JP2004149960A - 抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置において、ウェブを加熱するための熱媒体として過熱蒸気を使用し、循環系によって一度使用した蒸気を再使用可能にするとともに、循環気体の空気分圧を一定に制御することで循環系内の蒸気濃度を一定に維持できるようにする。その結果、最小のエネルギー消費でウェブの加熱を行いドライヤの高速安定性を向上させ、また、循環系の配管内での水撃を抑制してウェブ加熱装置を安定して操業できるようにする。
【解決手段】昇温部フード127と飽和状態の湿り空気を蓄えるミストタンク201とを接続し、温度調整手段212,223によってミストタンク201内の温度を所定温度に調整するとともに、圧力調整手段208,222によってミストタンク201内の圧力を所定圧力に調整することで、ミストタンク201内の湿り空気の空気分圧を一定に制御して、系内配管内での水撃を生じることの無い安定した蒸気循環系を得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多孔体ウェブの乾燥のための抄紙機ドライヤに備えて好適のウェブ加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日では、抄紙速度2000m/分以上で紙を抄く新聞用紙又は情報用紙向けの高速抄紙機が実用化されている。抄紙機は、原料液を脱水して紙層を形成するフォーマ部、フォーマ部で形成された湿紙ウェブを圧搾して脱水するプレス部、プレス部で脱水された湿紙ウェブを複数のドライヤロールに順次掛け回して加熱乾燥するドライヤ部、ドライヤ部で乾燥された紙の厚さや紙表面の平滑等を調整するカレンダ部、そして完成した紙をロール状に巻き取るリール部からなり、一部サイズ剤を塗工するサイズ部、表面塗工を行うコーター部を持つケースもあるが、このうち抄紙機の高速化にあたっては特にプレスより後工程のドライエンドでの紙切れ対策が重要となる。
【0003】
湿紙ウェブは、水分の含有率が高い状態で金属面に押し付けられると、紙厚み方向の乾燥不均一や金属表面の吸着層と湿紙ウェブ繊維表面との水酸基間の水素結合に起因して、金属表面に紙が貼り付きやすくなる(この現象をスティッキング現象という)。このため、金属面から湿紙ウェブを引き剥がす時には、湿紙ウェブに引張張力を与える必要がある。
【0004】
従来のプレス部はロールニップ又はロールニップとシュープレスを組み合わせた例が一般的であり、ロールから紙を引き剥がす時に大きな引張張力を紙ウェブに与えるため紙切れが生じやすかった。そこで、高速抄紙機のプレス部では常に紙ウェブを2枚のフェルトで挟んで脱水を行う方法に改良され、これにより紙を引き剥がすことがなくなり紙切れが大幅に改善された。
【0005】
一方、ドライヤ部では、紙ウェブはドライヤシリンダ表面にカンバスにより押し付けられながら多数のドライヤロール上を周回する。プレス部同様にドライヤ部においてもドライヤロールから紙を引き剥がすとき、紙ウェブに引張張力を与える必要がある。高速抄紙機でプレス部の紙切れが改善された結果、ドライヤ部、特に湿紙ウェブの水分含有量が高いドライヤ前部での紙切れが著しくなった。このようなドライヤ部、特にドライヤ前部での紙切れ頻度の増大は、高速抄紙機の生産性を低下させてしまう。
【0006】
また、抄紙速度を速くするとウェブがドライヤロールに接している時間が短くなるため、一本あたりのドライヤロールによる乾燥能力は抄紙速度に応じて低下してしまう。このため、所要の乾燥能力を得るためにはドライヤ部の機長を増大してドライヤロールの本数を増やす必要が生じる。すなわち、抄紙機を高速化するにあたってはドライヤ部の機長の増大による初期投資費用の増大という課題もある。
【0007】
このような課題に対応した技術としては、例えば、特許文献1に開示された技術が知られている。この技術は、ドライヤ部の入口において紙ウェブを実質的に直線走行させながら衝撃乾燥装置によって乾燥させ、紙ウェブの乾燥がある程度まで進んだ状態でウェブをドライヤ部の第1ドライヤロールに送るようにしたものである。紙ウェブは水分含有量が大きいほどドライヤロールに貼り付きやすいため、このように第1ドライヤロールに送る前に紙ウェブをある程度まで乾燥させることで、紙ウェブのドライヤロールへの貼り付きを抑えて紙ウェブの紙切れを防止することが可能になる。また、ある程度まで乾燥された状態で紙ウェブが送りこまれてくることから、機長を増大してドライヤロールの本数を増やさずとも紙ウェブを所定の乾燥度まで乾燥させることができるようになる。
【0008】
【特許文献1】
特表平11−512791号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、紙ウェブをドライヤロールから引き離すのに要する剥離力はスティッキングの強さによるが、これは紙ウェブの含有水分量だけでなく紙ウェブとドライヤロールとの温度差にも依存することが分かっている。このことは、紙ウェブとドライヤロールとの間に温度差があると紙ウェブの厚さ方向に乾燥ムラができ、これによるアイロン効果によって紙ウェブがドライヤロールに強く貼り付くことによる。
【0010】
