JP2004154823A - タレットパンチプレス - Google Patents
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Abstract
【課題】下部タレットに上下動自在に備えたサポートテーブルを上下動するための上下動機構を、下部タレットの下方に備えた構成のタレットパンチプレスを提供する。
【解決手段】上下に対向した上部タレット5と下部タレット9とを回転自在に備えると共に、上記下部タレット9の中央部に、ワークWを支持自在のサポートテーブル29を上下動自在に備えたタレットパンチプレスにおいて、前記下部タレット9を上下動自在に貫通して前記サポートテーブル29を支持した複数の昇降ロッド33を、前記下部タレット9の回転中心を中心とする同心円上に配置して設け、前記複数の昇降ロッド33を同時に上下動するための上下動機構を前記下部タレット9の下方に設け、ワークWを支持する固定テーブル15と前記下部タレット9との間に、前記サポートテーブル29と同期して上下動する昇降テーブル31を設けた構成である。
【選択図】 図4
【解決手段】上下に対向した上部タレット5と下部タレット9とを回転自在に備えると共に、上記下部タレット9の中央部に、ワークWを支持自在のサポートテーブル29を上下動自在に備えたタレットパンチプレスにおいて、前記下部タレット9を上下動自在に貫通して前記サポートテーブル29を支持した複数の昇降ロッド33を、前記下部タレット9の回転中心を中心とする同心円上に配置して設け、前記複数の昇降ロッド33を同時に上下動するための上下動機構を前記下部タレット9の下方に設け、ワークWを支持する固定テーブル15と前記下部タレット9との間に、前記サポートテーブル29と同期して上下動する昇降テーブル31を設けた構成である。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタレットパンチプレスに係り、さらに詳細には、下部タレットの中央部に、ワークを支持するサポートテーブルを上下動自在に備えたタレットパンチプレスに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に関係あると思われる先行技術文献として、例えば次の文献がある。
【0003】
【特許文献1】
実公昭63−38030号公報
【0004】
【特許文献2】
実公平7−47197号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1においては、複数のフリーボールベアリングを備えた円盤状基盤を下部テーブル上面中央部に上下動自在に備えた構成である。そして、上記円盤状基盤の上下動は、前記下部テーブルに装着した複数の流体圧シリンダの作動によって行われている。
【0006】
したがって、特許文献1においては、流体圧シリンダに対する作動流体の配管は回転自在な下部タレットに行わなければならず、構造が複雑であると共に、前記複数の流体圧シリンダを同期して同時に高速で上下動しようとすると、作動流体の配管や切換弁の制御の問題があり、より複雑化するという問題がある。
【0007】
前記特許文献2においては、下部タレットの中央部に設けた上下方向の貫通孔を上下動自在に貫通した縦軸によって、上記下部タレットの中央部に上下動自在に設けたサポートテーブルを上下動する構成であるので、下部タレットの支持軸の軸心に貫通孔を設ける必要があり、加工が厄介であると共に、前記サポートテーブルの支持位置は軸心位置であるから、ワークの支持状態によっては偏心荷重によって傾斜する傾向にあり、さらに改良が求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述したごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、上下に対向した上部タレットと下部タレットとを回転自在に備えると共に、上記下部タレットの中央部に、ワークを支持自在のサポートテーブルを上下動自在に備えたタレットパンチプレスにおいて、前記下部タレットを上下動自在に貫通して前記サポートテーブルを支持した複数の昇降ロッドを、前記下部タレットの回転中心を中心とする同心円上に配置して設け、前記複数の昇降ロッドを同時に上下動するための上下動機構を前記下部タレットの下方に設けた構成である。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のタレットパンチプレスにおいて、前記上下動機構に、前記複数の昇降ロッドに対応しかつ前記下部タレットの支軸を囲繞した上下動自在のリング状部材を備えた構成である。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のタレットパンチプレスにおいて、ワークを支持する固定テーブルと前記下部タレットとの間に、昇降テーブルを設け、この昇降テーブルを前記サポートテーブルと同期して上下動する構成としてある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明するに、理解を容易にするために、まずタレットパンチプレスの全体的構成について概略的に説明する。
