JP2004155082A - インクジェット方式の画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録媒体を巻回する二つの回転ドラムと、各々の前記回転ドラムに巻回された前記記録媒体に印字すべく光硬化型インクを吐出する二つの印字手段と、前記光硬化型インクを硬化する波長の光線を、前記記録媒体における印字面に照射する二つの照射光路と、を備え、一方の前記照射光路の光線は一方の前記回転ドラムに巻回された前記記録媒体の印字面に対して照射し、他方の前記照射光路の光線は他方の前記回転ドラムに巻回された前記記録媒体の印字面に対して照射すること。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、特に高精細画像で高速化に適したインクジェット方式の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像を読取装置で読み取り、この読み取った画像データに基づいて電子写真方式でカラー画像を形成する所謂デジタル複写機と言われる画像形成装置は、スキャナとPC(パーソナルコンピュータ)とプリンタを使用して複写する方法に比べ、使用法が簡便であるため、広く普及している。
【0003】
この電子写真方式でカラー画像を形成する場合、一般に二つの方式のどちらかが用いられる。一つはイエロー(以下Yと称す)、マゼンタ(以下Mと称す)、シアン(以下Cと称す)の各色と、黒(以下Bkと称す)の4つの各単色画像をそれぞれ4つの感光体に形成し、中間転写体と呼ばれるものの上で重ね合わせて1枚の画像とし、この後に記録紙に転写する所謂タンデム型と呼ばれる方式であり、もう一つは感光体上に感光体の1回転ごとにY、M、C、Bkの各単色画像を重ね合わせ、即ち感光体の4回転で1枚のカラー画像を形成し、この後に記録紙に転写する方式である。
【0004】
一方、カラー画像形成をモノクロ画像形成と同様に短時間で得たいとの使用者の要望は年々増加しているが、上記の電子写真方式のカラー画像形成方法は、感光体若しくは中間転写体にカラー画像を作り、この後に記録紙に転写するというプロセスとなるため、1枚の画像形成に時間を要し、更に記録紙上の画像を定着する工程をその後方に配置せねばならず、これらを高速化するには、かなりの技術的困難が伴うものである。
【0005】
また、従来の画像形成装置においては両面画像形成のために反転排紙機構が採用されているのが一般的である。しかし、この機構は制御が煩雑で、ジャム等の問題の原因となる。
【0006】
これに対して、近年パーソナルユースでの普及の著しいインクジェット方式は、カラー画像を記録紙上に直接形成するため、上述のような複雑なプロセスを必要とせずに画像形成が可能である。しかし、インクジェット方式では印字ヘッドでインクを記録紙に直接吹き付けるため、画像を固定するには記録紙及び画像を充分乾燥させる必要があり、多数枚を画像形成した場合に排紙後の記録紙が重なった部分では乾燥が不充分となって相互の接触により画像に乱れ(インクの転写や滲み)が生じるという問題がある。この問題は、インクに含有されたノズルの目詰まり防止のための添加物にも一因があると言われている。
【0007】
この問題を解消するために、使用するインクを紫外線硬化型のインクとする提案がされている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、印字ヘッドを二つ備え、搬送路をU字型と8の字型にして連結し、両面印字と片面印字で搬送手順や印字順序を組み合わせることで、高速化を図ろうとするインクジェットプリンタも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
一方、紫外線硬化型のインクを用い、紫外線照射装置からの紫外光を光ファイバで印字ヘッド近傍に導き、記録紙上にインクが着弾した位置に追従して照射し、個々の印字直後に硬化させることを目的としたインクジェットプリンタも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−158865号公報
【0011】
【特許文献2】
特開2001−328297号公報
【0012】
【特許文献3】
特開2002−144553号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述の特許文献2においては、記録紙搬送方向制御用の主動レバーを多数必要としており、更なる印字の高速化を図ると、この主動レバーの制御が非常に煩雑となり騒音だけでなく信頼性及び耐久性が問題となる。
