JP2004149400A - Heat insulating glass and method for manufacture the same - Google Patents

Heat insulating glass and method for manufacture the same Download PDF

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Akira Mitsui
彰 光井
Kazuo Sato
一夫 佐藤
Yukio Yoshikawa
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a heat insulating glass having a high visible light transmittance, high heat insulating performance, a low visible light reflectance of a film surface and excellent scratch resistance. <P>SOLUTION: The heat insulating glass comprises a glass substrate having an Fe<SB>2</SB>O<SB>3</SB>content of 0.3-1mass% and a multilayer film formed on the glass substrate, wherein the multilayer film comprises at least a first layer based on oxide of indium and tin and an outermost layer based on silicon oxide, and the heat insulating glass has a sunshine transmittance T<SB>e</SB>to visible light transmittance T<SB>v</SB>ratio (T<SB>e</SB>/T<SB>v</SB>) of ≤0.65, a visible light transmittance T<SB>v</SB>of ≥70% and a light transmittance of ≤35% at a wavelength of 1,500nm. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用や建築用の断熱ガラスとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、開口部を通して自動車の室内に流入する太陽エネルギーを遮断して室内の温度上昇を抑え、冷房負担を軽減するために断熱ガラスが用いられている。従来の断熱ガラスとしては、スプレー法、CVD(化学蒸着)法、あるいは浸漬法などで酸化チタン、酸化スズなどの酸化物薄膜をガラスの表面上に形成したガラス、各種の金属または金属酸化物の薄膜をガラスの表面上に積層したガラス板を用いた合わせガラス、または導電性の酸化物微粒子を分散させた樹脂フィルムを2枚のガラスで挟んだ合わせガラス等がある。
【0003】
従来の熱線反射ガラスとしては、酸化スズおよび酸化ケイ素の薄膜を順次積層した熱線反射ガラスが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この熱線反射ガラスはCVD法で作製されており、CVD法は原料ガスに有害なガスを用いるため、環境への負担が大きく、それを軽減させるためには大掛かりな排ガス浄化設備が必要でありコスト高となるとともに、熱線反射性能が不十分であるという問題がある。
【0004】
また、薄膜を形成する材料としては、酸化インジウム(例えば、インジウムとスズとの酸化物(ITO)など)、酸化スズ(例えば、フッ素ドープ酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズなど)、酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛など)をそれぞれ主成分とした酸化物が主として挙げられる。
【0005】
酸化スズを主成分とした透明導電酸化物膜は、膜中の自由電子密度(キャリア濃度)がITOより低いため、十分な熱線反射性能が出せない場合がある。また、スパッタ法で低抵抗の酸化スズ膜を成膜することは困難である。また、スパッタ法で成膜後、本発明のように熱処理をしても低抵抗の膜は得られにくいという問題がある。
【0006】
また、金属または金属酸化物の薄膜を積層させた樹脂フィルムや導電性の酸化物微粒子を分散させた樹脂フィルムは、耐久性が乏しいため、樹脂フィルムを外部に露出するような使用方法を取ることができない問題がある。
【0007】
また、熱線反射ガラスとして、スパッタ法でソーダライムガラス基板上にタンタル膜を形成し、その上に、インジウム、亜鉛、アンチモン、カドミウムおよびタンタルからなる群から選ばれる1種以上の金属酸化物膜を有する窓ガラスも知られている(例えば、特許文献2参照)。この窓ガラスは、日射透過率Tと可視光透過率Tとの比(以下、T/T比という。)が0.7以下の高い断熱性を有している。
【0008】
一方、最近では、T/T比が0.65以下のさらに高い断熱性能も望まれている。しかし、自動車の前面側(フロントガラス、フロントサイドガラス)として用いるためには、可視光透過率70%以上が必要であり、特許文献2に開示された窓ガラスはいずれも可視光透過率が70%未満であり、自動車の前面側には適用できないという問題がある。
【0009】
特に、運転者横の窓(フロントサイドガラス)は運転者に近い場所にあり、人体に直接にあたる日射による体感温度の上昇をできるだけ防ぎたいという要望が強い。フロントサイドガラスには、合わせガラスと比較して、軽量、低コストの観点から単板ガラスが使用されている。よって、高い断熱性能を有する、例えば、T/T比が0.7以下という単板ガラスの開発が望まれている。
【0010】
また、自動車用のガラスは、意匠性の観点から特に外観の優れたガラスが求められている。よい外観を得るには膜面側可視光反射率が低いことが重要であり、膜面側可視光反射率が低い外観の優れたガラスが望まれている。さらに、自動車用のガラスとして用いるためには、窓ガラス上下の駆動に耐え得るような耐擦傷性も望まれている。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−302038号公報(第2−3頁)
【特許文献2】
特開平6−9247号公報(第2−3頁、例1−5)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、可視光透過率が高く、断熱性能が高く、膜面側可視光反射率が低く、特に自動車用フロントサイドガラスとして好適な断熱ガラスを提供する。さらに本発明は、耐擦傷性に優れた特に自動車用フロントサイドガラスとして好適な断熱ガラスを提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、Fe含有量が0.3〜1質量%であるガラス基板と、前記ガラス基板上に多層膜を形成した断熱ガラスであって、前記多層膜は少なくともインジウムとスズとの酸化物を主成分とする第1層と、酸化ケイ素を主成分とする最外層とを有し、
前記断熱ガラスの日射透過率Tと可視光透過率Tとの比(T/T比)が0.65以下であり、前記断熱ガラスの可視光透過率Tが70%以上であり、かつ前記断熱ガラスの波長1500nmの光の透過率が35%以下であることを特徴とする断熱ガラスを提供する。
【0014】
また、本発明は、ガラス基板上にインジウムとスズとの酸化物を主成分とする第1層と、酸化ケイ素を主成分とする最外層とを少なくとも有する多層膜が形成されてなる断熱ガラスの製造方法であって、前記インジウムとスズとの酸化物を主成分とする第1層を、インジウムとスズとの酸化物を主成分とするスパッタターゲットを用い、スパッタガス中の酸素の含有量がスパッタガス中の3体積%以下であるスパッタガス中でスパッタして形成し、かつ多層膜を形成した後、大気中で550〜750℃、1〜30分間焼成することを特徴とする断熱ガラスの製造方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の断熱ガラスに用いられるガラス基板のFe含有量は0.3〜1質量%である。Fe含有量が0.3〜1質量%とは、鉄をFe換算でガラス基板に0.3〜1質量%含むことを意味する。Fe含有量が0.3質量%未満であると断熱性能が悪化する点で好ましくなく、Fe含有量が1質量%を超えると可視光透過率が低下する点で好ましくない。
【0016】
本発明の断熱ガラスに用いられるガラス基板は、特に限定されず、ソーダライムガラス基板、石英ガラス基板、ホウ珪酸ガラス基板、無アルカリガラス基板等が例示される。ガラス基板として紫外線カットガラス基板を用いることにより、紫外線を遮蔽できるためより好ましい。ガラス基板の可視光透過率、日射透過率および波長1500nmの光の透過率は、それぞれ、70〜90%、40〜65%、35〜60%であることが光学特性の点から好ましい。さらに、断熱性能の向上の点で、ガラス基板として熱線吸収ガラスを用いることが好ましい。ガラス基板の形状は、必ずしも平面でかつ板状である必要はなく、曲面であってもよいし、異型状であってもよい。また、ガラス基板は無色であっても着色されていてもよい。また、ガラス基板の厚さは2〜6mmであることが強度や重量の点で好ましい。
【0017】
本発明の断熱ガラスにおいて、ガラス基板上に形成されてなる多層膜は、少なくともインジウムとスズとの酸化物(以下、ITOという。)を主成分とする第1層(以下、ITO第1層という。)と、酸化ケイ素を主成分とする最外層(以下、酸化ケイ素最外層という。)とを有する。最外層とは、ガラス基板から見て最も遠い層であることを意味する。本発明においては、第1層がITOを主成分とするので、断熱性能に優れる。また、最外層が酸化ケイ素を主成分とするので、熱処理時の耐熱性、耐久性に優れる。
【0018】
ガラス基板とITO第1層との間、ITO第1層と酸化ケイ素最外層との間に中間層(例えば、酸化セリウムを主成分とする層等)を設けることもできるが、後述するようなT/T比、可視光透過率、および波長1500nmの光の透過率の条件を満たす必要がある。前記中間層を設けずに、ガラス基板上に直接ITO第1層と、前記第1層の上に直接酸化ケイ素最外層を設けることもできる。
