JP2004153085A - 吸着ステージ - Google Patents

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尚久 孫工
Itsuo Fujiwara
五男 藤原
Yasumichi Tawara
靖通 田原
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Abstract

【課題】吸着ステージを回転駆動させずに洗浄した場合でも、洗浄液が被洗浄板の裏面側に回り込むことを防止することができる吸着ステージを提供する。
【解決手段】洗浄液により被洗浄板41を洗浄するプロセスにおいて、被洗浄板41を吸着固定する吸着ステージであって、内部の空気が吸引されて被洗浄板を吸着する真空吸着溝14からなる吸着エリアが設けられた主表面13に、真空吸着溝14より外側かつ被洗浄板41の裏面外縁部より内側に位置し、被洗浄板41の裏面外縁部に沿うようにエア吹き出し口15を設ける。また、吸着エリアから吸引を開始する第1の動作と、吸着エリアからの吸引を完了した後、エア吹き出し口15からエアの吐出を開始する第2の動作とを行なうように制御し、かつ、第2の動作においては、被洗浄板41が浮き上がらないようエア吹き出し口15からの風量を制御する制御器36を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、洗浄液により被洗浄板を洗浄するプロセスにおいて、被洗浄板を吸着固定する吸着ステージに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体ウェハやLCD(Liquid Crystal Display)用ガラス板のような薄板状基板からなる被洗浄板を洗浄する代表的なものとして、スピン洗浄方式がある。この方式においては、まず被洗浄板を吸着ステージに吸着固定し、吸着ステージを回転駆動することで被洗浄板を高速回転させる。この回転する被洗浄板の上面に対して洗浄液を吐出し、被洗浄板の上面を洗浄する。この方式よると、被洗浄板を回転させて、その遠心力により洗浄液を外方に飛散させながら洗浄するので、被洗浄板裏面への洗浄液の回り込みを防止することができる。
【0003】
しかし、この方式においては、吸着ステージを高速回転させる必要があるため、大型の回転駆動系が必要となり、洗浄装置が大型化するという問題点があった。
【0004】
一方、スピン洗浄方式のように吸着ステージを回転させることなく洗浄を行なう場合には、洗浄装置が大型化するという問題は回避できる。
【0005】
薄板状基板の被洗浄板を吸着固定する従来の吸着ステージは、次のようなものである。吸着ステージ上面の主表面に真空吸着溝を格子状に配設し、この真空吸着溝を真空源に接続する。この真空吸着溝は、被洗浄板に対応する範囲に設けられている。被洗浄板を吸着固定する場合には、主表面上に被洗浄板を載置し、真空源を作動させることで、被洗浄板を真空吸着溝に吸い付けて、被洗浄板を主表面に密着させる。このような薄板状基板を吸着固定する吸着ステージとしては、たとえば特許文献1および特許文献2に記載したようなものがある。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−135316号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2000−221479号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように被洗浄板を吸着ステージに吸着固定し、これを回転させることなく洗浄する場合には、次のような問題が生ずる。前述のように、被洗浄板は真空吸着溝に吸引されることで、吸着ステージの主表面に密着して固定する。この状態で、被洗浄板の上面に洗浄液を吐出して洗浄すると、洗浄液が被洗浄板端面から流れ落ちる際に、吸着ステージと被洗浄板端面との隙間から毛細管現象により流入し、被洗浄板の裏面を濡らすことがあった。また、吸着ステージと被洗浄板の間に流入した洗浄液が、真空吸着溝にまで達してこれを詰まらせることがあった。
【0009】
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、吸着ステージを回転駆動させずに洗浄した場合でも、洗浄液が被洗浄板の裏面側に回り込むことを防止することができる吸着ステージを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に基づいた吸着ステージに従えば、洗浄液により被洗浄板を洗浄するプロセスにおいて、被洗浄板を吸着固定する吸着ステージであって、空気を吸引することにより被洗浄板を吸着する吸着エリアが設けられた主表面に、上記吸着エリアより外側にエア吹き出し口が設けられている。
