JP2004153492A - 広範囲撮像装置を用いた施設内の監視装置および監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】施設内を死角なく常に監視することができ、これにより客の不正行為を監視する効果を最大限にあげることができるものであって、かつ、モニタ画面の映像を一目見ただけで、実際に施設内を眺めているのと近い感覚で室内の様子を瞬時に把握できる、主にパチンコ店内の監視装置および監視システムを提供する。
【解決手段】監視カメラに広範囲撮像装置を用いることにより、全方位あるいは広範囲を死角なく監視し、前記広範囲撮像装置により撮像した原画を画像処理してパノラマ映像等にしたものを縦方向にのみ又は横方向にのみ合成することにより、施設内の配置と近い形にモニタ画面の映像を生成する。これにより室内の様子が一見して把握できる。また、監視カメラレンズのズームアップ機能ではなく、画像処理した画像データを用いて拡大表示をする。これにより、新たな死角を生むことがない。
【選択図】図4
【解決手段】監視カメラに広範囲撮像装置を用いることにより、全方位あるいは広範囲を死角なく監視し、前記広範囲撮像装置により撮像した原画を画像処理してパノラマ映像等にしたものを縦方向にのみ又は横方向にのみ合成することにより、施設内の配置と近い形にモニタ画面の映像を生成する。これにより室内の様子が一見して把握できる。また、監視カメラレンズのズームアップ機能ではなく、画像処理した画像データを用いて拡大表示をする。これにより、新たな死角を生むことがない。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、広範囲撮像装置を用いた施設内の監視装置および監視システムに関するものであって、主にパチンコ店等の遊技施設内に設置して客の不正行為を確実に監視するのに役立つ監視装置および監視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、施設内に設けられる監視カメラの欠点としてどうしても死角ができてしまうことが挙げられている。特に、遊技施設、なかでもパチンコ店では客の不正行為を確実に発見し、迅速に対処することが求められているため、監視カメラの担う役割は大きく、通常以下のような監視カメラあるいは監視システムが用いられている。
【0003】
<カメラ>
一般に、パチンコ店内には島の左右両端付近の天井に監視カメラを設置する場合が多く、一台のカメラで、通路を挟んだ二つの島を上方から撮影するものが多い。この監視カメラは固定式カメラあるいは可動式カメラであった。しかし、固定式の監視カメラでは、柱等の影になっている場合や手前の客と重なって手元が映っていない場合など、不正行為を確実に監視するためには、非常に多くの監視カメラが必要であった。また、可動式の監視カメラでは、任意に遠隔自動操作することができ、ある程度死角を防ぐことはできるが、カメラ自体を動かしてしまうことで新たな死角が生まれるという難点があり、死角ができてしまうという点は解決できていなかった。また、不正行為が行われる場合に最も監視したい客の手元を確実に監視しようとすると、客の手元を上方から見下ろす形でカメラを設置する必要があるが、その場合には従来のカメラでは、通常、1つのカメラでパチンコ台2〜3台分の客の手元を映すのが限界であり、そのため多数のカメラが必要になり、その結果、監視者の負担も大きなものであった。
【0004】
<拡大表示>
一方、このような監視カメラの中には監視者が不正を見つけた場合に、監視カメラを遠隔自動操作で動かすことによって、不正行為の行われている台に照準を合わせ、ズームアップさせる機能を有しているものも存在した。これは、不正行為を迅速に確認するという利点はあるが、これを表示するモニタ画面はズームアップ映像に切り替わってしまうという欠点があった。すなわち、カメラのズームレンズによりズームアップさせているので、ズームアップ映像が表示されている間は、その他の台は映っておらず、継続的に監視することができなかった。なお、これを回避するには別途ズームアップ専用のカメラが必要になっていたが、このようなズームアップ専用のカメラは島に挟まれた通路の中央上方に設置するものであったため、人の体がじゃまになってパチンコの盤面側が死角になってしまい、実際は不正行為を的確にズームアップすることができないものであった。
【0005】
<モニタ表示>
また、上述のとおり、監視カメラの映像は、島の両端の上方から島を見下ろした状態で撮影されていることから、二列の島が通路を挟んで逆V字に映っていることが多い。したがって、同じ島を右端から撮影した映像も左端から撮影した映像も同じような逆V字の映像となる。一方、このような監視カメラの映像を表示するモニタ画面は、一つのモニタ画面に対して一つのカメラから映像を表示したもの(1:1)や、一つのモニタ画面に対して複数のカメラからの映像を分割して表示させるもの(1:n)がほとんどであった。従来のモニタ分割画面の一般的なものを図1に示す。(a)は1:4、(b)は1:9、(c)は1:16の分割画面である。モニタ画面を縦方向にも横方向にも分割するものである。なお、モニタ装置は、店内全体を監視することができるように複数台を監視室等に並べて監視することが一般的である。
【0006】