ドライヤロールと真空ロール間の部分でスティッキングが生じない場合には紙ウェブはカンバスにより支持されるが、スティッキングが生じると紙ウェブはカンバスから引き離されて支持を失ってしまう。かつ、紙ウェブのドライヤロールからの剥離点は回転するドライヤロールの同伴流の影響を受けて不安定であるため、高速運転時の安定性は低い。
【0011】
現在の一般的な対策として、ドライヤ前部のドライヤロール温度を低下させて、紙ウェブとドライヤロール間の温度差を小さくすることにより剥離力を低減する方法、もしくは上記のような衝撃乾燥装置を設置して、大きな剥離力を必要としない領域までドライヤ入口水分率を低下させる方法が用いられているが、これらの方法では、高速化すると機長増大のため初期投資費用が増大してしまう。
【0012】
特許文献1に記載の技術ではドライヤ部に紙ウェブを送り込む前に衝撃乾燥装置での乾燥を行うが、衝撃乾燥装置の雰囲気を制御していないため供給した熱の多くは乾燥のための潜熱になっている。したがって、この技術では、加熱されているとしても乾燥が進んでいる間は紙ウェブの温度はあまり上昇せず、ドライヤロールの温度を下げない限りは紙ウェブとドライヤロールとの間に温度差が生じる可能性が高い。このように、特許文献1に記載の衝撃乾燥装置を出た紙温度はプレス工程での紙温度とほぼ同じであるため、衝撃乾燥装置に続くドライヤロールをスティッキングが生じない水分率領域まで低温度に維持する必要がある。そのため、高速化によるドライヤ機長の増加が抑制できない。更に、高速化によるドライヤ機長の増加を抑制するため、ドライヤ前部のドライヤロール温度を高温化すると、深刻なスティッキングが生じ、高速走行安定性が低下してしまう。
【0013】
このような課題に鑑み、本出願人は、特願2001−374451及び特願2002−157653において、ドライヤロールでの乾燥に先だって高温度高湿度雰囲気中でウェブを加熱するようにした抄紙機ドライヤを提案した。高温度高湿度雰囲気中でウェブに供給される熱は潜熱ではなく顕熱となってウェブを急速に昇温させることができる。したがって、前段部のドライヤロール温度を高温化してもウェブとドライヤロールとの温度差は小さいため、スティッキングによるウェブの紙切れが防止され、抄紙機を高速化した場合におけるウェブの走行安定性が向上する。
【0014】
高温度高湿度雰囲気中でウェブを加熱する方法としては、ウェブの走行ルート近傍をフードで覆ってフード内の噴流口からウェブに過熱蒸気を当てる方法が挙げられる。この場合、蒸気の消費量を抑えるために、一度使用した蒸気を再使用するように蒸気の循環系を構築する。この循環系では、特に使用後から過熱器までの経路の循環媒体として蒸気のみを循環させるのではなく、空気と蒸気を混合させた循環媒体を用いる。これは、蒸気が凝縮して管の途中に凝縮水が溜まることによる水撃現象の発生を防止するためであり、同圧で比較すると、蒸気のみを循環させるよりも空気と蒸気を混合させた循環媒体として蒸気分圧を下げるほうが露点を下げることができ、蒸気の凝縮が生じ難くすることができるからである。ただし、露点を下げると過熱蒸気噴流がウェブに衝突した際の凝縮熱伝達率も低下してしまうため、露点の設定は設計上重要である。
【0015】
ところが、ウェブの走行ルート近傍をフードで覆う場合、フードとウェブとの間を完全に密閉することは困難であり、フード内にはウェブの走行にともない少なからず空気が流入してくる。このため、流入空気の分だけ循環気体の空気分圧が次第に増加していき、循環媒体の露点は次第に低下することとなり、蒸気が紙表面で凝縮する時の凝縮熱伝達率を大幅に低下させてしまう。したがって、過熱蒸気噴流がウェブに衝突した際の凝縮熱伝達率の低下を防止するためには、ウェブの走行にともない空気がフード内に流入してくる場合でも、露点が設定露点よりも下がってしまわないように循環媒体の空気分圧を制御することが必要となる。
【0016】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、ウェブを加熱するための熱媒体として過熱蒸気を使用し、循環系によって一度使用した蒸気を再使用可能にするとともに、循環媒体の空気分圧を一定に制御することで循環系内の蒸気濃度を一定に維持し、その結果、最小のエネルギー消費でウェブの加熱を行いドライヤの高速安定性を向上させることを可能にし、また、循環系の配管内での水撃を抑制して安定した操業を可能にした、抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置は、ウェブの走行ルート近傍をフードによって外界と隔離し、このフード内においてウェブの表面に向けて噴流口を配置している。噴流口は循環媒体を蓄えるミストタンクと供給管により接続され、供給管にはミストタンクから循環媒体を吸い上げて噴流口へ送り出す圧送手段と、噴流口へ供給される循環媒体を過熱する過熱手段とが設けられている。また、フードとミストタンクとは噴流口から噴射された循環媒体をミストタンクに回収する回収管によって接続されており、これによりフードとミストタンクとを結ぶ循環系が構築されている。ここで、回収管なしにフードとミストタンクを一体化して、フード下部の一部をミストタンクとしても良い。さらに、本発明の抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置は、圧力調整手段と温度調整手段とを備えており、圧力調整手段によってミストタンク内の圧力を所定圧に調整するとともに、温度調整手段によってミストタンク内の温度を所定温度に調整している。
