JP2004153663A - ソフトウェア無線機、信号処理ユニット、無線ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ソフトウェア情報に基づいて処理を実行するソフトウェア無線機1であって、無線ユニット12(12a,12b,12c)と信号処理本体ユニット10とにより構成される。例えば、無線ユニット12bには、無線通信用のアンテナ20bと、アンテナ20bを介した無線通信のための信号を処理する信号処理回路24bと、信号処理回路24bにより処理された信号をもとにGPS機能(通信機能)を実行するGPS処理部26とを有している。信号処理本体ユニット10は、GPS処理部26により実行されたGPS機能の処理結果(現在位置の測位)を用いた処理を実行する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトウェア情報に基づいて処理を実行することで通信機能を実現するソフトウェア無線機、及び同無線機で使用される信号処理ユニット、無線ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などの移動体に搭載される車載用無線機としては、GPS(Global Positioning System)衛星を利用したナビゲーションシステム、ETC(Electronic Toll Collection)用の端末装置、AM/FMラジオ受信器、テレビジョン放送受信装置など各種のものがある。これらの車載用無線機は、複数を同時に搭載することができるが、それぞれ独立した機器として使用されている。
【0003】
一般に、車載用無線機では、電波の送受信環境が良好となるように、アンテナが車外あるいは車内の窓際などに設置されている。また、無線機本体は、通常、ダッシュボードに設けられた収納部や搭乗者によって操作がし易い場所に設置される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の車載用無線機では、アンテナが車外あるいは車内の窓際など無線機本体と離れた場所に設置されるため、ケーブルを介して無線機本体とアンテナとを接続する必要がある。従って、無線機本体とアンテナとがケーブルで接続された構成では、アンテナによって受信された信号をアナログ信号としてケーブルを介して無線機本体に伝送すると、ケーブルでの損失により信号が劣化してしまうおそれがあった。
【0005】
また、複数の無線機が搭載されていても、それぞれが独立して使用されており、より有効な活用が期待されていた。
また、複数の無線機を搭載するには多くの設置場所が必要となってしまい、車内のような限られた空間では問題がある。また、無線機本体に複数の機能を搭載することで個別に複数の無線機を設置する場合よりも設置場所を小さくすることができるが、無線機本体部自体が大きくなってしまう。
【0006】
本発明は前記のような事情を考慮してなされたもので、無線機本体を大型化することなく通信機能を実行可能とし、かつ通信機能を有効に利用可能なソフトウェア無線機、信号処理ユニット、無線ユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ソフトウェア情報に基づいて処理を実行するソフトウェア無線機であって、無線ユニットと信号処理本体ユニットとにより構成され、前記無線ユニットは、無線通信用のアンテナと、前記アンテナを介した無線通信のための信号を処理する信号処理回路と、前記信号処理回路により処理された信号をもとに通信機能を実行する通信機能手段とを有し、前記信号処理本体ユニットは、前記通信機能手段により実行された通信機能の処理結果を用いた処理を実行する処理手段を有したことを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、無線ユニットが信号処理本体ユニットと別に設けられているために、アンテナによる信号の送受信が良好な任意の場所に設置することができ、また無線ユニットに信号処理回路により処理された信号をもとに通信機能を実行する通信機能手段が設けられているため、信号の劣化が最小かつ一定にされ、また無線ユニットに通信機能手段を設けることで信号処理本体ユニット側の小型化が図られる。
【0009】
また、前記通信機能手段は、GPS衛星から受信した信号をもとに位置を測位する位置測位手段を有することを特徴とする。
【0010】
これにより、膨大な信号処理が要求される位置測位手段(GPS機能)を無線ユニットに設けることで、信号処理本体ユニットにおけるGPS衛星から受信した信号に対する信号処理部を不要にする。
