JP2004154550A - 無煙温灸器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】断熱性を有する容器本体1であって底部が開口しているものと、前記容器本体内に配置される蓄熱材7と、前記容器本体1の底部から所定の高さに前記蓄熱材7を支持する支持部3とを具備する。蓄熱材7は石やセラミックとすることが出来、ガスコンロ等で熱する。さらに、蓄熱材7を加熱するヒータを具備することが出来る。
【選択図】 図1
Description
【発明に属する技術分野】
この発明は人体の患部の任意位置に移動できる無煙の温灸器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、肩こりや腰痛を治療するため、容器の内部にもぐさを入れ、もぐさを燃焼させて得られる温熱効果を利用した温灸器があった。(例えば特許文献1、2、3参照)
【0003】
【特許文献1】
特開2000−342654号公報
【特許文献2】
特開2000−42086号公報
【特許文献3】
実開平7−15042号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これには次のような欠点があった。
(イ)容器内で、もぐさを燃やすので、煙が出て部屋が臭くなる。
(ロ)長期間利用すると温灸器内部に、もぐさから出てくるヤニが付着して、同器具が使用できなくなる。
(ハ)火のついたもぐさが落下し火傷を起こしたり、火事を起こす危険性があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
断熱性を有する容器本体(1)であって底部が開口しているものと、前記容器本体内面に遠赤外線などの輻射熱の反射器(2)を設けたものに、ガスコンロ、ガスバーナ、電気ヒータなどで加熱した石などの蓄熱材(7)を前記容器本体の底部から所定の高さに前記蓄熱材を支持する支持部(3)に載せる。蓄熱材は、患部より数センチ離れているので、火傷せず輻射熱が患部にあたる。容器本体の底部から所定の高さとは、このように火傷せず輻射熱が暖かく患部にあたるように蓄熱材を支持する支持部を取り付ける位置である。携帯カイロとは異なり、蓄熱材が高温になるため、もぐさを燃焼させたときに発生する輻射熱のスペクトルに近く、もぐさと同等の温熱効果が得られる。もぐさを使用しないので煙が出ず、臭くなく、温灸器に、煙のヤニが付着しない。温灸器から煙が出ず、もぐさ燃焼のための酸素供給の必要がないため、布や布団をかぶせることができ、患部を冷やさず、保温効果がよい。容器本体をボール紙などの断熱性材を用いることで、容器本体の下縁部が患部に接触しても金属のように冷たさを感じず、また、容器本体を持ったときに、熱くない。紙であると重量も軽くなり、患部に載せたときの違和感が少なくなる。本体は、耐熱性のプラスチックでもよい。本発明は、以上のような構成よりなる温灸器である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1:基本タイプ 図1、2、3で説明する。
(イ)容器本体(1)の上面に上面開口部(5)と下面に下面開口部(6)を設ける。容器の形は、四角形、六角形等の多角形、円形でもよい。容器本体の材質は、ボール紙などの断熱性があるものが望ましい。そのため、容器本体の下縁部が患部に接触しても冷たさを感じず、また、容器本体を持ったときに、熱くない。
(ロ)容器本体の内側はアルミ箔などの反射器(2)を取り付ける。
(ハ)蓄熱材を支持する支持部(3)である金網は下面が平らな棚状の金網で、図3に示すように、断面がS字状の凹凸があり、蓄熱材(7)が容器本体の内壁に近づきすぎないようにしてある。
(ニ)支持部(3)に、図2に示すようにはりがね等で蓄熱材が移動しないように突出片(8)を設ける。
(ホ)容器本体の内部に支持部(3)を止め部(4)で固定する。支持部(3)の下面と人体(12)患部との距離を火傷しない程度の距離に固定する。ここでは5cm程度にして、鍼を打った上からでも使用できるようにした。
(ヘ)容器本体の上面には蓄熱材を挿入するための開閉自在な蓋を設ける。容器本体から蓋がはずれないように、紐やマジックテープ等でロック機構をつけることが望ましい。
(ト)蓋の内側は高温になるため、内側に反射器(2)を設ける。
(チ)蓋の外面上部中央に蓋を開閉しやすいように取っ手(10)を設ける。
(リ)蓄熱材はガスコンロ等で焼くため底面が平たいものが好ましい。
