JP2004152794A - 絶縁膜の形成方法及び絶縁膜の形成装置 - Google Patents

絶縁膜の形成方法及び絶縁膜の形成装置 Download PDF

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Yusaku Kashiwagi
勇作 柏木
Keiei Kagawa
恵永 香川
Motoichi Tei
基市 鄭
Tomohisa Hoshino
智久 星野
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Abstract

【課題】高品質で、空孔率の高い膜を形成できる絶縁膜の形成方法及び絶縁膜の形成装置を提供する。
【解決手段】1,3,5−トリメチル1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン(V3D3)とアリルペンタフルオロベンゼン(APFB)とをチャンバ12内に供給し、プラズマによりこれらを励起してこれらの化合物の分子状の活性種を発生させる。これらの活性種を基板の表面近傍で反応させ、所定厚さのシロキサン構造を有する絶縁膜を形成する。さらに、アンモニアガスを用いたプラズマ処理により、絶縁膜中に含まれるAPFB分子等(フラグメント分子を含む)を選択的に脱離させて、シロキサン骨格構造を維持しながら、比較的大きな空孔を有する絶縁膜をウェハW表面に形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁膜の形成方法及びその装置に関し、特に、空孔を有する低誘電率を有する絶縁膜の形成方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、半導体装置の高速化、小型化の要請を背景として、半導体素子の多層化及び配線の微細化が進められている。例えば、0.15μm以下の設計ルールに対しては、多層構造を有する配線の信号伝播速度が遅延し、所望の高速化が図れないという問題がある。この微細化に伴う配線遅延の増大を防ぐためには、配線の層間絶縁膜の低誘電率化が有効である。
【0003】
そこで、従来、種々の絶縁膜形成材料が検討されてきた。なかでも、膜中に空孔が存在すると、膜としての誘電率が材料固有の誘電率より低下するという性質を利用した、空孔率の高い絶縁膜が注目されている。
【0004】
例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等により、低沸点成分若しくは分解し易い分子群である炭化水素化合物等を含む絶縁膜を成膜し、後処理により、この炭化水素化合物を除去し、マトリックスの膜中に空孔を形成する方法が検討されている。
しかし、低沸点成分若しくは分解し易い分子群を除去するためには、成膜処理よりも高温で処理するか、プラズマ処理により、高いエネルギーを膜に印加することが必要となる。このため、空孔を形成する際に、膜の骨格構造そのものにダメージを与え、絶縁膜としての機能が劣化してしまうという問題があった。
【0005】
膜へのダメージを抑制しつつ空孔形成が可能な方法として、シロキサン分子と比較的低分子量の弗素化炭素(CF)分子とから構成される絶縁膜を形成し、次いで超臨界状態のCOを利用してこの絶縁膜を処理する方法が検討されている(例えば、下記非特許文献1参照)。この方法によれば、加圧下で絶縁膜に超臨界状態のCOを吸収させ、絶縁膜中に存在する低分子量成分を超臨界CO中に溶解させる。次いで、減圧して導入したCOを系外に除去する。このとき、超臨界CO中に溶解している低分子量成分等も除去されるので、除去された低分子量成分等の大きさに対応する微細な空孔が絶縁膜に形成される。
【0006】
【非特許文献1】
S.Gangopadhyayらの講演資料、”Supercritical Carbon Dioxide Process for Forming Nanoporous Dielectrics”,Ultra Low−k Workshop、International Sematech主催(米国)、2002年6月6−7日
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法では、絶縁膜の基本構造を維持して、所望の結合が切断されるように圧力を制御することが難しいという問題がある。また、この方法は、比較的低分子量の弗素化炭素分子を除去するものであり、絶縁膜に形成される空孔が比較的小さく、得られる絶縁膜の比誘電率がまだ高いという欠点がある。さらに、超臨界状態のCOを利用するために、装置コストが高く、装置の損耗も激しいという問題もある。
