JP2005205486A - 複合金属板を用いた絞りしごき成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄肉化有底シームレス缶体又は薄肉化シームレス円筒体の製造方法を提供する。
【解決手段】母材の片面又は両面に、母材より溶解度が大きい金属を被覆層として被覆した複合金属板からブランク材を打ち抜き、絞りしごき加工して有底シームレス缶体を成形し、有底シームレス缶体を溶解液に浸漬して被覆層を溶解液で溶解・除去した薄肉化有底シームレス缶体を得る。また、有底シームレス缶体の両端をトリミングして底なしの円筒体を得た後、溶解液に浸漬して被覆層を溶解液で溶解・除去して薄肉化シームレス円筒体を得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、薄肉の絞りしごき成形体の製造方法に関するものであり、より詳細には、薄肉が要求される直径に対して長さが大きい、有底の薄肉化シームレス缶体又は底なしの薄肉化シームレス円筒体の製造方法に関する。
従来、アルミニウム板やスチール板からなる被加工物を、この被加工物の外径寸法より小さい内径寸法を有する金型に通して、所定の形状寸法を有する加工物に成形する絞りしごき加工(以下、DI加工ということもある)がよく知られている。このような絞りしごき加工は、ビールや炭酸飲料等を充填する、缶体側壁を薄肉とするシームレス缶体の形成に用いられている。
また、プリンターやコピー機の感光ドラム基体、現像ロール、定着ロール、転写ロール、紙送りロール、帯電ロール等の各種ロール、ベルト、スリーブ、パイプなど、直径に対して長さが大きい長尺の薄肉化円筒体の成形にも、絞りしごき加工が用いられている。
例えば、特許文献1には、H/D(胴長/外径)比の大きい製品の加工にあたり、絞りしごき加工を利用することで、真円度などの形状寸法精度の高い加工物を得る方法が提案されている。
特開2003−220424号公報
しかし、絞りしごき加工により薄肉成形体を製造する場合において、所望の肉厚が薄くなればなるほど、成形力により材料が成形途中で破断しやすいという問題があった。
また、ステンレス鋼、チタンなどに代表される難加工材は、材料と工具間の摩耗、焼き付きの問題があり成形困難であり、その絞り比、製品形状等が限定されてしまい、実用レベルで満足できる工具寿命を達成できない場合も多いという問題もあった。
さらに、直径に対して長さが大きい長尺の薄肉化円筒体を製造するに当たっては、絞りしごき成形された円筒体を、引抜き法等によって所定の径、厚さに伸ばし、定寸に切断する方法が一般的であるが、引抜き法では薄肉管の製造が難しいという問題もあった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、複合金属板を用いて、絞りしごき成形後、被覆層を溶解・除去することで、破断などを起こさずに、所望の薄肉シームレス缶体を得る製造方法を提供することを目的とする。
さらに、極薄肉パイプ、ベルト、スリーブ等の薄肉管を得るための製造方法を提供することを目的とする。
また、加工の難しい硬い素材などの難加工材を薄肉のシームレス缶体や薄肉のシームレス円筒体に成形する場合の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の複合金属板を用いた絞りしごき成形体の製造方法は、
母材の片面又は両面に、該母材より溶解度が大きい金属を被覆層として被覆した複合金属板を絞りしごき加工して有底シームレス缶体を成形し、
該有底シームレス缶体を溶解液に浸漬して前記被覆層を溶解液で溶解・除去して薄肉化有底シームレス缶体を得ることを特徴とする。
請求項2に記載の複合金属板を用いた絞りしごき成形体の製造方法は、
母材の片面又は両面に、該母材より溶解度が大きい金属を被覆層として被覆した複合金属板を絞りしごき加工して有底シームレス缶体を成形し、
該有底シームレス缶体の両端をトリミングして底なしのシームレス円筒体を得た後、
該シームレス円筒体を溶解液に浸漬して前記被覆層を溶解液で溶解・除去して薄肉化シームレス円筒体を得ることを特徴とする。
請求項3に記載の複合金属板を用いた絞りしごき成形体の製造方法は、
前記複合金属板の母材がニッケル合金であり、
該母材表面に被覆された被覆層が銅であることを特徴とする。
