JP2004150451A - 噴霧装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォグ生成のための空気量を少なくすると、空気流の持つエネルギーサイズが小さくなり、油に空気流による剪断力を作用させて微細化する能力が欠如してしまう。
【解決手段】フォグ生成機構5は、少なくとも能力の異なる大小二種類のフォグ生成器5a,5bを有しており、能力小のフォグ生成器5aの一次側には、予め設定した閾値で電気信号を発信せしめる流量検出器11が配設されると共に、能力大のフォグ生成器5bの一次側には、電磁弁等からなる第2切換弁12が配設されている。前記フォグ生成器5a,5bとしては、生成部への油(潤滑剤又は切削剤)の供給をポンプ駆動によって達成する形式のフォグ生成器を用いている。例えば、このフォグ生成器5aとしては、軸心方向に液体流入孔を有するニードルノズルと、該ニードルノズルの下流側に配設されるノズルボディと微粒化機構とを備えるが良い。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてMQL(最少油量潤滑)セミドライ加工に最適な微量オイルの潤滑が行える噴霧装置に関し、更に詳しくは、刃具側の空気消費量に見合ったフォグを生成して、小刃具から大刃具までに至る加工点へMQLとして最適なフォグの供給が行える有用な噴霧装置に存する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、工作機械における加工は、切削液を垂れ流す方法で、加工時の発生熱、切粉の除去を行って来た。近年、切削廃液の処理、切粉のリサイクルのための脱脂等の環境問題が浮上し、工作機械においてもMQL(最少油量潤滑)化が急速に進んでいる。
【0003】
従来、斯かる工作機械に使用される噴霧装置としては、例えば、油(潤滑剤又は切削剤)を霧化させるために圧縮空気の流れを利用した所謂ベンチュリ機構を使用したものが従来例として周知である。この従来の噴霧装置は、上から滴下する油に対して、径方向に形成された空気入口からの圧縮空気を狭いベンチュリ管路を通過させることにより、更に流速を強めて生じる負圧を利用し、油と圧縮空気の混合を促進させてフォグを生成させている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開平9−308450号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の噴霧装置にあっては、フォグ生成のための空気量を少なくすると、空気流の持つエネルギーサイズが小さくなり、油に空気流による剪断力を作用させて微細化する能力(以下、単にフォグ生成力という)が欠如してしまうといった問題がある。
【0005】
特に、機械加工においては、加工時に油を供給して、潤滑・冷却の目的を果たしていたが、省資源・対環境対策等のために油の使用量を大幅に低減する動きがあり(MQL化)、油をフォグ化して刃具に貫通させた孔より加工時に噴出させて、刃先の潤滑・冷却を達成させる方向になっている。
【0006】
しかしながら、刃具を小さくするとその貫通孔径も小さくなってその空気量が低減し、前述のようにフォグの生成が困難になる。形状的に小さなサイズのベンチュリ管の加工は可能であるが、これも空気流の持つエネルギー値が小さくなり、油のフォグ化に支障を来している。
【0007】
斯かるベンチュリ機構を採用した噴霧装置の問題点は、本出願人が特願2002−110415号でも提起しているとおりであり、圧縮空気の流れが速いほど油を霧化させる能力が大きくなるものの、ベンチュリ管路で良好な噴霧を達成するために必要最低限な圧縮空気量を保持することが必要であり、省圧縮空気量を目的として被給油対象に設置するノズルの小径化ができないといった問題が出てきている。
【0008】
特に、セミドライ加工に使用される装置では、OUT側に小形の工作機械、例えば、小径のドリルや刃具を使用することがあるが、非常に小径であるため、従来の噴霧装置では、例えば5μm(少なくとも10μm)以下のマイクロフォグを供給することは極めて困難になっている。
【0009】
また、刃具が小さい場合、MQLセミドライ加工のための空気(油霧)通路の穴加工が小さく、刃具で消費される小さな空気量では、差圧の発生があまり期待できず、流量を増やすため、ダミーエア流を作りエアを大気に放出して差圧を確保しなければならないなどの問題を有する。
【0010】
換言すれば、工作機械の加工点に噴射するためのフォグの生成は、連続的なフォグ発生のための差圧を必要とし、加工点へ噴霧するためのノズル径の合計は、差圧を維持するための大きさが必要とされている。
【0011】
而して、加工のためのノズル数は基本的に多くはなく、ドリル加工などでは、穴付きドリルの貫通穴が頗る小径であるため、通過空気量が極めて少なく、フォグ発生に必要な差圧を維持することは極めて困難な状況にあり、また、必要以上の通過空気量を消費させてフォグ発生のために必要な差圧を作らざるを得ない状況にあることが、省エネルギーの観点から問題があり、強いては対環境負荷を大きくしている。
【0012】
また、MQLセミドライ加工では、空冷効果・切粉飛ばしに、より高圧な空気を要求しているが、フォグ生成のための差圧が必要で、供給圧に対し二次圧(マニホールド圧)を下げざるを得ず、空冷効果・切粉飛ばし効果が低滅してしまうといった問題をも有する。
