JP2004152805A - 導電回路の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光重合開始剤を配合しない紫外線硬化型導電性インクと組み合わせて使用してこの紫外線硬化型導電性インク層の特定箇所を硬化して導電回路を形成するために使用できる、光重合成分を含まないインクジェットインクを使用して容易に導電回路を形成できる方法およびこの導電回路の作成方法によりシート基材面に導電回路を備えたシートの提供。
【解決手段】シート基材面の所定部に、光重合開始剤含有インクジェットインクからなる導電回路形成用パターンを設け、そして前記パターン上に光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インク層を設け、紫外線を照射して前記パターンに対応する部分の前記紫外線硬化型導電性インク層を硬化させることにより課題を解決できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電回路の形成方法およびこの方法により作成された導電回路を備えたシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、IC、LSIなどの微細な導電回路を作成するには、導電層が積層されたシート基材の前記導電層上にレジスト剤を用いてレジスト層を形成し、導電回路パターンを有するホトマスクを用いて光照射し、例えば導電回路パターン状に形成されたレジスト層以外の導電層を除去して導電回路を作成し、必要に応じて不要のレジスト層を除去するホトリソグラフによる方法が行われているが、ホトマスクを用いて光照射するなど多数の工程を要するので煩雑であるという問題があった。
本発明者は先に電子写真方式で用いられるトナーないし現像剤をレジスト剤として利用して導電回路を作成する導電回路の作成方法を提案した(特許文献1参照)。
一方、従来、紫外線硬化型インクジェットインクが提案されているが、従来の紫外線硬化型インクジェットインクは光硬化性成分中に光重合開始剤が配合されているため、保存中に粘度が上昇してインク吐出用ノズルが詰まったり、吐出が不安定になったりする問題があった。
この問題を解決するため本発明者は光重合開始剤を配合しない紫外線硬化型インクジェットインクを提案した(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特願2002−251308
【特許文献2】
特願2002−221946
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この導電回路の作成方法は、一旦剥離シートにトナーないし現像剤を用いて電子写真方式により導電回路形成用パターンを形成し、この面と、導電層が積層されたシート基材の導電層が積層された面を接着剤を介して重ね合わせ、導電層面に前記導電回路形成用パターンを転移させる転移工程があるので、未だ煩雑であるという問題があった。
本発明の第1の目的は、光重合開始剤を配合しない紫外線硬化型導電性インクと組み合わせて使用して、この紫外線硬化型導電性インク層の特定箇所を硬化して導電回路を形成するために使用できる、光重合成分を含まないインクジェットインクであって、光重合成分を含まないので保存中に光重合成分の反応が進行して粘度が上昇する問題がなく、インク吐出用ノズルが詰まったり、吐出が不安定になったりしないインクジェットインクを使用して容易に導電回路を形成できる方法を提供することであり、
本発明の第2の目的は、そのような導電回路の作成方法によりシート基材面に導電回路を備えたシートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の請求項1記載の導電回路の形成方法は、シート基材面の所定部に、光重合開始剤含有インクジェットインクからなる導電回路形成用パターンを設け、そして前記パターン上に光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インク層を設け、紫外線を照射して前記パターンに対応する部分の前記紫外線硬化型導電性インク層を硬化し、必要に応じて硬化した前記紫外線硬化型導電性インク層以外の前記紫外線硬化型導電性インク層をエッチングして除去することを特徴とする。
【0006】
光重合開始剤を含有する前記パターン上に光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インク層を設けて前記パターンと紫外線硬化型導電性インク層を接触させ、紫外線照射すれば、前記パターンから前記紫外線硬化型導電性インク層に移行した光重合開始剤が、励起されて作用して、光重合成分の重合反応を起こし、この紫外線硬化型導電性インク層を硬化でき、容易に導電回路を形成できる。勿論、光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インクや光重合成分を含まない光重合開始剤含有インクジェットインクは、保存中に粘度上昇や一部分が硬化してしまうという問題が発生せず、保存性がよい。
【0007】
