JP2004149765A - 水溶性インクジェット用インク - Google Patents
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Abstract
【課題】有機及び無機マトリックスへの分散性に優れ、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れ、インクの吐出性が向上し、長期間不使用後であっても吐出ヘッドの目詰まりが生じず、記録画像に滲みが生じない水溶性インクジェット用インクの提供。
【解決手段】水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選ばれる溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インクである。該着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選択されるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インクである。
【選択図】 なし
【解決手段】水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選ばれる溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インクである。該着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選択されるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インクである。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れ、インクの吐出性が向上し、長期間不使用後であっても吐出ヘッドの目詰まりが生じず、記録画像に滲みが生じない水溶性インクジェット用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、材料費が安価であること、高速記録が可能であること、記録時の騒音が少ないこと、カラー記録が容易であること、などから、急速に普及した技術である。このインクジェット記録方式には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて滴々を吸引吐出させる方式、静電力により液滴を吸引吐出させる方式等がある。また、インクジェット用インクとしては、水性インク、油性インク、固体(溶融型)インク等が用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
また、前記インクジェット用インクに用いられる着色剤としては、溶剤に対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、インク保管時の分散性、保存安定性等に優れること、等が要求される。
【0004】
近年、技術の進歩に伴って、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れ、インクの吐出性が向上し、長期間不使用後であっても吐出ヘッドの目詰まりが生じず、記録画像に滲みが生じなく、更に、独特の色味を有するインクジェット用インクの開発が強く望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−80314号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れ、インクの吐出性が向上し、長期間不使用後であっても吐出ヘッドの目詰まりが生じず、記録画像に滲みが生じない水溶性インクジェット用インクを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選ばれる溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インクである。
<2> 水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選ばれる溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選択されるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インクである。
<3> 水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選択される溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有すると共に、前記着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選択されるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インクである。
<4> 金属系粒子を包含する樹状分岐分子が、金属イオンに配位するデンドロンを含む金属キレート化合物、及び半導体金属微粒子に結合するデンドロンを含む化合物の少なくともいずれかである前記<2>から<3>のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インクである。
<5> 金属イオンが、希土類金属のイオンである前記<2>から<4>のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インクである。
<6> 希土類金属が、希土類金属が、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選択される少なくともいずれかの元素である前記<5>に記載の水溶性インクジェット用インクである。
<7> 半導体金属微粒子が、単体半導体、酸化物半導体、化合物半導体、有機半導体、複合体酸化物半導体、及びこれらの混合物のいずれかである前記<4>から<6>のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インクである。
<8> 樹状分岐分子が、樹状分岐ポリマー及びデンドロンのいずれかである前記<1>から<7>のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インクである。
<9> 樹状分岐ポリマーが、デンドリマーである前記<8>に記載の水溶性インクジェット用インクである。
<10> デンドリマーの表面に金属イオンと相互作用を示さない官能基を有する前記<9>に記載の水溶性インクジェット用インクである。
<11> 樹状分岐ポリマーが、ハイパーブランチポリマーである前記<8>に記載の水溶性インクジェット用インクである。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
【0008】
本発明の水溶性インクジェット用インクは、水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選択される溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、第一の形態では、前記バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有し、第二の形態では、前記着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選ばれるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有し、第三の形態では、水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選択される溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有すると共に、前記着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選択されるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有する
前記第一の形態から第三の形態に係る水溶性インクジェット用インクにおいては、バインダーとして用いる樹状分岐分子が、比較的分子量が小さく分子鎖の絡まりが少ないので、インクの吐出適性が高く、長期間不使用後であっても吐出ヘッドの目詰まりが生じず、記録画像に滲みが生じない高画質画像が得られる。また、前記着色剤として用いる金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選ばれるいずれかを包含する樹状分岐分子は、有機及び無機マトリックスへの分散性に優れているので均一な水溶性インクジェット用インクが得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(水溶性インクジェットインク)
本発明の水溶性インクジェット用インクは、水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選択される溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、必要に応じてその他の成分を含み、以下の第一形態から第三形態のいずれかであるのが好ましい。
前記第一形態では、前記バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有する。前記第二形態では、前記着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選ばれるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有する。前記第三形態では、前記バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有すると共に、前記着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選ばれるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有する。
【0010】
−バインダー−
本発明の第一形態及び第三形態に係るインクジェット用インクには、前記バインダーとして、樹状分岐分子が用いられ、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー及びデンドロンから選ばれるいずれかの樹状分岐分子が好適である。
【0011】
前記デンドリマーとしては、例えば、G.R.Newkome,C.N.Moorefield、F.フェグトレ著「Dendrimers and Dendrons」(2001年、WILEY‐VCH発行)、C.J.Hawkeret al;J.Chem.Soc.,Commun.,第1010頁(1990年)、D.A.Tomalia et al;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,29巻,第138頁(1990年)、C.J.Hawker et al;J.Am.Chem.Soc.,112巻、第7638頁(1990年)、J.M.J.Frechet,;Science、263巻、第1710頁(1994年)などの文献に記述されているものを使用することが可能である。
なお、前記デンドリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、トリメチレンイミン骨格及びアミドアミン骨格の少なくともいずれかを含むものが好ましい。
【0012】
前記デンドリマーの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、以下に示すデンドリマー(1)〜(9)が好適に挙げられる。
【0013】
〔デンドリマー(1)〕
【化1】
【0014】
〔デンドリマー(2)〕
【化2】
【0015】
〔デンドリマー(3)〕
【化3】
【0016】
〔デンドリマー(4)〕
【化4】
【0017】
〔デンドリマー(5)〕
【化5】
【0018】
〔デンドリマー(6)〕
【化6】
【0019】
〔デンドリマー(7)〕
【化7】
【0020】
〔デンドリマー(8)〕
【化8】
【0021】
〔デンドリマー(9)〕
【化9】
【0022】
前記末端アミノ基含有デンドリマーのうち、トリメチレンイミン骨格を含むデンドリマーの製造方法としては、特に制限はなく、適宜選定することができるが、以下の方法などが挙げられる。
例えば、国際特許(WO−A)第93/14147号明細書、及び国際特許(WO−A)第95/02008号明細書などに記載されているように、アンモニア及び2個以上の1級アミノ基を含有する化合物を出発物質とし、アクリロニトリルを反応させてシアノエチル化した後、ニトリル基を触媒の存在下で、水素又はアンモニアを用いて1級アミノ基に還元し(G1)、次いで、シアノエチル化と1級アミノ基への還元を3度繰り返して(G2→G3→G4)合成する方法などが挙げられる。なお、G1〜G4は、デンドリマーの世代を表す。
前記製造方法においては、出発物質として、アンモニアの他、1級アミノ基、アルコール、フェノール、チオール、チオフェノール及び2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する化合物を用いてもよい。
