JP2004150614A - 駆動装置及びこの装置の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クランプ状態のない4節リンク機構を提供する。
【解決手段】駆動装置10は、リンク1〜4と、これらの端部を回動自在に連結する連結ピン5〜8と、リンク1,2のリンク3との連結側又はリンク4との連結側の端部に、リンク1では連結ピン5と同軸に配置され、リンク2では連結ピン6と同軸に取り付けられたスプロケット11,12と、これらスプロケット11,12を同一回転方向に連動して回動させるチェーン13と、スプロケット11に回転力を与えるモータとから構成され、リンク1は固定されている。スプロケット11,12及びチェーン13により、リンク2が連結ピン6を回転中心として揺動するため、各リンク2,3,4は、連結ピン5〜7が直線x上に配置される死点を越えて動いてもクランプ状態とはならずに最大可動範囲で動くことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】駆動装置10は、リンク1〜4と、これらの端部を回動自在に連結する連結ピン5〜8と、リンク1,2のリンク3との連結側又はリンク4との連結側の端部に、リンク1では連結ピン5と同軸に配置され、リンク2では連結ピン6と同軸に取り付けられたスプロケット11,12と、これらスプロケット11,12を同一回転方向に連動して回動させるチェーン13と、スプロケット11に回転力を与えるモータとから構成され、リンク1は固定されている。スプロケット11,12及びチェーン13により、リンク2が連結ピン6を回転中心として揺動するため、各リンク2,3,4は、連結ピン5〜7が直線x上に配置される死点を越えて動いてもクランプ状態とはならずに最大可動範囲で動くことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、4節リンク機構の駆動装置及び駆動方法に関し、特にいわゆる死点越え後のクランプ状態においても動作が可能となる駆動装置及びこの装置の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13に従来の4節リンク機構を用いた駆動装置の動作を示す。この駆動装置100は、リンクa,b,c,dを連結ピンe,f,g,hで連結した構造からなる。この駆動装置100において、リンクaは固定され、リンクbは連結ピンeを中心に回転し、リンクdは連結ピンhを中心に回転すると共に、リンクcは連結ピンf,gを介してリンクb,dにそれぞれ連結されている。例えば、リンクbは同図においてb→b´→b”→b´→bで示すように揺動し、他のリンクc,dも連動して揺動する。このような駆動装置100は、従来より自動車のトランクリッドやバックドア等の開閉体を開閉するために多く採用されている(例えば、特許文献1、2及び3参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開平2−1386号公報(第1頁、第1−4図)
【特許文献2】
特開平7−61372号公報(第2−3頁、第1−4図)
【特許文献3】
特開2002−194946号公報(第3−4頁、第1−4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13に示す駆動装置100で各リンクb〜dを揺動させる場合、例えば連結ピンe側からリンクbに駆動力を与えリンクbを直接揺動させると、リンクbがb”となったときに連結ピンfが連結ピンe,gを結ぶ直線を越えたいわゆる死点越えの状態となり、リンクb”,c”,d”がクランプ状態に陥ってリンクb”からb´への動きができなくなるという問題がある。
【0005】
この発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、いわゆる死点越えの場合でもクランプ状態のない4節リンク機構の駆動装置及びこの装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る駆動装置は、被駆動体を支持する支持本体側に固定される第1リンクと、前記被駆動体に固定される第2リンクと、前記第1及び第2リンクの一方の端部同士を連結する第3リンクと、前記第1及び第2リンクの他方の端部同士を連結する第4リンクと、前記第1乃至第4リンクの端部同士を回動自在に連結する複数の連結ピンと、前記第1及び第2リンクと前記第3リンクとを連結する連結ピン又は前記第1及び第2リンクと前記第4リンクとを連結する連結ピンに、前記第1リンク側では前記連結ピンと同軸に配置され、前記第2リンク側では前記連結ピンと同軸に取付固定された複数の回転伝動部材と、これら複数の回転伝動部材を連結し、それぞれ前記回転伝動部材を同一回転方向に連動して回動させる連結部材と、前記複数の回転伝動部材のうちの少なくとも1つに回転力を付与する駆動部材とを備えたことを特徴とする。
【0007】
この発明に係る駆動装置の駆動方法は、被駆動体を支持する支持本体側に固定される第1リンクと、前記被駆動体に固定される第2リンクと、前記第1及び第2リンクの一方の端部同士を連結する第3リンクと、前記第1及び第2リンクの他方の端部同士を連結する第4リンクと、前記第1乃至第4リンクの端部同士を回動自在に連結する複数の連結ピンと、前記第1及び第2リンクと前記第3リンクとを連結する連結ピン又は前記第1及び第2リンクと前記第4リンクとを連結する連結ピンに、前記第1リンク側では前記連結ピンと同軸に配置され、前記第2リンク側では前記連結ピンと同軸に取付固定された複数の回転伝動部材と、これら複数の回転伝動部材を連結し、それぞれ前記回転伝動部材を同一回転方向に連動して回動させる連結部材と、前記複数の回転伝動部材のうちの少なくとも1つに回転力を付与する駆動部材とを備えた駆動装置の駆動方法であって、前記駆動部材を駆動して前記第1リンク側に配置された回転伝動部材及び前記第2リンク側に取付固定された回転伝動部材を連動して回動させ、前記第2リンクを前記回転伝動部材側の前記連結ピンを回転中心として前記第2リンクに取付固定された回転伝動部材の回転角と等しい回転角で揺動させることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、支持本体に固定された第1リンク及び被駆動体に固定された第2リンクと第3リンクとを連結する連結ピン又は第1及び第2リンクと第4リンクとを連結する連結ピンに、それぞれ回転伝動部材を第1リンク側では連結ピンと同軸に配置し、第2リンク側では連結ピンと同軸に取付固定してこれら回転伝動部材を連結部材で連結し、例えば第1リンク側に配置された回転伝動部材に回転力を与えて第2リンク側に取付固定された回転伝動部材を連動して回動し、第2リンクを回転伝動部材取付側の端部の連結ピンを回転中心として第2リンクの端部に取付固定された回転伝動部材の回転角と等しい回転角で揺動させて4節リンク機構を駆動する。これにより、固定点である第1リンク側の回転伝動部材側の連結ピンを駆動点とはせず、可動点である第2リンク側の回転伝動部材側の連結ピンを駆動点とすることができるため、第2リンク側の連結ピンがいわゆる死点越えの状態となるまで第2リンクが揺動された場合においてもクランプ状態に陥ることなく4節リンク機構を駆動することが可能となる。