【0011】
また、前記信号処理本体ユニットは、前記位置測位手段によって測位された位置をもとに、前記通信機能手段による通信機能を利用して前記ソフトウェア情報をダウンロードするダウンロード実行制御機能手段を有することを特徴とする。
【0012】
これにより、位置測位手段によって測位された位置をもとに、通信機能手段による通信機能を利用してソフトウェア情報をダウンロードすることができる。
【0013】
また、前記信号処理本体ユニットは、複数の無線ユニットを接続する接続手段を有し、前記接続手段によって接続される前記無線ユニットにはそれぞれ異なる通信機能を実行する通信機能手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
これにより、接続手段により複数の無線ユニットが接続され、それぞれの無線ユニットに設けられた通信機能手段による通信機能を実行させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるソフトウェア無線機が適用される通信システムの概略構成図である。ソフトウェア無線機は、例えば車載用として構成されるものであり、ソフトウェア情報(ソフトウェア、データを含む)に基づいて処理を実行することで通信機能、あるいは通信機能による処理結果を利用した処理を実現することができる。また、ソフトウェア無線機は、複数の通信機能を実現することができ、例えば、図1に示すラジオ/テレビ放送局2からの電波を受信してAM放送、FM放送、テレビジョン放送を出力するラジオ(AM/FM)機能及びテレビ機能、GPS衛星3からの信号を受信して現在地を測位して地図上に表すなどのナビゲーション機能、基地局4から送信されるダウンロードデータ、例えばソフトウェア無線機で通信機能を実現するためのソフトウェア情報などをダウンロードするダウンロード機能、有料道路に設けられたゲートに設置されたETC(Electronic Toll Collection)用送受信器5との間で通信を行ない自動的に料金の支払いを行う機能、携帯電話の通信網を介した音声あるいはデータ通信を行なう携帯電話機能などが実現される。
【0016】
基地局4は、サービスエリアに分散配置されてセルと呼ばれる無線エリアを形成し、その無線エリア内に存在する自動車に搭載されたソフトウェア無線機1と無線チャネルを介して接続される。基地局4は、例えば図示せぬ有線回線を介して通信交換局に接続され、さらにゲートウェイを介してインターネット上に設けられたサーバとの間の接続と通信制御を行う。サーバは、ソフトウェア無線機1に対し、ソフトウェア情報をダウンロードするための機能を有する。基地局4は、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communication)方式によりデータをダウンロードするための信号を送出する。また、ダウンロードデータのフォーマットは、例えば、ETCの標準規格ARIB STD−T55 1.0版におけるMDS(Messagedata slot)フォーマットに従って構成されるものとする。例えば、1パケットは800ビットで構成され、それぞれのパケットには72ビットのヘッダデータが付加されている。また、パケットの終わりには、16ビットのCRC(誤り訂正)データ及び72ビットのダミーデータが付加される。
【0017】
ヘッダデータには、プリアンブル(16ビット)及びユニークワード(16ビット)と呼ばれる固定パターンの開始コードから始まり、モジュール識別(2ビット)、モジュール番号(4ビット)、パケット総数(17ビット)、パケット番号(17ビット)を含むデータが存在する。このモジュール識別は、分割してダウンロードする部分ダウンロードデータか一括してダウンロードするフルダウンロードデータかを識別するためのものである。モジュール番号は、部分ダウンロードデータ、フルダウンロードデータの機能に応じた番号である。パケット総数は、ダウンロードパケットの総数を示す。
【0018】
また、アップリンク・データリクエストフォーマットとして、送信期間(ALL“1”)の長さに応じて希望のモジュールを要求するものとする。なお、1msec期間はモジュール番号0に対応し、1msecステップで32種類のモジュールに対応する。
【0019】
