JP2004155974A - 半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)無機質充填剤
(D)式(1)のオルガノポリシロキサン
R1 hR2 kSi(OR3)p(OH)qO(4−h−k−p−q)/2 ・・・(1)
(R1はフェニル基、R2は一価炭化水素基又は水素原子、R3は一価炭化水素基、0≦h≦2.0、0≦k≦1.0、0≦p≦2.5、0≦q≦0.35、0.92≦h+k+p+q≦2.8)
(E)式(2)のホスファゼン化合物
【化1】
[Xは
【化2】
、0≦a<2n、0<b+d+f≦2n、b、d、fの2つが0の場合a+b+d+f=2n、1つが0の場合a+2(b+d+f)=2n、3つとも0でない場合a+3(b+d+f)=2n、0<c+e+g<100、0<fのときg=0、0<gのときf=0、3≦n≦1000]
を必須成分とする半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物。
【効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性に優れ、難燃性及び耐湿信頼性に優れた硬化物が得られる。
【選択図】 な し
(B)硬化剤
(C)無機質充填剤
(D)式(1)のオルガノポリシロキサン
R1 hR2 kSi(OR3)p(OH)qO(4−h−k−p−q)/2 ・・・(1)
(R1はフェニル基、R2は一価炭化水素基又は水素原子、R3は一価炭化水素基、0≦h≦2.0、0≦k≦1.0、0≦p≦2.5、0≦q≦0.35、0.92≦h+k+p+q≦2.8)
(E)式(2)のホスファゼン化合物
【化1】
[Xは
【化2】
、0≦a<2n、0<b+d+f≦2n、b、d、fの2つが0の場合a+b+d+f=2n、1つが0の場合a+2(b+d+f)=2n、3つとも0でない場合a+3(b+d+f)=2n、0<c+e+g<100、0<fのときg=0、0<gのときf=0、3≦n≦1000]
を必須成分とする半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物。
【効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性に優れ、難燃性及び耐湿信頼性に優れた硬化物が得られる。
【選択図】 な し
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形性に優れるとともに、難燃性及び耐湿信頼性に優れ、臭素化エポキシ樹脂等の臭素化物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物を含有しない硬化物を得ることができる半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、半導体デバイスは樹脂封止型のダイオード、トランジスター、IC、LSI、超LSIが主流であるが、エポキシ樹脂が他の熱硬化性樹脂に比べて成形性、接着性、電気特性、機械特性、耐湿性等に優れているため、エポキシ樹脂組成物で半導体装置を封止することが一般的である。半導体デバイスは家電製品、コンピュータ等、生活環境のあらゆる所で使用されているため、万が一の火災に備えて、半導体装置には難燃性が要求されている。
【0003】
半導体封止用エポキシ樹脂組成物中には、難燃性を高めるため、一般にハロゲン化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとが配合されている。このハロゲン化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとの組み合わせは、気相においてラジカルトラップ、空気遮断効果が大きく、その結果、高い難燃効果が得られるものである。
【0004】
しかし、ハロゲン化エポキシ樹脂は燃焼時に有毒ガスを発生するという問題があり、また三酸化アンチモンにも粉体毒性があるため、人体、環境に対する影響を考慮すると、これらの難燃剤を樹脂組成物中に全く含まないことが好ましい。
【0005】
このような要求に対して、ハロゲン化エポキシ樹脂あるいは三酸化アンチモンの代替として、従来からAl(OH)3、Mg(OH)2等の水酸化物、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤等の検討がなされてきている。しかし、Al(OH)3、Mg(OH)2等の水酸化物は難燃効果が低いため、難燃組成とするためには、エポキシ樹脂組成物中に水酸化物を多量に添加しなければならず、その結果、組成物の粘度が上昇し、成形時にボイド、ワイヤー流れ等の成形不良が発生するという問題がある。一方、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤をエポキシ樹脂組成物に添加した場合、半導体装置が高温高湿条件にさらされると、リン系難燃剤が加水分解されてリン酸が生成し、このリン酸がアルミ配線を腐食させ、信頼性を低下させるという大きな問題があった。
【0006】
この問題を解決するため、特許第2843244号明細書(特許文献1)では、赤リンの表面にSiXOY組成からなる被覆層で被覆した化合物を難燃剤として使用したエポキシ樹脂組成物が提案されているが、上記の耐湿信頼性は改善されていないのが現状である。また、特開平10−259292号公報(特許文献2)では、環状ホスファゼン化合物を、充填剤を除く配合成分の合計量に対して、燐原子の量が0.2〜3.0重量%となる量を使用したエポキシ樹脂組成物も提案されているが、難燃性を得るためには相当な量をエポキシ樹脂組成物に添加する必要があり、その場合は硬化性の低下ならびに高温環境下での電気抵抗性低下を引き起こす等の問題点があった。
【0007】
【特許文献1】
特許第2843244号明細書
【特許文献2】
特開平10−259292号公報
【特許文献3】
特公昭63−60069号公報
【特許文献4】
特公昭63−60070号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、臭素化エポキシ樹脂等の臭素化物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物を含有せず、成形性に優れるとともに、難燃性及び耐湿信頼性に優れる硬化物を得ることができる半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機質充填剤、(D)下記平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサン又は(F)下記平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体、及び(E)下記平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物を必須成分とし、臭素化物及びアンチモン化合物を実質的に含まない半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物が、成形性に優れると共に、難燃性及び耐湿信頼性に優れる硬化物となり得ることを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
R1 hR2 kSi(OR3)p(OH)qO(4−h−k−p−q)/2 ・・・(1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6の一価炭化水素基又は水素原子、R3は炭素数1〜4の一価炭化水素基を表し、h,k,p,qは、0≦h≦2.0、0≦k≦1.0、0≦p≦2.5、0≦q≦0.35、0.92≦h+k+p+q≦2.8の範囲である。)
【0011】
HrRsSiO(4−r−s)/2 ・・・(1’)
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、r,sは、0.001≦r≦1、1≦s≦3、1.001≦r+s≦3を満足する正数である。)
【0012】
【化5】
[式中、Xは
【化6】
であり、a、b、c、d、e、f、g、nは、0≦a<2n、0<b+d+f≦2nで、b、d、fのうち2つが0の場合a+b+d+f=2n、1つが0の場合a+2(b+d+f)=2n、3つとも0でない場合a+3(b+d+f)=2n、0<c+e+g<100、0<fのときg=0、0<gのときf=0、3≦n≦1000を満たす数である。]
【0013】
従って、本発明は、下記に示す半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物及び半導体装置を提供する。
〔I〕(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)無機質充填剤
(D)上記平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサン
(E)上記平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物
を必須成分とし、臭素化物及びアンチモン化合物を実質的に含まないことを特徴とする半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物。
〔II〕(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)無機質充填剤
(E)上記平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物
(F)上記平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体
を必須成分とし、臭素化物及びアンチモン化合物を実質的に含まないことを特徴とする半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物。
〔III〕〔I〕又は〔II〕記載の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置。
【0014】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、このように、臭素化物、アンチモン化合物を実質的に含まないものである。一般に、エポキシ樹脂組成物中には、難燃性を達成するため、臭素化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとが配合されているが、本発明のエポキシ樹脂組成物は、この臭素化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとを使用せずに、難燃規格であるUL−94、V−0を達成することができるものである。
【0015】
ここで、臭素化エポキシ樹脂あるいは三酸化アンチモンの代替として、従来からAl(OH)3、Mg(OH)2等の水酸化物、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤等が検討されている。しかし、これらの公知の代替難燃剤は、特に高温において耐水性が弱く、難燃剤自身が溶解、分解して、抽出水中の不純物イオンを増加させるという共通の欠点があった。このため、臭素化物、アンチモン化合物を実質的に含まない従来の難燃性エポキシ樹脂組成物で封止された半導体装置を長時間高温高湿下に放置すると、半導体装置のアルミ配線が腐食し、耐湿信頼性が低下するという問題があった。
【0016】
本発明者等は、上記不都合を解決すべく鋭意検討を行った結果、難燃剤として、(D)平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサン又は(F)平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体と、(E)平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物の2種を併用した半導体封止用エポキシ樹脂組成物が、前述のように抽出水中の不純物イオンを増加させることもなく、成形性に優れ、難燃性及び耐湿信頼性に優れた硬化物を得ることができることを見出したものである。
