JP2004155213A - 車両のステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操舵により回転するピニオンに噛み合うラック4と一体のスクリューシャフト11に、ラックハウジング30により支持されると共にモータ27により駆動される回転筒13が転動体12を介してねじ合わされる。ラック4をピニオンとの噛み合い位置において支持するラック支持部材と、スクリューシャフト11に第2転動体52を介してねじ合わされると共にラックハウジング30により回転可能に支持される第2回転筒53とにより、ラック4に路面側から作用する負荷を受けることで、スクリューシャフト11の撓みが抑制される。第2転動体52は、第2回転筒53の内周ネジ溝に連なる循環溝56により、スクリューシャフト11の外周ネジ溝のランド部を横切って再びスクリューシャフト11の外周ネジ溝と第2回転筒53の内周ネジ溝との間の螺旋状空間に戻される。
【選択図】図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラックに一体化されるスクリューシャフトにねじ合わされる回転筒をモータにより回転駆動することで、そのラックを移動させる力を発生し、そのラックの動きを車輪に伝達することで舵角を変化させるステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に示す従来の電動パワーステアリング装置100は、操舵により回転するピニオン(図示省略)に噛み合うラック101に一体化されるスクリューシャフト102と、そのスクリューシャフト102にボール103を介してねじ合わされるボールナット104と、そのボールナット104に同行回転するように一体化される従動ベベルギヤ105と、その従動ベベルギヤ105に噛み合う駆動ベベルギヤ106を駆動する操舵補助力発生用モータ107と、そのボールナット104と従動ベベルギヤ105とを回転可能に支持するラックハウジング108とを備える。そのラック101の動きが車輪に伝達されることで舵角が変化する。
【0003】
上記のような電動パワーステアリング装置100においては、路面側から車輪に作用する負荷によってラック101の振動と撓みが生じる。そのような振動を吸収するため、ラック101をピニオンとの噛み合い位置において支持するラック支持部材(図示省略)とボール103との間の位置(図9においてボール103の右方の位置)において、四フッ化エチレン樹脂等の振動減衰性の大きな材質からなる軸受けによりラック101を支持することが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2966818号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、振動減衰性の大きな材質からなる軸受けにより振動を減衰することはできても、ラック101の撓みを十分に低減することはできなかった。ラック101の撓みの増大はスクリューシャフト102の撓みの増大であることから、スクリューシャフト102とボール103との間およびボールナット104とボール103との間の摩擦が大きくなる。そのため、モータ107の出力のラック101への伝達効率が低下してエネルギーの有効利用を図ることができず、操舵フィーリングが低下するという問題があった。さらに、振動減衰性の大きな材質からなる軸受けは摩耗により摩耗粉を発生し、それがスクリューシャフト102とボールナット104の間に入り込んで悪影響を与えるため装置寿命が短縮されるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決することのできる車両のステアリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、操舵により回転するピニオンと、そのピニオンに噛み合うラックと、そのラックに一体化されるスクリューシャフトと、そのスクリューシャフトに転動体を介してねじ合わされる回転筒と、その回転筒を駆動するモータと、その回転筒を回転可能に支持するラックハウジングと、そのラックをピニオンとの噛み合い位置において支持するラック支持部材とを備え、そのラックの動きが車輪に伝達されることで舵角が変化する車両のステアリング装置において、そのスクリューシャフトに第2転動体を介してねじ合わされる第2回転筒が、前記ラックハウジングにより回転可能に支持され、その第2回転筒の内周において、その第2回転筒の内周ネジ溝に連なる循環溝が形成され、その第2転動体は、そのスクリューシャフトの外周ネジ溝と第2回転筒の内周ネジ溝との間の螺旋状空間を転動すると共に、その循環溝によりスクリューシャフトの外周ネジ溝のランド部を横切って再び前記螺旋状空間に戻されることで循環可能とされ、前記ラックに路面側から作用する負荷を第2回転筒と前記ラック支持部材とにより受けることで、そのスクリューシャフトの撓みが抑制されることを特徴とする。