しかし、上記のように同じような逆V字の映像が、実際の店内の位置関係とは関係なく単に分割されて並べられているだけのモニタ画面の映像では、店内の様子を把握しづらいという欠点があった。すなわち、モニタ画面の映像が店内のどこを映しているものか、どのような方向から映しているものか等を各モニタ画面の映像毎に頭の中で組み立てる作業が必要となるため、店内の状況を正確に把握するのには時間がかかり、一見して把握することが難しいものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、施設内を死角なく常に監視することができ、これにより客の不正行為を監視する効果を最大限にあげることができるものであって、かつ、モニタ画面の映像を一目見ただけで、実際に施設内を眺めているような感覚で店内の様子を瞬時に把握できる、主にパチンコ店内の監視装置および監視システムを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、凸面鏡および前記凸面鏡の軸心上に対向して設置されたカメラを備えた広範囲撮像装置と、前記広範囲撮像装置により撮像された映像をあらかじめ定められた方法に従って変換する変換処理手段および前記変換処理手段により変換された画像情報を縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成させる合成処理手段とを備えた画像処理装置と、前記合成処理手段により生成された合成画像情報を表示させる表示装置とを有することを特徴とする施設内の監視装置である。
【0009】
広範囲撮像装置は、少なくとも凸面鏡および前記凸面鏡の軸心上に対向して設置されたカメラとを有するものであれば良い。したがって、カメラ光軸を中心とした全方位(360°)の光をカメラレンズに集光する全方位撮像装置でも良いし、全方位でなくても必要な範囲のみを撮像できるようなものであっても良い。全方位撮像装置としては、特開平11−174603号(特許第3086204号)があげられる。また、特開平9−118178号にも構成が示されており、さらに、全方位撮像装置を用いた発明として特開2000−128031、特開2001−180239などがある。加えて、撮像範囲を規制できる全方位撮像装置として、特開2000−131738があり、これによれば、不要な映像情報をカットして必要範囲の映像のみを撮像することができる。ただしこれに限らず、必要な範囲のみを撮像させる方法はどのような方法であっても良い。なお、これらの公知文献には凸面鏡に筒体が外嵌しているものが開示されているが、筒体はなくても良く、たとえば、撮像装置全体の形状が球体あるいは半球体のものであっても良い。さらに、凸面鏡の数は一つでも複数でも良い。
【0010】
凸面鏡は回転対称体形状、すなわち、球面、円錐形、双曲面、放物面などいずれの形状であっても良く、カメラによって広範囲を撮像できるものであれば良い。また、カメラは、CCDカメラ等のデジタルカメラが適切であるが、その他どのようなものであっても良い。
【0011】
本発明の監視装置にこのような広範囲撮像装置を用いることによって、施設内を死角なく監視することができる。すなわち、全方位あるいは広範囲を撮影できるので、島の上方に設置することで、最も監視したい客の手元も、複数台分の客の手元を同時に監視することができる。これにより、監視カメラの設置台数も減らすことができる。また、一の島の客の手元のみならず、その隣の他の島の客の背後も同時に撮影することができるので、効率よく監視することも可能となる。
【0012】
画像処理装置は、前記広範囲撮像装置により撮像した映像を歪みをなくした画像に変換する方法をあらかじめ定めた変換処理手段を有する。このような変換処理技術は、特開2002−262200等に開示されている。広範囲撮像装置により撮像された映像は原画のままでは歪みもあり、見づらいので、変換処理をして歪みをなくし、パノラマ映像等にすることにより、見やすくなる。また、監視には不必要な部分は切り捨てて必要な部分のみを残す処理を行うことも可能である。ただし、必要な範囲のみ撮影することができる広範囲撮像装置の場合には当該切り捨て処理は不要である。なお、カメラが画素データを出力しないものである場合には、当該画像処理装置において画素データを演算して出力した後に、歪みをなくした画像に変換する上記の変換処理を行うことにしても良い。
【0013】
また、当該画像処理装置は、前記前記変換処理手段により変換された画像情報を縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成させる合成処理手段をも有する。すなわち、前記変換処理手段により歪みのない画像に処理されたパノラマ映像等を、縦方向にのみ又は横方向にのみ並べて、実際の施設内の位置関係と対応させながら合成する。なお、このような画像処理装置に記録装置を連結させて、画像処理が行われた映像を記録することもできる。
【0014】
表示装置は、前記合成処理手段により生成された合成画像情報を表示するものであって、テレビモニタ等があげられる。この表示装置に表示される映像は、図2にあるように、縦方向にのみ画面が4分割されたような映像として((a)図)、または、横方向にのみ画面が4分割されたような映像として((b)図)表示される。なお、図2は4分割されたような映像となっているが、この数に限定はない。
【0015】
このように、本発明の監視装置によれば、モニタ画面の映像と店内の実際の様子が近いものになるので、モニタ画面の映像を一見するだけで店内の様子を瞬時に把握することができる。
【0016】
本発明は、前記画像処理装置は、外部信号を受け取り、あらかじめ当該外部信号と関連づけて記憶されている前記合成画像情報の指定領域の画像データから拡大画像情報を生成する拡大処理手段をも有し、前記表示装置は、前記拡大処理手段により生成された拡大画像情報を前記合成画像情報の表示画面とは別画面上に又は同一画面上に表示させる表示装置であることを特徴とする請求項1に記載の施設内の監視装置である。
【0017】
前記画像処理装置は、さらに、外部信号を受け取り、あらかじめ当該外部信号と関連づけて記憶されている前記合成画像情報の指定領域の画像データから拡大画像情報を生成する拡大処理手段をも有する。ここで、外部信号は、監視者が入力するものであっても、ホールコンピュータ等の不正行為を知らせるシステムにおいて、アラーム信号等により自動的に送られるものであっても良い。また、監視者が入力する方法としては、連動している台数ボタンを押したり、直接モニタ画面をタッチしたり、マウスでクリックしたり等、どのような方法であっても良い。外部信号は、あらかじめ前記合成画像情報の所定の指定領域の画像データと関連づけて記憶されており、この外部信号を受け取ると、拡大処理手段は当該画像データの拡大画像情報を生成する。たとえば、○○番台を指定する外部信号を受け取った場合には、○○番台付近の画像データ(xy座標の画素データ等)を基に拡大画像情報を生成する。