【0012】
図1,図2を参照するに、タレットパンチプレス1は、上部フレーム3Uと下部フレーム3Lとを一体に備えた本体フレーム3を備えており、上記上部フレーム3の下部には複数のパンチPを支持した上部タレット5が垂直な上部支持軸7を介して回転自在に支持されている。そして、前記下部フレーム3Lの上部には、前記各パンチPと対応した複数のダイDを支持した下部タレット9が下部支持軸(図示省略)を介して、前記上部タレット5に対向して回転自在に設けられている。
【0013】
前記パンチPとダイDによって板状のワークWの加工を行うための加工位置には、前記パンチPを打圧自在のストライカ11を備えたラム13が上部フレーム3Uに上下動自在に設けられている。
【0014】
前記ワークWを支持するために、前記下部フレーム3Lの上面で下部タレット9の前側(図1,図2において下部タレットの右側)には固定テーブル15が設けられており、この固定テーブル15の左右両側(図2において上下両側)には左右のサイドテーブル17L,17Rが前後動自在に設けられている。すなわち、前記下部フレーム3Lの左右両側に前後方向(図1において左右方向)に長く設けたガイドレール19に前記サイドテーブル17L,17Rが移動自在に支持されているものである。
【0015】
前記固定テーブル15及びサイドテーブル17L,17Rの上面には、ワークWを支持するローラ,ブラシ等のごとき適宜のワーク支持部材が設けられており、上記支持部材がワークWを支持する支持高さ位置,すなわちワークWが水平に移動するパスラインは、前記下部タレット9上のダイDの上面より僅かに高く設定してある。換言すれば、ワークWの水平移動時にワークWの下面にダイDの上面との接触によって擦り傷を生じないように、パスラインは、ダイDの上面に対して浮いた状態でワークWを支持する高さに設定してある。
【0016】
前記ワークWを左右,前後方向(X軸,Y軸方向)へ移動し位置決めするために、ワーク移動位置決め装置21が設けられている。より詳細には、前記固定テーブル15上を横切って左右方向に長く設けたキャリッジベース23によって前記両サイドフレーム17L,17Rを一体的に連結し、このキャリッジベース23に沿って左右方向へ移動自在のキャリッジ25に、前記ワークWをクランプ自在の複数のワーククランプ27を備えた構成である。
【0017】
前記キャリッジ25の左右方向への移動は、前記キャリッジベース23に装着したX軸サーボモータMXの駆動によって行われ、前記キャリッジベース23,サイドテーブル17L,17Rの前後方向への移動は、前記フレーム3に装着したY軸サーボモータMY(図1参照)の駆動によって行われものである。
【0018】
既に理解されるように、前記両サーボモータMX,MYを適宜に制御駆動することにより、前記加工位置に対してワークWをX,Y軸方向へ移動位置決めすることができるものである。
【0019】
前述のごとくワークWを移動するとき、下部タレット9上に配置した複数のダイDの上面とワークWの下面とが接触しないように支持するために、前記下部タレット9の中央部にはサポートテーブル29が上下動自在に設けられている。また、前記下部タレット9と前記固定テーブル15との間には、昇降テーブル31が上下動自在に設けられている。上記サポートテーブル29及び昇降テーブル31の上面には、前記固定テーブル15及び両サイドフレーム17L,17Rと同一高さ位置でワークWを支持し得るように、例えばブラシ等のワーク支持部材が設けられている。
【0020】
前記サポートテーブル29は円板形状をなしており、このサポートテーブル29の上面には、ワーク支持部材の1例としてブラシが設けられている。前記下部タレット9に対して前記サポートテーブル29を上下動自在に支持するために、前記サポートテーブル29は、前記下部タレット9を上下動自在に貫通した複数の昇降ロッド33(図3,4参照)の上端部に水平に支持されている。
【0021】
上記複数の昇降ロッド33は、前記下部タレット9の回転中心,すなわち下部タレット9を支持した下部支持軸7Lの軸心を中心とする同心円上に配置してあり、この各昇降ロッド33の下端部には、前記下部支持軸7Lを囲繞したリング状部材35が一体的に設けてある。
【0022】
