JP2004155882A - フラックス用洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】塩素系または代替フロン系溶剤を含むことなく優れた洗浄性を有するとともに環境及び人体への影響が少なく安全で、かつ部材に対する腐食等の影響を与えないフラックス用洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】(イ)から(ハ)の成分を含有するフラックス用洗浄剤組成物。
(イ)一般式(1):
(式中、R1及びR2は、炭素数4〜8のアルキル基を表し、R1とR2は同時に同じであってもよい。)で表されるジアルキルカーボネート。(ロ)一般式(2):
(式中、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基、R4は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、AOは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基、nは1〜3の整数である)で示されるグリコール系溶剤。(ハ)炭化水素系溶剤。
【選択図】 なし
【解決手段】(イ)から(ハ)の成分を含有するフラックス用洗浄剤組成物。
(イ)一般式(1):
(式中、R1及びR2は、炭素数4〜8のアルキル基を表し、R1とR2は同時に同じであってもよい。)で表されるジアルキルカーボネート。(ロ)一般式(2):
(式中、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基、R4は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、AOは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基、nは1〜3の整数である)で示されるグリコール系溶剤。(ハ)炭化水素系溶剤。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子、通信機器、電機分野におけるプリント基板やハイブリッドICの半田付け後に残った半田フラックス残渣の洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、精密部品や電子部品のプリント配線基板等の製造工程で用いられるフラックスには、正リン酸、塩酸、フッ酸、塩化亜鉛、塩化アンモニウム等の無機系フラックスやロジン、活性ロジン等のロジン系フラックス、及び、ステアリン酸、乳酸、オレイン酸、塩酸アニリン、尿素、エチレンジアミン等の有機系フラックスが代表的であり、また、いずれも界面活性剤を含むものがある。通常は、ロジン系フラックスや有機系フラックスが使用され、特に、精密部品や電子部品のプリント配線基板等の製造工程ではロジン系フラックスが使用される。ロジンは、異性体混合物からなり、その主たる成分はアビエチン酸であるが、洗浄の困難な物質である。
【0003】
残留フラックスは、配線基板等の回路断線等の原因ともなるので、半田付けの後には残留半田フラックスの洗浄除去が必要不可欠である。従来、フラックス用洗浄剤としては、ジクロルメタンに代表される塩素系溶剤や1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC141b)、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)と呼ばれるフロン系溶剤が使用されていた。しかしながら、塩素系溶剤は人体への悪影響や地下水汚染等環境問題が存在し、フロン系溶剤はオゾン層破壊物質として使用を削減する方向にあるため、これら塩素系溶剤、フロン系溶剤に代わる洗浄溶剤の提供が望まれている。
【0004】
この様なことから上記の溶剤に替わる各種溶剤を用いた洗浄剤が提案されている。しかしながら、電子部品や精密部品は種々の材質からなっており、例えば、銅、アルミ、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等各種が使用されているため、フラックス用洗浄剤はこれら材質に対しても影響のないものが要求される。
【0005】
特許文献1には、水溶性グリコールエーテル、有機アミン及び水からなる組成物が開示され、特許文献2には、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテルとアミン系化合物からなる洗浄剤組成物が開示されているが、有機アミンを用いると洗浄後有機アミンの除去のための水によるリンスが必要であり、水は配線基板等に悪影響を与えるという問題がある。
特許文献3には、ノルマルデカンと3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール共沸様洗浄剤組成物が、特許文献4には、グリコールエーテル系化合物とノニオン性界面活性剤を含有する洗浄剤が開示されているが、洗浄が困難なロジン系フラックスに対する洗浄性は十分とはいえない。特許文献5には、非塩素系フッ素化合物、グリコールエーテルモノアルキルエーテル類とグリコールエーテルジアルキルエーテル類を含有する洗浄剤が開示されているが、非塩素系フッ素化合物は溶解力が低く洗浄性能力に劣るという問題点を持っている。