【0023】
前記デンドリマーとしては、工業性を考慮して、媒染基を導入する世代(中心から何番目の分岐に対して媒染基を修飾するのか)が第2世代以降であることが好ましく、第3世代〜第10世代であることがより好ましい。
【0024】
前記樹状分岐分子の重量平均分子量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、200〜1,000,000が好ましく、500〜500,000がより好ましい。
また、前記樹状分岐分子の平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、1〜100nmが好ましく、1〜50nmがより好ましい。
【0025】
前記ハイパーブランチポリマーとしては、例えば、石津浩二編著「分岐ポリマーのナノテクノロジー」(2000年、株式会社 アイピーシー)の成書に記述されているハイパーブランチポリマーなどが挙げられる。
前記ハイパーブランチポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、以下に示すハイパーブランチポリマー(1)〜(2)が好適に挙げられる。
【0026】
〔ハイパーブランチポリマー(1)〕
【化10】
【0027】
〔ハイパーブランチポリマー(2)〕
【化11】
【0028】
前記ハイパーブランチポリマーの製造方法としては、例えば、M.Suzuki et al;Macromolecules,25巻,7071頁(1992)、同31巻,1716頁(1998)に記載されているように、一級アミンを求核成分とし、パラジウム触媒による環状化合物の開環重合による合成方法等が挙げられる。
【0029】
前記バインダーとしての樹状分岐分子の含有量は、水溶性インクジェット用インクの全固形分に対し0.5質量%以上であることが必要であり、0.5〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましい。前記含有量が0.5質量%未満であると、インク吐出性が低下し、長期不使用後にヘッドの目詰まりが生じたり、記録画像に滲みが生じることがある。
【0030】
なお、本発明の水溶性インクジェット用インクには、前記樹状分岐分子以外にも、インクジェット用インクに普通に使用されるバインダーを適宜選択して用いることもできる。
【0031】
−着色剤−
本発明の第二形態及び第三形態に係るインクジェット用インクには、着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選ばれるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有する。ここで、前記金属粒子及び前記合金粒子を「金属系粒子」と称することがある。
【0032】
前記金属系粒子及び染料の少なくともいずれかを包含した樹状分岐分子とは、配位サイト数が一定な多重分岐構造の樹状分岐分子であり、好ましくは単分散の樹状分岐分子を意味する。分岐の中心であるコアより規則的に逐次分岐されたデンドリマーばかりでなく、デンドロンも含む。また、樹状分岐分子を構造の一部となす材料も樹状分岐分子に含まれる。即ち、樹状分岐分子の表面の官能性基を、高分子又は他の材料と結合させたものでもよく、或いは、樹状分岐分子を構造の一部として持つ有機分子であってもよい。例えば、デンドリマーの表面が高分子主鎖に結合した分子、或いは、デンドロンの分岐の中心が高分子主鎖に結合した分子も本発明の樹状分岐分子に含まれる。
【0033】
前記樹状分岐分子がS原子やN原子のような金属イオンを配位可能なサイトを有する場合、そのサイト数は実質的に均一であり、金属イオン溶液を添加することにより、金属イオンは配位サイトに配位される。例えば、金属イオンの添加量が過剰であっても、配位サイト当たり等量金属イオンしか配位しないため、配位サイトの数以上に金属イオンが配位されることはない。即ち、配位金属イオンの量は、樹状分岐ポリマーの配位サイトの数で決まる。配位後、過剰の金属イオンを除去し、還元又は特定試薬との反応を経て粒子を形成する。この粒子のサイズは、配位された金属イオンの量で決まる。よって、樹状分岐分子により調製した粒子のサイズは一定となる。
また、静電的相互作用を利用した方法により金属を含有させることもできる。
【0034】
前記樹状分岐分子としては、樹状分岐構造を有する分子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹状分岐ポリマー、デンドロンなどが挙げられる。
前記樹状分岐ポリマーとしては、例えば、ハイパーブランチポリマー、分岐の中心であるコアより規則的に逐次分岐されたデンドリマー、などが好適に挙げられる。
前記デンドロンは、コアに分岐のない置換基を残しながら他は規則的に逐次分岐された構造体である。
前記デンドリマー及びデンドロンの世代数については、特に制限はないが、通常1〜6世代が合成の容易性の点から好ましく、1〜4世代がより好ましい。
【0035】
前記デンドリマーの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、以下に示すデンドリマー(1)〜(5)が好適に挙げられる。
【0036】
<デンドリマー(1)>
【化12】
【0037】
<デンドリマー(2)>
【化13】
【0038】
<デンドリマー(3)>
【化14】
【0039】
<デンドリマー(4)>
【化15】
【0040】
<デンドリマー(5)>
【化16】
【0041】
前記デンドリマーの表面に金属イオンと相互作用を示さない官能基を有することが好ましい。前記金属イオンと相互作用を示さない官能基としては−OH、ベンジル基、メトキシ基などヘテロ原子を有さない基が好適である。例えば、各種アルコール、カルボキシエステル、芳香族炭化水素、アルコキシル、アルキルなどが挙げられる。
【0042】
前記デンドリマーの表面官能基は、適当な化学反応により他の種類の官能基に変換することが可能である。例えば、表面官能基がアミノ基である場合には、このアミノ基に目的の官能基を有する化合物をマイケル反応させることにより、表面官能基をアミノ基から他の官能基へと変換することができる。
【0043】
前記デンドロンの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、以下に示すデンドロン(1)〜(18)が好適に挙げられる。
【0044】
<デンドロン(1)>
【化17】
【0045】
<デンドロン(2)>
【化18】
【0046】
<デンドロン(3)>
【化19】
【0047】
<デンドロン(4)>
【化20】
【0048】
<デンドロン(5)>
【化21】
【0049】
<デンドロン(6)>
【化22】
【0050】
<デンドロン(7)>
【化23】
【0051】
<デンドロン(8)>
【化24】
【0052】
<デンドロン(9)>
【化25】
【0053】
<デンドロン(10)>
【化26】
【0054】
<デンドロン(11)>
【化27】
【0055】
<デンドロン(12)>
【化28】
【0056】
<デンドロン(13)>
【化29】
【0057】
<デンドロン(14)>
【化30】
【0058】
<デンドロン(15)>
【化31】
【0059】
<金属イオン配位デンドロン(16)>
【化32】
【0060】
<金属イオン配位デンドロン(17)>
【化33】
【0061】
<金属イオン配位デンドロン(18)>
【化34】
【0062】
なお、前記デンドロンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、市販品を用いることもできる。
【0063】
前記デンドロンに金属イオンを担持させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、含有目的とする金属イオンを含む溶液中にデンドロンを添加し、攪拌し、更に還元処理することにより、金属イオン担持デンドロンが得られる。
【0064】
前記金属系粒子としては、金属粒子及び合金粒子の少なくともいずれかの金属系粒子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属系粒子の数平均粒径(D50)は500nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、80nm以下が更に好ましい。
前記金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、金属そのものであってもよいし、金属カルコゲナイド、金属ハロゲン化合物などであってもよい。前記金属としては、Ti、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、Sn、Ir、Pt、Au、Pb、Bi、これらの合金等が挙げられる。
【0065】
前記合金としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記金属として例示したものと、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、ランタノイド系列の元素及びアクチノイド系列の元素から選択したものとの合金、などが挙げられる。
前記金属系粒子を含有する樹状分岐分子の場合における、前記金属系粒子の含有量としては、0.01〜30質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
【0066】
前記金属イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、周期律表において、水素、ホウ素、炭素、窒素、及びリンを除く、1A(アルカリ金属)、2A(アルカリ土類金属)、3A、4A、5A、6A、7A、8、1B、2B(以上遷移元素)、3B、4B、及び5Bの各族に属する元素の陽イオンが好適である。
具体的な陽イオンとしては、Li+ ,Na+,K+ ,Rb+ ,Cs+ ,Fr+ 等のアルカリ金属陽イオン、Be2+,Mg2+,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Ra2+等のアルカリ土類金属陽イオン、Sc3+,Y3+等のスカンジウム族陽イオン、Ti2+,Ti3+,Ti4+,Zr+ ,Zr2+,Zr3+,Zr4+,Hf+ ,Hf2+,Hf3+,Hf4+等のチタン族陽イオン、V+ ,V2+,V3+,V4+,V5+,Nb+ ,Nb2+,Nb3+,Nb4+,Nb5+,Ta+ ,Ta2+,Ta3+,Ta4+,Ta5+等のバナジウム族陽イオン、Cr+ ,Cr2+,Cr3+,Cr4+,Cr5+,Cr6+,Mo+ ,Mo2+,Mo3+,Mo4+,Mo5+,Mo6+,W+ ,W2+,W3+,W4+,W5+,W6+,等のクロム族陽イオン、Mn+ ,Mn2+,Mn3+,Mn4+,Mn5+,Mn6+,Mn7+,Tc+ ,Tc2+,Tc3+,Tc4+,Tc5+,Tc6+,Tc7+,Re+ ,Re2+,Re3+,Re4+,Re5+,Re6+,Re7+等のマンガン族陽イオン、Fe+ ,Fe2+,Fe3+,Fe4+,Fe6+,Ru+ ,Ru2+,Ru3+,Ru4+,Ru5+,Ru6+,Ru7+,Ru8+,Os+ ,Os2+,Os3+,Os4+,Os5+,Os6+,Os7+,Os8+等の鉄族陽イオン、Co+ ,Co2+,Co3+,Co4+,Co5+,Rh+ ,Rh2+,Rh3+,Rh4+,Rh5+,Rh6+,Ir+ ,Ir2+,Ir3+,Ir4+,Ir5+,Ir6+等のコバルト族陽イオン、Ni+ ,Ni2+,Ni3+,Ni4+,Pd+ ,Pd2+,Pd3+,Pd4+,Pt2+,Pt3+,Pt4+,Pt5+,Pt6+等のニッケル族陽イオン、Cu+ ,Cu2+,Cu3+,Cu4+,Ag+ ,Ag2+,Ag3+,Au+ ,Au2+,Au3+,Au5+,Au7+等の銅族陽イオン、Zn2+,Cd+ ,Cd2+,Hg+,Hg2+等の亜鉛族陽イオン、La2+,La3+,Ce2+,Ce3+,Ce4+,Pr2+,Pr3+,Pr4+,Nd2+,Nd3+,Nd4+,Pm2+,Pm3+,Sm2+,Sm3+,Eu2+,Eu3+,Gd2+,Gd3+,Tb2+,Tb3+,Tb4+,Dy2+,Dy3+,Dy4+,Ho2+,Ho3+,Er2+,Er3+,Tm2+,Tm3+,Yb2+,Yb3+,Lu2+,Lu3+等のランタノイド陽イオン、Ac3+,Th4+,Pa3+,Pa4+,Pa5+,U3+,U4+,U5+,U6+,Np3+,Np4+,Np5+,Np6+,Pu3+,Pu4+,Pu5+,Pu6+,Am2+,Am3+,Am4+,Am5+,Am6+,Cm3+,Cm4+,Bk3+,Bk4+,Cf2+,Cf3+,Cf4+,Es2+,Es3+,Fm2+,Fm3+,Md2+,Md3+,No2+,No3+等のアクチノイド陽イオン、Al3+,Ga2+,Ga3+,In+ ,In2+,In3+,Tl+ ,Tl2+,Tl3+等の3B族陽イオン、Si2+,Si4+,Ge2+,Ge4+,Sn2+,Sn4+,Pb2+,Pb4+等の4B族陽イオン、As3+,As5+,Sb+ ,Sb3+,Sb5+,Bi+ ,Bi3+,Bi5+等の5B族陽イオン等が挙げられ、これらの中でも、Ti、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、Sn、Ir、Pt、Au、Pb、Biなどが好ましい。
【0067】