【0014】
また、前述の特許文献3においては、印字ヘッドを主走査方向(記録紙搬送方向に直交する方向)に移動させつつ印字する場合には、適した方法の一つであるが、より高速化を図って印字ヘッドを主走査方向に線状に並べ、主走査方向の機械的移動なしに印字しようとした場合、紫外光を印字ヘッド同様に主走査方向に並べなくてはならず、コストの大幅な増大は避けられない。
【0015】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、より簡単な搬送経路及び搬送制御と画像形成順序の制御で、信頼性、耐久性に優れ、片面、両面を問わず高速のカラー画像が形成可能なインクジェット方式の画像形成装置を提案することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的は下記の手段により達成される。
【0017】
記録媒体を巻回する二つの回転ドラムと、各々の前記回転ドラムに巻回された前記記録媒体に印字すべく光硬化型インクを吐出する二つの印字手段と、前記光硬化型インクを硬化する波長の光線を、前記記録媒体における印字面に照射する二つの照射光路と、を備え、一方の前記照射光路の光線は一方の前記回転ドラムに巻回された前記記録媒体の印字面に対して照射し、他方の前記照射光路の光線は他方の前記回転ドラムに巻回された前記記録媒体の印字面に対して照射することを特徴とするインクジェット方式の画像形成装置。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明におけるインクジェット方式の画像形成装置に関する実施の形態を図を参照して説明する。
【0019】
先ず、画像形成装置の構成を図1の断面図に基づいて説明する。
図1において、画像形成装置は、画像読取部GY、画像形成部GK、及び読み取った原稿画像の画像データについて画像処理及び各機構部の動作制御等を司る画像処理・制御部GSで構成され、本実施の形態では画像処理・制御部GSは画像形成部GK内に配置されている。
【0020】
画像読取部GYは、自動原稿搬送装置10、読取光学装置20、及び原稿台読取装置30からなる。自動原稿搬送装置10内には、搬送される原稿に近接して、結像光学系を介さずに画像読み取りを行う密着型の画像読取部11と、この画像読取部11の各色の校正を行うための白色基準板24が配置され、図示しない移動機構により必要に応じ画像読取部11の位置に移動するようになっている。
この白色基準板24は、電源投入時や読み取り動作前に必要に応じて移動し、ホワイトバランス調整やシェーディング補正のために用いられる。
【0021】
読取光学装置20及び原稿台読取装置30は、従来の複写機等で採用されている読取装置と同様のもので、前述の密着型の画像読取部11で読取る面と異なる他方の面を読み取るよう構成されており、画像読取位置に搬送されて通過中の原稿に対して、静止状態の光源22により光照射を行う原稿移動読取機能と、自動原稿搬送装置10を用いずに原稿台ガラス(プラテンガラス)31上に載置した原稿に対して、光源22等を移動させて光照射を行う光学系移動読取機能との二つの機能からなる。なお、光学読取装置20にも同様に白色基準板25が配置されている。
【0022】
画像形成部GKには、記録紙を収納する収納トレイ12a,12b、記録紙搬送路13,14,15,16,17,19、及び記録紙搬送方向制御用の切換ゲート18が設けられている。切換ゲート18は制御部からの制御信号により図示しないアクチュエータによって作動し、収納トレイ12a若しくは収納トレイ12bから搬送される記録紙を搬送路14の方向と搬送路15の方向に振り分ける機能を司るものである。
【0023】
搬送路15の方向には、矢印方向に回転する記録紙支持ドラムA41(回転ドラム)と、記録紙搬送方向と直交する方向、即ち主走査方向に光硬化型のインクを吐出する複数のノズルを有するラインタイプの印字ヘッドA42(印字手段)が配置され、搬送路14,16の方向には、矢印方向に回転する記録紙支持ドラムB43(回転ドラム)と、印字ヘッドA42と同様の印字ヘッドB44(印字手段)が配置されている。この記録紙支持ドラムA41と記録紙支持ドラムB43はそれぞれ記録紙を巻き付けて図示の矢印方向に回転し、印字ヘッドA42と印字ヘッドB44により、光硬化型のインクを用いて画像形成(印字)がなされる。