【0017】
この場合、これらの化合物は、いずれも耐水性が高く、抽出水中の不純物イオンを増加させる作用がないものである。しかし、これらの化合物をそれぞれ単独で使用した場合は、難燃効果が不十分であったり、エポキシ樹脂組成物の流動性が低下したり、あるいは硬化性が低下したりする不都合があったが、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、難燃剤として、(D)平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサン又は(F)平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体と、(E)平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物の2種を併用したことにより、それぞれの添加量を最小限に抑えることができるため、上述のような成形時の問題点もなく、しかも難燃性及び耐湿信頼性に特に優れた硬化物を得ることができるものである。
【0018】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を構成する(A)エポキシ樹脂は特に限定されない。一般的なエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、スチルベン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。これらのうちでは、芳香環を含むエポキシ樹脂が好ましい。なお、本発明においては臭素化エポキシ樹脂は配合されない。
【0019】
上記エポキシ樹脂は、加水分解性塩素が1000ppm以下、特に500ppm以下であり、ナトリウム及びカリウムはそれぞれ10ppm以下の含有量とすることが好ましい。加水分解性塩素が1000ppmを超えたり、ナトリウム又はカリウムが10ppmを超える場合は、長時間高温高湿下に半導体装置を放置すると、耐湿性が劣化する場合がある。
【0020】
本発明に用いる(B)硬化剤も特に限定されるものではない。一般的な硬化剤としては、フェノール樹脂が好ましく、具体的には、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。
【0021】
上記硬化剤は、エポキシ樹脂と同様に、ナトリウム及びカリウムの含有量をそれぞれ10ppm以下とすることが好ましい。ナトリウム又はカリウムが10ppmを超える場合は、長時間高温高湿下に半導体装置を放置すると、耐湿性が劣化する場合がある。
【0022】
ここで、エポキシ樹脂、硬化剤の配合量は特に制限されないが、硬化剤としてフェノール樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂中に含まれるエポキシ基1モルに対して、硬化剤及び後述するホスファゼン化合物中に含まれるフェノール性水酸基のモル比が0.5〜1.5、特に0.8〜1.2の範囲となる量であることが好ましい。
【0023】
また、本発明において、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進させるため、硬化促進剤を用いることが好ましい。この硬化促進剤は、硬化反応を促進させるものであれば特に制限はなく、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレートなどのリン系化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物等を使用することができる。
【0024】
硬化促進剤の配合量は有効量であるが、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100重量部に対し、0.1〜5重量部、特に0.5〜2重量部とすることが好ましい。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物中に配合される(C)無機質充填剤としては、通常エポキシ樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。例えば溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化チタン、ガラス繊維等が挙げられる。
【0026】
これら無機質充填剤の平均粒径や形状及び無機質充填剤の充填量は、特に限定されないが、難燃性を高めるためには、エポキシ樹脂組成物中に成形性を損なわない範囲で可能な限り多量に充填させることが好ましい。この場合、無機質充填剤の平均粒径、形状として、平均粒径5〜30μmの球状の溶融シリカが特に好ましく、また、(C)成分である無機質充填剤の充填量は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100重量部に対し、400〜1200重量部とすることが好ましく、特に500〜1000重量部とすることが好ましい。
【0027】
なお、本発明において、平均粒径は、例えばレーザー光回折法等による重量平均値(又はメディアン径)等として求めることができる。
【0028】
無機質充填剤は、樹脂と無機質充填剤との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤で予め表面処理したものを配合することが好ましい。このようなカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトシラン等のメルカプトシランなどのシランカップリング剤を用いることが好ましい。ここで表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではない。
【0029】
本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、(D)平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサンを配合する。
【0030】
R1 hR2 kSi(OR3)p(OH)qO(4−h−k−p−q)/2 ・・・(1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基等の一価炭化水素基(但し、フェニル基を除く)又は水素原子、R3は炭素数1〜4のアルキル基、アルケニル基等の一価炭化水素基を表し、h,k,p,qは、0≦h≦2.0、0≦k≦1.0、0≦p≦2.5、0≦q≦0.35、0.92≦h+k+p+q≦2.8を満足する数である。)
【0031】
本発明の樹脂組成物が良好な難燃性を示す理由は定かではないが、上記平均組成式(1)で表されるシリコーン化合物を含む本発明の樹脂組成物を燃焼させた場合、アルコキシ基の酸化分解架橋によりオルガノシロキサンと特に芳香族を含むエポキシ樹脂が結合して燃焼部周辺に固定され、更にオルガノシロキサンに高含有率で含まれるフェニル基は特に芳香環を含むエポキシ樹脂との間で、各々が持つ芳香環相互のカップリングにより不燃性のSi−Cセラミック層を容易に形成し、高い難燃効果を発現すると考えられる。この難燃化機構が有効に働くために好ましいアルコキシ基含有率は、オルガノシロキサンの平均組成式中のp、すなわちSi原子1モルに対するアルコキシ基のモル数が、好ましくは0.42〜2.5である。0.42未満では架橋性が低すぎて燃焼部周辺に固定化され難いため、また、2.5を超えると低分子量なオルガノシロキサンしか得られず、燃焼時に固定化される前に熱で気化することによる損失率が高くなるため、いずれの場合も難燃化効果が低下してしまう場合がある。更に好ましいアルコキシ基含有率はSi原子1モルに対して0.5〜2.3モルである。
【0032】
平均組成式(1)中のR3は、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基から選ばれ、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル基であり、炭素数5以上のアルキル基はアルコキシ基としての反応性が低く、難燃化効果が期待できない。
【0033】
一方、オルガノシロキサンに含まれるシラノール基も反応性が低く、難燃性にほとんど寄与することはないが、保存安定性の面や加工性の面から、オルガノシロキサン平均組成式におけるqの値で0.35以下が好ましい。
【0034】
上述の難燃化機構が有効に働くために必要なもう一つの要素であるフェニル基含有率については、平均組成式のh、すなわちSi原子1モルに対するフェニル基のモル数で、好ましくは0.5〜2.0である。0.5未満だとフェニル基が少なすぎて難燃化効果が得られない場合がある。2.0を超えるとフェニル基含有率は十分に高いが、嵩高いフェニル基が一つのSi上に密集した構造を多く含むため、立体障害が大きく、ポリオルガノシロキサン分子の空間的自由度が低下し、芳香環相互のカップリングによる難燃化機構が作用するのに必要な芳香環同士の重なりが困難になり、難燃化効果を低下させる。より好ましいhの値は0.6〜1.8である。
【0035】
Si−C結合でSiに結合する置換基はフェニル基以外の置換基R2を含んでもよい。この置換基は難燃化効果と直接関係がないため、含有量が多くなれば逆効果となるが、適量含有させることで、嵩高いフェニル基含有率の高いオルガノシロキサン分子の立体障害を緩和して空間的な自由度を向上させ、フェニル基同士の重なりを容易にして難燃化効果を高める方向に働く場合もある。この効果を期待できるR2の含有率は、平均組成式のkの値で1.0以下である。好ましくは平均組成式中のh+kに対するkの比率k/(h+k)で0〜0.3の範囲であり、0.3を超えては相対的なフェニル基含有率が低下して難燃化効果が十分に得られなくなるおそれがある。
【0036】
R2は炭素数1〜6の炭化水素基又は水素原子であり、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基が好ましい。例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル、プロペニル、ブテニル基などのアルケニル基が挙げられる。特にメチル基、ビニル基が、立体障害緩和の点からも工業的にも好ましい。
【0037】
本発明の(D)成分のオルガノポリシロキサンは、下記式(3)
R4SiZ3 ・・・(3)
(但し、式(3)中のR4はR1又はR2と同じ有機基を表し、Zは−OH、−OR5又はシロキサン残基を表し、一つのSi原子に結合している三つのZのうち少なくとも一つはシロキサン結合を含む。)
で表されるシロキサン単位を50モル%以上含有していることが好ましい。この三官能性シロキサン単位は、三次元的な架橋構造を形成してオルガノシロキサン分子構造を強固にすることで樹脂的性質を付与し、エポキシ樹脂組成物への分散性、加工性を向上させる。また、単官能性や二官能性シロキサン単位を多く含む直線的な分子構造のオルガノシロキサンは、燃焼時に起きるシロキサン結合の熱による再配列で揮発性低分子量シロキサンを形成して系外へ逃げやすいのに対し、架橋反応性の高い三官能性シロキサン単位を多く含むオルガノシロキサンは、更に高分子量化して系内に止まり、難燃化に寄与する。三官能性シロキサン単位が50モル%未満ではこれらの効果が小さくなることがあり、より好ましくは三官能性シロキサン単位を60モル%以上含むオルガノシロキサンで高い難燃化効果が発現される。
【0038】