前記金属系粒子を含有する樹状分岐分子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定できるが、例えば、S原子やN原子のように金属イオンが配位が可能な構造を有する樹状分岐分子の内部に、1種又は2種以上の金属イオンを一定量に制御して固定させた後、還元することにより、金属系粒子が包含された樹状分岐分子を効率良く製造することができる。
前記還元試薬としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、アスコルビン酸、などが挙げられる。
また、樹状分岐分子の内部に、1種又は2種以上の金属イオンを一定量に制御し、静電相互作用させて固定させた後、還元処理することにより金属粒子が含有された樹状分岐分子を効率良く製造することができる。例えば、3級アミンを塩酸酸性下において4級アミンとし、この4級アミンを金属酸アニオンと静電的相互作用させることにより、金属粒子が含有された樹状分岐分子を製造することができる。
【0068】
前記樹状分岐分子としては、前記染料又は金属系粒子を結合可能な構造を有するのが好ましく、特に、該着色剤が、金属イオンとなって色相を呈する着色剤である場合には、例えば、末端に−COOH基、−SH基、−NH2基、―OH基等の金属イオンを配位可能な基を有するのが好ましい。
また、該着色剤が金属粒子等(半導体金属微粒子等)の金属である場合には、例えば、末端に−SH基、−NH2基等の金属粒子等と直接結合可能な基を有するのが好ましい。特に、金属イオンを配位する樹状分岐分子は、金属イオン配位による屈折率の変化により、水溶性インクジェット用インクに独特の色味を付与可能であり好ましい。
前記樹状分岐分子としては、共有結合を形成可能な官能基を有しているのが好ましい。
【0069】
前記着色剤としては、特に、前記樹状分岐分子と組み合わせた粒子として使用することにより、独特の色相を付与でき、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れ、前記着色剤の使用量をより軽減可能な水溶性インクジェット用インクが提供される点で、前述の各種の着色剤の中でも、希土類金属や半導体金属微粒子からなる着色剤を用いるのが好ましい。
前記希土類金属としては、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、等が挙げられる。
【0070】
また、前記半導体金属微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、単体半導体、酸化物半導体、化合物半導体、有機半導体、複合体酸化物半導体、又はこれらの混合物が挙げられ、これらにはドーパントとして不純物が含まれていてもよい。なお、半導体の形態の制限は特になく、単結晶、多結晶、非晶質又はこれらの混合形態であってもよい。
【0071】
前記単体半導体としては、例えば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、などが挙げられる。
【0072】
前記酸化物半導体は、金属酸化物で半導体の性質を持つものであり、例えば、TiO2、SnO2、Fe2O3、SrTiO3、WO3、ZnO、ZrO2、Ta2O5、Nb2O5、V2O5、In2O3、CdO、MnO、CoO、TiSrO3、KTiO3、Cu2O、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム、などが挙げられる。
【0073】
前記化合物半導体としては、例えば、カドミウムの硫化物、亜鉛の硫化物、鉛の硫化物、銀の硫化物、アンチモンの硫化物、ビスマスの硫化物、カドミウムのセレン化物、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物、亜鉛のリン化物、ガリウムのリン化物、インジウムのリン化物、カドミウムのリン化物、ガリウム−ヒ素のセレン化物、銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、などが挙げられる。
【0074】
前記有機半導体としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンスルフィド、等が挙げられる。
【0075】
前記複合体酸化物半導体としては、例えば、SnO2−ZnO、Nb2O5−SrTiO3、Nb2O5−Ta2O5、Nb2O5−ZrO2、Nb2O5−TiO2、Ti−SnO2、Zr−SnO2、Bi−SnO2、などが挙げられる。
【0076】
以上説明した前記着色剤を包含する樹状分岐分子としては、金属イオンに配位するデンドロンを含む金属キレート化合物、及び、半導体金属微粒子に結合するデンドロンを含む化合物、の少なくともいずれかの態様であるのが最も好ましい。
【0077】
前記金属系粒子を包含する樹状分岐分子の平均粒径(体積平均粒径(D50))としては、独特の色相を有し、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れる水溶性インクジェット用インクを提供可能な点で、1nm〜100μmが好ましく、1〜10nmがより好ましい。
【0078】
前記染料及び金属系粒子の少なくともいずれかを包含する樹状分岐分子の粒径は、分子量制御により容易に均一かつ小粒径に制御される。また前記樹状分岐分子に包含された着色剤は、包含されていることにより着色剤粒子間の凝集が効率的に抑制されている。更に、包含された着色剤表面への物質透過性も好適に制御されている。したがって、本発明によれば、前記着色剤を包含する樹状分岐分子を用いたことにより、独特の色相が付与され、インク吐出性、着色剤の分散性・保存安定性、粒径均一性に優れた水溶性インクジェット用インクが提供される。尚、前記着色剤を構成する金属のサイズ(体積平均粒径(D50))としては、具体的には、10nm未満が好ましく、5nm未満がより好ましい。
【0079】
前記着色剤としての染料及び金属系粒子の少なくともいずれかを包含する樹状分岐分子の、前記水溶性インクジェット用インクにおける含有量としては、水溶性インクジェット用インクに独特の色相を付与し、着色剤の分散性・保存安定性、粒径均一性に優れた水溶性インクジェット用インクを提供可能な点で、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
【0080】
また、前記樹状分岐分子に包含される染料としては、通常水溶性インクジェット用インクに用いられる公知の染料等を好適に挙げることができる。
【0081】
前記染料としては、以下の染料が挙げられる。例えば、C.I.ダイレクトブラック−2、−4、−9、−11、−17、−19、−22、−32、−80、−151、−154、−168、−171、−194;C.I.ダイレクトブルー−1、−2、−6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、−78、−86、−112、−142、−165、−199、−200、−201、−202、−203、−207、−218、−236、−287、−307;C.I.ダイレクトレッド−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−20、−28、−31、−33、−37、−39、−51、−59、−62、−63、−73、−75、−80、−81、−83、−87、−90、−94、−95、−99、−101、−110、−189、−227;C.I.ダイレクトイエロー−1、−2、−4、−8、−11、−12、−26、−27、−28、−33、−34、−41、−44、−48、−58、−86、−87、−88、−132、−135、−142、−144;C.I.フードブラック−1、−2;
【0082】
C.I.アシッドブラック−1、−2、−7、−16、−24、−26、−28、−31、−48、−52、−63、−107、−112、−118、−119、−121、−156、−172、−194、−208;C.I.アシッドブルー−1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−29、−40、−43、−55、−59、−62、−78、−80、−81、−83、−90、−102、−104、−111、−185、−249、−254;C.I.アシッドレッド−1、−4、−8、−13、−14、−15、−18、−21、−26、−35、−37、−52、−110、−144、−180、−249、−257;C.I.アシッドイエロー−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−18、−19、−23、−25、−34、−38、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76、−78、−79、−122;等が挙げられる。
これらの染料は、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0083】
前記着色剤としては、前記「染料及び/又は金属系粒子を包含する樹状分岐ポリマー」で述べた染料及び下記に示す顔料等が総て好適に挙げられる。
前記顔料としては、以下の顔料が挙げられる。例えば、マゼンタ顔料としては、C.I.Pigment Red−3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、209、216、226、257;C.I.PigmentViolet−3、19、23、29、30、37、50、88;C.I.Pigment Orange−13、16、20、36、挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0084】
シアン顔料としては、例えば、C.I.pigment Blue−1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、等が挙げられる。
イエロー顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、等が挙げられる。
ブラック顔料としては、例えば、C.I.Pigment Black−7、28、26、等が挙げられる。
これらの着色剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。該着色剤の、前記水溶性インクジェット用インクにおける含有量(但し、前記「着色剤を包含する樹状分岐ポリマー」に包含される着色剤含有量を除く。)としては、水溶性インクジェット用インクの色相の点で、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
【0085】
前記親水性溶媒は、水溶性インクジェット用インクに含まれる水の蒸発等を抑制し、保湿性、吐出安定性、及び、普通紙上の画質を向上させる目的で、含有される。該親水性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;チオジエタノール、2−メルカプトエタノール、チオグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶媒類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等の含窒素溶媒;などが挙げられる。特に、ノズル目詰まりを低減する観点からは、含硫黄、及び、含窒素溶媒類がより好ましい。これらの親水性溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0086】
前記親水性溶媒の含有量は、前記水溶性インクジェット用インクに対し、1〜90質量%が好ましい。
【0087】
前記界面活性剤は、記録画像の乾燥時間を短縮し、水溶性インクジェット用インクの被記録材への浸透を高める浸透剤として、染料や顔料等の着色剤の溶解・分散状態の安定化剤として、更に、インクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドのワイパークリーニング剤として、好適に用いられる。
前記界面活性剤としては、通常、水溶性インクジェット用インクに用いられる界面活性剤でよく、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、及び、両性界面活性剤が挙げられる。
【0088】
前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、テトラメチルデシンジオール、テトラメチルデシンジオールエチレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
【0089】
前記陰イオン性界面活性剤としては、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、等が挙げられる。
【0090】
前記両性界面活性剤としては、ベタイン、スルフォベタイン、サルフェートベタイン、イミダゾリン、等が挙げられる。
【0091】
これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの界面活性剤の中でも、形成される画像の均一性、乾燥性、インクの低起泡性、耐目詰まり性等の点で、非イオン性界面活性剤が特に好ましい。
【0092】
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記水溶性インクジェット用インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