【0024】
なお、光硬化型のインクとして、顔料の他に例えば高分子化合物の前駆体となるモノマー、光触媒反応により該モノマーの架橋、重合反応を進行させる光重合開始剤、光重合促進剤等を含んで組成され、紫外線等の光照射によりモノマーが架橋、重合することで硬化する性質を有する光硬化型インクを用いる。例えば、特公平5−54667号、特開平6−200204号、特表2000−504778において、紫外線硬化型インクジェット用インクが開示されているが、紫外線硬化型に限らず、赤外線、可視光線の照射により硬化する性質のインクを用いるものとしてもよい。
【0025】
更に、インク色としては、R・G・Bから変換された基本再現色であるY・M・C・Bkに加え、淡いマゼンタ(LM)、淡いシアン(LC)、淡い黒(LBk)、濃いイエロー(DY)やオレンジ色のインクを使用することも望ましいが、これらは要求画像の仕様に応じて選択されるものであり、ユーザーの仕様設定により特色の追加対応も可能である。
【0026】
この後、記録紙支持ドラムA41及び記録紙支持ドラムB43上で画像形成された記録紙に、光硬化型インクを硬化する波長の光線を各々照射し、光硬化型インクを硬化させる。
【0027】
光源A51の発する光線の照射は、回転する多面体ミラー55とその前後に配置した光学系53と反射鏡58により行われる。このとき、所定の回転数で回転する多面体ミラー55により反射した光線は、記録紙支持ドラムA41における記録紙搬送方向と直交する主走査方向に光走査され、巻き付けられた記録紙の印字面に所定のスポット径で照射される。同様に、光源B52の発する光線の照射は、多面体ミラー55とその前後に配置した光学系54と反射鏡59により行われ、多面体ミラー55により反射した光線は、記録紙支持ドラムB43における記録紙搬送方向と直交する主走査方向に光走査され、巻き付けられた記録紙の印字面に所定のスポット径で照射される。
【0028】
ここで、光源の光学系について図2の斜視図に基づいて詳述する。
光源A51からの出力光はコリメーターレンズ511によって平行光になり、第1シリンドリカルレンズ512を透過して補正され、回転する多面体ミラー55にて偏向される。多面体ミラー55にて偏向された光線はFθレンズ513及び第2シリンドリカルレンズ514を透過して補正された後、反射鏡58にて反射され、記録紙支持ドラムA41に照射する光路を形成する。
【0029】
なお、図示していないが、光源B52及び上述の光学系と同一の光学系が多面体ミラー55を中心にした対称位置に設けられていて、光源B52からの光線が多面体ミラー55にて偏向され、同様のFθレンズ及び第2シリンドリカルレンズを透過して補正された後、反射鏡59にて反射され、記録紙支持ドラムB43に照射する光路を形成する。
【0030】
また、記録紙支持ドラムに照射する光学系としては、必ずしも多面体ミラーを用いずとも構成可能であり、この一例を図3に基づいて説明する。図3は他の形態の光学系の斜視図である。
【0031】
図3において、反射鏡131が支持部材132に貼着されており、支持部材132は支軸133により回動自在に軸支されている。また、ステッピングモータ134の回転軸には円盤135が取り付けられており、円盤135にはピン136が立設している。そして、ピン136が支持部材132に形成された切り欠き132aに係合している。
【0032】
これにより、ステッピングモータ134が回転すると、円盤135が回転し、ピン136も回転するので、支持部材132は支軸133を中心に揺動する。従って、反射鏡131も矢印方向に揺動する。依って、図示していない光源からの光線を反射鏡131にて反射させれば、その反射光を記録紙支持ドラム上で主走査方向に光走査することができる。
【0033】
更に、ハーフミラーやプリズムからなるビームスプリッタを用いれば、一つの光源からの光線を二分割して多面体ミラー55や反射鏡131に入射させることができる。また、多面体ミラー55や反射鏡131からなる光学系からの出射光線が一つであっても、ビームスプリッタで出射光線を二分割して二つの記録紙支持ドラムに照射することができる。
【0034】
なお、上記光学系の光源は、特定の波長領域の例えば紫外線の場合、安定した照射エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線をスポット光にして透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、メタルハライドランプ管、水銀ランプ管もしくはブラックライトが好ましい。特に波長250nmの紫外線を発光するブラックライトが滲み防止、ドット径制御を効率よく行なえるため、好ましい。