【0018】
このような拡大画像情報は、合成画像情報の表示画面(通常表示画面=監視画面)とは別のモニタ画面に表示させても良いし、同一の画面上に表示させても良い。
【0019】
本発明によれば、特定の台をズームアップさせたいときでも、監視カメラ自体は動かさないで特定の映像のみを拡大表示させることができるので、死角を生むことがなく、本来の監視を続けながら不正行為の確認を行うことができる。
【0020】
本発明は、凸面鏡および前記凸面鏡に対して所定の位置に設置されたカメラにより前記凸面鏡に映る反射虚像を撮像する広範囲撮像手段と、前記広範囲撮像手段により撮像された映像をあらかじめ定められた方法に従って変換する変換処理手段と、前記変換処理手段により変換された画像情報を縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成させる合成処理手段と、前記合成処理手段により生成された合成画像情報を表示させる表示手段とを有することを特徴とする施設内の監視システムである。
【0021】
また、本発明は、凸面鏡および前記凸面鏡に対して所定の位置に設置されたカメラにより前記凸面鏡に映る反射虚像を撮像する広範囲撮像手段と、前記広範囲撮像手段により撮像された映像をあらかじめ定められた方法に従って変換する変換処理手段と、前記変換処理手段により変換された画像情報を縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成させる合成処理手段と、外部信号を受け取り、あらかじめ当該外部信号と関連づけて記憶されている指定領域の画像データから拡大画像情報を生成する拡大処理手段と、前記合成処理手段により生成された合成画像情報を表示させ、かつ、前記拡大処理手段により生成された拡大画像情報を前記合成画像情報の表示画面とは別画面上に又は同一画面上に表示させる表示手段とを有することを特徴とする施設内の監視システムである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。本実施例は、本発明の監視装置をパチンコ店内に設置したものである。
【0023】
実施例に用いられた広範囲撮像装置は、全方位を撮像することのできる全方位撮像装置であり、図3に示すとおりである。凸面鏡2と、該凸面鏡2の頂部と対向する位置に配置されるカメラ4(詳細は図示せず)と、凸面鏡2に外嵌して凸面鏡2とカメラ4を連結する筒体5と、凸面鏡2の頂部からカメラ方向に突設された棒状体3とからなっている。図中のαは視野範囲を示している。すなわち、該全方位撮像装置1によれば、カメラの光軸6を中心とした視野範囲αの全方位の光がカメラレンズに集光するようになっており、この範囲をすべて撮影することができる。なお、棒状体3は内面反射を防止するためのものである。
【0024】
図4は、全方位撮像装置1をパチンコ店内の各島に設置する場合の横から見た説明図である。また、図5は、全方位撮像装置1をパチンコ店内の各島に設置する場合の上方から見た説明図である。図4にあるように、本実施例では全方位撮像装置1は、島ごとに、島の天板にL字ポール12を立て、その先端に横向きに設置した。なお、広範囲撮像装置はL字ポールに設置するもののほか、天井からワイヤー等で吊り下げたり、天井に固定したり等どのような設置方法であっても良い。また、図5にあるように、本実施例では全方位撮像装置1は各島の中央に設置した。広範囲撮像装置を設置する場合には主に設置島の客の手元が映るような位置に設置する。なお、広範囲撮像装置は縦向きに設置することもでき、また、横向きでも図4とは逆の方向に設置することもできる。さらに、島ごとのパチンコ台数が多いときは、一つの島に複数台設置しても良い。要は、客の手元が映るのに適切な位置に適切な個数を施設に応じて設置すれば良い。
【0025】
図4に示すように、A島、B島、C島に設置されている各全方位撮像装置を、それぞれカメラ1、カメラ2、カメラ3とする。この中でB島に設置されているカメラ2を中心に説明する。なお、図中のαはカメラ2の視野範囲を示しており、カメラ2はかかる視野範囲αの全方位の撮影が可能である。カメラ2は、主にB島の客の手元が映るように設置されており、かつ、A島の客の背後も映るようになっている。同様に、カメラ1はA島の客の手元およびB島の客の背後を、カメラ3はC島の客の手元および通路を挟んだ隣の島の客の背後をそれぞれ撮影する。これにより、客の不正行為をどちらの角度からも同時に監視することが可能になる。
【0026】
カメラ2で撮影した全方位撮像原画を図6に示す。このように、主にB島に座っている客の手元がはっきりと映り、かつ、A島の客の背後も撮影することができるため、客の不正行為を効率良く監視することができる。特に、客のほぼ真上から撮影できるので人の体に遮られることなく客の手元が確実に監視できるのに加えて、全方位の撮像が可能なので一台のカメラで島の一列全員の客の手元を同時に監視することができる。なお、図面中の斜線部分(上半円)は天井が映っている部分であり不要な部分である。
【0027】
図6に示すように、全方位撮像装置で撮像した画像は外周にいくほど歪みが大きくなっている。したがって、全方位撮像装置により撮像した映像は、画像処理を行う必要がある。本実施例の画像処理装置(図示せず)では、原画の歪みをなくして、不要部分を切り捨てる処理を行う。なお、本実施例では凸面鏡は一つなので、各映像ごとに左右反転する処理も行われる。凸面鏡が二つ等偶数個用いられる場合は当該反転処理は不要である。
【0028】