【0009】
なお、回転伝動部材としてはスプロケットやタイミングプーリを用いることが好ましく、連結部材としてはチェーンやベルトを用いることが好ましい。
【0010】
この発明に係る耐屈曲試験装置は、被駆動体を支持する支持本体側に固定される第1リンクと、前記被駆動体に固定される第2リンクと、前記第1及び第2リンクの一方の端部同士を連結する第3リンクと、前記第1及び第2リンクの他方の端部同士を連結する第4リンクと、前記第1乃至第4リンクの端部同士を回動自在に連結する複数の連結ピンと、前記第1及び第2リンクと前記第3リンクとを連結する連結ピン又は前記第1及び第2リンクと前記第4リンクとを連結する連結ピンに、前記第1リンク側では前記連結ピンと同軸に配置され、前記第2リンク側では前記連結ピンと同軸に取付固定された複数の回転伝動部材と、これら複数の回転伝動部材を連結し、それぞれ前記回転伝動部材を同一回転方向に連動して回動させる連結部材と、前記複数の回転伝動部材のうちの少なくとも1つに回転力を付与する駆動部材と、前記被駆動体及び支持本体にそれぞれ一部が取り付けられた状態で配置される試験体とを備え、前記駆動部材を駆動して前記第1リンク側に配置された回転伝動部材及び前記第2リンク側に取付固定された回転伝動部材を連動して回動させ、前記第2リンクを前記回転伝動部材側の前記連結ピンを回転中心として前記第2リンクに取付固定された回転伝動部材の回転角と等しい回転角で揺動させて、前記試験体を前記被駆動体及び支持本体間で屈曲動作させることを特徴とする。
【0011】
この耐屈曲試験装置における試験体は、弾性を有するチューブ状部材であることが好ましく、チューブ状部材としては、グロメットなどが好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る駆動装置の動作説明図である。
駆動装置10は、リンク1,2,3及び4と、これらのリンク1〜4の端部同士を回動自在に連結する連結ピン5,6,7及び8と、リンク1,2のリンク3との連結側の端部に、リンク1では連結ピン5と同軸に配置され、リンク2では連結ピン6と同軸に取付固定された回転伝動部材としてのスプロケット11,12と、これらスプロケット11,12を同一回転方向に連動して回動させる連結部材としてのチェーン13と、スプロケット11,12のうちのリンク1の端部に配置されたスプロケット11に回転力を与える図示しない駆動部材としてのモータとから構成される。
【0013】
この駆動装置10では、リンク1は固定されているため動かないが、リンク2,3,4は、図示しないモータでスプロケット11を図中矢印方向に回転させることにより、その回転力がチェーン13を介してスプロケット12に伝わり、スプロケット12が図中矢印方向に連動して回転し、連結ピン6を回転中心としてリンク2が回転することで揺動される。従って各リンク2,3,4は、2,3,4→2´,3´,4´→2”,3”,4”→2´,3´,4´→2,3,4の範囲内でそれぞれ揺動する。例えば、リンク2,3,4が2,3,4の状態のときを駆動装置10の全閉状態とし、リンク2,3,4が2”,3”,4”の状態のときを駆動装置10の全開状態とすると、リンク2が連結ピン6を回転中心とした場合の回転角度(リンク2の長手方向軸の軸揺動角度)は、θ1となる。この場合、リンク2の端部の連結ピン6は、図2に示すように、連結ピン5,6,7が直線x上に配置されるいわゆる死点を越えて動くことが可能となる。従って、各リンク2,3,4が2”,3”,4”の状態のときにもクランプ状態となることはなく、各リンク2,3,4の可動範囲を最大にとりながらリンク1〜4で構成される4節リンク機構を駆動することが可能となる。
【0014】
なお、この例の駆動装置10では、リンク1,2のリンク3との連結側の端部にスプロケット11,12とチェーン13とを配置したが、図3に示すように、リンク1,2のリンク4との連結側の端部にスプロケット11,12とチェーン13とを配置するようにしても同様の効果を得ることができる。この場合、駆動装置10´のリンク2,3,4は、図示しないモータからスプロケット11及びチェーン13を介して伝えられた回転力でスプロケット12が図中矢印方向に連動して回動することにより、連結ピン7を回転中心としてリンク2が回転することで揺動される。従って、各リンク2,3,4は、同様に2,3,4→2´,3´,4´→2”,3”,4”→2´,3´,4´→2,3,4の範囲内でそれぞれ揺動し、リンク2が連結ピン7を回転中心とした場合の回転角度(リンク2から2”へのリンク2の長手方向軸の軸揺動角度)は、θ1となる。この場合においてもリンク2の端部の連結ピン6は、死点を越えて動くことができ、各リンク2,3,4が2”,3”,4”の状態のときにもクランプ状態に陥ることはなく、各リンク2,3,4の可動範囲を最大にとりつつ4節リンク機構を駆動することができる。なお、スプロケット11,12及びチェーン13の代わりにタイミングプーリとベルトを用いて構成するようにしても良い。
【0015】
図4及び図5は、この発明の駆動装置を自動車のトランクリッドの構造に適用した様子を示す一部断面図である。
自動車の車体後部のトランクルーム20の上部には、このトランクルーム20を開閉するためのトランクリッド21が備えられている。トランクリッド21は、トランクルーム20の側部のアッパバック22の上面に固定されたロアブラケット23と、トランクリッド21の下面に固定されたアッパブラケット24と、これらロアブラケット23及びアッパブラケット24を結ぶ前側リンク25及び後側リンク26とでトランクルーム20に開閉自在に固定されている。アッパバック22の前端には、リアウィンドウ29がシール29aを介して配置されている。なお、これらロアブラケット23、アッパブラケット24、前側及び後側リンク25,26で4節リンク機構を構成し、ロアブラケット23が駆動装置10のリンク1に、アッパブラケット24が駆動装置10のリンク2に、前側リンク25が駆動装置10のリンク3に、後側リンク26が駆動装置10のリンク4にそれぞれ相当する。