【0019】
ITO第1層中にはITO以外の不純物として、ナトリウム、鉛、鉄等が含まれていてもよい。ITO第1層の不純物濃度は、0.001〜1質量%であることが好ましい。ITO第1層には、ITOが95質量%以上含まれていることが高い断熱性の発現の点で好ましい。また、第1層のSnO含有量が、InとSnOとの総量に対して、1〜20質量%であることが好ましい。SnO含有量が1質量%未満または20質量%超であると、断熱性能が悪くなるため好ましくない。SnO含有量が5〜15質量%であることが特に好ましい。
【0020】
ITO第1層の膜厚は、80〜350nmであることが好ましい。膜厚が80nm未満では、断熱性能が悪くなり、350nm超では可視光透過率が低下するため好ましくない。膜厚が110〜250nm、特に140〜210nmであることがより好ましい。
【0021】
前記酸化ケイ素最外層は、酸化ケイ素以外の不純物として、アルミニウム、鉄等後述する長周期での3族および4族以外の金属の不純物が含まれていてもよい。不純物濃度は0.001〜15質量%であることが可視光反射率を下げ、可視光透過率を高くできるという点で好ましい。酸化ケイ素最外層には、酸化ケイ素が85質量%以上、特には90質量%以上含まれていることが熱処理における耐熱性、耐久性に優れる点で好ましい。
【0022】
また、酸化ケイ素最外層が、酸化ケイ素および長周期での3族および4族の金属酸化物からなる複合酸化物層であってもよい。酸化ケイ素に長周期での3族および4族の金属酸化物を混合させることにより、膜の耐擦傷性を良好とし、膜の強度を上げることができる。長周期での3族および4族の金属酸化物に用いられる金属としては、具体的には、ジルコニウム、チタン等が挙げられる。長周期での3族および4族の金属酸化物に用いられる金属の含有量は、ケイ素と金属との総量に対して、5〜40モル%であることが好ましい。5モル%未満では、耐擦傷性を高める効果、および強度を上げる効果が小さい点で好ましくなく、40モル%超では、膜の屈折率が高くなり、反射率が高くなるため、可視光透過率Tを70%以上にすることが困難になる点で好ましくない。
【0023】
酸化ケイ素最外層の膜厚は、10〜150nmであることが好ましい。膜厚が10nm未満では、熱処理時の耐熱性が悪くなり、150nmを超えるとコスト高になるため好ましくない。膜厚が30〜130nm、特に30〜90nmであることがより好ましい。
【0024】
ITO第1層と酸化ケイ素最外層との間に中間層を設けることもできる。前記中間層は酸化物層であることが好ましく、特に酸化スズ層であることが、膜の耐擦傷性の点で好ましい。中間層を設けることにより、ITO第1層と酸化ケイ素最外層との密着性を高めることができる点で好ましい。酸化スズ層には、酸化スズが50質量%以上含まれていることが高い密着性の発現の点で好ましい。中間層の膜厚としては、1〜10nmであることが好ましい。1〜10nmとすることで、ITO第1層と酸化ケイ素最外層との密着性をさらに高めることができる。1nm未満または10nm超では、密着性を高める効果が小さくなる。また、前記酸化スズ層には、酸化ケイ素を含んでいてもよい。ケイ素の含有量は、スズとケイ素との総量に対して、5〜60モル%であることが密着性の向上の点から好ましい。
【0025】
また、中間層と酸化ケイ素最外層との間に密着改善層(中間層および最外層とは組成が異なる層)を形成してもよい。密着改善層を設けることで膜の耐擦傷性をさらに高めることができる。特に、酸化スズ層を中間層とし、かつ酸化ケイ素最外層が酸化ジルコニウムを含む場合には、密着改善層として、酸化ケイ素を主成分とする層を両方の層の間に形成することが好ましい。酸化ケイ素を主成分とする密着改善層には、酸化ケイ素が50質量%、特に90質量%以上含まれていることが熱処理時の耐熱性、耐久性に優れる点で好ましい。酸化ケイ素を主成分とする密着改善層と、酸化ジルコニウムを含む酸化ケイ素最外層とを組み合わせることにより、T70%以上を確保し、かつ、膜の耐擦傷性を高めることができる。
【0026】
密着改善層が酸化ケイ素を主成分とする層である場合、膜面可視光反射率の点から、密着改善層の膜厚は、5〜130nmであり、かつジルコニウムを含む酸化ケイ素最外層の膜厚が5nm〜30nmであり、密着改善層と最外層の合計膜厚が10〜150nmであることが、T70%以上を確保し、かつ膜の耐擦傷性を高めることができる点で好ましい。
【0027】
本発明は、ガラス基板上にインジウムとスズとの酸化物を主成分とする第1層と、酸化ケイ素最外層とを少なくとも有する多層膜が形成されてなる断熱ガラスの製造方法であって、前記インジウムとスズとの酸化物を主成分とする第1層を、インジウムとスズとの酸化物を主成分とするスパッタターゲットを用い、スパッタガス中の酸素の含有量がスパッタガス中の3体積%以下であるスパッタガス中でスパッタして形成し、かつ多層膜を形成した後、大気中で550〜750℃、1〜30分間焼成することを特徴とする断熱ガラスの製造方法を提供する。従来、スパッタ法により得られたインジウムとスズとの酸化物を主成分とする第1層は通常可視光透過率が低く、高い可視光透過率が必要とされる用途に使用することは困難であった。本発明においては、成膜後、大気中で550〜750℃、1〜30分間分間断熱ガラスを焼成することにより、断熱ガラスの可視光透過率を上げ、かつ断熱性能を上げることができる。
【0028】
スパッタ法は、膜厚の分布が均一な点、および環境へ対する負荷は少ないという点で利点がある。
【0029】
本発明における多層膜がITO第1層と酸化ケイ素最外層とからなり、中間層および第2の中間層を有しない場合は、前記多層膜は、例えば、スパッタ法により以下のとおり形成される。まず、ITO複合酸化物焼結体ターゲットを直流マグネトロンスパッタを行うカソードAに、多結晶シリコンターゲットを間欠直流マグネトロンスパッタ(一定の周期でカソードに電圧を印加するスパッタ)を行うカソードBに別々に取り付ける。
【0030】
次いで、成膜室内を真空に排気した後、スパッタガスとして、アルゴンまたはアルゴンと酸素との混合ガスを成膜室内に導入し、前記カソードAを放電させることにより、ITO第1層をガラス基板上へ形成する。スパッタガスとして、アルゴンの替わりにヘリウム、ネオン、クリプトンなどを用いることができるが、放電が安定で、安価であるという利点により、アルゴンを用いることが好ましい。スパッタガスの組成として、酸素の含有量がスパッタガス中に3体積%以下であることが好ましく、1体積%以下であることが特に好ましい。酸素の含有量が3体積%を超えると膜の結晶化が促進され、熱処理中の結晶化をかえって妨げ、断熱性能が悪化するため好ましくない。スパッタガス中の酸素の含有量はできるだけ少ない方が、低い結晶性またはアモルファスの多層膜が形成され、熱処理時の結晶化を促進するという理由で好ましい。成膜中のスパッタガスの圧力は0.1〜2.0Paであることが好ましく、背圧は1×10−6〜1×10−1Paであることが好ましい。
【0031】
次いで、成膜室内を真空に排気した後、スパッタガスとして、酸素を成膜室内に導入し、前記カソードBを放電させることにより、酸化ケイ素最外層をガラス基板上へ形成する。スパッタガスの組成として、酸素の含有量はスパッタガス中に10体積%以上であることが可視光透過率の高い膜が得られるという点で好ましい。
【0032】
酸化ケイ素最外層に酸化ジルコニウムを含有させるためには、例えば、下記の方法を用いる。Zr−Si系ターゲット(例えば、ケイ化ジルコニウムおよびケイ素の混合焼結体ターゲット)を、多結晶シリコンターゲットに替えてカソードBに取り付ける。成膜室内を真空に排気した後、スパッタガスとして、酸素を成膜室内に導入し、前記カソードBを放電させることにより、酸化ケイ素最外層をガラス基板上へ形成する。スパッタガスの組成として、酸素の含有量はスパッタガス中に10体積%以上であることが可視光透過率の高い膜が得られるという点で好ましい。
【0033】
さらに、酸化スズを主成分とする中間層を設ける場合には、例えば、下記の方法を用いる。金属Snターゲット(金属スズを含むターゲット)を直流マグネトロンスパッタを行うカソードCに取り付ける。成膜室内を真空に排気した後、スパッタガスとして酸素を成膜室内に導入し、前記カソードCを放電させることにより、酸化スズを主成分とする中間層をガラス基板上へ形成する。スパッタガスの組成として、酸素の含有量はスパッタガス中に60体積%以上であることが可視光透過率の高い膜が得られるという点で好ましい。酸化ケイ素を含む酸化スズ膜は、ターゲットとして金属ターゲットのかわりにSn−Siターゲットを用いることにより、酸化スズ膜と同様の方法で形成できる。
【0034】
また、酸化ケイ素を主成分とする密着改善層を設ける場合には、例えば、下記の方法を用いる。間欠直流マグネトロンスパッタを行うカソードDに多結晶シリコンターゲットを取り付ける。成膜室内を真空に排気した後、スパッタガスとして、酸素を成膜室内に導入し、前記カソードDを放電させることにより、酸化ケイ素を主成分とする密着改善層をガラス基板上へ形成する。スパッタガスの組成として、酸素の含有量はスパッタガス中に10体積%以上であることが可視光透過率の高い膜が得られるという点で好ましい。
【0035】
特に、ITO第1層をスパッタ法で形成する場合、ガラス基板を加熱しないことが好ましい。通常、スパッタ法により膜を形成する場合、低い電気抵抗の膜が得られるという理由から、200〜400℃程度にガラス基板を加熱することが行われている。しかし、本発明においては、加熱により膜の結晶化が促進して、成膜後の熱処理中の結晶化をかえって妨げ断熱性能が悪化するため、スパッタ中のガラス基板の温度は100℃以下であることが好ましい。
【0036】
ガラス基板上にスパッタ法で多層膜を成膜することにより断熱ガラスを形成した後、断熱ガラスを大気中で550〜750℃、1〜30分間、好ましくは1〜15分間焼成することが、高い断熱性能および高い可視光透過率を有する断熱ガラスを得ることができる点で好ましい。焼成により、ITO第1層や酸化ケイ素最外層の結晶欠陥が低減されるため、断熱ガラスの可視光透過率を上げることができ好ましい。よって本発明の断熱ガラスは、高い可視光透過率が要求される用途、例えば、自動車用や建築用の断熱ガラスとして適することとなる。焼成温度が550℃未満または750℃を超えると断熱性能が悪くなるため好ましくない。また、焼成後、断熱ガラスを急冷することが、ガラス基板が強化され、ガラス基板の耐久性が向上するという点で好ましい。
【0037】