【0018】
このような構成によれば、噴流口から噴射されてウェブの加熱に用いられた蒸気を循環系によって再使用することができる。また、ウェブの走行に伴いフード内に空気が流入した場合でも、ミストタンク内の圧力調整及び温度調整によって循環系内の循環媒体の空気分圧を一定に制御することができ、噴流口から噴射された循環媒体中の過熱蒸気がウェブに衝突した際の凝縮熱伝達率の低下を防止することができる。
【0019】
好ましくは、温度調整手段による温度調整は、ミストタンク内の混入空気を大気放出する事でミストタンク内の温度を一定に制御する。この操作により、循環媒体中の蒸気分圧を一定に制御できる。また、温度調整手段による温度調整は、循環媒体の露点温度を100〜75℃に、好ましくは略90℃に調整されるようにする。このようにミストタンク内を大気圧で循環媒体の露点温度を100〜75℃に、好ましくは略90℃に保つことで、好ましい露点の循環媒体を得ることができ、循環系内での水撃の発生を防止することができる。
【0020】
圧力調整手段としては、ミストタンク内に蒸気を供給してミストタンク内の圧力を一定に保つ蒸気供給手段を用いることができる。この場合、蒸気供給手段による供給蒸気として、ドライヤロールの加熱に使用されたブロースルー蒸気を用いるのが好ましい。このようにブロースルー蒸気をミストタンク内の温度調整に再利用することで、抄紙機ドライヤ全体でのエネルギー消費を抑制することができる。
【0021】
また、過熱手段としては、例えば蒸気式の熱交換器の使用が考えられる。この場合、熱交換器内のドレインレベルを調整するレベル調整手段を備えるのが好ましい。ドレインレベルによって熱交換器内の伝熱面積が変わるので、ドレインレベルを調整することで熱交換器による循環媒体の過熱度を調整することができる。循環媒体の過熱度は、噴流口入口で350℃から20℃、好ましくは100℃から40℃とする。さらに、熱交換器内のドレインは高温高圧であるので、レベル調整により熱交換器から抜き出したドレインは、ミストタンク内でフラッシュさせて循環用の蒸気として利用する。これにより、ドレインのエネルギーも有効に利用することができ、抄紙機ドライヤ全体でのエネルギー消費を抑制することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態にかかるウェブ加熱装置のシステム構成図、図2は本発明のウェブ加熱装置が適用される抄紙機ドライヤの全体構成を示す概略図である。
【0023】
本実施形態にかかる抄紙機ドライヤは、図2に示すように昇温部100と乾燥部101とに分かれて構成され、乾燥部101の入口側に昇温部100が設けられている。そして、図示しないプレス部で脱水された紙ウェブWは昇温部100を通って乾燥部101に送り込まれるようになっている。
昇温部100には、ループ状のカンバス105が備えられている。カンバス105は複数の搬送ロール113,114によって案内されており、このうちカンバス105の上部を案内する搬送ロール113はカンバス105が上面側に凸の円弧を描くように配置されている。紙ウェブWはカンバス105の上面によって支持されており、カンバス105に支持された状態で上に凸の緩やかな円弧を描きながら昇温部100に搬送される。
【0024】
また、紙ウェブWの走行ラインに沿って複数の加熱ユニット106〜112が配置されている。このうち加熱ユニット106〜109は、カンバス105の上方外側に紙ウェブWの上面に向けて並べて配置され、加熱ユニット110〜112は、カンバス105の内側にカンバス105の裏面に向けて並べて配置されている。これら加熱ユニット106〜112は、本実施形態にかかるウェブ加熱装置を構成するものであり、各加熱ユニット106〜112には後述する噴流口がウェブWの表面に向けて設けられている。
【0025】
加熱ユニット106〜112の周りには、紙ウェブWの走行ラインを蓋って外界から隔離するためのフード127が設けられている。フード127は図では紙ウェブWの走行ライン上部を覆っている様子が示されているが、実際にはフード127は図1に示すように紙ウェブWの走行ライン下部も覆っている。このフード127も、本実施形態にかかるウェブ加熱装置を構成している。以下、図1を用いて本実施形態にかかるウェブ加熱装置の構成について詳細に説明する。
【0026】
図1に示すように、フード127内にはウェブWの走行ラインに沿って複数の噴流口200が配置されている。噴流口200は図2に示す各加熱ユニット106〜112内に設けられており、ここでは特定の加熱ユニットについて示している。各噴流口200は供給管202によってミストタンク201に接続されている。また、フード127は回収管203によってミストタンク201に接続されている。ミストタンク201内には凝縮水(以下、ドレインという)とともに空気と蒸気の混合した循環媒体が蓄えられている。ミストタンク201内の循環媒体は、供給管202によって各噴流口200に供給され、噴射口200から噴射された循環媒体は、凝縮水とともに回収管203によってミストタンク201内に回収される。ここで、噴流口から噴出される循環媒体の過熱度は、350〜20℃、好ましくは100〜40℃であり、露点温度を100〜75℃に、好ましくは略90℃に調整されている。また、循環媒体の圧力は、噴流口200内の循環媒体速度が30〜150m/sの範囲内の所定速度になるように設定し、より好ましくは30〜100m/sの範囲内になるように調整されている。