【0093】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0094】
(合成例1) デンドリマー(1)の合成
▲1▼1,4−ジアミノブタン−N,N’−テトラ−1−アクリロニトリル:DAB(ACN)4の合成
88g(1モル)の1,4−ジアミノブタン(DAB)及び1200mlの水を、攪拌機及び冷却管・滴下ロートを付した2リットル三口フラスコ内に加え、撹拌しながら424g(8モル)のアクリロニトリルを滴下した。滴下終了後、撹拌しながら80℃で1時間加熱還流した。
次いで、水及び過剰アクリロニトリルを減圧で留去し、290gの1,4−ジアミノブタン−N,N’−テトラ−1−アクリロニトリル(DAB(ACN)4)を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0095】
▲2▼デンドリマー(1)G1:1,4−ジアミノブタン−N,N’−テトラ−1−プロピルアミン:DAB(PA)4の合成
24g(0.08モル)のDAB(ACN)4及び200mlのメタノールを1リットルのオートクレーブに加え、更に、エタノール25mlで洗浄したラネーコバルト触媒(Co:78〜96質量%、Cr:0.5〜5質量%、Ni:0.5〜5質量%、Al:3〜12質量%)5.6gを導入し、オートクレーブを閉じた。オートクレーブ内を2回水素置換した後、50気圧となるまで水素を導入し、撹拌しながら60℃まで昇温した。
撹拌しながら60℃で20分保った後、室温まで放冷し水素を排出し、オートクレーブ内を窒素で置換した後、内容物を取り出し、ラネーコバルト触媒を濾別し、減圧下にメタノールを留去して、24gの1,4−ジアミノブタン−N,N’−テトラ−1−プロピルアミン(DAB(PA)4)を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0096】
▲3▼DAB(PA)4(ACN)8の合成
63g(0.2モル)のDAB(PA)4及び265g(5モル)のアクリロニトリルを、攪拌機及び冷却管を付した2リットル三口フラスコに加え、撹拌しながら80℃で3時間加熱還流した。
次いで、過剰のアクリロニトリルを減圧で留去し、140gのDAB(PA)4(ACN)8を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0097】
▲4▼デンドリマー(1)G2:DAB(PA)4(PA)8の合成
59g(0.08モル)のDAB(PA)4(ACN)8及び300mlのメタノールを、2リットルのオートクレーブ内に加え、更に、エタノール25mlで洗浄したラネーコバルト触媒2.5gを導入し、オートクレーブを閉じた。オートクレーブ内を2回水素置換した後、50気圧となるまで水素を導入し、撹拌しながら50℃まで昇温した。撹拌しながら50℃で200分保った後、室温まで放冷し水素を排出し、オートクレーブ内を窒素で置換した後、内容物を取り出し、ラネーコバルト触媒を濾別し、減圧下にメタノールを留去し、59gのDAB(PA)4(PA)8を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0098】
▲5▼DAB(PA)4(PA)8(ACN)16の合成
39g(0.05モル)のDAB(PA)4(PA)8及び212g(4モル)のアクリロニトリルを、攪拌機及び冷却管を付した2リットル三口フラスコ内に加え、撹拌しながら80℃で4時間加熱還流した。
次いで、過剰のアクリロニトリルを減圧で留去し、DAB(PA)4(PA)8(ACN)16を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0099】
▲6▼デンドリマー(1)G3:DAB(PA)4(PA)8(PA)16の合成65g(0.04モル)のDAB(PA)4(PA)8(ACN)16及び300mlのメタノールを2リットルのオートクレーブ内に加え、更に、エタノール25mlで洗浄したラネーコバルト触媒6.0gを導入し、オートクレーブを閉じた。オートクレーブ内を2回水素置換した後、50気圧となるまで水素を導入し、撹拌しながら80℃まで昇温した。撹拌しながら80℃で240分保った後、室温まで放冷し水素を排出し、オートクレーブ内を窒素で置換した後、内容物を取り出し、ラネーコバルト触媒を濾別し、減圧下にメタノールを留去し、64gのDAB(PA)4(PA)8(PA)16を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0100】
▲7▼DAB(PA)4(PA)8(PA)16(ACN)32の合成
50.5g(0.03モル)のDAB(PA)4(PA)8(PA)16及び212g(4モル)のアクリロニトリルを、攪拌機及び冷却管を付した2リットル三口フラスコに加え、撹拌しながら80℃で5時間加熱還流した。
次いで、過剰アクリロニトリルを減圧で留去して、DAB(PA)4(PA)8(PA)16(ACN)32を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0101】
▲8▼デンドリマー(1)G4:DAB(PA)4(PA)8(PA)16(PA)32の合成
67.6g(0.02モル)のDAB(PA)4(PA)8(PA)16(ACN)32及び500mlのメタノールを、2リットルのオートクレーブ内に加え、更にエタノール25mlで洗浄したラネーコバルト触媒8.0gを導入し、オートクレーブを閉じた。オートクレーブ内を2回水素置換した後、50気圧となるまで水素を導入し、撹拌しながら80℃まで昇温した。撹拌しながら80℃で360分保った後、室温まで放冷し水素を排出し、オートクレーブ内を窒素で置換した後、内容物を取り出し、ラネーコバルト触媒を濾別し、減圧下にメタノールを留去し、65gのポリプロピルアミンデンドリマー(1):DAB(PA)4(PA)8(PA)16(PA)32を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0102】
▲9▼デンドリマー(1):DAB(PA)4(PA)8(PA)16(PA)32(MSE)64の合成
70g(0.02モル)のDAB(PA)4(PA)8(PA)16(PA)32及び500mlのメタノールを3リットルのフラスコに加え、更に、メチルビニルスルフォンの10質量%メタノール溶液を1770ml(1.28モル)加えた。窒素下で攪拌しながら室温で360分保った後、減圧下でメタノールを留去し、247gの(メチルスルフォニルエチル)ポリプロピルアミンデンドリマー(1):DAB(PA)4(PA)8(PA)16(PA)32(MSE)64を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0103】
(実施例1)
−水溶性インクジェット用インクの調製−
常法により、下記の組成のマゼンタ水溶性インクジェット用インク、シアン水溶性インクジェット用インク、及びイエロー水溶性インクジェット用インクを各々調製した。
【0104】
−−マゼンタ水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・マゼンタ顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0105】
−−シアン水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・シアン顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0106】
−−イエロー水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・イエロー顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0107】
(実施例2)
−水溶性インクジェット用インクの調製−
常法により、下記の組成のマゼンタ水溶性インクジェット用インク、シアン水溶性インクジェット用インク、及びイエロー水溶性インクジェット用インクを各々調製した。
【0108】
−−マゼンタ水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・・10質量%
・マゼンタ顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0109】
−−シアン水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・・10質量%
・シアン顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0110】
−−イエロー水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・・10質量%
・イエロー顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0111】
(比較例1)
−水溶性インクジェット用インクの調製−
実施例1において,合成例1のデンドリマーを含有しない以外は,実施例1と同様にして,比較例1のマゼンタ水溶性インクジェット用インク、シアン水溶性インクジェット用インク、及びイエロー水溶性インクジェット用インクを各々調製した。
【0112】
(比較例2)
−水溶性インクジェット用インクの調製−
常法により、下記の組成のマゼンタ水溶性インクジェット用インク、シアン水溶性インクジェット用インク、及びイエロー水溶性インクジェット用インクを各々調製した。
【0113】
−−マゼンタ水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・0.1質量%
・マゼンタ顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0114】
−−シアン水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・0.1質量%
・シアン顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0115】
−−イエロー水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・0.1質量%
・イエロー顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0116】
<評価>
得られた実施例1〜2及び比較例1〜2の各色の水溶性インクジェット用インクに対し、以下のようにして、着色剤の分散性・保存安定性、滲み、及び吐出安定性を評価した。
【0117】
−着色剤の分散性・保存安定性の評価−
得られた各色の水溶性インクジェット用インクを顕微鏡により観察し、着色剤の分散性を評価したところ、実施例1及び2のインクは、分散性が優れていた。また、各インクを室温で3ヶ月間放置した後、同様にして観察し評価したところ、いずれのインクにおいても分散性に優れていた。
これに対し、比較例1及び2のインクは、実施例に比べて分散性がやや劣り、凝集した顔料が若干観察された。また、室温で3ヶ月間放置した後、同様にして観察し評価したところ、いずれのインクにおいても、分散性は実施例に比べてやや劣り、凝集・沈殿した顔料が若干観察された。
【0118】
−滲みの評価−
得られた各インクを用いて、インクジェットプリンター(PM−700C、セイコーエプソン社製)によって富士写真フイルム株式会社製インクジェットペーパー(スーパーフォトグレード(フォト光沢紙))に記録し、この記録した紙を純水中に浸漬した後、室温で放置して乾燥させて、滲みが生じるか否かを調べた。
その結果、実施例1及び2のインクについては、全く滲みが認められなかった。これに対し、比較例1及び2のインクについては、滲みが認められた。
【0119】
−吐出安定性−
実施例1及び2のインクをインクカートリッジに充填し、室温で3ヶ月間放置した後においても、ヘッドに目詰まりがなく、良好な吐出性を有していた。
これに対し、比較例1及び2のインクをインクカートリッジに充填し、室温で3ヶ月間放置した後、ヘッドに目詰まりが発生した。
【0120】
【発明の効果】
本発明によれば、有機及び無機マトリックスへの分散性に優れ、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れ、インクの吐出性が向上し、長期間不使用後であっても吐出ヘッドの目詰まりが生じず、記録画像に滲みが生じない水溶性インクジェット用インクを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れ、インクの吐出性が向上し、長期間不使用後であっても吐出ヘッドの目詰まりが生じず、記録画像に滲みが生じない水溶性インクジェット用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、材料費が安価であること、高速記録が可能であること、記録時の騒音が少ないこと、カラー記録が容易であること、などから、急速に普及した技術である。このインクジェット記録方式には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて滴々を吸引吐出させる方式、静電力により液滴を吸引吐出させる方式等がある。また、インクジェット用インクとしては、水性インク、油性インク、固体(溶融型)インク等が用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