請求項4に記載の複合金属板を用いた絞りしごき成形体の製造方法は、
前記複合金属板の母材がチタンであり、
該母材表面に被覆された被覆層が銅であることを特徴とする。
請求項5に記載の複合金属板を用いた絞りしごき成形体の製造方法は、
前記複合金属板の母材がステンレス鋼であり、
該母材表面に被覆された被覆層が銅であることを特徴とする。
本発明は、上記のように構成されているので、形状及び寸法において高い精度を要求される、直径に対して長さが大きい長尺の薄肉化シームレス缶体や薄肉化シームレス円筒体を製造できる。
また、本発明の製造方法を用いれば、薄肉品を製造する場合において、複合金属板を用いて所定の成形後、被覆層を溶解・除去することで、破断などを起こさずに、所望の薄肉シームレス缶体や円筒体製品を得ることが可能となる。例えば、極薄肉パイプ、ベルト、スリーブ等を得ることができる。
また、難加工材を成形する場合、容易に溶解することはもちろん、適切な成形性を有する材料を被覆層に選択した複合金属板を使用することで、工具等の摩耗、焼き付きを起こすことなく所定の形状に成形可能となり、後に溶解・除去することで容易に高絞り比、多工程絞り製品を得ることが可能となる。
さらに、本発明の製造方法を用いれば、高い真円度が要求されるプリンターやコピー機等の感光ドラム基体等を精度よく加工することができる。
以下、本発明の絞りしごき成形体の製造方法の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(複合金属板)
(母材)
本発明において用いる複合金属板は、芯となる母材とその両面に積層された被覆層とからなる。
母材としては、成形・溶解後において薄肉化シームレス缶体若しくは薄肉化シームレス円筒体として用いられるものであるので、被覆層を溶解・除去する溶解液に対して耐溶解性のあるものでなければならない。
母材として用いられる金属の種類は、被覆層を溶解・除去する溶解液との組合せで決定されるものであるが、一般的には、通常の溶解液に対して耐溶解性のある金属、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、などが挙げられる。
(被覆層)
複合金属板の被覆層としては、被覆層を溶解・除去する溶解液に対して溶解性のあるものでなければならない。被覆層として用いられる金属の種類は、被覆層を溶解・除去する溶解液との組合せで決定されるものであるが、一般的には、通常の溶解液に対して溶解性のある金属、例えば、銅、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
(複合金属板の芯材−被覆層の組み合わせ)
母材と被覆層との金属の組み合わせは、目的によって適宜な組み合わせとすることができる。例えば、難加工材のチタン板を長尺の缶体に成形しようとすれば、母材をチタン板として、被覆層を銅板とすることが好ましい。
母材と被覆層の組み合わせは、溶解液に対する溶解度の大小が、母材<被覆層であれば任意の組み合わせとすることができる。
本発明で好適に用いられる複合金属板の組合せとしては、
銅−ニッケル(ニッケル合金を含む。以下同じ)−銅、
銅−チタン(チタン合金を含む。以下同じ)−銅、
銅−ステンレス鋼−銅、
アルミニウム−ニッケル−アルミニウム、
アルミニウム−チタン−アルミニウム、
アルミニウム−ステンレス鋼−アルミニウム、
アルミニウム−ニッケル−銅、
アルミニウム−チタン−銅、
アルミニウム−ステンレス鋼−銅、
ニッケル−チタン−ニッケル
ニッケル−チタン−アルミニウム
等の3層の複合金属板が挙げられるが、4層以上であってもよい。
例えば、アルミニウム−ステンレス鋼(1)−ステンレス鋼(2)−銅(この場合、ステンレス鋼(1)と(2)は、異なった種類の母材である)等が挙げられる。
加工の難しい硬い素材で薄肉化シームレス缶体を形成しようとする場合は、硬い母材の表面に軟らかい被覆層が配設されるようにして、複合金属素材を用いることが好ましい。例えば、アルミニウム(軟)−チタン(硬)−アルミニウム(軟)というような組み合わせである。
このようにする場合は、被覆層として配設された軟らかな素材が加工時の潤滑剤としての役割を果たし、硬い素材の絞りしごき加工時の素材の割れ等を防止でき、長尺の有底の薄肉化シームレス缶体を形成することができる。