図2は、本実施形態におけるソフトウェア無線機の自動車への搭載例を示す図である。図2に示すように、ソフトウェア無線機1は、通信機能を実行する信号処理本体ユニット10(信号処理ユニット)に電波の送受信、あるいは送信、受信の何れか一方をするための少なくとも1つの無線ユニット12が接続されて構成される。図2に示す例では、3つの無線ユニット12a,12b,12cが接続された例を示している。
【0020】
信号処理本体ユニット10は、例えば自動車内のコンソールに設けられた所定の場所に設置される。無線ユニット12a,12b,12cは、信号処理本体ユニット10とケーブルを介して接続され、電波の送受信の状態が良好となる場所、例えば車内のダッシュボード上の窓際、車体上部、車内の後部座席後ろの窓際にそれぞれ設置されている。
【0021】
図3は本実施形態に係わるソフトウェア無線機の構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態におけるソフトウェア無線機1は、信号処理本体ユニット10の無線ユニット接続部31a,31b,31cに、ケーブルを介して無線ユニット12が接続されることで構成されている。図3に示す例では、3つの無線ユニット12a,12b,12cが信号処理本体ユニット10に接続された状態を示している。例えば、無線ユニット12aは、基地局4からDSRC方式による無線通信により、ソフトウェア情報などのダウンロードデータをダウンロードするダウンロード機能に用いられるものとする。また、無線ユニット12bは、ナビゲーション機能などに用いられ、無線ユニット12cは、携帯電話機能に用いられる。
【0022】
無線ユニット12aは、アンテナ20aとアンテナ無線部22aにより構成されている。例えば、基地局4から送信された無線周波信号は、アンテナ20aで受信されたのち送受信回路23a(信号処理回路)に入力される。送受信回路23aでは、無線周波数信号がアンテナ共用器(DUP)を介して周波数変換回路24aに入力され、周波数シンセサイザから出力された受信局部発振信号とミキシングされて中間周波信号あるいはベースバンド信号に周波数変換される。なお、周波数シンセサイザから発生される受信局部発振信号の周波数は、信号処理本体ユニット10(制御部32)からの制御信号によって指示される。
【0023】
周波数変換回路24aにより変換された中間周波信号またはベースバンド信号は、A/D・D/A変換回路25(変換回路)に出力される。A/D・D/A変換回路25は、中間周波信号またはベースバンド信号のアナログ信号をデジタル化して、ケーブルを介して信号処理本体ユニット10(信号処理部30)に送出する。
【0024】
一方、無線ユニット12aを信号処理本体ユニット10に設けられた通信機能による信号に用いられる場合、A/D・D/A変換回路25は、信号処理本体ユニット10(信号処理部30)からデジタル化された信号を受信し、アナログ中間周波信号またはベースバンド信号に変換して送受信回路23aに出力する。送受信回路23aでは、周波数変換回路24aにより入力された送信信号を周波数シンセサイザから発生される送信局部発振信号と合成して無線周波信号に変換し、送信データレートに基づいて無線周波信号の有効部分だけを高周波増幅して送信無線周波信号として出力する。この送信無線周波信号は、アンテナ共用器を介してアンテナ20に供給され、このアンテナ20から基地局4へ向けて送信される。
【0025】
無線ユニット12bは、アンテナ20bとGPSアンテナ無線部22bにより構成されている。GPS衛星3から送信されたGPS信号は、アンテナ20bで受信されたのち受信回路23bに入力される。受信回路23bでは、GPS信号に対する信号処理を信号処理部24bにおいて実行し、その処理結果をGPS処理部26に出力する。GPS処理部26は、信号処理部24bにより処理された信号をもとにGPS機能(通信機能)を実行して現在位置を測位する(なお、現在の時刻も取得する)。受信回路23bとGPS処理部26は、例えば集積度の高いASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成するものとする。すなわち、受信回路23bとGPS処理部26とを小型化して実装することができるので、アンテナ20bと一体化したとしても無線ユニット12b全体を小型化することができ、車内での設置場所を任意に選択できるようになる。また、無線ユニット12bでは、アンテナ20bを介して受信されるアナログ信号については、自ユニット内に設けられた受信回路23bによって処理することで、アンテナ20bと信号処理部24bとの距離を最小かつ一定となるのでGPS信号の劣化が最小かつ一定となり、GPS機能を安定動作させることができる。
【0026】