また、前記インクジェット用インクに用いられる着色剤としては、溶剤に対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、インク保管時の分散性、保存安定性等に優れること、等が要求される。
【0004】
近年、技術の進歩に伴って、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れ、インクの吐出性が向上し、長期間不使用後であっても吐出ヘッドの目詰まりが生じず、記録画像に滲みが生じなく、更に、独特の色味を有するインクジェット用インクの開発が強く望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−80314号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れ、インクの吐出性が向上し、長期間不使用後であっても吐出ヘッドの目詰まりが生じず、記録画像に滲みが生じない水溶性インクジェット用インクを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選ばれる溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インクである。
<2> 水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選ばれる溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選択されるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インクである。
<3> 水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選択される溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有すると共に、前記着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選択されるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インクである。
<4> 金属系粒子を包含する樹状分岐分子が、金属イオンに配位するデンドロンを含む金属キレート化合物、及び半導体金属微粒子に結合するデンドロンを含む化合物の少なくともいずれかである前記<2>から<3>のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インクである。
<5> 金属イオンが、希土類金属のイオンである前記<2>から<4>のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インクである。
<6> 希土類金属が、希土類金属が、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選択される少なくともいずれかの元素である前記<5>に記載の水溶性インクジェット用インクである。
<7> 半導体金属微粒子が、単体半導体、酸化物半導体、化合物半導体、有機半導体、複合体酸化物半導体、及びこれらの混合物のいずれかである前記<4>から<6>のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インクである。
<8> 樹状分岐分子が、樹状分岐ポリマー及びデンドロンのいずれかである前記<1>から<7>のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インクである。
<9> 樹状分岐ポリマーが、デンドリマーである前記<8>に記載の水溶性インクジェット用インクである。
<10> デンドリマーの表面に金属イオンと相互作用を示さない官能基を有する前記<9>に記載の水溶性インクジェット用インクである。
<11> 樹状分岐ポリマーが、ハイパーブランチポリマーである前記<8>に記載の水溶性インクジェット用インクである。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
【0008】
本発明の水溶性インクジェット用インクは、水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選択される溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、第一の形態では、前記バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有し、第二の形態では、前記着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選ばれるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有し、第三の形態では、水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選択される溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有すると共に、前記着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選択されるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有する
前記第一の形態から第三の形態に係る水溶性インクジェット用インクにおいては、バインダーとして用いる樹状分岐分子が、比較的分子量が小さく分子鎖の絡まりが少ないので、インクの吐出適性が高く、長期間不使用後であっても吐出ヘッドの目詰まりが生じず、記録画像に滲みが生じない高画質画像が得られる。また、前記着色剤として用いる金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選ばれるいずれかを包含する樹状分岐分子は、有機及び無機マトリックスへの分散性に優れているので均一な水溶性インクジェット用インクが得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(水溶性インクジェットインク)
本発明の水溶性インクジェット用インクは、水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選択される溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、必要に応じてその他の成分を含み、以下の第一形態から第三形態のいずれかであるのが好ましい。
前記第一形態では、前記バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有する。前記第二形態では、前記着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選ばれるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有する。前記第三形態では、前記バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有すると共に、前記着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選ばれるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有する。
【0010】
−バインダー−
本発明の第一形態及び第三形態に係るインクジェット用インクには、前記バインダーとして、樹状分岐分子が用いられ、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー及びデンドロンから選ばれるいずれかの樹状分岐分子が好適である。
【0011】
前記デンドリマーとしては、例えば、G.R.Newkome,C.N.Moorefield、F.フェグトレ著「Dendrimers and Dendrons」(2001年、WILEY‐VCH発行)、C.J.Hawkeret al;J.Chem.Soc.,Commun.,第1010頁(1990年)、D.A.Tomalia et al;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,29巻,第138頁(1990年)、C.J.Hawker et al;J.Am.Chem.Soc.,112巻、第7638頁(1990年)、J.M.J.Frechet,;Science、263巻、第1710頁(1994年)などの文献に記述されているものを使用することが可能である。
なお、前記デンドリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、トリメチレンイミン骨格及びアミドアミン骨格の少なくともいずれかを含むものが好ましい。
【0012】
前記デンドリマーの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、以下に示すデンドリマー(1)〜(9)が好適に挙げられる。
【0013】
〔デンドリマー(1)〕
【化1】
【0014】
〔デンドリマー(2)〕
【化2】
【0015】
〔デンドリマー(3)〕
【化3】
【0016】
〔デンドリマー(4)〕
【化4】
【0017】
〔デンドリマー(5)〕
【化5】
【0018】
〔デンドリマー(6)〕
【化6】
【0019】
〔デンドリマー(7)〕
【化7】
【0020】
〔デンドリマー(8)〕
【化8】
【0021】
〔デンドリマー(9)〕
【化9】
【0022】
前記末端アミノ基含有デンドリマーのうち、トリメチレンイミン骨格を含むデンドリマーの製造方法としては、特に制限はなく、適宜選定することができるが、以下の方法などが挙げられる。
例えば、国際特許(WO−A)第93/14147号明細書、及び国際特許(WO−A)第95/02008号明細書などに記載されているように、アンモニア及び2個以上の1級アミノ基を含有する化合物を出発物質とし、アクリロニトリルを反応させてシアノエチル化した後、ニトリル基を触媒の存在下で、水素又はアンモニアを用いて1級アミノ基に還元し(G1)、次いで、シアノエチル化と1級アミノ基への還元を3度繰り返して(G2→G3→G4)合成する方法などが挙げられる。なお、G1〜G4は、デンドリマーの世代を表す。
前記製造方法においては、出発物質として、アンモニアの他、1級アミノ基、アルコール、フェノール、チオール、チオフェノール及び2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する化合物を用いてもよい。
【0023】
前記デンドリマーとしては、工業性を考慮して、媒染基を導入する世代(中心から何番目の分岐に対して媒染基を修飾するのか)が第2世代以降であることが好ましく、第3世代〜第10世代であることがより好ましい。
【0024】
前記樹状分岐分子の重量平均分子量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、200〜1,000,000が好ましく、500〜500,000がより好ましい。
また、前記樹状分岐分子の平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、1〜100nmが好ましく、1〜50nmがより好ましい。
【0025】
前記ハイパーブランチポリマーとしては、例えば、石津浩二編著「分岐ポリマーのナノテクノロジー」(2000年、株式会社 アイピーシー)の成書に記述されているハイパーブランチポリマーなどが挙げられる。
前記ハイパーブランチポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、以下に示すハイパーブランチポリマー(1)〜(2)が好適に挙げられる。
【0026】
〔ハイパーブランチポリマー(1)〕
【化10】
【0027】
〔ハイパーブランチポリマー(2)〕
【化11】
【0028】
前記ハイパーブランチポリマーの製造方法としては、例えば、M.Suzuki et al;Macromolecules,25巻,7071頁(1992)、同31巻,1716頁(1998)に記載されているように、一級アミンを求核成分とし、パラジウム触媒による環状化合物の開環重合による合成方法等が挙げられる。
【0029】
前記バインダーとしての樹状分岐分子の含有量は、水溶性インクジェット用インクの全固形分に対し0.5質量%以上であることが必要であり、0.5〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましい。前記含有量が0.5質量%未満であると、インク吐出性が低下し、長期不使用後にヘッドの目詰まりが生じたり、記録画像に滲みが生じることがある。
【0030】
なお、本発明の水溶性インクジェット用インクには、前記樹状分岐分子以外にも、インクジェット用インクに普通に使用されるバインダーを適宜選択して用いることもできる。
【0031】
−着色剤−