【0013】
更に、現状のベンチュリ機構を小形にすることで、圧縮空気を少なくする方法が考えられるが、前述したように圧縮空気量を絞ると、▲1▼フォグの霧化量を減少させ、正規のフォグ量が確保できないこと、▲2▼圧縮空気の通路を絞ることになり、圧縮空気内に含まれる不純物によって空気通路が詰まる可能性が大きくなる等の問題を生じてしまう。
【0014】
これらの問題点は、圧縮空気の流速を強めるほど油の霧化能力を高めるベンチュリ機構を採用していることに起因するものであり、必然的に圧縮空気の流量変化に影響してしまうものである。
【0015】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、少流量用のフォグ生成機構と、多流量用のフォグ生成機構を制御することで、刃具側の空気消費量に見合った必要量のフォグを生成して、小さい刃具から大きな刃具に対応できるなど、MQL(最少油量潤滑)として最適なフォグの供給が行える有用な噴霧装置の提供を目的としたものであり、延いては、従来必要としていた一次圧・マニホールド圧(二次圧)間の差圧が著しく小さくても5μm(少なくとも10μm)以下のマイクロフォグを生成でき、MQLセミドライ加工に最適な微量オイルの潤滑が行えるなど、省圧縮空気量に伴うノズルの小径化等にも対応できる有用な噴霧装置の提供を目的としたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題点を解決し、所期の目的を達成するため本発明の要旨とする構成は、濾過及び/又は圧力調整後の圧縮空気を供給する空気導入口の下流側を二つに分岐し、その一方は油(潤滑剤又は切削剤)の吹き付け、切粉の除去、刃具類の冷却等を司るエアラインとすると共に、他方は油の定量油供給ポンプユニットの駆動供給口に導かれる少なくとも一以上のポンプ駆動用のエアラインとしてなる噴霧装置において、前記油の吹き付け等に供するエアラインにフォグ生成機構を配すると共に、前記切粉の除去、刃具類の冷却等を司るエアラインに圧力調整器を配し、該圧力調整器の出口及び前記フォグ生成機構の出口を一ラインにまとめて吐出口とした噴霧装置に存する。
【0017】
また、前記吹き付け等に供するエアラインを分岐して第1切換弁を配し、該第1切換弁の出口と各フォグ生成機構の出口及び圧力調整器の出口とを一ラインにまとめて吐出口としても良く、更には、前記吐出口側に圧力スイッチを配しても良い。
【0018】
更に、前記フォグ生成機構は、能力の異なる少なくとも大小二種類のフォグ生成器を有し、能力小の一次側には流量検出器を配し、能力大の一次側には第2切換弁を有しても良い。
【0019】
また、前記流量検出器は、予め設定した閾値で電気信号を発信せしめるのが良く、前記圧力スイッチは、供給圧力値と前記圧力調整器の設定値の間のある値を閾値とするのが良い。
【0020】
更に、前記フォグ生成機構は、生成部への油(潤滑剤又は切削剤)の供給を、ポンプ駆動によって達成する形式のフォグ生成器を有するのが良い。
【0021】
また、前記フォグ生成器は、軸心方向に液体流入孔を有するニードルノズルと、該ニードルノズルの下流側に配設されるノズルボディとを備え、前記ノズルボディは、ニードルノズルの軸心を中心に旋回流を発生せしめる空気導入孔と、同ニードルノズルの先端と空気室内に形成された混合孔との位置関係で油の粒径を一定になす微粒化機構とを備えるのが良い。
【0022】
更に、前記空気導入孔は、ニードルノズルのニードル部と空気室内の底面との間に連通すべく同ニードルノズルの軸心に対して所定角度に傾斜し、同ニードル部の先端と前記空気室内の底部に形成された混合孔との間に、油の粒径を一定化せしめる微粒化機構を備えるのが良い。
【0023】
また、前記微粒化機構は、ニードルノズルの先端縁Aを中心点として、その延長上のC点から外側に45度のB点までの範囲内に混合孔縁を位置せしめ、かつ、前記旋回流に対して直交すべく空気噴射口を臨ませるのが良い。
【0024】
更に、前記ノズルボディは、ニードルノズルの先端側を許容すべく曲面状に凹設された第一次空気室と、該第一次空気室に混合孔を介して連通する空気溜め用の第二次空気室と、該第二次空気室の下流側に設けられた縮径部とを備えるのが良い。
【0025】
このように構成される本発明の噴霧装置は、濾過及び/又は圧力調整後の圧縮空気を供給する空気導入口の下流側を二つに分岐し、その一方は油(潤滑剤又は切削剤)の吹き付け、切粉の除去、刃具類の冷却等を司るエアラインとすると共に、他方は油の定量油供給ポンプユニットの駆動供給口に導かれる少なくとも一以上のポンプ駆動用のエアラインとしてなる噴霧装置において、前記油の吹き付け等に供するエアラインにフォグ生成機構を配すると共に、前記切粉の除去、刃具類の冷却等を司るエアラインに圧力調整器を配し、該圧力調整器の出口及び前記フォグ生成機構の出口を一ラインにまとめて吐出口としたことによって、従来フォグ生成が困難であった小径刃具でのMQL潤滑用フォグ生成・ATC( 自動刃具交換機)等の自動運転による刃具貫通穴径変化時のフォグ生成が可能になる。
【0026】
また、前記吹き付け等に供するエアラインを分岐して第1切換弁を配し、該第1切換弁の出口と各フォグ生成機構の出口及び圧力調整器の出口とを一ラインにまとめて吐出口としたことによって、刃具交換時に第1切換弁をONすることにより、刃具及び加工穴などに付着する切粉の吹き飛ばしを行えることとなる。
