JP2004154789A - 薄肉化円筒体の製造方法 - Google Patents

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久夫 岩本
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Abstract

【課題】径のばらつきが少なく、(L/D)比の大きい薄肉化円筒体の製造方法を提供する。
【解決手段】板材を絞り加工してカップ体を成形し、そのカップ体の側壁厚をしごき加工により減少させて、又はカップ体の径及び側壁厚を絞り・しごき加工により減少させて、薄肉化有底円筒体を形成し、前記薄肉化有底円筒体を引抜き加工して引抜き有底円筒体を形成し、前記引抜き有底円筒体の両端をトリミングして薄肉化円筒体を形成する。前記薄肉化円筒体の長さLと外径Dとの比が、L/D>5となるようにする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、直径に対して長さが大きい、薄肉のシームレス管の製造方法に関するものであり、より詳細には、プリンターやコピー機の感光ドラム基体、現像ロール、定着ロール、転写ロール、紙送りロール、帯電ロール等の各種ロール、ベルト、スリーブ、パイプなど、直径に対して長さが大きい高精度が要求される薄肉化円筒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直径に対して長さが大きいシームレス管を製造するに当たっては押出し成形された円筒状素管を引抜き法によって所定の径、厚さに伸ばし、定寸に切断する方法が一般的で、特に精度や表面性状を要する場合、曲がりを矯正したり、外面を切削仕上げする工程が付加されることもある。また、電子写真用感光ドラムの基体を製造するにあたっては、引抜き−しごき法、もしくは金属板を、絞り−しごき法によって円筒状に製造する方法が提案されていた(特許文献1参照)。
また、電子写真感光体の円筒状基体表面に設けられる層を、上記円筒状基体を塗料槽に浸漬して塗膜を形成することが提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平3−43617号公報
【0004】
【特許文献2】
特公平2−51501号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、プリンターやコピー機では部品のカートリッジ化が進展し、感光ドラムや現像ロールは消耗品としてカートリッジごと新品に交換する形態を採用している。そのため廃棄する際の便宜を考慮し減量化・軽量化が求められている。一方、省エネの観点からはコピー機等の余熱モードをなくし、使用時に所定温度まで加熱することが望ましいが、そうすると待機時間が長くなり実用上問題となる。そこで定着ロール等は薄肉化・小径化することで熱容量を小さくし、短時間で所定の温度まで上昇させる方法が検討されている。
このようにプリンターやコピー機の感光ドラム基体、現像ロール、定着ロール、転写ロール、紙送りロール、帯電ロール等の各種ロール、ベルト、スリーブ、パイプなど、直径に対して長さが大きい薄肉化円筒体には「減量化・軽量化」、「小熱容量化」の達成のための具体的手段として「薄肉化」が要求されている。また、円筒体の長さ/外径=「L/D」比の大きいいわゆる小径ロング管が要求されている。
一方、これらの円筒体は中心軸の回りを自転する形態で使用され、例えば感光ドラム基体や現像ロールはトナー粒子の受け渡しを確実に行なうため外径の「振れ」はできるだけ小さくすること、即ち真円度、円筒度を高精度にすることが要求される。また、円筒体の内側に2本の回転軸を挿入し駆動させて、円筒体をベルトとして用いる、例えば定着ベルトの場合は、蛇行を防止するため、「径の均一性」を要求される。
最近では画像の高品質化や印刷速度の高速化にともない、正確に色を重ね合わせるために「振れ」、「径の均一性」などの高精度化に対する要求は厳しくなる一方である。
しかし、従来の製造方法では上述の諸々の要求に十分こたえることができないという問題がある。押出し−引抜き法では薄肉管の製造が難しく、φ30では約0.70mmが下限である。一方、絞り−しごき法は押出し−引抜き法と比較して薄肉のものが製造できるという利点はあるが精度の点で問題がある。また、いずれの方法でも、現在要求されているL/Dが大きいいわゆる小径ロング薄肉管の成形になると問題は一層大きくなる傾向がある。
