JP2004153012A - 光源の制御回路、光源装置及び光増幅器 - Google Patents
光源の制御回路、光源装置及び光増幅器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明の主な課題は、制御誤差が少なく、且つ、高速動作が可能な光源の制御装置、光源装置及び光増幅器を提供することである。
【解決手段】本発明による光源の制御装置は、フォトダイオード11と、フォトダイオードに光が入力したときにそのパワーに応じた電流が流れるようにフォトダイオードに電圧を印加する電圧源と、フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換して光源に高速で供給する電流/電圧変換回路2と、電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧を抑圧する積分回路3とを備えている。この構成によると、積分回路の採用により電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧をキャンセルすることができるので、制御誤差の生じ難い光源の制御装置の提供が可能になる。
【選択図】 図4
【解決手段】本発明による光源の制御装置は、フォトダイオード11と、フォトダイオードに光が入力したときにそのパワーに応じた電流が流れるようにフォトダイオードに電圧を印加する電圧源と、フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換して光源に高速で供給する電流/電圧変換回路2と、電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧を抑圧する積分回路3とを備えている。この構成によると、積分回路の採用により電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧をキャンセルすることができるので、制御誤差の生じ難い光源の制御装置の提供が可能になる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源の制御回路、光源装置及び光増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、低損失(例えば0.2dB/km)な石英系の光ファイバの製造技術及び使用技術が確立され、光ファイバを伝送路とする光通信システムが実用化されている。また、光ファイバにおける損失を補償して長距離の伝送を可能にするために、光信号又は信号光を増幅するための光増幅器が実用に供されている。
【0003】
従来知られているのは、増幅されるべき信号光が供給される光増幅媒体と、光増幅媒体が信号光の波長を含む利得帯域を提供するように光増幅媒体をポンピング(励起)するポンピングユニットとから構成される光増幅器である。
【0004】
例えば、石英系ファイバで損失が小さい波長1.55μm帯の信号光を増幅するために、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)が開発されている。EDFAは、光増幅媒体としてエルビウムドープファイバ(EDF)と、予め定められた波長を有するポンプ光をEDFに供給するためのポンプ光源とを備えている。0.98μm帯あるいは1.48μm帯の波長を有するポンプ光を用いることによって、波長1.55μmを含む利得帯域が得られる。
【0005】
図1を参照すると、光増幅器が適用される光ファイバ通信システムが示されている。このシステムは、光送信回路102と光受信回路104の間に光ファイバ伝送路106を敷設して構成されている。光送信回路102から出力された光信号は、ポストアンプとしての光増幅器108により増幅されて光ファイバ伝送路106に送出される。光ファイバ伝送路106により伝送された光信号は、プリアンプとしての光増幅器110により増幅されて光受信回路104のフォトダイオード12に入力される。
【0006】
ここで、ポストアンプとして光増幅器108を設けているのは、光ファイバ伝送路106に送出される光信号のパワーを高めて、伝送可能距離を長くするためである。パワーが高過ぎると非線形効果により伝送特性が劣化することがあるので、適切なパワーが設定される。また、プリアンプとして光増幅器110を設けているのは、フォトダイオード12に入力される光信号のパワーを高めて受信感度を高めるためである。
【0007】
特に、プリアンプとしての光増幅器110は、伝送される光信号が光速である場合に受信感度を高めるために重要である。即ち、従来、アバランシェフォトダイオード(APD)のように増幅作用のある受光素子を用いて、低コストで受信感度の向上が図れたものであるが、10Gbits/sec程度の高速信号用のAPDは実用化されておらず、光増幅器の採用による受信感度の向上が有効なのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、光増幅器を実用する場合には、その出力が一定になるような制御が必要になることがある。例えば、フォトダイオードでモニタ光のパワーを検出し、それが一定になるようにポンプ光源が制御される。この場合、制御回路としては演算増幅器(オペアンプ)を用いたものが提供される。しかし、演算増幅器には固有のオフセット電圧があり、制御誤差が生じる。