図7は本実施例の監視装置の構造の説明図である。全方位撮像装置1によって撮像された映像の画像情報は、画像処理装置20が受け取り、その変換処理手段22によって歪みのない画像に変換される。すなわち、カメラ1による画像情報は手段aによって変換され、同様にカメラ2は手段b、カメラ3は手段c、カメラ4は手段dによって変換される。次に、上記のような変換処理が行われた各変換画像情報は合成処理手段23によって縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成された合成画像情報とされる。当該合成画像情報をそのまま表示装置21によって表示させたものが通常表示画面(監視画面)である。さらに、画像処理装置20の拡大処理手段25では外部信号24を受け取って関連する拡大画像情報を生成し、これを表示装置21によって表示させたものが拡大表示画面である。
【0029】
この流れを実際の画像を並べて説明したものが図8である。図8中の上図は、パチンコ店内の島等の位置関係を示したものである。中図は、島に設置した全方位撮像装置1(カメラ1および2)による原画を示したものである。カメラ3および4による原画は省略する。下図は、これらを画像処理装置20の変換処理手段22により変換処理し、かつ、合成処理手段23によって合成処理した画像処理後の映像を示したものである。上図の店内の位置関係は図5において説明したとおりである。A島に設置した全方位撮像装置をカメラ1、B島のものをカメラ2、C島のものをカメラ3、D島のものをカメラ4とする。B島の端の客を客Xと、その背中合わせに位置するA島の客を客Yとする。また、全方位撮像原画においては図6において説明したとおりである。(a)図がカメラ1によって撮像された原画、(b)図がカメラ2によって撮像された原画である。(a)図のカメラ1による映像では客Xの背後および、客Yの手元が映っており、(b)図のカメラ2による映像では客Xの手元および客Yの背後が映っている。半円なのは本実施例では不要な部分を省略したものである。なお、本実施例では、この不要な部分は上記変換処理手段22により変換処理される前に切り捨てられるが、このような不要な部分をあらかじめ撮影しないような広範囲撮像装置を用いることもできる。これらの原画が画像処理装置20で処理されることにより、パノラマ映像となり、これら4つのパノラマ映像を縦方向に並列に合成させたものが、図8中下図の画像処理後の映像の図である。このように、4つのパノラマ映像を合成する場合には、店内の位置関係と近い形で並列させ合成する。すなわち、客Xと背中合わせに客Yが表示される等、各島の位置関係が実際の店内の様子に近くなるように並べる。したがって、これがモニタに表示された場合にモニタ画面の映像を一目見るだけで、店内の様子を瞬時に把握することができ、効率よく監視をすることができる。
【0030】
図9は、表示装置に表示される拡大表示画面の説明図である。図9中の上図は、図8の下図の映像が表示装置により表示された状態を示している。これが、表示装置(モニタ等)の通常表示画面である。図中の2番台をズームアップさせたい場合には、本実施例の監視装置と関連づけられた任意の2番台ボタン(図示せず)を押す。画像処理装置20の拡大表示手段25は、この外部信号を受け取り、あらかじめ記憶されていた2番台の指定領域(斜線部)の拡大画像情報を生成して、これを表示装置21は拡大表示画面として表示する。この拡大表示画面は、図9中の(a)図にあるように、別の表示装置に表示させるものでも良く、また、(b)図にあるように、同じ表示装置に表示させるものでも良い。(b)図の拡大表示画面はマウスによって画面上を任意にドラッグして位置を変更することができる。これにより、客の座っていない島の映像の上に拡大表示画面を動かすことができ、死角を生まない工夫ができる。また、画面の大きさも任意に変更することもできる。これにより、通常表示画面で本来の監視を続けながら、拡大表示画面により客の不正行為をも同時に監視することが可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、広範囲撮像装置を用いているので、死角がなく不正行為を確実に監視することができる。また、施設内の様子に近い形の映像に画像処理をしてモニタに表示することができるので、モニタ画面の映像を一見するだけで店内の様子が理解しやすく、これにより監視者の負担が軽減され、効率よく監視することができる。また、不正行為が行われている台等をズームアップする場合にも、監視カメラのズームレンズによりズームアップするわけではないので、死角を作り出すことなく、継続的に監視することが可能である。これにより、不正行為を萎縮させて、防止する効果もあると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のモニタ画面の分割表示についての説明図である。
【図2】本発明のモニタ画面の分割表示についての説明図である。
【図3】本発明の一実施例に使用した全方位撮像装置の説明図である。
【図4】本発明の一実施例として、全方位撮像装置をパチンコ店内の各島に設置する場合の横から見た説明図である。
【図5】本発明の一実施例として、全方位撮像装置をパチンコ店内の各島に設置する場合の上方から見た説明図である。
【図6】本発明の一実施例に使用した全方位撮像装置により撮像した原画の説明図である。
【図7】本発明の一実施例の監視装置の構造の説明図である。
【図8】本発明の一実施例の監視装置の画像の流れの説明図である。
【図9】本発明の一実施例の監視装置の表示装置の拡大表示画面の説明図である。
【符号の説明】
1 全方位撮像装置
2 凸面鏡
3 棒状体
4 カメラ
5 筒体
6 光軸
11 パチンコ台
12 ポール
20 画像処理装置
21 表示装置
22 変換処理手段
23 合成処理手段
24 外部信号
25 拡大処理手段
【発明が属する技術分野】
本発明は、広範囲撮像装置を用いた施設内の監視装置および監視システムに関するものであって、主にパチンコ店等の遊技施設内に設置して客の不正行為を確実に監視するのに役立つ監視装置および監視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、施設内に設けられる監視カメラの欠点としてどうしても死角ができてしまうことが挙げられている。特に、遊技施設、なかでもパチンコ店では客の不正行為を確実に発見し、迅速に対処することが求められているため、監視カメラの担う役割は大きく、通常以下のような監視カメラあるいは監視システムが用いられている。