【0008】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、品質が高く、且つ、空孔率の高い膜を形成できる絶縁膜の形成方法及び絶縁膜の形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、また、膜の骨格構造を維持して、比較的大きな空孔を形成できる絶縁膜の形成方法及び絶縁膜の形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る絶縁膜の形成方法は、
シロキサン構造中に弗素化炭化水素化合物が取り込まれて構成される絶縁膜を形成する絶縁膜形成ステップと、
前記絶縁膜形成ステップにて形成した絶縁膜中の弗素化炭化水素分子が選択的に脱離するように、前記絶縁膜をアニールするアニールステップと、を備える、
ことを特徴とする。
【0010】
この方法によれば、シロキサン構造中に弗素化炭化水素化合物が取り込まれて構成される絶縁膜を形成する。この膜中に含まれる弗素化炭化水素分子は、絶縁膜構造の中で相対的に解離し易い。アニールステップでは、比較的低いエネルギーでこの弗素化炭化水素分子を絶縁膜から脱離させ得るので、絶縁膜を構成する骨格構造に与えるダメージを抑制して、空孔率の高い絶縁膜を形成することができる。
【0011】
絶縁膜形成ステップでは、シロキサン化合物と弗素化炭化水素化合物とを出発物質としたプラズマCVDにより形成することができる。
【0012】
アニールステップでは、絶縁膜を励起ガスに暴露し、または、絶縁膜を熱処理することが望ましい。
【0013】
弗素化炭化水素化合物は環状構造を有することが望ましい。
【0014】
弗素化炭化水素化合物は芳香環を有することが望ましい。
【0015】
励起ガスは、酸素ガス、水素ガス、アンモニアガスのいずれか1つ、若しくはこれらのガスの組合せのプラズマから構成されることが望ましい。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る絶縁膜の形成装置は、
シロキサン構造中に弗素化炭化水素化合物が取り込まれて構成される絶縁膜が形成された被処理体を、その内部に収容するチャンバと、
前記絶縁膜中の弗素化炭化水素分子が選択的に脱離するように、前記チャンバ内の被処理体をアニールするアニール手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態にかかる絶縁膜の形成方法について、以下図面を参照して説明する。本実施の形態の絶縁膜の形成方法によれば、シリコン(Si)と酸素素(O)と炭素(C)と弗素(F)とを主成分として構成され、空孔率の高い低誘電率の絶縁膜(以下、SiOCF系膜)が形成される。
【0018】
図1に、本実施の形態の絶縁膜の形成方法を実施するための装置の構成例を示す。
本実施の形態の処理装置は、上下平行に対向する電極を有する、いわゆる平行平板型プラズマCVD装置として構成され、半導体ウェハ(以下、ウェハW)の表面にSiOC系膜をCVDにより成膜する。
【0019】
図1を参照して、処理装置11は、円筒形状のチャンバ12を有する。チャンバ12は、アルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウム等の導電性材料からなる。また、チャンバ12は接地されている。
【0020】
チャンバ12の底部には排気口13が設けられている。排気口13には、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを備える排気装置14が接続されている。排気装置14は、チャンバ12内を所定の圧力まで排気する。また、チャンバ12の側壁にはゲートバルブ15が設けられている。ゲートバルブ15を開放した状態で、チャンバ12の外部との間でのウェハWの搬入出がなされる。
【0021】
除害装置36は、排気装置14により排出されたチャンバ12内の雰囲気ガスを無害化するための装置である。除害装置36は、所定の触媒により雰囲気ガスを燃焼あるいは熱分解して、無害な物質に変換する。
【0022】
