JP2004154270A - 流体浄化装置及び方法 - Google Patents

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Hideo Kishibe
秀夫 岸邉
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Abstract

【課題】光触媒を利用する空気等の流体浄化装置及び方法で、空気等の流体中の被分解物を効率よく光触媒と接触させ、浄化効率を向上させる。
【解決手段】光触媒を担持した支持部材をフィン群で構成するとともに前記光源とフィン郡とを交互に配置し、且つフィンを光源に対して傾斜角を持たせて配設したたせ、各フィンへの光量を増やすと共にフィン群の出口や入口付近で乱流や滞留を生じさせる。
【効果】光触媒を担持したフィン群内に生じる乱流や滞留によって、光触媒と接した浄化済みの流体を光触媒から順次剥ぎ取ることが出来、効率のよい浄化作用をさせることが出来、これを実施するための装置も小型化できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気や水等の流体中の悪臭や窒素酸化物等を減少させるための流体浄化装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のものでは、例えば特許文献1に示すように、酸化チタン等の光触媒を紫外線等の光に晒して活性酸素を出させ、空気の浄化をするものがある。そうして光触媒を支持した多葉枚のフィングで構成し、このフィン郡を流体流の上下位置に所定間隔を持たせて配設したものが提案されている。
【特許文献1】特開2002−28227号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この空気等の流体の浄化作用において、より一層効率よく光触媒による浄化作用を促進させることの出来る流体浄化装置及び方法を提供するものである。このことによって、効率がよくなり、装置を小型にし且つ安価に提供することができるものである。
【0003】
光触媒、例えば酸化チタンに紫外線を当てると、流体、例えば空気中の水分の一部が分解され、活性酸素のような状態となる。この活性化した状態は、半減期が1マイクロ秒程度とされ、この間の分子の自由行程は、空中で1mm程度とされる。更に、空中水分の一部が過酸化水素状になるとされているが、これらの作用は、光触媒を担持した平面から数mmの範囲に限定される。従って、効率よく空気中の成分を作用させるためには、光触媒の担持平面の近くにある空気を如何に早く入れ換えるかということになる。そのために、上記の先行技術では、フィン郡間に所定間隔を持たせている。しかしながら、各フィン郡のフィンに当てらえる光は、光源軸と直角になっていて、光触媒を励起させるのに充分な量が確保できないことが言える。光源の光量をおおきくするために大電力を要することに成りまた装置が大きくなってしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】
第一の発明にかかる流体浄化装置は、流体の流入口及び流出口のある容器内に、光触媒を担持した支持部材を設置すると共にこの光触媒を励起するための光源を設置し、前記流入口から流出口へ向けて流体を流通させ、前記光触媒に流体を接触させてなる流体浄化装置において、前記支持部材を多葉枚のフィン郡とすると共に前記光源とフィン郡とを交互に配置し、且つフィンを光源に対して傾斜角を持たせて配設したものである。
第二の発明にかかる流体浄化装置は、第一の発明において、前記フィン郡は、次段との間で不並行に配置したものである。
第三の発明にかかる流体浄化装置は、第一乃至第二の発明において、前記各フィン郡を、波状になるよう配設してなるものである。
【0005】
【作用】
請求項1乃至3の発明に係る流体浄化装置及び方法では、容器内に設置された光触媒を担持した支持部材であるフィン群内で、容器内に流入する空気等の流体の流に乱流を積極的に起こさせル杜共に各フィンにあたる光の量が大きく、従って、流体の前記支持部材と接する部分では、光触媒と光によって空気中の被浄化物が化学反応を受け分解等の浄化作用を受ける。このとき、大切なことは、光触媒と被浄化空気の接する時間が理論的に1マイクロ秒程度である必要があり、長すぎても短すぎても有効な浄化作用をしない。そのため、本発明では、光触媒に接して浄化作用を受けた浄化済みの空気等の流体は、光触媒の支持部材の表面から剥ぎ取り、あるいはめくりとる作用をする必要があるので、流入する空気等の流体の乱流を利用し、支持部材にあたって浄化作用を受けるときに支持部材と接している空気等からなる流体のうち浄化済みの流体層を押しのける。この作用を次々と流入してくる流体が入れ替わって作用する。そのため、支持部材に接する流体は、乱流により動かされ、光触媒と空気の接する時間を化学反応に適した時間として、被浄化流体を平均的に浄化することが出来る。
【0006】
更に、本発明では、前記フィン群間の間隔内に前記光源を配設し、フィンに傾斜角を持たせたものである。そのため、支持部材は、光源からの光を充分に受けることが出来、光の量が不足することがない。さらに支持部材であるフィン群は、前記光源を挟んで配設されているため、フィン群から出た流体は、光源より下流部にあるフィン群に再びぶつかり、フィン入り口付近で乱流を起こしながらフィン群内へ進む。この時上記せる流体の光触媒との接触が促進され、浄化作用を有効にする。
【0007】
また、本発明では、前記フィン群は、光源をを挟んで波状に複数配設してある。そのため、支持部材を担持した光触媒全体に光が照射され効率よく触媒反応が促進させられる。
【0008】
【実施例】
以下、この発明の実施例に基づき図について説明する。図1において、1は、容器にして実施例では、角型を呈しており、上側に空気流入口2を、下側に空気流出口3をそれぞれ備えている。この容器1には、水平方向すなわち流体の流れと直角方向に、例えば紫外線灯のような光源4が容器1の固定枠5に等間隔に複数段支持されている。相隣なる上下段で互いに千鳥状に配設されている。6は、光触媒(例えば、酸化チタンなど)を塗布してある支持部材で、多葉枚のフィン群7,7で構成されている。8は、この各フィン7、7を保持する固定具を示し、
各フィンが等間隔で、流体流と平行になるよう配置される。而して、これらフィン群の上下段間には、所定の間隙が設けられ、且つ互いに位置ずれするように配設されている。
【0009】
図2及び図3は、図1における容器1の構成を具体的に示すもので、前記容器1は、四隅に立設した柱9、9とこれら各柱間を連結する固定枠体10、10と、各柱に蝶着した扉体11、11とから構成されている。図1では、扉体は省略されている。
【0010】
この固定枠体10,10には、光源である直管型の紫外線灯4、4を支持するための透孔12、12が穿ってあり、保護用の筒状網あるいは透光性の防爆筒13、13とともに紫外線灯 4、4は、固定枠体10、10に取り付けられている。
【0011】
各紫外線灯4,4と平行し、かつ紫外線灯の取り付け軸と直角な方向に、枠体14,14が抽出し自在に設けられ、この枠体14、14には、前記フィン群7、7が、固定具8、8によって支持されている。
【0012】
而して、このフィン群を有する枠体14、14の抽出し方向にも、扉体11が設けられている。
【0013】
このフィン群を支持した枠体14の内、最上部すなわち流入口側の枠体14‘と
最下部すなわち流出口側の枠体14“には、それぞれフィン群は、一段のみで構成されている。
【0014】
図4は、流体の流れの状態を説明するためのものである。すなわち、空気等の流体が、図の左側より図の右側に向って流れているとすると、フィン群によって層流となった流体は、フィンから出て光源の位置する部分で開放状態となる。一部は、光源である紫外線灯の管球あるいは防爆手段の管体にぶつかり、再び次段のフィン群へ流れる。この開放される直前でフィン内では、乱流が発生し、各フィンに接していた流体は、フィンの表面から剥ぎ取られ、フィン表面の光触媒に接して浄化作用を受けた浄化済み流体と未浄化流体が入替わる作用をする。
【0015】
この光源の管球が存在する間隔15での流体の流れは、乱流を起こし、気体密度は高くなる。そうして次段のフィン群の入り口付近では、一部滞留を起こし徐々に層流となり、出口付近にさしかかる。
【0016】
フィン群間には間隔16が設けられ、且つ前段と後段のフィンの並びが不一致すなわち位置ずれを起こして配設されているため、前段のフィン群から出た流体は、後段のフィン群によって分岐作用を起こさせられる。したがって、このフィン群の出口と入口付近で、乱流や滞留が生じ、このことによって光触媒と接触する流体をかき混ぜる作用を生じさせる。
而して、本発明の重要な点は、各フィンが光源に対して、所定各度傾けて配置されていることである。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、光触媒を担持した支持部材を多葉枚のフィン郡とすると共に前記光源とフィン郡とを交互に配置し、且つフィンを光源に対して傾斜角を持たせて配設したものであるから、フィン群の各フィンに十分な光量を与えることができる上に前段のフィン郡の出口付近にあるいは次段のフィン群の入口付近で乱流や滞留が発生し、各フィンに担持した光触媒によって酸化分解作用を終えて浄化した流体の層を、光触媒から剥離する作用を連続して起こさせるため、被浄化流体を多く光触媒に触れさせて、流入する流体中の悪臭や窒素酸化物等の被浄化物質を効率よく分解作用させるもので、装置の小型化が出来る

