JP2004155932A - 発泡性耐火塗料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、結合剤、リン化合物、発泡剤、炭化剤及び発泡層安定剤を含有する発泡性耐火塗料であって、(1)当該発泡層安定剤が、屈折率1.4〜1.8及び平均粒子径0.01〜50μmであり、(2)当該発泡層安定剤が、当該結合剤の固形分100重量部に対して40〜200重量部含まれており、(3)当該塗料によって形成された塗膜が、隠ぺい率10%以下である、ことを特徴とする発泡性耐火塗料に係る。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な発泡性耐火塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材、合成樹脂等の基材を火災から保護する目的として、火災時の温度上昇によって発泡層を形成する塗料組成物が種々提案されている。これらの塗料組成物は、柱、梁等の基材に塗布されることにより基材上で塗膜(耐火被覆層)を形成する。
【0003】
この場合、塗料組成物による塗膜が透明性を有していれば、適用される基材がもつ素材感や意匠性を生かすことができる。透明性を有する塗料組成物は、すでに種々のものが開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3など参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭50−92934号公報
【0005】
【特許文献2】
特開昭54−56648号公報
【0006】
【特許文献3】
特開平2−202968号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような従来の塗料組成物では、加熱初期段階では発泡層が形成されるものの、その強度が不十分であるため、加熱が長時間続くと発泡層が消失又は崩壊してしまうという欠点を有している。このため、このような塗料組成物を高度な耐火断熱性能が要求される部分に適用することは困難である。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、通常時(非火災時)には基材の素材感や意匠性を生かすことが可能な透明性を有する塗膜が効果的に得られ、かつ、火災時には十分な強度を有し、基材の温度上昇を効果的に抑制できる発泡層が効果的に得られる発泡性耐火塗料を提供することを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定組成からなる発泡性耐火塗料によって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記の発泡性耐火塗料に係る。
【0011】
1. 結合剤、リン化合物、発泡剤、炭化剤及び発泡層安定剤を含有する発泡性耐火塗料であって、
(1)当該発泡層安定剤が、屈折率1.4〜1.8及び平均粒子径0.01〜 50μmであり、
(2)当該発泡層安定剤が、当該結合剤の固形分100重量部に対して40〜200重量部含まれており、
(3)当該塗料によって形成された塗膜が、隠ぺい率10%以下である、
ことを特徴とする発泡性耐火塗料。
【0012】
2. 発泡層安定剤の一部又は全部がSiO2であることを特徴とする前記項1記載の発泡性耐火塗料。
【0013】
3. 発泡剤の一部又は全部が、1分子中の窒素含有量が70at%以上である化合物である前記項1又は2記載の発泡性耐火塗料。
【0014】
4. 前記項1〜3のいずれかに記載の発泡性耐火塗料によって形成された塗膜。
【0015】
5. ISO834の標準加熱曲線に準じて塗膜を加熱したときに、リン化合物と発泡層安定剤に由来する結晶構造からなる発泡層を形成する前記項4記載の塗膜。
【0016】
6. 1分子中の窒素含有量が70at%以上である化合物が、一般式(1)
【0017】
【化1】
【0018】
(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアミノ基を示す。)
で表される化合物、及び
一般式(2)
【0019】
【化2】
【0020】
[式中、R4は、水素原子、アミノ基又はトリアミノメチル基を示す。Yは、水素原子、アミノ基、トリアミノメチル基、
【0021】
【化3】
【0022】