また、前記サポートテーブル29を常に下方向へ付勢するために、下部タレット9の複数箇所には下降付勢装置37が設けられている。より詳細には、前記サポートテーブル29の下面の複数箇所には前記下部タレット9に上下動自在に貫入したロッド39の上端部が一体的に取付けてあり、このロッド39の下端部に設けた座部材41と下部タレット9との間には、例えばコイルスプリングなどのごとき弾性部材43が弾装してある。
【0023】
したがって、上記弾性部材43の付勢力によって前記サポートテーブル29は常に下方向へ付勢されているものである。
【0024】
前記下部タレット9に対して前記サポートテーブル29を上下動するために、前記下部タレット9の下方位置には上下動機構,すなわちサポートテーブル上下動装置45が設けられている。上記サポートテーブル上下動装置45の1例として、本実施形態においては、トグルリンク等のごとき適宜のリンク機構を採用している。
【0025】
すなわち、前記リンク機構は、下部支持軸7Lを間にして左右両側に設けてある。そして、左右のリンク機構は同一構成であって、下部フレーム3Lの1部に設けたブラケット47を備えており、このブラケット47には第1リンク49の下端部がヒンジピン51を介して枢支連結してあり、この第1リンク49の上端部には第2リンク53の下端部がヒンジピン55を介して枢支連結してある。そして、上記第2リンク53の上端部は、前記リング状部材35を移動自在に支持するボール,ローラ等を回転自在に備えた回転支持部材57とヒンジピン59を介して枢支連結してある。上記複数の回転支持部材57は、前記リング状部材35に対応して同心円上に配置してあるものであって、下部フレーム3Lに適宜に設けたガイド部61に案内されて上下動自在である。
【0026】
前記リンク機構を駆動するために、前記各ヒンジピン55は水平な作動杆63に支持されている。そして、前記作動杆63の基端部側には上下揺動可能の揺動リンク65の一端部と枢支連結してあり、この揺動リンク65の他端部は、下部フレーム3Lに前後方向へのみ移動自在に支持された(支持状態は図示省略)スライダ67に枢支連結してある。
【0027】
上記スライダ67を前後動するために、前記下部フレーム3Lに設けた支持ブロック69には揺動レバー71の中央部付近が軸69Sを介して水平に揺動自在に支持されており、この揺動レバー71の先端部側に設けた長手方向の長孔又はスリット71Sに、前記スライダ67に立設したピン67Pが移動自在に係合してある。そして、前記揺動レバー71の基端部側に形成した長手方向の長孔又はスリット71Sには、流体圧シリンダ等のごとき往復作動装置73によって前後動される前後動ブロック75に立設して備えたピン75Pが係合してある。
【0028】
したがって、前記往復作動装置73を作動して前後動ブロック75を前後動することにより揺動レバー71が水平に揺動されて作動杆63が前後動され、この作動杆63の前後動に連動してリンク機構を介して回転支持部材57が上下動される。よって、回転支持部材57に支持されたリング状部材35を介してサポートテーブル29が下部タレット9に対して上下動されるものである。
【0029】
なお、所望のダイDを加工位置に割出すべく下部タレット9を回転する場合であっても、リング状部材35は常に複数の回転支持部材57に支持されているものであり、何等の問題もないものである。
【0030】
既に理解されるように、前記回転支持部材57とリング状部材35の上下位置関係は相対的なものであり、上下関係を逆にして、前記各昇降ロッド33の下端部にそれぞれローラ等を備えた回転支持部材を設けた構成とした場合には、リンク機構によってリング状部材を水平を保持して上下動する構成とすれば良いものである。
【0031】
前記昇降テーブル31は、図3,4に概略的に示すように、左右方向の水平な枢軸77を介して固定テーブル15又は下部フレーム31に上下に揺動可能に支持されているものである。そして、上記昇降テーブル31を上下動するために、フレームに設けたガイド部79に上下動自在に支持された上下動ロッド81の上端部がヒンジピン83を介して前記昇降テーブル31に適宜に枢支連結してあり、当該上下動ロッド81の下端部はヒンジピン59を介して前記リンク機構における第2リンク53の上端部に枢支連結してある。
【0032】
したがって、前述したように、往復作動装置73を作動してサポートテーブル29を上下動するとき、リンク機構を介して昇降テーブル31も同時に上下動されるものである。
【0033】
既に理解されるように、前記サポートテーブル29及び昇降テーブル31が上昇した状態にあるときには、上記サポートテーブル29,昇降テーブル31の支持高さは前記固定テーブル15,左右のサイドテーブル17L,17Rにおける支持高さと同一であって、下部タレット9上のダイDの上面より高位置であるから、X,Y軸方向へ移動されるワークWの下面がダイDに接触するようなことがなく、ダイDとの接触に起因する擦り傷の発生を防止でき、またダイDとの干渉による変形等を防止できるものである。