【0035】
また、光源は画像処理・制御部GSの記憶部に記憶されているライン毎の画像信号に対応して点灯し、全く画像信号がないラインに対しては点灯しない。
【0036】
図4は光硬化型インクにより記録紙支持ドラムA41及び記録紙支持ドラムB43上の記録紙に記録された画像に対する光照射のイメージを示す図である。
【0037】
光照射したスポット光は副走査方向に縦長に形成されており、記録紙支持ドラムA41及び記録紙支持ドラムB43の回転により副走査方向に照射位置が移動するが、このスポット光が所定の値でオーバーラップするように、主走査方向への照射を繰り返す。
【0038】
そして、図2に示す如く、第2シリンドリカルレンズ514を透過した光線は反射鏡515にて反射して光量検知センサ516に入射し、所定の時間内に所定の回数の主走査方向への照射が行われるが、記録紙支持ドラムA41及び記録紙支持ドラムB43上の記録紙に印字した光硬化型インクを硬化するのに充分な光量になるように光源制御部56,57により制御される。
【0039】
このようにして、画像形成された記録紙はそれぞれ搬送路17を経由して排紙トレイ45へ排紙される。
【0040】
図5は、図1に示した画像形成装置の概略ブロック図である。図1でも説明したように本発明の画像形成装置は、その機能により画像読取部GY、画像処理・制御部GS、画像形成部GKに大別される。
【0041】
これらは、画像処理・制御部GS内の全体制御部(M−CPU)211と画像読取部GY内の読取制御部(S−CPU1)212、画像形成部GK内の画像形成制御部(S−CPU2)213とユニット間で接続され、通信を行うことで各ユニットを有機的に連携動作させるようになっている。
【0042】
画像読取部GYは、読取装置の駆動と読取光源等の制御を行う駆動・読取光源制御部214、原稿の一方の面を読み取るための第1読取部(図1の密着型の読取部11に相当)215と、他方の面を読み取るための第2読取部(図1の読取光学装置20に相当)216は、それぞれ読取制御部212により制御される。
更に、読み取った原稿の画像データを画像処理・制御部GSの画像データ入出力I/F218へ転送する読取信号出力I/F217で構成される。
【0043】
画像処理・制御部GSは、全体制御部211の制御のもとで、画像読取部GYで得られた画像データを受け取る画像データ入出力I/F218と、転送された画像データをページ単位で圧縮して記憶し、更に圧縮された画像データを伸張するところの記憶部及び圧縮・伸張部219が設けられる。ここでの圧縮・伸張手段としては公知のJPEG、JPEG2000、JBIG等が用いられる。オペレータが枚数、部数等の入力を行う外部入力手段220、得られた画像データを画像出力形式に適応するようデータを変換する画像処理部221、画像処理部221で変換された画像データを画像形成部GKの画像形成部へ出力する画像形成信号出力I/F222で構成されている。また、デジタルカメラで撮影した画像や他の読取装置で読み取った画像データを取り込んだり、外部の機器からの命令による画像形成を行う外部I/F及びプリンタコントローラ223で構成される。
【0044】
画像形成部GKは、画像形成制御部213の制御のもとで、画像形成信号出力I/F222からの信号に従って画像形成を行う第1画像形成部(図1の記録紙支持ドラムA41及び印字ヘッドA42周辺に相当)224、同様に第2画像形成部(図1の記録紙支持ドラムB43及び印字ヘッドB44周辺に相当)225と、記録紙の搬送及び切換ゲート18の制御とインク硬化光源制御を行う記録紙搬送制御部・インク硬化光源制御部226で構成されている。
【0045】
次に、図6を用いて記録紙支持ドラムA及びB周辺の動作について説明する。
図6は、画像形成部の搬送路と印字部の要部断面図である。
【0046】
図中に、2重丸で示したものは搬送ローラ、PS1〜PS4は記録紙の先端、後端及び記録紙有無を検出するセンサ(本実施の形態ではフォトリフレクタで構成)、411と413は帯電器、412と414は除電器である。
【0047】