(式中、R5は、水素原子、アミノ基、メチル基、アミノメチル基、ジアミノメチル基、トリアミノメチル基、アミノエチル基、ジアミノエチル基又はトリアミノエチル基を示す)又は、
【0023】
【化4】
【0024】
(式中、R6は、水素原子、アミノ基、アミノメチル基、ジアミノメチル基又はトリアミノメチル基を示す)を示す。]
で表される化合物
からなる群より選ばれる少なくとも1種である項1又は2に記載の発泡性耐火材料。
【0025】
7. 発泡層安定剤の一部又は全部が、平均粒子径0.01〜50μmのSiO2含有粉末である項1又は2に記載の発泡性耐火材料。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
1.発泡性耐火塗料
本発明の発泡性耐火塗料は、結合剤、リン化合物、発泡剤、炭化剤及び発泡層安定剤を含有する発泡性耐火塗料であって、(1)当該発泡層安定剤が、屈折率1.4〜1.8及び平均粒子径0.01〜50μmであり、(2)当該発泡層安定剤が、当該結合剤の固形分100重量部に対して40〜200重量部含まれており、(3)当該塗料によって形成された塗膜が、隠ぺい率10%以下である、ことを特徴とする。
【0027】
結合剤としては、公知の発泡性耐火塗料で採用されているものを使用することができる。このような結合剤としては、例えばアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、プロピレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、イソブチレンゴム等の有機質結合剤が挙げられる。これらは1種又は2種以上で使用することができる。また、所定の透明性が失われない範囲内であれば、必要に応じ、セメント、石膏、水ガラス、シリコーン樹脂等の無機質結合剤を併用することも可能である。
【0028】
リン化合物は、火災時に脱水冷却効果、不燃性ガス発生効果、結合剤炭化促進効果等の少なくとも1つの効果を発揮し、結合剤の燃焼を抑制する作用を発揮することができる。このようなリン化合物としては、例えばトリクレジルホスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、ジフェニルオクチルフォスフェート、トリ(β−クロロエチル)フォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリ(ジクロロプロピル)フォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリ(ジブロモプロピル)フォスフェート、クロロフォスフォネート、ブロモフォスフォネート、ジエチル−N, N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルフォスフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ヒドロキシメチルフォスフォネート、三塩化リン、五塩化リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン化合物等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。本発明では、特にポリリン酸アンモニウムが好ましい。ポリリン酸アンモニウムを使用する場合には、脱水冷却効果と不燃性ガス発生効果とをより効果的に発揮することができる。
【0029】
リン化合物の含有量は限定的ではないが、結合剤の固形分100重量部に対して、通常200〜600重量部、好ましくは250〜450重量部である。
【0030】
発泡剤は、一般に、火災時に不燃性ガスを発生させて、炭化していく結合剤及び炭化剤を発泡させ、気孔を有する発泡層を形成させる役割を果たす。発泡剤としては、公知の発泡性耐火塗料で採用されているものも使用可能である。このような発泡剤としては、例えばメラミン及びその誘導体、ジシアンジアミド及びその誘導体、アゾジカルボンアミド、尿素、チオ尿素等が挙げられる。
【0031】
本発明では、発泡剤として、1分子中の窒素含有量が70at%以上、好ましくは75at%以上、さらに好ましくは78at%以上である化合物を使用することが望ましい。このような化合物を使用することにより、発泡倍率が高く、かつ優れた強度を有する発泡層を得ることができる。また、不均一な空洞等の発生が防止され、均一な気泡を有する発泡層を得ることができる。
【0032】