本発明は以上のような構造よりなっている。本発明を使用するときは、まず、1、2個の石やセラミックからなる蓄熱材の平たい底面を2〜5分、ガスコンロ等で熱する。蓄熱材は裏表が分かるように印をつけるとことが望ましい。次に容器本体の蓋を開け、熱した蓄熱材を熱した面を下にして、金網などの支持部(3)の上にのせる。このとき、突出片があるので、蓄熱材は容器本体を多少傾けても移動しない。容器本体に蓋をして、図4のように患部にのせる。これにより、下面を開放した容器本体から、蓄熱材の熱が放射され、患部に10分程度、40〜60度の温熱効果が得られる。熱い場合は、服の上から使っても良い。または、容器本体の下面開口部(6)から支持部(3)の間に、布などの輻射熱緩和材を備え付けても良いし、ビワの葉、薬効のあるものを置いたりしてもよい。石などの蓄熱材に取ってをつけ熱したものを直接容器本体に設置してもよい。すなわち、反射器を内側に設けた容器本体の上下面を開放し、かつ、容器本体の内部に蓄熱材を支持する支持部を設け、容器本体には開閉可能な蓋を設け、熱した蓄熱材を蓄熱材を支持する支持部で支持または固定することを特徴とする無煙温灸器を提供する。
実施例2:紙管タイプ 蓋(9)の裏に金網等の接触防止部材兼蓄熱材押さえ部材(12)を付けることで、蓄熱材が蓋へ接触するのを防止し、加えて、蓄熱材が固定され、安全性がさらに高まる。また、蓄熱材を支える金網は二重にして安全性を向上させた(図5)。蓄熱材を支持する支持部(3)である金網の上に、側壁接触防止部材(13)である金ザルが載っている構造である。金ザルの底面は、多少ウェイブしている方が、下の金網に熱負荷が加わらず、耐久性が向上する。蓋のロック機構(17)として、新たに蓋に紐をつけ、容器本体の紐と結ぶことで、容器本体を逆さまにしても、使用中、蓋が開かないように安全性を高めた。紐の結合は、マジックテープ等何でも良い。実施例2は、容器本体を紙管で作成した。断熱性があり耐熱性の軽量の材質であるならば何でもよい。内側の紙管は、内面にアルミ箔が貼って耐熱性と輻射熱の反射係数を高め、上部をカールさせてある。これが反射板付き断熱性材(14)である。内径11.5cm、厚さは2mm、高さ5cmである。高さ5cmである下段の紙管はで金網を支え、上段の紙管のカールは、金網ザルが外れることを防いでいる。外径12.3cm、厚さ2mm、高さ10cmの外側の紙管で全体を固定し、接着は接着剤で行った。石等の蓄熱材(7)が、蓋(9)の裏に付いている金網(12)に挟まれることで、温灸器を斜めや横、逆さまにしても、蓄熱材がずれなく安定する。また蓋のロック機構のため、転倒しても、蓄熱材が飛び出さない。使用状態は、実施例1とほぼ同じであるが、横向きや、逆さにしても使用できる。紙管で作成するために大量生産に向く。
実施例3:ヒータ内蔵蓄熱材タイプ ヒータを具えた蓄熱材を容器本体内部に設置し、充熱器の上で電気、ミニバーナー等で一定時間加熱し充熱し終ったら、充熱器から外し、コードレスで温熱器を使用する。図6が概略の断面図である。容器本体(1)は下面に下面開口部(6)を設ける。容器本体の形は、四角形、六角形等の多角形、円形でもよい。容器本体(1)の内側はアルミ箔、金属板などの反射器(2)を取り付ける。上部は反射効率がよいように、パラボラ型でもよい。蓄熱材(7)が本体下面と人体の患部との距離を5cm程度の位置に支持材(3)等で固定する。患部との距離は、蓄熱材や加熱時間の設定により、変わり、患部が暖かくなり、効果がでる距離を決める。距離を調節できる機構を設けても良い。支持材は網状、棒状、または板状のものでも良い。ヒータ(18)は蓄熱材(7)の近傍に置く。ヒータを蓄熱材で挟むような形であると熱効率がよい。蓄熱材が、熱膨張で破損した場合に対処するために、金網等で保護膜を形成しても良い。小石程度または大き目の砂粒のものを耐熱性の網または袋の中に詰めて、その中にヒータを内蔵させても良い。この小石を詰める袋状の網のメッシュは、小石が飛び出さない程度のものでよい。安全網(19)は、手などで蓄熱材に触れないように設置する。安全網の代わりに安全柵でもよい。また、万が一、蓄熱材が支持材から外れた場合、安全のために必要である。材質は鉄、ステンレス、銅製の金網などの耐熱性のものがよい。充熱器(22)にタイマー(23)を内蔵させ、加熱時間を調節する。本体を充熱器にセットした場合、電気的に本体とつなげるため、ソケット(21)を設ける。容器本体を充熱器にセットとして、スイッチを入れ、タイマー(23)をセットし充熱する。充熱し終わったら、音や光で知らせても良い。温度センサーを付けて加熱しすぎないようにしてもよい。容器本体を充熱器から外し、本体を患部に置き、使用する。使用状態は、実施例1とほぼ同じであるが、横向きや、逆さにしても使用できる。暖かさ持続のため、充電器を具えヒータで加温しながら使用してもよい。