【0006】
【特許文献1】
特開平09−87668号
【特許文献2】
特開平10−168488号
【特許文献3】
特開平9−59680号
【特許文献4】
特開平03−97792号
【特許文献5】
特開2001−240897号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、つまり、電子、通信機器、電機分野におけるプリント基板やハイブリッドICの半田付け後に残った半田フラックス残渣に対して、塩素系または代替フロン系溶剤を含むことなく優れた洗浄性を有するとともに環境及び人体への影響が少なく安全で、かつ、部材に対する腐食等の影響を与えないフラックス用洗浄剤組成物を提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(イ)から(ハ)の成分を含有するフラックス用洗浄剤組成物を提供する。
(イ)一般式(1):
【0009】
【化3】
【0010】
(式中、R1及びR2は、炭素数4〜8のアルキル基を表し、R1とR2は同時に同じであってもよい。)で表されるジアルキルカーボネート
(ロ)一般式(2):
【0011】
【化4】
【0012】
(式中、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基、R4は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、AOは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基、nは1〜3の整数である)で示されるグリコール系溶剤。
(ハ)炭化水素系溶剤
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる一般式(1)で示されるジアルキルカーボネートにおいて、R1及びR2は、炭素原子数4〜8のアルキル基を示し、R1とR2は同時に同じであってもよい。例示すると、ジブチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ブチルヘプチルカーボネート、ブチルオクチルカーボネート等が挙げられる。好ましくはジブチルカーボネート、ブチルヘプチルカーボネートである。配合量は、洗浄剤組成物の全体量に対して10〜40重量%であり、好ましくは、15〜40重量%である。10重量%以下または40重量%以上では、洗浄能力に対して溶剤混合による相乗効果が期待できず、また、40重量%以上であれば、臭気に問題がでてくる。
【0014】
一般式(2)で表されるグリコール系溶剤において、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基、R4は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、AOは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を示す。nは1〜3の整数である。グリコール系の極性の観点から、好ましくは、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等であり、2種以上混合して使用してよい。除去対象の極性の観点から、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルがさらに好ましい。配合量は、洗浄剤組成物の全体量に対して10〜40重量%であり、好ましくは15〜40重量%である。10重量%以下または40重量%以上では、洗浄能力に対して溶剤混合による相乗効果が期待できない。
【0015】
本発明に用いる成分(ハ)の炭化水素系溶剤は、ノルマルパラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、オレフィン系溶剤、芳香族系溶剤等である。構造等により特に限定されるものではない。但し、臭気等作業環境を考慮する場合は芳香族系溶剤が少ない方が好ましく、さらにノルマルパラフィン系、イソパラフィン系溶剤含有量の多い方が好ましい。フラックスの溶解力としては、オレフィン系溶剤、芳香族系溶剤含有量が多い方が好ましい。使用状況に応じた選定を行うことが可能である。また、引火性の危険から引火点は、50℃以上が好ましい。また、炭素原子数が15以上になると作業性が悪くなり好ましくない。配合量は、洗浄剤組成物の全体量に対して40〜80重量%であり、好ましくは、50〜60重量%である。40重量%以下または80重量%以上では、洗浄能力に対して溶剤混合による相乗効果が期待できない。
【0016】
さらに必要に応じてフラックスへの浸透力を向上させる目的として、界面活性剤を含有してもよい。使用する界面活性剤は、従来より洗浄剤に用いられる公知の界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤いずれでもよいが疎水性の強い界面活性剤が望ましい。好ましくは非イオン界面活性剤であり、例えば、トリオキシエチレンドデシルエーテル、テトラオシキエチレン−2−エチルヘキシルエーテル等が挙げられる。本発明組成物において、界面活性剤の含有量は5重量%以下であることが好ましく、さらに2重量%以下であることが好ましい。5重量%以上含有しても除去能力向上は難しく、不経済であるだけでなく、洗浄後のべたつき等の問題が生じる。