本発明における断熱ガラスのT/T比は0.65以下であることが高い断熱性能を得る点で必要であり、0.6以下であること好ましい。また、本発明の断熱ガラスは、波長1500nmの光の透過率が35%以下であることが必要である。人体に直接にあたる日射による体感温度の上昇は波長1500nm程度の波長の光の寄与が最も大きく、この波長1500nmの光の透過率を35%以下とすることが日射による体感温度の上昇を防止する点で必要であり、20%以下とすることがさらに好ましい。
【0038】
本発明における断熱ガラスの波長550nmの光の透過率は70%以上、特に75%以上であることが好ましい。また、膜面側可視光反射率は12%以下、特に10%以下であることが好ましく、ガラス面(非膜面)側可視光反射率は12%、特に10%以下であることが、断熱ガラスの外観上好ましい。
【0039】
本発明の断熱ガラスの用途は、特に限定されず、自動車等の車両用や建築用が挙げられる。特に、自動車等の車両用として用いる場合、車両用として好ましいガラスの形状や硬さとする必要があるため、ガラスの曲げおよび強化加工を行う。この曲げおよび強化加工は、大気中で630〜690℃で3〜7分間程度の熱処理により行われるため、曲げおよび強化加工と同時に断熱ガラスの焼成をも行うことができる。また、スパッタ成膜後に、黒セラミック塗装等のセラミックカラーペーストによるプリントや銀プリントを施す場合、630〜690℃以上で3〜7分間程度の熱処理(焼成)を行う。よって、セラミックカラーペーストによるプリントや銀プリントを施す際の熱処理を利用し、断熱ガラスの焼成を行うこともできる。
【0040】
本発明の断熱ガラスの用途は、高い可視光透過率が要求される用途に好適に用いられ、例えば、自動車用や建築用などの用途が挙げられる。特に単板の自動車用フロントサイドガラスとして好適に用いられる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例および比較例を用いて、本発明を詳細に説明する。本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
1.断熱ガラスの作製と光学特性
表1に示す例1〜12の断熱ガラスは以下のように作製した。
【0043】
(例1)
ガラス基板として、Feの含有量が0.65質量%で、厚さが3.5mmのソーダライムガラス(旭硝子株式会社製:品名UVFL、T(可視光透過率)=74%、T(日射透過率)=49%、T1500(波長1500nmの光の透過率)=50%)を用意した。該ガラス基板を洗浄後、基板ホルダーにセットし、InとSnOとの総量に対してSnO含有量が10質量%である複合酸化物焼結体ターゲットを直流マグネトロンスパッタを行うカソードに、多結晶シリコンターゲット(Si含有量は99.99質量%。以下同じ。)を間欠直流マグネトロンスパッタを行うカソードに別々に取り付けた。成膜室内を真空に排気した後、直流マグネトロンスパッタ法により、厚さが約100nmのITO層(第1層)を該ガラス基板上に形成した。スパッタガスとしてアルゴンを用いた。スパッタガス中の酸素の含有量は1体積%以下であった。スパッタ時の圧力は、0.4Paとした(以下、成膜はすべて同じ圧力で行った)。成膜されたITO層の組成は、ターゲットと同等であった。
【0044】
次に、間欠直流マグネトロンスパッタ法でITO層の上に、厚さが約40nmの酸化ケイ素層(最外層)を形成し、断熱ガラスを形成した。間欠の周期は、ON時間(ターゲットに対し電圧を印加する時間)を30μs、OFF時間(ターゲットに対し電圧を印加しない時間)を10μsとした。スパッタガスとして酸素を用いた。成膜された酸化ケイ素層(最外層)の組成は、ターゲットと同等であった。いずれの膜の成膜時にも、ガラス基板の加熱は行わなかった。
【0045】
成膜後、断熱ガラスをスパッタ装置から取出した後、ベルト炉で大気中650℃、7分間焼成し、放冷後、断熱ガラスを得た。
【0046】
(例2〜9)
ITO層(第1層)および酸化ケイ素層(最外層)の膜厚を表1に記載された値に変更した以外は、例1と同様に処理して断熱ガラスを得た。
【0047】
(例10(比較例))
ガラス基板として、Feの含有量が0.1質量%のソーダライムガラス(旭硝子株式会社製:ASガラス、3.5mm厚、T=90%、T=85%、T1500=78%)を用いた以外は、例3と同様に処理して断熱ガラスを得た。
【0048】
(例11(比較例))
ITO膜成膜時のスパッタガスのガス組成を、アルゴンと酸素との総量に対して、アルゴン95%、酸素5%(つまり、スパッタガス中の酸素の含有量を5体積%)とした以外は、例5と同様に処理して断熱ガラスを得た。
【0049】
(例12(比較例))
成膜後の焼成条件を、大気中650℃、7分間から大気中650℃、20分間とした以外は例5と同様に処理して断熱ガラスを得た。
【0050】
以上のように作製した断熱ガラスのITO層(第1層)の膜厚(ITO膜厚)、酸化ケイ素層(最外層)の膜厚(SiO膜厚)、可視光透過率T、日射透過率T、T/T比および波長1500nmの光の透過率(以下、T1500という。)を表1に示す。
【0051】
、T、T/T比およびT1500の測定には、分光光度計(島津製作所製UV3100PC)を用い、300〜2100nmの間の透過率を測定した。TおよびTは、この測定値からJIS−R3106(1998年)の規定に従い求めた。
【0052】
【表1】

Figure 2004149400
【0053】
表1から、例1〜9の断熱ガラスは、いずれもT/T比が0.65以下であり、かつ、T1500が35%以下であり、高い断熱性能を有していた。特に、例4〜9の場合は、T/T比が0.6以下であり、また、T1500が20%以下であり、より高い断熱性能を示した。
【0054】
これに対し、例10(比較例)は、T/T比は0.9%であり、T1500は54.3%であるため、断熱性の点で不十分であった。また、例11(比較例)は、T/T比は0.62であり室内の温度上昇に対する断熱性はよいが、T1500は36.3であり、直接肌に当たる日射による肌の温度上昇(体感温度の上昇)に対する断熱性の点で不十分であった。また、例12は、Tが65.1%と低く、可視光透過率の点で不十分であった。
【0055】
2.断熱ガラスの被膜の反射率と耐久性
表2に、例1〜9で得られた断熱ガラスの膜面側可視光反射率R(以下、Rという。)、非膜面側可視光反射率R(以下、Rという。)、耐酸性および耐アルカリ性を示す。
【0056】
およびRは、分光光度計(島津製作所製UV3100PC)を用いて300〜2100nmの間の反射率を測定し、JIS−R3106(1998年)の規定により求めた。
【0057】
また、耐酸性は、20℃の0.05モル/リットルの硫酸水溶液に24時間断熱ガラスを浸漬し、浸漬前後の可視光透過率Tの変化を測定し評価した。ここで、プラスは浸漬後透過率が増加した場合の変化量、マイナスは浸漬後透過率が減少した場合の変化量を示す。±5%以下であることが実用上好ましい。
【0058】
耐アルカリ性は、20℃の0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液に24時間断熱ガラスを浸漬し、浸漬前後の可視光透過率Tの変化を測定し評価した。ここで、プラスは浸漬後透過率が増加した場合、マイナスは浸漬後透過率が減少した場合を示す。±5%以下であることが実用上好ましい。
【0059】
【表2】
Figure 2004149400
【0060】
表2から、RおよびRはいずれ例においても12%以下であり良好な外観を呈していた。例1〜6、8および9では、Rはいずれも10%以下でありさらに良好な外観を有していた。特に、例5は、Rが5%以下であり、もっとも優れていた。また、耐酸性、耐アルカリ性は、いずれの例においても±5%以内であり、実用上十分な耐久性を有していた。
【0061】
3.断熱ガラスの被膜の組成および膜内組成分布
例5の熱処理前の被膜および熱処理後の被膜について、X線プローブ分光分析装置を用いて、アルゴンイオンで、膜をイオンエッチングしながら元素分析を行う、いわゆるデプスプロファイル分析を行った。その結果、熱処理後にITOを主成分とする膜に含まれるインジウム元素およびスズ元素がガラス基板側へ拡散される現象が確認された。半価幅と膜厚との相関からこの拡散層の厚みは約13nm程度と推測される。これ以外の拡散は特に見られなかった。このことから、本発明において、先に述べたように熱処理後にインジウム元素およびスズ元素がガラス基板側への若干の拡散が見られたことから、基板ガラスとITO膜とは、強く密着していると推測される。
【0062】
4.断熱ガラスの被膜の耐擦傷性
表3に示す例13〜17の断熱ガラスは以下のように作製した。
【0063】
(例13)
ガラス基板として、Feの含有量が0.65質量%で、厚さが3.5mmのソーダライムガラス(旭硝子株式会社製:品名UVFL、T(可視光透過率)=74%、T(日射透過率)=49%、T1500(波長1500nmの光の透過率)=50%)を用意した。該ガラス基板を洗浄後、基板ホルダーにセットした。ITO複合酸化物焼結体ターゲット(InとSnOとの総量に対してSnO含有量が10質量%)および金属Snターゲットを直流マグネトロンスパッタを行うカソードに、多結晶シリコンターゲットを間欠直流マグネトロンスパッタを行うカソードに別々に取り付けた。
【0064】
成膜室内を真空に排気した後、直流マグネトロンスパッタ法により、ITO複合酸化物焼結体ターゲットを用いて、厚さが150nmのITO層(第1層)を該ガラス基板上に形成した。スパッタガスとしてアルゴンを用いた。スパッタガス中の酸素の含有量は1体積%以下であった。スパッタ時の圧力は、0.4Paとした(以下、成膜はすべて同じ圧力で行った)。成膜されたITO層(第1層)の組成は、ターゲットと同等であった。
次に、直流マグネトロンスパッタ法で、金属Snターゲット(Sn含有量は99.99質量%。以下、同じ。)を用いて厚さが5nmの酸化スズ層(中間層)を第1層上に形成した。スパッタガスとして酸素を用いた。スパッタ時の圧力は、0.4Paとした。
次に、間欠直流マグネトロンスパッタ法で中間層の上に、多結晶シリコンターゲットを用いて厚さが80nmの酸化ケイ素層(最外層)を形成し、断熱ガラスを形成した。間欠の周期は、ON時間を30μs、OFF時間を10μsとした。スパッタガスとして酸素を用いた。いずれの膜の成膜時にも、ガラス基板の加熱は行わなかった。
成膜後、断熱ガラスをスパッタ装置から取出した後、ベルト炉で大気中650℃、7分間焼成し、放冷後、断熱ガラスを得た。
【0065】