また、これらの円筒体は表面に塗料等をコーティングされるが、特許文献2の方法では、塗料の垂れや乾燥の不均一による塗膜の厚さのむら、オレンジピール等を生じ易く、また、浸漬後の引き上げ後に円筒状素管の下端部に塗料溜まりを生じ、その処理や、一本ずつチャキングして低速で上下させて浸漬するため生産性が悪いといった問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、L/D比が大きく、かつ高精度の「真円度」「径の均一性」を有する薄肉化円筒体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄肉化円筒体の製造方法は、板材を成形加工により薄肉化有底円筒体に成形後、前記薄肉化有底円筒体を引抜き加工して引抜き有底円筒体を形成し、前記引抜き有底円筒体の両端をトリミングすることを特徴とする。
このような薄肉化円筒体の製造方法において、板材を加工してカップ体を成形後、カップ体の径及び/または厚みを加工により減少させて、薄肉化有底円筒体を形成することが望ましい。
また、前記薄肉化円筒体は、その長さLと外径Dとの比が、L/D>5であることが装置の軽量化、小熱容量化達成のために好ましく採用される。
また、前記板材が、クラッド材であることは、それぞれの素材の特徴を生かした薄肉化円筒体を形成できて好ましい。
さらに、クラッド材の最内層の硬さが最外層の硬さより硬いものであること、クラッド材が3層からなり、中間層の硬さが、最内層の硬さ及び最外層の硬さより硬いものであることなどが、円筒体成形を容易に行えることになるので好ましい。
そして、板材が樹脂被覆金属材であることは、板材の樹脂皮膜が潤滑剤の役割を果たし、さらに樹脂に機能を持たせることができるようになるので好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の薄肉化円筒体の製造方法の好適な実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明の薄肉化円筒体の製造方法は、板材→ブランク材打抜き→絞り加工→再絞り加工の工程で有底円筒状のカップ体を形成し、次のしごき加工で側壁薄肉化有底円筒体を形成する。さらにこの側壁薄肉化有底円筒体を引抜き加工して外径に対する胴長が長い長円筒体を形成する。そして、この長円筒体の両端をトリミングして最終的に底なしの薄肉化円筒体を得る。
なお、前記絞り加工→再絞り加工の2工程は、絞りの1工程でもよい。また、絞り加工後のしごき加工も、2工程でなく、ダイスホルダに再絞りダイスとしごきダイスとを共に設け、1工程で再絞り・しごき加工とすることができる。
【0008】
図1は、本発明の薄肉化円筒体の製造方法の一実施形態に係り、ブランク材を絞り加工、再絞り加工の工程を示す説明図である。図1において、有底円筒状のカップ体12は、板材からプレス打抜き加工によって得られる円板(ブランク材11)(図1(a))をパンチを介して絞りダイスで絞り加工(図1(b))、再絞り加工(図1(c))を行って形成される。
【0009】
(板材)
金属素材であれば特に制限はないが、アルミニウム(アルミニウム合金を含む。以下同じ)、鉄(鋼、ステンレスを含む。以下同じ)が好ましく用いられる。
(クラッド材)
また、金属素材は、2種以上の金属、又は金属とプラスチックやセラミックスを重ね合わせることにより形成されたクラッド材も適用される。クラッド材とすることにより、それぞれの素材のもつ特性を兼備した材料とすることができる。例えば、耐食性、弾性、導電性など、目的によって素材の組み合わせを選択することができる。
クラッド材の製造法には、熱間圧延法、爆着法、肉盛法、鋳込法、拡散接合法、表面活性化接合法(真空や不活性ガス雰囲気での冷間圧延法)などが適宜採用される。
本発明で好適に用いられるクラッド材としては、アルミニウム−鉄、アルミニウム−鉄−アルミニウム、アルミニウム−ニッケル(ニッケル合金を含む。以下同じ)、アルミニウム−ニッケル−アルミニウム、ニッケル−鉄、ニッケル−鉄−ニッケル、チタン(チタン合金を含む。以下同じ)−アルミニウム、アルミニウム−チタン−アルミニウム、銅(銅合金を含む。以下同じ)−ニッケル、銅−鉄、銅−鉄−ニッケル、等の2層、3層のクラッド板が挙げられるが、4層以上であってもよい。
また、アルミニウムとアルミニウムのように合金組成の異なる同種の金属であってもよく、クラッド板は、基板となる板上にメッキして構成されたものでもよい。例えば、鋼板表面にニッケルメッキしたもの等が挙げられる。
【0010】
(樹脂皮膜材)
また、前記金属素材上に樹脂皮膜を有した樹脂被覆金属材も好ましく用いられる。本発明の薄肉化円筒体を感光ドラムや定着ベルトなどの基体として用いる場合には、基体表面にそれぞれ感光塗料、離型層を塗布して最終製品となるので、これらの感光塗料、離型層などを予め樹脂皮膜として、金属素材上に被覆したものをブランク材として用いれば、皮膜の厚さむら、表面欠陥のない樹脂被覆円筒体が得られる。
