JP2004155656A - 糖衣錠 - Google Patents

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Yasumasa Matsumoto
泰正 松本
Yoshitake Kitsunai
良剛 橘内
Shoji Yamazaki
祥司 山崎
Masaaki Yoshimura
政哲 吉村
Yasuki Honda
泰揮 本多
Yasuteru Eguchi
泰輝 江口
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Abstract

【課題】マスキング効果が高く、小型化でき、効率的に製造できる糖衣錠の提供。
【解決手段】素錠又はフィルムコーティング錠と糖衣層の間に、粉体、結合剤及び10重量%未満の糖質を含有するコーティング層を有する糖衣錠。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、臭い、色、味等のマスキング効果が高く、小型化及び製造時間の短縮化が可能な糖衣錠及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
糖衣錠は、臭い、色、味等のマスキングができる、ウイスカーの発生を防止できる等の利点があるため、古くから経口用製剤として広く利用されてきた。しかし、製剤が大きくなり、服用し難い場合がある。また糖衣錠の製造は、一般に、前下掛け、下掛け、中掛け、上掛け、仕上げ、熟成、艶出しと多くの工程からなっており、さらには職人的な固有の技術に支えられている面が多く、生産性の向上は大きな課題であった。
【0003】
そこで、小型でありながら前記糖衣錠の利点を保持した糖衣錠の開発が試みられている。例えば、水溶性セルロース誘導体と低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有するショ糖水溶液を用いて糖衣を施す方法(特許文献1参照)、糖衣層の表面に、更にヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のフィルムコーティングを施す方法(特許文献2参照)、素錠重量の5〜60%の、糖質、賦形剤及び結合剤を含む糖衣層を設ける方法(特許文献3参照)が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−5910号公報
【特許文献2】
特開平11−116467号公報
【特許文献3】
特開2002−179559号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2記載の糖衣錠は、最外表面にフィルムコーティングされていることから、服用時にぬるつきなどの不快感を呈するという欠点を有する。また特許文献1及び3記載の糖衣錠は、糖衣層の内側に結合剤に加えて賦形剤及び多量の糖質を有することから、コーティング工程を▲1▼液の噴霧、▲2▼ポーズ(噴霧を停止しパンの回転のみ行い、コーティング液を錠剤表面にいきわたらせる)及び▲3▼乾燥の各工程に分割して繰り返し行うことによって薄い糖衣層を積層させるか、コーティング液の噴霧速度を著しく遅くして操作を行わないと、錠剤表面が乾燥不足となり、錠剤同士がくっついて塊となったり、層の剥がれや双子錠及び肌荒れが生じるといった欠点を有する。
【0006】
従って、本発明の目的は、臭い、色、味等のマスキング効果が高く、小型化及び製造時間の短縮化が可能な糖衣錠を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、素錠と糖衣層の間に、粉体及び結合剤を有するコーティング層を形成せしめることにより、臭い、色、味等のマスキング効果が高く、小型化、製造時間の短縮化ができることを見出した。
【0008】
すなわち本発明は、素錠又はフィルムコーティング錠と糖衣層の間に、粉末、結合剤及び10重量%未満の糖質を含有するコーティング層を有する糖衣錠、及びその製造法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の糖衣錠は、素錠又はフィルムコーティング錠と糖衣層の間に、粉体、結合剤及び10重量%未満の糖質を含有するコーティング層を有することを特徴とする。当該コーティング層中の糖質含有量は0〜10重量%未満である。10重量%以上の糖質を含むと、乾燥時にコーティング液の粘性が急激に高くなり錠剤同士がくっつきを起し、正常なコーティングが行えなくなる。ただし、10重量%未満の糖質を味の持続感を増強させる目的で加えることは一向に構わない。ここで用いられる糖質は、単糖類、二糖類及び糖アルコールから選ばれるものであり、具体的には後記の糖衣層に用いられるものが挙げられる。
【0010】
コーティング層に用いられる粉体としては、酸化チタン、卵殻カルシウム、炭酸カルシウム、乳精カルシウム、真珠末、蠣殻末、ホタテ貝殻カルシウム、サンゴ末、魚骨末、タルク、ドロマイト等が挙げられ、このうち酸化チタン、卵殻カルシウムが特に好ましい。