本発明の第二形態及び第三形態に係るインクジェット用インクには、着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選ばれるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有する。ここで、前記金属粒子及び前記合金粒子を「金属系粒子」と称することがある。
【0032】
前記金属系粒子及び染料の少なくともいずれかを包含した樹状分岐分子とは、配位サイト数が一定な多重分岐構造の樹状分岐分子であり、好ましくは単分散の樹状分岐分子を意味する。分岐の中心であるコアより規則的に逐次分岐されたデンドリマーばかりでなく、デンドロンも含む。また、樹状分岐分子を構造の一部となす材料も樹状分岐分子に含まれる。即ち、樹状分岐分子の表面の官能性基を、高分子又は他の材料と結合させたものでもよく、或いは、樹状分岐分子を構造の一部として持つ有機分子であってもよい。例えば、デンドリマーの表面が高分子主鎖に結合した分子、或いは、デンドロンの分岐の中心が高分子主鎖に結合した分子も本発明の樹状分岐分子に含まれる。
【0033】
前記樹状分岐分子がS原子やN原子のような金属イオンを配位可能なサイトを有する場合、そのサイト数は実質的に均一であり、金属イオン溶液を添加することにより、金属イオンは配位サイトに配位される。例えば、金属イオンの添加量が過剰であっても、配位サイト当たり等量金属イオンしか配位しないため、配位サイトの数以上に金属イオンが配位されることはない。即ち、配位金属イオンの量は、樹状分岐ポリマーの配位サイトの数で決まる。配位後、過剰の金属イオンを除去し、還元又は特定試薬との反応を経て粒子を形成する。この粒子のサイズは、配位された金属イオンの量で決まる。よって、樹状分岐分子により調製した粒子のサイズは一定となる。
また、静電的相互作用を利用した方法により金属を含有させることもできる。
【0034】
前記樹状分岐分子としては、樹状分岐構造を有する分子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹状分岐ポリマー、デンドロンなどが挙げられる。
前記樹状分岐ポリマーとしては、例えば、ハイパーブランチポリマー、分岐の中心であるコアより規則的に逐次分岐されたデンドリマー、などが好適に挙げられる。
前記デンドロンは、コアに分岐のない置換基を残しながら他は規則的に逐次分岐された構造体である。
前記デンドリマー及びデンドロンの世代数については、特に制限はないが、通常1〜6世代が合成の容易性の点から好ましく、1〜4世代がより好ましい。
【0035】
前記デンドリマーの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、以下に示すデンドリマー(1)〜(5)が好適に挙げられる。
【0036】
<デンドリマー(1)>
【化12】
【0037】
<デンドリマー(2)>
【化13】
【0038】
<デンドリマー(3)>
【化14】
【0039】
<デンドリマー(4)>
【化15】
【0040】
<デンドリマー(5)>
【化16】
【0041】
前記デンドリマーの表面に金属イオンと相互作用を示さない官能基を有することが好ましい。前記金属イオンと相互作用を示さない官能基としては−OH、ベンジル基、メトキシ基などヘテロ原子を有さない基が好適である。例えば、各種アルコール、カルボキシエステル、芳香族炭化水素、アルコキシル、アルキルなどが挙げられる。
【0042】
前記デンドリマーの表面官能基は、適当な化学反応により他の種類の官能基に変換することが可能である。例えば、表面官能基がアミノ基である場合には、このアミノ基に目的の官能基を有する化合物をマイケル反応させることにより、表面官能基をアミノ基から他の官能基へと変換することができる。
【0043】
前記デンドロンの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、以下に示すデンドロン(1)〜(18)が好適に挙げられる。
【0044】
<デンドロン(1)>
【化17】
【0045】
<デンドロン(2)>
【化18】
【0046】
<デンドロン(3)>
【化19】
【0047】
<デンドロン(4)>
【化20】
【0048】
<デンドロン(5)>
【化21】
【0049】
<デンドロン(6)>
【化22】
【0050】
<デンドロン(7)>
【化23】
【0051】
<デンドロン(8)>
【化24】
【0052】
<デンドロン(9)>
【化25】
【0053】
<デンドロン(10)>
【化26】
【0054】
<デンドロン(11)>
【化27】
【0055】
<デンドロン(12)>
【化28】
【0056】
<デンドロン(13)>
【化29】
【0057】
<デンドロン(14)>
【化30】
【0058】
<デンドロン(15)>
【化31】
【0059】
<金属イオン配位デンドロン(16)>
【化32】
【0060】
<金属イオン配位デンドロン(17)>
【化33】
【0061】
<金属イオン配位デンドロン(18)>
【化34】
【0062】
なお、前記デンドロンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、市販品を用いることもできる。
【0063】
前記デンドロンに金属イオンを担持させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、含有目的とする金属イオンを含む溶液中にデンドロンを添加し、攪拌し、更に還元処理することにより、金属イオン担持デンドロンが得られる。
【0064】
前記金属系粒子としては、金属粒子及び合金粒子の少なくともいずれかの金属系粒子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属系粒子の数平均粒径(D50)は500nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、80nm以下が更に好ましい。
前記金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、金属そのものであってもよいし、金属カルコゲナイド、金属ハロゲン化合物などであってもよい。前記金属としては、Ti、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、Sn、Ir、Pt、Au、Pb、Bi、これらの合金等が挙げられる。
【0065】
前記合金としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記金属として例示したものと、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、ランタノイド系列の元素及びアクチノイド系列の元素から選択したものとの合金、などが挙げられる。
前記金属系粒子を含有する樹状分岐分子の場合における、前記金属系粒子の含有量としては、0.01〜30質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
【0066】
前記金属イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、周期律表において、水素、ホウ素、炭素、窒素、及びリンを除く、1A(アルカリ金属)、2A(アルカリ土類金属)、3A、4A、5A、6A、7A、8、1B、2B(以上遷移元素)、3B、4B、及び5Bの各族に属する元素の陽イオンが好適である。
具体的な陽イオンとしては、Li+ ,Na+,K+ ,Rb+ ,Cs+ ,Fr+ 等のアルカリ金属陽イオン、Be2+,Mg2+,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Ra2+等のアルカリ土類金属陽イオン、Sc3+,Y3+等のスカンジウム族陽イオン、Ti2+,Ti3+,Ti4+,Zr+ ,Zr2+,Zr3+,Zr4+,Hf+ ,Hf2+,Hf3+,Hf4+等のチタン族陽イオン、V+ ,V2+,V3+,V4+,V5+,Nb+ ,Nb2+,Nb3+,Nb4+,Nb5+,Ta+ ,Ta2+,Ta3+,Ta4+,Ta5+等のバナジウム族陽イオン、Cr+ ,Cr2+,Cr3+,Cr4+,Cr5+,Cr6+,Mo+ ,Mo2+,Mo3+,Mo4+,Mo5+,Mo6+,W+ ,W2+,W3+,W4+,W5+,W6+,等のクロム族陽イオン、Mn+ ,Mn2+,Mn3+,Mn4+,Mn5+,Mn6+,Mn7+,Tc+ ,Tc2+,Tc3+,Tc4+,Tc5+,Tc6+,Tc7+,Re+ ,Re2+,Re3+,Re4+,Re5+,Re6+,Re7+等のマンガン族陽イオン、Fe+ ,Fe2+,Fe3+,Fe4+,Fe6+,Ru+ ,Ru2+,Ru3+,Ru4+,Ru5+,Ru6+,Ru7+,Ru8+,Os+ ,Os2+,Os3+,Os4+,Os5+,Os6+,Os7+,Os8+等の鉄族陽イオン、Co+ ,Co2+,Co3+,Co4+,Co5+,Rh+ ,Rh2+,Rh3+,Rh4+,Rh5+,Rh6+,Ir+ ,Ir2+,Ir3+,Ir4+,Ir5+,Ir6+等のコバルト族陽イオン、Ni+ ,Ni2+,Ni3+,Ni4+,Pd+ ,Pd2+,Pd3+,Pd4+,Pt2+,Pt3+,Pt4+,Pt5+,Pt6+等のニッケル族陽イオン、Cu+ ,Cu2+,Cu3+,Cu4+,Ag+ ,Ag2+,Ag3+,Au+ ,Au2+,Au3+,Au5+,Au7+等の銅族陽イオン、Zn2+,Cd+ ,Cd2+,Hg+,Hg2+等の亜鉛族陽イオン、La2+,La3+,Ce2+,Ce3+,Ce4+,Pr2+,Pr3+,Pr4+,Nd2+,Nd3+,Nd4+,Pm2+,Pm3+,Sm2+,Sm3+,Eu2+,Eu3+,Gd2+,Gd3+,Tb2+,Tb3+,Tb4+,Dy2+,Dy3+,Dy4+,Ho2+,Ho3+,Er2+,Er3+,Tm2+,Tm3+,Yb2+,Yb3+,Lu2+,Lu3+等のランタノイド陽イオン、Ac3+,Th4+,Pa3+,Pa4+,Pa5+,U3+,U4+,U5+,U6+,Np3+,Np4+,Np5+,Np6+,Pu3+,Pu4+,Pu5+,Pu6+,Am2+,Am3+,Am4+,Am5+,Am6+,Cm3+,Cm4+,Bk3+,Bk4+,Cf2+,Cf3+,Cf4+,Es2+,Es3+,Fm2+,Fm3+,Md2+,Md3+,No2+,No3+等のアクチノイド陽イオン、Al3+,Ga2+,Ga3+,In+ ,In2+,In3+,Tl+ ,Tl2+,Tl3+等の3B族陽イオン、Si2+,Si4+,Ge2+,Ge4+,Sn2+,Sn4+,Pb2+,Pb4+等の4B族陽イオン、As3+,As5+,Sb+ ,Sb3+,Sb5+,Bi+ ,Bi3+,Bi5+等の5B族陽イオン等が挙げられ、これらの中でも、Ti、Fe、Co、Ni、Zr、Mo、Ru、Rh、Ag、Cd、Sn、Ir、Pt、Au、Pb、Biなどが好ましい。
【0067】
前記金属系粒子を含有する樹状分岐分子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定できるが、例えば、S原子やN原子のように金属イオンが配位が可能な構造を有する樹状分岐分子の内部に、1種又は2種以上の金属イオンを一定量に制御して固定させた後、還元することにより、金属系粒子が包含された樹状分岐分子を効率良く製造することができる。
前記還元試薬としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、アスコルビン酸、などが挙げられる。
また、樹状分岐分子の内部に、1種又は2種以上の金属イオンを一定量に制御し、静電相互作用させて固定させた後、還元処理することにより金属粒子が含有された樹状分岐分子を効率良く製造することができる。例えば、3級アミンを塩酸酸性下において4級アミンとし、この4級アミンを金属酸アニオンと静電的相互作用させることにより、金属粒子が含有された樹状分岐分子を製造することができる。
【0068】
前記樹状分岐分子としては、前記染料又は金属系粒子を結合可能な構造を有するのが好ましく、特に、該着色剤が、金属イオンとなって色相を呈する着色剤である場合には、例えば、末端に−COOH基、−SH基、−NH2基、―OH基等の金属イオンを配位可能な基を有するのが好ましい。
また、該着色剤が金属粒子等(半導体金属微粒子等)の金属である場合には、例えば、末端に−SH基、−NH2基等の金属粒子等と直接結合可能な基を有するのが好ましい。特に、金属イオンを配位する樹状分岐分子は、金属イオン配位による屈折率の変化により、水溶性インクジェット用インクに独特の色味を付与可能であり好ましい。
前記樹状分岐分子としては、共有結合を形成可能な官能基を有しているのが好ましい。
【0069】
前記着色剤としては、特に、前記樹状分岐分子と組み合わせた粒子として使用することにより、独特の色相を付与でき、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れ、前記着色剤の使用量をより軽減可能な水溶性インクジェット用インクが提供される点で、前述の各種の着色剤の中でも、希土類金属や半導体金属微粒子からなる着色剤を用いるのが好ましい。
前記希土類金属としては、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、等が挙げられる。
【0070】
また、前記半導体金属微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、単体半導体、酸化物半導体、化合物半導体、有機半導体、複合体酸化物半導体、又はこれらの混合物が挙げられ、これらにはドーパントとして不純物が含まれていてもよい。なお、半導体の形態の制限は特になく、単結晶、多結晶、非晶質又はこれらの混合形態であってもよい。