(例14)
金属SnターゲットのかわりにSn−Siターゲットを用いて、酸化ケイ素を含む酸化スズ層(中間層)を形成する以外は例13と同様に処理して、断熱ガラスを得た。該Sn−SiターゲットのSiの含有量は、SnとSiとの総量に対して、50モル%であった。形成された酸化ケイ素を含む酸化スズ層の組成は、ターゲットと同等であった。
【0066】
(例15)
ガラス基板として、Feの含有量が0.65質量%で、厚さが3.5mmのソーダライムガラス(旭硝子株式会社製:品名UVFL、T(可視光透過率)=74%、T(日射透過率)=49%、T1500(波長1500nmの光の透過率)=50%)を用意した。該ガラス基板を洗浄後、基板ホルダーにセットした。ITO複合酸化物焼結体ターゲット(InとSnOとの総量に対してSnO含有量が10質量%)および金属Snターゲットを直流マグネトロンスパッタを行うカソードに、多結晶シリコンターゲットおよびZr−Si混合焼結体ターゲット(ZrとSiとのモル比が1:2)を間欠直流マグネトロンスパッタを行うカソードに別々に取り付けた。
【0067】
成膜室内を真空に排気した後、直流マグネトロンスパッタ法により、ITO複合酸化物焼結体ターゲットを用いて厚さが150nmのITO層(第1層)を該ガラス基板上に形成した。スパッタガスとしてアルゴンを用いた。スパッタガス中の酸素の含有量は1体積%以下であった。スパッタ時の圧力は、0.4Paとした(以下、成膜はすべて同じ圧力で行った)。成膜されたITO層(第1層)の組成は、ターゲットと同等であった。
次に、直流マグネトロンスパッタ法で、金属Snターゲットを用いて厚さが約5nmの酸化スズ層(中間層)を第1層上に形成した。スパッタガスとして酸素を用いた。スパッタ時の圧力は、0.4Paとした。
次に、間欠直流マグネトロンスパッタ法で中間層の上に、多結晶シリコンターゲットを用いて厚さが70nmの酸化ケイ素層(密着改善層)を形成した。間欠の周期は、ON時間を30μs、OFF時間を10μsとした。スパッタガスとして酸素を用いた。
次に、間欠直流マグネトロンスパッタ法で密着改善層の上に、Zr−Si混合焼結体ターゲットを用いて厚さが10nmのジルコニウムを含む酸化ケイ素層(最外層)を形成し、断熱ガラスを形成した。間欠の周期は、ON時間を30μs、OFF時間を10μsとした。スパッタガスとして酸素を用いた。成膜されたジルコニウムを含む酸化ケイ素層(最外層)の組成は、ターゲットと同等であった。いずれの膜の成膜時にも、ガラス基板の加熱は行わなかった。
成膜後、断熱ガラスをスパッタ装置から取出した後、ベルト炉で大気中650℃、7分間焼成し、放冷後、断熱ガラスを得た。
【0068】
(例16)
酸化スズを主成分とする中間層を形成せず、かつZr−Si混合焼結体ターゲット(ZrとSiとのモル比が1:2)のかわりにZr−Si混合焼結体ターゲット(ZrとSiとのモル比が1:9)を用いてジルコニウムを含む酸化ケイ素層(最外層)を80nm形成する以外は例15と同様に処理して、断熱ガラスを得た。形成されたジルコニウムを含む酸化ケイ素層(最外層)の組成は、ターゲットと同等であった。
【0069】
(例17)
多結晶シリコンターゲットのかわりにZr−Si混合焼結体ターゲット(ZrとSiとのモル比が1:9)を用いて酸化ジルコニウムを含む酸化ケイ素層(最外層)を形成する以外は例13と同様に処理して、断熱ガラスを得た。形成された酸化ジルコニウムを含む酸化ケイ素層(最外層)の組成は、ターゲットと同等であった。
【0070】
以上のように作製した断熱ガラスの各層の膜厚、可視光透過率T、日射透過率T、T/T比、T1500およびテーバー試験前後でのヘーズ率の変化量(△H)を表3に示す(例5については比較のため再掲。)。
【0071】
なお、T、T、T/T比、T1500の測定方法については、例1〜12と同様の方法を用いた。△Hについては、東京電色株式会社製ヘーズメーター:MODEL TC−H3を用いて、テーバー試験前後でのヘーズ率を測定し、その前後の差(△H)を測定した。テーバー試験は、JIS−R3221(2002年)の耐磨耗性試験に記載の装置を用い、磨耗輪CS−10Fを用い、4.9Nの荷重で1000回転の条件で行った。△Hが低い値であるほど耐擦傷性が優れていることを意味する。
【0072】
【表3】
Figure 2004149400
【0073】
表1から、例13〜17の断熱ガラスは、いずれもT/T比が0.65以下であり、かつ、T1500が35%以下であり、例5と同様高い断熱性能を有していた。また、例13〜17は△Hが3%以下であり、優れた耐擦傷性を有し、さらに例15〜17は△Hが2%以下であり、さらに優れた耐擦傷性を有していた。
【0074】
【発明の効果】
本発明の断熱ガラスは、可視光透過率が高く、断熱性能が高く、膜面可視光反射率が低く、ある条件ではさらに耐擦傷性が優れるという特徴を有する。前記断熱ガラスはスパッタ法により形成することができるため、膜厚の均一性に優れる。また、良好な外観を有し、耐酸性、耐アルカリ性にも優れるので、単板の自動車用のフロントサイドガラスとして好適である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a heat insulating glass for automobiles and buildings and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, heat insulating glass has been used to block solar energy flowing into the interior of an automobile through an opening to suppress an increase in indoor temperature and to reduce cooling burden. As conventional heat insulating glass, glass, various kinds of metals or metal oxides formed by forming a thin film of oxide such as titanium oxide and tin oxide on the surface of the glass by a spray method, a CVD (chemical vapor deposition) method, or an immersion method. There is a laminated glass using a glass plate in which a thin film is laminated on the surface of glass, or a laminated glass in which a resin film in which conductive oxide fine particles are dispersed is sandwiched between two glasses.
[0003]
As conventional heat ray reflective glass, heat ray reflective glass in which tin oxide and silicon oxide thin films are sequentially laminated is known (for example, see Patent Document 1). However, this heat ray reflective glass is manufactured by the CVD method. Since the CVD method uses a harmful gas as a source gas, the burden on the environment is large, and a large exhaust gas purification facility is required to reduce it. There is a problem that the cost is high and the heat ray reflection performance is insufficient.
[0004]
In addition, as a material for forming the thin film, indium oxide (for example, an oxide of indium and tin (ITO), etc.), tin oxide (for example, fluorine-doped tin oxide, antimony-doped tin oxide, etc.), zinc oxide (for example, Examples thereof mainly include oxides mainly composed of aluminum-doped zinc oxide and gallium-doped zinc oxide.
[0005]
A transparent conductive oxide film containing tin oxide as a main component has a lower free electron density (carrier concentration) in the film than ITO, so that sufficient heat ray reflection performance may not be achieved. Moreover, it is difficult to form a low resistance tin oxide film by sputtering. Further, there is a problem that it is difficult to obtain a low-resistance film even if heat treatment is performed as in the present invention after film formation by sputtering.
[0006]
Also, resin films with laminated thin films of metals or metal oxides or resin films with dispersed conductive oxide fine particles have poor durability, so take a usage method that exposes the resin film to the outside. There is a problem that can not be.