【0016】
前側リンク25は、ロアブラケット23及びアッパブラケット24の前端部にそれぞれ連結ピン27a,28aを介して揺動可能な状態で両端部が連結され、後側リンク26は、ロアブラケット23及びアッパブラケット24の前端部よりも後方の一端部にそれぞれ連結ピン27b,28bを介して揺動可能な状態で両端部が連結されている。ロアブラケット23及びアッパブラケット24の一方の端部には、連結ピン27a,28aと同軸にスプロケット31,32が配置され、これらスプロケット31,32は、チェーン33で連動して回動するように連結されている。なお、この例ではスプロケット31は、ロアブラケット23の端部において連結ピン27aと接続されずに同軸に配置されており、スプロケット32は、アッパブラケット24の端部において連結ピン28aと接続されて同軸に取り付けられているが、スプロケット31が連結ピン27aと接続されていても問題はない。また、スプロケット31はスプロケット32よりも歯数が多く構成されており、スプロケット31,32及びチェーン33で増速機構を構成する。アッパブラケット24とスプロケット32とは、連結ピン28aでスプロケット32の回動動作にアッパブラケット24が連動するように固定されている。なお、この例では、スプロケット31,32及びチェーン33で増速機構を構成しているが、スプロケット32の歯数がスプロケット31の歯数よりも多い構成の減速機構を採用するようにしても良い。
【0017】
スプロケット31には、スプロケット31に回転力を与えるための図示しないモータが接続されており、このモータによりスプロケット31に与えられた回転力がチェーン33を介してスプロケット32に伝わり、アッパブラケット24を揺動させる。それに伴いこのアッパブラケット24が固定されたトランクリッド21が開閉する。アッパブラケット24は、可動点である連結ピン28aの部分に直接回転力が加えられることにより揺動するため、図4に示すトランクリッド21の全閉状態から図5に示すトランクリッド21の全開状態までクランプ状態に陥ることなく揺動することが可能となる。従来では連結ピン27aと連結ピン28bとを結ぶ直線を越えて連結ピン28aが動くようにトランクリッド21を開閉することはできなかったが、これにより、該直線を越えても連結ピン28aを動かすことが可能となり、トランクリッド21の開閉角度θ1(図5参照)を最大限に設定することができる。
【0018】
図6は、この発明の一実施形態に係る耐屈曲試験装置の平面図、図7は、この耐屈曲試験装置の正面図、図8〜図11は、この耐屈曲試験装置の動作を説明するための図7のA−A´部分の一部断面図である。
図6〜図8に示すように、耐屈曲試験装置40は、4節リンク機構を備えて構成されている。即ち、耐屈曲試験装置40は、第1リンクとしてのロアブラケット41と、第2リンクとしてのアッパブラケット42と、第3リンクとしての第1揺動アーム43と、第4リンクとしての第2揺動アーム44とを備えている。これらロアブラケット41、アッパブラケット42、第1揺動アーム43及び第2揺動アーム44は、連結ピン45〜48により回動自在に連結されている。ロアブラケット41は、被駆動体を支持する支持本体としてのベースプレート51にリベット59aを介して取付固定されており、アッパブラケット42は、被駆動体としてのフレーム52にリベット59bを介して取付固定されている。なお、フレーム52はアッパブラケット42と一体となって運動する。
【0019】
フレーム52の端部には、螺子部52aを有するスプロケット取付部52bが形成されており、このスプロケット取付部52bにナット58aでスプロケット62が締付固定されている。スプロケット取付部52bの中心軸は、連結ピン46の中心軸と同軸であるため、スプロケット62の回転中心と連結ピン46の回転中心とは同軸となる。また、フレーム52のスプロケット取付部52b形成側と反対側の端部には、リンク57との連結部であるリンク連結部52cが形成されており、フレーム52は連結ピン56を介してリンク57の一方の端部と連結されている。このリンク57のフレーム52との連結側と反対側の端部には、連結軸55が取り付けられ、この連結軸55を中心としてリンク57が揺動する構造となっている。なお、この連結軸55は、軸受台54bに支持されている。
【0020】
この軸受台54bと対を成す軸受台54aには、揺動ロッド53が挿通支持され、この揺動ロッド53の先端部には、螺子部53aを有するスプロケット取付部53bが形成されており、このスプロケット取付部53bにナット58bでスプロケット61が締付固定されている。この揺動ロッド53は、中心軸が連結ピン45と同軸となるように軸受台54aに挿通されているため、スプロケット61の回転中心と連結ピン45の回転中心とは同軸となる。なお、スプロケット61,62は、両者を連動して回動させる連結部材としてのチェーン63により連結されている。一方、揺動ロッド53の後端部には、モータ69の出力軸69aから出力される回転運動を揺動ロッド53の往復回転運動に変換するためのカム部53cが形成されており、このカム部53cとモータ69の出力軸69aの先端に形成されたカム部69bとでカム機構を構成する。このカム機構では、図12に示すように、モータ69の出力軸69aの回転運動がカム部69bに形成された偏心軸69cを円運動させ、この偏心軸69cの円運動が、偏心軸69cが係合すると共に揺動ロッド53の中心軸を通る溝部53dが形成されたカム部53cを往復回転運動させることにより、揺動ロッド53を図中矢印A方向に往復回転運動させる構造となっている。
【0021】
ロアブラケット41が固定されたベースプレート51は、複数のプレート受台60a,60bに支持されており、更にこれらプレート受台60a,60bは軸受台54a,54bにリベット59cによりそれぞれ取付固定されている。このように構成された耐屈曲試験装置40のフレーム52には、ビーム49a〜49dを介して、例えば試験体であるグロメット65の一部が取り付けられるパネル64a,64bが取付固定されている。なお、グロメット65の一部は、ベースプレート51にも取り付けられる。