【0071】
前記単体半導体としては、例えば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、などが挙げられる。
【0072】
前記酸化物半導体は、金属酸化物で半導体の性質を持つものであり、例えば、TiO2、SnO2、Fe2O3、SrTiO3、WO3、ZnO、ZrO2、Ta2O5、Nb2O5、V2O5、In2O3、CdO、MnO、CoO、TiSrO3、KTiO3、Cu2O、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム、などが挙げられる。
【0073】
前記化合物半導体としては、例えば、カドミウムの硫化物、亜鉛の硫化物、鉛の硫化物、銀の硫化物、アンチモンの硫化物、ビスマスの硫化物、カドミウムのセレン化物、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物、亜鉛のリン化物、ガリウムのリン化物、インジウムのリン化物、カドミウムのリン化物、ガリウム−ヒ素のセレン化物、銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、などが挙げられる。
【0074】
前記有機半導体としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンスルフィド、等が挙げられる。
【0075】
前記複合体酸化物半導体としては、例えば、SnO2−ZnO、Nb2O5−SrTiO3、Nb2O5−Ta2O5、Nb2O5−ZrO2、Nb2O5−TiO2、Ti−SnO2、Zr−SnO2、Bi−SnO2、などが挙げられる。
【0076】
以上説明した前記着色剤を包含する樹状分岐分子としては、金属イオンに配位するデンドロンを含む金属キレート化合物、及び、半導体金属微粒子に結合するデンドロンを含む化合物、の少なくともいずれかの態様であるのが最も好ましい。
【0077】
前記金属系粒子を包含する樹状分岐分子の平均粒径(体積平均粒径(D50))としては、独特の色相を有し、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れる水溶性インクジェット用インクを提供可能な点で、1nm〜100μmが好ましく、1〜10nmがより好ましい。
【0078】
前記染料及び金属系粒子の少なくともいずれかを包含する樹状分岐分子の粒径は、分子量制御により容易に均一かつ小粒径に制御される。また前記樹状分岐分子に包含された着色剤は、包含されていることにより着色剤粒子間の凝集が効率的に抑制されている。更に、包含された着色剤表面への物質透過性も好適に制御されている。したがって、本発明によれば、前記着色剤を包含する樹状分岐分子を用いたことにより、独特の色相が付与され、インク吐出性、着色剤の分散性・保存安定性、粒径均一性に優れた水溶性インクジェット用インクが提供される。尚、前記着色剤を構成する金属のサイズ(体積平均粒径(D50))としては、具体的には、10nm未満が好ましく、5nm未満がより好ましい。
【0079】
前記着色剤としての染料及び金属系粒子の少なくともいずれかを包含する樹状分岐分子の、前記水溶性インクジェット用インクにおける含有量としては、水溶性インクジェット用インクに独特の色相を付与し、着色剤の分散性・保存安定性、粒径均一性に優れた水溶性インクジェット用インクを提供可能な点で、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
【0080】
また、前記樹状分岐分子に包含される染料としては、通常水溶性インクジェット用インクに用いられる公知の染料等を好適に挙げることができる。
【0081】
前記染料としては、以下の染料が挙げられる。例えば、C.I.ダイレクトブラック−2、−4、−9、−11、−17、−19、−22、−32、−80、−151、−154、−168、−171、−194;C.I.ダイレクトブルー−1、−2、−6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、−78、−86、−112、−142、−165、−199、−200、−201、−202、−203、−207、−218、−236、−287、−307;C.I.ダイレクトレッド−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−15、−20、−28、−31、−33、−37、−39、−51、−59、−62、−63、−73、−75、−80、−81、−83、−87、−90、−94、−95、−99、−101、−110、−189、−227;C.I.ダイレクトイエロー−1、−2、−4、−8、−11、−12、−26、−27、−28、−33、−34、−41、−44、−48、−58、−86、−87、−88、−132、−135、−142、−144;C.I.フードブラック−1、−2;
【0082】
C.I.アシッドブラック−1、−2、−7、−16、−24、−26、−28、−31、−48、−52、−63、−107、−112、−118、−119、−121、−156、−172、−194、−208;C.I.アシッドブルー−1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−29、−40、−43、−55、−59、−62、−78、−80、−81、−83、−90、−102、−104、−111、−185、−249、−254;C.I.アシッドレッド−1、−4、−8、−13、−14、−15、−18、−21、−26、−35、−37、−52、−110、−144、−180、−249、−257;C.I.アシッドイエロー−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−18、−19、−23、−25、−34、−38、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76、−78、−79、−122;等が挙げられる。
これらの染料は、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0083】
前記着色剤としては、前記「染料及び/又は金属系粒子を包含する樹状分岐ポリマー」で述べた染料及び下記に示す顔料等が総て好適に挙げられる。
前記顔料としては、以下の顔料が挙げられる。例えば、マゼンタ顔料としては、C.I.Pigment Red−3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、209、216、226、257;C.I.PigmentViolet−3、19、23、29、30、37、50、88;C.I.Pigment Orange−13、16、20、36、挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0084】
シアン顔料としては、例えば、C.I.pigment Blue−1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、等が挙げられる。
イエロー顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、等が挙げられる。
ブラック顔料としては、例えば、C.I.Pigment Black−7、28、26、等が挙げられる。
これらの着色剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。該着色剤の、前記水溶性インクジェット用インクにおける含有量(但し、前記「着色剤を包含する樹状分岐ポリマー」に包含される着色剤含有量を除く。)としては、水溶性インクジェット用インクの色相の点で、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
【0085】
前記親水性溶媒は、水溶性インクジェット用インクに含まれる水の蒸発等を抑制し、保湿性、吐出安定性、及び、普通紙上の画質を向上させる目的で、含有される。該親水性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;チオジエタノール、2−メルカプトエタノール、チオグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶媒類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等の含窒素溶媒;などが挙げられる。特に、ノズル目詰まりを低減する観点からは、含硫黄、及び、含窒素溶媒類がより好ましい。これらの親水性溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0086】
前記親水性溶媒の含有量は、前記水溶性インクジェット用インクに対し、1〜90質量%が好ましい。
【0087】
前記界面活性剤は、記録画像の乾燥時間を短縮し、水溶性インクジェット用インクの被記録材への浸透を高める浸透剤として、染料や顔料等の着色剤の溶解・分散状態の安定化剤として、更に、インクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドのワイパークリーニング剤として、好適に用いられる。
前記界面活性剤としては、通常、水溶性インクジェット用インクに用いられる界面活性剤でよく、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、及び、両性界面活性剤が挙げられる。
【0088】
前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、テトラメチルデシンジオール、テトラメチルデシンジオールエチレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
【0089】
前記陰イオン性界面活性剤としては、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、等が挙げられる。
【0090】
前記両性界面活性剤としては、ベタイン、スルフォベタイン、サルフェートベタイン、イミダゾリン、等が挙げられる。
【0091】
これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの界面活性剤の中でも、形成される画像の均一性、乾燥性、インクの低起泡性、耐目詰まり性等の点で、非イオン性界面活性剤が特に好ましい。
【0092】
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記水溶性インクジェット用インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
【0093】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0094】
(合成例1) デンドリマー(1)の合成
▲1▼1,4−ジアミノブタン−N,N’−テトラ−1−アクリロニトリル:DAB(ACN)4の合成
88g(1モル)の1,4−ジアミノブタン(DAB)及び1200mlの水を、攪拌機及び冷却管・滴下ロートを付した2リットル三口フラスコ内に加え、撹拌しながら424g(8モル)のアクリロニトリルを滴下した。滴下終了後、撹拌しながら80℃で1時間加熱還流した。
次いで、水及び過剰アクリロニトリルを減圧で留去し、290gの1,4−ジアミノブタン−N,N’−テトラ−1−アクリロニトリル(DAB(ACN)4)を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0095】
▲2▼デンドリマー(1)G1:1,4−ジアミノブタン−N,N’−テトラ−1−プロピルアミン:DAB(PA)4の合成
24g(0.08モル)のDAB(ACN)4及び200mlのメタノールを1リットルのオートクレーブに加え、更に、エタノール25mlで洗浄したラネーコバルト触媒(Co:78〜96質量%、Cr:0.5〜5質量%、Ni:0.5〜5質量%、Al:3〜12質量%)5.6gを導入し、オートクレーブを閉じた。オートクレーブ内を2回水素置換した後、50気圧となるまで水素を導入し、撹拌しながら60℃まで昇温した。
撹拌しながら60℃で20分保った後、室温まで放冷し水素を排出し、オートクレーブ内を窒素で置換した後、内容物を取り出し、ラネーコバルト触媒を濾別し、減圧下にメタノールを留去して、24gの1,4−ジアミノブタン−N,N’−テトラ−1−プロピルアミン(DAB(PA)4)を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0096】
▲3▼DAB(PA)4(ACN)8の合成
63g(0.2モル)のDAB(PA)4及び265g(5モル)のアクリロニトリルを、攪拌機及び冷却管を付した2リットル三口フラスコに加え、撹拌しながら80℃で3時間加熱還流した。
次いで、過剰のアクリロニトリルを減圧で留去し、140gのDAB(PA)4(ACN)8を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0097】
▲4▼デンドリマー(1)G2:DAB(PA)4(PA)8の合成