無線ユニット12cは、アンテナ20cと携帯電話アンテナ無線部22cにより構成されている。携帯電話の通信網の基地局との間で送受信される信号は、アンテナ20cで送受信される。送受信回路23cは、アンテナ20cを介して受信される信号及び携帯電話処理部27から入力した送信すべき信号に対する信号処理を信号処理部24cにおいて実行する。携帯電話処理部27は、送受信回路23cにより処理された信号をもとにデータ通信を含む携帯電話機能(通信機能)を実行する。なお、送受信回路23cと携帯電話処理部27は、無線ユニット12bと同様にしてASICとして構成されて実装するものとする。また、無線ユニット12cでは、無線ユニット12bと同様にして、アンテナ20cを介して送受信されるアナログ信号については、自ユニット内に設けられた送受信回路23cによって処理することで、アンテナ20cと信号処理部24cとの距離を最小かつ一定とすることができる。
【0027】
信号処理本体ユニット10は、信号処理部30、無線ユニット接続部31a,31b,31c、制御部32、不揮発性メモリ34、表示部36、入力部37、インタフェース(I/F)38、メモリ39が設けられている。
【0028】
信号処理部30は、無線ユニット接続部31a及びケーブルを介して、無線ユニット12aのA/D・D/A変換回路25との間でデジタル化された信号を送受信し、このデジタル化された信号に対して、制御部32によりセットされるソフトウェア情報に基づく通信機能に応じた処理を実行する。信号処理部30は、無線ユニット12aにおいて変換された受信中間周波信号またはベースバンド信号を表すデジタル化された信号をもとに受信デジタルデータを再生する。この受信デジタルデータは、制御部32に供給される。また、信号処理部30は、制御部32によりセットされるソフトウェア情報に基づく通信機能を実行し、通信機能に応じて受信デジタルデータに対する処理を実行する。
【0029】
また、信号処理本体ユニット10には、通信機能が設けられた無線ユニット12b,12cを接続するための無線ユニット接続部31b,31cが設けられている。従って、無線ユニット接続部31aを介して接続される無線ユニット12aの他に、複数の無線ユニット12b,12cを接続することができる。なお、無線ユニット接続部31aは、複数の無線ユニット12aを接続できる構成とすることができる。
【0030】
制御部32は、信号処理部30を通じて取得される受信デジタルデータ、及び無線ユニット接続部31b,31cを通じて取得される無線ユニット12b,12cの通信機能によって処理されたデータを不揮発性メモリ34に格納すると共に、この受信データに対する通信機能による処理に応じた画面を表示部36に表示させる。また必要に応じて、受信データをインタフェース(I/F)38を通じて、携帯情報端末やノート型パーソナルコンピュータ等のパーソナルコンピュータPCへ出力する。受信データには、通信機能を実行するためのダウンロードされたソフトウェア情報が含まれるものとする。
【0031】
入力部37は、装置に対する各種の指示を入力するためのもので、ダイヤルキーや発信キー、電源キー、終了キー、音量調節キー、モード指定キー等のキー群が設けられている。
【0032】
制御部32は、不揮発性メモリ34に格納されたプログラムに基づいて基本的な制御機能を実行するもので、その基本的な制御機能として、発着信に応じて無線接続制御を実行して、データ通信を可能にする通信制御機能や、インターネットに対しアクセスしてWebページ等の情報を表示するブラウザ機能、システム選択制御機能、位置登録制御機能等を有している。また、制御部32は、不揮発性メモリ34に格納された各種ソフトウェア情報を読み出し、ソフトウェア情報に基づく通信機能を信号処理部30にセットして、ソフトウェア情報に従った通信機能を実行させる。この通信機能としては、例えばテレビ機能、ラジオ(AM/FM)機能、ナビゲーション機能、ETC機能等がある。
【0033】
また、これらの基本制御機能に加え、ダウンロード実行制御機能32aと、ソフトウェア管理制御機能32bとを備えている。
【0034】
ダウンロード実行制御機能32aは、入力部37により入力された要求情報に応じて、無線ユニット12aを通じた通信機能を利用して通信交換局に対しダイヤルアップによりサーバとの間にデータ通信リンクを開設するための要求を行う。そして、サーバとの間にデータ通信リンクが開設されると、DSRC方式による無線通信によりダウンロード要求を送出し、サーバから要求に応じたソフトウェア情報をダウンロードし、このダウンロードしたソフトウェア情報を不揮発性メモリ34に記録する。また、ダウンロード実行制御機能32aは、複数の通信機能を利用してソフトウェア情報のダウンロードを実行する機能を持つ。本実施形態では、無線ユニット12bによるGPS機能(現在位置の測位)の処理結果を用いて、ソフトウェア情報のダウンロードが可能な地域に進入したと判別できた場合に、ダウンロードを実行するダウンロード実行制御処理を実行する機能を持つ。