式(3)のR4はR1又はR2と同じであり、アルキル基、アルケニル基、アリール基等であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル、プロペニル、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。特にフェニル基、メチル基、ビニル基が工業的に好ましい。
【0039】
式(3)中のZは−OH、−OR5、又はシロキサン残基を表し、一つのSi原子に結合しているZのうち少なくとも一つはシロキサン単位を含んでいなければならない。なお、シロキサン残基、シロキサン結合とは、−O−(Si≡)を示す(但し、括弧内のSi≡は隣接するSi原子と結合していることを示す)。また、R5は炭素数1〜3のアルキル基を示す。
【0040】
(D)成分のオルガノポリシロキサン中には、三官能性シロキサン単位以外の構成単位として、特性に影響を与えない範囲で二官能性シロキサン単位、単官能性シロキサン単位、四官能性シロキサン単位を含有してもよい。特に四官能性シロキサン単位は三次元的な架橋構造を形成してオルガノポリシロキサン分子構造を強固にすることや、高い架橋反応性が高分子量化を促して系内に止まり、難燃化に寄与する。一方、この四官能性シロキサン単位の含有率が多くなると、エポキシ樹脂への分散性が低下するので、好ましい含有率は50モル%以下である。
【0041】
また、(D)成分であるオルガノポリシロキサンの平均重合度は2.5〜20量体であることが好ましい。重合度は難燃化効果を決める重要な因子であり、この重合度範囲のオルガノシロキサンは、溶融混合時に良く分散し、また燃焼時における熱で溶融して移動し、燃焼部周辺に集まることもできる。また、この動き易さはフェニル基の重なりを容易にすることでも難燃化の効果を向上させる。平均重合度が2.5未満の低分子量オルガノシロキサンでは、燃焼時における熱による気化で難燃化効果が低下してしまい、20を超えると燃焼時の動き易さがなくなり難燃化効果が低下し、またエポキシ樹脂への分散性が悪くなることがある。より好ましくは、平均重合度で2.5〜15量体であり、更に好ましくは平均分子量で410以上2000未満の範囲をも満たすことがよい。
【0042】
このようなオルガノポリシロキサンは公知の方法で製造できる。例えば、上記のシロキサン単位を形成しうるオルガノクロロシランに、全てのクロル基と反応する過剰のアルコールと水を反応させてアルコキシ基含有オルガノシランを形成し、減圧ストリップ等の方法で未反応アルコール、水及び反応副生物である塩化水素を除去して目的物を得る。目標のアルコキシ基含有率や平均分子量のものを調製するには、反応させるアルコールと水の量を調整して行う。水は目標の平均分子量が達成される理論量とし、アルコールは目標のアルコキシ基量を達成する理論量より過剰にすれば目標の構造に近いオルガノポリシロキサンが得られる。
【0043】
上記のシロキサン単位を形成しうるアルコキシシランが入手できれば、目標の平均分子量が達成できる理論量の水を加えて部分加水分解縮合反応させる方法も可能である。この場合は、反応を促進する触媒として、酸、塩基、有機金属化合物を添加することが望ましい。副生したアルコールは常圧蒸留や減圧ストリップにより除去して目的物を得る。より保存安定性を高める必要がある場合は、添加した反応触媒を中和等の方法により除去してもよい。いずれの方法においても、ゲルの発生や分子量分布の広がりを抑制する目的で有機溶剤を配合することも可能である。
【0044】
本発明における(D)成分であるオルガノポリシロキサンの添加量は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、より好ましくは2〜20重量部である。0.1重量部未満では難燃性を十分に付与することができないおそれがあり、50重量部を超えると成形時の粘度が高くなり、また成形品の外観や強度に悪影響を与える場合がある。
【0045】
また、本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、下記平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体(F)を使用することもできる。
【0046】
HrRsSiO(4−r−s)/2 ・・・(1’)
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、r,sは、0.001≦r≦1、1≦s≦3、1.001≦r+s≦3を満足する正数である。)
【0047】
ここで、式(1’)において、Rの一価炭化水素基としては、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、キシリル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、ブロモエチル基等のハロゲン置換一価炭化水素基などを挙げることができる。
【0048】
また、式(1’)において、s,rのより好ましい範囲は、0.01≦r≦0.5、1.5≦s≦2.5、1.51≦r+s≦3.0であり、式(1’)のオルガノポリシロキサンの一分子中におけるケイ素原子数は2〜1000、特に10〜200であることが好ましく、ケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)の数は1〜10、特に1〜5であることが好ましい。また、ブロック共重合体中のオルガノポリシロキサン含有量は5〜50重量%、特に10〜20重量%であることが好ましい。
【0049】
本発明の共重合体の製造方法は、すでに公知であり(特公昭63−60069号公報(特許文献3)、特公昭63−60070号公報(特許文献4)等)、アルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基と、上記式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基との付加反応によって得ることができる。ブロック共重合体として、具体的には下記式(4)で示される構造を例示することができる。
【0050】
【化7】
(上記式中、Rは上記と同じ、R6は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R7は−CH2CH2CH2−、−OCH2−CH(OH)−CH2−O−CH2CH2CH2−又は−O−CH2CH2CH2−である。uは1〜200、好ましくは10〜100の整数、t、vは1〜100、好ましくは1〜20の整数である。)
【0051】
本発明において、(F)ブロック共重合体中のオルガノポリシロキサン含有量は5〜50重量%、特に10〜20重量%であることが好ましい。
【0052】
(F)成分であるブロック共重合体を使用する場合の含有量としては、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、より好ましくは2〜20重量部である。また、共重合体中のオルガノポリシロキサン含有量としては、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100重量部に対してジオルガノポリシロキサン単位で0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜8重量部であることが望ましい。
【0053】
更に、本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、(E)下記平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物を使用するものである。
【0054】
【化8】
[式中、Xは
【化9】
であり、a、b、c、d、e、f、g、nは、0≦a<2n、0<b+d+f≦2nで、b、d、fのうち2つが0の場合a+b+d+f=2n、1つが0の場合a+2(b+d+f)=2n、3つとも0でない場合a+3(b+d+f)=2n、0<c+e+g<100、0<fのときg=0、0<gのときf=0、3≦n≦1000を満たす数である。]
【0055】
上記式(2)で示されるホスファゼン化合物を添加した本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤を添加したエポキシ樹脂組成物と比較して、熱水抽出特性に優れ、耐湿信頼性に特に優れる硬化物を得ることができる。また、上記式(2)で示されるホスファゼン化合物を、(D)平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサン又は(F)平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体と併用することにより、更に高い難燃効果を得ることができる。
【0056】
ここで、式(2)において、nは3〜1000であるが、より好ましい範囲は3〜10である。合成上特に好ましくはn=3である。
【0057】
また、c+e+g=0では、ホスファゼン化合物中の硬化剤として機能するフェノール性水酸基がないためにエポキシ基と反応せず、このホスファゼン化合物の添加量を増やすと、硬化性、高温電気特性が低下する。更に、c+e+gが100以上であると、ホスファゼンがマトリックス中に完全に取り込まれているため、動きにくくなり、燃焼時に効果が得られない。従って0<c+e+g<100であることが必要である。難燃性、硬化性、高温下の電気特性をバランス良く満たすためには、1.2n≦a≦1.8n、0.2n≦b+d+f≦0.8n、1≦c+e+g≦10が望ましい。
【0058】
本発明のホスファゼン化合物は、フェノール樹脂とホスファゼンがランダムに反応している。フェノール樹脂としては、上記式(2)中のXが
【0059】
【化10】
で表されるフェノール樹脂が望ましいが、多官能型フェノール樹脂であればこの限りではない。
【0060】
更に詳しくは、上記フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物は、下記一般式(i)
(NPCl2)m ・・・(i)
(式中、mは1〜100、好ましくは3〜10である。)
で表わされる(I)クロロホスファゼン化合物と、(II)フェノール樹脂と、必要により(III)フェノールとを反応させることにより得ることができる。
【0061】
前記(II)フェノール樹脂として、具体的には、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。これらの中でもアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂など、フェノール当量が大きく、芳香族炭化水素の割合の高いものが難燃性の面より特に好ましい。
【0062】
本発明において、クロロホスファゼン化合物とフェノールとを反応させる際の混合割合としては、上記式(2)及び(i)中のa,mが、0≦a<2m、特に1.2m≦a≦1.8m(モル比)となる量とすることが好ましい。
【0063】
また、フェノール樹脂の混合割合としては、フェノールとの反応後に残っているクロロホスファゼン化合物中のP−Cl結合:フェノール樹脂中の水酸基当量=1:1〜1:100、特に1:2〜1:20となる量とすることが好ましい。
【0064】
本反応は、触媒を用いることが好ましい。触媒としては、例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン等の第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられる。
上記触媒の添加量は有効量であり、特に限定されるものではないが、好ましくはクロロホスファゼン化合物の全P−Cl結合に対して1.2〜2.0当量(モル比)である。
【0065】
本反応は、通常有機溶媒中で行われ、この様な有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン等が挙げられる。
【0066】