【0027】
供給管202には、上流から過熱器204、ブロワ205、及び流量調整弁206が設けられている。ブロワ205は、ミストタンク201から循環媒体を吸い上げて噴流口200へ送り出す圧送手段である。過熱器204は、ブロワ205により噴流口200へ供給される循環媒体を過熱状態まで加熱する手段であり、ここでは電気ヒータ204aによって循環媒体を加熱している。ブロワ205の下流には供給管202内を流れる循環媒体の温度を計測する温度計220が設けられている。電気ヒータ204aの出力は、この温度計220の検出温度に基づいて自動制御される。流量調整弁206は、噴流口200から噴射される循環媒体の流量を調整するための弁である。流量調整弁206の作動状態は、供給管202内を流れる循環媒体の流量を計測する流量計221の計測値に連動しており、流量計221の計測流量に基づいて流量調整弁206の弁開度が自動制御される。
【0028】
ミストタンク201には、ミストタンク201内の圧力を外部に逃がすための放出管211が接続されている。放出管211には弁212が設けられている。弁212の作動状態は、ミストタンク201内の温度を計測する温度計223の計測値により決まり、温度計223の計測温度が所定値を超えたら弁212が自動で開くようになっている。これら弁212と温度計223は、ミストタンク201内の系外からの混入空気を大気放出する事で、ミストタンク201内循環媒体の蒸気分圧を一定に制御する手段として機能している。
【0029】
また、ミストタンク201には、外部から蒸気を補給するための補給管207が接続されている。補給管207は、後述する乾燥部101(図2参照)から延びており、乾燥部101のドライヤロールの加熱に使用されたブロースルー蒸気(低圧蒸気、飽和蒸気圧力0.1〜0.5MPa程度)が補給管207を通ってミストタンク201内にメイクアップ蒸気として補給されるようになっている。補給管207には弁208が設けられている。弁208の作動状態は、ミストタンク201内の圧力を計測する圧力計222の計測値により決まり、圧力計222の計測圧力が所定の下限圧力を下回ったら弁208が自動で開くようになっている。
【0030】
ミストタンク201の下部には、ミストタンク201内に溜まったドレインを抜くためのドレイン排出管213が接続されている。ドレイン排出管213には弁214が設けられている。弁214の作動状態は、ミストタンク201内のドレインレベルを計測するレベル計224の計測値により決まり、レベル計224の計測レベルが所定の上限レベルを上回ったら弁214が自動で開くようになっている。
【0031】
次に、以上のように構成された本実施形態のウェブ加熱装置の運転方法について、起動時と操業時とのそれぞれについて説明する。なお、以下の運転はすべて自動で行われる。
起動時には、まず、弁212,弁214及び弁208を閉に設定し、弁206を開に設定した状態でブロワ205の運転を開始する。次に、圧力計222により計測されるミストタンク201内圧力が設定圧力の値になるまで弁208を開く。循環系内での水撃の発生を防止するためには、ミストタンク201内の気体が完全な蒸気ではない循環媒体となるように設定露点は100℃よりも低い温度とし、好ましくは十分な値の凝縮熱伝達率も得ることができるように90℃近くの温度に設定する。
【0032】
起動時は循環系内の温度が低いため、循環系内には蒸気が凝縮したドレインが発生する。このドレインはミストタンク201で回収する。ミストタンク201内のドレインレベルはレベル計224で計測し、ドレインレベルが設定レベルを維持するように弁214の開閉を制御する。また、回収直後の循環媒体中には微細な水ミストが含まれるが、これはミストタンク201により除去される。これにより、過熱器204の通過後に水ミストが残存することを抑制することができる。
【0033】
ミストタンク201内温度が設定露点に達したら、温度計220により計測される循環媒体の温度、すなわち、噴流口200からの循環媒体の噴流温度が設定温度となるように、電気ヒータ204aの出力調整の自動制御を開始する。また、流量計221により計測される循環媒体の流量、すなわち噴流口200からの循環媒体の噴流流量が設定値となるように、流量調整弁206の開度調整の自動制御を開始する。噴流の過熱度は、350〜20℃、好ましくは100〜40℃であり、露点温度を100〜75℃に、好ましくは略90℃に設定する。また、噴流流量は噴流速度が30〜150m/sの範囲内の所定速度になるように設定し、より好ましくは30〜100m/sの範囲内になるように設定する。なお、ブロワ205の回転速度が可変である場合には、弁206の開度ではなくブロワ205の回転速度によって噴流口200からの噴流流量を調整してもよい。ミストタンク201温度計測用の温度計223の指示値が設定温度を超えた場合は、弁212を開いて過剰分を大気中に放出する。