【0009】
また、オフセット電圧の低い演算増幅器を使用することによって制御誤差を低減することができるが、演算増幅器のオフセット電圧と動作速度の間にはトレードオフの関係があるので、光増幅器の入力信号パワーの変動に対して充分な動作速度を得ることができなくなるという問題もある。
【0010】
よって、本発明の目的は、動作高速性を失わずに制御誤差が生じ難い光源の制御装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的はそのような制御装置を備えた光源装置を提供することである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、そのような光源装置を備えた光増幅器を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、フォトダイオードと、フォトダイオードに光が入力したときにそのパワーに応じた電流が流れるようにフォトダイオードに電圧を印加する電圧源と、フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換して光源に供給する電流/電圧変換回路と、電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧を抑圧する積分回路とを備えた光源の制御回路が提供される。
【0014】
この構成によると、積分回路の採用により電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧をキャンセルすることができるので、制御誤差の生じ難い光源の制御装置の提供が可能になる。
【0015】
望ましくは、電流/電圧変換回路は、フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換して光源に高速で供給する。これにより、動作高速性を損なうことなく制御誤差を低減することができる。
【0016】
本発明の他の側面によると、フォトダイオードと、フォトダイオードに光が入力したときにそのパワーに応じた電流が流れるようにフォトダイオードに電圧を印加する電圧源と、フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換する電流/電圧変換回路と、電流/電圧変換回路から出力された電圧が供給される光源と、電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧を抑圧する積分回路とを備えた光源装置が提供される。
【0017】
本発明の更に他の側面によると、増幅されるべき光が供給される光増幅媒体と、光増幅媒体で利得が生じるように光増幅媒体にポンプ光を供給するポンプ光源と、光増幅媒体に供給される光及び光増幅媒体から出力される光の少なくともいずれかから分配された光を受けるフォトダイオードと、フォトダイオードに光が入力したときにそのパワーに応じた電流が流れるようにフォトダイオードに電圧を印加する電圧源と、フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換して前記ポンプ光源に供給する電流/電圧変換回路と、電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧を抑圧する積分回路とを備えた光増幅器が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の望ましい実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
【0019】
先ず、本願発明の優位性を説明するために必要と思われるので、光増幅器に適した従来の光源の制御回路を図面に基いて詳細に説明しておく。
【0020】
図2を参照すると、光源の制御回路の従来例(A)及びその特性(B)が示されている。図2の(A)に示されるように、この制御回路は、フォトダイオード202を電圧源204に接続し、フォトダイオード2による電圧降下を演算増幅器208により増幅して図示しない光源用の電圧V0を得るように構成されている。フォトダイオード202に直列に接続されるべき抵抗R1及びR2はスイッチ206により切換えられるようになっている。
【0021】
図2の(B)は出力電圧V0とフォトダイオード202に流れる電流の関係を示すグラフである。負荷抵抗として、抵抗R1より小さいR2(=R1/x)を選択すると、入力ダイナミックレンジは電流iが大きい方向にx倍広くなるが、オフセット電圧もx倍になるために誤差が大きくなり、電流iが小さい方向に関して入力ダイナミックレンジは狭くなる。従って、所要の入力ダイナミックレンジを確保するためには、電流iに応じてスイッチ6により負荷抵抗R1及びR2を手動により切換える必要がある。
