保持していない。
II:フィルム片の両端をつかんで(つかみしろが5mm)折り曲げると膜が破断。
III:折り目の角度が0度となるように、フィルム片を折り目を付けて曲げると破断。
IV:折り目を付けて曲げても破断しないが、元に曲げ戻すと破断。
V:折り目を付けて曲げても、さらに曲げ戻しても破断せず。
また、加圧水浸漬処理した膜を風乾後、60℃、100〜80%RHでプロトン伝導度を測定し、プロトン伝導度の観点から、次の3段階で評価した。
A:処理によりプロトン伝導度が20%以上低下。
B:5〜19%低下。
C:±5%の範囲内。
〔機械的強度〕
膜厚約30μmの膜サンプル(幅5mm、長さ4cm)を(株)オリエンテック製のテンシロン万能試験機(RTC-1150A、ロードセルUR-50N-D)を用いて引っ張り試験を行った。測定は、未処理膜及び130℃加圧下熱水に48時間と192時間浸漬した後風乾した膜について行った。
〔プロトン伝導性〕
プロトン伝導度測定セルに膜シート(1.0cm×0.5cm)と4枚の白金黒電極板をとりつけ、温度制御した水中又は温度・湿度制御したチャンバー内にセットし、日置電気(株)製のLCRメーター(HIOKI3552‐80)を用いて、100Hzから100kHzの周波数範囲で複素インピーダンス法により電気抵抗Rを測定し、60℃でのプロトン伝導度σを次式から計算した。
σ=d/(tss R)
ここで、dは2電極間距離(0.5cm)、tsとwsは、室温で70%RHにおける膜シートの厚さと幅である。水中でのプロトン伝導度の計算には、水中でのtsとws値を用いた。
〔メタノール透過係数〕
液々透過測定セルの供給側セル(容量350ml)と透過側セル(容量100ml)の間にフッ素ゴムのシール板を介して膜シートをはさみつける。膜の供給側に30wt%メタノール水溶液を入れ、透過側に蒸留水を入れ、ガスクロマトグラフを用いて、任意の時間間隔での供給側と透過側の液組成を測定し、50℃でのメタノール透過係数PMを求めた。なおPMの計算には膨潤膜厚を用いた。
〔溶液粘度ηSP/c〕
溶媒:m−クレゾール;0.5wt%;35℃で測定。
以下の実施例及び比較例で用いた化合物の略号は次のとおりである。
NTDA:1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物
2,2'−BSPB:2,2'−ビス(3−スルホプロポキシ)ベンジジン
2,2'−BSPOB:2,2'−ビス(3−スルホフェノキシ)ベンジジン
3,3'−BSPOB:3,3'−ビス(3−スルホフェノキシ)ベンジジン
BAPB:4,4'-ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル
BAPBDS:3,3'−(4,4'−ジアミノフェノキシ)ビフェニルスルホン酸
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
合成例1
100ml三つ口フラスコに6.001g(16.3mmol)の2,2'−ジフェノキシ−4,4'−ジアミノビフェニル(m−PHOB)を入れ、アイスバスで冷却した後、9mlの濃硫酸を攪拌しながらゆっくりと添加した。m-PHOBを完全に溶解させた後、3mlの発煙硫酸(SO360%)をゆっくりと添加した。発煙硫酸を完全に添加した後、該混合物を攪拌しつつ0℃で0.5時間保持した。次いで、ゆっくりと40℃まで加温し、40℃で2時間保った。その後、室温まで冷却した後、混合物を破砕した100gの氷中に注ぎ、白色固体を析出させた。固体を濾別後、60℃で15時間減圧乾燥して6.04gの白色固体生成物質を得た(収率70%)。この生成物の融点は300℃以上であった。この化合物は、1HNMR(270MHz,DMSO‐d6)により、δ:6.04‐6.05ppm (2H, S), 6.28‐6.32 (2H, D), 6.75‐6.79 (4H, D), 6.92.‐6.95 (2H, D),7.51‐7.54 (4H,D)のピークを示し、その帰属と積分強度比から、生成物が下記式で表される2,2’−BSPOBであることが確認された。KBr錠剤法により測定したIRスペクトルを図1に示す。
Figure 2006312693
実施例1