【0011】
コーティング層中の粉体の量は、10〜99重量%、特に60〜99重量%が好ましい。
【0012】
結合剤としては、アラビアゴム末、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(HPMC2208)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906(HPMC2906)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(HPMC2910)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、結晶セルロース、粉末セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール(PVA)、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、ゼラチン、キサンタンガム、トラガント、トラガント末、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げられる。このうち、アラビアゴム、プルラン、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロースが特に好ましい。
【0013】
コーティング層中の結合剤の量は、0.1〜60重量%、特に1〜50重量%が好ましい。
【0014】
コーティング層には、更に香料、フレーバー、色素、乳化剤、湿潤剤等を含有させることができる。香料及びフレーバーとしては、ジャコウ、シベット、カストリウム、アンバーグリス等の天然動物性香料、アニス精油、アンゲリカ精油、イランイラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カナンガ精油、カラウェー精油、カルダモン精油、グアヤクウッド精油、クミン精油、黒文字精油、ケイ皮精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、コリアンデル精油、シダーウッド精油、シトロネラ精油、ジャスミン精油、ジンジャーグラス精油、杉精油、スペアミント精油、西洋ハッカ精油、大茴香精油、チュベローズ精油、丁字精油、橙花精油、冬緑精油、トルーバルサム精油、バチュリー精油、バラ精油、パルマローザ精油、桧精油、ヒバ精油、白檀精油、プチグレン精油、ベイ精油、ベチバ精油、ベルガモット精油、ペルーバルサム精油、ボアドローズ精油、芳樟精油、マンダリン精油、ユーカリ精油、ライム精油、ラベンダー精油、リナロエ精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー精油、和種ハッカ精油等の植物性香料、その他メントール等の合成香料を挙げることができる。
また、色素としては赤キャベツ色素、赤大根色素、赤米色素、アカネ色素、アナトー色素、イカスミ色素、ウコン色素、エルダーベリー色素、エンジュ色素、オキアミ色素、カカオ色素、柿色素、カラメル、クチナシ色素、クロロフィル色素、コチニール色素、コーン色素、シソ色素、タマネギ色素、タマリンド色素、スピルリナ色素、ソバ全草色素、チェリー色素、海苔色素、ハイビスカス色素、パブリカ色素、ブドウ果汁色素、ベニコウジ色素、ベニバナ色素、マリーゴールド色素、紫イモ色素、紫トウモロコシ色素、紫ヤマイモ色素、ラック色素、ルチン等の天然系食用色素、及び赤色2号、3号、40号、102号、104号、106号、黄色4号、5号、青色1号、2号等の合成系食用色素を挙げることができる。
【0015】
また、乳化剤及び湿潤剤としてはショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、グリセリン等を挙げることができる。
【0016】
当該コーティング層の重量は、素錠重量の1〜50%、更に5〜40%、特に10〜30%が好ましい。
【0017】
前記コーティング層は、素錠又はフィルムコーティング錠の外層に設けられる。素錠は、薬効成分、必要に応じて賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤を混合、造粒して打錠することにより製造される。ここで薬効成分としては、特に限定されないが、臭い、色、味等をマスキングする必要がある薬効成分を用いるのが好ましい。
【0018】
臭い、色、味等をマスキングする必要がある成分としては、生薬末や天然物抽出エキス及びその造粒物、ビタミン類、アミノ酸類が挙げられる。
【0019】
例えば、生薬末や天然物抽出エキスとしては、アシュアガンダ、イカリソウ、エゾウコギ、カイクジン、カミツレ、ガラナ、カンゾウ、クコシ、コウキ、ゴオウ、ハンピ、ブクリョウ、ニクジュヨウ、ニンジン、ハトムギ、バレリアン、イチョウ、クワ、アロエ、オオバク、オウゴン、カミツレ、マリアアザミ、オオアザミ、ホップ、レモンバーム、チャ、トチュウ、タンポポ、ユーカリ等の抽出物や小麦胚芽、米胚芽、トウモロコシ胚芽、大豆レシチンから抽出した糖セラミド、マメ科、バラ科、アヤメ科等に含まれるイソフラボン誘導体、例えば大豆から抽出した大豆イソフラボン等が挙げられる。