また、被覆樹脂は、固体潤滑膜として機能するので、薄肉化円筒体加工時の表面疵の防止にもなる。さらに、樹脂皮膜は、感光ドラムの場合は感光層として、定着ベルトの場合は離型層としての役割もある。
樹脂皮膜としては、熱可塑性ポリエステル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂皮膜、又はエポキシ系、ビニル系等の塗膜が好ましく用いられる。樹脂皮膜を被覆の際に、樹脂皮膜の種類に応じて接着剤を用いても、用いなくてもよい。また、各層の機能を得るため、顔料、粉末、化合物等を樹脂皮膜中に分散、相溶させることもできる。
【0011】
樹脂皮膜は、少なくとも金属素材表面に被覆されるが1層以上であれば良く、又、その層構成に応じて多層であっても良い。樹脂被覆金属板は、金属板を切り板の状態で、または、コイル状に巻かれた状態からほどいて樹脂皮膜を被覆するため、比較的容易に上記皮膜の厚さを均一にすることができる。従って、樹脂被覆金属板は、金属板及び樹脂皮膜のそれぞれの厚さが均一であり、樹脂被覆金属板自体の厚さも均一となる。
【0012】
樹脂皮膜が熱可塑性樹脂をベースとする場合は、押出ラミネ−ト法、無延伸キャストフィルム・ラミネ−ト法、あるいは2軸延伸フィルムをラミネ−トする方法等のいずれの方法によっても被覆される。特に無延伸で非晶質の熱可塑性樹脂皮膜は、苛酷なしごき加工の際にも、金属板の薄肉化に伴う延びや収縮変形に対して剥離や亀裂などの損傷を生ずることなく追従することができるので、潤滑剤の役割をするので樹脂被覆金属板を用いることが好ましい。
【0013】
次に、図2の(a),(b),(c)に示すように、前記カップ体の側壁を順次薄肉化するため数段のしごき加工(Ironing)を施す。前記しごき加工は、例えば図3に示す加工装置によって行うことができる。図3において、しごきダイス33には貫通孔32が設けられており、カップ体12の表面に冷却潤滑液が塗布され、パンチ31によって図3に示す矢印方向にプレスされることによってしごき加工が行われる。絞り加工を終えたカップ体12は、底厚と側厚は共にt0で等しい有底円筒状に成形されるが(図1参照)、カップ体12がしごきダイス33を通過すると、側壁が薄肉化されるとともに全長が伸ばされて図2に示すように薄肉化有底円筒体が形成される。このようなしごき加工を数段行うことで、図2(a)で示すように第1のしごき加工で形成された側壁の厚みt1は、第2段のしごき加工を施されることにより側壁の厚みがt2になり(b)、さらに第3段のしごき加工を施されることにより薄肉化され側壁t3を有する(c)薄肉化有底円筒体21が形成される。また、図4に示すように3個のしごきダイス(33a,33b,33c)をタンデムに並べて1工程で3段のしごき加工を行なうこともできる。しごき加工は薄肉化有底円筒体を成形する簡便な方法であり、図4に示すような連続しごき加工を採用することにより、より高生産性のある薄肉化有底円筒体21の製造が可能である。そして、このように形成された薄肉化有底円筒体21は、ストリッパ機構41を介してパンチ31から離脱される。
【0014】
(引抜き加工)
次に、図5の(a),(b),(c)に時間の経過に従って示すように、離脱された薄肉化有底円筒体21は、引抜きダイス51及び引抜きプラグ52からなる引抜き装置によって引抜き有底円筒体53に成形される。引抜きパスは工程簡略化のため1回とすることが好ましく、引抜き加工時の径方向圧下率(外径収縮率)を0.5〜10%とすることが好ましい。その理由は、0.5%未満又は10%を超えると引抜き有底円筒体53の長手方向の真円度の向上及び径の均一化が図れないからである。特に好ましい径方向圧下率は1〜7%である。
また、引抜き加工時の肉厚方向圧下率(肉厚減少率)を1〜40%とすることが好ましい。その理由は、1%未満では、引抜き有底円筒体53の長手方向の真円度の向上及び径の均一化が図れず、40%を超えると効果がなくなるとともに、破断しやくなり生産性が低下するからである。特に好ましい肉厚方向圧下率は5〜30%である。
なお、本発明における引抜き加工は、円筒体の径の均一化の仕上げ工程として、少なくとも絞りしごき加工の最終工程に設けられることが必要であるが、前記絞り加工やしごき加工工程の中間において行ってもよい。
また、前述したように、板材を絞り加工又は絞り再絞り加工して前記カップ体を形成し、カップ体の径及び/または厚みをしごき加工または絞り・しごき加工により減少させて薄肉化有底円筒体を形成する説明をしたが、このような絞りやしごき加工を用いずに引抜き加工のみによって薄肉化有底円筒体を形成することもできる。