なお、ここで言う「1分子中の窒素含有量」とは、化合物1分子中に含まれる窒素原子の質量比を百分率で表したものである。この値は、化合物を構成する各元素の原子量から計算によって求めることができる。計算においては、酸素の原子量を16、窒素の原子量を14、炭素の原子量を12、水素の原子量を1、硫黄の原子量を32.1とする。
【0033】
1分子中の窒素含有量が70at%以上の化合物としては、下記一般式(1)及び(2)で表される化合物が好適である。
【0034】
1分子中の窒素含有量が70at%以上である化合物が、一般式(1)
【0035】
【化5】
【0036】
(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子又はアミノ基を示す。)
で表される化合物、及び
一般式(2)
【0037】
【化6】
【0038】
[式中、R4は、水素原子、アミノ基又はトリアミノメチル基を示す。Yは、水素原子、アミノ基、トリアミノメチル基、
【0039】
【化7】
【0040】
(式中、R5は、水素原子、アミノ基、メチル基、アミノメチル基、ジアミノメチル基、トリアミノメチル基、アミノエチル基、ジアミノエチル基又はトリアミノエチル基を示す)又は、
【0041】
【化8】
【0042】
(式中、R6は、水素原子、アミノ基、アミノメチル基、ジアミノメチル基又はトリアミノメチル基を示す)を示す。]
で表される化合物。
【0043】
このような含窒素発泡剤としては、例えば、ビステトラゾール・ジグアニジン、アゾビステトラゾール・ジグアニジン、アゾビステトラゾール・ジアミノグアニジン(例えば、それぞれ、製品名セルテトラBHT−2GAD、セルテトラABG、セルテトラABAGとして永和化成工業(株)から入手可能)等が挙げられる。このうち、本発明の発泡剤としては、特にアゾビステトラゾール・ジグアニジン及び/又はアゾビステトラゾール・ジアミノグアニジン(CAS 番号2450−00−2)が好適である。
【0044】
アゾビステトラゾール・ジグアニジンは下記式(3)で表される化合物であり、アゾビステトラゾール・ジアミノグアニジンは下記式(4)で表される化合物である。
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
一般式(1)及び(2)で表される化合物は、上記(3)及び(4)のような化合物として用いられても良い。
【0048】
発泡剤の含有量は限定されないが、結合剤の固形分100重量部に対して、通常40〜200重量部、好ましくは40〜100重量部である。
【0049】
炭化剤は、一般に、火災による結合剤の炭化とともにそれ自体も脱水炭化していくことにより、断熱性により優れた厚みのある発泡層を形成する作用を有する。炭化剤としては、このような作用を有する限り特に制限されず、公知の発泡性耐火材料における炭化剤と同様のものが使用できる。例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの他、デンプン、カゼイン等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。本発明では、特にジペンタエリスリトールが脱水冷却効果と発泡層形成作用に優れている点で好ましい。
【0050】
炭化剤の含有量は特に制限されないが、結合剤の固形分100重量部に対して、通常40〜150重量部、好ましくは50〜100重量部である。
【0051】
本発明の発泡層安定剤としては、その屈折率(光の波長:589nm、測定温度:20℃)が1.4〜1.8(特に1.45〜1.65)であるものを使用する。屈折率が上記範囲内であれば、優れた耐火断熱性能を発揮するとともに、良好な透明性を有する塗膜を形成することが可能となる。なお、ここに言う屈折率とは、アッベ屈折計を用いて測定される値である。
【0052】
このような屈折率を有する材料として、好ましくは4価の元素(特にSi)を含む材料が好ましい。最も好ましい発泡層安定剤はSiO2を含む材料(特に、SiO2含有粉末)である。このような材料(又はその供給源)としては、例えば珪砂、珪石、石英等を用いることができる。
【0053】
また、発泡層安定剤は、好ましくは粉末状のものを使用する。特に、発泡層安定剤の平均粒子径は、0.01〜50μm(好ましくは0.1〜10μm)である。このような平均粒子径をもつ粉末を発泡層安定剤として使用することにより、形成される塗膜の鮮映性をより高めることができる。