【0003】
<カメラ>
一般に、パチンコ店内には島の左右両端付近の天井に監視カメラを設置する場合が多く、一台のカメラで、通路を挟んだ二つの島を上方から撮影するものが多い。この監視カメラは固定式カメラあるいは可動式カメラであった。しかし、固定式の監視カメラでは、柱等の影になっている場合や手前の客と重なって手元が映っていない場合など、不正行為を確実に監視するためには、非常に多くの監視カメラが必要であった。また、可動式の監視カメラでは、任意に遠隔自動操作することができ、ある程度死角を防ぐことはできるが、カメラ自体を動かしてしまうことで新たな死角が生まれるという難点があり、死角ができてしまうという点は解決できていなかった。また、不正行為が行われる場合に最も監視したい客の手元を確実に監視しようとすると、客の手元を上方から見下ろす形でカメラを設置する必要があるが、その場合には従来のカメラでは、通常、1つのカメラでパチンコ台2〜3台分の客の手元を映すのが限界であり、そのため多数のカメラが必要になり、その結果、監視者の負担も大きなものであった。
【0004】
<拡大表示>
一方、このような監視カメラの中には監視者が不正を見つけた場合に、監視カメラを遠隔自動操作で動かすことによって、不正行為の行われている台に照準を合わせ、ズームアップさせる機能を有しているものも存在した。これは、不正行為を迅速に確認するという利点はあるが、これを表示するモニタ画面はズームアップ映像に切り替わってしまうという欠点があった。すなわち、カメラのズームレンズによりズームアップさせているので、ズームアップ映像が表示されている間は、その他の台は映っておらず、継続的に監視することができなかった。なお、これを回避するには別途ズームアップ専用のカメラが必要になっていたが、このようなズームアップ専用のカメラは島に挟まれた通路の中央上方に設置するものであったため、人の体がじゃまになってパチンコの盤面側が死角になってしまい、実際は不正行為を的確にズームアップすることができないものであった。
【0005】
<モニタ表示>
また、上述のとおり、監視カメラの映像は、島の両端の上方から島を見下ろした状態で撮影されていることから、二列の島が通路を挟んで逆V字に映っていることが多い。したがって、同じ島を右端から撮影した映像も左端から撮影した映像も同じような逆V字の映像となる。一方、このような監視カメラの映像を表示するモニタ画面は、一つのモニタ画面に対して一つのカメラから映像を表示したもの(1:1)や、一つのモニタ画面に対して複数のカメラからの映像を分割して表示させるもの(1:n)がほとんどであった。従来のモニタ分割画面の一般的なものを図1に示す。(a)は1:4、(b)は1:9、(c)は1:16の分割画面である。モニタ画面を縦方向にも横方向にも分割するものである。なお、モニタ装置は、店内全体を監視することができるように複数台を監視室等に並べて監視することが一般的である。
【0006】
しかし、上記のように同じような逆V字の映像が、実際の店内の位置関係とは関係なく単に分割されて並べられているだけのモニタ画面の映像では、店内の様子を把握しづらいという欠点があった。すなわち、モニタ画面の映像が店内のどこを映しているものか、どのような方向から映しているものか等を各モニタ画面の映像毎に頭の中で組み立てる作業が必要となるため、店内の状況を正確に把握するのには時間がかかり、一見して把握することが難しいものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、施設内を死角なく常に監視することができ、これにより客の不正行為を監視する効果を最大限にあげることができるものであって、かつ、モニタ画面の映像を一目見ただけで、実際に施設内を眺めているような感覚で店内の様子を瞬時に把握できる、主にパチンコ店内の監視装置および監視システムを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、凸面鏡および前記凸面鏡の軸心上に対向して設置されたカメラを備えた広範囲撮像装置と、前記広範囲撮像装置により撮像された映像をあらかじめ定められた方法に従って変換する変換処理手段および前記変換処理手段により変換された画像情報を縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成させる合成処理手段とを備えた画像処理装置と、前記合成処理手段により生成された合成画像情報を表示させる表示装置とを有することを特徴とする施設内の監視装置である。
【0009】
広範囲撮像装置は、少なくとも凸面鏡および前記凸面鏡の軸心上に対向して設置されたカメラとを有するものであれば良い。したがって、カメラ光軸を中心とした全方位(360°)の光をカメラレンズに集光する全方位撮像装置でも良いし、全方位でなくても必要な範囲のみを撮像できるようなものであっても良い。全方位撮像装置としては、特開平11−174603号(特許第3086204号)があげられる。また、特開平9−118178号にも構成が示されており、さらに、全方位撮像装置を用いた発明として特開2000−128031、特開2001−180239などがある。加えて、撮像範囲を規制できる全方位撮像装置として、特開2000−131738があり、これによれば、不要な映像情報をカットして必要範囲の映像のみを撮像することができる。ただしこれに限らず、必要な範囲のみを撮像させる方法はどのような方法であっても良い。なお、これらの公知文献には凸面鏡に筒体が外嵌しているものが開示されているが、筒体はなくても良く、たとえば、撮像装置全体の形状が球体あるいは半球体のものであっても良い。さらに、凸面鏡の数は一つでも複数でも良い。
【0010】