【0035】
ソフトウェア管理制御機能32bは、不揮発性メモリ34に記録されたソフトウェア情報を機能別に管理し、入力部37により入力された要求情報に応じて、選択的にソフトウェア情報を読み出して、このソフトウェア情報に基づく通信機能を実行可能な状態にする。例えば、ソフトウェア管理制御機能32bは、無線ユニット接続部31b,31cを介して無線ユニット12b,12cが接続されて、GPS機能、携帯電話機能の利用が可能になった場合には、それぞれの通信機能に対応するソフトウェア情報を読み出して対応する機能を実行可能な状態にする。すなわち、GPS機能に対しては、ナビゲーション機能を実行可能な状態にして、GPS機能によって取得される現在位置(及び時刻)をもとに、地図上に現在位置などを表すといった処理を実行できるようにする。
【0036】
また、ソフトウェア管理制御機能32bは、入力部37により通信機能が要求された場合に、不揮発性メモリ34上に要求された通信機能に対応するソフトウェア情報があるか否かを判断し、ある場合には不揮発性メモリ34内の該当するソフトウェア情報を読み出して信号処理部30にセットし、無い場合にはダウンロード実行制御機能32aに該当するソフトウェア情報をダウンロードさせる。
【0037】
また、ソフトウェア管理制御機能32bは、ソフトウェア情報を一括してダウンロードするフルダウンロードと、分割して複数回に分けてダウンロードする部分ダウンロードを実行させることができる。ソフトウェア管理制御機能32bは、部分ダウンロードをする場合には、ダウンロードされたソフトウェア情報を不揮発性メモリ34上の該当するソフトウェア情報に連結させる。
【0038】
また、ソフトウェア管理制御機能32bは、電源オフが指示された際に、信号処理部30にセットしていたソフトウェア情報を表すフラグを制御部32内のバッファ(図示せず)に書き込む。ソフトウェア管理制御機能32bは、電源オンされた時、制御部32内のバッファのフラグを参照して、電源オフ時に信号処理部30にセットされていたソフトウェア情報を判別し、該当するソフトウェア情報を不揮発性メモリ34から読み出して信号処理部30にセットする。
【0039】
次に、本実施形態におけるソフトウェア無線機1の動作について説明する。
まず、ソフトウェア無線機1の通信機能の管理動作について説明する。
【0040】
電源キーがオンされて、図示しない電源部から電力供給が開始されると、制御部32は、起動処理を実行して、制御部32内のバッファ(図示せず)に書き込まれたフラグに基づき、電源オフ時に信号処理部30にセットされていたソフトウェア情報を不揮発性メモリ34から読み出して信号処理部30にセットする。
【0041】
続いて制御部32は、入力部37によりソフトウェア情報の使用要求が入力されたか否か、つまり新たな通信機能の選択があるか否かを判断する。ここで、使用要求が入力されないならば、制御部32は、既に信号処理部30にセットされているソフトウェア情報に基づく通信端末動作制御処理に移行する。
【0042】
一方、入力部37によりソフトウェア情報の使用要求が入力された場合、制御部32は、要求されたソフトウェア情報が不揮発性メモリ34に格納されているか否かを判断する。そして、該当するソフトウェア情報が格納されていない場合、ダウンロード画面を表示部36に表示し、ユーザに対しダウンロード要求の送出に対する入力操作を促す。この状態でユーザによって、ソフトウェア情報を取得するべく入力部37において取得指示が入力されると、制御部32は、基地局4を介して、サーバとの間でデータ通信リンクを確立し、基地局4経由でDSRC方式による無線通信によりダウンロードデータ、すなわちソフトウェア情報を取得して不揮発性メモリ34に書き込む。
【0043】
制御部32のソフトウェア管理制御機能32bは、不揮発性メモリ34に書き込んだソフトウェア情報に基づく通信機能を信号処理部30にセットして、ユーザが希望するサービスを実現するための通信機能を実行する。
【0044】
このように、本実施形態におけるソフトウェア無線機1では、ソフトウェア情報をダウンロードし、ソフトウェア情報に基づく通信機能を実行することができる。