【0034】
そして、ワークWの加工を行うべくサポートテーブル29を降下すると、昇降テーブル31も連動して同時に降下し、ワークWの下面がダイDの上面に接触した状態においてワークWの加工が行われるものである。この際、ワークWは固定テーブル15上においては前記ダイDの上面よりも高位置に支持されており、ダイDの位置においてはダイDの上面に接触するので、ワークWは加工位置付近において僅かに傾斜されることになる。
【0035】
上述のように、加工位置付近においてワークWは僅かに傾斜されることになるが、下部タレット9と固定テーブル15との間に昇降テーブル31が配置してあることにより、ワークWの傾斜開始位置がダイDから大きく離れることとなり、昇降テーブル31が無い場合に比較してワークWの傾斜をより緩和でき、加工精度の向上を図ることができるものである。
【0036】
また、前記構成によれば、例えば揺動レバー71のレバー比を変換するなどの簡単な手段によって、前記サポートテーブル29,昇降テーブル31の上下動の高速化を図ることができるものであり、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。
【0037】
なお、本発明は、前述したごとき実施形態に限ることなく適宜の変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。前記サポートテーブル29を上下動する上下動装置として、前述したごときリンク機構に限ることなく、例えばクサビ機構やカム機構等を採用することもできるものである。
【0038】
すなわち、クサビ機構としては、例えば前記作動杆63に、上面が傾斜した複数のクサビ又はカムを備え、このクサビ又はカムによって前記回転支持部材57および上下動ロッド81を上下動する構成とすることができるものである。
【0039】
さらには、下端面にカム面を形成した上部円筒カムによって前記複数の回転支持部材57を支持した構成とし、上記上部円筒カムの下端面のカム面と係合自在のカム面を上端面に形成した下部円筒カムを前記上部円筒カムの下部に回動自在に配置し、この下部円筒カムをサーボモータ等で高速に回動することによって前記サポートテーブル29を上下動する構成とすることもできるものである。この際、前記上部円筒カムに放射方向に突出して設けたレバー等によって前記上下動ロッド81を支持することにより、前記昇降テーブル31も同時に上下動することができるものである。
【0040】
すなわち、サポートテーブル29を上下動するための構成としては種々の構成を採用することができるものである。
【0041】
【発明の効果】
以上のごとき説明より理解されるように、本発明によれば、タレットパンチプレスにおける下部タレットに上下動自在に支持されたサポートテーブルを上下動するための上下動機構を、下部タレットの下方に設けた構成であるから、上下動機構の簡素化を図ることができると共にサポートテーブルの上下動の高速化を図ることができ、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】タレットパンチプレスの概略的な正面説明図である。
【図2】タレットパンチプレスのII−II線に沿った断面の平面説明図である。
【図3】本発明の主要部分を概略的平面的に示した作用説明図である。
【図4】本発明の主要部分を概略的平面的に示した正断面説明図である。
【符号の説明】
5 上部タレット
9 下部タレット
15 固定テーブル
17L,17R サイドテーブル
21 ワーク移動位置決め装置
29 サポートテーブル
31 昇降テーブル
33 昇降ロッド
35 リング状部材
37 下降付勢装置
45 サポートテーブル上下動装置
57 回転支持部材
63 作動杆
65 揺動リンク
73 往復作動装置
【発明の属する技術分野】
本発明はタレットパンチプレスに係り、さらに詳細には、下部タレットの中央部に、ワークを支持するサポートテーブルを上下動自在に備えたタレットパンチプレスに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に関係あると思われる先行技術文献として、例えば次の文献がある。
【0003】
【特許文献1】
実公昭63−38030号公報
【0004】
【特許文献2】
実公平7−47197号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1においては、複数のフリーボールベアリングを備えた円盤状基盤を下部テーブル上面中央部に上下動自在に備えた構成である。そして、上記円盤状基盤の上下動は、前記下部テーブルに装着した複数の流体圧シリンダの作動によって行われている。