【0054】
このような発泡層安定剤の使用によって、通常時には基材の素材感や意匠性を生かすことが可能な透明性を有する塗膜が効果的に得られ、かつ、火災時には十分な強度を有し、基材の温度上昇を効果的に抑制できる発泡層が効果的に得られる。
【0055】
発泡層安定剤の含有量は、結合剤の固形分100重量部に対して、通常40〜200重量部、好ましくは50〜150重量部である。発泡層安定剤が40重量部より少ない場合は、発泡層の強度が不足し、発泡層が消失又は崩壊してしまうおそれがある。発泡層安定剤が200重量部より多い場合は、塗膜の透明性が低下したり、あるいは発泡倍率が低下するおそれがある。
【0056】
本発明塗料による塗膜は、加熱時(例えばISO834の標準加熱曲線に準じて加熱したとき)におけるリン化合物との反応によって、発泡層(好ましくは結晶構造を有する発泡層)を形成するものである。このような発泡層は、十分な強度を有しており、長時間の加熱によってもその形状を保持することができるため、優れた耐火断熱性を発揮することができる。発泡層が結晶構造を有する場合、その結晶構造はMPO4及び/又はM(PO3)3(ただし、Mは3価の元素)あるいはMP2O7(ただし、Mは4価の元素)で表される。特に、優れた耐火断熱性を発揮できるという点で、本発明の発泡層は、上記MP2O7で表される結晶構造を有することが好ましい。
【0057】
本発明の発泡性耐火塗料には、本発明の効果を阻害しない範囲内において、必要に応じて、繊維、可塑剤、分散剤等を配合することもできる。
【0058】
本発明の発泡性耐火塗料は、その塗料により形成された塗膜が、隠ぺい率10%以下(好ましくは9%以下)である。このような塗膜が形成可能であれば、基材の素材感や意匠性を十分に生かすことができる。なお、本発明における隠ぺい率は、JIS 5600−4−1:1999「隠ぺい力」に準じて、乾燥厚み80μmの塗膜(乾燥塗膜)について測定した値である。
2.発泡性耐火塗料の製造
本発明の発泡性耐火塗料は、上記のような各成分を均一に混合すれば得ることができる。各成分の混合順序等は特に制限されない。上記混合に際しては、ミキサー、ニーダー等の公知の装置を使用すれば良い。
3.発泡性耐火塗料の使用
本発明の発泡性耐火塗料は、耐火性を付与すべき基材に塗付積層することによってその効果を発揮することができる。
【0059】
耐火性を付与すべき基材とは、建築物・土木構築物などの構造物において耐火構造とすべき部分であり、例えば、壁、柱、床、梁、屋根、階段等の各部位が挙げられる。特に、本発明では上述のような特徴を有する発泡性耐火層を使用することから、基材が木質材で構成されるものである場合に適している。これら基材は、何らかの下地処理(難燃処理、防虫処理、防腐処理等)が施されたものであっても良い。なお、本発明の発泡性耐火塗料は、防火性能を必要とする部位に適用することも可能である。
【0060】
発泡性耐火塗料を基材に塗付する際には、スプレー、ローラー、刷毛等の塗装器具を使用して、一回ないし数回塗り重ねて塗装すれば良い。最終的に形成される発泡性耐火層の厚みは、所望の耐火性能、適用部位等により適宜設定すれば良いが、通常は0.2〜5mm程度である。
【0061】
本発明では、発泡性耐火層を保護するために、必要に応じてさらに透明上塗層を積層することもできる。このような透明上塗層は、公知のクリヤー塗料を塗付することによって形成することができる。クリヤー塗料としては、例えば、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、フッ素樹脂系等の塗料を用いることができる。クリヤー塗料の塗装は、公知の塗装方法によれば良く、スプレー、ローラー、刷毛等の塗装器具を使用することができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、通常時には基材の素材感や意匠性を生かすことが可能な透明性を有する塗膜を形成し、かつ、火災時には十分な強度を有し、基材の温度上昇を抑制する発泡層を形成することができる発泡性耐火塗料を提供することができる。
【0063】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。ただし、本発明の範囲は、これら実施例の範囲に限定されない。
【0064】
実施例1
(1)塗料の製造