【0011】
上記吸着ステージによると、吸着エリアの外側にエア吹き出し口が設けられているので、エア吹き出し口から微量のエアを吹き出すことで、吸着ステージと被洗浄板との隙間から毛細管現象で洗浄液が進入することを阻止することができる。その結果、洗浄液により被洗浄板の裏面を濡らしたり、洗浄液が吸着エリアを詰まらせたりすることを防止することができる。
【0012】
上記吸着ステージにおいて好ましくは、上記エア吹き出し口が、上記被洗浄板の裏面外縁部に沿うように設けられている。この構成によると、洗浄液の進入をより確実に防ぐことができる。
【0013】
上記吸着ステージにおいてさらに好ましくは、上記主表面の上記吸着エリアと上記エア吹き出し口の間に、補助吸着エリアを設け、上記補助吸着エリアには、上記吸着エリアとは別系統の真空源を接続する。この構成によると、別系統の真空源に接続された補助吸着エリアが設けられているので、エア吹き出し口から吹き出したエアが、吸着エリアの方向にリークしても、そのエアは補助真空吸着溝に吸収されるので、エア吹き出し口から吹き出したエアが、吸着エリア内に流れ込んで、被洗浄板の吸着圧が低下することを防止することができる。
【0014】
上記吸着ステージにおいてさらに好ましくは、上記吸着エリアから吸引を開始する第1の動作と、上記吸着エリアからの吸引を完了した後、上記エア吹き出し口からエアの吐出を開始する第2の動作とを行なうように制御し、かつ、上記第2の動作においては、被洗浄板が浮き上がらないようエア吹き出し口からの風量を制御する制御器を設けている。吸着エリアからの吸引と、エア吹き出し口からのエアの吐出を同時に行なった場合には、吸引量と吐出量のバランスにより被洗浄板がうまく吸着できないことあるが、この構成によると、第1の動作により被洗浄板を吸着した後、第2の動作でエア吹き出し口からのエアの吐出を開始するように制御器により制御するので確実に被洗浄板を吸着固定することができる。また、被洗浄板が浮き上がらないようにエア吹き出し口からの風量を制御するので、一旦吸着した被洗浄板が、エア吹き出し口から吹き出されたのエアの影響により浮き上がることを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本実施の形態における吸着ステージについて、図を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態における吸着ステージについて、図1から図3を参照して説明する。なお、図1は、本実施の形態における吸着ステージの上面(主表面)を示す平面図であり、図2は、同吸着ステージの縦断面を示す説明図であり、図3は、同吸着ステージのエア吹き出し口近傍を拡大した説明図である。
【0017】
(吸着ステージの構造)
図1から図3を参照して、吸着ステージ11の構造について説明する。
【0018】
この実施の形態の吸着ステージ11は、被洗浄板41が載置される平面状の主表面13を備える吸着ステージ本体12と、これに接続される真空源33、エア供給源32および制御器36などで構成されている。
【0019】
吸着ステージ本体12は、上面が略平面状に構成されて主表面13を構成し、この主表面13には、被洗浄板41が吸着固定される。図1に示すように、主表面13には、真空吸着溝14が格子状に構成されており、被洗浄板41が吸着される吸着エリアを構成している。吸着エリアは、後述するエア吹き出し口15が配設される、載置される被洗浄板41の外縁部に対応するエリアを除いて、被洗浄板41の裏面全面に亙るように設けられる。吸着ステージ本体12は、静電気の発生を防止するため、被洗浄板41と同一の材料で構成しても良い。
【0020】
図2に示すように、真空吸着溝14には真空源31が接続されている。真空吸着溝14と真空源31との間は、配管21で連結され、その経路の途中には、電磁弁などからなるバルブ22が設けられている。バルブ22には、制御器36が接続されて、この制御器36によりその開閉を制御することができる。真空源31は真空ポンプなどで構成され、この真空源31も制御器36により制御される。
【0021】
図1および図3に示すように、被洗浄板41の外縁部の内側に対応する位置には、被洗浄板41の外縁に沿うように、エア吹き出し口15が配設されている。エア吹き出し口15は、真空吸着溝14の外側を囲むように形成され、その断面は図3に示すように溝状に構成されている。図2に示すように、エア吹き出し口15には、配管23を介して、送風機などで構成されたエア供給源32が接続されている。エア供給源32には、制御器36を接続されており、制御器36によりその作動を制御することができる。この制御器36は、エア供給源32の運転、停止のみでなく、エア供給源32から送られる風量も制御し、エア吹き出し口15から送られるエアの量を、吸着された被洗浄板41が浮き上がらない程度に保つ。