また昆虫あるいは動物分泌物及び抽出物としては、ローヤルゼリー、コンドロイチン硫酸等を挙げることができる。
ビタミン類としては、ビタミンA群:レチノール、レチナール(ビタミンA)、デヒドロレチナール(ビタミンA)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群:チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB)、リボフラビン(ビタミンB)、ピリドキシン(ビタミンB)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC群:ビタミンC酸又はその誘導体、ビタミンD群:エルゴカルシフェロール(ビタミンD)、コレカルシフェロール(ビタミンD)、ジヒドロタキステロール、ビタミンE群:ビタミンE又はその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン(ビタミンK)、メナキノン(ビタミンK)、メナジオン(ビタミンK)、メナジオール(ビタミンK)、その他、必須脂肪酸(ビタミンF)、カルニチン、クロロゲン酸、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンU等が挙げられる。
アミノ酸類としては、バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン等や、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、或いはピロリドンカルボン酸のごときアミノ酸誘導体等が挙げられる。
【0020】
素錠中の薬効成分の含量は、5〜95重量%、更に10〜80重量%、特に20〜70重量%が好ましい。
【0021】
素錠に配合される賦形剤としては、タルク、沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、含水二酸化ケイ素、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロサイト、乾燥水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、クロスポビドン、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシスターチナトリウム等が挙げられる。素錠中の賦形剤の含量は0.01〜60重量%、特に0.1〜50重量%が好ましい。
【0022】
素錠に用いられる結合剤としては、前記コーティング層に用いられるものと同様である。
【0023】
また素錠に用いられる崩壊剤としてはカルメロースカルシウム、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファー化デンプン等が、滑沢剤としてはステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、ショ糖脂肪酸エステル等を挙げることができる。
【0024】
素錠は必要によりフィルムコーティングされていてもよく、当該フィルムコーティング成分としては、アラビアゴム末、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、ゼラチン、キサンタンガム、寒天、ヘミロース、ツェイン、シェラック等が挙げられる。フィルムコート層の重量は、素錠重量の0.1〜10%、特に0.5〜5%であるのが好ましい。
【0025】
本発明における糖衣層には、糖質及び必要に応じて粉体、結合剤、色素、香料、フレーバー、嬌味剤等が含まれる。ここで糖質としては、ショ糖(精製白糖、白糖)、果糖、ブドウ糖、乳糖、トレハロースのような単糖類、二糖類、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水飴、還元乳糖のような糖アルコール等が挙げられる。糖衣層中の糖質含量は、20〜100重量%、特に40〜100重量%が好ましい。
【0026】
粉体及び結合剤としては、前記コーティング層と同様のものが用いられる。
【0027】
香料及びフレーバーとしては、前記コーティング層と同様のものが用いられる。矯味剤としては、糖、糖アルコール、高甘味度甘味剤、酸味剤を配合することができる。矯味剤として本発明で用いられる糖及び糖アルコールは、ショ糖、トレハロース、乳糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、粉末還元麦芽糖水飴等が挙げられる。矯味剤として本発明で用いられる高甘味度甘味剤は、人工的に合成された甘味剤のうち、その甘味度が砂糖の数倍以上のもの、好ましくは約100倍以上のものをいい、具体的には、例えば、アスパルテーム、ステビア、サッカリン、グリチルリチン二カリウム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファームK等が挙げられる。矯味剤として本発明で用いられる酸味剤は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