【0027】
更に、前記吐出口側に圧力スイッチを配設することによって、予め設定した圧力(設定圧)以上になった時或いはそれ以下になった時に、電気接点をON/OFFしてその制御回路へ電気信号を発信することとなる。
【0028】
尚、二次圧力は徐々に上昇して行くため、ユニット時間内に圧力スイッチの設定圧(閾値)に届かない場合(例えば、刃具の貫通孔が大きい時と考えられる)、切換弁にONの信号を発信するものである。
【0029】
また、前記フォグ生成機構が、能力の異なる少なくとも大小二種類のフォグ生成器を有し、能力小の一次側には流量検出器を配し、能力大の一次側には第2切換弁を有することによって、流量検出器から発信される電気信号を受けて制御回路から切換弁へON/OFF情報を出力し、切換弁をON/OFFすることとなる。
【0030】
更に、前記流量検出器は、予め設定した閾値で電気信号を発信せしめることによって、閾値よりも大きな流量になった場合は、電気信号を発信して制御回路から切換弁のONの情報を出力し、切換弁をONすることで、フォグ生成機構の能力大のフォグ生成器の方にも空気が供給されてフォグの生成が開始されると共に、プランジャポンプも同期して運転を始動することとなる。
【0031】
また、前記圧力スイッチが、供給圧力値と前記圧力調整器の設定値との間にある値を閾値とすることによって、供給圧力値と圧力調整器の設定値の間に調整すべく閾値よりも小さな流量若しくは大きな流量になることで、自動的にON/OFFされることとなる。
【0032】
更に、前記フォグ生成機構は、生成部への油(潤滑剤又は切削剤)の供給を、ポンプ駆動によって達成する形式のフォグ生成器を有することによって、電磁弁等のON/OFF操作による圧縮空気でプランジャポンプを作動させて定量の油を供給し得ることとなる。
【0033】
また、前記フォグ生成器は、軸心方向に液体流入孔を有するニードルノズルと、該ニードルノズルの下流側に配設されるノズルボディとを備え、前記ノズルボディは、ニードルノズルの軸心を中心に旋回流を発生せしめる空気導入孔と、同ニードルノズルの先端と空気室内に形成された混合孔との位置関係で油の粒径を一定になす微粒化機構とを備えることによって、従来と異なり比較的小さな差圧でも微粒化が行えることとなる。
【0034】
更に、前記空気導入孔が、ニードルノズルのニードル部と空気室内の底面との間に連通すべく同ニードルノズルの軸心に対して所定角度に傾斜し、同ニードル部の先端と前記空気室内の底部に形成された混合孔との間に、油の粒径を一定化せしめる微粒化機構を備えることによって、液体流入孔から滴下される油に、所謂、剪断力の影響が加わりにくく、換言すれば、剪断した油が(遠心力で分散されず)旋回流の中に閉じ込められた(集束)状態で、衝突エネルギーを全て微量化に注げることとなる(省エネルギー効果の増大)。
【0035】
特に、前記空気導入孔が、外端側の空気導入口が空気室内の底部R面に整合すべく開放され、内端側の空気噴射口が前記旋回流に対し直交すべく開放されることによって、流量変化に影響されることなく旋回流の液柱への衝突エネルギーで剪断力のオーダーを一定化(コントロール)し得ることとなり、流速、粘性が変わっても液体粒径が変わらないように制御できる(粒径の一定化)。
【0036】
また、前記微粒化機構が、ニードルノズルの先端縁Aを中心点として、その延長上のC点から外側に45度のB点までの範囲内に混合孔縁を位置せしめ、かつ、前記旋回流に対して直交すべく空気噴射口を臨ませることにより、小さな差圧でも油霧の生成(微粒化)が可能になり、流速を変えても粒径が変わらず、粘性を変えても粒径が変わらないなど、油の表面張力をブレイクダウンすることが可能となる。
【0037】
更に、前記ノズルボディが、ニードルノズルの先端側を許容すべく曲面状に凹設された第一次空気室と、該第一次空気室に混合孔を介して連通する空気溜め用の第二次空気室と、該第二次空気室の下流側に設けられた縮径部とを備えることによって、油の混合・拡散が無駄なく行えると共に、背圧の影響をも防げることとなる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る噴霧装置の第1実施例を図1乃至図7を参照しながら説明する。図中Aは、本発明に係る噴霧装置であり、この噴霧装置Aは、濾過及び/又は圧力調整後の圧縮空気を供給する空気導入口1と、該空気導入口1の下流側を二つに分岐してなる油(潤滑剤又は切削剤)の吹き付け、切粉の除去、刃具類の冷却等を司るエアライン2と、定量油供給ポンプユニット3の駆動供給口に導かれるポンプ駆動用のエアライン4とを備えている。
【0039】
定量油供給ポンプユニット3は、油槽Bと連通されたプランジャポンプ等の第1及び第2ポンプ3a、3bと、空気切換弁(図示せず)に連通される第1及び第2電磁弁3c、3dとからなり、該第1及び第2電磁弁3c,3dのON/OFF操作による圧縮空気で前記第1及び第2ポンプ3a,3bを作動させ、油槽Bから油用フィルタ(図示せず)を介して清浄された定量油を吸い上げ、定量油供給ラインL ,L を経てフォグ生成機構5のフォグ生成部内に一定量の油を供給するものである。
【0040】
また、ポンプ駆動用のエアライン4の下流側には、前記定量油供給ラインL,L を介してフォグ生成機構5を配すると共に、前記油の吹き付け等に供するエアライン2を分岐してエアレギュレータ、定差圧弁・差圧調整弁等の圧力調整器6を配している。