先ず、記録紙は前述の収納トレイ12a若しくは収納トレイ12bから搬送されて搬送路13へ導かれる。この後、記録紙支持ドラムA41へ搬送の場合は、切換ゲート18が不図示のアクチュエータにより実線に示した位置となり、搬送路15へ導かれる。記録紙支持ドラムB43へ直接搬送する場合は、切換ゲート18が、破線で示す位置になり搬送路14へ導かれる。
【0048】
搬送路14へ導かれた記録紙は、矢印に示す方向に導かれ、センサPS3が記録紙の先端を検出すると帯電器413がオンされ、記録紙を帯電させる。この帯電器413は、従来の複写機等で使用されているコロナ放電器と同様なものである。搬送に従い帯電した記録紙は、記録紙支持ドラムB43上に巻き付き、印字ヘッドB44方向へ回転(図示矢印方向)する。この後、センサPS4が記録紙先端を検知すると、この先端検知位置から所定の回転角の回転後より、印字ヘッドB44で印字を開始する。
【0049】
印字ヘッドB44は、図5に示すところの記憶部及び圧縮・伸張部219に圧縮されて記憶された画像データを伸張し、その後、画像処理部221で画像処理された後の画像データで画像形成が行われる。
【0050】
一方、帯電器413は、センサPS3が記録紙後端を検出した後、既に記録紙全面が帯電器を通過したと想定される所定の時間後にオフされる。また、除電器414は、センサPS4が記録紙先端を検知した後、この先端検知位置から所定の回転角の回転後、記録紙先端が除電器414に到達すると想定される以前にオンされる。
【0051】
記録紙支持ドラムB43の回転により、印字ヘッド部を通過して画像形成された記録紙は、照射光路416を矢印で示した紫外線等の光線で前述の走査が行われ、印字ヘッドB44で紫外線硬化型インクにて形成された画像が硬化され、画像として定着する。上記の動作を実行しつつ記録紙支持ドラムB43は回転を続け、記録紙は除電器414の位置で、除電され分離爪418により記録紙支持ドラムB43から分離し、搬送路19を通り、搬送路17を経て排紙される。
【0052】
一方、切換ゲート18を実線の位置にした場合は、記録紙は搬送路15へ導かれる。搬送路15へ導かれた記録紙は、矢印に示す方向に導かれ、センサPS1が記録紙の先端を検出すると帯電器411がオンされ、記録紙を帯電させる。前述と同様に記録紙は、記録紙支持ドラムA41上に巻き付き、印字ヘッドA42方向へ回転(図示矢印方向)する。この後、センサPS2が記録紙先端を検知すると、この先端検知位置から所定の回転角の回転後より、印字ヘッドA42で印字を開始する。
【0053】
印字ヘッドA42は、図2に示すところの記憶部及び圧縮・伸張部219に圧縮して記憶された画像データを伸張し、その後画像処理部221で画像処理された後の画像データで画像形成が行われる。
【0054】
一方、帯電器411は、センサPS1が記録紙後端を検出した後、既に記録紙全面が帯電器を通過したと想定される所定の時間後にオフされる。また、除電器412は、センサPS2が記録紙先端を検知した後、この先端検知位置から所定の回転角の回転後、記録紙先端が除電器412に到達する以前にオンされる。
【0055】
記録紙支持ドラムA41の回転により、印字ヘッド部を通過して画像形成された記録紙は、照射光路415を矢印で示した紫外線等の光線で前述の走査が行われ、印字ヘッドA42で紫外線硬化型インクにて形成された画像が硬化され、画像として定着する。上記の動作を実行しつつ記録紙支持ドラムA41は回転を続け、記録紙は除電器412の位置で、除電され分離爪417により記録紙支持ドラムA41から分離し、搬送路16を通り、搬送路17を経て排紙トレイ45へ排紙される。なお、記録紙の除電については、上記構成に除電ブラシ等を追加してもよい。
【0056】
また搬送路16には、排紙時の搬送経路制御のための切換ゲート420が設けられている。この切換ゲート420は、両面画像形成時は実線に示す状態となり、記録紙は搬送路16を直進する。一方、片面画像形成時は、回動して破線の位置となり、記録紙支持ドラムA41から搬送される記録紙を、搬送路421(破線で示す)を経由して搬送路14に搬送し、その後スイッチバックさせて搬送路17を経て排紙する。
【0057】
次に、以上の構成により両面画像を形成するときの作動を説明する。
先ず、切換ゲート18が実線の位置に切り換えられる。記録紙は搬送路13から搬送路15へ搬送され、帯電器411で帯電された後、記録紙支持ドラムA41へ巻き付けられ、記録紙支持ドラムA41上で記録紙の一方の面に画像形成・インク硬化が行われる。続いて、その記録紙は搬送路16を経由して帯電器413で帯電された後、記録紙支持ドラムB43に巻き付けられ、記録紙支持ドラムB43上で記録紙の他方の面に画像形成・インク硬化が行われる。このようにして、両面の画像形成が終了した記録紙は搬送路19,17を経由して前述の排紙トレイ45へ排紙される。