【0028】
また本発明糖衣錠には、糖衣層の表面に更に艶出しコートを施すこともできる。艶出しコート成分としては、カルナウバロウ、白ロウなどのワックス類が好ましい。
【0029】
本発明のコーティング層及び糖衣層の合計重量は、素錠重量の5〜60%、更に10〜50%、特に15〜40%が小型化の点から好ましい。
【0030】
本発明の糖衣錠は、素錠又はフィルムコーティング錠に対し、前記コーティング液を噴霧してコーティング層を施し、次いで糖衣層を施すことにより製造される。糖衣層の形成もまた、糖衣液を噴霧することにより行なわれる。コーティング液及び糖衣液は、0.1〜1000μmの液滴として噴霧するのが短時間で小型の薄層糖衣錠を得る上で好ましい。本発明におけるコーティング層及び糖衣層の形成工程は、コーティング液又は糖衣液を噴霧すると同時に乾燥して行うのが好ましい。乾燥は、例えば30〜90℃の、より好ましくは40〜80℃の熱風を送ることにより行なわれる。
【0031】
【実施例】
実施例1
(1)素錠の調製
乾燥ローヤルゼリー粉末(アピ(株))229g、ビタミンB(三共(株))3g、ビタミンB(第一ファインケミカル(株))5g、ビタミンB(第一製薬(株))3g、ニコチン酸アミド(有機合成薬品工業(株))6g、パントテン酸カルシウム(第一製薬(株))9g、乳糖(DMV International社)31g、結晶セルロース(J.RETTENMAIER & SOHNE社)57g、卵殻カルシウム(太陽化学(株))34g、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株))23gを加えて混合後、卓上型ロータリー打錠機(RIVA社製PICCOLA D−8型)を用いて、1錠350mg、9mm径の素錠300gを製錠した。
【0032】
(2)コーティング層の被覆
(1)で得られた素錠300gをハイコーター(フロイント社製ハイコーターLABO)に入れ、ドラムを回転させながら70℃の熱風を毎分0.5mの一定流量でハイコーター内に5分間通気して素錠の予熱を行った。
次に、アラビアゴム10g、卵殻カルシウム50g、グリセリン6g、コチニール色素0.6gを精製水133.5gに溶解分散させたコーティング液を調製し、毎分2gの流量でこのコーティング液を77分噴霧して、素錠に素錠重量の15%相当量のコーティング層を被覆した。この間、70℃の熱風を毎分0.5mの一定流量でハイコーター内に通気して噴霧によるコートと同時に乾燥を行った。
【0033】
(3)糖衣層の被覆
更に5分間噴霧を停止して乾燥のみを行った後、精製白糖14.0g、アラビアゴム1.2g、卵殻カルシウム4.0g、コチニール色素0.12gを精製水20.7gに溶解分散させた糖衣コート液を調製し、毎分0.8gの流量でこの糖衣コート液を34分噴霧して、コーティング錠に素錠重量の4%相当量の糖衣層を被覆した。この間、70℃の熱風を毎分0.5mの一定流量でハイコーター内に通気して噴霧によるコートと同時に乾燥を行った。
次に噴霧を停止し5分間乾燥のみを行った後、糖衣錠にカルナウバロウを微量コーティングし、艶出しを行った。この艶出しに30分を要した。
【0034】
比較例1
実施例1(1)で得られた素錠300gをハイコーター(フロイント社製ハイコーターLABO)に入れ、ドラムを回転させながら70℃の熱風を毎分0.5mの一定流量でハイコーター内に5分間通気して素錠の予熱を行った。
次に、実施例1(3)で用いた糖衣コート液を毎分1.2gの流量で噴霧して糖衣コートを行った。このとき、70℃の熱風を毎分0.5mの一定流量でハイコーター内に通気して噴霧によるコートと同時に乾燥を行った。噴霧開始から3分経過した時、錠剤同士がくっつきを起し運転不能になり糖衣コートを中止せざるを得なかった。
【0035】
比較例2
実施例1(1)で得られた素錠300gをハイコーター(フロイント社製ハイコーターLABO)に入れ、ドラムを回転させながら70℃の熱風を毎分0.5mの一定流量でハイコーター内に5分間通気して素錠の予熱を行った。
次に、メチルセルロース20g、グリセリン5g、コチニール色素2.5gを精製水222.5gに溶解させたフィルムコート液を調製し、毎分2gの流量で210分噴霧して、素錠重量の7.2%相当量のフィルム層を被覆した。この間、70℃の熱風を毎分0.5mの一定流量でハイコーター内に通気して噴霧によるコートと同時に乾燥を行った。
次に、噴霧を停止し5分間乾燥のみを行った後、フィルム錠にカルナウバロウを微量コーティングし、艶出しを行った。この艶出しに30分を要した。
【0036】