本発明によれば、路面側から車輪を介してラックに作用する負荷を、第2回転筒とラック支持部材とにより受けることができるので、その第2回転筒とラック支持部材との間におけるラックの撓みを抑制できる。これにより、路面側から車輪に作用する負荷に基づくスクリューシャフトと転動体との間および回転筒と転動体との間の摩擦の増大を低減し、モータの出力のラックへの伝達効率を向上してエネルギーの有効利用を図ると共に操舵フィーリングを向上できる。しかも、ラックの移動により第2回転筒は回転するので、スクリューシャフトと第2回転筒との間における摩耗粉の発生を防止して装置寿命を延ばすことができる。さらに、第2回転筒と第2転動体とスクリューシャフトはいわゆる内部循環型ボールスクリューを構成するので、第2回転筒の軸方向寸法を小さくして装置の小型軽量化を図ることができる。
【0007】
その第2回転筒と前記ラック支持部材との間に前記転動体の全体が配置されるのが好ましい。
第2回転筒とラック支持部材との間に転動体の全体が配置されることで、その間でのスクリューシャフトの撓みをより効果的に抑制し、転動体とスクリューシャフトとの間および転動体と回転筒との間の摩擦の増大を防止できる。また、第2回転筒は転動体の全体よりもラック支持部材から離れた位置に配置されるので、ラック支持部材からスクリューシャフトまでの距離を大きくしても回転筒の配置領域におけるスクリューシャフトの撓みを抑制できる。これにより、スクリューシャフトに噛み合う回転筒を駆動するモータのレイアウトの自由度を向上できる。
【0008】
前記スクリューシャフトの外周を支持可能な支持体が設けられ、その支持体は前記回転筒により支持されるのが好ましい。
その支持体により転動体の配置領域におけるスクリューシャフトの撓みをより低減できる。しかも、その支持体はスクリューシャフトに対して相対回転するので、偏って磨耗するのが防止されると共にスクリューシャフトの軌道溝の開口縁との接触による偏磨耗も抑制され、長寿命化を図れる。この場合、その支持体として転がり軸受が用いられるのが好ましい。転がり軸受を用いることでスクリューシャフトと回転筒とが円滑に相対回転し、伝達効率を向上することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1、図2に示すラックピニオン式電動パワーステアリング装置1は、入力シャフト2に連結されるステアリングホイールHの操舵により回転するピニオン3と、ピニオン3に噛み合うラック4とを備え、ラック4の両端に車輪(図示省略)が連結される。ピニオン3の回転によるラック4の動きが車輪に伝達されることで舵角が変化する。
【0010】
ピニオン3とラック4を覆うラックハウジング30が設けられる。ラックハウジング30は、第1ハウジング31と第2ハウジング32とをネジ等により連結することで構成され、車体に取り付けられる。ラックハウジング30内に、ステアリングホイールHの操舵によってピニオン3に伝達される操舵トルクを検出するトルクセンサ7が設けられる。トルクセンサ7は公知のものを採用できる。ピニオン3との噛み合い位置においてラック4はラック支持部材9により支持されている。ラック支持部材9はラックハウジング30により支持され、本実施形態では公知の構成を有し、ラックハウジング30にラック4の径方向に移動可能に挿入され、バネ8によりラック4に押し付けられ、ラック4における歯と反対側をラック軸方向視で円弧に沿う面により支持する。
【0011】
図3に示すように、ラック4にスクリューシャフト11が一体化されている。本実施形態では、ラック4における中央よりも一端側(図3において左側)に近接する領域がスクリューシャフト11とされている。スクリューシャフト11に複数のボール(転動体)12を介してボールナット(回転筒)13がねじ合わされている。ボールナット13はラックハウジング30により一端側のボールベアリング33と他端側のボールベアリング34とを介して回転可能に支持されている。本実施形態においてはボールナット13の外周にボール12の循環用チューブ13′が取り付けられ、スクリューシャフト11とボール12とボールナット13は公知のチューブ式ボールスクリューとされているが、スクリューシャフトに回転筒が転動体を介してねじ合わされるものであれば構成は限定されない。
【0012】
ボールナット13に同行回転するように従動ギヤ21が一体化されている。本実施形態の従動ギヤ21はベベルギヤとされ、ボールナット13の外周に嵌め合わされ、ボールナット13の外周の段差とボールナット13にねじ合わされるナット14とにより挟み込まれることでボールナット13に一体化されている。
【0013】