【0006】
したがって、特許文献1においては、流体圧シリンダに対する作動流体の配管は回転自在な下部タレットに行わなければならず、構造が複雑であると共に、前記複数の流体圧シリンダを同期して同時に高速で上下動しようとすると、作動流体の配管や切換弁の制御の問題があり、より複雑化するという問題がある。
【0007】
前記特許文献2においては、下部タレットの中央部に設けた上下方向の貫通孔を上下動自在に貫通した縦軸によって、上記下部タレットの中央部に上下動自在に設けたサポートテーブルを上下動する構成であるので、下部タレットの支持軸の軸心に貫通孔を設ける必要があり、加工が厄介であると共に、前記サポートテーブルの支持位置は軸心位置であるから、ワークの支持状態によっては偏心荷重によって傾斜する傾向にあり、さらに改良が求められている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述したごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、上下に対向した上部タレットと下部タレットとを回転自在に備えると共に、上記下部タレットの中央部に、ワークを支持自在のサポートテーブルを上下動自在に備えたタレットパンチプレスにおいて、前記下部タレットを上下動自在に貫通して前記サポートテーブルを支持した複数の昇降ロッドを、前記下部タレットの回転中心を中心とする同心円上に配置して設け、前記複数の昇降ロッドを同時に上下動するための上下動機構を前記下部タレットの下方に設けた構成である。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のタレットパンチプレスにおいて、前記上下動機構に、前記複数の昇降ロッドに対応しかつ前記下部タレットの支軸を囲繞した上下動自在のリング状部材を備えた構成である。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のタレットパンチプレスにおいて、ワークを支持する固定テーブルと前記下部タレットとの間に、昇降テーブルを設け、この昇降テーブルを前記サポートテーブルと同期して上下動する構成としてある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明するに、理解を容易にするために、まずタレットパンチプレスの全体的構成について概略的に説明する。
【0012】
図1,図2を参照するに、タレットパンチプレス1は、上部フレーム3Uと下部フレーム3Lとを一体に備えた本体フレーム3を備えており、上記上部フレーム3の下部には複数のパンチPを支持した上部タレット5が垂直な上部支持軸7を介して回転自在に支持されている。そして、前記下部フレーム3Lの上部には、前記各パンチPと対応した複数のダイDを支持した下部タレット9が下部支持軸(図示省略)を介して、前記上部タレット5に対向して回転自在に設けられている。
【0013】
前記パンチPとダイDによって板状のワークWの加工を行うための加工位置には、前記パンチPを打圧自在のストライカ11を備えたラム13が上部フレーム3Uに上下動自在に設けられている。
【0014】
前記ワークWを支持するために、前記下部フレーム3Lの上面で下部タレット9の前側(図1,図2において下部タレットの右側)には固定テーブル15が設けられており、この固定テーブル15の左右両側(図2において上下両側)には左右のサイドテーブル17L,17Rが前後動自在に設けられている。すなわち、前記下部フレーム3Lの左右両側に前後方向(図1において左右方向)に長く設けたガイドレール19に前記サイドテーブル17L,17Rが移動自在に支持されているものである。
【0015】
前記固定テーブル15及びサイドテーブル17L,17Rの上面には、ワークWを支持するローラ,ブラシ等のごとき適宜のワーク支持部材が設けられており、上記支持部材がワークWを支持する支持高さ位置,すなわちワークWが水平に移動するパスラインは、前記下部タレット9上のダイDの上面より僅かに高く設定してある。換言すれば、ワークWの水平移動時にワークWの下面にダイDの上面との接触によって擦り傷を生じないように、パスラインは、ダイDの上面に対して浮いた状態でワークWを支持する高さに設定してある。
【0016】
前記ワークWを左右,前後方向(X軸,Y軸方向)へ移動し位置決めするために、ワーク移動位置決め装置21が設けられている。より詳細には、前記固定テーブル15上を横切って左右方向に長く設けたキャリッジベース23によって前記両サイドフレーム17L,17Rを一体的に連結し、このキャリッジベース23に沿って左右方向へ移動自在のキャリッジ25に、前記ワークWをクランプ自在の複数のワーククランプ27を備えた構成である。