【0022】
試験体であるグロメット65の耐屈曲性を試験するには、モータ69を始動させ、揺動ロッド53を往復回転運動させてフレーム52を図8に示す全閉状態から図11に示す全開状態まで繰り返し往復駆動させれば良い。図8に示すフレーム52の全閉状態のときにモータ69を始動して揺動ロッド53を揺動させると、その運動はスプロケット61、チェーン63及びスプロケット62に伝達される。この伝達された運動によりフレーム52には連結ピン46を回転中心とした回転運動と並進運動とが同時に与えられ、フレーム52は、揺動ロッド53の往復回転運動角(揺動角)に応じた開閉運動を行う。
【0023】
従来の耐屈曲試験装置のように、スプロケット61,62及びチェーン63を廃し、例えば連結ピン45を回転中心として第1揺動アーム43を揺動させてフレーム52の開閉運動を行うと、図8に示すフレーム52の全閉状態から図11に示すフレーム52の全開状態へ移行する途中で、図10に示すような連結ピン45〜47が直線x上に揃う状態から図11に示すような連結ピン46が図10の直線xを越えた状態(死点を越えた状態)になったときに4節リンク機構がクランプ状態となるため、フレーム52が全閉状態に戻れなくなってしまっていた。そのため、フレーム52の全開状態として、図10に示す状態に至る前までの状態を揺動ロッド53の揺動角により設定し、耐屈曲試験を行っていた。しかし、そのような試験では、試験体であるグロメット65の屈曲運動が小さいため、グロメット65の本来の耐屈曲性を引き出せない結果となることが多かった。このため、この発明の耐屈曲試験装置40では、スプロケット61,62及びチェーン63により、可動点であるフレーム52側の連結ピン46を回転中心としてフレーム52を駆動し、死点を越えた場合であってもフレーム52を全閉状態から全開状態に繰り返し往復駆動することができるように構成することにより、グロメット65の本来の耐屈曲性を試験することができるような構造を実現した。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、支持本体に固定された第1リンク及び被駆動体に固定された第2リンクと第3リンクとを連結する連結ピン又は第1及び第2リンクと第4リンクとを連結する連結ピンに、それぞれ回転伝動部材を第1リンク側では連結ピンと同軸に配置し、第2リンク側では連結ピンと同軸に取付固定してこれら回転伝動部材を連結部材で連結し、例えば第1リンク側に配置された回転伝動部材に回転力を与えて第2リンク側に取付固定された回転伝動部材を連動して回動し、第2リンクを回転伝動部材取付側の端部の連結ピンを回転中心として第2リンクの端部に取付固定された回転伝動部材の回転角と等しい回転角で揺動させて4節リンク機構を駆動する。これにより、固定点である第1リンク側の回転伝動部材側の連結ピンを駆動点とはせず、可動点である第2リンク側の回転伝動部材側の連結ピンを駆動点とすることができるため、第2リンク側の連結ピンがいわゆる死点越えの状態となるまで第2リンクが揺動された場合においてもクランプ状態に陥ることなく4節リンク機構を駆動することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る駆動装置の動作説明図である。
【図2】同駆動装置の動作説明図である。
【図3】この発明の他の実施形態に係る駆動装置の動作説明図である。
【図4】この発明の駆動装置を自動車のトランクリッドの構造に適用した様子を示す一部断面図である。
【図5】この発明の駆動装置を自動車のトランクリッドの構造に適用した様子を示す一部断面図である。
【図6】この発明の一実施形態に係る耐屈曲試験装置の平面図である。
【図7】同耐屈曲試験装置の正面図である。
【図8】同耐屈曲試験装置の動作を説明するための図7のA−A´部分の一部断面図である。
【図9】同耐屈曲試験装置の動作を説明するための図7のA−A´部分の一部断面図である。
【図10】同耐屈曲試験装置の動作を説明するための図7のA−A´部分の一部断面図である。
【図11】同耐屈曲試験装置の動作を説明するための図7のA−A´部分の一部断面図である。
【図12】同耐屈曲試験装置のカム機構を説明するための平面図である。
【図13】従来の4節リンク機構を用いた駆動装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】1,2,3,4…リンク、5,6,7,8,27,28,45,46,47,48…連結ピン、11,12,31,32…スプロケット、13,33…チェーン、20…トランクルーム、21…トランクリッド、22…アッパバック、23,41…ロアブラケット、24,42…アッパブラケット、25…前側リンク、26…後側リンク、29…リアウィンドウ、40…耐屈曲試験装置、43…第1揺動アーム、44…第2揺動アーム、51…ベースプレート、52…フレーム、53…揺動ロッド。
【発明の属する技術分野】
この発明は、4節リンク機構の駆動装置及び駆動方法に関し、特にいわゆる死点越え後のクランプ状態においても動作が可能となる駆動装置及びこの装置の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13に従来の4節リンク機構を用いた駆動装置の動作を示す。この駆動装置100は、リンクa,b,c,dを連結ピンe,f,g,hで連結した構造からなる。この駆動装置100において、リンクaは固定され、リンクbは連結ピンeを中心に回転し、リンクdは連結ピンhを中心に回転すると共に、リンクcは連結ピンf,gを介してリンクb,dにそれぞれ連結されている。例えば、リンクbは同図においてb→b´→b”→b´→bで示すように揺動し、他のリンクc,dも連動して揺動する。このような駆動装置100は、従来より自動車のトランクリッドやバックドア等の開閉体を開閉するために多く採用されている(例えば、特許文献1、2及び3参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開平2−1386号公報(第1頁、第1−4図)
【特許文献2】
特開平7−61372号公報(第2−3頁、第1−4図)
【特許文献3】