本発明の請求項2記載の導電回路の形成方法は、シート基材面の所定部に光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インク層を設け、そして前記紫外線硬化型導電性インク層上に光重合開始剤含有インクジェットインクからなる導電回路形成用パターンを設け、紫外線を照射して前記パターンに対応する部分の前記紫外線硬化型導電性インク層を硬化し、必要に応じて硬化した前記紫外線硬化型導電性インク層以外の前記紫外線硬化型導電性インク層をエッチングして除去することを特徴とする。
【0008】
前記パターンと紫外線硬化型導電性インク層を接触させ、紫外線照射すれば、前記パターンから前記紫外線硬化型導電性インク層に移行した光重合開始剤が、励起されて作用して、光重合成分の重合反応を起こし、この紫外線硬化型導電性インク層を硬化でき、容易に導電回路を形成できる。勿論、光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インクや光重合成分を含まない光重合開始剤含有インクジェットインクは、保存中に粘度上昇や一部分が硬化してしまうという問題が発生せず、保存性がよい。
【0009】
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の導電回路の作成方法により形成された導電回路を備えたことを特徴とするシートである。
【0010】
本発明のシートは、構成が簡単で安価であり、接触型・非接触あるいはハイブリッド型のICカード、ICラベル、ICタグ、ICフォームなどの情報記録媒体やペーパーコンピュータなどとして用いられる他、プリント基板など一般の導電回路として用いることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1(a)〜(f)は、本発明のシートを形成する工程の一実施例を示す説明図である。
図1(a)に示したように、先ずシート基材1面の所定部に、図示しない公知のインクジェットプリンタを用いて光重合開始剤含有インクジェットインクからなる導電回路形成用パターン2を設ける。
そして(b)に示したように、前記パターン2を覆うようにその上に銅、アルミニウム、ニッケル、銀、金、白金、炭素系材料などの導電性物質あるいはこれらの微粒子を含む紫外線硬化型導電性ペーストあるいは紫外線硬化型導電性高分子あるいはこれらの組み合わせなどの導電性インクを用い公知の印刷法を用いて印刷して光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インク層3を設ける。
そして(c)に示したようにパターン2と紫外線硬化型導電性インク層3を接触させた状態で上方から矢印で示したように紫外線を照射すれば、パターン2から対応する紫外線硬化型導電性インク層3Aに移行した光重合開始剤が励起されて作用して、光重合成分の重合反応を起こし、パターン2に対応する部分の紫外線硬化型導電性インク層3Aを硬化できる。また、紫外線硬化型導電性インク層3Aから光重合開始剤パターン2へ移行した紫外線硬化型導電性インクは、励起された光重合開始剤成分と重合反応を起こし、パターン2の部分が硬化できる[(d)参照]。
【0012】
そして(e)に示したように、硬化した紫外線硬化型導電性インク層3A以外の紫外線硬化型導電性インク層3Bをエッチングして除去することにより、(f)に示した導電回路3Aを備えた本発明のシート4を得ることができる。2a、2bは導電回路3Aの両端部に設けたランド部である。
この例では、導電回路3Aとしてアンテナの例を示して説明したが、ICチップを実装したアンテナでもよく、また導電回路3Aはアンテナに限定されず、用途や目的に応じて設計されるどのような導電回路パターンであってもよい。
【0013】
この例では、シート基材1面の所定部に、光重合開始剤含有インクジェットインクからなる導電回路形成用パターン2を設け、そしてパターン2上に光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インク層3を設けた例を示したが、逆にシート基材1面の所定部に光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インク層3を設け、そして紫外線硬化型導電性インク層3上の所定部に光重合開始剤含有インクジェットインクからなる導電回路形成用パターン2を設けても同様にして導電回路3Aを形成できる。
【0014】
本発明で用いる紫外線硬化型導電性インクは、光重合開始剤を含まないので、保存中に粘度上昇や一部分が硬化してしまうなどの問題が発生せず、保存性がよい。一方、本発明で用いる光重合開始剤含有インクジェットインクは、光重合成分を含まないので、保存中に光重合成分の反応が進行して粘度が上昇する問題や一部分が硬化してしまうという問題がなく、インク吐出用ノズルが詰まったり、吐出が不安定になったりしない。
【0015】
紫外線硬化型導電性インク層3の形成方法は刷毛塗りなど手動で塗工する方法でも自動的に塗工する方法でもあるいはこれらの組み合わせでもよく特に限定されないが、オフセット印刷機をもって印刷する方法は好ましく、例えばグラビアコーター、フレキソコーター、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗工手段を挙げることができる。
【0016】