乾燥した100mlの四口フラスコ中で1.053g(1.99mmol)の2,2’−BSPOBと0.67mlのトリエチルアミン(TEA)を9mlのm−クレゾールに加えて溶かし、次いで、0.532g(1.99mmol)のNTDA及び0.337gの安息香酸を加え、窒素ガス雰囲気下で混合物を80℃で4時間そして180℃で15時間攪拌した。重合反応液を80℃まで冷却後、25mlのm−クレゾールを加え希釈後、多量のアセトンに投入し、析出した固体を濾別し、アセトン洗浄後乾燥した。得られた生成物の溶液粘度ηSP/cは4.1dl/gであった。生成物をm−クレゾールに溶解し、ガラス板上に流延し、100℃で1時間そして120℃で10時間乾燥して、TEA塩型のスルホン化ポリイミド膜を得た。これをメタノールに1日間浸漬し、次いで0.5M硫酸溶液に3日間浸漬しプロトン交換した後、水洗し150℃で10時間真空乾燥して下記式で示される構造単位からなるプロトン型のスルホン化ポリイミドNTDA-2,2'-BSPOB膜を得た。IRの測定結果を図2に示す。
Figure 2006312693
実施例2
乾燥した100mlの四つ口フラスコ中で2.534g(4.78mmol)の2,2’−BSPOBと1.61mlのTEAを24.5mlのm−クレゾールに加えて溶かし、次いで、0.877g(2.38mmol)のBAPBを添加して溶かした後、1.918g(7.15mmol)のNTDA及び1.212gの安息香酸を加え、窒素ガス雰囲気下で混合物を80℃で4時間そして180℃で15時間攪拌し、重合反応液を80℃まで冷却後、65mlのm‐クレゾールを加え希釈後、多量のアセトンに投入し、析出した固体を濾別し、アセトン洗浄後乾燥した。得られた生成物の溶液粘度ηSP/cは3.9dl/gであった。生成物をm−クレゾールに溶解し、ガラス板上に流延し、100℃で1時間そして120℃で10時間乾燥して、TEA塩型の共重合スルホン化ポリイミド膜を得た。これをメタノールに1日間浸漬し、次いで0.5M硫酸溶液に3日間浸漬しプロトン交換した後、水洗し150℃で10時間真空乾燥してプロトン型のランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA-2,2'-BSPOB/BAPB(2/1)-r膜を得た。IR測定結果を図3に示す。
比較例1
乾燥した100mlの四口フラスコ中で2.248g(4.24mmol)の3,3’−BSPOBと1.57mlのTEAを22mlのm−クレゾールに加えて溶かし、次いで、0.781g(2.12mmol)のBAPBを添加して溶かした後、1.702g(6.35mmol)のNTDA及び1.081gの安息香酸を加え、窒素ガス雰囲気下で混合物を80℃で4時間そして180℃で20時間攪拌し、重合反応液を80℃まで冷却後、45mlのm‐クレゾールを加え希釈後、多量のアセトンに投入し、析出した固体を濾別し、アセトン洗浄後乾燥した。得られた生成物の溶液粘度ηSP/cは2.1dl/gであった。生成物をm−クレゾールに溶解し、ガラス板上に流延し、100℃で1時間そして120℃で10時間乾燥して、TEA塩型の共重合スルホン化ポリイミド膜を得た。これをメタノールに1日間浸漬し、次いで0.5M硫酸溶液に3日間浸漬しプロトン交換した後、水洗し150℃で10時間真空乾燥してプロトン型のランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA-3,3'-BSPOB/BAPB(2/1)-r膜を得た。
比較例2
3,3’−BSPOBの代わりにBAPBDSを用いた以外は、比較例1と同様に行った。溶液粘度ηSP/cが2.0dl/gの樹脂を得てから、同様な手順でプロトン型のランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA-BAPBDS/BAPB(2/1)-r膜を得た。
比較例3
3,3’−BSPOBの代わりに2,2’−BSPBを用いた以外は、比較例1と同様に行った。溶液粘度ηSP/cが5.7dl/gの樹脂を得てから、同様な手順でプロトン型のランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA-2,2'-BSPB/BAPB(2/1)-r 膜を得た。
〔ポリイミド膜の評価〕
上記実施例及び比較例で調製したポリイミド膜の耐水性、吸水性、プロトン伝導性及びメタノール透過性を評価した。結果を表1に示す。また、実施例2と比較例1の膜の加圧水浸漬前後での膜の引っ張り試験結果を表2に示す。また、実施例2と比較例1の膜のプロトン伝導度の温度依存性を図4に、実施例1〜2と比較例1〜3の60℃でのプロトン伝導度の湿度依存性を図5に示す。なお、表1において、φはプロトン伝導度/メタノール透過係数を表す(50℃、30wt%メタノール濃度、単位は104 Ss/cm3)。
Figure 2006312693
Figure 2006312693
以上の結果より、以下のことが分かる。