【0022】
図3を参照すると、光源の制御回路の他の従来例(A)及びその特性(B)が示されている。図3の(A)に示されるように、演算増幅器208の帰還抵抗に代えてダイオード210を採用することによって、対数変換回路が構成されている。この場合、図3の(B)に示されるように、出力電圧V0と入力電流iの関係が対数関数として与えられるので、電流iが大きい領域でのダイナミックレンジの拡大と、電流iが小さい領域でのオフセット電圧による誤差の減少とを両立させることができる。
【0023】
本発明では、図3により説明した対数変換回路を採用すると共に、そのオフセット電圧を抑圧するための手段を採用することで、制御誤差を排除するようにしている。具体的には以下の通りである。
【0024】
図4は本発明による光源の制御回路の実施形態を示す回路図である。この制御回路は、光/電気変換回路1、電流/電圧変換回路2及び積分回路3を備えており、モニタ用の光を受けてそのパワーに応じた出力電圧V0を出力するように動作する。
【0025】
光/電気変換回路1は、そのカソードが電圧源V+に接続されるフォトダイオード11によって提供されている。逆バイアスが印加されているフォトダイオード11に光が入力すると、そのパワーに応じた光電流がフォトダイオード11に流れる。
【0026】
電流/電圧変換回路2は、演算増幅器22と、演算増幅器22のマイナス側入力ポート及び出力ポート間に並列に接続されるダイオード12及び抵抗14とを含む。演算増幅器22のマイナス側入力ポートはダイオード11のアノードに接続される。
【0027】
積分回路3は、演算増幅器21と、演算増幅器21のマイナス側入力ポート及び出力ポート間に接続されるキャパシタ15と、演算増幅器21のマイナス側入力ポート及びダイオード11のアノード間に接続される抵抗13とを含む。演算増幅器21のプラス側入力ポートは接地され、演算増幅器21の出力ポートは演算増幅器22のプラス側入力ポートに接続される。
【0028】
電流/電圧変換回路2の演算増幅器22に正又は負のオフセット電圧が発生すると、そのオフセット電圧は積分回路3にフィードバックされる。すると、積分回路3の演算増幅器21の出力電圧がオフセット電圧を抑圧するように演算増幅器22のプラス側入力ポートに供給される。これにより誤差の少ない制御が可能になる。
【0029】
図5は図4に示される制御回路の動作を説明するための図である。同図の上側には、演算増幅器22のマイナス側入力ポートの電位V11及びプラス側入力ポートの電位V12の経時変化が示されており、同図の下側には、演算増幅器22の出力電位V0の経時変化が示されている。
【0030】
制御回路の動作開始時に出力電圧V0=A・V11(Aは演算増幅器22の増幅率)で誤差が生じているが、時間の経過と共に積分回路3におけるキャパシタ15の充電に共なって、出力電圧V0がオフセット電圧のキャンセルされた状態に収束していることが解る。
【0031】
厳密には、演算増幅器21で生じるオフセット電圧が残留するが、高速動作性が要求されない演算増幅器21としてオフセット電圧の小さいチョッパ型の演算増幅器を用いることにより、これを無視することができる。また、このように低速動作型の演算増幅器を演算増幅器21として用いることで、サージ等による急激なレベル変動を抑制することができ、制御回路の安定な動作が可能になる。
【0032】
この実施形態によると、積分回路3の採用により電流/電圧変換回路2でのオフセット電圧を抑制することができるので、入力電流が小さい領域でのダイナミックレンジを大幅に拡げることができる。
【0033】
図6は本発明による光源装置及び光増幅器の実施形態を示す回路図である。光ファイバ伝送路6の途中に光増幅媒体としてのドープファイバ8が設けられており、ドープファイバ8のコア及びその近傍の部分には光励起(ポンピング)により利得を生じさせるためのEr(エルビウム)等の希土類がドープされている。ドープファイバ8には光源10からのポンプ光が図示しない光カプラ等を介して供給される。
【0034】
光ファイバ伝送路6におけるドープファイバ8の上流側及び下流側にはそれぞれ光カプラ31及び32が設けられており、光カプラ31及び32に付随してそれぞれ本発明による制御回路23及び24が設けられている。光カプラ31はドープファイバ8に入力される増幅されるべき光の一部を光ファイバ伝送路6から取り出して、これを制御回路23のフォトダイオード11に供給する。光カプラ32はドープファイバ8から出力された増幅された光の一部を光ファイバ伝送路6から取り出して、これを制御回路24のフォトダイオード11に供給する。
【0035】
制御回路23及び24の各々として、この実施形態では図4に示される制御回路が用いられている。制御回路23の出力電圧は比較器9の一方の入力ポートに直接入力され、制御回路24の出力電圧は分圧回路7を介して比較器9の他方の入力ポートに入力されている。
【0036】