【0034】
以上の処理は噴流口200から噴射される循環媒体が所定の条件(過熱度、流量、露点)に達するまで繰り返される。そして、条件に達したらウェブ加熱装置の操業運転が行われる。
操業運転時には、紙ウェブWがフード127内を走行し、この走行する紙ウェブWの表面に向けて各噴流口200から過熱状態の循環媒体が噴射される。この過熱状態の循環媒体が紙ウェブWに衝突することにより、循環媒体、特に循環媒体中の過熱蒸気が熱媒体となって紙ウェブWは加熱される。また、フード127内は、噴流口200から噴射された循環媒体が充満することで高温度高湿度となる。このような高温度高湿度雰囲気中では紙ウェブWの乾燥が進まないため、紙ウェブWに供給された熱は乾燥のための潜熱とはならず、そのほとんどが顕熱となって紙ウェブWの温度を速やかに昇温させる。本実施形態では、後述する乾燥部101の第1群ドライヤユニット101Aの第1ドライヤロール131aの表面温度に近づけるように、具体的には70〜120℃の範囲まで紙ウェブWの昇温が行われる。
【0035】
紙ウェブWの走行に伴いフード127内には、紙ウェブWや搬送ワイヤ内の空隙、もしくは、これらの同伴流として、空気が流入する。この流入空気の分だけ回収管203内やミストタンク201内では空気分圧が上昇し、ミストタンク201内の蒸気分圧は下がり、温度が低下する。ミストタンク201の温度の低下が温度計223により測定されると弁212が開き、ミストタンク201内の空気分圧の増加分は弁212から大気へ放出される。この操作により、ミストタンク201内に流入した空気は除去される。
【0036】
一方で上記操作によって蒸気の一部も弁212から大気へ放出される。また、回収後の循環媒体内の蒸気濃度は、紙ウェブWへの付着分だけ減少している。したがって、ミストタンク201内の蒸気分圧は設定圧よりも低下し、蒸気分圧の低下に応じてミストタンク201内圧力も低下する。ミストタンク201内圧力は圧力計222により計測されており、ミストタンク201内圧力が低下すると弁208が開き、補給管207からミストタンク201内に蒸気が補給される。これによりミストタンク201内蒸気温度は設定露点に保たれ、蒸気分圧は設定分圧に維持される。なお、紙ウェブWの紙切れ時は、紙ウェブWへの蒸気付着量が減少する。そのため、紙切れを検知した際は弁208を直ちに絞り、循環媒体中の蒸気濃度を安定化させる。
【0037】
このようにミストタンク127内の圧力調整及び温度調整を行うことで、ミストタンク127内の蒸気分圧を常に一定に制御して蒸気の露点の低下を防止することができ、噴流口から噴射された循環媒体中の過熱蒸気が紙ウェブWに衝突した際の凝縮熱伝達率の低下を防止することができる。また、ミストタンク201内温度の調整用の蒸気としてブロースルー蒸気を再利用することで、抄紙機ドライヤ全体でのエネルギー消費を抑制することができる。
【0038】
本実施形態にかかるウェブ加熱装置は、上述のように過熱蒸気を含む循環媒体を熱媒体として紙ウェブWを加熱する仕組みになっている。このため、紙ウェブWに帯同するカンバス105には、蒸気の付着に伴い多量の水分が含まれていく。そこで、カンバス105の走行ルート上には真空ボックス126が配備されており、真空ボックス126によってカンバス105に含まれた水分を真空吸引して除去できるようになっている。
【0039】
乾燥部101は、直列に接続された第1群から第4群までの4つのドライヤユニット101A〜101Dから構成されている。ドライヤユニット101Aは、複数の真空ロール141a〜141c及びドライヤロール131a〜131cを備えており、真空ロール141a〜141cとドライヤロール131a〜131cとにドライヤカンバス151が交互に掛け回された構造になっている。他のドライヤユニット101B〜101Dも同様の構造を有しており、ドライヤユニット101Bは真空ロール142a〜142c,ドライヤロール132a〜132c及びドライヤカンバス151、ドライヤユニット101Cは真空ロール143a〜143c,ドライヤロール133a〜133c及びドライヤカンバス151、ドライヤユニット101Dは真空ロール144a〜144c,ドライヤロール134a〜134c及びドライヤカンバス151からそれぞれ構成されている。
【0040】
ドライヤカンバス151はループ状であり、上記の真空ロール141a〜144c,ドライヤロール131a〜134c及び複数のカンバスロール161に案内されて回転している。各ドライヤロール131a〜134cはドライヤカンバス151の外側に配置され、各真空ロール141a〜144cはドライヤカンバス151の内側に配置されており、ドライヤカンバス151の上面によって支持される紙ウェブWは、ドライヤカンバス151によってドライヤロール131a〜134cの表面に順に押し付けられながら乾燥されていく。
【0041】