実施例1、比較例1及び2におけるコーティング操作性(錠剤同士のくっつきなど)、コーティングに要した時間を表1に示す。また、実施例1と比較例2で得られた糖衣錠については、臭い及び色のマスキング効果、外観、及び食感を評価し、結果を表1に示した。なお、マスキング効果及び外観は、目視及び臭いをかぐことにより評価した。また、食感は、糖衣錠を一錠服用して評価した。
その結果、表1に示すように、素錠に直接糖衣層を設ける(比較例1)と錠剤同士がくっつき、ハイコーターが運転不能となった。また、素錠にフィルムコートだけを設けた場合(比較例2)、食感、及び外観、色のマスキングが十分でなかった。これに対し、本発明の糖衣錠は、糖衣操作、マスキング効果及び食感のいずれも良好であった。
【0037】
【表1】
Figure 2004155656
【0038】
実施例2
(1)防水フィルムコート錠の調製
実施例1(1)と同じ処方で、1錠350mg、9mm径の素錠5000gを製錠した。この素錠をハイコーター(フロイント社製ハイコーターHC−48N)に入れ、ツェイン24.5g、卵殻カルシウム27.5g、グリセリン5.5gをエタノール水溶液(エタノール207g、精製水35.5g)に溶解分散したコート液を用い、素錠重量の1%相当量の防水フィルム層を形成した防水フィルムコート錠5050gを得た。
【0039】
(2)コーティング層の被覆
(1)で得られた防水フィルムコート錠5050gを再びハイコーター(フロイント社製ハイコーターHC−48N)に入れ、ドラムを回転させながら70℃の熱風をハイコーター内に20分間通気して防水フィルムコート錠の予熱を行った。
次に、アラビアゴム150g、卵殻カルシウム750g、グリセリン90g、クチナシ色素(サンエローNo.3)9gを精製水2001gに溶解分散させたコーティング液を調製し、毎分35gの流量でこのコーティング液を69分噴霧して、防水フィルムコート錠に素錠重量の15%相当量のコーティング層を被覆した。この間、70℃の熱風を一定流量でハイコーター内に通気して噴霧によるコートと同時に乾燥を行った。
【0040】
(3)糖衣層の被覆
更に10分間噴霧を停止して乾燥のみを行った後、精製白糖910g、アラビアゴム78g、卵殻カルシウム260g、クチナシ色素(サンエローNo.3)7.8gを精製水1345gに溶解分散させた糖衣コート液を調製し、毎分15gの流量でこの糖衣コート液を32分噴霧して、コーティング錠に素錠重量の4%相当量の糖衣層を被覆した。この間、70℃の熱風をハイコーター内に通気して噴霧によるコートと同時に乾燥を行った。
次に噴霧を停止し10分間乾燥のみを行った後、糖衣錠にカルナウバロウを微量コーティングし、艶出しを行った。この艶出しに45分を要した。
【0041】
比較例3
実施例2の(1)で得られた防水フィルムコート錠5050gをハイコーター(フロイント社製ハイコーターMINI)に入れ、ドラムを回転させながら70℃の熱風をハイコーター内に20分間通気して防水フィルムコート錠の予熱を行った。
次に、錠剤同士のくっつきを回避するために、ハイコーター内への熱風の供給を停止し、実施例2(3)と同じ糖衣コート液を毎分20gの流量で2分間噴霧した。噴霧後更に5分間ドラムの回転のみを行った後、70℃の熱風をハイコーター内へ供給して5分間乾燥を行った。この工程を54回繰り返して、素錠重量の19%相当の糖衣層を被覆した。
次に、噴霧を停止し10分間乾燥のみを行った後、糖衣錠にカルナウバロウを微量コーティングし、艶出しを行った。この艶出しに45分を要した。
【0042】
実施例2及び比較例3で得られた糖衣錠について前記と同じ評価を行った。その結果、表2に示すように、本発明糖衣錠は、コーティング中間層を設けない比較例3に比べて、コーティング操作性、マスキング効果及び食感のすべてにおいて優れていた。
【0043】
【表2】
Figure 2004155656
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、臭い、味などのマスキング効果に優れ、糖分が少なくかつ小型で、従来の糖衣錠の製造方法と比較してサイクルタイムの大幅な短縮と簡略化が達成できる製造効率の良好な糖衣錠が得られる。

Claims (5)

  1. 素錠又はフィルムコーティング錠と糖衣層の間に、粉体、結合剤及び10重量%未満の糖質を含有するコーティング層を有する糖衣錠。
  2. 糖質が、単糖類、二糖類及び糖アルコールから選ばれるものである請求項1記載の糖衣錠。
  3. 前記コーティング層の重量が、素錠重量の1〜50%である請求項1又は2記載の糖衣錠。
  4. 前記コーティング層及び糖衣層の合計重量が、素錠重量の5〜60%である請求項1〜3のいずれか1項記載の糖衣錠。
  5. 素錠又はフィルムコーティング錠に対し、粉体、結合剤及び10重量%未満の糖質を含有するコーティング液を噴霧してコーティング層を施し、次いで糖衣層を施すことを特徴とする糖衣錠の製造法。
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