【0041】
更に、このエアライン2には、電磁弁等からなる第1切換弁7を配しており、該第1切換弁7の出口とフォグ生成機構5の出口及び圧力調整器6の出口とを一ライン8にまとめて吐出口9とすると共に、該吐出口9側には、圧力スイッチ10が付設されている。
【0042】
圧力スイッチ10としては、例えば、ダイヤフラム式、プランジャ式、ベローズ式等が挙げられるが、予め設定した圧力(設定圧)以上になった時或いはそれ以下になった時に、電気接点を開閉してその制御回路へ電気信号を送る役目をなすものであり、具体的には、供給圧力値と前記圧力調整器6の設定値の間のある値を閾値としてON/OFFするように設定している。
【0043】
尚、圧力スイッチ10に、アナログタイプのものを使用することによって、比較的簡単に遠隔操作でマニホールド圧を変えることができ、更に、圧力がない状態でも、マニホールド圧を調整することが可能になることは云うまでもない。
【0044】
一方、前記フォグ生成機構5は、能力の異なる大小二種類のフォグ生成器5a,5bを有しており、能力小のフォグ生成器5aの一次側には、予め設定した閾値で電気信号を発信せしめる流量検出器11が配設されると共に、能力大のフォグ生成器5bの一次側には、電磁弁等からなる第2切換弁12が配設されている。
【0045】
前記フォグ生成器5a,5bとしては、生成部への油(潤滑剤又は切削剤)の供給をポンプ駆動によって達成する形式のフォグ生成器を用いている。
【0046】
例えば、このフォグ生成器5aとしては、図2に示すように、軸心方向に液体流入孔を有するニードルノズル5a と、該ニードルノズル5a の下流側に配設されるノズルボディ5a 及び後述する微粒化機構を備えている。
【0047】
ニードルノズル5a は、軸心方向に貫通された液体流入孔5a と、先端側に行くに連れて次第に細くなるニードル部5a とを備えている。
【0048】
液体流入孔5a は、例えば、図3に示すように、上端側が120度に拡径(直径7mm)した大径部5a と、内径2mmの中径部5a と、出口側に連通する内径0.6mmの小径部5a とを備えている。
【0049】
また、ニードル部5a は、前記液体流入孔5a の小径部5a (内径0.6mm)を望ませるため、先端径を1.0(±0.03)mmに形成してあり、先端角度θ を53.94度に処理している。
【0050】
一方、ノズルボディ5a は、曲面状に凹設された第一次空気室5a と、該第一次空気室5a に後述する混合孔5a を介して連通する空気溜め用の第二次空気室5a10とを備えている。
【0051】
第一次空気室5a は、ニードルノズル5a の先端側を許容すべく凹設されており、底部中心に混合孔5a が開口されている。
【0052】
混合孔5a は、両空気室5a ,5a10 を連通せしめるものであり、例えば、直径1.0(±0.005)mm、深さ0.3mmの大きさに開口されており、前述したニードルノズル5a の先端縁と協動して後述する微粒化機構を構成するものである。
【0053】
第二次空気室5a10内には、背圧の影響を防ぐための縮径部5a11が形成されている。この縮径部5a11は、同二次空気室5a10の直径の略1/2に相当する大きさの縮径孔5a12と、該縮径孔5a12から下方に向けて45度に拡径するテーパ孔5a13とで形成されている。
【0054】
因に、このノズルボディ5a のサイズとしては、例えば第一次空気室5a :内径8.6mm、底部R3.8、混合孔5a :直径1.0(±0.005)mm、深さ0.3mm、第二次空気室5a10:最大直径10.6mm、R4.1(扁平球形)、縮径孔5a12:直径6mm、テーパ孔5a13:直径10.9mm、空気導入孔5a17:内径2mm、が好ましい。
【0055】
また、ニードル部5a の先端とノズルボディ5a の混合孔5a との隙間L は、0.2(±0.005)mmが良い(図5参照)。
【0056】
他方、第一次空気室5a の接線方向には、4本の空気導入孔5a14が形成されている。この空気導入孔5a14は、図4(a)に示すように、第一次空気室5a 内に連通すべく同室の接線方向に延びており、かつ、ニードルノズル5a の軸心X −X に対して30〜70度(好ましくは45度)の角度に傾斜している。
【0057】
換言すれば、この空気導入孔5a14は、噴射軸線X −X がノズルボディ5a の外周面に対して角度θ だけ傾斜せしめることにより、液体圧損のロスを少なくしている。この角度θ としては、例えば、57〜59度、好ましくは58.11度若しくは58.36度が良い。
【0058】
また、空気導入孔5a14は、上端の空気導入孔5a15側が第一次空気室5a 内の底部R面5a16の接線方向に開放され、下端の空気噴出口5a17側がニードルノズル5a の軸心X −X を中心とする旋回流に対して直交に臨むべく開放させている。
【0059】
微粒化機構5a18は、図5に示すように、ニードルノズル5a の先端縁Aと第二次空気室5a10との境に形成された混合孔5a の周縁Bとの位置関係で、ニードルノズル5a の軸心X −X を中心とする旋回流に対して(側面より)空気噴出口5a17を直交状態にすべく臨ませることにより、液体粒径を一定になすものである。
【0060】