分圧回路7は制御回路24の演算増幅器22の出力ポートとグランドとの間に直列に接続された抵抗31及び可変抵抗32からなり、抵抗31及び可変抵抗32の接続点の電位が比較器9に入力されるようになっている。
【0037】
比較器9は、その2つの入力ポートに与えられる電圧が等しくなるように例えばLD(レーザダイオード)からなる光源10を駆動する。従って、分圧回路7の可変抵抗32を調節することによって、任意の利得を得ることができる。
【0038】
また、制御回路23及び24の各々として本発明の制御回路が採用されているので、制御誤差を排除した正確な制御が可能になり、光増幅器の利得あるいは出力レベルを厳密に制御することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、制御誤差が生じ難い光源の制御装置を提供することが可能になるという効果が生じる。また、本発明によると、そのような制御装置を備えた光源装置を提供することで可能になるという効果もある。更に、本発明によると、そのような光源装置を用いて、利得や出力レベルの厳密な制御が可能な光増幅器を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明を適用可能な光ファイバ通信システムを示すブロック図である。
【図2】図2の(A)は従来の光源の制御回路の構成を示す回路図、図2の(B)はその動作特性を説明するためのグラフである。
【図3】図3の(A)は従来の光源の制御回路の構成を示す回路図、図3の(B)はその動作特性を説明するためのグラフである。
【図4】図4は本発明による光源の制御回路の実施形態を示す回路図である。
【図5】図5は図4に示される回路の動作を説明するための図である。
【図6】図6は本発明による光源装置及び光増幅器の実施形態を示す回路図である。
【符号の説明】
1 光/電気変換回路
2 電流/電圧変換回路
3 積分回路
6 光ファイバ伝送路
7 分圧回路
8 ドープファイバ
9 比較器
10 光源
11 フォトダイオード
21,22 演算増幅器
23,24 制御回路
31,32 光カプラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源の制御回路、光源装置及び光増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、低損失(例えば0.2dB/km)な石英系の光ファイバの製造技術及び使用技術が確立され、光ファイバを伝送路とする光通信システムが実用化されている。また、光ファイバにおける損失を補償して長距離の伝送を可能にするために、光信号又は信号光を増幅するための光増幅器が実用に供されている。
【0003】
従来知られているのは、増幅されるべき信号光が供給される光増幅媒体と、光増幅媒体が信号光の波長を含む利得帯域を提供するように光増幅媒体をポンピング(励起)するポンピングユニットとから構成される光増幅器である。
【0004】
例えば、石英系ファイバで損失が小さい波長1.55μm帯の信号光を増幅するために、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)が開発されている。EDFAは、光増幅媒体としてエルビウムドープファイバ(EDF)と、予め定められた波長を有するポンプ光をEDFに供給するためのポンプ光源とを備えている。0.98μm帯あるいは1.48μm帯の波長を有するポンプ光を用いることによって、波長1.55μmを含む利得帯域が得られる。
【0005】
図1を参照すると、光増幅器が適用される光ファイバ通信システムが示されている。このシステムは、光送信回路102と光受信回路104の間に光ファイバ伝送路106を敷設して構成されている。光送信回路102から出力された光信号は、ポストアンプとしての光増幅器108により増幅されて光ファイバ伝送路106に送出される。光ファイバ伝送路106により伝送された光信号は、プリアンプとしての光増幅器110により増幅されて光受信回路104のフォトダイオード12に入力される。
【0006】
ここで、ポストアンプとして光増幅器108を設けているのは、光ファイバ伝送路106に送出される光信号のパワーを高めて、伝送可能距離を長くするためである。パワーが高過ぎると非線形効果により伝送特性が劣化することがあるので、適切なパワーが設定される。また、プリアンプとして光増幅器110を設けているのは、フォトダイオード12に入力される光信号のパワーを高めて受信感度を高めるためである。
【0007】
特に、プリアンプとしての光増幅器110は、伝送される光信号が光速である場合に受信感度を高めるために重要である。即ち、従来、アバランシェフォトダイオード(APD)のように増幅作用のある受光素子を用いて、低コストで受信感度の向上が図れたものであるが、10Gbits/sec程度の高速信号用のAPDは実用化されておらず、光増幅器の採用による受信感度の向上が有効なのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、光増幅器を実用する場合には、その出力が一定になるような制御が必要になることがある。例えば、フォトダイオードでモニタ光のパワーを検出し、それが一定になるようにポンプ光源が制御される。この場合、制御回路としては演算増幅器(オペアンプ)を用いたものが提供される。しかし、演算増幅器には固有のオフセット電圧があり、制御誤差が生じる。