【0017】
前記キャリッジ25の左右方向への移動は、前記キャリッジベース23に装着したX軸サーボモータMXの駆動によって行われ、前記キャリッジベース23,サイドテーブル17L,17Rの前後方向への移動は、前記フレーム3に装着したY軸サーボモータMY(図1参照)の駆動によって行われものである。
【0018】
既に理解されるように、前記両サーボモータMX,MYを適宜に制御駆動することにより、前記加工位置に対してワークWをX,Y軸方向へ移動位置決めすることができるものである。
【0019】
前述のごとくワークWを移動するとき、下部タレット9上に配置した複数のダイDの上面とワークWの下面とが接触しないように支持するために、前記下部タレット9の中央部にはサポートテーブル29が上下動自在に設けられている。また、前記下部タレット9と前記固定テーブル15との間には、昇降テーブル31が上下動自在に設けられている。上記サポートテーブル29及び昇降テーブル31の上面には、前記固定テーブル15及び両サイドフレーム17L,17Rと同一高さ位置でワークWを支持し得るように、例えばブラシ等のワーク支持部材が設けられている。
【0020】
前記サポートテーブル29は円板形状をなしており、このサポートテーブル29の上面には、ワーク支持部材の1例としてブラシが設けられている。前記下部タレット9に対して前記サポートテーブル29を上下動自在に支持するために、前記サポートテーブル29は、前記下部タレット9を上下動自在に貫通した複数の昇降ロッド33(図3,4参照)の上端部に水平に支持されている。
【0021】
上記複数の昇降ロッド33は、前記下部タレット9の回転中心,すなわち下部タレット9を支持した下部支持軸7Lの軸心を中心とする同心円上に配置してあり、この各昇降ロッド33の下端部には、前記下部支持軸7Lを囲繞したリング状部材35が一体的に設けてある。
【0022】
また、前記サポートテーブル29を常に下方向へ付勢するために、下部タレット9の複数箇所には下降付勢装置37が設けられている。より詳細には、前記サポートテーブル29の下面の複数箇所には前記下部タレット9に上下動自在に貫入したロッド39の上端部が一体的に取付けてあり、このロッド39の下端部に設けた座部材41と下部タレット9との間には、例えばコイルスプリングなどのごとき弾性部材43が弾装してある。
【0023】
したがって、上記弾性部材43の付勢力によって前記サポートテーブル29は常に下方向へ付勢されているものである。
【0024】
前記下部タレット9に対して前記サポートテーブル29を上下動するために、前記下部タレット9の下方位置には上下動機構,すなわちサポートテーブル上下動装置45が設けられている。上記サポートテーブル上下動装置45の1例として、本実施形態においては、トグルリンク等のごとき適宜のリンク機構を採用している。
【0025】
すなわち、前記リンク機構は、下部支持軸7Lを間にして左右両側に設けてある。そして、左右のリンク機構は同一構成であって、下部フレーム3Lの1部に設けたブラケット47を備えており、このブラケット47には第1リンク49の下端部がヒンジピン51を介して枢支連結してあり、この第1リンク49の上端部には第2リンク53の下端部がヒンジピン55を介して枢支連結してある。そして、上記第2リンク53の上端部は、前記リング状部材35を移動自在に支持するボール,ローラ等を回転自在に備えた回転支持部材57とヒンジピン59を介して枢支連結してある。上記複数の回転支持部材57は、前記リング状部材35に対応して同心円上に配置してあるものであって、下部フレーム3Lに適宜に設けたガイド部61に案内されて上下動自在である。
【0026】
前記リンク機構を駆動するために、前記各ヒンジピン55は水平な作動杆63に支持されている。そして、前記作動杆63の基端部側には上下揺動可能の揺動リンク65の一端部と枢支連結してあり、この揺動リンク65の他端部は、下部フレーム3Lに前後方向へのみ移動自在に支持された(支持状態は図示省略)スライダ67に枢支連結してある。
【0027】
上記スライダ67を前後動するために、前記下部フレーム3Lに設けた支持ブロック69には揺動レバー71の中央部付近が軸69Sを介して水平に揺動自在に支持されており、この揺動レバー71の先端部側に設けた長手方向の長孔又はスリット71Sに、前記スライダ67に立設したピン67Pが移動自在に係合してある。そして、前記揺動レバー71の基端部側に形成した長手方向の長孔又はスリット71Sには、流体圧シリンダ等のごとき往復作動装置73によって前後動される前後動ブロック75に立設して備えたピン75Pが係合してある。