本発明の反応方法としては、例えば、クロロホスファゼン化合物、フェノール、触媒を有機溶媒中で反応させ、これにフェノール樹脂を加えて更に反応させた後、再結晶させることにより、目的化合物を得ることができる。
本発明において、反応温度は、収率及び生産効率の面から室温〜100℃が好ましく、特に50〜80℃が好適である。また反応時間は、クロロホスファゼン化合物とフェノールとの反応を1〜48時間、特に3〜20時間とすることが好ましく、フェノール樹脂の滴下後、1〜48時間、特に3〜20時間とすることが好ましい。
【0067】
また、(E)成分であるホスファゼン化合物の添加量は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100重量部に対し、1〜50重量部、特に2〜20重量部が好ましい。添加量が1重量部未満では十分な難燃効果が得られない場合があり、また50重量部を超えると、流動性の低下を引き起こす場合がある。
【0068】
本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、本発明の目的及び効果を発現できる範囲内において、他の難燃剤、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等の無機化合物を添加することもできる。但し、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物は配合されない。
【0069】
本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、シリコーン系等の低応力剤、カルナバワックス、高級脂肪酸、合成ワックス等のワックス類、カーボンブラック等の着色剤、ハロゲントラップ剤等の添加剤を添加配合することができる。
【0070】
本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、その他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。
【0071】
このようにして得られる本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置の封止用として有効に利用でき、この場合、封止の最も一般的な方法としては、低圧トランスファー成形法が挙げられる。なお、本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物の成形は、温度150〜180℃で30〜180秒、後硬化は150〜180℃で2〜16時間行うことが望ましい。
【0072】
【発明の効果】
本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、成形性に優れるとともに、難燃性及び耐湿信頼性に優れた硬化物を得ることができる。しかも、臭素化エポキシ樹脂等の臭素化物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物をエポキシ樹脂組成物中に含有しないので、人体、環境に対する悪影響もないものである。
また、本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、難燃性、耐湿信頼性に優れたものであり、産業上特に有用である。
【0073】
【実施例】
以下、ホスファゼン化合物、オルガノポリシロキサンの合成例、及びエポキシ樹脂組成物の実施例と比較例を示し、本発明を具体的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0074】
[合成例1](化合物A)
窒素雰囲気下、室温にてヘキサクロロシクロトリホスファゼン5.0(14.4mmol)、フェノール6.8g(72.0mmol)、THF200mlの混合物中に、DBU21.9g(144mmol)を滴下した。15時間加熱還流後、下記式(5)
【0075】
【化11】
【0076】
で表わされるフェノール樹脂15.4g(144mmol)のTHF50ml溶液を加えて更に6.5時間加熱還流した。その後、減圧留去して得られた褐色固体を80%酢酸50mlに溶解し、水500mlに移して結晶を得た。その結晶をメタノールに溶かし、水に移して結晶を得た。この操作を水が中性になるまで繰返し、茶褐色結晶(化合物A)を16.5g得た。
【0077】
(化合物A)
【化12】
【0078】
得られた反応生成物の1H−NMR、IRを測定した結果、1H−NMRは3.6−3.9,6.6−7.2,8.0−8.2ppmにピークを示し、IRは700−950,1200−1400cm−1にP−N由来のピークを示した。
【0079】
[合成例2](化合物B)
窒素雰囲気下、室温にてヘキサクロロシクロトリホスファゼン5.0g(14.4mmol)、フェノール6.8g(71.9mmol)、THF100mlの混合物中に、DBU21.9g(144mmol)を滴下した。6時間加熱還流後、下記式(6)
【0080】
【化13】
【0081】
で表わされるフェノール樹脂14.2g(71.9mmol)のTHF100ml溶液を加えて更に6.5時間加熱還流した。その後、減圧留去して得られた褐色固体を80%酢酸50mlに溶解し、水500mlに移して結晶を得た。その結晶をTHFに溶かし、水に移して結晶を得た。得られた結晶をトルエン100mlに溶かし、蒸留水100mlで3回洗浄後、減圧留去することにより茶色結晶(化合物B)を14.3g得た。
【0082】
(化合物B)
【化14】
【0083】
得られた反応生成物の1H−NMR、IRを測定した結果、1H−NMRは4.2−4.4,7.2−7.8,7.9−8.2ppmにピークを示し、IRは700−950,1200−1400cm−1にP−N由来のピークを示した。
【0084】
[合成例3]
攪拌装置、冷却装置、温度計を取り付けた1Lフラスコにフェニルトリクロロシラン211g(1mol)とトルエン143gを仕込み、オイルバスで内温40℃にまで加熱した。滴下ロートにメタノール64g(2mol)を仕込み、フラスコ内へ攪拌しながら1時間で滴下し、アルコキシ化反応中に発生する塩化水素ガスを系外へ除去しながら反応を進めた。滴下終了後、更に内温40℃で攪拌を1時間続けて熟成した。次に、滴下ロートに水12g(0.7mol)を仕込み、フラスコ内へ攪拌しながら1時間で滴下し、加水分解縮合反応中に発生する塩化水素ガスを系外へ除去しながら、反応を進めた。滴下終了後、更に内温40℃で攪拌を1時間続けて熟成し、引き続き減圧蒸留によりトルエン、過剰分のメタノール、未反応の水、塩化水素を除去して液状のメトキシ基含有オルガノポリシロキサン(化合物D)151gを得た。
【0085】
得られたオルガノポリシロキサンは、R1 hR2 kSi(OR3)p(OH)qO(4−h−k−p−q)/2で表すとh=1.0、k=0、k/(k+h)=0でSi原子上のSi−C結合で結合した有機置換基は100モル%がフェニル基であり、p=1.5で、R3=メチル基、q=0.2、三官能性シロキサン単位を100モル%含み、外観は無色透明液体で、平均重合度3(平均分子量は500)であった。
【0086】
[実施例1〜3、比較例1,2]
表1に示す成分を熱2本ロールにて均一に溶融混合し、冷却、粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。これらの組成物につき、次の(I)〜(VII)の諸特性を測定した。結果を表2に示した。
【0087】
(I)スパイラルフロー値
EMMI規格に準じた金型を使用して、温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で測定した。
【0088】
(II)ゲル化時間
組成物のゲル化時間を175℃の熱板上で測定した。
【0089】
(III)成形硬度
JIS−K6911に準じて、温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間90秒の条件で10×4×100mmの棒を成形したときの熱時硬度をバーコール硬度計で測定した。
【0090】
(IV)高温電気抵抗特性
温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で70φ×3mmの円板を成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。その後、150℃雰囲気下で体積抵抗率を測定した。
【0091】
(V)難燃性
UL−94規格に基づき、1/32インチ厚の板を、温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアーしたものの難燃性を調べた。
【0092】
(VI)耐湿性
アルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム(42アロイ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを30μmφの金線でワイヤボンディングした後、これにエポキシ樹脂組成物を温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージそれぞれ20個を140℃/85%RHの雰囲気中−5Vの直流バイアス電圧をかけて500時間放置した後、アルミニウム腐食が発生したパッケージ数を調べた。
【0093】
(VII)高温保管信頼性
アルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム(42アロイ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを30μmφの金線でワイヤボンディングした後、これにエポキシ樹脂組成物を温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージそれぞれ20個を200℃雰囲気中500時間放置した後、発煙硝酸で溶解、開封し、金線引張り強度を測定した。引張り強度が初期値の70%以下となったものを不良とし、不良数を調べた。
【0094】
【表1】
【0095】
エポキシ樹脂:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、EOCN1020−55(日本化薬製、エポキシ当量200)
硬化剤:フェノールノボラック樹脂、DL−92(明和化成製、フェノール性水酸基当量110)
オルガノポリシロキサン:合成例4のポリシロキサン(化合物D)
オルガノポリシロキサンとアルケニル基含有エポキシ化合物を付加反応させたブロック共重合体:下記式で表されるブロック共重合体、オルガノポリシロキサン含有量16重量%、エポキシ当量238
【0096】
【化15】
【0097】
ホスファゼン化合物:合成例1〜3の化合物(化合物A〜C)
無機質充填剤:球状溶融シリカ(龍森製、平均粒径20μm)
硬化触媒:トリフェニルホスフィン(北興化学製)
離型剤:カルナバワックス(日興ファインプロダクツ製)
カーボンブラック:デンカブラック(電気化学工業製)
シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、KBM−403(信越化学工業製)
【0098】
【表2】
【0099】