【0009】
また、オフセット電圧の低い演算増幅器を使用することによって制御誤差を低減することができるが、演算増幅器のオフセット電圧と動作速度の間にはトレードオフの関係があるので、光増幅器の入力信号パワーの変動に対して充分な動作速度を得ることができなくなるという問題もある。
【0010】
よって、本発明の目的は、動作高速性を失わずに制御誤差が生じ難い光源の制御装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的はそのような制御装置を備えた光源装置を提供することである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、そのような光源装置を備えた光増幅器を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、フォトダイオードと、フォトダイオードに光が入力したときにそのパワーに応じた電流が流れるようにフォトダイオードに電圧を印加する電圧源と、フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換して光源に供給する電流/電圧変換回路と、電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧を抑圧する積分回路とを備えた光源の制御回路が提供される。
【0014】
この構成によると、積分回路の採用により電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧をキャンセルすることができるので、制御誤差の生じ難い光源の制御装置の提供が可能になる。
【0015】
望ましくは、電流/電圧変換回路は、フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換して光源に高速で供給する。これにより、動作高速性を損なうことなく制御誤差を低減することができる。
【0016】
本発明の他の側面によると、フォトダイオードと、フォトダイオードに光が入力したときにそのパワーに応じた電流が流れるようにフォトダイオードに電圧を印加する電圧源と、フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換する電流/電圧変換回路と、電流/電圧変換回路から出力された電圧が供給される光源と、電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧を抑圧する積分回路とを備えた光源装置が提供される。
【0017】
本発明の更に他の側面によると、増幅されるべき光が供給される光増幅媒体と、光増幅媒体で利得が生じるように光増幅媒体にポンプ光を供給するポンプ光源と、光増幅媒体に供給される光及び光増幅媒体から出力される光の少なくともいずれかから分配された光を受けるフォトダイオードと、フォトダイオードに光が入力したときにそのパワーに応じた電流が流れるようにフォトダイオードに電圧を印加する電圧源と、フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換して前記ポンプ光源に供給する電流/電圧変換回路と、電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧を抑圧する積分回路とを備えた光増幅器が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の望ましい実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
【0019】
先ず、本願発明の優位性を説明するために必要と思われるので、光増幅器に適した従来の光源の制御回路を図面に基いて詳細に説明しておく。
【0020】
図2を参照すると、光源の制御回路の従来例(A)及びその特性(B)が示されている。図2の(A)に示されるように、この制御回路は、フォトダイオード202を電圧源204に接続し、フォトダイオード2による電圧降下を演算増幅器208により増幅して図示しない光源用の電圧V0を得るように構成されている。フォトダイオード202に直列に接続されるべき抵抗R1及びR2はスイッチ206により切換えられるようになっている。
【0021】
図2の(B)は出力電圧V0とフォトダイオード202に流れる電流の関係を示すグラフである。負荷抵抗として、抵抗R1より小さいR2(=R1/x)を選択すると、入力ダイナミックレンジは電流iが大きい方向にx倍広くなるが、オフセット電圧もx倍になるために誤差が大きくなり、電流iが小さい方向に関して入力ダイナミックレンジは狭くなる。従って、所要の入力ダイナミックレンジを確保するためには、電流iに応じてスイッチ6により負荷抵抗R1及びR2を手動により切換える必要がある。