チャンバ12の底部には略円柱状のサセプタ支持台16が設けられている。サセプタ支持台16の上には、ウェハWの載置台としてのサセプタ17が設けられている。サセプタ17は下部電極としての機能を有し、サセプタ支持台16とサセプタ17との間は、セラミックなどの絶縁体18により絶縁されている。
【0023】
サセプタ支持台16の内部には、下部冷媒流路19が設けられている。下部冷媒流路19には冷媒が循環している。下部冷媒流路19を冷媒が循環することにより、サセプタ17そしてウエハWは所望の温度に制御される。
【0024】
サセプタ支持台16には、半導体ウエハWの受け渡しをするためのリフトピン20が設けられており、リフトピン20はシリンダ(図示せず)により昇降可能となっている。また、サセプタ17は、その上中央部が凸状の円板状に成形され、その上にウエハWと略同形の図示しない静電チャックが設けられている。サセプタ17上に載置されたウェハWは、直流電圧が印加されることにより静電吸着される。
【0025】
下部電極として機能するサセプタ17には、第1の高周波電源21が第1の整合器22を介して接続されている。第1の高周波電源21は0.1〜13MHzの範囲の周波数を有している。第1の高周波電源21に上記範囲の周波数を印加することにより、被処理体表面にイオン等の活性種を集束させる等の効果が得られる。
【0026】
サセプタ17の上方には、このサセプタ17と平行に対向してシャワーヘッド23が設けられている。シャワーヘッド23のサセプタ17に対向する面には、多数のガス穴24を有する、アルミニウム等からなる電極板25が備えられている。また、シャワーヘッド23は、電極支持体26により、チャンバ12の天井部分に支持されている。シャワーヘッド23の内部には、上部冷媒流路27が設けられている。上部冷媒流路27には冷媒が循環し、シャワーヘッド23は所望の温度に制御される。
【0027】
さらに、シャワーヘッド23にはガス導入管28が接続されている。ガス導入管28は、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン(V3D3)ガス源29と、アリルペンタフルオロベンゼン(APFB)ガス源30と、アルゴン(Ar)ガス源31と、に、図示しないマスフローコントローラ、バルブ等を介して接続されている。V3D3とAPFBとは常温ではともに液体であるので、図示しない加熱部により気化した状態で、各ガス源29、30に供給される。また、空孔を形成するためのガスであるNHガス源35も、ガス導入管28に、図示しないマスフローコントローラ、バルブ等を介して接続されている。
【0028】
各ガス源29〜31、35からのガスは、ガス導入管28を介してシャワーヘッド23の内部に形成された中空部(図示せず)に混合されて供給される。シャワーヘッド23内に供給されたガスは、中空部で拡散され、シャワーヘッド23のガス穴24からウェハWの表面に供給される。
【0029】
シャワーヘッド23には、第2の高周波電源32が接続されており、その給電線には第2の整合器33が介在されている。第2の高周波電源32は、13〜150MHzの範囲の周波数を有しており、このように高い周波数を印加することにより、シャワーヘッド23は上部電極として機能し、チャンバ12内に好ましい解離状態でかつ高密度のプラズマを形成する。
【0030】
制御部34は、ウェハWへの成膜処理を含む、処理装置11全体の動作を制御する。制御部34は、MPU(Micro Processing Unit)、メモリ等を備えるマイコン制御装置である。制御部34は、装置各部を所定の処理シーケンスに従って制御するためのプログラムをメモリに記憶し、このプログラムにしたがって、装置各部に制御信号を送信する。
【0031】
以下、上記処理装置11を用いた絶縁膜の形成方法について説明する。図2に、本実施の形態の製造方法のタイミング図を示す。なお、図2に示すタイミング図は一例であり、同様の効果を奏する構成であればいかなるものであってもよい。
【0032】
まず、未処理のウェハWが、図示しない搬送アームに保持されて開放状態のゲートバルブ15を介してチャンバ12内に搬入される。搬送アームは、ウェハWを上昇位置にあるリフトピン20に受け渡し、チャンバ12内から退出する。その後、ウェハWはリフトピン20の下降により、サセプタ17上に載置される。ウェハWは、静電チャックによりサセプタ17上に固定される。