凸面鏡は回転対称体形状、すなわち、球面、円錐形、双曲面、放物面などいずれの形状であっても良く、カメラによって広範囲を撮像できるものであれば良い。また、カメラは、CCDカメラ等のデジタルカメラが適切であるが、その他どのようなものであっても良い。
【0011】
本発明の監視装置にこのような広範囲撮像装置を用いることによって、施設内を死角なく監視することができる。すなわち、全方位あるいは広範囲を撮影できるので、島の上方に設置することで、最も監視したい客の手元も、複数台分の客の手元を同時に監視することができる。これにより、監視カメラの設置台数も減らすことができる。また、一の島の客の手元のみならず、その隣の他の島の客の背後も同時に撮影することができるので、効率よく監視することも可能となる。
【0012】
画像処理装置は、前記広範囲撮像装置により撮像した映像を歪みをなくした画像に変換する方法をあらかじめ定めた変換処理手段を有する。このような変換処理技術は、特開2002−262200等に開示されている。広範囲撮像装置により撮像された映像は原画のままでは歪みもあり、見づらいので、変換処理をして歪みをなくし、パノラマ映像等にすることにより、見やすくなる。また、監視には不必要な部分は切り捨てて必要な部分のみを残す処理を行うことも可能である。ただし、必要な範囲のみ撮影することができる広範囲撮像装置の場合には当該切り捨て処理は不要である。なお、カメラが画素データを出力しないものである場合には、当該画像処理装置において画素データを演算して出力した後に、歪みをなくした画像に変換する上記の変換処理を行うことにしても良い。
【0013】
また、当該画像処理装置は、前記前記変換処理手段により変換された画像情報を縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成させる合成処理手段をも有する。すなわち、前記変換処理手段により歪みのない画像に処理されたパノラマ映像等を、縦方向にのみ又は横方向にのみ並べて、実際の施設内の位置関係と対応させながら合成する。なお、このような画像処理装置に記録装置を連結させて、画像処理が行われた映像を記録することもできる。
【0014】
表示装置は、前記合成処理手段により生成された合成画像情報を表示するものであって、テレビモニタ等があげられる。この表示装置に表示される映像は、図2にあるように、縦方向にのみ画面が4分割されたような映像として((a)図)、または、横方向にのみ画面が4分割されたような映像として((b)図)表示される。なお、図2は4分割されたような映像となっているが、この数に限定はない。
【0015】
このように、本発明の監視装置によれば、モニタ画面の映像と店内の実際の様子が近いものになるので、モニタ画面の映像を一見するだけで店内の様子を瞬時に把握することができる。
【0016】
本発明は、前記画像処理装置は、外部信号を受け取り、あらかじめ当該外部信号と関連づけて記憶されている前記合成画像情報の指定領域の画像データから拡大画像情報を生成する拡大処理手段をも有し、前記表示装置は、前記拡大処理手段により生成された拡大画像情報を前記合成画像情報の表示画面とは別画面上に又は同一画面上に表示させる表示装置であることを特徴とする請求項1に記載の施設内の監視装置である。
【0017】
前記画像処理装置は、さらに、外部信号を受け取り、あらかじめ当該外部信号と関連づけて記憶されている前記合成画像情報の指定領域の画像データから拡大画像情報を生成する拡大処理手段をも有する。ここで、外部信号は、監視者が入力するものであっても、ホールコンピュータ等の不正行為を知らせるシステムにおいて、アラーム信号等により自動的に送られるものであっても良い。また、監視者が入力する方法としては、連動している台数ボタンを押したり、直接モニタ画面をタッチしたり、マウスでクリックしたり等、どのような方法であっても良い。外部信号は、あらかじめ前記合成画像情報の所定の指定領域の画像データと関連づけて記憶されており、この外部信号を受け取ると、拡大処理手段は当該画像データの拡大画像情報を生成する。たとえば、○○番台を指定する外部信号を受け取った場合には、○○番台付近の画像データ(xy座標の画素データ等)を基に拡大画像情報を生成する。
【0018】
このような拡大画像情報は、合成画像情報の表示画面(通常表示画面=監視画面)とは別のモニタ画面に表示させても良いし、同一の画面上に表示させても良い。
【0019】
本発明によれば、特定の台をズームアップさせたいときでも、監視カメラ自体は動かさないで特定の映像のみを拡大表示させることができるので、死角を生むことがなく、本来の監視を続けながら不正行為の確認を行うことができる。
【0020】
本発明は、凸面鏡および前記凸面鏡に対して所定の位置に設置されたカメラにより前記凸面鏡に映る反射虚像を撮像する広範囲撮像手段と、前記広範囲撮像手段により撮像された映像をあらかじめ定められた方法に従って変換する変換処理手段と、前記変換処理手段により変換された画像情報を縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成させる合成処理手段と、前記合成処理手段により生成された合成画像情報を表示させる表示手段とを有することを特徴とする施設内の監視システムである。
【0021】
また、本発明は、凸面鏡および前記凸面鏡に対して所定の位置に設置されたカメラにより前記凸面鏡に映る反射虚像を撮像する広範囲撮像手段と、前記広範囲撮像手段により撮像された映像をあらかじめ定められた方法に従って変換する変換処理手段と、前記変換処理手段により変換された画像情報を縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成させる合成処理手段と、外部信号を受け取り、あらかじめ当該外部信号と関連づけて記憶されている指定領域の画像データから拡大画像情報を生成する拡大処理手段と、前記合成処理手段により生成された合成画像情報を表示させ、かつ、前記拡大処理手段により生成された拡大画像情報を前記合成画像情報の表示画面とは別画面上に又は同一画面上に表示させる表示手段とを有することを特徴とする施設内の監視システムである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。本実施例は、本発明の監視装置をパチンコ店内に設置したものである。