従動ギヤ21に噛み合う駆動ギヤ22が駆動シャフト23に一体的に設けられている。駆動ギヤ22は、駆動シャフト23を支持するボールベアリング24、25を介してギヤハウジング26により回転可能により支持されている。ギヤハウジング26はラックハウジング30の第2ハウジング32と一体的に成形されている。駆動シャフト23に、ギヤハウジング26に取り付けられた操舵補助力発生用モータ27の出力シャフトがカップリング27aを介して連結される。これにより、モータ27によってボールナット13が減速ギヤ機構を構成する駆動ギヤ22と従動ギヤ21を介して回転駆動される。
【0014】
トルクセンサ7とモータ27に接続される車載制御装置(図示省略)が、そのトルクセンサ7により検出される操舵トルクに応じてモータ27を駆動する。これにより、モータ27の出力は駆動ギヤ22、従動ギヤ21を介してボールナット13に伝達され、ボールナット13の回転力がボール12、スクリューシャフト11を介してラック4に操舵補助力として伝達される。なお、モータ27の制御方法は特に限定されるものではなく、例えば車速等や舵角等の操舵トルク以外の変量に応じて操舵補助力を変化させるようにしてもよい。
【0015】
スクリューシャフト11に複数の第2ボール(第2転動体)52を介して第2ボールナット(第2回転筒)53がねじ合わされている。第2ボールナット53はラックハウジング30により回転可能に支持されている。これにより、ラック4に路面側から車輪を介して作用する負荷を第2ボールナット53とラック支持部材9とにより受けることで、スクリューシャフト11の撓みが抑制される。本実施形態では、第2ボールナット53とラック支持部材9との間に上記ボール12の全体が配置される。
【0016】
スクリューシャフト11と第2ボール52と第2ボールナット53とにより所謂内部循環型ボールスクリューが構成され、本実施形態ではこま式ボールスクリューとされている。図4(1)、図4(2)に示すように、第2ボールナット53に内外周を貫通する開口53′が形成され、その開口53′にこまと呼ばれるボール循環用部材55が嵌め込まれている。第2ボールナット53の内周において、第2ボールナット53の内周ネジ溝53aに連なる循環溝56がボール循環用部材55に形成されている。第2ボール52は、スクリューシャフト11の外周ネジ溝11aと第2ボールナット53の内周ネジ溝53aとの間の略一周の螺旋状空間を転動すると共に、その循環溝56によりスクリューシャフト11の外周ネジ溝11aのランド部11bを横切って再びその螺旋状空間に戻されることで循環可能とされている。
なお、循環溝56はこまに形成されるものに限定されず、こまをなくし、第2ボールナット53の内周に直接形成するようにしてもよく、第2ボールナット53の内周において内周ネジ溝53aに連なるように形成されていればよい。
【0017】
上記構成によれば、路面側から車輪を介してラック4に作用する負荷を、第2ボールナット53とラック支持部材9とにより受けるので、第2ボールナット53とラック支持部材9との間におけるラック4の撓みを抑制できる。これにより、路面側から車輪に作用する負荷に基づくボール12とスクリューシャフト11との間およびボール12とボールナット13との間の摩擦の増大を低減し、モータ27の出力のラック4への伝達効率を向上してエネルギーの有効利用を図ると共に操舵フィーリングを向上できる。しかも、ラック4の移動により第2ボールナット53は回転するので、スクリューシャフト11と第2ボールナット53との間における摩耗粉の発生を防止して装置寿命を延ばすことができる。さらに、第2ボールナット53と第2ボール52とスクリューシャフト11はいわゆる内部循環型ボールスクリューを構成するので、第2ボールナット53の軸方向寸法を小さくして装置の小型軽量化を図ることができる。
さらに、第2ボールナット53とラック支持部材9との間にボール12の全体が配置されるので、その間でのスクリューシャフト11の撓みをより効果的に抑制し、ボール12とスクリューシャフト11との間およびボール12とボールナット13との間の摩擦の増大を防止できる。また、第2ボールナット53はスクリューシャフト11のボール12の全体よりもラック支持部材9から離れた位置に配置されるので、ラック支持部材9からスクリューシャフト11までの距離を大きくしてもボール12の配置領域におけるスクリューシャフト11の撓みを抑制できる。これにより、スクリューシャフト11に噛み合うボールナット13を駆動するモータ27のレイアウトの自由度を向上できる。
【0018】