複合金属板を製造する方法には、熱間圧延法、爆着法、肉盛法、鋳込法、拡散接合法、表面活性化接合法(真空や不活性ガス雰囲気での冷間圧延法)など、公知の製造方法が適宜採用される。
金属複合板は、母材上に乾式や湿式メッキして被覆層を形成したものでもよい。例えばニッケル板の両面上に湿式銅メッキしたもの等が挙げられる。
(複合金属板の厚み)
複合金属板を、パンチとダイスを用いて絞りしごき成形体を製造する観点から、複合金属板は150μm〜500μmの範囲とすることが好ましい。複合金属板が150μm未満では、絞り加工時の元板厚として一般的に加工時にしわが発生し易かったり、また破断し易かったりするため好ましくない。
一方500μmを超えると、薄肉な製品を製造する為にしごき加工を行うにあたって、所定の厚みまで減ずる為のしごきの回数が多くなり、現実的ではないため好ましくない。
なお、複合金属板の母材と被覆層の板厚の割合としては、母材2に対し、両被覆層1とすることが絞りしごき加工後に両被覆層を溶解除去するにあたり、この処理工程での製品厚みの減少率を50%と大きく設定できるという観点から好ましいが、本発明においてこの割合を特定するものではない。
また、両被覆層の厚みは、同じ厚みに限定するものではないが、厚み方向のひずみ、または応力のバランスの点から、同じ厚みであることが好ましい。
(成形法)
本発明の絞りしごき成形体の製造方法は、板材→絞り加工の工程で有底円筒状のカップ体を形成し、次のしごき加工で有底シームレス缶体を形成する。さらにこの有底シームレス缶体を溶解液に浸漬して被覆層を溶解・除去して、母材のみを残した薄肉化有底シームレス缶体の成形体を得る。有底円筒状のカップ体を形成する工程においては、絞り加工を行いやすいように、一旦板材からブランク材を打抜いてから絞り加工を行っても良い。
なお、前記有底シームレス缶体の両端をトリミングして底なしのシームレス円筒体を得た後、シームレス円筒体を溶解液に浸漬して被覆層を溶解液で溶解・除去して、最終的に底なしの薄肉化シームレス円筒体を得ることもできる。
また、前記絞り加工→しごき加工の2工程は、ダイスホルダに再絞りダイスとしごきダイスとを共に設け、1工程で絞りしごき加工とすることもできる。
図1は、本発明の絞りしごき成形体の製造方法の一実施形態に係り、ブランク材の絞り加工工程を示す説明図である。
図1において、有底円筒状のカップ体12は、板材からプレス打抜き加工によって得られる円板(ブランク材11)(図1(a))をパンチを介して絞りダイスで絞り加工(図1(b))を行って形成される。
次に、図2の(a),(b),(c)に示すように、前記カップ体の側壁を順次薄肉化するため数段のしごき加工(Ironing)を施す。
前記しごき加工は、例えば図3に示す加工装置によって行うことができる。図3において、しごきダイス33には貫通孔32が設けられており、カップ体12の表面に冷却潤滑液が塗布され、パンチ31によって図3に示す矢印方向にプレスされることによってしごき加工が行われる。
絞り加工を終えたカップ体12は、底厚と側厚は共にt0で等しい有底円筒状に成形されるが(図1参照)、カップ体12がしごきダイス33を通過すると、側壁が薄肉化されるとともに全長が伸ばされて図2に示すように有底シームレス缶体が形成される。
このようなしごき加工を数段行うことで、図2(a)で示すように第1のしごき加工で形成された側壁の厚みt1は、第2段のしごき加工を施されることにより側壁の厚みがt2になり(b)、さらに第3段のしごき加工を施されることにより薄肉化され側壁t3を有する(c)有底シームレス缶体21が形成される。
また、図4に示すように3個のしごきダイス(33a,33b,33c)をタンデムに並べて1工程で3段のしごき加工を行なうこともできる。
しごき加工は有底シームレス缶体を成形する簡便な方法であり、図4に示すような連続しごき加工を採用することにより、より高生産性のある有底シームレス缶体21の製造が可能である。そして、このように形成された有底シームレス缶体21は、ストリッパ機構41を介してパンチ31から離脱される。
(両端部トリミング)