【0023】
実施例に用いられた広範囲撮像装置は、全方位を撮像することのできる全方位撮像装置であり、図3に示すとおりである。凸面鏡2と、該凸面鏡2の頂部と対向する位置に配置されるカメラ4(詳細は図示せず)と、凸面鏡2に外嵌して凸面鏡2とカメラ4を連結する筒体5と、凸面鏡2の頂部からカメラ方向に突設された棒状体3とからなっている。図中のαは視野範囲を示している。すなわち、該全方位撮像装置1によれば、カメラの光軸6を中心とした視野範囲αの全方位の光がカメラレンズに集光するようになっており、この範囲をすべて撮影することができる。なお、棒状体3は内面反射を防止するためのものである。
【0024】
図4は、全方位撮像装置1をパチンコ店内の各島に設置する場合の横から見た説明図である。また、図5は、全方位撮像装置1をパチンコ店内の各島に設置する場合の上方から見た説明図である。図4にあるように、本実施例では全方位撮像装置1は、島ごとに、島の天板にL字ポール12を立て、その先端に横向きに設置した。なお、広範囲撮像装置はL字ポールに設置するもののほか、天井からワイヤー等で吊り下げたり、天井に固定したり等どのような設置方法であっても良い。また、図5にあるように、本実施例では全方位撮像装置1は各島の中央に設置した。広範囲撮像装置を設置する場合には主に設置島の客の手元が映るような位置に設置する。なお、広範囲撮像装置は縦向きに設置することもでき、また、横向きでも図4とは逆の方向に設置することもできる。さらに、島ごとのパチンコ台数が多いときは、一つの島に複数台設置しても良い。要は、客の手元が映るのに適切な位置に適切な個数を施設に応じて設置すれば良い。
【0025】
図4に示すように、A島、B島、C島に設置されている各全方位撮像装置を、それぞれカメラ1、カメラ2、カメラ3とする。この中でB島に設置されているカメラ2を中心に説明する。なお、図中のαはカメラ2の視野範囲を示しており、カメラ2はかかる視野範囲αの全方位の撮影が可能である。カメラ2は、主にB島の客の手元が映るように設置されており、かつ、A島の客の背後も映るようになっている。同様に、カメラ1はA島の客の手元およびB島の客の背後を、カメラ3はC島の客の手元および通路を挟んだ隣の島の客の背後をそれぞれ撮影する。これにより、客の不正行為をどちらの角度からも同時に監視することが可能になる。
【0026】
カメラ2で撮影した全方位撮像原画を図6に示す。このように、主にB島に座っている客の手元がはっきりと映り、かつ、A島の客の背後も撮影することができるため、客の不正行為を効率良く監視することができる。特に、客のほぼ真上から撮影できるので人の体に遮られることなく客の手元が確実に監視できるのに加えて、全方位の撮像が可能なので一台のカメラで島の一列全員の客の手元を同時に監視することができる。なお、図面中の斜線部分(上半円)は天井が映っている部分であり不要な部分である。
【0027】
図6に示すように、全方位撮像装置で撮像した画像は外周にいくほど歪みが大きくなっている。したがって、全方位撮像装置により撮像した映像は、画像処理を行う必要がある。本実施例の画像処理装置(図示せず)では、原画の歪みをなくして、不要部分を切り捨てる処理を行う。なお、本実施例では凸面鏡は一つなので、各映像ごとに左右反転する処理も行われる。凸面鏡が二つ等偶数個用いられる場合は当該反転処理は不要である。
【0028】
図7は本実施例の監視装置の構造の説明図である。全方位撮像装置1によって撮像された映像の画像情報は、画像処理装置20が受け取り、その変換処理手段22によって歪みのない画像に変換される。すなわち、カメラ1による画像情報は手段aによって変換され、同様にカメラ2は手段b、カメラ3は手段c、カメラ4は手段dによって変換される。次に、上記のような変換処理が行われた各変換画像情報は合成処理手段23によって縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成された合成画像情報とされる。当該合成画像情報をそのまま表示装置21によって表示させたものが通常表示画面(監視画面)である。さらに、画像処理装置20の拡大処理手段25では外部信号24を受け取って関連する拡大画像情報を生成し、これを表示装置21によって表示させたものが拡大表示画面である。
【0029】
この流れを実際の画像を並べて説明したものが図8である。図8中の上図は、パチンコ店内の島等の位置関係を示したものである。中図は、島に設置した全方位撮像装置1(カメラ1および2)による原画を示したものである。カメラ3および4による原画は省略する。下図は、これらを画像処理装置20の変換処理手段22により変換処理し、かつ、合成処理手段23によって合成処理した画像処理後の映像を示したものである。上図の店内の位置関係は図5において説明したとおりである。A島に設置した全方位撮像装置をカメラ1、B島のものをカメラ2、C島のものをカメラ3、D島のものをカメラ4とする。B島の端の客を客Xと、その背中合わせに位置するA島の客を客Yとする。また、全方位撮像原画においては図6において説明したとおりである。(a)図がカメラ1によって撮像された原画、(b)図がカメラ2によって撮像された原画である。(a)図のカメラ1による映像では客Xの背後および、客Yの手元が映っており、(b)図のカメラ2による映像では客Xの手元および客Yの背後が映っている。半円なのは本実施例では不要な部分を省略したものである。なお、本実施例では、この不要な部分は上記変換処理手段22により変換処理される前に切り捨てられるが、このような不要な部分をあらかじめ撮影しないような広範囲撮像装置を用いることもできる。これらの原画が画像処理装置20で処理されることにより、パノラマ映像となり、これら4つのパノラマ映像を縦方向に並列に合成させたものが、図8中下図の画像処理後の映像の図である。このように、4つのパノラマ映像を合成する場合には、店内の位置関係と近い形で並列させ合成する。すなわち、客Xと背中合わせに客Yが表示される等、各島の位置関係が実際の店内の様子に近くなるように並べる。したがって、これがモニタに表示された場合にモニタ画面の映像を一目見るだけで、店内の様子を瞬時に把握することができ、効率よく監視をすることができる。