【0022】
図2に示すように、配管21と配管23の間には電磁弁などで構成されたバルブ24が設けられ、バルブ24を開閉することで、配管21と配管23の間を連通、遮断することができる。このバルブ24にも制御器36が接続され、制御器36によりその開閉を制御することができる。
【0023】
(吸着ステージの動作)
本実施の形態の吸着ステージの動作について説明する。まず吸着ステージ11の主表面13上に被洗浄板41を載置する。このとき、被洗浄板41の載置位置に誤差があると、真空吸着溝14による吸着がうまく行なわれなかったり、エア吹き出し口15から吐出するエアがうまく作用しなかったりする恐れがあるため、精度良く載置する必要がある。次に、第1の動作として制御器36により制御して真空源31を作動させるとともにバルブ22を開放して真空吸着溝14内の空気の吸引を開始し、被洗浄板41を主表面13に密着させる。このときバルブ24は閉鎖した状態に保たれている。
【0024】
被洗浄板41の吸着固定が完了すると、第2の動作として制御器36により制御されてエア供給源32からエアの吐出を開始する。このとき吐出するエアの流量は、制御器36により調節される。エア吹き出し口15から吐出量が多すぎると被洗浄板41の浮き上がりが生じたり、吹き出したエアーが被洗浄物41の外縁部付近で大量の気泡を作ってしまう恐れがあるため、真空源31により吸引する風量とバランスをとりながら、被洗浄板41の浮き上がりや気泡が生じない程度に調節する。エア吹き出し口15から吹き出されたエアは、図3に矢印で示すように吸着ステージ11の主表面13と被洗浄板41の端縁との隙間から外方に向かって吐出される。
【0025】
真空吸着溝14からの吸引と、エア吹き出し口15からのエアの吐出を同時に開始した場合には、吸引量と吐出量のバランスにより被洗浄板がうまく吸着できないことあるが、このように第1の動作により被洗浄板41を吸着した後、第2の動作でエア吹き出し口15からのエアの吐出を開始するように制御器36により制御するので、確実に被洗浄板41を吸着固定することができる。
【0026】
この状態で、被洗浄板41の表面に、洗浄液を吐出し被洗浄板41を洗浄する。このとき被洗浄板41の外縁部からは、前述のようにエアが吐出しているので、洗浄液が被洗浄板41の裏面側にまわり込むことはない。
【0027】
洗浄プロセスが終了すると、バルブ22を閉鎖して真空源31を遮断した後、バルブ24を開放して真空吸着溝14にエアを送り込み真空破壊を行なって被洗浄板41を取り外す。
【0028】
(作用・効果)
本実施の形態の吸着ステージによると、真空吸着溝14の外側を囲むようにエア吹き出し口15を設け、エア吹き出し口15から微量のエアを吹き出すので、吸着ステージ11と被洗浄板41との隙間から毛細管現象で洗浄液が進入することを阻止することができる。
【0029】
また、エア吹き出し口15は、被洗浄板41の裏面外縁部の内側に沿うように設けられているので、エア吹き出し口15から吹き出したエアが、吸着ステージ11と被洗浄板41との隙間から、外側にうまく排出され、より確実に洗浄液のまわり込みを防止することができる。その結果、洗浄液により被洗浄板41の裏面を濡らしたり、洗浄液が真空吸着溝14を詰まらせたりすることがない。
【0030】
また、真空吸着溝14から吸引を開始する第1の動作と、真空吸着溝14からの吸引を完了した後、エア吹き出し口15からエアの吐出を開始する第2の動作とを行なうように制御し、かつ、上記第2の動作においては、被洗浄板41が浮き上がらないようエア吹き出し口15からの風量を制御する制御器36を設けている。真空吸着溝14からの吸引と、エア吹き出し口15からのエアの吐出を同時に行なった場合には、吸引量と吐出量のバランスにより被洗浄板41がうまく吸着できないことあるが、この構成によると、第1の動作により被洗浄板41を吸着した後、第2の動作でエア吹き出し口15からのエアの吐出を開始するように制御器36により制御するので確実に被洗浄板41を吸着固定することができる。また、被洗浄板41が浮き上がらないようにエア吹き出し口15からの風量を制御するので、一旦吸着した被洗浄板41がエア吹き出し口15から吹き出されたのエアの影響により浮き上がることを防止することができる。
【0031】
(実施の形態2)