【0015】
(両端部トリミング)
次に、図6に示すように、油圧などによって外方へ膨張するチャック61を介してスピンドル62に挿入固定される。そして、スピンドル62を回転させ外刃63,63及び内刃63a,63aによって図6の一点鎖線で示す位置で、引抜き有底円筒体53の両端部がトリミング(切断)される。両端部をトリミングされた薄肉化円筒体70(図7参照)は、例えば電子写真用感光ドラム基体として用いられることとなる。
このように、引抜き加工によって得られた薄肉化円筒体70は、肉厚、真円度、径の均一化に関して高い円筒精度と高い表面精度を有する。
また、引抜き加工の前工程でしごき加工を行うことによって、極めて生産性よく円筒体を薄肉化することができるので、薄肉化円筒体70の軽量化を図ることができる。
【0016】
(L/D>5)
前述したように、プリンターやコピー機の感光ドラム基体、現像ロール、定着ロール、転写ロール、紙送りロール、帯電ロール等の各種ロール、ベルト、スリーブ、パイプなどは薄肉化・小径化することで熱容量を小さくして短時間で所定の温度まで上昇させるためには、円筒体のL/Dは大きい方が好ましい。
一方、円筒体を組み込む装置を考慮してその長さ(L)が決定されるが、円筒体の強度、熱伝導などを考慮して円筒体の肉厚、外径が決定される。L/Dの比が5以下であると、260mm以上の長さが要求されている感光ドラム基体等に対して円筒体の外径が太くなることにより、感光ドラム等を収納する筐体の厚みが厚くなり、また、円筒体の熱容量が大きくなり、所定温度までの昇温に時間がかかるので好ましくない。
したがって、本発明では、トリミング代を除いた、薄肉化円筒体の長さ(L)/円筒体の外径(D)>5とした。
【0017】
加工の難しい硬い素材で円筒体を形成しようとする場合は、円筒体の内側に硬い素材、外側に軟らかい素材が配設されるようにして、板材としてクラッド板を用いることが好ましい。例えば、アルミニウム(軟)−チタン(硬)というような組み合わせである。
このようにする場合は、円筒体の外側に配設された軟らかな素材が加工時の潤滑剤としての役割を果たし、硬い素材の絞り、しごき、引抜き加工時の素材の割れ等を防止でき、長尺の薄肉化円筒体を形成することができる。
また、硬い素材を軟らかい素材でサンドイッチにすることもできる。
例えば、アルミニウム(軟)−チタン(硬)−アルミニウム(軟)というような組み合わせである。
【0018】
樹脂被覆金属板を用いる場合は、絞り、しごき、引抜き加工の際、加工中の円筒体は、しごきダイス等の加工治具と直接接触することなく、両者の間に樹脂皮膜が介在するので、加工治具の摩損による表面欠陥を生ずる恐れがない。また、冷却潤滑液(ク−ラント)を使用することがないので、油切れや、異物の巻き込み等による表面欠陥を生ずるおそれもない。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
板材として、アルミニウム合金板(JIS H4000 合金番号3004H12)、直径152mm、厚さ0.55mmのブランク材を用いて、絞り−再絞り加工により、内径φ31.1mmのカップ体を製造し、そのカップ体を外径φ31.05のしごきポンチを用い、厚さ0.38mmまでしごき加工して薄肉化有底円筒体を形成した。しごき加工後の薄肉化有底円筒体外径はφ31.8mmであった。しごき加工速度は0.5m/秒、冷却潤滑液として、日本クエーカーケミカル(株)製J602Aを水で3%に希釈したものを用いた。
次に、上記薄肉化有底円筒体に引抜き加工を施した。引抜き加工は、引抜き速度を0.2m/秒に設定し、引抜き後の外径が30.0mm、厚さが0.30mm、高さが350mmになるように行なった。冷却潤滑液はしごき加工時のものと同じものを用いた。
上記の引抜き加工により得られた引抜き有底円筒体の両端面をトリミングして切り落とし、長さが300mm、外径及び肉厚がそれぞれ30.0mm、0.30mmの薄肉化円筒体を得た。この薄肉化円筒体の真円度と径の均一度を表1に示す。
なお、表中の真円度の値は、薄肉円筒体の端部から長手方向に20mmごとの各位置における真円度の中で最も大きい(悪い)値を示した。径の均一度は、同じく20mmごとの各位置における外径のうち、最大値と最小値の差を示した。
【0020】
(実施例2)