表2の結果から明らかなように、本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、硬化性に優れると共に、難燃性、耐湿信頼性に優れ、高温電気抵抗特性に優れる硬化物を得ることができ、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、難燃性、耐湿信頼性に優れるものである。しかも、臭素化エポキシ樹脂等の臭素化物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物を樹脂組成物中に含有しないので、人体・環境に対する悪影響がないものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形性に優れるとともに、難燃性及び耐湿信頼性に優れ、臭素化エポキシ樹脂等の臭素化物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物を含有しない硬化物を得ることができる半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、半導体デバイスは樹脂封止型のダイオード、トランジスター、IC、LSI、超LSIが主流であるが、エポキシ樹脂が他の熱硬化性樹脂に比べて成形性、接着性、電気特性、機械特性、耐湿性等に優れているため、エポキシ樹脂組成物で半導体装置を封止することが一般的である。半導体デバイスは家電製品、コンピュータ等、生活環境のあらゆる所で使用されているため、万が一の火災に備えて、半導体装置には難燃性が要求されている。
【0003】
半導体封止用エポキシ樹脂組成物中には、難燃性を高めるため、一般にハロゲン化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとが配合されている。このハロゲン化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとの組み合わせは、気相においてラジカルトラップ、空気遮断効果が大きく、その結果、高い難燃効果が得られるものである。
【0004】
しかし、ハロゲン化エポキシ樹脂は燃焼時に有毒ガスを発生するという問題があり、また三酸化アンチモンにも粉体毒性があるため、人体、環境に対する影響を考慮すると、これらの難燃剤を樹脂組成物中に全く含まないことが好ましい。
【0005】
このような要求に対して、ハロゲン化エポキシ樹脂あるいは三酸化アンチモンの代替として、従来からAl(OH)3、Mg(OH)2等の水酸化物、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤等の検討がなされてきている。しかし、Al(OH)3、Mg(OH)2等の水酸化物は難燃効果が低いため、難燃組成とするためには、エポキシ樹脂組成物中に水酸化物を多量に添加しなければならず、その結果、組成物の粘度が上昇し、成形時にボイド、ワイヤー流れ等の成形不良が発生するという問題がある。一方、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤をエポキシ樹脂組成物に添加した場合、半導体装置が高温高湿条件にさらされると、リン系難燃剤が加水分解されてリン酸が生成し、このリン酸がアルミ配線を腐食させ、信頼性を低下させるという大きな問題があった。
【0006】
この問題を解決するため、特許第2843244号明細書(特許文献1)では、赤リンの表面にSiXOY組成からなる被覆層で被覆した化合物を難燃剤として使用したエポキシ樹脂組成物が提案されているが、上記の耐湿信頼性は改善されていないのが現状である。また、特開平10−259292号公報(特許文献2)では、環状ホスファゼン化合物を、充填剤を除く配合成分の合計量に対して、燐原子の量が0.2〜3.0重量%となる量を使用したエポキシ樹脂組成物も提案されているが、難燃性を得るためには相当な量をエポキシ樹脂組成物に添加する必要があり、その場合は硬化性の低下ならびに高温環境下での電気抵抗性低下を引き起こす等の問題点があった。
【0007】
【特許文献1】
特許第2843244号明細書
【特許文献2】
特開平10−259292号公報
【特許文献3】
特公昭63−60069号公報
【特許文献4】
特公昭63−60070号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、臭素化エポキシ樹脂等の臭素化物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物を含有せず、成形性に優れるとともに、難燃性及び耐湿信頼性に優れる硬化物を得ることができる半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機質充填剤、(D)下記平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサン又は(F)下記平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体、及び(E)下記平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物を必須成分とし、臭素化物及びアンチモン化合物を実質的に含まない半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物が、成形性に優れると共に、難燃性及び耐湿信頼性に優れる硬化物となり得ることを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
R1 hR2 kSi(OR3)p(OH)qO(4−h−k−p−q)/2 ・・・(1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6の一価炭化水素基又は水素原子、R3は炭素数1〜4の一価炭化水素基を表し、h,k,p,qは、0≦h≦2.0、0≦k≦1.0、0≦p≦2.5、0≦q≦0.35、0.92≦h+k+p+q≦2.8の範囲である。)
【0011】
HrRsSiO(4−r−s)/2 ・・・(1’)
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、r,sは、0.001≦r≦1、1≦s≦3、1.001≦r+s≦3を満足する正数である。)
【0012】
【化5】
[式中、Xは
【化6】
であり、a、b、c、d、e、f、g、nは、0≦a<2n、0<b+d+f≦2nで、b、d、fのうち2つが0の場合a+b+d+f=2n、1つが0の場合a+2(b+d+f)=2n、3つとも0でない場合a+3(b+d+f)=2n、0<c+e+g<100、0<fのときg=0、0<gのときf=0、3≦n≦1000を満たす数である。]
【0013】
従って、本発明は、下記に示す半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物及び半導体装置を提供する。
〔I〕(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)無機質充填剤
(D)上記平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサン
(E)上記平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物
を必須成分とし、臭素化物及びアンチモン化合物を実質的に含まないことを特徴とする半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物。
〔II〕(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)無機質充填剤
(E)上記平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物
(F)上記平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体
を必須成分とし、臭素化物及びアンチモン化合物を実質的に含まないことを特徴とする半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物。
〔III〕〔I〕又は〔II〕記載の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置。
【0014】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、このように、臭素化物、アンチモン化合物を実質的に含まないものである。一般に、エポキシ樹脂組成物中には、難燃性を達成するため、臭素化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとが配合されているが、本発明のエポキシ樹脂組成物は、この臭素化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンとを使用せずに、難燃規格であるUL−94、V−0を達成することができるものである。
【0015】
ここで、臭素化エポキシ樹脂あるいは三酸化アンチモンの代替として、従来からAl(OH)3、Mg(OH)2等の水酸化物、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤等が検討されている。しかし、これらの公知の代替難燃剤は、特に高温において耐水性が弱く、難燃剤自身が溶解、分解して、抽出水中の不純物イオンを増加させるという共通の欠点があった。このため、臭素化物、アンチモン化合物を実質的に含まない従来の難燃性エポキシ樹脂組成物で封止された半導体装置を長時間高温高湿下に放置すると、半導体装置のアルミ配線が腐食し、耐湿信頼性が低下するという問題があった。
【0016】
本発明者等は、上記不都合を解決すべく鋭意検討を行った結果、難燃剤として、(D)平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサン又は(F)平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体と、(E)平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物の2種を併用した半導体封止用エポキシ樹脂組成物が、前述のように抽出水中の不純物イオンを増加させることもなく、成形性に優れ、難燃性及び耐湿信頼性に優れた硬化物を得ることができることを見出したものである。
【0017】
この場合、これらの化合物は、いずれも耐水性が高く、抽出水中の不純物イオンを増加させる作用がないものである。しかし、これらの化合物をそれぞれ単独で使用した場合は、難燃効果が不十分であったり、エポキシ樹脂組成物の流動性が低下したり、あるいは硬化性が低下したりする不都合があったが、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、難燃剤として、(D)平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサン又は(F)平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体と、(E)平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物の2種を併用したことにより、それぞれの添加量を最小限に抑えることができるため、上述のような成形時の問題点もなく、しかも難燃性及び耐湿信頼性に特に優れた硬化物を得ることができるものである。
【0018】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を構成する(A)エポキシ樹脂は特に限定されない。一般的なエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、スチルベン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。これらのうちでは、芳香環を含むエポキシ樹脂が好ましい。なお、本発明においては臭素化エポキシ樹脂は配合されない。
【0019】
上記エポキシ樹脂は、加水分解性塩素が1000ppm以下、特に500ppm以下であり、ナトリウム及びカリウムはそれぞれ10ppm以下の含有量とすることが好ましい。加水分解性塩素が1000ppmを超えたり、ナトリウム又はカリウムが10ppmを超える場合は、長時間高温高湿下に半導体装置を放置すると、耐湿性が劣化する場合がある。