【0030】
図9は、表示装置に表示される拡大表示画面の説明図である。図9中の上図は、図8の下図の映像が表示装置により表示された状態を示している。これが、表示装置(モニタ等)の通常表示画面である。図中の2番台をズームアップさせたい場合には、本実施例の監視装置と関連づけられた任意の2番台ボタン(図示せず)を押す。画像処理装置20の拡大表示手段25は、この外部信号を受け取り、あらかじめ記憶されていた2番台の指定領域(斜線部)の拡大画像情報を生成して、これを表示装置21は拡大表示画面として表示する。この拡大表示画面は、図9中の(a)図にあるように、別の表示装置に表示させるものでも良く、また、(b)図にあるように、同じ表示装置に表示させるものでも良い。(b)図の拡大表示画面はマウスによって画面上を任意にドラッグして位置を変更することができる。これにより、客の座っていない島の映像の上に拡大表示画面を動かすことができ、死角を生まない工夫ができる。また、画面の大きさも任意に変更することもできる。これにより、通常表示画面で本来の監視を続けながら、拡大表示画面により客の不正行為をも同時に監視することが可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、広範囲撮像装置を用いているので、死角がなく不正行為を確実に監視することができる。また、施設内の様子に近い形の映像に画像処理をしてモニタに表示することができるので、モニタ画面の映像を一見するだけで店内の様子が理解しやすく、これにより監視者の負担が軽減され、効率よく監視することができる。また、不正行為が行われている台等をズームアップする場合にも、監視カメラのズームレンズによりズームアップするわけではないので、死角を作り出すことなく、継続的に監視することが可能である。これにより、不正行為を萎縮させて、防止する効果もあると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のモニタ画面の分割表示についての説明図である。
【図2】本発明のモニタ画面の分割表示についての説明図である。
【図3】本発明の一実施例に使用した全方位撮像装置の説明図である。
【図4】本発明の一実施例として、全方位撮像装置をパチンコ店内の各島に設置する場合の横から見た説明図である。
【図5】本発明の一実施例として、全方位撮像装置をパチンコ店内の各島に設置する場合の上方から見た説明図である。
【図6】本発明の一実施例に使用した全方位撮像装置により撮像した原画の説明図である。
【図7】本発明の一実施例の監視装置の構造の説明図である。
【図8】本発明の一実施例の監視装置の画像の流れの説明図である。
【図9】本発明の一実施例の監視装置の表示装置の拡大表示画面の説明図である。
【符号の説明】
1 全方位撮像装置
2 凸面鏡
3 棒状体
4 カメラ
5 筒体
6 光軸
11 パチンコ台
12 ポール
20 画像処理装置
21 表示装置
22 変換処理手段
23 合成処理手段
24 外部信号
25 拡大処理手段
Claims (4)
- 凸面鏡および前記凸面鏡の軸心上に対向して設置されたカメラを備えた広範囲撮像装置と、前記広範囲撮像装置により撮像された映像をあらかじめ定められた方法に従って変換する変換処理手段および前記変換処理手段により変換された画像情報を縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成させる合成処理手段とを備えた画像処理装置と、前記合成処理手段により生成された合成画像情報を表示させる表示装置とを有することを特徴とする施設内の監視装置
- 前記画像処理装置は、外部信号を受け取り、あらかじめ当該外部信号と関連づけて記憶されている前記合成画像情報の指定領域の画像データから拡大画像情報を生成する拡大処理手段をも有し、前記表示装置は、前記拡大処理手段により生成された拡大画像情報を前記合成画像情報の表示画面とは別画面上に又は同一画面上に表示させる表示装置であることを特徴とする請求項1に記載の施設内の監視装置
- 凸面鏡および前記凸面鏡に対して所定の位置に設置されたカメラにより前記凸面鏡に映る反射虚像を撮像する広範囲撮像手段と、前記広範囲撮像手段により撮像された映像をあらかじめ定められた方法に従って変換する変換処理手段と、前記変換処理手段により変換された画像情報を縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成させる合成処理手段と、前記合成処理手段により生成された合成画像情報を表示させる表示手段とを有することを特徴とする施設内の監視システム
- 凸面鏡および前記凸面鏡に対して所定の位置に設置されたカメラにより前記凸面鏡に映る反射虚像を撮像する広範囲撮像手段と、前記広範囲撮像手段により撮像された映像をあらかじめ定められた方法に従って変換する変換処理手段と、前記変換処理手段により変換された画像情報を縦方向にのみ又は横方向にのみ並列に合成させる合成処理手段と、外部信号を受け取り、あらかじめ当該外部信号と関連づけて記憶されている指定領域の画像データから拡大画像情報を生成する拡大処理手段と、前記合成処理手段により生成された合成画像情報を表示させ、かつ、前記拡大処理手段により生成された拡大画像情報を前記合成画像情報の表示画面とは別画面上に又は同一画面上に表示させる表示手段とを有することを特徴とする施設内の監視システム
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