【0045】
ソフトウェア無線機1は、ソフトウェア情報に基づく通信機能を実行する場合、その通信機能に応じた無線ユニット12a,12b,12cが、信号処理本体ユニット10の無線ユニット接続部31a,31b,31cにケーブルを介して接続されることで構成される。
【0046】
無線ユニット12aは、A/D・D/A変換回路25によって、信号処理本体ユニット10の信号処理部30の間をデジタル化した信号によって送受信する。従って、無線ユニット12が外部との無線通信に用いる信号が高い周波数であっても、ケーブルを介すことによる信号の減衰などによる劣化を低減することができる。このため、信号の減衰を解消するための信号増幅器や電力制御のための回路が不要となる。
【0047】
これにより、無線ユニット12を電波の送受信が良好となる任意の位置、例えば車外あるいは車内の窓際などの任意の場所に設置することができる。例えば図2に示す無線ユニット12cのように、信号処理本体ユニット10から離れた場所に設置することで、信号処理本体ユニット10と無線ユニット12cとを接続するケーブルが長くなるとしても信号劣化の影響を受けない。
【0048】
また、信号処理本体ユニット10において実現される通信機能は、ソフトウェア情報をダウンロードすることで追加あるいは更新などを容易にすることができる。これに合わせて、無線ユニット12は、信号処理本体ユニット10において実行される通信機能に対応するものに任意に交換することもできる。また、信号処理本体ユニット10において複数のソフトウェア情報に基づいて複数の通信機能が実行される場合には、それぞれの通信機能に対応する複数の無線ユニット12(12a,12b,12c)を接続して、それぞれの通信機能を実行することが可能である。
【0049】
以下、複数の通信機能を利用してソフトウェア情報のダウンロードを実行する場合の処理について説明する。
図4は、無線ユニット12bにより提供されるGPS機能を利用して、無線ユニット12aを通じてダウンロードを実行するダウンロード実行制御処理について説明するフローチャートである。
【0050】
ここでは、ダウンロード実行制御機能32aは、入力部37により入力された要求情報によって、ダウンロード実行制御処理が起動されるものとする。この場合、信号処理本体ユニット10には無線ユニット12bが無線ユニット接続部31bを介して接続されて使用されるものとする。
【0051】
また、サーバは、特定の地域においてのみ、基地局4から特定の情報をダウンロードさせるダウンロードサービスを提供しているものとする。ダウンロードサービスの提供を受けることができる地域に関する情報やダウンロードされる情報の内容に関するメニューデータについては別途提供されているものとする。例えば、メニューデータは、基地局4を通じて任意の場所でダウンロードしたり、他の通信機能、例えばFM放送(FM多重放送)や携帯電話によるデータ通信によりダウンロードしたりできるものとする。ダウンロード実行制御機能32aは、メニューデータをダウンロードして不揮発性メモリ34に記録しているものとする。
【0052】
ダウンロード実行制御機能32aは、無線ユニット接続部31bを介して、無線ユニット12bのGPS処理部26によって測位される現在位置を示す情報(及び現在の時刻)を取得する(ステップA1)。無線ユニット12bのGPS処理部26によって測位される現在位置は、ソフトウェア無線機1が搭載された自動車の移動に伴って変化しており、継続的に取得する。
【0053】
ダウンロード実行制御機能32aは、無線ユニット12bから取得した位置情報をもとに、現在位置における特定のデータのダウンロードが可能であるかを判別する(ステップA2)。すなわち、ソフトウェア管理制御機能32bは、不揮発性メモリ34に先に記録しているメニューデータを参照し、メニューデータが示すダウンロードサービスの提供を受けることができる地域内に現在位置があるか否かによって判別する。
【0054】
ここで、ダウンロードサービスの提供を受けることができる地域内にいることが判別されると(ステップA3)、ソフトウェア管理制御機能32bは、ダウンロード対象とするデータ(モジュール)についてのダウンロード要求をDSRC方式による無線通信により送信する(ステップA4)。すなわち、ダウンロード実行制御機能32aは、信号処理部30、無線ユニット接続部31a、無線ユニット12aを通じて、アップリンク・データリクエストを送出し、基地局4を通じてサーバに要求する。なお、ダウンロード対象とするデータは、先にダウンロードしたメニューデータに対して、入力部37からの要求によって予め設定しておくことができるものとする。ソフトウェア管理制御機能32bは、この設定に応じたデータ(モジュール)を示すダウンロード要求を送出するものとする。