特開2002−194946号公報(第3−4頁、第1−4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13に示す駆動装置100で各リンクb〜dを揺動させる場合、例えば連結ピンe側からリンクbに駆動力を与えリンクbを直接揺動させると、リンクbがb”となったときに連結ピンfが連結ピンe,gを結ぶ直線を越えたいわゆる死点越えの状態となり、リンクb”,c”,d”がクランプ状態に陥ってリンクb”からb´への動きができなくなるという問題がある。
【0005】
この発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、いわゆる死点越えの場合でもクランプ状態のない4節リンク機構の駆動装置及びこの装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る駆動装置は、被駆動体を支持する支持本体側に固定される第1リンクと、前記被駆動体に固定される第2リンクと、前記第1及び第2リンクの一方の端部同士を連結する第3リンクと、前記第1及び第2リンクの他方の端部同士を連結する第4リンクと、前記第1乃至第4リンクの端部同士を回動自在に連結する複数の連結ピンと、前記第1及び第2リンクと前記第3リンクとを連結する連結ピン又は前記第1及び第2リンクと前記第4リンクとを連結する連結ピンに、前記第1リンク側では前記連結ピンと同軸に配置され、前記第2リンク側では前記連結ピンと同軸に取付固定された複数の回転伝動部材と、これら複数の回転伝動部材を連結し、それぞれ前記回転伝動部材を同一回転方向に連動して回動させる連結部材と、前記複数の回転伝動部材のうちの少なくとも1つに回転力を付与する駆動部材とを備えたことを特徴とする。
【0007】
この発明に係る駆動装置の駆動方法は、被駆動体を支持する支持本体側に固定される第1リンクと、前記被駆動体に固定される第2リンクと、前記第1及び第2リンクの一方の端部同士を連結する第3リンクと、前記第1及び第2リンクの他方の端部同士を連結する第4リンクと、前記第1乃至第4リンクの端部同士を回動自在に連結する複数の連結ピンと、前記第1及び第2リンクと前記第3リンクとを連結する連結ピン又は前記第1及び第2リンクと前記第4リンクとを連結する連結ピンに、前記第1リンク側では前記連結ピンと同軸に配置され、前記第2リンク側では前記連結ピンと同軸に取付固定された複数の回転伝動部材と、これら複数の回転伝動部材を連結し、それぞれ前記回転伝動部材を同一回転方向に連動して回動させる連結部材と、前記複数の回転伝動部材のうちの少なくとも1つに回転力を付与する駆動部材とを備えた駆動装置の駆動方法であって、前記駆動部材を駆動して前記第1リンク側に配置された回転伝動部材及び前記第2リンク側に取付固定された回転伝動部材を連動して回動させ、前記第2リンクを前記回転伝動部材側の前記連結ピンを回転中心として前記第2リンクに取付固定された回転伝動部材の回転角と等しい回転角で揺動させることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、支持本体に固定された第1リンク及び被駆動体に固定された第2リンクと第3リンクとを連結する連結ピン又は第1及び第2リンクと第4リンクとを連結する連結ピンに、それぞれ回転伝動部材を第1リンク側では連結ピンと同軸に配置し、第2リンク側では連結ピンと同軸に取付固定してこれら回転伝動部材を連結部材で連結し、例えば第1リンク側に配置された回転伝動部材に回転力を与えて第2リンク側に取付固定された回転伝動部材を連動して回動し、第2リンクを回転伝動部材取付側の端部の連結ピンを回転中心として第2リンクの端部に取付固定された回転伝動部材の回転角と等しい回転角で揺動させて4節リンク機構を駆動する。これにより、固定点である第1リンク側の回転伝動部材側の連結ピンを駆動点とはせず、可動点である第2リンク側の回転伝動部材側の連結ピンを駆動点とすることができるため、第2リンク側の連結ピンがいわゆる死点越えの状態となるまで第2リンクが揺動された場合においてもクランプ状態に陥ることなく4節リンク機構を駆動することが可能となる。
【0009】
なお、回転伝動部材としてはスプロケットやタイミングプーリを用いることが好ましく、連結部材としてはチェーンやベルトを用いることが好ましい。
【0010】
この発明に係る耐屈曲試験装置は、被駆動体を支持する支持本体側に固定される第1リンクと、前記被駆動体に固定される第2リンクと、前記第1及び第2リンクの一方の端部同士を連結する第3リンクと、前記第1及び第2リンクの他方の端部同士を連結する第4リンクと、前記第1乃至第4リンクの端部同士を回動自在に連結する複数の連結ピンと、前記第1及び第2リンクと前記第3リンクとを連結する連結ピン又は前記第1及び第2リンクと前記第4リンクとを連結する連結ピンに、前記第1リンク側では前記連結ピンと同軸に配置され、前記第2リンク側では前記連結ピンと同軸に取付固定された複数の回転伝動部材と、これら複数の回転伝動部材を連結し、それぞれ前記回転伝動部材を同一回転方向に連動して回動させる連結部材と、前記複数の回転伝動部材のうちの少なくとも1つに回転力を付与する駆動部材と、前記被駆動体及び支持本体にそれぞれ一部が取り付けられた状態で配置される試験体とを備え、前記駆動部材を駆動して前記第1リンク側に配置された回転伝動部材及び前記第2リンク側に取付固定された回転伝動部材を連動して回動させ、前記第2リンクを前記回転伝動部材側の前記連結ピンを回転中心として前記第2リンクに取付固定された回転伝動部材の回転角と等しい回転角で揺動させて、前記試験体を前記被駆動体及び支持本体間で屈曲動作させることを特徴とする。
【0011】
この耐屈曲試験装置における試験体は、弾性を有するチューブ状部材であることが好ましく、チューブ状部材としては、グロメットなどが好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る駆動装置の動作説明図である。
駆動装置10は、リンク1,2,3及び4と、これらのリンク1〜4の端部同士を回動自在に連結する連結ピン5,6,7及び8と、リンク1,2のリンク3との連結側の端部に、リンク1では連結ピン5と同軸に配置され、リンク2では連結ピン6と同軸に取付固定された回転伝動部材としてのスプロケット11,12と、これらスプロケット11,12を同一回転方向に連動して回動させる連結部材としてのチェーン13と、スプロケット11,12のうちのリンク1の端部に配置されたスプロケット11に回転力を与える図示しない駆動部材としてのモータとから構成される。
【0013】