【0028】
したがって、前記往復作動装置73を作動して前後動ブロック75を前後動することにより揺動レバー71が水平に揺動されて作動杆63が前後動され、この作動杆63の前後動に連動してリンク機構を介して回転支持部材57が上下動される。よって、回転支持部材57に支持されたリング状部材35を介してサポートテーブル29が下部タレット9に対して上下動されるものである。
【0029】
なお、所望のダイDを加工位置に割出すべく下部タレット9を回転する場合であっても、リング状部材35は常に複数の回転支持部材57に支持されているものであり、何等の問題もないものである。
【0030】
既に理解されるように、前記回転支持部材57とリング状部材35の上下位置関係は相対的なものであり、上下関係を逆にして、前記各昇降ロッド33の下端部にそれぞれローラ等を備えた回転支持部材を設けた構成とした場合には、リンク機構によってリング状部材を水平を保持して上下動する構成とすれば良いものである。
【0031】
前記昇降テーブル31は、図3,4に概略的に示すように、左右方向の水平な枢軸77を介して固定テーブル15又は下部フレーム31に上下に揺動可能に支持されているものである。そして、上記昇降テーブル31を上下動するために、フレームに設けたガイド部79に上下動自在に支持された上下動ロッド81の上端部がヒンジピン83を介して前記昇降テーブル31に適宜に枢支連結してあり、当該上下動ロッド81の下端部はヒンジピン59を介して前記リンク機構における第2リンク53の上端部に枢支連結してある。
【0032】
したがって、前述したように、往復作動装置73を作動してサポートテーブル29を上下動するとき、リンク機構を介して昇降テーブル31も同時に上下動されるものである。
【0033】
既に理解されるように、前記サポートテーブル29及び昇降テーブル31が上昇した状態にあるときには、上記サポートテーブル29,昇降テーブル31の支持高さは前記固定テーブル15,左右のサイドテーブル17L,17Rにおける支持高さと同一であって、下部タレット9上のダイDの上面より高位置であるから、X,Y軸方向へ移動されるワークWの下面がダイDに接触するようなことがなく、ダイDとの接触に起因する擦り傷の発生を防止でき、またダイDとの干渉による変形等を防止できるものである。
【0034】
そして、ワークWの加工を行うべくサポートテーブル29を降下すると、昇降テーブル31も連動して同時に降下し、ワークWの下面がダイDの上面に接触した状態においてワークWの加工が行われるものである。この際、ワークWは固定テーブル15上においては前記ダイDの上面よりも高位置に支持されており、ダイDの位置においてはダイDの上面に接触するので、ワークWは加工位置付近において僅かに傾斜されることになる。
【0035】
上述のように、加工位置付近においてワークWは僅かに傾斜されることになるが、下部タレット9と固定テーブル15との間に昇降テーブル31が配置してあることにより、ワークWの傾斜開始位置がダイDから大きく離れることとなり、昇降テーブル31が無い場合に比較してワークWの傾斜をより緩和でき、加工精度の向上を図ることができるものである。
【0036】
また、前記構成によれば、例えば揺動レバー71のレバー比を変換するなどの簡単な手段によって、前記サポートテーブル29,昇降テーブル31の上下動の高速化を図ることができるものであり、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。
【0037】
なお、本発明は、前述したごとき実施形態に限ることなく適宜の変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。前記サポートテーブル29を上下動する上下動装置として、前述したごときリンク機構に限ることなく、例えばクサビ機構やカム機構等を採用することもできるものである。
【0038】
すなわち、クサビ機構としては、例えば前記作動杆63に、上面が傾斜した複数のクサビ又はカムを備え、このクサビ又はカムによって前記回転支持部材57および上下動ロッド81を上下動する構成とすることができるものである。
【0039】
さらには、下端面にカム面を形成した上部円筒カムによって前記複数の回転支持部材57を支持した構成とし、上記上部円筒カムの下端面のカム面と係合自在のカム面を上端面に形成した下部円筒カムを前記上部円筒カムの下部に回動自在に配置し、この下部円筒カムをサーボモータ等で高速に回動することによって前記サポートテーブル29を上下動する構成とすることもできるものである。この際、前記上部円筒カムに放射方向に突出して設けたレバー等によって前記上下動ロッド81を支持することにより、前記昇降テーブル31も同時に上下動することができるものである。