【0017】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、洗浄剤の評価は下記の方法により行った。
【0018】
実施例1〜5
表1に示す組成による洗浄剤を調整し、以下に示す方法により洗浄性、部材への影響性、及びオゾン層破壊に関する評価を行った。結果を表2に示した。
【0019】
(1)洗浄性評価方法
ロジン系フラックスの付着したプリント配線基板を表1に示す洗浄剤に浸漬し、以下の条件にて洗浄試験を行った。尚、判定は250倍の顕微鏡写真より判定し、以下の3段階による評価を行った。
・試験条件
試験温度;室温約25℃
洗浄装置;三社電機(株)製超音波洗浄機(40kHz,600W)
洗浄時間;30秒×2回
後工程;IPAに30秒浸漬後、熱風乾燥
・評価基準
○:シミ状のフラックス残渣が完全に除去され、きれいな状態
△:素地に染み込んだフラックスは除去されず残っている状態
×:フラックス残渣の大部分が残っている状態
【0020】
(2)部材への影響試験
試験片として、銅コイル部(ウレタン系樹脂コーティング)及びパッケージ部材(エチレン系樹脂)を用い、実施例の洗浄剤に浸漬し、室温にて3時間超音波処理を実施した。処理前後の表面状態を250倍顕微鏡写真にて判定し、何らかの変化があるものを×、変化なしのものを○とした。
【0021】
(3)オゾン層破壊に関する評価
各実施例及び比較例の組成においてオゾン破壊係数を有する組成物を×、有しない組成物を○とした。
【0022】
【比較例】
比較例1〜9
表1に示した組成の洗浄剤を調整し、実施例と同様に評価した。結果を表2に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】
本発明は、電子、通信機器、電機分野におけるプリント基板やハイブリッドICの半田付け後に残った半田フラックス(特に、ロジン系)残渣の洗浄を効果的に行うことができる安全性の高い、かつ経済的で部材等に影響を与えない塩素系または代替フロン系溶剤を含まないフラックス用洗浄剤組成物である。特に、水分残渣等を嫌う場合や銅コイル部を有するプリント基板の洗浄に有効である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子、通信機器、電機分野におけるプリント基板やハイブリッドICの半田付け後に残った半田フラックス残渣の洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、精密部品や電子部品のプリント配線基板等の製造工程で用いられるフラックスには、正リン酸、塩酸、フッ酸、塩化亜鉛、塩化アンモニウム等の無機系フラックスやロジン、活性ロジン等のロジン系フラックス、及び、ステアリン酸、乳酸、オレイン酸、塩酸アニリン、尿素、エチレンジアミン等の有機系フラックスが代表的であり、また、いずれも界面活性剤を含むものがある。通常は、ロジン系フラックスや有機系フラックスが使用され、特に、精密部品や電子部品のプリント配線基板等の製造工程ではロジン系フラックスが使用される。ロジンは、異性体混合物からなり、その主たる成分はアビエチン酸であるが、洗浄の困難な物質である。
【0003】
残留フラックスは、配線基板等の回路断線等の原因ともなるので、半田付けの後には残留半田フラックスの洗浄除去が必要不可欠である。従来、フラックス用洗浄剤としては、ジクロルメタンに代表される塩素系溶剤や1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC141b)、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225)と呼ばれるフロン系溶剤が使用されていた。しかしながら、塩素系溶剤は人体への悪影響や地下水汚染等環境問題が存在し、フロン系溶剤はオゾン層破壊物質として使用を削減する方向にあるため、これら塩素系溶剤、フロン系溶剤に代わる洗浄溶剤の提供が望まれている。
【0004】
この様なことから上記の溶剤に替わる各種溶剤を用いた洗浄剤が提案されている。しかしながら、電子部品や精密部品は種々の材質からなっており、例えば、銅、アルミ、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等各種が使用されているため、フラックス用洗浄剤はこれら材質に対しても影響のないものが要求される。
【0005】
特許文献1には、水溶性グリコールエーテル、有機アミン及び水からなる組成物が開示され、特許文献2には、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテルとアミン系化合物からなる洗浄剤組成物が開示されているが、有機アミンを用いると洗浄後有機アミンの除去のための水によるリンスが必要であり、水は配線基板等に悪影響を与えるという問題がある。