また、乾燥部101には、紙ウェブWの走行ラインを蓋って外界から隔離するためのフード125が備えられている。このフード125内の湿度は、各ドライヤロール131a〜134cでの乾燥中に紙ウェブWの温度が70〜120℃の範囲に維持されるように図示しない温度湿度制御装置によって制御されている。本実施形態ではドライヤ前部のドライヤロールは高温化可能であり、最初の1群ドライヤユニット101A(ドライヤロール131a,131b,131c)の温度(封入蒸気温度)は、後群ドライヤユニット例えば4群ドライヤユニット101D(ドライヤロール134a,134b,134c)の温度(封入蒸気温度)と同一もしくはそれ以上である。
【0042】
このような構成により、昇温部100で70〜120℃の範囲まで昇温された紙ウェブWは、乾燥部101の各ドライヤユニット101A〜101Dを順次通過して紙温度を70〜120℃の範囲に保持されながら乾燥されていく。そして、4群ドライヤユニット101Dの第3ドライヤロール134cを通過して所定の水分率以下まで乾燥された紙ウェブWは、カレンダ162によって紙厚さや表面の平滑等を調整された後、リールドラム163によって巻取紙164に巻き取られていくようになっている。
【0043】
ここで、図3(a)はドライヤロールと紙ウェブとの温度差とスティック量との関係を実験により求めた図であり、図3(b)は上記スティック量の定義を説明するための図である。紙ウェブがドライヤロールに貼り付かない場合には、図3(b)に破線で示すように紙ウェブはドライヤロールと真空ロールとを結ぶ接線に沿って走行する。しかしながら、実際には少なからずスティッキング現象が発生し、図3(b)に実線で示すように紙ウェブは上記接線の接点からドライヤロールの回転方向にずれた位置で分離する。スティック量は上記接点から実際に紙ウェブがドライヤロールから離れた位置までの距離として定義することができ、スティック量が大きいほど紙ウェブをドライヤロールから引き離すための剥離力が必要となり、紙切れ頻度は増大する。
【0044】
このスティック量は、図3(a)に示すようにドライヤロールと紙ウェブとの温度差が大きいほど大きくなることが分かっている。本実施形態では、上記のように昇温部100によって70〜120℃の範囲まで紙ウェブを昇温してから乾燥部101に送り込むので、乾燥部前部のドライヤロール温度を高温化してもドライヤロールと紙ウェブとの温度差を小さくすることができ、スティック量を小さくすることができる。その結果、抄紙機を高速化した場合でもスティッキングによる紙切れを防止して安定した生産が可能になる。
【0045】
また、本実施形態にかかる抄紙機ドライヤによれば、紙強度の高い高品質の紙を製造することも可能になる。ここで、図4は水分率55%の紙ウェブを所定の水分率まで紙温度を約100℃に維持して乾燥した後、紙温度50℃での通常乾燥に切り替えて水分率10%まで乾燥した場合の紙強度(引張強度)を調べた実験結果である。実験では、水分率55%から水分率10%まで終始通常乾燥を行った場合(A)と、ある水分率(28%(B),20%(C),13%(D))で乾燥方法を切り替えた場合と、水分率55%から水分率10%まで終始高温度乾燥を行った場合(E)とを比較している。本実施形態にかかる抄紙機ドライヤでは、フード125内の温度湿度制御によって乾燥中の紙ウェブの温度は90〜100℃の範囲に維持されるので、図4中のEからもわかるように極めて高い引張強度の紙を得ることができる。なお、この効果は、紙、特に新聞用紙中に含まれるリグニン成分は、湿紙温度を100℃近くに維持して乾燥させたときに繊維同士の微細なヒゲを接着する効果を強く発揮することに起因するものと考えられる。
【0046】
(B)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について図5,図6を用いて説明する。本実施形態にかかるウェブ加熱装置は、第1実施形態と同様に図2に示す抄紙機ドライヤの昇温部100に備えられるウェブ加熱装置である。本実施形態のウェブ加熱装置はその過熱器の構成に特徴があり、その他の構成は第1実施形態と同一である。したがって、図中、第1実施形態と同一の部位については同一の符号を付し、ここでは第1実施形態と重複する説明は省略して本実施形態の特徴点について重点的に説明する。
【0047】
図5は本実施形態にかかるウェブ加熱装置のシステム構成図である。本実施形態では、過熱器216として蒸気式の熱交換器が用いられている。過熱器216には、蒸気導入管215を介して熱源としての中圧蒸気(補給管207のブロースルー蒸気よりも高圧の蒸気、例えば飽和蒸気圧1.5〜0.5MPa)が導入されている。蒸気導入管215の途中には弁218が設けられている。また、過熱器216の下部には、過熱器216内で蒸気が凝縮してできたドレインを抜くためのドレイン排出管217が接続されている。ドレイン排出管217の先端はミストタンク201に接続され、ドレイン排出管217の途中には弁219が設けられている。
【0048】
過熱器216から供給管202を通る循環媒体に与えられる熱量は、過熱器216に熱源として供給される中圧蒸気の圧力と、過熱器216内の伝熱面積とによって決まり、蒸気圧力が大きいほど、また、伝熱面積が大きいほど循環媒体に与えられる熱量は大きくなる。そして、過熱器216内の伝熱面積は過熱器216内のドレインレベルにより決まり、ドレインレベルが低いほど伝熱面積は大きくなる。本実施形態にかかる過熱器216では、ブロワ205の下流に設けられた温度計220の検出温度に基づいて、これら蒸気圧力及びドレインレベルが自動制御される。