【0040】
すなわち、サポートテーブル29を上下動するための構成としては種々の構成を採用することができるものである。
【0041】
【発明の効果】
以上のごとき説明より理解されるように、本発明によれば、タレットパンチプレスにおける下部タレットに上下動自在に支持されたサポートテーブルを上下動するための上下動機構を、下部タレットの下方に設けた構成であるから、上下動機構の簡素化を図ることができると共にサポートテーブルの上下動の高速化を図ることができ、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】タレットパンチプレスの概略的な正面説明図である。
【図2】タレットパンチプレスのII−II線に沿った断面の平面説明図である。
【図3】本発明の主要部分を概略的平面的に示した作用説明図である。
【図4】本発明の主要部分を概略的平面的に示した正断面説明図である。
【符号の説明】
5 上部タレット
9 下部タレット
15 固定テーブル
17L,17R サイドテーブル
21 ワーク移動位置決め装置
29 サポートテーブル
31 昇降テーブル
33 昇降ロッド
35 リング状部材
37 下降付勢装置
45 サポートテーブル上下動装置
57 回転支持部材
63 作動杆
65 揺動リンク
73 往復作動装置
Claims (3)
- 上下に対向した上部タレットと下部タレットとを回転自在に備えると共に、上記下部タレットの中央部に、ワークを支持自在のサポートテーブルを上下動自在に備えたタレットパンチプレスにおいて、前記下部タレットを上下動自在に貫通して前記サポートテーブルを支持した複数の昇降ロッドを、前記下部タレットの回転中心を中心とする同心円上に配置して設け、前記複数の昇降ロッドを同時に上下動するための上下動機構を前記下部タレットの下方に設けたことを特徴とするタレットパンチプレス。
- 請求項1に記載のタレットパンチプレスにおいて、前記上下動機構に、前記複数の昇降ロッドに対応しかつ前記下部タレットの支軸を囲繞した上下動自在のリング状部材を備えたことを特徴とするタレットパンチプレス。
- 請求項1又は2に記載のタレットパンチプレスにおいて、ワークを支持する固定テーブルと前記下部タレットとの間に、昇降テーブルを設け、この昇降テーブルを前記サポートテーブルと同期して上下動する構成としてあることを特徴とするタレットパンチプレス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002322903A JP2004154823A (ja) | 2002-11-06 | 2002-11-06 | タレットパンチプレス |
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JP2002322903A JP2004154823A (ja) | 2002-11-06 | 2002-11-06 | タレットパンチプレス |
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JP2004154823A true JP2004154823A (ja) | 2004-06-03 |
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ID=32802958
Family Applications (1)
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JP2002322903A Pending JP2004154823A (ja) | 2002-11-06 | 2002-11-06 | タレットパンチプレス |
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JP (1) | JP2004154823A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007222916A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Amada Co Ltd | パンチ加工機 |
CN110000299A (zh) * | 2019-05-10 | 2019-07-12 | 明勖(东莞)精密机械有限公司 | 一种冲压机的台盘升降装置 |
-
2002
- 2002-11-06 JP JP2002322903A patent/JP2004154823A/ja active Pending
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