【0020】
本発明に用いる(B)硬化剤も特に限定されるものではない。一般的な硬化剤としては、フェノール樹脂が好ましく、具体的には、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。
【0021】
上記硬化剤は、エポキシ樹脂と同様に、ナトリウム及びカリウムの含有量をそれぞれ10ppm以下とすることが好ましい。ナトリウム又はカリウムが10ppmを超える場合は、長時間高温高湿下に半導体装置を放置すると、耐湿性が劣化する場合がある。
【0022】
ここで、エポキシ樹脂、硬化剤の配合量は特に制限されないが、硬化剤としてフェノール樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂中に含まれるエポキシ基1モルに対して、硬化剤及び後述するホスファゼン化合物中に含まれるフェノール性水酸基のモル比が0.5〜1.5、特に0.8〜1.2の範囲となる量であることが好ましい。
【0023】
また、本発明において、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進させるため、硬化促進剤を用いることが好ましい。この硬化促進剤は、硬化反応を促進させるものであれば特に制限はなく、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレートなどのリン系化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物等を使用することができる。
【0024】
硬化促進剤の配合量は有効量であるが、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100重量部に対し、0.1〜5重量部、特に0.5〜2重量部とすることが好ましい。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物中に配合される(C)無機質充填剤としては、通常エポキシ樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。例えば溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化チタン、ガラス繊維等が挙げられる。
【0026】
これら無機質充填剤の平均粒径や形状及び無機質充填剤の充填量は、特に限定されないが、難燃性を高めるためには、エポキシ樹脂組成物中に成形性を損なわない範囲で可能な限り多量に充填させることが好ましい。この場合、無機質充填剤の平均粒径、形状として、平均粒径5〜30μmの球状の溶融シリカが特に好ましく、また、(C)成分である無機質充填剤の充填量は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100重量部に対し、400〜1200重量部とすることが好ましく、特に500〜1000重量部とすることが好ましい。
【0027】
なお、本発明において、平均粒径は、例えばレーザー光回折法等による重量平均値(又はメディアン径)等として求めることができる。
【0028】
無機質充填剤は、樹脂と無機質充填剤との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤で予め表面処理したものを配合することが好ましい。このようなカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトシラン等のメルカプトシランなどのシランカップリング剤を用いることが好ましい。ここで表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではない。
【0029】
本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、(D)平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサンを配合する。
【0030】
R1 hR2 kSi(OR3)p(OH)qO(4−h−k−p−q)/2 ・・・(1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基等の一価炭化水素基(但し、フェニル基を除く)又は水素原子、R3は炭素数1〜4のアルキル基、アルケニル基等の一価炭化水素基を表し、h,k,p,qは、0≦h≦2.0、0≦k≦1.0、0≦p≦2.5、0≦q≦0.35、0.92≦h+k+p+q≦2.8を満足する数である。)
【0031】
本発明の樹脂組成物が良好な難燃性を示す理由は定かではないが、上記平均組成式(1)で表されるシリコーン化合物を含む本発明の樹脂組成物を燃焼させた場合、アルコキシ基の酸化分解架橋によりオルガノシロキサンと特に芳香族を含むエポキシ樹脂が結合して燃焼部周辺に固定され、更にオルガノシロキサンに高含有率で含まれるフェニル基は特に芳香環を含むエポキシ樹脂との間で、各々が持つ芳香環相互のカップリングにより不燃性のSi−Cセラミック層を容易に形成し、高い難燃効果を発現すると考えられる。この難燃化機構が有効に働くために好ましいアルコキシ基含有率は、オルガノシロキサンの平均組成式中のp、すなわちSi原子1モルに対するアルコキシ基のモル数が、好ましくは0.42〜2.5である。0.42未満では架橋性が低すぎて燃焼部周辺に固定化され難いため、また、2.5を超えると低分子量なオルガノシロキサンしか得られず、燃焼時に固定化される前に熱で気化することによる損失率が高くなるため、いずれの場合も難燃化効果が低下してしまう場合がある。更に好ましいアルコキシ基含有率はSi原子1モルに対して0.5〜2.3モルである。
【0032】
平均組成式(1)中のR3は、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基から選ばれ、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル基であり、炭素数5以上のアルキル基はアルコキシ基としての反応性が低く、難燃化効果が期待できない。
【0033】
一方、オルガノシロキサンに含まれるシラノール基も反応性が低く、難燃性にほとんど寄与することはないが、保存安定性の面や加工性の面から、オルガノシロキサン平均組成式におけるqの値で0.35以下が好ましい。
【0034】
上述の難燃化機構が有効に働くために必要なもう一つの要素であるフェニル基含有率については、平均組成式のh、すなわちSi原子1モルに対するフェニル基のモル数で、好ましくは0.5〜2.0である。0.5未満だとフェニル基が少なすぎて難燃化効果が得られない場合がある。2.0を超えるとフェニル基含有率は十分に高いが、嵩高いフェニル基が一つのSi上に密集した構造を多く含むため、立体障害が大きく、ポリオルガノシロキサン分子の空間的自由度が低下し、芳香環相互のカップリングによる難燃化機構が作用するのに必要な芳香環同士の重なりが困難になり、難燃化効果を低下させる。より好ましいhの値は0.6〜1.8である。
【0035】
Si−C結合でSiに結合する置換基はフェニル基以外の置換基R2を含んでもよい。この置換基は難燃化効果と直接関係がないため、含有量が多くなれば逆効果となるが、適量含有させることで、嵩高いフェニル基含有率の高いオルガノシロキサン分子の立体障害を緩和して空間的な自由度を向上させ、フェニル基同士の重なりを容易にして難燃化効果を高める方向に働く場合もある。この効果を期待できるR2の含有率は、平均組成式のkの値で1.0以下である。好ましくは平均組成式中のh+kに対するkの比率k/(h+k)で0〜0.3の範囲であり、0.3を超えては相対的なフェニル基含有率が低下して難燃化効果が十分に得られなくなるおそれがある。
【0036】
R2は炭素数1〜6の炭化水素基又は水素原子であり、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基が好ましい。例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル、プロペニル、ブテニル基などのアルケニル基が挙げられる。特にメチル基、ビニル基が、立体障害緩和の点からも工業的にも好ましい。
【0037】
本発明の(D)成分のオルガノポリシロキサンは、下記式(3)
R4SiZ3 ・・・(3)
(但し、式(3)中のR4はR1又はR2と同じ有機基を表し、Zは−OH、−OR5又はシロキサン残基を表し、一つのSi原子に結合している三つのZのうち少なくとも一つはシロキサン結合を含む。)
で表されるシロキサン単位を50モル%以上含有していることが好ましい。この三官能性シロキサン単位は、三次元的な架橋構造を形成してオルガノシロキサン分子構造を強固にすることで樹脂的性質を付与し、エポキシ樹脂組成物への分散性、加工性を向上させる。また、単官能性や二官能性シロキサン単位を多く含む直線的な分子構造のオルガノシロキサンは、燃焼時に起きるシロキサン結合の熱による再配列で揮発性低分子量シロキサンを形成して系外へ逃げやすいのに対し、架橋反応性の高い三官能性シロキサン単位を多く含むオルガノシロキサンは、更に高分子量化して系内に止まり、難燃化に寄与する。三官能性シロキサン単位が50モル%未満ではこれらの効果が小さくなることがあり、より好ましくは三官能性シロキサン単位を60モル%以上含むオルガノシロキサンで高い難燃化効果が発現される。
【0038】
式(3)のR4はR1又はR2と同じであり、アルキル基、アルケニル基、アリール基等であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル、プロペニル、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。特にフェニル基、メチル基、ビニル基が工業的に好ましい。
【0039】
式(3)中のZは−OH、−OR5、又はシロキサン残基を表し、一つのSi原子に結合しているZのうち少なくとも一つはシロキサン単位を含んでいなければならない。なお、シロキサン残基、シロキサン結合とは、−O−(Si≡)を示す(但し、括弧内のSi≡は隣接するSi原子と結合していることを示す)。また、R5は炭素数1〜3のアルキル基を示す。
【0040】
(D)成分のオルガノポリシロキサン中には、三官能性シロキサン単位以外の構成単位として、特性に影響を与えない範囲で二官能性シロキサン単位、単官能性シロキサン単位、四官能性シロキサン単位を含有してもよい。特に四官能性シロキサン単位は三次元的な架橋構造を形成してオルガノポリシロキサン分子構造を強固にすることや、高い架橋反応性が高分子量化を促して系内に止まり、難燃化に寄与する。一方、この四官能性シロキサン単位の含有率が多くなると、エポキシ樹脂への分散性が低下するので、好ましい含有率は50モル%以下である。
【0041】
また、(D)成分であるオルガノポリシロキサンの平均重合度は2.5〜20量体であることが好ましい。重合度は難燃化効果を決める重要な因子であり、この重合度範囲のオルガノシロキサンは、溶融混合時に良く分散し、また燃焼時における熱で溶融して移動し、燃焼部周辺に集まることもできる。また、この動き易さはフェニル基の重なりを容易にすることでも難燃化の効果を向上させる。平均重合度が2.5未満の低分子量オルガノシロキサンでは、燃焼時における熱による気化で難燃化効果が低下してしまい、20を超えると燃焼時の動き易さがなくなり難燃化効果が低下し、またエポキシ樹脂への分散性が悪くなることがある。より好ましくは、平均重合度で2.5〜15量体であり、更に好ましくは平均分子量で410以上2000未満の範囲をも満たすことがよい。
【0042】