この駆動装置10では、リンク1は固定されているため動かないが、リンク2,3,4は、図示しないモータでスプロケット11を図中矢印方向に回転させることにより、その回転力がチェーン13を介してスプロケット12に伝わり、スプロケット12が図中矢印方向に連動して回転し、連結ピン6を回転中心としてリンク2が回転することで揺動される。従って各リンク2,3,4は、2,3,4→2´,3´,4´→2”,3”,4”→2´,3´,4´→2,3,4の範囲内でそれぞれ揺動する。例えば、リンク2,3,4が2,3,4の状態のときを駆動装置10の全閉状態とし、リンク2,3,4が2”,3”,4”の状態のときを駆動装置10の全開状態とすると、リンク2が連結ピン6を回転中心とした場合の回転角度(リンク2の長手方向軸の軸揺動角度)は、θ1となる。この場合、リンク2の端部の連結ピン6は、図2に示すように、連結ピン5,6,7が直線x上に配置されるいわゆる死点を越えて動くことが可能となる。従って、各リンク2,3,4が2”,3”,4”の状態のときにもクランプ状態となることはなく、各リンク2,3,4の可動範囲を最大にとりながらリンク1〜4で構成される4節リンク機構を駆動することが可能となる。
【0014】
なお、この例の駆動装置10では、リンク1,2のリンク3との連結側の端部にスプロケット11,12とチェーン13とを配置したが、図3に示すように、リンク1,2のリンク4との連結側の端部にスプロケット11,12とチェーン13とを配置するようにしても同様の効果を得ることができる。この場合、駆動装置10´のリンク2,3,4は、図示しないモータからスプロケット11及びチェーン13を介して伝えられた回転力でスプロケット12が図中矢印方向に連動して回動することにより、連結ピン7を回転中心としてリンク2が回転することで揺動される。従って、各リンク2,3,4は、同様に2,3,4→2´,3´,4´→2”,3”,4”→2´,3´,4´→2,3,4の範囲内でそれぞれ揺動し、リンク2が連結ピン7を回転中心とした場合の回転角度(リンク2から2”へのリンク2の長手方向軸の軸揺動角度)は、θ1となる。この場合においてもリンク2の端部の連結ピン6は、死点を越えて動くことができ、各リンク2,3,4が2”,3”,4”の状態のときにもクランプ状態に陥ることはなく、各リンク2,3,4の可動範囲を最大にとりつつ4節リンク機構を駆動することができる。なお、スプロケット11,12及びチェーン13の代わりにタイミングプーリとベルトを用いて構成するようにしても良い。
【0015】
図4及び図5は、この発明の駆動装置を自動車のトランクリッドの構造に適用した様子を示す一部断面図である。
自動車の車体後部のトランクルーム20の上部には、このトランクルーム20を開閉するためのトランクリッド21が備えられている。トランクリッド21は、トランクルーム20の側部のアッパバック22の上面に固定されたロアブラケット23と、トランクリッド21の下面に固定されたアッパブラケット24と、これらロアブラケット23及びアッパブラケット24を結ぶ前側リンク25及び後側リンク26とでトランクルーム20に開閉自在に固定されている。アッパバック22の前端には、リアウィンドウ29がシール29aを介して配置されている。なお、これらロアブラケット23、アッパブラケット24、前側及び後側リンク25,26で4節リンク機構を構成し、ロアブラケット23が駆動装置10のリンク1に、アッパブラケット24が駆動装置10のリンク2に、前側リンク25が駆動装置10のリンク3に、後側リンク26が駆動装置10のリンク4にそれぞれ相当する。
【0016】
前側リンク25は、ロアブラケット23及びアッパブラケット24の前端部にそれぞれ連結ピン27a,28aを介して揺動可能な状態で両端部が連結され、後側リンク26は、ロアブラケット23及びアッパブラケット24の前端部よりも後方の一端部にそれぞれ連結ピン27b,28bを介して揺動可能な状態で両端部が連結されている。ロアブラケット23及びアッパブラケット24の一方の端部には、連結ピン27a,28aと同軸にスプロケット31,32が配置され、これらスプロケット31,32は、チェーン33で連動して回動するように連結されている。なお、この例ではスプロケット31は、ロアブラケット23の端部において連結ピン27aと接続されずに同軸に配置されており、スプロケット32は、アッパブラケット24の端部において連結ピン28aと接続されて同軸に取り付けられているが、スプロケット31が連結ピン27aと接続されていても問題はない。また、スプロケット31はスプロケット32よりも歯数が多く構成されており、スプロケット31,32及びチェーン33で増速機構を構成する。アッパブラケット24とスプロケット32とは、連結ピン28aでスプロケット32の回動動作にアッパブラケット24が連動するように固定されている。なお、この例では、スプロケット31,32及びチェーン33で増速機構を構成しているが、スプロケット32の歯数がスプロケット31の歯数よりも多い構成の減速機構を採用するようにしても良い。
【0017】
スプロケット31には、スプロケット31に回転力を与えるための図示しないモータが接続されており、このモータによりスプロケット31に与えられた回転力がチェーン33を介してスプロケット32に伝わり、アッパブラケット24を揺動させる。それに伴いこのアッパブラケット24が固定されたトランクリッド21が開閉する。アッパブラケット24は、可動点である連結ピン28aの部分に直接回転力が加えられることにより揺動するため、図4に示すトランクリッド21の全閉状態から図5に示すトランクリッド21の全開状態までクランプ状態に陥ることなく揺動することが可能となる。従来では連結ピン27aと連結ピン28bとを結ぶ直線を越えて連結ピン28aが動くようにトランクリッド21を開閉することはできなかったが、これにより、該直線を越えても連結ピン28aを動かすことが可能となり、トランクリッド21の開閉角度θ1(図5参照)を最大限に設定することができる。
【0018】
図6は、この発明の一実施形態に係る耐屈曲試験装置の平面図、図7は、この耐屈曲試験装置の正面図、図8〜図11は、この耐屈曲試験装置の動作を説明するための図7のA−A´部分の一部断面図である。