[0007]
Further, as a heat ray reflective glass, a tantalum film is formed on a soda lime glass substrate by sputtering, and one or more metal oxide films selected from the group consisting of indium, zinc, antimony, cadmium and tantalum are formed thereon. The window glass which has is also known (for example, refer patent document 2). This window glass has solar transmittance T e And visible light transmittance T v Ratio (hereinafter T e / T v It is called ratio. ) Has a high heat insulating property of 0.7 or less.
[0008]
On the other hand, recently, T e / T v Higher thermal insulation performance with a ratio of 0.65 or less is also desired. However, in order to use as a front side (front glass, front side glass) of an automobile, visible light transmittance of 70% or more is required, and all the window glasses disclosed in Patent Document 2 have a visible light transmittance of 70%. There is a problem that it cannot be applied to the front side of an automobile.
[0009]
In particular, the driver's side window (front side glass) is located close to the driver, and there is a strong demand to prevent as much as possible the increase in the temperature of sensation caused by solar radiation directly on the human body. Single plate glass is used for the front side glass from the viewpoint of light weight and low cost as compared with laminated glass. Therefore, it has high heat insulation performance, for example, T e / T v It is desired to develop a single glass having a ratio of 0.7 or less.
[0010]
In addition, glass for automobiles is required to have particularly excellent appearance from the viewpoint of design. In order to obtain a good appearance, it is important that the film surface side visible light reflectance is low, and a glass having an excellent appearance with a low film surface side visible light reflectance is desired. Further, for use as glass for automobiles, scratch resistance that can withstand driving up and down the window glass is also desired.
[0011]
[Patent Document 1]
JP 11-302038 A (page 2-3)
[Patent Document 2]
JP-A-6-9247 (page 2-3, Example 1-5)
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides a heat insulating glass having high visible light transmittance, high heat insulating performance, low film surface side visible light reflectance, and particularly suitable as a front side glass for automobiles. Furthermore, this invention provides the heat insulation glass suitable as a front side glass for motor vehicles excellent in abrasion resistance especially.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to Fe 2 O 3 A glass substrate having a content of 0.3 to 1% by mass, and a heat insulating glass in which a multilayer film is formed on the glass substrate, wherein the multilayer film includes at least an oxide of indium and tin as main components. One layer and an outermost layer mainly composed of silicon oxide;
Solar transmittance T of the heat insulating glass e And visible light transmittance T v Ratio (T e / T v Ratio) is 0.65 or less, and the visible light transmittance T of the heat insulating glass. v Is 70% or more, and the heat insulating glass has a light transmittance of 1,500 nm at a wavelength of 35% or less.
[0014]
The present invention also relates to a heat insulating glass comprising a multilayer film having at least a first layer mainly composed of an oxide of indium and tin and an outermost layer mainly composed of silicon oxide on a glass substrate. In the manufacturing method, the first layer mainly composed of an oxide of indium and tin is formed using a sputtering target mainly composed of an oxide of indium and tin, and the oxygen content in the sputtering gas is A heat insulating glass characterized in that it is formed by sputtering in a sputtering gas of 3% by volume or less in a sputtering gas, and after firing a multilayer film, it is fired in the atmosphere at 550 to 750 ° C. for 1 to 30 minutes. A manufacturing method is provided.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Fe of glass substrate used for heat insulating glass of the present invention 2 O 3 Content is 0.3-1 mass%. Fe 2 O 3 The content of 0.3-1% by mass means that iron is Fe. 2 O 3 It means that the glass substrate contains 0.3 to 1% by mass in terms of conversion. Fe 2 O 3 If the content is less than 0.3% by mass, it is not preferable in that the heat insulation performance deteriorates, Fe 2 O 3 When the content exceeds 1% by mass, it is not preferable in that the visible light transmittance is lowered.