換言すれば、この微粒化機構5a18は、ニードルノズル5a の先端縁Aを中心点として、その延長上のC点から外側に45度のB点までの範囲内に混合孔5a の周縁を位置せしめると共に、前記旋回流に対して空気噴出口5a17を直交に臨ませるべく第一次空気室5a 内の底部を曲面(底部R面5a16)に成形している。
【0061】
また、混合孔5a の周縁位置としては、斯かるB及びC点に限定されるものではなく、図7に示すように、ニードルノズル5a の中心Oから内角36度の斜線S と先端縁Aの延長上との交点をMとし(以下、単にM点という)、ニードルノズル5a の先端縁Aを中心にM点の長さで円弧を描き同先端縁Aから内角30度の斜線S との交点をNとし(以下、単にN点という)、このA点、M点、N点で構成される扇形エリアの範囲内にすれば、B及びC点と同様、液体粒径の一定化が期待でき、後述する測定結果の如く小さな差圧でも5ミクロン(少なくとも10ミクロン以下)のマイクロフォグを生成することができる。
【0062】
因に、このN点は、ノズル中心から12.5度の斜線S 上に位置するものであり、ノズル先端径面積の1.9倍、C点面積の1.73倍、B点面積の1.445倍になるものである。
【0063】
このように構成される本実施例の噴霧装置は、工作機械運転時にあっては、電磁弁がOFF状態で噴霧装置が可動し(本装置の可動を司る部分元圧の電磁弁等は当然ONされる図示せず)、この時には刃具の大きさは不明である。一例として圧力レベルを明示して以下に説明する。
【0064】
供給圧力は0.7MPa、図示の圧力調整器6の設定圧力を0.6MPaとすると(吐出口側が盲状態だと潤滑装置の吐出口側圧力は設定圧力と同じ0.7MPaとなる)、図示の第1切換弁7がOFF状態なので、空気は流量検出器11を介してフォグ生成機構5の能力小のフォグ生成器5aのみに流れる。
【0065】
次いで、ここを通過した空気は、吐出口9側の圧力を上昇させる働きがあり、この場合、(刃具が小さいと刃具の貫通穴が小さいことから、刃具から流出する能力は小さいので)、能力小のフォグ生成器5aを流れる空気でも吐出口9側の圧力は上昇し0.6MPaより高い圧力になり、圧力調整器6での流出はゼロの状態になり、0.6MPaより高く0.7MPaより低い圧力に安定する。
【0066】
この時の流量は、流量検出器11の閾値より少ない量になる。加工が進み、刃具の交換でより大きな刃具になった場合は、刃具の貫通孔は大きくなるため、前述の二次圧力よりも低い圧力になり、フォグ生成機構5の能力小のフォグ生成器5aに流れる空気流量(差圧が大きくなるため)も増加する。
【0067】
この時に閾値よりも大きな流量になると、電気信号を発信し制御回路から第2切換弁12のONの情報を出し、第2切換弁12がONすることで、フォグ生成機構5の能力大のフォグ生成器5bの方にも空気が供給されてフォグの生成が始まると共に、ポンプ3bも同期して運転を開始する。
【0068】
フォグ生成機構5の能力大のフォグ生成器5bが運転されることで、二次側の圧力上昇が起こり、能力小のフォグ生成器5aに流れる空気量は少なくなり、流量検出器11の閾値以下になるが、一度 第2切換弁12のONの信号発信後は、信号は自己保持するシステムとなっている。
【0069】
この刃具で加工する場合は、この状態が維持され、加工が進み、刃具を交換する場合、瞬時に第1切換弁7をONし供給圧力を出口側に流し、刃先からの切粉の吹き飛ばしを行なう。
【0070】
因に、盲穴加工の場合には、その効果が一段と高くなり、次いで、刃具交換時に電気信号がキャンセルされ、新しい刃具で再度第2切換弁12がOFF(初期状態)からスタートする。
【0071】
この時の刃具の大きさにより、フォグ生成機構5の能力小のフォグ生成器5aを流れる空気量が流量検出器11の閾値を越えるか越えないかで、第2切換弁12のON/OFFは新たに設定され、刃具の交換は、これの繰り返しで常に初期状態からスタートする。
【0072】
刃具が更に大きくなるに連れて刃具の貫通孔は大きくなり 二つのフォグ生成器5a,5bを通過した流量だけでは0.6MPaを維持できないこともあるが、この場合、圧力調整器6が機能して不足空気量を補い、0.6MPaを維持することができる。
【0073】
このように、▲1▼小さな刃具では、小さな流量で機能するフォグ生成器5aのみが運転され、▲2▼閾値を超えるような大きな刃具では、二つのフォグ生成器5a,5bが運転され、▲3▼更に大きな刃具では、圧力調整器6との協働と三段階に機能することになる。
【0074】
因に、0.6MPaを維持する必要性について簡単に説明すると、単純にフォグ化は二次圧力は低圧でも問題はないが、MQLでの加工においては、例えば、ドリルの孔あけでは、先に孔が開いているドリルが高速で回転する状況下で、低圧フォグでは回転による抵抗で空気流が成り立たない状況(切削剤を送り出す状態にならない状況)になるため、高速フォグが必要になる。高圧フォグで、その抵抗に打ち勝ち刃先に切削剤を送り届け、又、刃先に切削剤を送ると同時に期待される重要な機能に切粉の吹き飛ばしがあり、このためにも高圧フォグを使用することになるからである。
【0075】