【0055】
ここで、無線ユニット12aを通じてサーバとの間にデータ通信リンクが開設され、要求したデータのダウンロードが可能であれば(ステップA5)、ダウンロード実行制御機能32aは、サーバから提供される要求に応じたデータをDSRC方式による無線通信によりダウンロードし、このダウンロードしたデータを不揮発性メモリ34に記録する(ステップA6)。こうして、この地域に特定のデータをダウンロードすることができる。
【0056】
なお、DSRC方式による無線通信によってダウンロードができなかった場合(ステップA5,No)、ソフトウェア管理制御機能32bは、他の通信機能、例えば無線ユニット12cが接続されている場合には、携帯電話機能によるデータ通信によってデータのダウンロードを試みる。ソフトウェア管理制御機能32bは、無線ユニット12cによる携帯電話機能により、ダウンロード対象とするデータのダウンロード要求を無線通信により送信する(ステップA7)。
【0057】
この場合、サーバは、基地局4を通じたダウンロードサービスだけでなく、携帯電話の通信網を介して、特定の地域にだけダウンロードサービスを提供しているものとする。
【0058】
ここで、対象とするデータのダウンロードが可能である場合(ステップA8)、ソフトウェア管理制御機能32bは、無線ユニット12cによる携帯電話機能によりダウンロードを実行し、このダウンロードしたデータを不揮発性メモリ34に記録する(ステップA8)。こうして、この地域に特定のデータをダウンロードすることができる。
【0059】
さらに、携帯電話機能による無線通信によってダウンロードができなかった場合(ステップA8,No)、ソフトウェア管理制御機能32bは、FM放送を受信する機能(FM電波を受信可能な無線ユニット、及びFM放送を受信する機能を実現するためのソフトウェア情報)が設けられている場合には、FM放送(FM多重放送)を受信する機能によるデータ通信によってデータのダウンロードを試みる。ソフトウェア管理制御機能32bは、例えば無線ユニット接続部31aを介して接続される無線ユニットにより受信されたFM電波信号が信号処理部30により処理され、この処理された信号からダウンロード対象とするデータを取得する(ステップA10)。
【0060】
この場合、ダウンロードサービスの提供者は、基地局4を通じたダウンロードサービスだけでなく、ラジオ/テレビ放送局2からのFM多重放送を介して、特定の地域にだけダウンロードサービスを提供しているものとする。
【0061】
このようにして、ダウンロード実行制御処理では、複数の無線ユニット12a,12b,12cを用いて実現される通信機能(ダウンロード機能、GPS機能、携帯電話機能など)を複合的に有効に利用し、例えば特定の地域においてのみ利用できるダウンロードサービスによってデータをダウンロードすることができる。データをダウンロードする場合には、無線ユニット12aを利用したダウンロード機能を用いることで高速なダウンロードが可能であるが、この機能によりダウンロードできなくても無線ユニット12bによる携帯電話機能によるデータ通信によりダウンロード要求を送出して、対象とするデータのダウンロードを実行することができる。さらには、FM放送を受信可能な機能が設けられていれば、FM多重放送を利用したダウンロードも可能である。
【0062】
なお、前述した説明では、ケーブルを介して無線ユニット12a,12b,12cと信号処理本体ユニット10との間で信号の送受信をしているが、両者の間がデジタル化された信号により送受信することができるので、Bluetoothなどの近距離無線通信によって接続される構成とすることもできる。この場合、近距離無線通信のために必要なモジュールが比較的小さく実現されているため、無線ユニット12a,12b,12c及び信号処理本体ユニット10のそれぞれの構成を大型化することもない。
【0063】