1)実施例1〜2の膜は比較例2〜3の膜に比べて、機械的強度の観点からの膜の高温耐水性に優れている。、2)実施例2の膜は、比較例1の膜に比べて、加圧水浸漬後、引っ張り試験で破断応力が1.5〜2倍大きく、膜の高温耐水性に優れている。3)実施例2の膜は、比較例1の膜と比べて、同じイオン交換容量を持つにもかかわらず、高いプロトン伝導度を有する。特に、低湿度でその差が大きくなり、60℃で50%RHでは、4倍大きい。4)実施例2の膜は、120℃、50%RHにおいて、0.05S/cmの高いプロトン伝導度を有する。5)実施例2の膜は、メタノール透過係数が非常に低く、メタノール透過係数に対するプロトン伝導度の比φが50℃、30wt%メタノール溶液に対して、比較的大きな値を有する。
本発明のポリイミドは、比較例のポリイミドと同様に非常に低いメタノール透過係数を示す一方、2,2'-BSPOBは、4-スルホフェノキシ基がアミノ基に対しメタ位に結合しており、オルト位に結合している3,3'-BSPOBとは大きく異なる性質を持つポリイミドを与え、高温耐水性及び全湿度でのプロトン伝導性に優れることが分かった。また、これからの特性は、2,2'-BSPBからのポリイミドに比べても、大きく上回っていることが分かった。そこで、本特許でのスルホン化ポリイミド膜は、高温並びに加湿での固体高分子形燃料電池用の高分子電解質膜として、また、直截メタノール形燃料電池用の高分子電解質膜として好適である。
合成例1で得られた化合物のIRスペクトル 実施例1で得られたポリイミドのIRスペクトル 実施例2で得られたポリイミドのIRスペクトル ポリイミド膜のプロトン伝導度の温度依存性 ポリイミド膜のプロトン伝導度の60℃での湿度依存性

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される構造単位を有することを特徴とするフェノキシスルホン化芳香族ポリイミド。
    Figure 2006312693
    (但し、Ar1は少なくとも1つの芳香環を有する4価の基であり、Ar2は下記式(2)で示される2価の基である。)
    Figure 2006312693
    (但し、Xは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は4級アミンである。)
  2. 式(1)で表される構造単位を5〜100モル%、下記式(3)で表される構造単位を0〜95モル%有する請求項1記載のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミド。
    Figure 2006312693
    (但し、Ar3は少なくとも1つの芳香環を有する4価の基であり、Ar4は少なくとも1つの芳香環を有し、-SO3Xを有しない2価の基である。)
  3. Ar1及びAr3が下記式(4)又は(5)で示される請求項1又は2に記載のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミド。
    Figure 2006312693
    (但し、Z及びYは直結合、CO、O、CH2又はSOである。)
  4. 請求項1〜3のいずれか記載のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドを製膜して得られる高分子電解質膜。
  5. 30μm厚の高分子電解質膜を温度130℃の加圧熱水中に190時間浸漬後、180°折り曲げても破断せず、破断応力が50MPa以上である請求項4記載の高分子電解質膜。
  6. 温度60℃で相対湿度100%において、プロトン伝導度が0.10S/cm以上、相対湿度50%において、プロトン伝導度が0.004S/cm以上、温度120℃で相対湿度50%において、プロトン伝導度が0.03S/cm以上、更に130℃の加圧熱水中に190時間浸漬し、その前後において、実質的にプロトン伝導度の低下が見られない請求項4又は5いずれか記載の高分子電解質膜。
  7. 芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸類とから請求項1記載のフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドを製造するに当たり、芳香族ジアミンとして下記式(6)で表されるフェノキシ基含有芳香族ジアミン5〜100モル%と、他の芳香族ジアミン0〜95モル%とを使用することを特徴とするフェノキシスルホン化芳香族ポリイミドの製造方法。
    Figure 2006312693
    (但し、Xは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は4級アミンである。)
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