また、フォグ生成器5aの液体流入孔5a から滴下される油には、剪断力の影響が加わりにくく、換言すれば、剪断した油が旋回方向に(遠心力で)分散されない、所謂、油を旋回流の中に閉じ込めた(集束)状態で衝突エネルギーを全て微量化に注ぐべく絞り出されるため(省エネルギー効果が大)、液体粒径を一定になすことができ、その結果、小さな差圧でも油霧の生成(微粒化)が可能になり、流速を変えても粒径が変わらず、粘性を変えても粒径が変わらないなど、表面張力をブレイクダウンすることができる微粒化機構を提供できるものであり、最少の油霧を無駄なく被給油対象に噴霧できるなど、省エネ化が図られ、MQL(最少油量潤滑)セミドライ加工に最適な微量オイルの潤滑が行えるなど、省圧縮空気量に伴うノズルの小径化に対応できるのである。
【0076】
次に、本発明に係る噴霧装置の第2実施例を図8を参照しながら説明する。尚、理解を容易にするため、前述した第1実施例と同一部分は同一符号で示し、構成の異なる処のみを新たな番号を付して以下に説明する。
【0077】
ポンプ駆動用のエアライン4には、下流側を更に分岐して新たに定量油ポンプユニット3(第3ポンプ3e、第3電磁弁3f)を追加させることにより、3段式のフォグ生成機構5が配設されている。
【0078】
このフォグ生成機構5は、能力の異なる少なくとも大小3種類のフォグ生成器5a,5b,5cを有しており、能力小のフォグ生成器5aの一次側には、流量検出器11が配設されると共に、能力大のフォグ生成器5bの一次側には、電磁弁等からなる第2切換弁12と流量検出器13とが配設され、更に、能力大のフォグ生成器5cの一次側には、電磁弁等からなる第3切換弁14が配設されている。
【0079】
このように構成される本実施例の噴霧装置は、第2切換弁12がONすることで、二次側圧力は上昇するが、刃具の孔径が大きいと上昇圧力は小さく、フォグ発生機構5の前後の差圧は大きく、多流量が流れる状況になる。その際、流量検出器13の閾値を超えて流量が大きくなると、同検出器13から電気信号を出して切換弁14をONすることになる。これによっても流量が不足する(刃具の孔径が大きい)場合は、エアレギュレータ6で最低0.6MPaを維持することは第1実施例と同じである。
【0080】
尚、本発明の噴霧装置は、本実施例に限定されることなく、本発明の目的の範囲内で自由に設計変更し得るものであり、本発明はそれらの全てを包摂するものである。例えば、本実施例では、工作機械におけるMQL(最少油量潤滑)セミドライ加工に最適な微量オイルの噴霧装置について言及しているが、これに限定されることなく、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、液体燃焼装置、塗布装置、その他、差圧を利用して流体を噴霧させる全ての装置、機関に応用できるものであり、本発明はこれらの全てを包摂するものである。
【0081】
また、本発明に係る噴霧装置の第1実施例における▲1▼空気流量と吐出油量との関係及び▲2▼空気流量とマニホールド圧の試験結果を図9乃至図11に示す。尚、試験条件及び試験結果は下述のとおりである。
【0082】
【表1】
Figure 2004150451
【表2】
Figure 2004150451
【表3】
Figure 2004150451
【0083】
Figure 2004150451
[試験結果]
図9は本発明のフォグ発生機構小・大・大+小の合成(2段)と、従来型〔ベンチュリ型〕フォグフ発生機構との比較データである。同図に示されるように、従来型では空気流量70リッター/min以下では油の吐出が期待できなかったが、本発明では50リッター/min以下ではフォグ発生機構小が機能し、それ以上ではフォグ発生機構大が機能していることが判る。
因に、図示はしないが、従来型では、差圧0.1(MPa)では10%の霧化率であったのが、本発明では同差圧で40%以上の霧化率、すなわち、4倍の効果を上げることができ、更に、空気量も1/10で従来型と同じ性能を示すなど優れた結果を上げることができた。また、本発明の粒度分布測定の結果を見ても、いずれも粒径分布が変わらず、粒径を一定にコントロールしている。
【0084】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成され、前記ポンプ駆動用のエアラインの下流側にフォグ生成機構を配すると共に、前記油の吹き付け等に供するエアラインに圧力調整器を配し、該圧力調整器の出口及び前記フォグ生成機構の出口を一ラインにまとめて吐出口としたことによって、従来フォグ生成が困難であった小径刃具でのMQL潤滑用フォグ生成・ATC(自動刃具交換機)等の自動運転による刃具貫通穴径変化時のフォグ生成ができるといった効果を奏するものである。
【0085】
また、前記吹き付け等に供するエアラインを分岐して第1切換弁を配し、該第1切換弁の出口と各フォグ生成機構の出口及び圧力調整器の出口とを一ラインにまとめて吐出口としたことによって、刃具交換時に切粉の吹き飛ばしを行うことができるといった効果を奏するものである。
【0086】
更に、前記吐出口側に圧力スイッチが配設されていることによって、予め設定した圧力(設定圧)以上になった時或いはそれ以下になった時に、電気接点をON/OFFしてその制御回路へ電気信号を発信するため、仮令、二次圧力が徐々に上昇し、ユニット時間内に圧力スイッチの設定圧(閾値)まで届かないとしても(例えば、刃具の貫通孔が大きい時と考えられる場合)、切換弁にONの信号を発信することができる。
【0087】