[0016]
The glass substrate used for the heat insulating glass of the present invention is not particularly limited, and examples thereof include a soda lime glass substrate, a quartz glass substrate, a borosilicate glass substrate, and an alkali-free glass substrate. It is more preferable to use an ultraviolet cut glass substrate as the glass substrate because ultraviolet rays can be shielded. From the viewpoint of optical properties, the visible light transmittance, solar radiation transmittance, and transmittance of light having a wavelength of 1500 nm of the glass substrate are preferably 70 to 90%, 40 to 65%, and 35 to 60%, respectively. Furthermore, it is preferable to use heat ray absorbing glass as the glass substrate from the viewpoint of improving the heat insulation performance. The shape of the glass substrate is not necessarily flat and plate-like, and may be a curved surface or an irregular shape. Further, the glass substrate may be colorless or colored. The thickness of the glass substrate is preferably 2 to 6 mm from the viewpoint of strength and weight.
[0017]
In the heat insulating glass of the present invention, the multilayer film formed on the glass substrate is a first layer (hereinafter referred to as an ITO first layer) containing at least an oxide of indium and tin (hereinafter referred to as ITO) as a main component. And an outermost layer mainly composed of silicon oxide (hereinafter referred to as an outermost layer of silicon oxide). The outermost layer means a layer farthest from the glass substrate. In the present invention, since the first layer is composed mainly of ITO, the heat insulation performance is excellent. In addition, since the outermost layer is mainly composed of silicon oxide, it has excellent heat resistance and durability during heat treatment.
[0018]
An intermediate layer (for example, a layer containing cerium oxide as a main component) can be provided between the glass substrate and the ITO first layer, and between the ITO first layer and the silicon oxide outermost layer. T e / T v It is necessary to satisfy the conditions of the ratio, the visible light transmittance, and the transmittance of light having a wavelength of 1500 nm. Without providing the intermediate layer, the ITO first layer can be directly provided on the glass substrate, and the silicon oxide outermost layer can be provided directly on the first layer.
[0019]
The first ITO layer may contain sodium, lead, iron or the like as impurities other than ITO. The impurity concentration of the ITO first layer is preferably 0.001 to 1% by mass. The ITO first layer preferably contains 95% by mass or more of ITO in terms of high heat insulation. In addition, SnO of the first layer 2 Content is In 2 O 3 And SnO 2 It is preferable that it is 1-20 mass% with respect to the total amount. SnO 2 If the content is less than 1% by mass or more than 20% by mass, the heat insulation performance is deteriorated, which is not preferable. SnO 2 The content is particularly preferably 5 to 15% by mass.
[0020]
The thickness of the ITO first layer is preferably 80 to 350 nm. When the film thickness is less than 80 nm, the heat insulation performance is deteriorated, and when it exceeds 350 nm, the visible light transmittance is decreased, which is not preferable. More preferably, the film thickness is 110 to 250 nm, particularly 140 to 210 nm.
[0021]
The silicon oxide outermost layer may contain impurities other than silicon oxide, such as aluminum and iron, and metals other than Group 3 and Group 4 in the long period described later. The impurity concentration is preferably 0.001 to 15% by mass in that the visible light reflectance can be lowered and the visible light transmittance can be increased. The silicon oxide outermost layer preferably contains 85% by mass or more, particularly 90% by mass or more of silicon oxide, from the viewpoint of excellent heat resistance and durability in heat treatment.
[0022]
Further, the outermost layer of silicon oxide may be a composite oxide layer made of silicon oxide and a long-period Group 3 and Group 4 metal oxide. By mixing long-period Group 3 and Group 4 metal oxides with silicon oxide, the scratch resistance of the film can be improved and the film strength can be increased. Specific examples of metals used for Group 3 and Group 4 metal oxides in the long period include zirconium and titanium. The metal content used in the Group 3 and Group 4 metal oxides in the long period is preferably 5 to 40 mol% with respect to the total amount of silicon and metal. If it is less than 5 mol%, the effect of increasing the scratch resistance and the effect of increasing the strength are unfavorable, and if it exceeds 40 mol%, the refractive index of the film increases and the reflectance increases, so that the visible light transmittance T v Is not preferable in that it is difficult to make the ratio 70% or more.
[0023]
The thickness of the outermost silicon oxide layer is preferably 10 to 150 nm. If the film thickness is less than 10 nm, the heat resistance during heat treatment deteriorates, and if it exceeds 150 nm, the cost increases. More preferably, the film thickness is 30 to 130 nm, particularly 30 to 90 nm.
[0024]
An intermediate layer may be provided between the ITO first layer and the silicon oxide outermost layer. The intermediate layer is preferably an oxide layer, and particularly preferably a tin oxide layer from the viewpoint of the scratch resistance of the film. Providing the intermediate layer is preferable in that the adhesion between the ITO first layer and the silicon oxide outermost layer can be improved. The tin oxide layer preferably contains 50% by mass or more of tin oxide from the viewpoint of high adhesion. The thickness of the intermediate layer is preferably 1 to 10 nm. By setting the thickness to 1 to 10 nm, the adhesion between the ITO first layer and the silicon oxide outermost layer can be further enhanced. If it is less than 1 nm or more than 10 nm, the effect of improving the adhesion becomes small. The tin oxide layer may contain silicon oxide. The content of silicon is preferably 5 to 60 mol% with respect to the total amount of tin and silicon from the viewpoint of improving adhesion.
[0025]
Further, an adhesion improving layer (a layer having a composition different from that of the intermediate layer and the outermost layer) may be formed between the intermediate layer and the outermost layer of silicon oxide. By providing the adhesion improving layer, the scratch resistance of the film can be further enhanced. In particular, when the tin oxide layer is an intermediate layer and the outermost silicon oxide layer contains zirconium oxide, it is preferable to form a layer mainly composed of silicon oxide between both layers as an adhesion improving layer. The adhesion improving layer containing silicon oxide as a main component preferably contains 50% by mass, particularly 90% by mass or more of silicon oxide, from the viewpoint of excellent heat resistance and durability during heat treatment. By combining an adhesion improving layer mainly composed of silicon oxide and a silicon oxide outermost layer containing zirconium oxide, T v 70% or more can be secured, and the scratch resistance of the film can be improved.
[0026]
When the adhesion improving layer is a layer mainly composed of silicon oxide, the film thickness of the adhesion improving layer is 5 to 130 nm and the outermost layer of silicon oxide containing zirconium from the viewpoint of the film surface visible light reflectance. The thickness is 5 nm to 30 nm, and the total film thickness of the adhesion improving layer and the outermost layer is 10 to 150 nm. v It is preferable in that 70% or more can be secured and the scratch resistance of the film can be improved.
[0027]
The present invention is a method for producing heat insulating glass, in which a multilayer film having at least a first layer mainly composed of an oxide of indium and tin and a silicon oxide outermost layer is formed on a glass substrate, A first layer mainly composed of an oxide of indium and tin is used as a first layer, and a sputtering target mainly composed of an oxide of indium and tin is used, and the oxygen content in the sputtering gas is 3% by volume in the sputtering gas. Provided is a method for producing heat insulating glass, characterized in that it is formed by sputtering in the following sputtering gas and a multilayer film is formed, followed by firing in the atmosphere at 550 to 750 ° C. for 1 to 30 minutes. Conventionally, the first layer mainly composed of an oxide of indium and tin obtained by sputtering is generally low in visible light transmittance, and it is difficult to use in applications that require high visible light transmittance. there were. In this invention, after film-forming, the visible light transmittance | permeability of heat insulation glass can be raised and heat insulation performance can be raised by baking heat insulation glass for 1 to 30 minutes at 550-750 degreeC in air | atmosphere.