結合剤としてアクリル樹脂(ビニルトルエン−アクリル酸エステル共重合物、固形分40重量%)250重量部、リン化合物としてポリリン酸アンモニウム320重量部、発泡剤として液状メラミン樹脂65重量部、炭化剤としてジペンタエリスリトール65重量部、発泡層安定剤として珪石粉(屈折率1.55、平均粒子径1μm)120重量部を均一に混合することにより発泡性耐火塗料を製造した。
(2)隠ぺい率
上記(1)で得られた発泡性耐火塗料の隠ぺい率をJIS 5600−4−1:1999「隠ぺい力」に準じて測定した。具体的には、上記発泡耐火塗料を乾燥厚み80μmとなるようにフィルムアプリケータで隠ぺい率試験紙に塗り付け、温度23℃・相対湿度50%の条件下にて48時間乾燥させることによって、試験片を作製した。この試験片について、色彩色差計「CR−300」(ミノルタ社製)を用いて黒地上塗膜と白地上塗膜の視感反射率を測定し、これらの結果に基づいて隠ぺい率を算出した。その結果を表1に示す。
(2)加熱試験
黒皮鋼板に対し、上記(1)で得られた発泡性耐火塗料を乾燥厚み1mmとなるように刷毛で塗り付け、温度23℃・相対湿度50%下にて48時間乾燥させることにより試験体を作製した。この試験体を用いて加熱試験を実施した。試験方法は、ISO834の標準加熱曲線に準じて一定時間(30分及び1時間)加熱し、室温に冷却した後、発泡層の発泡倍率を測定した。評価は下記のとおりとした。その結果を表1に示す。
【0065】
○:発泡倍率10倍以上
△:発泡倍率10倍未満
×:発泡層消失又は崩壊
また、加熱試験後の発泡層について、X線回折装置(製品名「RINT−1100」,株式会社リガク社製)による測定を行い、そこで得られたX線回折パターンから、その結晶構造を解析した。その結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
実施例2
液状メラミン樹脂に代えて、発泡剤としてアゾビステトラゾール・ジグアニジン55重量部を使用したほかは、実施例1と同様にして発泡性耐火塗料を製造した。得られた発泡耐火塗料を用いて実施例1と同様の試験を実施した。その結果を表1に示す。
【0068】
比較例1
珪石粉に代えて、発泡層安定剤としてアルミナ粉(屈折率1.76、平均粒子径0.7μm)120重量部を使用したほかは、実施例1と同様にして発泡性耐火塗料を製造した。得られた発泡耐火塗料を用いて実施例1と同様の試験を実施した。その結果を表1に示す。
【0069】
比較例2
珪石粉に代えて、発泡層安定剤としてホウ酸亜鉛粉(屈折率1.59、平均粒子径6μm)120重量部を使用したほかは、実施例1と同様にして発泡性耐火塗料を製造した。得られた発泡耐火塗料を用いて実施例1と同様の試験を実施した。その結果を表1に示す。
【0070】
比較例3
珪石粉に代えて、発泡層安定剤として酸化チタン粉末(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)120重量部を使用したほかは、実施例1と同様にして発泡性耐火塗料を製造した。得られた発泡耐火塗料を用いて実施例1と同様の試験を実施した。その結果を表1に示す。
【0071】
比較例4
発泡層安定剤を配合しなかったほかは、実施例1と同様にして発泡性耐火塗料を製造した。得られた発泡耐火塗料を用いて実施例1と同様の試験を実施した。その結果を表1に示す。
Claims (5)
- 結合剤、リン化合物、発泡剤、炭化剤及び発泡層安定剤を含有する発泡性耐火塗料であって、
(1)当該発泡層安定剤が、屈折率1.4〜1.8及び平均粒子径0.01〜 50μmであり、
(2)当該発泡層安定剤が、当該結合剤の固形分100重量部に対して40〜200重量部含まれており、
(3)当該塗料によって形成された塗膜が、隠ぺい率10%以下である、
ことを特徴とする発泡性耐火塗料。 - 発泡層安定剤の一部又は全部がSiO2であることを特徴とする請求項1記載の発泡性耐火塗料。
- 発泡剤の一部又は全部が、1分子中の窒素含有量が70at%以上である化合物である請求項1又は2記載の発泡性耐火塗料。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性耐火塗料によって形成された塗膜。
- ISO834の標準加熱曲線に準じて塗膜を加熱したときに、リン化合物と発泡層安定剤に由来する結晶構造からなる発泡層を形成する請求項4記載の塗膜。
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