【0022】
図3を参照すると、光源の制御回路の他の従来例(A)及びその特性(B)が示されている。図3の(A)に示されるように、演算増幅器208の帰還抵抗に代えてダイオード210を採用することによって、対数変換回路が構成されている。この場合、図3の(B)に示されるように、出力電圧V0と入力電流iの関係が対数関数として与えられるので、電流iが大きい領域でのダイナミックレンジの拡大と、電流iが小さい領域でのオフセット電圧による誤差の減少とを両立させることができる。
【0023】
本発明では、図3により説明した対数変換回路を採用すると共に、そのオフセット電圧を抑圧するための手段を採用することで、制御誤差を排除するようにしている。具体的には以下の通りである。
【0024】
図4は本発明による光源の制御回路の実施形態を示す回路図である。この制御回路は、光/電気変換回路1、電流/電圧変換回路2及び積分回路3を備えており、モニタ用の光を受けてそのパワーに応じた出力電圧V0を出力するように動作する。
【0025】
光/電気変換回路1は、そのカソードが電圧源V+に接続されるフォトダイオード11によって提供されている。逆バイアスが印加されているフォトダイオード11に光が入力すると、そのパワーに応じた光電流がフォトダイオード11に流れる。
【0026】
電流/電圧変換回路2は、演算増幅器22と、演算増幅器22のマイナス側入力ポート及び出力ポート間に並列に接続されるダイオード12及び抵抗14とを含む。演算増幅器22のマイナス側入力ポートはダイオード11のアノードに接続される。
【0027】
積分回路3は、演算増幅器21と、演算増幅器21のマイナス側入力ポート及び出力ポート間に接続されるキャパシタ15と、演算増幅器21のマイナス側入力ポート及びダイオード11のアノード間に接続される抵抗13とを含む。演算増幅器21のプラス側入力ポートは接地され、演算増幅器21の出力ポートは演算増幅器22のプラス側入力ポートに接続される。
【0028】
電流/電圧変換回路2の演算増幅器22に正又は負のオフセット電圧が発生すると、そのオフセット電圧は積分回路3にフィードバックされる。すると、積分回路3の演算増幅器21の出力電圧がオフセット電圧を抑圧するように演算増幅器22のプラス側入力ポートに供給される。これにより誤差の少ない制御が可能になる。
【0029】
図5は図4に示される制御回路の動作を説明するための図である。同図の上側には、演算増幅器22のマイナス側入力ポートの電位V11及びプラス側入力ポートの電位V12の経時変化が示されており、同図の下側には、演算増幅器22の出力電位V0の経時変化が示されている。
【0030】
制御回路の動作開始時に出力電圧V0=A・V11(Aは演算増幅器22の増幅率)で誤差が生じているが、時間の経過と共に積分回路3におけるキャパシタ15の充電に共なって、出力電圧V0がオフセット電圧のキャンセルされた状態に収束していることが解る。
【0031】
厳密には、演算増幅器21で生じるオフセット電圧が残留するが、高速動作性が要求されない演算増幅器21としてオフセット電圧の小さいチョッパ型の演算増幅器を用いることにより、これを無視することができる。また、このように低速動作型の演算増幅器を演算増幅器21として用いることで、サージ等による急激なレベル変動を抑制することができ、制御回路の安定な動作が可能になる。
【0032】
この実施形態によると、積分回路3の採用により電流/電圧変換回路2でのオフセット電圧を抑制することができるので、入力電流が小さい領域でのダイナミックレンジを大幅に拡げることができる。
【0033】
図6は本発明による光源装置及び光増幅器の実施形態を示す回路図である。光ファイバ伝送路6の途中に光増幅媒体としてのドープファイバ8が設けられており、ドープファイバ8のコア及びその近傍の部分には光励起(ポンピング)により利得を生じさせるためのEr(エルビウム)等の希土類がドープされている。ドープファイバ8には光源10からのポンプ光が図示しない光カプラ等を介して供給される。
【0034】
光ファイバ伝送路6におけるドープファイバ8の上流側及び下流側にはそれぞれ光カプラ31及び32が設けられており、光カプラ31及び32に付随してそれぞれ本発明による制御回路23及び24が設けられている。光カプラ31はドープファイバ8に入力される増幅されるべき光の一部を光ファイバ伝送路6から取り出して、これを制御回路23のフォトダイオード11に供給する。光カプラ32はドープファイバ8から出力された増幅された光の一部を光ファイバ伝送路6から取り出して、これを制御回路24のフォトダイオード11に供給する。
【0035】
制御回路23及び24の各々として、この実施形態では図4に示される制御回路が用いられている。制御回路23の出力電圧は比較器9の一方の入力ポートに直接入力され、制御回路24の出力電圧は分圧回路7を介して比較器9の他方の入力ポートに入力されている。
【0036】