[0028]
The sputtering method is advantageous in that the film thickness distribution is uniform and the load on the environment is small.
[0029]
When the multilayer film in the present invention is composed of the ITO first layer and the silicon oxide outermost layer and does not have the intermediate layer and the second intermediate layer, the multilayer film is formed by, for example, a sputtering method as follows. First, the ITO complex oxide sintered body target is separately attached to the cathode A for performing direct current magnetron sputtering, and the polycrystalline silicon target is separately attached to the cathode B for performing intermittent direct current magnetron sputtering (sputtering for applying a voltage to the cathode at a constant cycle). .
[0030]
Next, after evacuating the film formation chamber to a vacuum, argon or a mixed gas of argon and oxygen is introduced as a sputtering gas into the film formation chamber, and the cathode A is discharged, whereby the first ITO layer is formed on the glass substrate. To form. As the sputtering gas, helium, neon, krypton, or the like can be used instead of argon. However, it is preferable to use argon because of the advantages that the discharge is stable and inexpensive. As a composition of the sputtering gas, the oxygen content in the sputtering gas is preferably 3% by volume or less, and particularly preferably 1% by volume or less. When the oxygen content exceeds 3% by volume, the crystallization of the film is promoted, and the crystallization during the heat treatment is hindered and the heat insulation performance is deteriorated. It is preferable that the oxygen content in the sputtering gas is as low as possible because a low crystalline or amorphous multilayer film is formed and crystallization is promoted during heat treatment. The pressure of the sputtering gas during film formation is preferably 0.1 to 2.0 Pa, and the back pressure is 1 × 10. -6 ~ 1x10 -1 Pa is preferred.
[0031]
Next, after evacuating the film formation chamber to a vacuum, oxygen is introduced as a sputtering gas into the film formation chamber, and the cathode B is discharged to form the outermost layer of silicon oxide on the glass substrate. As the composition of the sputtering gas, the oxygen content is preferably 10% by volume or more in the sputtering gas from the viewpoint of obtaining a film having a high visible light transmittance.
[0032]
In order to contain zirconium oxide in the outermost layer of silicon oxide, for example, the following method is used. A Zr—Si-based target (for example, a mixed sintered body target of zirconium silicide and silicon) is attached to the cathode B instead of the polycrystalline silicon target. After the film formation chamber is evacuated to vacuum, oxygen is introduced as a sputtering gas into the film formation chamber, and the cathode B is discharged to form the outermost layer of silicon oxide on the glass substrate. As the composition of the sputtering gas, the oxygen content is preferably 10% by volume or more in the sputtering gas from the viewpoint of obtaining a film having a high visible light transmittance.
[0033]
Furthermore, when providing the intermediate layer which has tin oxide as a main component, the following method is used, for example. A metallic Sn target (a target containing metallic tin) is attached to the cathode C that performs direct current magnetron sputtering. After the deposition chamber is evacuated, oxygen is introduced as a sputtering gas into the deposition chamber, and the cathode C is discharged, thereby forming an intermediate layer mainly composed of tin oxide on the glass substrate. As the composition of the sputtering gas, the oxygen content is preferably 60% by volume or more in the sputtering gas from the viewpoint of obtaining a film having a high visible light transmittance. The tin oxide film containing silicon oxide can be formed in the same manner as the tin oxide film by using a Sn—Si target as a target instead of the metal target.
[0034]
Moreover, when providing the adhesion improvement layer which has a silicon oxide as a main component, the following method is used, for example. A polycrystalline silicon target is attached to the cathode D which performs intermittent direct current magnetron sputtering. After the film formation chamber is evacuated to vacuum, oxygen is introduced into the film formation chamber as a sputtering gas, and the cathode D is discharged to form an adhesion improving layer mainly composed of silicon oxide on the glass substrate. As the composition of the sputtering gas, the oxygen content is preferably 10% by volume or more in the sputtering gas from the viewpoint of obtaining a film having a high visible light transmittance.
[0035]
In particular, when the ITO first layer is formed by sputtering, it is preferable not to heat the glass substrate. Usually, when forming a film | membrane by a sputtering method, heating a glass substrate to about 200-400 degreeC is performed from the reason that a film | membrane with a low electrical resistance is obtained. However, in the present invention, since the crystallization of the film is accelerated by heating and the crystallization during the heat treatment after the film formation is prevented and the heat insulation performance is deteriorated, the temperature of the glass substrate during sputtering is 100 ° C. or less. It is preferable.
[0036]
After forming a heat insulating glass by forming a multilayer film on a glass substrate by a sputtering method, the heat insulating glass is baked in the atmosphere at 550 to 750 ° C. for 1 to 30 minutes, preferably 1 to 15 minutes. It is preferable at the point which can obtain the heat insulation glass which has heat insulation performance and high visible light transmittance. Since the crystal defects of the ITO first layer and the silicon oxide outermost layer are reduced by firing, the visible light transmittance of the heat insulating glass can be increased, which is preferable. Therefore, the heat insulating glass of the present invention is suitable as a heat insulating glass for applications requiring high visible light transmittance, for example, for automobiles and buildings. If the firing temperature is less than 550 ° C. or exceeds 750 ° C., the heat insulation performance deteriorates, which is not preferable. In addition, it is preferable to rapidly cool the heat insulating glass after firing because the glass substrate is strengthened and the durability of the glass substrate is improved.
[0037]
T of the heat insulating glass in the present invention e / T v The ratio is required to be 0.65 or less in order to obtain high heat insulation performance, and is preferably 0.6 or less. Further, the heat insulating glass of the present invention is required to have a light transmittance of 35% or less at a wavelength of 1500 nm. The increase in the sensible temperature due to sunlight directly hitting the human body is the largest contribution of light with a wavelength of about 1500 nm, and the transmittance of the light with a wavelength of 1500 nm is set to 35% or less to prevent an increase in the sensible temperature due to solar radiation. And is more preferably 20% or less.
[0038]
The transmittance of light with a wavelength of 550 nm of the heat insulating glass in the present invention is preferably 70% or more, particularly preferably 75% or more. The film surface side visible light reflectance is preferably 12% or less, particularly preferably 10% or less, and the glass surface (non-film surface) side visible light reflectance is 12%, particularly 10% or less. It is preferable on the appearance of glass.
[0039]
The use of the heat insulating glass of the present invention is not particularly limited, and examples thereof include those for vehicles such as automobiles and buildings. In particular, when it is used for vehicles such as automobiles, it is necessary to make the glass shape and hardness preferable for vehicles, so that the glass is bent and tempered. Since this bending and tempering are performed by heat treatment at 630 to 690 ° C. for about 3 to 7 minutes in the air, the insulating glass can be fired simultaneously with the bending and tempering. In addition, when printing with a ceramic color paste such as black ceramic coating or silver printing is performed after sputter deposition, heat treatment (firing) is performed at 630 to 690 ° C. or higher for about 3 to 7 minutes. Therefore, the heat-insulating glass can be baked by using a heat treatment when printing with a ceramic color paste or silver printing.
[0040]
The use of the heat insulating glass of the present invention is suitably used for applications requiring high visible light transmittance, and examples thereof include applications for automobiles and buildings. In particular, it is suitably used as a single-plate automotive front side glass.
[0041]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to Examples and Comparative Examples. The present invention is not limited to this.
[0042]
1. Preparation and optical properties of heat insulating glass
The heat insulating glass of Examples 1-12 shown in Table 1 was produced as follows.
[0043]
(Example 1)
As glass substrate, Fe 2 O 3 Soda lime glass (product name: UVFL, T, manufactured by Asahi Glass Co., Ltd.) having a content of 0.65% by mass and a thickness of 3.5 mm v (Visible light transmittance) = 74%, T e (Solar radiation transmittance) = 49%, T 1500 (Transmittance of light having a wavelength of 1500 nm) = 50%). After cleaning the glass substrate, set it on the substrate holder, 2 O 3 And SnO 2 SnO against the total amount of 2 A composite oxide sintered body target with a content of 10% by mass is used as a cathode for performing DC magnetron sputtering, and a polycrystalline silicon target (Si content is 99.99% by mass; the same applies hereinafter) is subjected to intermittent DC magnetron sputtering. Separately attached to the cathode. After the film formation chamber was evacuated to vacuum, an ITO layer (first layer) having a thickness of about 100 nm was formed on the glass substrate by direct current magnetron sputtering. Argon was used as the sputtering gas. The oxygen content in the sputtering gas was 1% by volume or less. The pressure at the time of sputtering was 0.4 Pa (hereinafter, all film formation was performed at the same pressure). The composition of the deposited ITO layer was equivalent to the target.