次に異なる実施の形態について、図4および図5を参照して、上記実施の形態と異なる事項のみを説明する。なお、図4は、本実施の形態における吸着ステージの上面(主表面)を示す平面図であり、図5は、同吸着ステージの縦断面を示す説明図である。
【0032】
本実施の形態の吸着ステージ11においては、吸着ステージ本体12の主表面13に設けた真空吸着溝14とエア吹き出し口15の間に、補助吸着エリアを構成する補助真空吸着溝16が設けられており、補助真空吸着溝16には、真空吸着溝14の第1真空源31とは別系統の第2真空源33が接続されている。
【0033】
第2真空源33と補助真空吸着溝16との間は、配管25で連結され、その経路の途中には電磁弁からなるバルブ26が設けられている。第2真空源33およびバルブ26にも制御器36が接続され、これらの動作を制御する。
【0034】
また、補助真空吸着溝16と第2真空源33とを連結する配管25と、エア吹き出し口15とエア供給源32とを連結する配管23とは、バルブ27を介して接続されている。このバルブ27にも制御器36が接続され、その開閉を制御する。
【0035】
吸着ステージ11の動作について説明する。被洗浄板41を主表面13上に載置した後、第1の動作としてバルブ22および26を開放し、第1真空源31および第2真空源33を作動させて、真空吸着溝14および補助真空吸着溝16からの吸引を開始する。被洗浄板41の吸着固定が完了した後、第2の動作としてエア供給源32を作動させ、エア吹き出し口15からのエアの吹き出しを開始する。このとき真空吸着溝14の第1真空源31とは別系統の第2真空源33が接続された補助真空吸着溝16を設けているので、エア吹き出し口15から吹き出したエアが、真空吸着溝14が設けられた吸着エリアの方向にリークしても、そのエアは補助真空吸着溝16に吸収されるので、真空吸着溝14に流れ込んで、被洗浄板41の吸着圧が低下することがなく、安定して被洗浄板41を吸着固定することができる。
【0036】
上記実施の形態では、吸着エリアを格子状の真空吸着溝により構成したが、吸着エリアは、たとえば格子状に並んだ複数の吸着孔などにより構成しても良い。補助吸着エリアも同様に、直線状に並んだ複数の吸着孔などにより構成しても良い。
【0037】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に基づいた実施の形態1における吸着ステージの上面(主表面)を示す平面図である。
【図2】この発明に基づいた実施の形態1における吸着ステージの縦断面を示す説明図である。
【図3】この発明に基づいた実施の形態1における吸着ステージのエア吹き出し口近傍を拡大した説明図である。
【図4】この発明に基づいた実施の形態2における吸着ステージの上面(主表面)を示す平面図である。
【図5】この発明に基づいた実施の形態2における吸着ステージの縦断面を示す説明図である。
【符号の説明】
11 吸着ステージ、13 主表面、14 真空吸着溝(吸着エリア)、15エア吹き出し口、16 補助真空吸着溝(補助吸着エリア)、31 真空源(第1真空源)、32 エア供給源、33 第2真空源、36 制御器、41 被洗浄板。

Claims (4)

  1. 洗浄液により被洗浄板を洗浄するプロセスにおいて、被洗浄板を吸着固定する吸着ステージであって、
    空気を吸引することにより被洗浄板を吸着する吸着エリアが設けられた主表面に、前記吸着エリアより外側にエア吹き出し口を設けた、吸着ステージ。
  2. 前記エア吹き出し口は、前記被洗浄板の裏面外縁部に沿うように設けられている、請求項1に記載の吸着ステージ。
  3. 前記主表面の前記吸着エリアと前記エア吹き出し口の間に、補助吸着エリアを設け、前記補助吸着エリアには、前記吸着エリアとは別系統の真空源を接続した、請求項1または2に記載の吸着ステージ。
  4. 前記吸着エリアから吸引を開始する第1の動作と、前記吸着エリアからの吸引を完了した後、前記エア吹き出し口からエアの吐出を開始する第2の動作とを行なうように制御し、かつ、前記第2の動作においては、被洗浄板が浮き上がらないようエア吹き出し口からの風量を制御する制御器を設けた、請求項1〜3のいずれかに記載の吸着ステージ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101315874B (zh) * 2007-05-31 2012-01-11 芝浦机械电子株式会社 基板的保持装置及基板的处理方法
CN110462793A (zh) * 2017-03-21 2019-11-15 东京毅力科创株式会社 载物台清洁方法、载物台清洁构件、载物台清洁构件的制造方法、以及检查系统

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