最終的に、底なしの薄肉化シームレス円筒体を得る場合には、図5に示すように、前記有底シームレス缶体21を、油圧などによって外方へ膨張するチャック61を介してスピンドル62に挿入固定する。そして、スピンドル62を回転させ外刃63,63及び内刃63a,63aによって図5の一点鎖線で示す位置で、有底シームレス缶体53の両端部をトリミング(切断)して、高さL、外径Dのシームレス円筒体70(図6参照)を得る。
(溶解液)
前記有底シームレス缶体21、又は両端部をトリミングされたシームレス円筒体70は、母材の片面又は両面に被覆された被覆層を溶解・除去するために溶解液中に浸漬される。被覆層を溶解する溶解液は、溶解する金属の種類によって用いる種類が異なる。
銅の溶解液としては、例えば、塩化第二鉄、塩酸、硝酸、クロム酸、リン酸などの溶液が挙げられる。
アルミニウムの溶解液としては、例えば、塩化第二鉄、塩酸、硝酸、クロム酸、リン酸、水酸化ナトリウムなどの溶液が挙げられる。
ニッケルの溶解液としては、例えば、塩化第二鉄、塩酸などの溶液が挙げられる。
また、被覆層を溶解するにあたっては、溶解液の濃度や温度など、溶解条件を定める必要がある。例えば、浸漬でなく、スプレー状に噴霧して溶解させることもでき、溶解条件は適宜定めることができる。
本発明の複合金属板を用いた絞りしごき成形体の製造方法は、ブランク材として複合金属板を用いるので、絞りしごき加工の際において、加工中の母材は、しごきダイス等の加工治具と直接接触することなく母材と加工治具との間に被覆層が介在し、加工性の良い、または耐工具焼き付き性に優れる材料を被覆層に選択することにより加工治具の摩損による表面欠陥を生ずる恐れがなく、硬い母材を加工する場合に有用である。
複合金属板として、銅−ニッケル合金(ハステロイ(商標):ニッケルが約61重量%、モリブデンが約26〜30%、その他)−銅の3層金属板(両被覆層の銅の厚み:0.1mm、母材のニッケル合金の厚み:0.2mm)を用いた。
直径115mm、厚さ0.4mmの上記3層金属板をブランク材として用いて、絞り−しごき加工により、内径φ31.1mmのカップ体を製造し、
そのカップ体を外径φ31.05のしごきポンチを用い、側壁の厚さ0.1mmまでしごき加工して有底シームレス缶体を成形した。
しごき加工後の有底シームレス缶体の外径はφ31.25mmであった。
しごき加工速度は0.5m/秒、冷却潤滑液として、エマルションタイプのエステル系潤滑油を水で3%に希釈したものを用いた。
次に、上記有底シームレス缶体を溶解液(塩化第二鉄水溶液)中に浸漬して両被覆層の銅を溶解・除去した。
溶解後の薄肉化有底シームレス缶体の外径は30.0mm、側壁厚さは0.05mm、高さが370mmであった。
複合金属板として、厚さ0.3mmのチタン板母材の両面に、厚さ0.05mmの純銅板を被覆した厚さ0.4mmの3層金属板をφ120mmに打抜いて、ブランク材として用いた。
複合金属板のマイクロビッカース硬さは純銅板がHv19、
チタン板がHv144であった。
このブランク材を、絞り加工により、内径φ31.1mmのカップ体を製造し、そのカップ体を3回のしごき加工により順次薄肉化し、厚さ0.12mmまでしごき加工して有底シームレス缶体を形成した。
しごき加工速度、使用した冷却潤滑剤は実施例1と同じである。
次に、上記有底シームレス缶体を溶解液(塩化第二鉄水溶液)で両被覆層の銅を溶解・除去した。
溶解後の薄肉化有底シームレス缶体の外径は30.0mm、側壁厚さは0.09mm、高さが370mmであった。
複合金属板として、表面活性化接合法(真空雰囲気での冷間圧延法)により、厚さ0.05mmのアルミニウム板を被覆層として、厚さ0.25mmのチタン板母材の両面に積層した厚さ0.35mmの3層金属板をφ130mmに打抜いて、ブランク材として用いた。
複合金属板のマイクロビッカース硬さはアルミニウム板がHv26、
チタン板がHv144であった。
このブランク材を、絞り加工により、内径φ31.1mmのカップ体を製造し、そのカップ体を3回のしごき加工により順次薄肉化し、厚さ0.12mmまでしごき加工して有底シームレス缶体を形成した。
しごき加工速度、使用した冷却潤滑剤は実施例1と同じである。
次に、上記有底シームレス缶体を溶解液(水酸化ナトリウム溶液)で両被覆層のアルミニウム板を溶解・除去した。
溶解後の薄肉化有底シームレス缶体の外径は30.0mm、側壁厚さは0.086mm、高さが350mmであった。