【0049】
過熱器216内の蒸気圧力は弁218によって制御することができる。弁218の作動状態は、過熱器216内の蒸気圧力を計測する圧力計225の計測値により決まり、圧力計225の計測圧力が所定の下限圧力を下回ったら弁218が自動で開くようになっている。したがって、弁218が作動する下限圧力を温度計220の検出温度に基づいて調整することで、噴流口200からの循環媒体の噴流温度に応じて過熱器216内の蒸気圧力を自動制御することができる。
【0050】
同様に過熱器216内のドレインレベルは弁219によって制御することができる。弁219の作動状態は、過熱器216内のドレインレベルを計測するレベル計226の計測値により決まり、レベル計226の計測レベルが所定の上限レベルを上回ったら弁219が自動で開くようになっている。したがって、弁219が作動する上限レベルを温度計220の検出温度に基づいて調整することで、噴流口200からの循環媒体の噴流温度に応じて過熱器216内のドレインレベルを自動制御することができる。
【0051】
なお、過熱器216内のドレインは高温高圧であるので、レベル調整により過熱器216内から抜き出したドレインはミストタンク201内でフラッシュして蒸気となり、補給管207からのブロースルー蒸気と同様に循環用の蒸気として再利用される。したがって、ドレインのエネルギーも有効に利用することができ、抄紙機ドライヤ全体でのエネルギー消費を抑制することができる。
【0052】
図6は本実施形態にかかるウェブ加熱装置を抄紙機ドライヤの蒸気供給システムに適用した場合の概略システム構成図である。図6に示すように、抄紙機ドライヤ(図2参照)の乾燥部101のドライヤロールは、メインセクション301と中間セクション303の2グループにグループ分けされている。ここでは、下流側のドライヤユニット101C,101Dのドライヤロール133a〜133c,134a〜134cがメインセクション301に属し、上流側のドライヤユニット101A,101Bのドライヤロール131a〜131c,132a〜132cが中間セクション303に属しているものとする。
【0053】
各セクション301,303には、図示しない蒸気ヘッドに繋がる蒸気供給管300が接続されている。蒸気ヘッドの蒸気は蒸気供給管300を通って各セクション301,303のドライヤロールに供給され、ドライヤロールを加熱する。そして、各セクション301,303においてドライヤロールを加熱した蒸気はそれぞれ凝縮タンク302,304に排気され、凝縮タンク302,304内で冷やされてドレイン(凝縮水)となる。このうち、メインセクション301から凝縮タンク302に排出された蒸気(ブロースルー蒸気)の一部は、カスケードライン305を介して中間セクション303に供給され、中間セクション303のドライヤロールの加熱に再利用される。すなわち、抄紙機ドライヤの乾燥部101には、蒸気のカスケードシステムが構築されている。
【0054】
本実施形態にかかるウェブ加熱装置は、上記の乾燥部101のカスケードシステムに組み合わされている。すなわち、カスケードライン305から分岐して、温度調整用のメイクアップ蒸気を供給する補給管207が設けられている。また、補給管207には中間セクション303の凝縮タンク304からもブロースルー蒸気が供給されている。また、ミストタンク201から排出されたドレインは、フィルタ230によって一次処理された後にメインタンク306に送られ、乾燥部101の各凝縮タンク302,304から排出されたドレインとともに図示しないボイラに送られて再利用されるようになっている。
【0055】
このように既存のカスケードシステムにウェブ加熱装置を組み合わされることで、蒸気の有効利用が可能になる。また、図6は第2実施形態にかかるウェブ加熱装置を抄紙機ドライヤの蒸気供給システムに適用した場合について示しているが、第1実施形態にかかるウェブ加熱装置も本実施形態と同様に既存のカスケードシステムに組み合わせることができる。なお、図5では補給管207はミストタンク201に接続されているが、ここで示すようにミストタンク201と過熱器216との間の供給管202に補給管207を接続することも可能である。
【0056】
(C)その他
以上、本発明の二つの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、実施形態では温度調整用のメイクアップ蒸気として、ドライヤロールの加熱に用いられたブロースルー蒸気を再利用しているが、蒸気ヘッドから各ドライヤロールに供給される低圧蒸気の一部を抜き出してメイクアップ蒸気としてもよい。また、ミストタンクと昇温部フードとを回収管なしに一体化しても良い。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置によれば、噴流口から噴射されてウェブの加熱に用いられた蒸気を循環系によって再使用することができ、また、ウェブの走行に伴いフード内に空気が流入した場合でも、ミストタンク内の圧力調整及び温度調整によって循環系内の循環媒体の空気分圧を一定に制御することができるので、循環系内の蒸気濃度を一定に維持することが可能である。その結果、最小のエネルギー消費でウェブの加熱を行うことができ、ドライヤの高速安定性を向上することができる。また、循環系の配管内での水撃を抑制できるため、安定したウェブ加熱装置の操業が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるウェブ加熱装置のシステム構成図である。