図6〜図8に示すように、耐屈曲試験装置40は、4節リンク機構を備えて構成されている。即ち、耐屈曲試験装置40は、第1リンクとしてのロアブラケット41と、第2リンクとしてのアッパブラケット42と、第3リンクとしての第1揺動アーム43と、第4リンクとしての第2揺動アーム44とを備えている。これらロアブラケット41、アッパブラケット42、第1揺動アーム43及び第2揺動アーム44は、連結ピン45〜48により回動自在に連結されている。ロアブラケット41は、被駆動体を支持する支持本体としてのベースプレート51にリベット59aを介して取付固定されており、アッパブラケット42は、被駆動体としてのフレーム52にリベット59bを介して取付固定されている。なお、フレーム52はアッパブラケット42と一体となって運動する。
【0019】
フレーム52の端部には、螺子部52aを有するスプロケット取付部52bが形成されており、このスプロケット取付部52bにナット58aでスプロケット62が締付固定されている。スプロケット取付部52bの中心軸は、連結ピン46の中心軸と同軸であるため、スプロケット62の回転中心と連結ピン46の回転中心とは同軸となる。また、フレーム52のスプロケット取付部52b形成側と反対側の端部には、リンク57との連結部であるリンク連結部52cが形成されており、フレーム52は連結ピン56を介してリンク57の一方の端部と連結されている。このリンク57のフレーム52との連結側と反対側の端部には、連結軸55が取り付けられ、この連結軸55を中心としてリンク57が揺動する構造となっている。なお、この連結軸55は、軸受台54bに支持されている。
【0020】
この軸受台54bと対を成す軸受台54aには、揺動ロッド53が挿通支持され、この揺動ロッド53の先端部には、螺子部53aを有するスプロケット取付部53bが形成されており、このスプロケット取付部53bにナット58bでスプロケット61が締付固定されている。この揺動ロッド53は、中心軸が連結ピン45と同軸となるように軸受台54aに挿通されているため、スプロケット61の回転中心と連結ピン45の回転中心とは同軸となる。なお、スプロケット61,62は、両者を連動して回動させる連結部材としてのチェーン63により連結されている。一方、揺動ロッド53の後端部には、モータ69の出力軸69aから出力される回転運動を揺動ロッド53の往復回転運動に変換するためのカム部53cが形成されており、このカム部53cとモータ69の出力軸69aの先端に形成されたカム部69bとでカム機構を構成する。このカム機構では、図12に示すように、モータ69の出力軸69aの回転運動がカム部69bに形成された偏心軸69cを円運動させ、この偏心軸69cの円運動が、偏心軸69cが係合すると共に揺動ロッド53の中心軸を通る溝部53dが形成されたカム部53cを往復回転運動させることにより、揺動ロッド53を図中矢印A方向に往復回転運動させる構造となっている。
【0021】
ロアブラケット41が固定されたベースプレート51は、複数のプレート受台60a,60bに支持されており、更にこれらプレート受台60a,60bは軸受台54a,54bにリベット59cによりそれぞれ取付固定されている。このように構成された耐屈曲試験装置40のフレーム52には、ビーム49a〜49dを介して、例えば試験体であるグロメット65の一部が取り付けられるパネル64a,64bが取付固定されている。なお、グロメット65の一部は、ベースプレート51にも取り付けられる。
【0022】
試験体であるグロメット65の耐屈曲性を試験するには、モータ69を始動させ、揺動ロッド53を往復回転運動させてフレーム52を図8に示す全閉状態から図11に示す全開状態まで繰り返し往復駆動させれば良い。図8に示すフレーム52の全閉状態のときにモータ69を始動して揺動ロッド53を揺動させると、その運動はスプロケット61、チェーン63及びスプロケット62に伝達される。この伝達された運動によりフレーム52には連結ピン46を回転中心とした回転運動と並進運動とが同時に与えられ、フレーム52は、揺動ロッド53の往復回転運動角(揺動角)に応じた開閉運動を行う。
【0023】
従来の耐屈曲試験装置のように、スプロケット61,62及びチェーン63を廃し、例えば連結ピン45を回転中心として第1揺動アーム43を揺動させてフレーム52の開閉運動を行うと、図8に示すフレーム52の全閉状態から図11に示すフレーム52の全開状態へ移行する途中で、図10に示すような連結ピン45〜47が直線x上に揃う状態から図11に示すような連結ピン46が図10の直線xを越えた状態(死点を越えた状態)になったときに4節リンク機構がクランプ状態となるため、フレーム52が全閉状態に戻れなくなってしまっていた。そのため、フレーム52の全開状態として、図10に示す状態に至る前までの状態を揺動ロッド53の揺動角により設定し、耐屈曲試験を行っていた。しかし、そのような試験では、試験体であるグロメット65の屈曲運動が小さいため、グロメット65の本来の耐屈曲性を引き出せない結果となることが多かった。このため、この発明の耐屈曲試験装置40では、スプロケット61,62及びチェーン63により、可動点であるフレーム52側の連結ピン46を回転中心としてフレーム52を駆動し、死点を越えた場合であってもフレーム52を全閉状態から全開状態に繰り返し往復駆動することができるように構成することにより、グロメット65の本来の耐屈曲性を試験することができるような構造を実現した。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、支持本体に固定された第1リンク及び被駆動体に固定された第2リンクと第3リンクとを連結する連結ピン又は第1及び第2リンクと第4リンクとを連結する連結ピンに、それぞれ回転伝動部材を第1リンク側では連結ピンと同軸に配置し、第2リンク側では連結ピンと同軸に取付固定してこれら回転伝動部材を連結部材で連結し、例えば第1リンク側に配置された回転伝動部材に回転力を与えて第2リンク側に取付固定された回転伝動部材を連動して回動し、第2リンクを回転伝動部材取付側の端部の連結ピンを回転中心として第2リンクの端部に取付固定された回転伝動部材の回転角と等しい回転角で揺動させて4節リンク機構を駆動する。これにより、固定点である第1リンク側の回転伝動部材側の連結ピンを駆動点とはせず、可動点である第2リンク側の回転伝動部材側の連結ピンを駆動点とすることができるため、第2リンク側の連結ピンがいわゆる死点越えの状態となるまで第2リンクが揺動された場合においてもクランプ状態に陥ることなく4節リンク機構を駆動することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る駆動装置の動作説明図である。
【図2】同駆動装置の動作説明図である。