【0033】
次いで、制御部34は、排気装置14により、チャンバ12内を、例えば、1.3×10−2Pa(1×10−4Torr)とする。また同時に、制御部34は、サセプタ17の温度を、400℃以下の温度、例えば、350℃に設定する。
【0034】
その後、各ガス源29〜31から、V3D3、APFBおよびArガスが、所定の流量でチャンバ12内に供給される。原料ガスの混合ガスは、シャワーヘッド23のガス穴24からウエハWに向けて均一に吐出される。V3D3、APFBおよびArの供給は、例えば、V3D3/APFB/Ar=30/10/100の流量比(各sccm)で行われる。
【0035】
その後、第2の高周波電源32から、例えば、60MHzの高周波電力が上部電極(シャワーヘッド23)に印加される。これにより、上部電極と下部電極(サセプタ17)との間に高周波電界が生じ、混合ガスのプラズマが生成する。他方、第1の高周波電源21からは、例えば、2MHzの高周波電力が下部電極に印加される。これにより、プラズマ中の活性種がサセプタ17側に引き寄せられ、ウェハW表面近傍のプラズマ密度が高められる。このような上下の電極23、17への高周波電力の印加により、原料ガスのプラズマが生成され、このプラズマによるウェハWの表面での化学反応により、ウェハWの表面にSiOCF系膜が形成される。
【0036】
このとき形成されるSiOCF系膜の例を図3に示す。図3は、本発明の実施の形態の成膜工程で形成される絶縁膜の模式的構造を示す。図に示すように、APFB分子がシロキサン構造中に取り込まれた膜が形成されている。詳細には、APFBのアリル基がシロキサン構造を形成するシリコンと結合し、シロキサン構造の中に取り込まれている。また、一部の弗素原子はシリコンとSi−F結合を形成している。図3は便宜的に二次元構造を示しているが、実際には、この図に示すような構造を単位として三次元的な構造を形成している。また、APFB分子の代わりに、その分解物(弗素原子等)が取り込まれた構造も考えられる。
【0037】
ここで、制御部34は、上下電極23、17への高周波電力の印加を数秒乃至数十秒間行い、ウェハW表面に、例えば、100nm〜400nm(1000Å〜4000Å)の厚さのSiOCF系の膜を形成する。高周波電力の印加開始から所定時間後、制御部34は、上部電極23および下部電極17への高周波電力の印加を停止するとともに、V3D3ガス源29およびAPFBガス源30からのV3D3およびAPFBの導入を停止する。以上で成膜工程は終了する。このとき、Arガスが、パージガスとしてチャンバ12内に流されている。
【0038】
制御部34は、Arガスによるチャンバ12内のパージを所定時間行い、チャンバ12内から、残存したV3D3およびAPFBを除去する。このとき、制御部34は、サセプタ17の温度を、450℃以下の温度、例えば、350℃に設定し、また、圧力を、例えば、1.3×10−3Pa(1×10−5Torr)とする。
【0039】
その後、各ガス源35、31から、NHガス及びArガスが、所定の流量でチャンバ12内に供給される。NHガスは、Arガスと共にシャワーヘッド23のガス穴24からウエハWに向けて均一に吐出される。NHおよびArの供給は、例えば、NH/Ar=30/100の流量比(各sccm)で行われる。
【0040】
このとき、第2の高周波電源32から、例えば、40MHzの高周波電力が上部電極(シャワーヘッド23)に印加される。これにより、上部電極と下部電極(サセプタ17)との間に高周波電界が生じ、プラズマが生成する。他方、第1の高周波電源21からは、例えば、2MHzの高周波電力が下部電極17に印加される。これにより、プラズマ中の活性種がサセプタ17側に引き寄せられ、ウェハW表面近傍のプラズマ密度が高められる。このような上下の電極23、17への高周波電力の印加により、反応性ガスのプラズマが生成され、このプラズマとの接触により、SiOCF系膜中からAPFB分子等(フラグメント分子を含む)が除去される。制御部34は、所定の空孔率の膜を形成するように、このプラズマ処理を所定時間行う。
【0041】
このとき、空孔が形成されたSiOCF系膜の例を図4に示す。図4は、空孔が形成された絶縁膜の模式的構造を示す。プラズマ中の活性種、例えば、NHラジカルや水素ラジカル等が、比較的結合力の低いAPFBのアリル基のC−C結合を解離させ、Si原子に結合するメチル基を残して、APFBのフラグメント分子(例えば、ペンタフルオロスチレン)がシロキサン構造から脱離する。脱離したAPFB分子に対応する位置に空孔が形成される。