板材として、表面活性化接合法(真空雰囲気での冷間圧延法)により、厚さ0.05mmのアルミニウム板と、厚さ0.25mmの鋼板(JIS G3303)を接合した厚さ0.30mmのクラッド材をφ115mmに打抜いてブランク材として用いた。クラッド材のマイクロビッカース硬さはアルミニウム板がHv26、鋼板がHv178であった。このブランク材を、鋼板がカップ体内面側となるように絞り−再絞り加工により、内径φ31.1mmのカップ体を製造し、そのカップ体を3回のしごき加工により順次薄肉化し、厚さ0.12mmまでしごき加工して薄肉化有底円筒体を形成した。しごき加工後の薄肉化有底円筒体外径は31.14mmであった。しごき加工速度、使用した冷却潤滑剤は実施例1と同じである。
引抜き加工は、引抜き速度を0.2m/秒に設定し、引抜き後の外径が30.0mm、厚さが0.10mm、高さが310mmになるように行なった。冷却潤滑液はしごき加工時のものと同じものを用いた。
上記の引抜き加工後により得られた引抜き有底円筒体の両端面をトリミングして長さが260mm、外径及び肉厚がそれぞれ30.0mm、0.10mmの薄肉化円筒体を得た。この薄肉化円筒体の真円度と径の均一度を表1に示す。
【0021】
(実施例3)
板材として厚さ0.25mmの鋼板(JIS G3303)の両側に、厚さ0.03mmの無酸素銅板及び厚さ0.02mmのニッケル板を接合した厚さ0.30mmのクラッド材を用いた。クラッド材のマイクロビッカース硬さは、銅板がHv50、鋼板がHv178、ニッケル板がHv149であった。ニッケル板がカップ体内面側となるようにしてカップ体成形加工を行なった。これ以外は実施例2と同様に行ない、長さ260mm、外径30mm、厚さ0.10mmの薄肉化円筒体を得た。この薄肉化円筒体の真円度と径の均一度を表1に示す。
【0022】
【表1】
Figure 2004154789
【0023】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されているので、形状及び寸法において高い精度を要求される薄肉化円筒体を製造できる。
特に、高い真円度が要求されるプリンタやコピー機等の感光ドラム基体等を、本発明の製造方法によって加工することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄肉化円筒体の製造方法の一実施形態にかかり、ブランク材を絞り再絞りする工程を示す説明図である。
【図2】カップ体の側壁を薄肉化するためのしごき加工(Ironing)の説明図である。
【図3】しごき加工装置を示す概略説明図である。
【図4】1工程で3回のしごき加工を行なう場合のしごき加工装置を示す概略説明図である。
【図5】引抜きダイス及び引抜きプラグからなる引抜き装置により引抜き有底円筒体を成形する概略説明図である。
【図6】引抜き有底円筒体の両端部をトリミングする工程の説明図である。
【図7】両端部をトリミングした後の薄肉化円筒体の縦断面を示す説明図である。
【符号の説明】
11:円板(ブランク材)
12:有底円筒状のカップ体
21:薄肉化有底円筒体
31:パンチ
32:貫通孔
33,33a,33b,33c:しごきダイス
41:ストリッパ機構
51:引抜きダイス
52:引抜きプラグ
53:引抜き有底円筒体
61:チャック
62:スピンドル
63:外刃
63a:内刃
70:薄肉化円筒体

Claims (7)

  1. 板材を成形加工により薄肉化有底円筒体に成形後、
    前記薄肉化有底円筒体を引抜き加工して引抜き有底円筒体を形成し、
    前記引抜き有底円筒体の両端をトリミングすることを特徴とする薄肉化円筒体の製造方法。
  2. 板材を加工してカップ体を成形後、カップ体の径及び/または厚みを加工により減少させて、薄肉化有底円筒体を形成することを特徴とする請求項1に記載の薄肉化円筒体の製造方法。
  3. 前記薄肉化円筒体の長さLと外径Dとの比が、L/D>5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄肉化円筒体の製造方法。
  4. 前記板材がクラッド材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄肉化円筒体の製造方法。
  5. 前記クラッド材の最内層の硬さが最外層の硬さより硬いものであることを特徴とする請求項4に記載の薄肉化円筒体の製造方法。
  6. 前記クラッド材が3層からなり、中間層の硬さが、最内層の硬さ及び最外層の硬さより硬いものであることを特徴とする請求項4に記載の薄肉化円筒体の製造方法。
  7. 前記板材が樹脂被覆金属材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の薄肉化円筒体の製造方法。
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