【図3】この発明の他の実施形態に係る駆動装置の動作説明図である。
【図4】この発明の駆動装置を自動車のトランクリッドの構造に適用した様子を示す一部断面図である。
【図5】この発明の駆動装置を自動車のトランクリッドの構造に適用した様子を示す一部断面図である。
【図6】この発明の一実施形態に係る耐屈曲試験装置の平面図である。
【図7】同耐屈曲試験装置の正面図である。
【図8】同耐屈曲試験装置の動作を説明するための図7のA−A´部分の一部断面図である。
【図9】同耐屈曲試験装置の動作を説明するための図7のA−A´部分の一部断面図である。
【図10】同耐屈曲試験装置の動作を説明するための図7のA−A´部分の一部断面図である。
【図11】同耐屈曲試験装置の動作を説明するための図7のA−A´部分の一部断面図である。
【図12】同耐屈曲試験装置のカム機構を説明するための平面図である。
【図13】従来の4節リンク機構を用いた駆動装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】1,2,3,4…リンク、5,6,7,8,27,28,45,46,47,48…連結ピン、11,12,31,32…スプロケット、13,33…チェーン、20…トランクルーム、21…トランクリッド、22…アッパバック、23,41…ロアブラケット、24,42…アッパブラケット、25…前側リンク、26…後側リンク、29…リアウィンドウ、40…耐屈曲試験装置、43…第1揺動アーム、44…第2揺動アーム、51…ベースプレート、52…フレーム、53…揺動ロッド。
Claims (7)
- 被駆動体を支持する支持本体側に固定される第1リンクと、
前記被駆動体に固定される第2リンクと、
前記第1及び第2リンクの一方の端部同士を連結する第3リンクと、
前記第1及び第2リンクの他方の端部同士を連結する第4リンクと、
前記第1乃至第4リンクの端部同士を回動自在に連結する複数の連結ピンと、
前記第1及び第2リンクと前記第3リンクとを連結する連結ピン又は前記第1及び第2リンクと前記第4リンクとを連結する連結ピンに、前記第1リンク側では前記連結ピンと同軸に配置され、前記第2リンク側では前記連結ピンと同軸に取付固定された複数の回転伝動部材と、
これら複数の回転伝動部材を連結し、それぞれ前記回転伝動部材を同一回転方向に連動して回動させる連結部材と、
前記複数の回転伝動部材のうちの少なくとも1つに回転力を付与する駆動部材と
を備えたことを特徴とする駆動装置。 - 前記回転伝動部材はスプロケットであり、前記連結部材はチェーンであることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
- 前記回転伝動部材はタイミングプーリであり、前記連結部材はベルトであることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
- 被駆動体を支持する支持本体側に固定される第1リンクと、
前記被駆動体に固定される第2リンクと、
前記第1及び第2リンクの一方の端部同士を連結する第3リンクと、
前記第1及び第2リンクの他方の端部同士を連結する第4リンクと、
前記第1乃至第4リンクの端部同士を回動自在に連結する複数の連結ピンと、
前記第1及び第2リンクと前記第3リンクとを連結する連結ピン又は前記第1及び第2リンクと前記第4リンクとを連結する連結ピンに、前記第1リンク側では前記連結ピンと同軸に配置され、前記第2リンク側では前記連結ピンと同軸に取付固定された複数の回転伝動部材と、
これら複数の回転伝動部材を連結し、それぞれ前記回転伝動部材を同一回転方向に連動して回動させる連結部材と、
前記複数の回転伝動部材のうちの少なくとも1つに回転力を付与する駆動部材と
を備えた駆動装置の駆動方法であって、
前記駆動部材を駆動して前記第1リンク側に配置された回転伝動部材及び前記第2リンク側に取付固定された回転伝動部材を連動して回動させ、
前記第2リンクを前記回転伝動部材側の前記連結ピンを回転中心として前記第2リンクに取付固定された回転伝動部材の回転角と等しい回転角で揺動させる
ことを特徴とする駆動装置の駆動方法。 - 被駆動体を支持する支持本体側に固定される第1リンクと、
前記被駆動体に固定される第2リンクと、
前記第1及び第2リンクの一方の端部同士を連結する第3リンクと、
前記第1及び第2リンクの他方の端部同士を連結する第4リンクと、
前記第1乃至第4リンクの端部同士を回動自在に連結する複数の連結ピンと、
前記第1及び第2リンクと前記第3リンクとを連結する連結ピン又は前記第1及び第2リンクと前記第4リンクとを連結する連結ピンに、前記第1リンク側では前記連結ピンと同軸に配置され、前記第2リンク側では前記連結ピンと同軸に取付固定された複数の回転伝動部材と、
これら複数の回転伝動部材を連結し、それぞれ前記回転伝動部材を同一回転方向に連動して回動させる連結部材と、
前記複数の回転伝動部材のうちの少なくとも1つに回転力を付与する駆動部材と、
前記被駆動体及び支持本体にそれぞれ一部が取り付けられた状態で配置される試験体と
を備え、
前記駆動部材を駆動して前記第1リンク側に配置された回転伝動部材及び前記第2リンク側に取付固定された回転伝動部材を連動して回動させ、
前記第2リンクを前記回転伝動部材側の前記連結ピンを回転中心として前記第2リンクに取付固定された回転伝動部材の回転角と等しい回転角で揺動させて、
前記試験体を前記被駆動体及び支持本体間で屈曲動作させる
ことを特徴とする耐屈曲試験装置。 - 前記試験体は、弾性を有するチューブ状部材であることを特徴とする請求項5記載の耐屈曲試験装置。
- 前記チューブ状部材は、グロメットであることを特徴とする請求項6記載の耐屈曲試験装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011246893A (ja) * | 2010-05-24 | 2011-12-08 | Johnan Seisakusho Co Ltd | 蓋の開閉リンク構造 |
CN105564512A (zh) * | 2014-10-29 | 2016-05-11 | 三菱自动车工业株式会社 | 车辆的充电盖装置 |
-
2002
- 2002-11-01 JP JP2002319618A patent/JP2004150614A/ja active Pending
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