また、前記フォグ生成機構が、能力の異なる少なくとも大小二種類のフォグ生成器を有し、能力小の一次側には流量検出器を配し、能力大の一次側には第2切換弁を有することによって、流量検出器から発信される電気信号を受けて制御回路から切換弁へON/OFF情報を出力し、切換弁をON/OFFすることができるといった効果を奏するものである。
【0088】
更に、前記流量検出器は、予め設定した閾値で電気信号を発信せしめることによって、閾値よりも大きな流量になった場合は、電気信号を発信して制御回路から切換弁のONの情報を出力し、切換弁をONすることで、フォグ生成機構の能力大のフォグ生成器の方にも空気が供給されてフォグの生成が開始されると共に、プランジャポンプも同期して運転を始動することができる。
【0089】
また、前記圧力スイッチが、供給圧力値と前記圧力調整器の設定値との間にある値を閾値とすることによって、供給圧力値と圧力調整器の設定値の間に調整すべく閾値よりも小さな流量若しくは大きな流量になることで、自動的にON/OFFできるといった効果を奏する。
【0090】
更に、前記フォグ生成機構は、生成部への油(潤滑剤又は切削剤)の供給を、ポンプ駆動によって達成する形式のフォグ生成器を有することによって、電磁弁等のON/OFF操作による圧縮空気でプランジャポンプを作動させて定量の油を供給できるといった効果を奏するものである。
【0091】
また、前記フォグ生成器は、軸心方向に液体流入孔を有するニードルノズルと、該ニードルノズルの下流側に配設されるノズルボディとを備え、前記ノズルボディは、ニードルノズルの軸心を中心に旋回流を発生せしめる空気導入孔と、同ニードルノズルの先端と空気室内に形成された混合孔との位置関係で油の粒径を一定になす微粒化機構とを備えることによって、従来と異なり比較的小さな差圧でも微粒化が行える。
【0092】
更に、前記空気導入孔が、ニードルノズルのニードル部と空気室内の底面との間に連通すべく同ニードルノズルの軸心に対して所定角度に傾斜し、同ニードル部の先端と前記空気室内の底部に形成された混合孔との間に、油の粒径を一定化せしめる微粒化機構を備えることによって、液体流入孔から滴下される油に、所謂、剪断力の影響が加わりにくく、換言すれば、剪断した油が(遠心力で分散されず)旋回流の中に閉じ込められた(集束)状態で、衝突エネルギーを全て微量化に注げるといった効果を奏するものである(省エネルギー効果の増大)。
【0093】
特に、前記空気導入孔が、外端側の空気導入口が空気室内の底部R面に整合すべく開放され、内端側の空気噴射口が前記旋回流に対し直交すべく開放されることによって、流量変化に影響されることなく旋回流の液柱への衝突エネルギーで剪断力のオーダーを一定化(コントロール)し得ることとなり、流速、粘性が変わっても液体粒径が変わらないように制御できるといった効果を奏するものである(粒径の一定化)。
【0094】
また、前記微粒化機構が、ニードルノズルの先端縁Aを中心点として、その延長上のC点から外側に45度のB点までの範囲内に混合孔縁を位置せしめ、かつ、前記旋回流に対して直交すべく空気噴射口を臨ませることにより、小さな差圧でも油霧の生成(微粒化)が可能になり、流速を変えても粒径が変わらず、粘性を変えても粒径が変わらないなど、油の表面張力をブレイクダウンすることができる。
【0095】
更に、前記ノズルボディが、ニードルノズルの先端側を許容すべく曲面状に凹設された第一次空気室と、該第一次空気室に混合孔を介して連通する空気溜め用の第二次空気室と、該第二次空気室の下流側に設けられた縮径部とを備えることによって、油の混合・拡散が無駄なく行えると共に、背圧の影響をも防げることができるといった効果を奏するものである。
【0096】
また、液体流入孔から滴下される油には剪断力の影響が加わりにくく、換言すれば、剪断した油が旋回方向に遠心力で分散されない、所謂、油を旋回流の中に閉じ込めた(集束)状態で衝突エネルギーを全て微量化に注ぐべく絞り出される結果(省エネルギー効果が大)、液体粒径を一定になすことができ、小さな差圧でも5ミクロン(少なくとも10ミクロン以下)のマイクロフォグを生成することができるといった効果を奏する。
【0097】
更に、本発明では、非常に小さな差圧でも油の霧化が可能になるため、従来、用いていたダミーエア流が不要になる等、省エネルギー効果が大きく期待でき、更には、ダミーエア流が不要になることで、環境にも配慮した潤滑機器の提供が可能になるといった効果をも奏するものである。
【0098】
しかも、噴霧潤滑として、軸受の潤滑ではスピンドルの高速化に対応し、マニホールド圧力の高圧化が進んでおり、従来では差圧が必要なために、より高い一次圧が必要とされていたが、本発明ではマニホールド圧に近い一次圧で良く、ここでも省エネ・環境を配慮した油霧発生器を提供でき、延いては、差圧が小さくても霧化できることから、一次圧自体を低圧供給しての油霧発生も可能になる。
【0099】
このように本発明は、流速や粘性を変えても粒径が変わらないなど、表面張力をブレイクダウンすることができる微粒化機構を提供でき、最少の油霧を無駄なく被給油対象に噴霧できるなど、省エネ化が図られ、MQL(最少油量潤滑)セミドライ加工に最適な微量オイルの潤滑が行えるなど、省圧縮空気量に伴うノズルの小径化に対応できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る噴霧装置の第1実施例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る噴霧装置で使用するフォグ生成器を示す縦断面図である。
