JP2004149567A - 電波シールド材料 - Google Patents

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JP2004149567A
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electric wave
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Kozo Endo
康三 遠藤
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Koyo Sangyo Co Ltd
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Koyo Sangyo Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

【課題】電磁波漏洩箇所の補修や電磁波シールド部材の組立における目地材として等、幅広い用途に使用可能で尚且つ、使用の際、特別な技術を必要としない電波シールド材料を得る。
【解決手段】汎用の2液混合型の発泡ウレタンに、導電性金属粉と導電性のカーボン繊維を混合することで、導電性及び電波シールド性能に優れ、尚且つ様々な用途に使用可能で取り扱いも容易なである電波シールド材料を得ることができた。作業現場において発泡及び硬化するため、漏洩箇所の深部にまで浸透し高いシールド性能が発揮できた。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、病院のMRI室や電波暗室などに代表される電波シールドルームを構築する際に使用する電波シールド材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ある空間に電波シールドを構築する場合、その空間全体を僅かな隙間も無いように電波シールド材料で覆う必要がある。現在、上記の電波シールド材としては、厚さ70μm程の銅箔や、導電性金属と木質材料の複合パネルが一般的に広く用いられている。材料の接合部分については、銅箔の場合は接合部の全周にわたるハンダ処理。複合パネルについては専用の接合金具によってシールド対象の電波の漏れを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の電波シールド材料において、銅箔の場合その薄さ故に施工時のわずかな物理的衝撃よって破れたり、亀裂が生じやすい。また接合部分のハンダ処理には、微小な隙間も許されないため、高度な技術と経験を必要とした。
複合パネルを使用した場合は、上記の接合金具を取り付ける際のネジの取り付け間隔、及び締め付けトルクの場所による違いにより、シールドの性能にばらつきが生じてしまい、結果的にシールドされた空間全体において、均一なシールド性能が得られないことになる。
【0004】
施工時の上記に示した理由により、シールド対象の空間のある一部分において、期待する性能が得られなかった場合にはその対策として、粘着剤が導電性能を持つ導電性金属箔テープをその部分に貼り付けることで電波の漏れを防止することができる。
しかしその導電性金属箔テープも、凹凸や曲面、コーナー部分に貼るとしわや膨れができてしまうという問題点がある。また対策を必要とする場所が広範囲にわたる場合には導電性金属箔テープの使用は適さない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、ウレタン発泡体に導電性金属粉及びカーボン短繊維を含有するように構成したものである。
すなわち本発明のポイントは、シールド材料を発泡させることにある。
発泡することにより体積が増加するため、従来の導電性金属箔テープを用いるには適さなかった広範囲にわたる補修または対策が可能になる。
【0006】
また、発泡前は高粘度の液体であるため、凹凸や曲面、手の入らない隙間及びコーナー部分への使用も導電性金属箔テープに比べ、非常に容易に行うことができる。
通常、絶縁体である樹脂などに導電性を付与するためには、表面処理のなされていない導電性金属粉を混合すれば良いことは広く知られている。その時に、混合する導電性金属粉単体の形状は球状のものよりも、フレーク状のものを使用した方が高い導電性能を示すことも分かっている。
【0007】
電波シールド材料として使用する場合、体積固有抵抗値は少なくとも1×10Ω以下であることが望ましい。実際に樹脂成分100重量部にニッケル粉を500重量部以上混合することにより、表面電気抵抗値が1×10Ω以下の固形物が得られ、導電性材料として広く利用されている。
【0008】
しかしながら、発泡させた場合には導電性は大幅に低下し、発泡倍率が2倍の場合には体積固有抵抗値は1×10Ωまで上がってしまう。