このようなオルガノポリシロキサンは公知の方法で製造できる。例えば、上記のシロキサン単位を形成しうるオルガノクロロシランに、全てのクロル基と反応する過剰のアルコールと水を反応させてアルコキシ基含有オルガノシランを形成し、減圧ストリップ等の方法で未反応アルコール、水及び反応副生物である塩化水素を除去して目的物を得る。目標のアルコキシ基含有率や平均分子量のものを調製するには、反応させるアルコールと水の量を調整して行う。水は目標の平均分子量が達成される理論量とし、アルコールは目標のアルコキシ基量を達成する理論量より過剰にすれば目標の構造に近いオルガノポリシロキサンが得られる。
【0043】
上記のシロキサン単位を形成しうるアルコキシシランが入手できれば、目標の平均分子量が達成できる理論量の水を加えて部分加水分解縮合反応させる方法も可能である。この場合は、反応を促進する触媒として、酸、塩基、有機金属化合物を添加することが望ましい。副生したアルコールは常圧蒸留や減圧ストリップにより除去して目的物を得る。より保存安定性を高める必要がある場合は、添加した反応触媒を中和等の方法により除去してもよい。いずれの方法においても、ゲルの発生や分子量分布の広がりを抑制する目的で有機溶剤を配合することも可能である。
【0044】
本発明における(D)成分であるオルガノポリシロキサンの添加量は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、より好ましくは2〜20重量部である。0.1重量部未満では難燃性を十分に付与することができないおそれがあり、50重量部を超えると成形時の粘度が高くなり、また成形品の外観や強度に悪影響を与える場合がある。
【0045】
また、本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、下記平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体(F)を使用することもできる。
【0046】
HrRsSiO(4−r−s)/2 ・・・(1’)
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、r,sは、0.001≦r≦1、1≦s≦3、1.001≦r+s≦3を満足する正数である。)
【0047】
ここで、式(1’)において、Rの一価炭化水素基としては、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、キシリル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、ブロモエチル基等のハロゲン置換一価炭化水素基などを挙げることができる。
【0048】
また、式(1’)において、s,rのより好ましい範囲は、0.01≦r≦0.5、1.5≦s≦2.5、1.51≦r+s≦3.0であり、式(1’)のオルガノポリシロキサンの一分子中におけるケイ素原子数は2〜1000、特に10〜200であることが好ましく、ケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)の数は1〜10、特に1〜5であることが好ましい。また、ブロック共重合体中のオルガノポリシロキサン含有量は5〜50重量%、特に10〜20重量%であることが好ましい。
【0049】
本発明の共重合体の製造方法は、すでに公知であり(特公昭63−60069号公報(特許文献3)、特公昭63−60070号公報(特許文献4)等)、アルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基と、上記式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基との付加反応によって得ることができる。ブロック共重合体として、具体的には下記式(4)で示される構造を例示することができる。
【0050】
【化7】
(上記式中、Rは上記と同じ、R6は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R7は−CH2CH2CH2−、−OCH2−CH(OH)−CH2−O−CH2CH2CH2−又は−O−CH2CH2CH2−である。uは1〜200、好ましくは10〜100の整数、t、vは1〜100、好ましくは1〜20の整数である。)
【0051】
本発明において、(F)ブロック共重合体中のオルガノポリシロキサン含有量は5〜50重量%、特に10〜20重量%であることが好ましい。
【0052】
(F)成分であるブロック共重合体を使用する場合の含有量としては、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、より好ましくは2〜20重量部である。また、共重合体中のオルガノポリシロキサン含有量としては、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100重量部に対してジオルガノポリシロキサン単位で0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜8重量部であることが望ましい。
【0053】
更に、本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、(E)下記平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物を使用するものである。
【0054】
【化8】
[式中、Xは
【化9】
であり、a、b、c、d、e、f、g、nは、0≦a<2n、0<b+d+f≦2nで、b、d、fのうち2つが0の場合a+b+d+f=2n、1つが0の場合a+2(b+d+f)=2n、3つとも0でない場合a+3(b+d+f)=2n、0<c+e+g<100、0<fのときg=0、0<gのときf=0、3≦n≦1000を満たす数である。]
【0055】
上記式(2)で示されるホスファゼン化合物を添加した本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤を添加したエポキシ樹脂組成物と比較して、熱水抽出特性に優れ、耐湿信頼性に特に優れる硬化物を得ることができる。また、上記式(2)で示されるホスファゼン化合物を、(D)平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサン又は(F)平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体と併用することにより、更に高い難燃効果を得ることができる。
【0056】
ここで、式(2)において、nは3〜1000であるが、より好ましい範囲は3〜10である。合成上特に好ましくはn=3である。
【0057】
また、c+e+g=0では、ホスファゼン化合物中の硬化剤として機能するフェノール性水酸基がないためにエポキシ基と反応せず、このホスファゼン化合物の添加量を増やすと、硬化性、高温電気特性が低下する。更に、c+e+gが100以上であると、ホスファゼンがマトリックス中に完全に取り込まれているため、動きにくくなり、燃焼時に効果が得られない。従って0<c+e+g<100であることが必要である。難燃性、硬化性、高温下の電気特性をバランス良く満たすためには、1.2n≦a≦1.8n、0.2n≦b+d+f≦0.8n、1≦c+e+g≦10が望ましい。
【0058】
本発明のホスファゼン化合物は、フェノール樹脂とホスファゼンがランダムに反応している。フェノール樹脂としては、上記式(2)中のXが
【0059】
【化10】
で表されるフェノール樹脂が望ましいが、多官能型フェノール樹脂であればこの限りではない。
【0060】
更に詳しくは、上記フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物は、下記一般式(i)
(NPCl2)m ・・・(i)
(式中、mは1〜100、好ましくは3〜10である。)
で表わされる(I)クロロホスファゼン化合物と、(II)フェノール樹脂と、必要により(III)フェノールとを反応させることにより得ることができる。
【0061】
前記(II)フェノール樹脂として、具体的には、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。これらの中でもアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂など、フェノール当量が大きく、芳香族炭化水素の割合の高いものが難燃性の面より特に好ましい。
【0062】
本発明において、クロロホスファゼン化合物とフェノールとを反応させる際の混合割合としては、上記式(2)及び(i)中のa,mが、0≦a<2m、特に1.2m≦a≦1.8m(モル比)となる量とすることが好ましい。
【0063】
また、フェノール樹脂の混合割合としては、フェノールとの反応後に残っているクロロホスファゼン化合物中のP−Cl結合:フェノール樹脂中の水酸基当量=1:1〜1:100、特に1:2〜1:20となる量とすることが好ましい。
【0064】
本反応は、触媒を用いることが好ましい。触媒としては、例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン等の第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられる。
上記触媒の添加量は有効量であり、特に限定されるものではないが、好ましくはクロロホスファゼン化合物の全P−Cl結合に対して1.2〜2.0当量(モル比)である。
【0065】
本反応は、通常有機溶媒中で行われ、この様な有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン等が挙げられる。
【0066】
本発明の反応方法としては、例えば、クロロホスファゼン化合物、フェノール、触媒を有機溶媒中で反応させ、これにフェノール樹脂を加えて更に反応させた後、再結晶させることにより、目的化合物を得ることができる。
本発明において、反応温度は、収率及び生産効率の面から室温〜100℃が好ましく、特に50〜80℃が好適である。また反応時間は、クロロホスファゼン化合物とフェノールとの反応を1〜48時間、特に3〜20時間とすることが好ましく、フェノール樹脂の滴下後、1〜48時間、特に3〜20時間とすることが好ましい。
【0067】
また、(E)成分であるホスファゼン化合物の添加量は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100重量部に対し、1〜50重量部、特に2〜20重量部が好ましい。添加量が1重量部未満では十分な難燃効果が得られない場合があり、また50重量部を超えると、流動性の低下を引き起こす場合がある。
【0068】
本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、本発明の目的及び効果を発現できる範囲内において、他の難燃剤、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等の無機化合物を添加することもできる。但し、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物は配合されない。
【0069】
本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、シリコーン系等の低応力剤、カルナバワックス、高級脂肪酸、合成ワックス等のワックス類、カーボンブラック等の着色剤、ハロゲントラップ剤等の添加剤を添加配合することができる。
【0070】
本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、その他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。
【0071】