【0018】
また、光触媒を担持した支持部材には、動力源を有しないため、規模を大きくする場合、例えば多段化する場合に、光源と支持部材を増やすことで、簡単に増設することが出来、規模を大きくしても安価に提供することが出来る。
【0019】
本発明による装置及び方法では、流体の流れの中で、層流域と乱流域を交互に生じさせ、乱流域に光源を配置し、光源付近及び層流域に光触媒を配設したことで、乱流域の部分で流体の滞留する時間が長くなり、光触媒作用が効率良く行われ、浄化作用の効率が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体浄化装置及び方法の一実施例を説明する斜面図である。
【図2】本発明の流体浄化装置及び方法の、上面図である。
【図3】本発明の流体浄化装置及び方法の側面図である。
【図4】本発明の流体浄化装置及び方法の浄化作用を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・・・・容器
2・・・・・・・・・・・・・・・空気流入口
3・・・・・・・・・・・・・・・空気流出口
4・・・・・・・・・・・・・・・光源
5・・・・・・・・・・・・・・・固定枠
6・・・・・・・・・・・・・・・支持部材
7・・・・・・・・・・・・・・・フィン
8・・・・・・・・・・・・・・・固定具
9・・・・・・・・・・・・・・・柱
10・・・・・・・・・・・・・・固定枠体
11・・・・・・・・・・・・・・扉体
12・・・・・・・・・・・・・・透孔
13・・・・・・・・・・・・・・防護筒
14・・・・・・・・・・・・・・枠体
15・・・・・・・・・・・・・・間隔
16・・・・・・・・・・・・・・間隔

Claims (3)

  1. 流体の流入口及び流出口のある容器内に、光触媒を担持した支持部材を設置すると共にこの光触媒を励起するための光源を設置し、前記流入口から流出口へ向けて流体を流通させ、前記光触媒に流体を接触させてなる流体浄化装置において、前記支持部材を多葉枚のフィン郡とすると共に前記光源とフィン郡とを交互に配置し、且つフィンを光源に対して傾斜角を持たせて配設したことを特徴とする流体浄化装置。
  2. 前記フィン郡は、次段との間で不並行に配置してなることを特徴とする請求項1の流体浄化装置。
  3. 前記各フィン郡は、波状に配設してなることを特徴とする請求項1乃至2の流体浄化装置。
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