発明者らは鋭意研究開発の結果、樹脂と導電性金属粉の混合物に、さらに導電性のカーボン繊維を添加することによって、発泡後の体積固有抵抗値を飛躍的に向上させることに成功した。
【0009】
発明者らがその理由を想像するに、導電性金属粉を充填したウレタンを発泡することにより、充填された金属粉同士の間隔が開き、結果として導電性が低下する。カーボン繊維を充填しておくと、その金属粉間の電気の橋渡しをするものと、考えられる。
【0010】
導電性金属粉としては、ニッケル粉、銀粉、アルミ、銅などが使えるがその中でも、ニッケルと銀は表面が酸化されにくいので導電性に優れている。また、それらの導電性金属紛は液体に混合することを考えると、フレーク径15μmから30μmのものを重量比で50部から450部の間で混合することが望ましい。導電性金属粉の混合量が50部未満だと導電性能が不足し、450部以上だと混合後の粘度が高くなり過ぎてしまう。
【0011】
カーボン繊維は添加後の粘度の関係上、長さが3mmで太さが100μm程度のもの配合しやすいが、これに限定されるものではない。
ウレタン発泡体は現在、幅広い分野で使用されており、コスト面で優れ、製造及び取り扱いが比較的容易である。また発泡時間を調整しやすい、強度、耐候性が優れるなどのメリットがある。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、ウレタン樹脂100重量部に対してニッケル粉を50重量部から300重量部及びカーボン短繊維を1重量部から10重量部の割合で配合したウレタン発泡体組成物としたものであり、発泡することにより体積が増加するため従来の導電性金属箔テープを用いるには適さなかった広範囲にわたる補修または対策が可能になり、また、発泡によってニッケル粉同士の間隔があいて導電性が低下するのをカーボン短繊維が補うという作用を有する
【0013】
【実施例】
次に実施例により本発明の実施の形態を説明する。
<実施例1>
ポリオール(旭電化株式会社製P‐400)にフレーク状のニッケル粉末を撹拌しながら少量づつ添加し、ポリオールとニッケル粉末の混合物を得た。この時のポリオールとニッケル粉末は重量比で1:1となるようにした。この混合物にさらに導電性カーボン繊維をポリオールとの重量比で2部添加した。その後、上記の混合物にポリメチレンポリフェニルイソシアネート(以下MDIと記す)を適量を添加し発泡させた。発泡したのち、体積固有抵抗値を測定した。測定値は5×10Ωであった。
【0014】
次に電波シールド性能を測定した。電磁波シールド測定室に設けた20×100(mm)深さ20mmの開口部分に、このウレタンを充填し、未充填の場合との開口部分を透過する電波レベルの差から、開口部分に充填したウレタン発泡体のシールド性能を測定した。
測定には発信側、受信側共にログペリ型のアンテナを使用しスペクトルアナライザのトラッキングジェネレータを使い、周波数が400MHzから1GHzまでの電波を連続で発生させるようにした。測定周周波数を400MHzからとしたのは、開口部分の面積と電波の波長を考慮したものである。
その結果、樹脂を発泡させた材料としては、非常に高い、60dB(周波数400MHz−1GHz)という性能を得た。
【0015】
<比較例1>
実施例1と同様の方法で、ポリオールとニッケル粉末の混合物を得た。この時のポリオールとニッケル粉末の重量比は1:3となるようにした。その後<実施例1>と同様 にMDIを加え、発泡させた後体積固有抵抗値を測定した所、1×10Ωという結果であった。実施例1と同様に電磁はシールド性能を測定したところ10dBであった。
【0016】
【発明の効果】
実施例1で示したように本発明により得られた発泡ウレタンは5×10Ωという体積固有抵抗値である。これは本発明品が電波シールド材料として十分に使用できることを示す。
また本発明品は、発泡ウレタン本来の断熱材として使用するときと同様の混合機やポンプが使用できるため、取扱いも容易である。

Claims (2)

  1. ウレタン樹脂100部に対して体積比で導電性金属粉を7部ないし50部及びカーボン短繊維を0.5部ないし7部の割合で配合したウレタン発泡体組成物
  2. 導電性金属粉が銀粉またはニッケル粉である請求項1のウレタン発泡体組成物
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009249513A (ja) * 2008-04-07 2009-10-29 Inoac Corp 金属粉末を含有するポリウレタン発泡体
JP2020063334A (ja) * 2018-10-15 2020-04-23 有限会社ヒロセ金型 炭素繊維プリプレグの製造方法、炭素繊維強化樹脂成形品の製造方法、及び、炭素繊維強化樹脂成形品

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