本発明で用いる光重合開始剤含有インクジェットインクは、光重合開始剤を含有させてあれば特に限定されるものではなく、従来公知のインクジェットインクを使用することができ、市販品を使用することもできる。本発明で用いる光重合開始剤含有インクジェットインクの具体例としては例えば、光重合開始剤およびアントラキノン系、ベンゾキノン系、ナフトキシキノン系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、キノリン系、インジゴイド系、アジン系、オキサジン系、チアジン系およびメチン系染料からなる群から選ばれた少なくとも1種のアニオン性染料を水、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、グリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類などの1種以上に配合したものや、前記染料を配合せず光重合開始剤を水、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、グリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類などの1種以上に配合したものを挙げることができる。
【0017】
本発明で用いるグリコール類の例としは、例えば中沸点および高沸点溶剤(沸点が100℃以上のもの)であり、具体的には、グリコール(グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール)やグリコール誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)など、およびこれらの2つ以上の混合物を挙げることができる。
【0018】
本発明で用いる光重合開始剤としては、従来公知のものでよく、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド−ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
本発明の光重合開始剤含有インクジェットインク中の光重合開始剤の含有量は特に限定されないが、インクジェットインク全体に対して10〜30質量%含有することが好ましい。10質量部未満では光重合開始剤を光重合成分によく接触・移行させることができない恐れがあり、30質量部を超えるとノズルからの吐出が不安定になる恐れがある。光重合開始剤含有インクジェットインク中にこのように多量に配合すると、光重合開始剤を光重合成分によく接触・移行させ、紫外線照射すると、光重合成分の重合反応を充分に起こし光重合成分を充分に硬化させることができる。
【0020】
本発明で用いる紫外線硬化型導電性インクのビヒクルの具体例としては、例えば公知のアクリル系光重合性モノマーおよび/またはアクリル系光重合性オリゴマーから任意に選ばれるビヒクルを挙げることができる。
このような光重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N′−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
【0021】
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマーを用いることができる。
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0022】
アクリル系光重合性オリゴマーとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などのような不飽和ポリエステル系プレポリマーや、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化した後、グリシジルメタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニルアルコール系プレポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。
これらのアクリル系光重合性オリゴマーは、重量平均分子量凡そ2000〜30000の範囲のものが適当である。
【0023】
本発明で用いる導電性物質は銀粉末、銀以外の導電性金属、たとえば金、白金、パラジウム、ロジウムなどの粉末などであり、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、以下のa〜jのものなどを例示することができる。
a.銀粉
同和鉱業株式会社製 G−10,11,12,13,15−H,15H,18,ケミカルフレーク
株式会社徳力本店製 TCG−1,1A,5、7,11N,7V、TC−12,20E,20V,25A、J−20、E−20、G−1、H−1、AgF−5S、AgF−10S
田中貴金属工業株式会社製 AY−6010,6080
b.導電性カーボンブラック
三菱化学株式会社製 ケッチェンブラックEC,EC−600JD
電気化学工業社製 アセチレンブラック
キャボット社製 Vulcan XC−72
コロンビア・ケミカル社製 Conductex−975,Conductex−SC
c.銅粉
同和鉱業株式会社製 DC−50,100,200,300
d.ニッケル粉
同和鉱業株式会社製 DNI−20,50
e.金粉