このようにして得られる本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置の封止用として有効に利用でき、この場合、封止の最も一般的な方法としては、低圧トランスファー成形法が挙げられる。なお、本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物の成形は、温度150〜180℃で30〜180秒、後硬化は150〜180℃で2〜16時間行うことが望ましい。
【0072】
【発明の効果】
本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、成形性に優れるとともに、難燃性及び耐湿信頼性に優れた硬化物を得ることができる。しかも、臭素化エポキシ樹脂等の臭素化物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物をエポキシ樹脂組成物中に含有しないので、人体、環境に対する悪影響もないものである。
また、本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、難燃性、耐湿信頼性に優れたものであり、産業上特に有用である。
【0073】
【実施例】
以下、ホスファゼン化合物、オルガノポリシロキサンの合成例、及びエポキシ樹脂組成物の実施例と比較例を示し、本発明を具体的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0074】
[合成例1](化合物A)
窒素雰囲気下、室温にてヘキサクロロシクロトリホスファゼン5.0(14.4mmol)、フェノール6.8g(72.0mmol)、THF200mlの混合物中に、DBU21.9g(144mmol)を滴下した。15時間加熱還流後、下記式(5)
【0075】
【化11】
【0076】
で表わされるフェノール樹脂15.4g(144mmol)のTHF50ml溶液を加えて更に6.5時間加熱還流した。その後、減圧留去して得られた褐色固体を80%酢酸50mlに溶解し、水500mlに移して結晶を得た。その結晶をメタノールに溶かし、水に移して結晶を得た。この操作を水が中性になるまで繰返し、茶褐色結晶(化合物A)を16.5g得た。
【0077】
(化合物A)
【化12】
【0078】
得られた反応生成物の1H−NMR、IRを測定した結果、1H−NMRは3.6−3.9,6.6−7.2,8.0−8.2ppmにピークを示し、IRは700−950,1200−1400cm−1にP−N由来のピークを示した。
【0079】
[合成例2](化合物B)
窒素雰囲気下、室温にてヘキサクロロシクロトリホスファゼン5.0g(14.4mmol)、フェノール6.8g(71.9mmol)、THF100mlの混合物中に、DBU21.9g(144mmol)を滴下した。6時間加熱還流後、下記式(6)
【0080】
【化13】
【0081】
で表わされるフェノール樹脂14.2g(71.9mmol)のTHF100ml溶液を加えて更に6.5時間加熱還流した。その後、減圧留去して得られた褐色固体を80%酢酸50mlに溶解し、水500mlに移して結晶を得た。その結晶をTHFに溶かし、水に移して結晶を得た。得られた結晶をトルエン100mlに溶かし、蒸留水100mlで3回洗浄後、減圧留去することにより茶色結晶(化合物B)を14.3g得た。
【0082】
(化合物B)
【化14】
【0083】
得られた反応生成物の1H−NMR、IRを測定した結果、1H−NMRは4.2−4.4,7.2−7.8,7.9−8.2ppmにピークを示し、IRは700−950,1200−1400cm−1にP−N由来のピークを示した。
【0084】
[合成例3]
攪拌装置、冷却装置、温度計を取り付けた1Lフラスコにフェニルトリクロロシラン211g(1mol)とトルエン143gを仕込み、オイルバスで内温40℃にまで加熱した。滴下ロートにメタノール64g(2mol)を仕込み、フラスコ内へ攪拌しながら1時間で滴下し、アルコキシ化反応中に発生する塩化水素ガスを系外へ除去しながら反応を進めた。滴下終了後、更に内温40℃で攪拌を1時間続けて熟成した。次に、滴下ロートに水12g(0.7mol)を仕込み、フラスコ内へ攪拌しながら1時間で滴下し、加水分解縮合反応中に発生する塩化水素ガスを系外へ除去しながら、反応を進めた。滴下終了後、更に内温40℃で攪拌を1時間続けて熟成し、引き続き減圧蒸留によりトルエン、過剰分のメタノール、未反応の水、塩化水素を除去して液状のメトキシ基含有オルガノポリシロキサン(化合物D)151gを得た。
【0085】
得られたオルガノポリシロキサンは、R1 hR2 kSi(OR3)p(OH)qO(4−h−k−p−q)/2で表すとh=1.0、k=0、k/(k+h)=0でSi原子上のSi−C結合で結合した有機置換基は100モル%がフェニル基であり、p=1.5で、R3=メチル基、q=0.2、三官能性シロキサン単位を100モル%含み、外観は無色透明液体で、平均重合度3(平均分子量は500)であった。
【0086】
[実施例1〜3、比較例1,2]
表1に示す成分を熱2本ロールにて均一に溶融混合し、冷却、粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。これらの組成物につき、次の(I)〜(VII)の諸特性を測定した。結果を表2に示した。
【0087】
(I)スパイラルフロー値
EMMI規格に準じた金型を使用して、温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で測定した。
【0088】
(II)ゲル化時間
組成物のゲル化時間を175℃の熱板上で測定した。
【0089】
(III)成形硬度
JIS−K6911に準じて、温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間90秒の条件で10×4×100mmの棒を成形したときの熱時硬度をバーコール硬度計で測定した。
【0090】
(IV)高温電気抵抗特性
温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で70φ×3mmの円板を成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。その後、150℃雰囲気下で体積抵抗率を測定した。
【0091】
(V)難燃性
UL−94規格に基づき、1/32インチ厚の板を、温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアーしたものの難燃性を調べた。
【0092】
(VI)耐湿性
アルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム(42アロイ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを30μmφの金線でワイヤボンディングした後、これにエポキシ樹脂組成物を温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージそれぞれ20個を140℃/85%RHの雰囲気中−5Vの直流バイアス電圧をかけて500時間放置した後、アルミニウム腐食が発生したパッケージ数を調べた。
【0093】
(VII)高温保管信頼性
アルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム(42アロイ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを30μmφの金線でワイヤボンディングした後、これにエポキシ樹脂組成物を温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージそれぞれ20個を200℃雰囲気中500時間放置した後、発煙硝酸で溶解、開封し、金線引張り強度を測定した。引張り強度が初期値の70%以下となったものを不良とし、不良数を調べた。
【0094】
【表1】
【0095】
エポキシ樹脂:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、EOCN1020−55(日本化薬製、エポキシ当量200)
硬化剤:フェノールノボラック樹脂、DL−92(明和化成製、フェノール性水酸基当量110)
オルガノポリシロキサン:合成例4のポリシロキサン(化合物D)
オルガノポリシロキサンとアルケニル基含有エポキシ化合物を付加反応させたブロック共重合体:下記式で表されるブロック共重合体、オルガノポリシロキサン含有量16重量%、エポキシ当量238
【0096】
【化15】
【0097】
ホスファゼン化合物:合成例1〜3の化合物(化合物A〜C)
無機質充填剤:球状溶融シリカ(龍森製、平均粒径20μm)
硬化触媒:トリフェニルホスフィン(北興化学製)
離型剤:カルナバワックス(日興ファインプロダクツ製)
カーボンブラック:デンカブラック(電気化学工業製)
シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、KBM−403(信越化学工業製)
【0098】
【表2】
【0099】
表2の結果から明らかなように、本発明の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物は、硬化性に優れると共に、難燃性、耐湿信頼性に優れ、高温電気抵抗特性に優れる硬化物を得ることができ、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、難燃性、耐湿信頼性に優れるものである。しかも、臭素化エポキシ樹脂等の臭素化物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物を樹脂組成物中に含有しないので、人体・環境に対する悪影響がないものである。
Claims (3)
- (A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)無機質充填剤
(D)下記平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサン
R1 hR2 kSi(OR3)p(OH)qO(4−h−k−p−q)/2 ・・・(1)
(式中、R1はフェニル基、R2は炭素数1〜6の一価炭化水素基又は水素原子、R3は炭素数1〜4の一価炭化水素基を表し、h,k,p,qは、0≦h≦2.0、0≦k≦1.0、0≦p≦2.5、0≦q≦0.35、0.92≦h+k+p+q≦2.8の範囲である。)
(E)下記平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物
を必須成分とし、臭素化物及びアンチモン化合物を実質的に含まないことを特徴とする半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物。 - (A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)無機質充填剤
(E)下記平均組成式(2)で示されるホスファゼン化合物
(F)下記平均組成式(1’)で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とアルケニル基含有エポキシ化合物のアルケニル基を付加反応させたブロック共重合体
HrRsSiO(4−r−s)/2 ・・・(1’)
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、r,sは、0.001≦r≦1、1≦s≦3、1.001≦r+s≦3を満足する正数である。)
を必須成分とし、臭素化物及びアンチモン化合物を実質的に含まないことを特徴とする半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1又は2記載の半導体封止用難燃性エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置。
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