【0042】
排気装置14は、脱離したAPFB分子等を、雰囲気ガスと共に排気ガスとしてチャンバ12外に排出する。
【0043】
空孔形成処理後、制御部34は、サセプタ17の加熱を停止するとともに、チャンバ12内の圧力をチャンバ12外の圧力程度まで戻す。その後、静電チャックは解除され、リフトピン20が上昇する。次いで、ゲートバルブ15が開放されて、搬送アームがチャンバ12内に侵入する。搬送アームによりウェハWがチャンバ12外に搬出される。
【0044】
以下同様にして、所定枚数の未処理のウェハWは、順次、図示しない搬送アームに保持されてチャンバ12内に搬入され、図2に示すように、成膜処理、アニール(空孔形成)処理を施され、所望の空孔率を有する所定厚さの絶縁膜が形成された基板として搬出される。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態によれば、まず、プラズマCVDによりV3D3とAFPBから、所定厚さのSiOCF系の絶縁膜を形成し、次いで、NHを使用してこの絶縁膜をプラズマ処理する。この方法によれば、シロキサン構造の骨格を維持したままで、成膜工程で導入されたAPFB分子等を選択的に絶縁膜から脱離させ得る。そのため、膜のシロキサン構造のダメージを抑制できるので、高品質で、空孔率の高い絶縁膜を形成することができる。また、比較的分子量の大きいAPFB分子等を脱離させるので、比較的大きな空孔が形成され、絶縁膜の一層の低誘電率化が可能となる。
【0046】
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0047】
上記実施の形態では、絶縁膜としてSiOCF系膜を、V3D3とAPFBを原料化合物として形成した。SiOCF系膜を形成する原料としては、V3D3の代わりに、オクタメチルチロテトラシロキサン(D4)、ヘキサエチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロトリシロキサン、テトラエチルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサン化合物を使用することができるが、これらに限定されない。
【0048】
また、官能基を有する弗素化炭化水素化合物としてAPFBを使用したが、不飽和結合を有する官能基を弗素化されたベンゼン環の側鎖に持つ、例えば、ペンタフルオロスチレン等の化合物も使用できる。さらに、プラズマ中の活性種により攻撃され容易にシロキサン構造から脱離する比較的分子量が大きい多環弗化炭素化合物等の環状構造を有する弗素化炭化水素化合物であってもよい。
【0049】
また、励起ガスとしてNHを使用したが、例えば、Hガス、Oガス、若しくはこれらのガスを混合して使用することもできる。さらに、励起ガスの活性種を生成する方法としてプラズマ処理を使用したが、例えば、電子線等の励起源を利用して生成した熱ラジカル等の活性種を使用することもできる。絶縁膜を構成する弗素化炭化水素分子を選択的に攻撃して、絶縁膜から除去することができる活性種を生成する方法であればよい。
【0050】
上記実施の形態では、絶縁膜中の弗素化炭化水素分子が選択的に脱離するように、絶縁膜をアニールするアニール工程として、プラズマ処理を適用した。しかし、アニール工程はプラズマ処理に限定されず、熱処理等であってもよい。
【0051】
上記実施の形態では、成膜処理には平行平板型のプラズマCVD装置を用いた。しかし、これに限らず、ECR型、ICP型、TCP型、ヘリコン型等のプラズマ処理を用いてもよい。また、プラズマCVDに限らず、熱CVDを用いてもよい。
【0052】
上記実施の形態では、被処理体として半導体ウェハW上に絶縁膜を形成すると説明したが、絶縁膜を形成する被処理体としては、半導体ウェハに限定されず、例えば、液晶表示基板の処理に適用してもよい。
【0053】
空孔形成処理は、膜形成処理と同一のチャンバ12を使用して行なわれたが、例えば、上述したような処理が可能な別のチャンバを用いて、膜形成処理とシーケンシャルに処理装置11により実行されるようにしても良い。例えば、図5(a)、(b)にそれぞれ示すように、いわゆるin−situ型とex−situ型の処理装置を使用することができる。