図5は本発明の第1変形例を示す。上記実施形態との相違は、スクリューシャフト11の外周を支持可能なブッシュ40(支持体)がボールナット13により支持されている。ブッシュ40は、ボールナット13の内周に嵌め合わされ、例えば鋼板の表面をポリ四フッ化エチレンや銅化合物等によりコーティングすることで形成され、割りを有するものとされる。ブッシュ40の内周によりスクリューシャフト11の外周が支持される。ブッシュ40とラック支持部材9との間に上記ボール12の全体が配置される。そのブッシュ40の内径とスクリューシャフト11の外径との差は例えば0.05mm程度とされる。これにより、ブッシュ40によりボール12の配置領域におけるスクリューシャフト11の撓みをより低減できる。しかも、ブッシュ40はスクリューシャフト11に対して相対回転するので、偏って磨耗するのが防止されると共にスクリューシャフト11のネジ溝11aの開口縁との接触による偏磨耗も抑制され、長寿命化を図れる。また、図6に示すように、スクリューシャフト11における螺旋状のネジ溝11aの開口縁との接触によるブッシュ40の磨耗を抑制するため、ネジ溝11aの開口縁は面取り部11a′とされている。これにより、その開口縁との接触によるブッシュ40の磨耗をより抑制できる。本変形例では、その面取り部11a′は平坦面とされている。スクリューシャフト11の軸方向に対して面取り部11a′がなす角度αは30°以下であるのが好ましい。他は上記実施形態と同様で同様部分は同一符号で示される。
【0019】
図7は本発明の第2変形例を示す。上記第1変形例との相違は、まず支持体としてブッシュ40に代えて転がり軸受であるニードルベアリング240が用いられている。また、ボール12とボールナット13に代えて、スクリューシャフト11の軸方向に並列する複数(本実施形態では4つ)のボールベアリング212と、それらボールベアリング212を覆う筒体213が用いられている。その筒体213は第1、第2部材213a、213bをネジ213cを介して連結することで構成され、ラックハウジング30により一端側のボールベアリング233と他端側のボールベアリング234とを介して回転可能に支持されている。従動ギヤ21は筒体213の第1部材213aの外周に嵌め合わされ、第1部材213aの外周の段差と第2部材213bとにより挟み込まれることで筒体213に一体化されている。その一端側のボールベアリング233の内輪は筒体213の外周と一体化されている。各ボールベアリング212を構成するボール212aが本発明の転動体とされ、そのボール212aを介して筒体213はスクリューシャフト11にねじ合わされている。すなわち、各ボールベアリング212を構成する外輪212bは筒体213に同行回転するように一体化されている。各ボールベアリング212の内輪212cの内周にスクリューシャフト11のネジ溝11aに当接可能な環状突部212c′が形成されている。各ボールベアリング212の回転軸はスクリューシャフト11の軸心に対してネジ溝11aのリード角と等しい角度だけ傾斜するものとされ、その傾斜方向は中央側の2つのボールベアリング212と両端側の2つのボールベアリング212とで互いに逆とされている。また、各ボールベアリング212の回転中心はスクリューシャフト11の軸心に対して偏心する。各ボールベアリング212は環状突部212c′を介してネジ溝11aの内面に一位置において接するものとされ、中央側の2つのボールベアリング212の当接位置と両端側の2つのボールベアリング212の当接位置とは回転周方向において互いから180°離れている。これにより、筒体213がモータ27により回転駆動されることで、ボールベアリング212を介してスクリューシャフト11に軸方向力が作用する。このようなボールベアリングを利用したラックの送り機構は、例えば特開2000−352450号公報に開示されたような公知のものを用いることができる。この第2変形例によれば、ニードルベアリング240はスクリューシャフト11に対して相対回転するので偏って磨耗するのが防止され、また、スクリューシャフト11のネジ溝11aの開口縁との接触による磨耗も抑制され、長寿命化を図れる。さらに、支持体として転がり軸受であるニードルベアリング240を用いることでスクリューシャフト11と筒体213とが円滑に相対回転し、伝達効率を向上することができる。他は第1変形例と同様で同様部分は同一符号で示される。
【0020】
図8は第1、第2変形例におけるスクリューシャフト11の変形例を示す。上記第1、第2変形例との相違は、スクリューシャフト11の外周におけるネジ溝11aの開口縁の面取り部11a′が凸曲面とされ、また、そのネジ溝11aのスクリューシャフト軸方向における寸法L1が、そのネジ溝11aの間の部分のスクリューシャフト軸方向における寸法L2よりも小さくされている点にある。なお、ネジ溝11aの開口縁に面取り部11a′が形成される場合には、図において破線で示すように面取り部11a′が形成されなかったものとして寸法L1、L2を測定する。これにより、ブッシュ40あるいはニードルベアリング240の内周面にスクリューシャフト11の外周面から作用する面圧を低減し、ブッシュ40あるいはニードルベアリング240の磨耗を抑制し、スクリューシャフト11のがたつきによる伝達効率低下を防止できる。