株式会社徳力本店製 TA−1,2
f.白金粉
株式会社徳力本店製 TP−1,2
田中貴金属工業株式会社製 AY−1010,1020
g.パラジウム粉
株式会社徳力本店製 TPd−1
田中貴金属工業株式会社製 AY−4010,4030
h.銀・パラジウム合金粉
株式会社徳力本店製 AP−10,30
i.亜鉛粉
j.アルミニウム粉
【0024】
本発明で用いる光重合開始剤含有インクジェットインクや紫外線硬化型導電性インクには、必要に応じ、公知の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、粘度調整剤、老化防止剤、pH調節剤、防さび剤、防カビ剤、消泡剤、各種安定剤、着色剤、グリセリンなどのロール転写性向上剤、蛍光剤などを挙げることができる。
【0025】
本発明で用いるシート基材の素材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの無機または有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙(例えば、上質紙、中質紙、合成紙、各種再生紙、アート紙、コート紙、ミラーコート紙、コンデンサー紙、パラフィン紙、その他の紙の他に、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙など)あるいはこれらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合シート基材、ポリアミド系樹脂シート基材、ポリエステル系樹脂シート基材、ポリオレフィン系樹脂シート基材、ポリイミド系樹脂シート基材、エチレン・ビニルアルコール共重合体シート基材、ポリビニルアルコール系樹脂シート基材、ポリ塩化ビニル系樹脂シート基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂シート基材、ポリスチレン系樹脂シート基材、ポリカーボネート系樹脂シート基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂シート基材、ポリエーテルスルホン系樹脂シート基材などのプラスチックシート基材、あるいはこれらにコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理などの表面処理を施したもの、などの公知のものから選択して用いることができる。
【0026】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
(実施例1)
(光重合開始剤含有インクジェットインクの調製)
光重合開始剤メチルベンゾイルフォルメート<商品名:VICURE55(アクゾノーベル社製)>20質量部とエチレングリコールモノメチルエーテル5質量部、それにエタノール75質量部を撹拌混合して光重合開始剤含有インクジェットインクを調製した。
(光重合開始剤を含まない導電性紫外線硬化型導電性インクの調製)
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)44質量部とメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)36質量部、それに、ロジン系オリゴマー<商品名:ビームセット102(荒川化学工業社製)>7質量部を混合する。これに導電性物質として銀粉13質量部を加えて光重合開始剤を含まない導電性紫外線硬化型導電性インクを調製した。
【0028】
上記光重合開始剤含有インクジェットインクを、セイコーエプソン社製インクカートリッジ型番:IC1BK05(プリンタ型番:PM−890C用)に充填し、インクジェットプリンタで導電回路形成用パターンをPVCフィルム上に形成した。この導電回路形成用パターンを覆うように光重合開始剤を含まない導電性紫外線硬化型インクをベタ印刷し、導電回路形成用パターンに含まれる光重合開始剤を導電回路形成用パターンに対応する導電性紫外線硬化型インク層の部分に移行、混合させた。次いで、紫外線ランプ(高圧水銀ランプ、オゾンレス、240W/cm、1灯)を用いて紫外線照射を行い導電回路形成用パターンに対応する導電性紫外線硬化型インク層の部分を硬化させた。得られた導電回路を備えたシートから、未硬化の導電性紫外線硬化型インク層の部分を除去し、本発明のシートを得た。
【0029】
なお、保存安定性をテストするために、ここで使用した光重合開始剤含有インクジェットインクあるいは光重合開始剤を含まない導電性紫外線硬化型インクをシャーレ(直径90mm、高さ15mm)に8mm厚になるように入れ、このシャーレを水平真空版焼機(型式:P−802−G、大日本スクリーン製造社製)のガラス板上に置いた後、シャーレから紫外線ランプまでの距離を1mに調整し、120秒間紫外線を照射し、照射後の試料を観察したが、いずれも系の増粘や硬化は発生していなかった。
【0030】
(実施例2)
実施例1において導電回路形成用パターンをPVCフィルム上に形成する前に、PVCフィルム上の所定の箇所に光重合開始剤を含まない導電性紫外線硬化型インクを用いて印刷して光重合開始剤を含まない導電性紫外線硬化型インク層を形成した後、その上に光重合開始剤含有インクジェットインクを用いて実施例1と同様にして導電回路形成用パターンを形成した。次いで、実施例1と同様にして紫外線照射を行い導電回路形成用パターンに対応する導電性紫外線硬化型インク層の部分を硬化させた。得られた導電回路を備えたシートから、未硬化の導電性紫外線硬化型インク層の部分を除去し、本発明のシートを得た。