複合金属板として、厚さ0.25mmのステンレス鋼板母材の両面に、厚さ0.03mmの純銅板及び厚さ0.02mmのアルミニウム板を、それぞれ被覆層として積層した、厚さ0.30mmの3層金属板を用いた。
複合金属板のマイクロビッカース硬さは、純銅板がHv19、ステンレス鋼板がHv178、アルミニウム板がHv26であった。
アルミニウム板がカップ体外面側となるようにしてカップ体成形加工を行なった。
これ以外は実施例2と同様に行ない、長さ280mm、外径30mm、厚さ0.10mmの有底シームレス缶体を得た。
上記の有底シームレス缶体の両端面をトリミングして長さLが260mm、外径D及び肉厚がそれぞれ30.0mm、0.10mmの薄肉化シームレス円筒体を得た。
この薄肉化シームレス円筒体を、
溶解液(水酸化ナトリウム溶液)で外側被覆層のアルミニウムのみを溶解・除去して、銅−ステンレス鋼2層の薄肉化シームレス円筒体を得た。
溶解後の薄肉有底シームレス円筒の外径は30.0mm、側壁厚さは0.093mm、高さが260mmであった。
本発明の複合金属板を用いた絞りしごき成形体の製造方法は、
直径に対して長さが大きい長尺の薄肉化シームレス缶体や円筒体を、
形状及び寸法において高い精度で製造できる。
また、本発明の製造方法を用いれば、薄肉品を製造する場合において、複合金属板を用いて所定の成形後、被覆層を溶解・除去することで、破断などを起こさずに、所望の薄肉シームレス缶体や円筒体製品を得ることが可能となる。
また、難加工材を成形する場合、適切な成形性を有する材料を被覆層に選択した複合金属板を使用することで、工具等の摩耗、焼き付きを起こすことなく所定の形状に成形可能となり、後に溶解・除去することで、容易に高絞り比、多工程絞り製品を得ることが可能となる。
さらに、本発明の製造方法を用いれば、高い真円度が要求されるプリンタやコピー機等の感光ドラム基体等を精度よく加工することができる。
本発明の絞りしごき成形体の製造方法の一実施形態にかかり、ブランク材を絞り加工する工程を示す説明図である。 カップ体の側壁を薄肉化するためのしごき加工(Ironing)の説明図である。 しごき加工装置を示す概略説明図である。 1工程で3回のしごき加工を行なう場合のしごき加工装置を示す概略説明図である。 有底シームレス缶体の両端部をトリミングする工程の説明図である。 両端部をトリミングした後の底なしシームレス円筒体の縦断面を示す説明図である。
符号の説明
11:円板(ブランク材)
12:有底円筒状のカップ体
21:有底シームレス缶体
31:パンチ
32:貫通孔
33,33a,33b,33c:しごきダイス
41:ストリッパ機構
53:有底シームレス缶体
61:チャック
62:スピンドル
63:外刃
63a:内刃
70:底なしシームレス円筒体

Claims (5)

  1. 母材の片面又は両面に、該母材より溶解度が大きい金属を被覆層として被覆した複合金属板を絞りしごき加工して有底シームレス缶体を成形し、
    該有底シームレス缶体を溶解液に浸漬して前記被覆層を溶解液で溶解・除去して薄肉化有底シームレス缶体を得ることを特徴とする、複合金属板を用いた絞りしごき成形体の製造方法。
  2. 母材の片面又は両面に、該母材より溶解度が大きい金属を被覆層として被覆した複合金属板を絞りしごき加工して有底シームレス缶体を成形し、
    該有底シームレス缶体の両端をトリミングして底なしのシームレス円筒体を得た後、
    該シームレス円筒体を溶解液に浸漬して前記被覆層を溶解液で溶解・除去して薄肉化シームレス円筒体を得ることを特徴とする、複合金属板を用いた絞りしごき成形体の製造方法。
  3. 前記複合金属板の母材がニッケル合金であり、
    該母材表面に被覆された被覆層が銅である、
    請求項1又は2に記載の絞りしごき成形体の製造方法。
  4. 前記複合金属板の母材がチタンであり、
    該母材表面に被覆された被覆層が銅である、
    請求項1又は2に記載の絞りしごき成形体の製造方法。
  5. 前記複合金属板の母材がステンレス鋼であり、
    該母材表面に被覆された被覆層が銅である、
    請求項1又は2に記載の絞りしごき成形体の製造方法。
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