【0021】
本発明は上記実施形態や変形例に限定されない。例えば、上記実施形態では第2ボールナット53はボールベアリング54を介してラックハウジング30により支持されるが、回転可能に支持できれば支持構造は特に限定されない。第2変形例においてニードルベアリング240に代えてブッシュを用いてもよい。また、駆動ギヤ22と従動ギヤ21の種類は特にベベルギヤに限定されない。あるいは、モータとして回転筒に一体化されたロータを有するものを用いることで、ギヤ機構を介することなく回転筒を駆動するようにしてもよい。さらに、本発明を適用するステアリング装置はパワーステアリング装置に限定されず、例えば車両を路面の誘導標識に沿って無人運転するためにモータ出力のみでラックを駆動する自動操舵装置や、車輪に機械的に連結されていないステアリングホイールの操舵に応じて駆動されるモータの出力のみでラックを駆動するステアバイワイヤシステムを採用した操舵装置にも適用できる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の車両のステアリング装置によれば、ラックに一体化されるスクリューシャフトにねじ合わされる回転筒をモータにより回転駆動することでラックに軸方向力を付与し、そのラックの動きが車輪に伝達されることで舵角が変化する車両のステアリング装置において、モータ出力のラックへの伝達効率低下を防止でき、操舵フィーリングを向上し、装置寿命を延長でき、モータレイアウトの自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の正面図
【図2】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の縦断面図
【図3】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の要部の断面図
【図4】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における第2ボールナットの構成を示す(1)は縦断面図、(2)は平断面図
【図5】本発明の第1変形例の電動パワーステアリング装置の要部の断面図
【図6】本発明の第1変形例の電動パワーステアリング装置における部分拡大図
【図7】本発明の第2変形例の電動パワーステアリング装置の要部の断面図
【図8】本発明の第1、第2変形例におけるスクリューシャフトの変形例を示す図
【図9】従来の電動パワーステアリング装置の部分断面図
【符号の説明】
3 ピニオン
4 ラック
9 ラック支持部材
11 スクリューシャフト
11a ネジ溝
11b ランド部
12、212a ボール(転動体)
13 ボールナット(回転筒)
27 モータ
30 ラックハウジング
40 ブッシュ(支持体)
52 第2ボール(第2転動体)
53 第2ボールナット(第2回転筒)
56 循環溝
213 筒体(回転筒)
240 ニードルベアリング(支持体)
Claims (3)
- 操舵により回転するピニオンと、
そのピニオンに噛み合うラックと、
そのラックに一体化されるスクリューシャフトと、
そのスクリューシャフトに転動体を介してねじ合わされる回転筒と、
その回転筒を駆動するモータと、
その回転筒を回転可能に支持するラックハウジングと、
そのラックをピニオンとの噛み合い位置において支持するラック支持部材とを備え、
そのラックの動きが車輪に伝達されることで舵角が変化する車両のステアリング装置において、
そのスクリューシャフトに第2転動体を介してねじ合わされる第2回転筒が、前記ラックハウジングにより回転可能に支持され、
その第2回転筒の内周において、その第2回転筒の内周ネジ溝に連なる循環溝が形成され、
その第2転動体は、そのスクリューシャフトの外周ネジ溝と第2回転筒の内周ネジ溝との間の螺旋状空間を転動すると共に、その循環溝によりスクリューシャフトの外周ネジ溝のランド部を横切って再び前記螺旋状空間に戻されることで循環可能とされ、
前記ラックに路面側から作用する負荷を第2回転筒と前記ラック支持部材とにより受けることで、そのスクリューシャフトの撓みが抑制されることを特徴とする車両のステアリング装置。 - その第2回転筒と前記ラック支持部材との間に前記転動体の全体が配置される請求項1に記載の車両のステアリング装置。
- 前記スクリューシャフトの外周を支持可能な支持体が設けられ、
その支持体は前記回転筒により支持される請求項1または2に記載の車両のステアリング装置。
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