【0054】
上記実施の形態では、所定周波数の高周波電力を上部電極及び下部電極に印加すると説明したが、印加する高周波電力の周波数はこれに限定されない。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、品質が高く、且つ、空孔率の高い膜を形成できる絶縁膜の形成方法及び絶縁膜の形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる処理装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる絶縁膜の形成方法のタイミング図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる絶縁膜の形成方法で成膜された絶縁膜の構造を模式的に示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる絶縁膜の形成方法で空孔処理された絶縁膜の構造を模式的に示す図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる絶縁膜の形成装置の変形例を示す模式図である。
【符号の説明】
11 処理装置
12 チャンバ
13 排気口
14 排気装置
15 ゲートバルブ
16 サセプタ支持台
17 サセプタ
18 絶縁体
19 下部冷媒流路
20 リフトピン
21 第1の高周波電源
22 第1の整合器
23 シャワーヘッド
24 ガス穴
25 電極板
26 電極支持体
27 上部冷媒流路
28 ガス導入管
29 V3D3ガス源
30 APFBガス源
31 Arガス源
32 第2の高周波電源
33 第2の整合器
34 制御部
35 NHガス源
36 除害装置

Claims (7)

  1. シロキサン構造中に弗素化炭化水素化合物が取り込まれて構成される絶縁膜を形成する絶縁膜形成ステップと、
    前記絶縁膜形成ステップにて形成した絶縁膜中の弗素化炭化水素分子が選択的に脱離するように、前記絶縁膜をアニールするアニールステップと、
    を備えることを特徴とする絶縁膜の形成方法。
  2. 前記絶縁膜形成ステップでは、シロキサン化合物と弗素化炭化水素化合物とを出発物質としたプラズマCVDにより形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜の形成方法。
  3. 前記アニールステップでは、前記絶縁膜を励起ガスに暴露し、または、前記絶縁膜を熱処理する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁膜の形成方法。
  4. 前記弗素化炭化水素化合物は環状構造を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の絶縁膜の形成方法。
  5. 前記弗素化炭化水素化合物は芳香環を有することを特徴とする請求項4に記載の絶縁膜の形成方法。
  6. 前記励起ガスは、酸素ガス、水素ガス、アンモニアガスのいずれか1つ、若しくはこれらのガスの組合せのプラズマから構成されることを特徴とする請求項3に記載の絶縁膜の形成方法。
  7. シロキサン構造中に弗素化炭化水素化合物が取り込まれて構成される絶縁膜が形成された被処理体を、その内部に収容するチャンバと、
    前記絶縁膜中の弗素化炭化水素分子が選択的に脱離するように、前記チャンバ内の被処理体をアニールするアニール手段と、
    を備えることを特徴とする絶縁膜の形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005029565A1 (ja) * 2003-09-17 2005-03-31 Tokyo Electron Limited 低誘電率絶縁膜の製造

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US7645481B2 (en) 2003-09-17 2010-01-12 Tokyo Electron Limited Fabrication of low dielectric constant insulating film

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