【図3】図3(a)は本フォグ生成器で使用するニードルノズルの平面図、図3(b)は同縦断面図である。
【図4】図4(a)は本フォグ生成器で使用するノズルボディの平面図、図4(b)は同縦断面図である。
【図5】本発明に係る噴霧装置の微粒化機構を示す説明図である。
【図6】本発明に係る噴霧装置の微粒化機構を示す説明図である。
【図7】本発明に係る微粒化機構の許容領域を示す説明図である。
【図8】本発明に係る噴霧装置の第2実施例を示す説明図である。
【図9】本発明に係る噴霧装置の空気流量と吐出油量との関係を示すグラフである。
【図10】本発明に係る噴霧装置の空気流量とマニホールド圧力との関係を示す折れ線グラフである。
【図11】本発明に係る噴霧装置の空気流量と捕集油量を示す折れ線グラフである。
1 空気導入口
2 刃具類の冷却等を司るエアライン
3 定量油供給ポンプユニット
3a 第1ポンプ
3b 第2ポンプ
3c 第1電磁弁
3d 第2電磁弁
3e 第3ポンプ
3f 第3電磁弁
4 ポンプ駆動用のエアライン
5 フォグ生成機構
5a フォグ生成器(能力小)
5a ニードルノズル
5a ノズルボディ
5a 液体流入孔
5a ニードル部
5a 大径部
5a 中径部
5a 小径部
5a 第一次空気室
5a 混合孔
5a10第二次空気室
5a11縮径部
5a12縮径孔
5a13テーパ孔
5a14空気導入孔
5a15空気導入口
5a16底部R面
5a17空気噴出口
5a18微粒化機構
5b フォグ生成器(能力大)
5c フォグ生成器(能力大)
6 圧力調整器
7 第1切換弁
8 ライン
9 吐出口
10 圧力スイッチ
11 流量検出器
12 第2切換弁
13 流量検出器
14 第3切換弁

Claims (13)

  1. 濾過及び/又は圧力調整後の圧縮空気を供給する空気導入口の下流側を二つに分岐し、その一方は油(潤滑剤又は切削剤)の吹き付け、切粉の除去、刃具類の冷却等を司るエアラインとすると共に、他方は油の定量油供給ポンプユニットの駆動供給口に導かれる少なくとも一以上のポンプ駆動用のエアラインとしてなる噴霧装置において、
    前記油の吹き付け等に供するエアラインにフォグ生成機構を配すると共に、前記切粉の除去、刃具類の冷却等を司るエアラインに圧力調整器を配し、該圧力調整器の出口及び前記フォグ生成機構の出口を一ラインにまとめて吐出口としたことを特徴とする噴霧装置。
  2. 前記吹き付け等に供するエアラインを分岐して第1切換弁を配し、該第1切換弁の出口と各フォグ生成機構の出口及び圧力調整器の出口とを一ラインにまとめて吐出口とすることを特徴とする請求項1に記載の噴霧装置。
  3. 前記吐出口側に圧力スイッチを配したことを特徴とする請求項1又は2に記載の噴霧装置。
  4. 前記フォグ生成機構は、能力の異なる少なくとも大小二種類のフォグ生成器を有し、能力小の一次側には流量検出器を配し、能力大の一次側には第2切換弁を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の噴霧装置。
  5. 前記圧力調整器は、エアレギュレータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の噴霧装置。
  6. 前記流量検出器は、予め設定した閾値で電気信号を発信せしめることを特徴とする請求項4に記載の流量検出器。
  7. 前記圧力スイッチは、供給圧力値と前記圧力調整器の設定値との間にある値を閾値とすることを特徴とする請求項3に記載の噴霧装置。
  8. 前記切換弁は、電磁弁であることを特徴とする請求項2、4に記載の噴霧装置。
  9. 前記フォグ生成機構は、生成部への油(潤滑剤又は切削剤)の供給を、ポンプ駆動によって達成する形式のフォグ生成器を有することを特徴とする請求項1、2又は4に記載の噴霧装置。
  10. 前記フォグ生成器は、軸心方向に液体流入孔を有するニードルノズルと、該ニードルノズルの下流側に配設されるノズルボディとを備え、前記ノズルボディは、ニードルノズルの軸心を中心に旋回流を発生せしめる空気導入孔と、同ニードルノズルの先端と空気室内に形成された混合孔との位置関係で油の粒径を一定になす微粒化機構を備えてなることを特徴とする請求項4又は9に記載の噴霧装置。
  11. 前記空気導入孔は、ニードルノズルのニードル部と空気室内の底面との間に連通すべく同ニードルノズルの軸心に対して所定角度に傾斜し、同ニードル部の先端と前記空気室内の底部に形成された混合孔との間に、油の粒径を一定化せしめる微粒化機構を備えたことを特徴とする請求項10に記載の噴霧装置。
  12. 前記微粒化機構は、ニードルノズルの先端縁Aを中心点として、その延長上のC点から外側に45度のB点までの範囲内に混合孔縁を位置せしめ、かつ、前記旋回流に対して直交すべく空気噴射口を臨ませてなることを特徴とする請求項10又は11に記載の噴霧装置。
  13. 前記ノズルボディは、ニードルノズルの先端側を許容すべく曲面状に凹設された第一次空気室と、該第一次空気室に混合孔を介して連通する空気溜め用の第二次空気室と、該第二次空気室の下流側に設けられた縮径部とを備えてなることを特徴とする請求項10に記載の噴霧装置。
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