また、本願発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、前記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ソフトウェア情報に基づいて処理を実行するソフトウェア無線機であって、無線ユニットと信号処理本体ユニットとにより構成され、無線ユニットは、無線通信用のアンテナとアンテナを介した無線通信のための信号を処理する信号処理回路と、信号処理回路により処理された信号をもとに通信機能を実行する通信機能手段と有し、信号処理本体ユニットは、通信機能手段により実行された通信機能の処理結果を用いた処理を実行する処理手段を有しているので、無線機本体を大型化することなく複数の通信機能を実行可能とし、かつ複数の通信機能を有効に利用可能することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるソフトウェア無線機が適用される通信システムの概略構成図。
【図2】本実施形態におけるソフトウェア無線機の自動車への搭載例を示す図。
【図3】本実施形態に係わるソフトウェア無線機の構成を示すブロック図。
【図4】本実施形態に係わるダウンロード実行制御処理を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…ソフトウェア無線機
10…信号処理本体ユニット
12(12a,12b,12c)…無線ユニット
20a,20b,20c…アンテナ
22a…アンテナ無線部
22b…GPSアンテナ無線部
22c…携帯電話アンテナ無線部
23a,23c…送受信回路
23b…受信回路
24a…周波数変換回路
24b,24c…信号処理部
25…A/D・D/A変換回路
26…GPS処理部
27…携帯電話処理部
30…信号処理部
31a,31b,31c…無線ユニット接続部
32…制御部
32a…ダウンロード実行制御機能
32b…ソフトウェア管理制御機能
34…不揮発性メモリ
36…表示部
37…入力部
38…インタフェース(I/F)
39…メモリ
PC…パーソナルコンピュータ
Claims (6)
- ソフトウェア情報に基づいて処理を実行するソフトウェア無線機であって、
無線ユニットと信号処理本体ユニットとにより構成され、
前記無線ユニットは、
無線通信用のアンテナと、
前記アンテナを介した無線通信のための信号を処理する信号処理回路と、
前記信号処理回路により処理された信号をもとに通信機能を実行する通信機能手段とを有し、
前記信号処理本体ユニットは、
前記通信機能手段により実行された通信機能の処理結果を用いた処理を実行する処理手段を有したことを特徴とするソフトウェア無線機。 - 前記通信機能手段は、GPS(Global Positioning System)衛星から受信した信号をもとに位置を測位する位置測位手段を有することを特徴とする請求項1記載のソフトウェア無線機。
- 前記信号処理本体ユニットは、前記位置測位手段によって測位された位置をもとに、前記通信機能手段による通信機能を利用して前記ソフトウェア情報をダウンロードするダウンロード実行制御機能手段を有することを特徴とする請求項2記載のソフトウェア無線機。
- 前記信号処理本体ユニットは、複数の無線ユニットを接続する接続手段を有し、
前記接続手段によって接続される前記無線ユニットにはそれぞれ異なる通信機能を実行する通信機能手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のソフトウェア無線機。 - ソフトウェア情報に基づいて処理を実行するソフトウェア無線機の信号処理ユニットであって、
無線通信用のアンテナを介した無線通信のための信号を処理して、この信号をもとに通信機能を実行する無線ユニットを接続するための接続手段と、
前記接続手段によって接続された無線ユニットにより実行された前記通信機能の処理結果を用いた処理を前記ソフトウェア情報をもとに実行する処理手段と
を具備したことを特徴とする信号処理ユニット。 - ソフトウェア情報に基づいて処理を実行するソフトウェア無線機の信号処理ユニットに接続される無線ユニットであって、
前記信号処理ユニットと接続するための接続手段と、
無線通信用のアンテナと、
前記アンテナを介した無線通信のための信号を処理する信号処理回路と、
前記信号処理回路により処理された信号をもとに通信機能を実行する通信機能手段と、
前記通信機能手段により実行された通信機能の処理結果を前記接続手段を介して前記信号処理ユニットに出力する出力手段と
を具備したことを特徴とする無線ユニット。
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- 2002-10-31 JP JP2002318149A patent/JP2004153663A/ja not_active Abandoned
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