特許文献3には、ノルマルデカンと3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール共沸様洗浄剤組成物が、特許文献4には、グリコールエーテル系化合物とノニオン性界面活性剤を含有する洗浄剤が開示されているが、洗浄が困難なロジン系フラックスに対する洗浄性は十分とはいえない。特許文献5には、非塩素系フッ素化合物、グリコールエーテルモノアルキルエーテル類とグリコールエーテルジアルキルエーテル類を含有する洗浄剤が開示されているが、非塩素系フッ素化合物は溶解力が低く洗浄性能力に劣るという問題点を持っている。
【0006】
【特許文献1】
特開平09−87668号
【特許文献2】
特開平10−168488号
【特許文献3】
特開平9−59680号
【特許文献4】
特開平03−97792号
【特許文献5】
特開2001−240897号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、つまり、電子、通信機器、電機分野におけるプリント基板やハイブリッドICの半田付け後に残った半田フラックス残渣に対して、塩素系または代替フロン系溶剤を含むことなく優れた洗浄性を有するとともに環境及び人体への影響が少なく安全で、かつ、部材に対する腐食等の影響を与えないフラックス用洗浄剤組成物を提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(イ)から(ハ)の成分を含有するフラックス用洗浄剤組成物を提供する。
(イ)一般式(1):
【0009】
【化3】
【0010】
(式中、R1及びR2は、炭素数4〜8のアルキル基を表し、R1とR2は同時に同じであってもよい。)で表されるジアルキルカーボネート
(ロ)一般式(2):
【0011】
【化4】
【0012】
(式中、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基、R4は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、AOは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基、nは1〜3の整数である)で示されるグリコール系溶剤。
(ハ)炭化水素系溶剤
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる一般式(1)で示されるジアルキルカーボネートにおいて、R1及びR2は、炭素原子数4〜8のアルキル基を示し、R1とR2は同時に同じであってもよい。例示すると、ジブチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ブチルヘプチルカーボネート、ブチルオクチルカーボネート等が挙げられる。好ましくはジブチルカーボネート、ブチルヘプチルカーボネートである。配合量は、洗浄剤組成物の全体量に対して10〜40重量%であり、好ましくは、15〜40重量%である。10重量%以下または40重量%以上では、洗浄能力に対して溶剤混合による相乗効果が期待できず、また、40重量%以上であれば、臭気に問題がでてくる。
【0014】
一般式(2)で表されるグリコール系溶剤において、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基、R4は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、AOは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を示す。nは1〜3の整数である。グリコール系の極性の観点から、好ましくは、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等であり、2種以上混合して使用してよい。除去対象の極性の観点から、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルがさらに好ましい。配合量は、洗浄剤組成物の全体量に対して10〜40重量%であり、好ましくは15〜40重量%である。10重量%以下または40重量%以上では、洗浄能力に対して溶剤混合による相乗効果が期待できない。
【0015】
本発明に用いる成分(ハ)の炭化水素系溶剤は、ノルマルパラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、オレフィン系溶剤、芳香族系溶剤等である。構造等により特に限定されるものではない。但し、臭気等作業環境を考慮する場合は芳香族系溶剤が少ない方が好ましく、さらにノルマルパラフィン系、イソパラフィン系溶剤含有量の多い方が好ましい。フラックスの溶解力としては、オレフィン系溶剤、芳香族系溶剤含有量が多い方が好ましい。使用状況に応じた選定を行うことが可能である。また、引火性の危険から引火点は、50℃以上が好ましい。また、炭素原子数が15以上になると作業性が悪くなり好ましくない。配合量は、洗浄剤組成物の全体量に対して40〜80重量%であり、好ましくは、50〜60重量%である。40重量%以下または80重量%以上では、洗浄能力に対して溶剤混合による相乗効果が期待できない。
【0016】