分圧回路7は制御回路24の演算増幅器22の出力ポートとグランドとの間に直列に接続された抵抗31及び可変抵抗32からなり、抵抗31及び可変抵抗32の接続点の電位が比較器9に入力されるようになっている。
【0037】
比較器9は、その2つの入力ポートに与えられる電圧が等しくなるように例えばLD(レーザダイオード)からなる光源10を駆動する。従って、分圧回路7の可変抵抗32を調節することによって、任意の利得を得ることができる。
【0038】
また、制御回路23及び24の各々として本発明の制御回路が採用されているので、制御誤差を排除した正確な制御が可能になり、光増幅器の利得あるいは出力レベルを厳密に制御することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、制御誤差が生じ難い光源の制御装置を提供することが可能になるという効果が生じる。また、本発明によると、そのような制御装置を備えた光源装置を提供することで可能になるという効果もある。更に、本発明によると、そのような光源装置を用いて、利得や出力レベルの厳密な制御が可能な光増幅器を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明を適用可能な光ファイバ通信システムを示すブロック図である。
【図2】図2の(A)は従来の光源の制御回路の構成を示す回路図、図2の(B)はその動作特性を説明するためのグラフである。
【図3】図3の(A)は従来の光源の制御回路の構成を示す回路図、図3の(B)はその動作特性を説明するためのグラフである。
【図4】図4は本発明による光源の制御回路の実施形態を示す回路図である。
【図5】図5は図4に示される回路の動作を説明するための図である。
【図6】図6は本発明による光源装置及び光増幅器の実施形態を示す回路図である。
【符号の説明】
1 光/電気変換回路
2 電流/電圧変換回路
3 積分回路
6 光ファイバ伝送路
7 分圧回路
8 ドープファイバ
9 比較器
10 光源
11 フォトダイオード
21,22 演算増幅器
23,24 制御回路
31,32 光カプラ
Claims (5)
- フォトダイオードと、
前記フォトダイオードに光が入力したときにそのパワーに応じた電流が流れるように前記フォトダイオードに電圧を印加する電圧源と、
前記フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換して光源に供給する電流/電圧変換回路と、
前記電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧を抑圧する積分回路とを備えた光源の制御回路。 - フォトダイオードと、
前記フォトダイオードに光が入力したときにそのパワーに応じた電流が流れるように前記フォトダイオードに電圧を印加する電圧源と、
前記フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換する電流/電圧変換回路と、
前記電流/電圧変換回路から出力された電圧が供給される光源と、
前記電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧を抑圧する積分回路とを備えた光源装置。 - 増幅されるべき光が供給される光増幅媒体と、
前記光増幅媒体で利得が生じるように前記光増幅媒体にポンプ光を供給するポンプ光源と、
前記光増幅媒体に供給される光及び前記光増幅媒体から出力される光の少なくともいずれかから分配された光を受けるフォトダイオードと、
前記フォトダイオードに光が入力したときにそのパワーに応じた電流が流れるように前記フォトダイオードに電圧を印加する電圧源と、
前記フォトダイオードに流れる電流を電圧に変換して前記ポンプ光源に供給する電流/電圧変換回路と、
前記電流/電圧変換回路で生じるオフセット電圧を抑圧する積分回路とを備えた光増幅器。 - 請求項1,2及び3のいずれかに記載の光源の制御回路、光源装置又は光増幅器において、
前記電流/電圧変換回路は対数変換回路であることを特徴とするもの。 - 請求項4に記載の光源の制御回路、光源装置又は光増幅器において、
前記対数変換回路は、演算増幅器と、前記演算増幅器の出力ポートと2つの入力ポートのいずれかとを接続するダイオードとを含むことを特徴とするもの。
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JP2002316568A Withdrawn JP2004153012A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | 光源の制御回路、光源装置及び光増幅器 |
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2002
- 2002-10-30 JP JP2002316568A patent/JP2004153012A/ja not_active Withdrawn
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