【図2】本発明のウェブ加熱装置が適用される抄紙機ドライヤの全体構成を示す概略図である。
【図3】ドライヤロールとウェブとの温度差とスティック量との関係を説明するための図であり、(a)は上記温度差とスティック量との関係を示すグラフ、(b)はスティック量の定義を説明するための図である。
【図4】本発明の効果を説明するための図であり高温度高湿度乾燥適用後の水分率と紙強度(引張強度)との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態にかかるウェブ加熱装置のシステム構成図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかる抄紙機ドライヤ全体の蒸気の供給システムの概略構成図である。
【符号の説明】
100 昇温部
101 乾燥部
101A〜101D ドライヤユニット
105 カンバス
113 搬送ロール
114 搬送ロール
106〜112 加熱ユニット
125 フード
126 真空ボックス
127 昇温部フード
131a〜131c,132a〜132c,133a〜133c,134a〜134c ドライヤロール
141a〜141c,142a〜142c,143a〜143c,144a〜144c 真空ロール
151 ドライヤカンバス
161 カンバスロール
162 カレンダ
163 リールドラム
164 巻取紙
200 噴流口
201 ミストタンク
202,203,207,211,213,215,217 管
204,216 過熱器
204a ヒータ
205 ブロワ
206,208,212,214,218,219 弁
220,223 温度計
221 流量計
222,225 圧力計
224,226 レベル計
W 紙ウェブ

Claims (7)

  1. 抄紙機のプレス部の下流に設けられて上記プレス部で脱水されたウェブの乾燥を行う抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置であって、
    ウェブの走行ルート近傍を外界と隔離するフードと、
    上記フード内において上記ウェブの表面に向けて配置された噴流口と、
    循環媒体を蓄えるミストタンクと、
    上記ミストタンクと上記噴流口とを接続する供給管と、
    上記供給管に設けられて上記ミストタンクから循環媒体を吸い上げて上記噴流口へ送り出す圧送手段と、
    上記供給管に設けられて上記噴流口へ供給される循環媒体を過熱する過熱手段と、
    上記ミストタンク内の圧力を所定圧に調整する圧力調整手段と、
    上記ミストタンク内の温度を所定温度に調整する温度調整手段とを備えたことを特徴とする、抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置。
  2. 上記循環媒体は、上記噴流口の入口で350〜20℃の過熱度を持つ過熱蒸気であることを特徴とする、請求項1記載の抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置。
  3. 上記循環媒体は、上記噴流口の入口で350〜20℃の過熱度を持つ湿り空気であることを特徴とする、請求項1記載の抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置。
  4. 上記温度調整手段は循環媒体の露点温度を100〜75℃に調整するように構成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置。
  5. 上記圧力調整手段は上記噴流口内の循環媒体速度が30〜150m/sの範囲内の所定速度になるように調整するように構成されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置。
  6. 上記温度調整手段として上記ミストタンク内に蒸気を供給して上記ミストタンク内の温度を上昇させる蒸気供給手段を備え、上記蒸気供給手段は供給蒸気としてドライヤロールの加熱に使用されたブロースルー蒸気を用いるように構成されたことを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置。
  7. 上記過熱手段として蒸気式の熱交換器を備えるとともに、上記熱交換器内のドレインレベルを調整するレベル調整手段を備え、上記レベル調整手段は上記熱交換器からドレインを抜き出して上記ミストタンク内でフラッシュさせるように構成されたことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の抄紙機ドライヤのウェブ加熱装置。
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