さらに必要に応じてフラックスへの浸透力を向上させる目的として、界面活性剤を含有してもよい。使用する界面活性剤は、従来より洗浄剤に用いられる公知の界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤いずれでもよいが疎水性の強い界面活性剤が望ましい。好ましくは非イオン界面活性剤であり、例えば、トリオキシエチレンドデシルエーテル、テトラオシキエチレン−2−エチルヘキシルエーテル等が挙げられる。本発明組成物において、界面活性剤の含有量は5重量%以下であることが好ましく、さらに2重量%以下であることが好ましい。5重量%以上含有しても除去能力向上は難しく、不経済であるだけでなく、洗浄後のべたつき等の問題が生じる。
【0017】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、洗浄剤の評価は下記の方法により行った。
【0018】
実施例1〜5
表1に示す組成による洗浄剤を調整し、以下に示す方法により洗浄性、部材への影響性、及びオゾン層破壊に関する評価を行った。結果を表2に示した。
【0019】
(1)洗浄性評価方法
ロジン系フラックスの付着したプリント配線基板を表1に示す洗浄剤に浸漬し、以下の条件にて洗浄試験を行った。尚、判定は250倍の顕微鏡写真より判定し、以下の3段階による評価を行った。
・試験条件
試験温度;室温約25℃
洗浄装置;三社電機(株)製超音波洗浄機(40kHz,600W)
洗浄時間;30秒×2回
後工程;IPAに30秒浸漬後、熱風乾燥
・評価基準
○:シミ状のフラックス残渣が完全に除去され、きれいな状態
△:素地に染み込んだフラックスは除去されず残っている状態
×:フラックス残渣の大部分が残っている状態
【0020】
(2)部材への影響試験
試験片として、銅コイル部(ウレタン系樹脂コーティング)及びパッケージ部材(エチレン系樹脂)を用い、実施例の洗浄剤に浸漬し、室温にて3時間超音波処理を実施した。処理前後の表面状態を250倍顕微鏡写真にて判定し、何らかの変化があるものを×、変化なしのものを○とした。
【0021】
(3)オゾン層破壊に関する評価
各実施例及び比較例の組成においてオゾン破壊係数を有する組成物を×、有しない組成物を○とした。
【0022】
【比較例】
比較例1〜9
表1に示した組成の洗浄剤を調整し、実施例と同様に評価した。結果を表2に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】
本発明は、電子、通信機器、電機分野におけるプリント基板やハイブリッドICの半田付け後に残った半田フラックス(特に、ロジン系)残渣の洗浄を効果的に行うことができる安全性の高い、かつ経済的で部材等に影響を与えない塩素系または代替フロン系溶剤を含まないフラックス用洗浄剤組成物である。特に、水分残渣等を嫌う場合や銅コイル部を有するプリント基板の洗浄に有効である。
Claims (4)
- (イ)に示すジアルキルカーボネートを10〜40重量%、(ロ)に示すグリコール系溶剤を10〜40重量%、及び(ハ)の炭化水素系溶剤を40〜80重量%含有する請求項2に記載の
フラックス用洗浄剤組成物。 - (ロ)に示すグリコール系溶剤が、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルから選ばれる1種以上のグリコール系溶剤である請求項1及び2に記載のフラックス用洗浄剤組成物。
- (イ)に示すジアルキルカーボネートが、ジブチルカーボネート、ブチルヘプチルカーボネートから選ばれる少なくとも1種のジアルキルカーボネートである請求項1、2及び3に記載のフラックス用洗浄剤組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP (1) | JP2004155882A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015081293A (ja) * | 2013-10-23 | 2015-04-27 | 東亞合成株式会社 | カーボネート系洗浄剤 |
KR102461835B1 (ko) * | 2022-07-26 | 2022-11-01 | 주식회사 비와이씨 | 친환경 산업용 세정제조성물 |
KR102505513B1 (ko) * | 2022-10-07 | 2023-03-06 | 주식회사 비와이씨 | 친환경 산업용 세정제조성물 |
-
2002
- 2002-11-06 JP JP2002322122A patent/JP2004155882A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015081293A (ja) * | 2013-10-23 | 2015-04-27 | 東亞合成株式会社 | カーボネート系洗浄剤 |
KR102461835B1 (ko) * | 2022-07-26 | 2022-11-01 | 주식회사 비와이씨 | 친환경 산업용 세정제조성물 |
WO2024025115A1 (ko) * | 2022-07-26 | 2024-02-01 | 주식회사 비와이씨 | 친환경 산업용 세정제조성물 |
KR102505513B1 (ko) * | 2022-10-07 | 2023-03-06 | 주식회사 비와이씨 | 친환경 산업용 세정제조성물 |
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