【0058】
次に、以上の構成により片面画像を形成するときの作動を説明する。
先ず、切換ゲート18が破線の位置に切り換えられ、1枚目の記録紙が搬送路13,14を経由して記録紙支持ドラムB43に巻き付けられ、片面の画像形成・インク硬化が行われる。次に、切換ゲート18が実線の位置に切り換えられ、2枚目の記録紙が搬送路13,15を経由して記録紙支持ドラムA41に巻き付けられ、片面の画像形成・インク硬化が行われる。
【0059】
そして、記録紙支持ドラムB43で片面画像が形成された記録紙は搬送路19,17を経て排紙される。また、記録紙支持ドラムA41で片面画像が形成された記録紙は、切換ゲート420が破線の位置に切り換えられているので、搬送路421から搬送路14に搬送され、ここでスイッチバックした後、搬送路17を経て排紙される。
【0060】
このように、記録紙を1枚毎に二つの記録紙支持ドラムA41及び記録紙支持ドラムB43にて連続的に画像形成することによって、高速化が可能になる。
【0061】
なお、スイッチバックの動作は、排紙されて積載されたときの画像面を全て同方向にするためのものである。
【0062】
【発明の効果】
本発明のインクジェット方式の画像形成装置によれば、二つの回転ドラム、二つの印字手段及び二つの照射光路を用いることにより、両面画像形成時には、スイッチバック機構無しに1ページ目から順に並んだ排紙が可能となって、スイッチバックに要する時間や複雑な搬送制御が不要になり、簡単な搬送経路及び搬送制御と画像形成順序の制御で、信頼性、耐久性に不安の無い画像形成装置を実現することができる。また、記録紙の搬送と2つの回転ドラムによる画像形成のタイミングを仕様に応じて最適化することで、画像形成装置の総合的な高速化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】光源の光学系の斜視図である。
【図3】他の形態の光源の光学系の斜視図である。
【図4】記録紙に記録された画像に対する光照射のイメージを示す図である。
【図5】画像形成装置の概略ブロック図である。
【図6】画像形成部の搬送路と印字部の要部断面図である。
【符号の説明】
18,420 切換ゲート
41 記録紙支持ドラムA
42 印字ヘッドA
43 記録紙支持ドラムB
44 印字ヘッドB
51 光源A
52 光源B
55 多面体ミラー
131 反射鏡
415,416 照射光路
Claims (4)
- 記録媒体を巻回する二つの回転ドラムと、
各々の前記回転ドラムに巻回された前記記録媒体に印字すべく光硬化型インクを吐出する二つの印字手段と、
前記光硬化型インクを硬化する波長の光線を、前記記録媒体における印字面に照射する二つの照射光路と、を備え、
一方の前記照射光路の光線は一方の前記回転ドラムに巻回された前記記録媒体の印字面に対して照射し、他方の前記照射光路の光線は他方の前記回転ドラムに巻回された前記記録媒体の印字面に対して照射することを特徴とするインクジェット方式の画像形成装置。 - 二つの所定の光源からの二つの光線を回転する多面体反射鏡に照射し、該多面体反射鏡で反射した二つの光線により前記照射光路を形成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット方式の画像形成装置。
- 二つの所定の光源からの二つの光線を揺動する反射鏡に照射し、該反射鏡で反射した二つの光線により前記照射光路を形成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット方式の画像形成装置。
- 記録媒体の一方の面が外側に位置して一方の前記回転ドラムに巻回された後、該記録媒体の他方の面が外側に位置して他方の前記回転ドラムに巻回されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット方式の画像形成装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002323644A JP2004155082A (ja) | 2002-11-07 | 2002-11-07 | インクジェット方式の画像形成装置 |
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