59g(0.08モル)のDAB(PA)4(ACN)8及び300mlのメタノールを、2リットルのオートクレーブ内に加え、更に、エタノール25mlで洗浄したラネーコバルト触媒2.5gを導入し、オートクレーブを閉じた。オートクレーブ内を2回水素置換した後、50気圧となるまで水素を導入し、撹拌しながら50℃まで昇温した。撹拌しながら50℃で200分保った後、室温まで放冷し水素を排出し、オートクレーブ内を窒素で置換した後、内容物を取り出し、ラネーコバルト触媒を濾別し、減圧下にメタノールを留去し、59gのDAB(PA)4(PA)8を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0098】
▲5▼DAB(PA)4(PA)8(ACN)16の合成
39g(0.05モル)のDAB(PA)4(PA)8及び212g(4モル)のアクリロニトリルを、攪拌機及び冷却管を付した2リットル三口フラスコ内に加え、撹拌しながら80℃で4時間加熱還流した。
次いで、過剰のアクリロニトリルを減圧で留去し、DAB(PA)4(PA)8(ACN)16を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0099】
▲6▼デンドリマー(1)G3:DAB(PA)4(PA)8(PA)16の合成65g(0.04モル)のDAB(PA)4(PA)8(ACN)16及び300mlのメタノールを2リットルのオートクレーブ内に加え、更に、エタノール25mlで洗浄したラネーコバルト触媒6.0gを導入し、オートクレーブを閉じた。オートクレーブ内を2回水素置換した後、50気圧となるまで水素を導入し、撹拌しながら80℃まで昇温した。撹拌しながら80℃で240分保った後、室温まで放冷し水素を排出し、オートクレーブ内を窒素で置換した後、内容物を取り出し、ラネーコバルト触媒を濾別し、減圧下にメタノールを留去し、64gのDAB(PA)4(PA)8(PA)16を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0100】
▲7▼DAB(PA)4(PA)8(PA)16(ACN)32の合成
50.5g(0.03モル)のDAB(PA)4(PA)8(PA)16及び212g(4モル)のアクリロニトリルを、攪拌機及び冷却管を付した2リットル三口フラスコに加え、撹拌しながら80℃で5時間加熱還流した。
次いで、過剰アクリロニトリルを減圧で留去して、DAB(PA)4(PA)8(PA)16(ACN)32を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0101】
▲8▼デンドリマー(1)G4:DAB(PA)4(PA)8(PA)16(PA)32の合成
67.6g(0.02モル)のDAB(PA)4(PA)8(PA)16(ACN)32及び500mlのメタノールを、2リットルのオートクレーブ内に加え、更にエタノール25mlで洗浄したラネーコバルト触媒8.0gを導入し、オートクレーブを閉じた。オートクレーブ内を2回水素置換した後、50気圧となるまで水素を導入し、撹拌しながら80℃まで昇温した。撹拌しながら80℃で360分保った後、室温まで放冷し水素を排出し、オートクレーブ内を窒素で置換した後、内容物を取り出し、ラネーコバルト触媒を濾別し、減圧下にメタノールを留去し、65gのポリプロピルアミンデンドリマー(1):DAB(PA)4(PA)8(PA)16(PA)32を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0102】
▲9▼デンドリマー(1):DAB(PA)4(PA)8(PA)16(PA)32(MSE)64の合成
70g(0.02モル)のDAB(PA)4(PA)8(PA)16(PA)32及び500mlのメタノールを3リットルのフラスコに加え、更に、メチルビニルスルフォンの10質量%メタノール溶液を1770ml(1.28モル)加えた。窒素下で攪拌しながら室温で360分保った後、減圧下でメタノールを留去し、247gの(メチルスルフォニルエチル)ポリプロピルアミンデンドリマー(1):DAB(PA)4(PA)8(PA)16(PA)32(MSE)64を得た(なお、構造は13C−NMRで確認した)。
【0103】
(実施例1)
−水溶性インクジェット用インクの調製−
常法により、下記の組成のマゼンタ水溶性インクジェット用インク、シアン水溶性インクジェット用インク、及びイエロー水溶性インクジェット用インクを各々調製した。
【0104】
−−マゼンタ水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・マゼンタ顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0105】
−−シアン水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・シアン顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0106】
−−イエロー水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・イエロー顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0107】
(実施例2)
−水溶性インクジェット用インクの調製−
常法により、下記の組成のマゼンタ水溶性インクジェット用インク、シアン水溶性インクジェット用インク、及びイエロー水溶性インクジェット用インクを各々調製した。
【0108】
−−マゼンタ水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・・10質量%
・マゼンタ顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0109】
−−シアン水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・・10質量%
・シアン顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0110】
−−イエロー水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・・10質量%
・イエロー顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0111】
(比較例1)
−水溶性インクジェット用インクの調製−
実施例1において,合成例1のデンドリマーを含有しない以外は,実施例1と同様にして,比較例1のマゼンタ水溶性インクジェット用インク、シアン水溶性インクジェット用インク、及びイエロー水溶性インクジェット用インクを各々調製した。
【0112】
(比較例2)
−水溶性インクジェット用インクの調製−
常法により、下記の組成のマゼンタ水溶性インクジェット用インク、シアン水溶性インクジェット用インク、及びイエロー水溶性インクジェット用インクを各々調製した。
【0113】
−−マゼンタ水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・0.1質量%
・マゼンタ顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0114】
−−シアン水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・0.1質量%
・シアン顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0115】
−−イエロー水溶性インクジェット用インク組成−−
・前記合成例1のデンドリマー・・・・・・・・・・・・0.1質量%
・イエロー顔料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12質量%
・グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10質量%
・ジエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5質量%
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル・・・・5質量%
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残量
【0116】
<評価>
得られた実施例1〜2及び比較例1〜2の各色の水溶性インクジェット用インクに対し、以下のようにして、着色剤の分散性・保存安定性、滲み、及び吐出安定性を評価した。
【0117】
−着色剤の分散性・保存安定性の評価−
得られた各色の水溶性インクジェット用インクを顕微鏡により観察し、着色剤の分散性を評価したところ、実施例1及び2のインクは、分散性が優れていた。また、各インクを室温で3ヶ月間放置した後、同様にして観察し評価したところ、いずれのインクにおいても分散性に優れていた。
これに対し、比較例1及び2のインクは、実施例に比べて分散性がやや劣り、凝集した顔料が若干観察された。また、室温で3ヶ月間放置した後、同様にして観察し評価したところ、いずれのインクにおいても、分散性は実施例に比べてやや劣り、凝集・沈殿した顔料が若干観察された。
【0118】
−滲みの評価−
得られた各インクを用いて、インクジェットプリンター(PM−700C、セイコーエプソン社製)によって富士写真フイルム株式会社製インクジェットペーパー(スーパーフォトグレード(フォト光沢紙))に記録し、この記録した紙を純水中に浸漬した後、室温で放置して乾燥させて、滲みが生じるか否かを調べた。
その結果、実施例1及び2のインクについては、全く滲みが認められなかった。これに対し、比較例1及び2のインクについては、滲みが認められた。
【0119】
−吐出安定性−
実施例1及び2のインクをインクカートリッジに充填し、室温で3ヶ月間放置した後においても、ヘッドに目詰まりがなく、良好な吐出性を有していた。
これに対し、比較例1及び2のインクをインクカートリッジに充填し、室温で3ヶ月間放置した後、ヘッドに目詰まりが発生した。
【0120】
【発明の効果】
本発明によれば、有機及び無機マトリックスへの分散性に優れ、着色剤の分散性、保存安定性、及び、粒径均一性に優れ、インクの吐出性が向上し、長期間不使用後であっても吐出ヘッドの目詰まりが生じず、記録画像に滲みが生じない水溶性インクジェット用インクを提供することができる。
Claims (12)
- 水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選ばれる溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インク。
- 水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選ばれる溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選択されるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インク。
- 水、親水性溶媒及びこれらの混合溶媒から選択される溶媒と、バインダーと、着色剤と、界面活性剤とを含み、該バインダーとして、樹状分岐分子を0.5質量%以上含有すると共に、前記着色剤として、金属イオン、金属粒子、合金粒子及び染料から選択されるいずれかを包含する樹状分岐分子を含有することを特徴とする水溶性インクジェット用インク。
- 金属系粒子を包含する樹状分岐分子が、金属イオンに配位するデンドロンを含む金属キレート化合物、及び半導体金属微粒子に結合するデンドロンを含む化合物の少なくともいずれかである請求項2から3のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インク。
- 金属イオンが、希土類金属のイオンである請求項2から4のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インク。
- 希土類金属が、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選択される少なくともいずれかの元素である請求項5に記載の水溶性インクジェット用インク。
- 半導体金属微粒子が、単体半導体、酸化物半導体、化合物半導体、有機半導体、複合体酸化物半導体、及びこれらの混合物のいずれかである請求項4から6のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インク。
- 樹状分岐分子が、樹状分岐ポリマー及びデンドロンのいずれかである請求項1から7のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インク。
- 樹状分岐ポリマーが、デンドリマーである請求項8に記載の水溶性インクジェット用インク。
- デンドリマーの表面に金属イオンと相互作用を示さない官能基を有する請求項9に記載の水溶性インクジェット用インク。
- 樹状分岐ポリマーが、ハイパーブランチポリマーである請求項8に記載の水溶性インクジェット用インク。
- 請求項1から11のいずれかに記載の水溶性インクジェット用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
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