【0031】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の導電回路の形成方法は、シート基材面の所定部に、光重合開始剤含有インクジェットインクからなる導電回路形成用パターンを設け、そして前記パターン上に光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インク層を設け、紫外線を照射して前記パターンに対応する部分の前記紫外線硬化型導電性インク層を硬化し、必要に応じて硬化した前記紫外線硬化型導電性インク層以外の前記紫外線硬化型導電性インク層をエッチングして除去するので、前記パターンと紫外線硬化型導電性インク層を接触させ、紫外線照射すれば、前記パターンから前記紫外線硬化型導電性インク層に移行した光重合開始剤が、励起されて作用して、光重合成分の重合反応を起こし、この紫外線硬化型導電性インク層を硬化でき、容易に導電回路を形成できるという顕著な効果を奏する。
光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インクや光重合成分を含まない光重合開始剤含有インクジェットインクは、保存中に粘度上昇や一部分がこうかしてしまうという問題が発生せず、保存性がよい。
【0032】
本発明の請求項2記載の導電回路の形成方法は、シート基材面の所定部に光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インク層を設け、そして前記紫外線硬化型導電性インク層上に光重合開始剤含有インクジェットインクからなる導電回路形成用パターンを設け、紫外線を照射して前記パターンに対応する部分の前記紫外線硬化型導電性インク層を硬化し、必要に応じて硬化した前記紫外線硬化型導電性インク層以外の前記紫外線硬化型導電性インク層をエッチングして除去するので、前記パターンと紫外線硬化型導電性インク層を接触させ、紫外線照射すれば、前記パターンから前記紫外線硬化型導電性インク層に移行した光重合開始剤が、励起されて作用して、光重合成分の重合反応を起こし、この紫外線硬化型導電性インク層を硬化でき、容易に導電回路を形成できるという顕著な効果を奏する。
【0033】
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の導電回路の作成方法により形成された導電回路を備えたことを特徴とするシートであり、構成が簡単で安価であり、接触型・非接触あるいはハイブリッド型のICカード、ICラベル、ICタグ、ICフォームなどの情報記録媒体やペーパーコンピュータなどとして用いられる他、プリント基板など一般の導電回路として用いることができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は本発明のシートを形成する工程の一実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 シート基材
2 導電回路形成用パターン
2a、2b ランド部
3 光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インク層
3A 硬化した紫外線硬化型導電性インク層(導電回路)
3B 未硬化の紫外線硬化型導電性インク層
4 本発明のシート

Claims (3)

  1. シート基材面の所定部に、光重合開始剤含有インクジェットインクからなる導電回路形成用パターンを設け、そして前記パターン上に光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インク層を設け、紫外線を照射して前記パターンに対応する部分の前記紫外線硬化型導電性インク層を硬化し、必要に応じて硬化した前記紫外線硬化型導電性インク層以外の前記紫外線硬化型導電性インク層をエッチングして除去することを特徴とする導電回路の形成方法。
  2. シート基材面の所定部に光重合開始剤を含まない紫外線硬化型導電性インク層を設け、そして前記紫外線硬化型導電性インク層上に光重合開始剤含有インクジェットインクからなる導電回路形成用パターンを設け、紫外線を照射して前記パターンに対応する部分の前記紫外線硬化型導電性インク層を硬化し、必要に応じて硬化した前記紫外線硬化型導電性インク層以外の前記紫外線硬化型導電性インク層をエッチングして除去することを特徴とする導電回路の形成方法。
  3. 請求項1あるいは請求項2記載の導電回路の作成方法により形成された導電回路を備えたことを特徴とするシート。
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JP2007335442A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Konica Minolta Holdings Inc 導電性パターン及び導電性パターンの作製方法

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