実施例4:眼用温灸器:従来から、棒灸で行う眼用温灸器の方法があるが、灰が落ちるので、寝たままの状態では、不可能であった。また、寝たままの状態で眼に出来る温灸では、割った胡桃の殻を眼の上に載せて、その上にもぐさを載せて火をつけ、温める方法があるが、胡桃が曲面であるので、火の付いたもぐさが落ちやすく、危険であった。眼は熱に敏感なので、加熱温度は低めにしておく。実施例3の様に、電気などで加熱したコードレスタイプでもよい。図7は、本体の斜視図である。上部に反射板付きの蓋をする。ロック機構を設ける。下部開口部(6)は顔面の形状にあわせカットしてある。蓄熱材(7)は小さ目の石を2つ用いた。2つの石が眼の上に来るように、突出片(8)を設けた。
実施例5:足用温灸器 図8、9は足用の温灸器である。図8は蓋を取り除いた状態で、蓄熱材を支持する支持部(3)である金ザルに加熱した蓄熱材(7)を入れ、蓋を閉めて使用する。高温である蓄熱材を支持する支持部である金ザルに足が接触しないように、安全網(19)を設けた。安全網の形状も、あお向け又はうつ伏せ状態の足の形に対応できるようにしてある。温浴などと違い、水に濡らさず、遠赤外線の効果で足を温められる。
【0007】
【発明の効果】
もぐさを使用しないので煙が出ず、臭くなく、温灸器に、煙のヤニが付着しないので、衛生的でかつ、長期に渡り使用できる。温灸器から煙が出ず、もぐさ燃焼のための酸素供給の必要がないため、布や布団をかぶせることができ、患部を冷やさず、保温効果がよい。また、もぐさを使わないので、もぐさの燃えかすが網から漏れて、やけどをする心配がなく安全である。石等の蓄熱材を熱することにより、遠赤外線が出るため、もぐさと同等の温熱効果が得られ、腰痛、腹痛、下痢、冷え性、眼精疲労、各種関節痛などに効果がある。容器本体をボール紙などの断熱性材を用いることで、容器本体の下縁部が患部に接触しても冷たさを感じず、また、容器本体を持ったときに、熱くない。紙であると重量も軽くなり、患部に載せたときの違和感が少ない。また、容器の形状を変えることで、腰部、腹部、頭部、顔面部、足部及び各関節部等あらゆる部位に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の斜視図である。
【図2】実施例1の断面図である。
【図3】実施例1の要部を示す断面図である。
【図4】実施例1の使用状態を示す斜視図である。
【図5】実施例2の断面図である。
【図6】実施例3の断面図である。
【図7】実施例4の斜視図である。
【図8】実施例5の斜視図である。
【図9】実施例5の断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体 2 反射器 3 蓄熱材を支持する支持部 4 止め部
5 上部開口部 6 下部開口部 7 蓄熱材 8 突出片 9 蓋
10 取っ手 11人体 12 蓄熱材押さえ部材
13 側壁接触防止部材 14 反射板付き断熱性材 15 外枠断熱性材
16 断熱性材のカール部 17 ロック機構 18 ヒータ
19 安全網 20 電気コード 21 ソケット
22 充熱器 23 タイマー 24 電源コード
Claims (7)
- 断熱性を有する容器本体であって底部が開口しているものと、前記容器本体内に配置される蓄熱材と、前記容器本体の底部から所定の高さに前記蓄熱材を支持する支持部とを具備することを特徴とする無煙温灸器。
- 前記容器本体内面に設けられた反射器をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の無煙温灸器。
- 前記容器本体に蓄熱材を挿入できる開閉可能な蓋をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載した無煙温灸器。
- 前記蓋の裏側に蓄熱材の蓋への接触防止機構を施したことを特徴とする請求項3に記載した無煙温灸器。
- 請求項1、請求項2、請求項3または請求項4で使用する蓄熱材として石を用いた無煙温灸器。
- 前記蓄熱材を加熱するヒータをさらに具備することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の無煙温灸器。
- 前記ヒータは電気ヒータであって、前記電気ヒータの電力は前記容器本体に取り外し可能な電源から供給されることを特徴とする請求項6記載の無煙温灸器。
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