[0044]
Next, a silicon oxide layer (outermost layer) having a thickness of about 40 nm was formed on the ITO layer by intermittent direct current magnetron sputtering to form a heat insulating glass. The intermittent period was 30 μs for the ON time (time for applying a voltage to the target) and 10 μs for the OFF time (time for applying no voltage to the target). Oxygen was used as the sputtering gas. The composition of the deposited silicon oxide layer (outermost layer) was equivalent to the target. The glass substrate was not heated during the formation of any film.
[0045]
After the film formation, the heat insulating glass was taken out from the sputtering apparatus, then baked in the air at 650 ° C. for 7 minutes in a belt furnace, and allowed to cool to obtain heat insulating glass.
[0046]
(Examples 2-9)
A heat insulating glass was obtained by treating in the same manner as in Example 1 except that the film thicknesses of the ITO layer (first layer) and the silicon oxide layer (outermost layer) were changed to the values described in Table 1.
[0047]
(Example 10 (comparative example))
As glass substrate, Fe 2 O 3 Soda lime glass (Asahi Glass Co., Ltd .: AS glass, 3.5 mm thick, T v = 90%, T e = 85%, T 1500 = 78%) was used in the same manner as in Example 3 to obtain heat insulating glass.
[0048]
(Example 11 (comparative example))
The gas composition of the sputtering gas when forming the ITO film was set to 95% argon and 5% oxygen (that is, the oxygen content in the sputtering gas was 5% by volume) with respect to the total amount of argon and oxygen. In the same manner as in Example 5, heat insulating glass was obtained.
[0049]
(Example 12 (comparative example))
A heat-insulating glass was obtained in the same manner as in Example 5 except that the baking conditions after film formation were changed from 650 ° C. in air for 7 minutes to 650 ° C. in air for 20 minutes.
[0050]
The film thickness (ITO film thickness) of the ITO layer (first layer) of the heat insulating glass produced as described above, the film thickness of the silicon oxide layer (outermost layer) (SiO 2 Film thickness), visible light transmittance T v , Solar transmittance T e , T e / T v Ratio and transmittance of light having a wavelength of 1500 nm (hereinafter, T 1500 That's it. ) Is shown in Table 1.
[0051]
T v , T e , T e / T v Ratio and T 1500 In this measurement, a transmittance between 300 and 2100 nm was measured using a spectrophotometer (UV3100PC manufactured by Shimadzu Corporation). T v And T e Was determined from this measured value in accordance with JIS-R3106 (1998).
[0052]
[Table 1]
Figure 2004149400
[0053]
From Table 1, the heat insulating glasses of Examples 1 to 9 are all T e / T v The ratio is 0.65 or less and T 1500 Was 35% or less, and had high heat insulation performance. In particular, in Examples 4-9, T e / T v The ratio is less than 0.6 and T 1500 Was 20% or less, indicating higher heat insulation performance.
[0054]
In contrast, Example 10 (comparative example) is T e / T v The ratio is 0.9% and T 1500 Was 54.3%, which was insufficient in terms of heat insulation. In addition, Example 11 (comparative example) is T e / T v The ratio is 0.62 and the heat insulation against the temperature rise in the room is good. 1500 Was 36.3, which was insufficient in terms of heat insulation against an increase in skin temperature (increased body temperature) due to solar radiation directly on the skin. Example 12 is T v Was as low as 65.1%, which was insufficient in terms of visible light transmittance.
[0055]
2. Reflectivity and durability of insulating glass coatings
Table 2 shows the film surface side visible light reflectance R of the heat insulating glass obtained in Examples 1 to 9. f (Hereinafter R f That's it. ), Non-film surface side visible light reflectance R g (Hereinafter R g That's it. ), Acid resistance and alkali resistance.
[0056]
R f And R g Measured the reflectance between 300-2100nm using the spectrophotometer (Shimadzu Corporation UV3100PC), and calculated | required by prescription | regulation of JIS-R3106 (1998).
[0057]
In addition, the acid resistance is obtained by immersing the heat insulating glass in a 0.05 mol / liter sulfuric acid aqueous solution at 20 ° C. for 24 hours, and the visible light transmittance T before and after the immersion. v Was measured and evaluated. Here, plus indicates the amount of change when the transmittance after immersion increases, and minus indicates the amount of change when the transmittance after immersion decreases. Practically preferred is ± 5% or less.
[0058]
The alkali resistance is determined by immersing the heat insulating glass in a 0.1 mol / liter sodium hydroxide aqueous solution at 20 ° C. for 24 hours, and the visible light transmittance T before and after the immersion. v Was measured and evaluated. Here, plus indicates that the transmittance increases after immersion, and minus indicates that the transmittance decreases after immersion. Practically preferred is ± 5% or less.
[0059]
[Table 2]
Figure 2004149400
[0060]
From Table 2, R f And R g Was 12% or less in all examples and exhibited a good appearance. In Examples 1-6, 8 and 9, R f All were 10% or less and had a better appearance. In particular, Example 5 is R f Was 5% or less, and was the most excellent. In addition, the acid resistance and alkali resistance were within ± 5% in all examples, and had practically sufficient durability.
[0061]
3. Composition of thermal insulation glass film and distribution of composition in film
The film before heat treatment and the film after heat treatment of Example 5 were subjected to so-called depth profile analysis in which elemental analysis was performed while the film was ion-etched with argon ions using an X-ray probe spectrometer. As a result, it was confirmed that the indium element and the tin element contained in the film containing ITO as a main component after the heat treatment were diffused to the glass substrate side. From the correlation between the half width and the film thickness, the thickness of the diffusion layer is estimated to be about 13 nm. No other diffusion was observed. From this, in the present invention, as described above, since the indium element and the tin element slightly diffused toward the glass substrate side after the heat treatment, the substrate glass and the ITO film are in strong contact with each other. It is guessed.
[0062]
4). Scratch resistance of insulation glass coating
The heat insulation glass of Examples 13-17 shown in Table 3 was produced as follows.
[0063]
(Example 13)
As glass substrate, Fe 2 O 3 Soda lime glass (product name: UVFL, T, manufactured by Asahi Glass Co., Ltd.) having a content of 0.65% by mass and a thickness of 3.5 mm v (Visible light transmittance) = 74%, T e (Solar radiation transmittance) = 49%, T 1500 (Transmittance of light having a wavelength of 1500 nm) = 50%). The glass substrate was washed and set on a substrate holder. ITO complex oxide sintered compact target (In 2 O 3 And SnO 2 SnO against the total amount of 2 The content was 10% by mass) and the metal Sn target were separately attached to the cathode for direct current magnetron sputtering, and the polycrystalline silicon target was separately attached to the cathode for intermittent direct current magnetron sputtering.
[0064]
After the film formation chamber was evacuated to vacuum, an ITO layer (first layer) having a thickness of 150 nm was formed on the glass substrate by a direct current magnetron sputtering method using an ITO composite oxide sintered target. Argon was used as the sputtering gas. The oxygen content in the sputtering gas was 1% by volume or less. The pressure at the time of sputtering was 0.4 Pa (hereinafter, all film formation was performed at the same pressure). The composition of the deposited ITO layer (first layer) was equivalent to the target.
Next, a tin oxide layer (intermediate layer) having a thickness of 5 nm is formed on the first layer by a direct current magnetron sputtering method using a metal Sn target (Sn content is 99.99 mass%, the same applies hereinafter). did. Oxygen was used as the sputtering gas. The pressure during sputtering was 0.4 Pa.
Next, a silicon oxide layer (outermost layer) having a thickness of 80 nm was formed on the intermediate layer by an intermittent direct current magnetron sputtering method using a polycrystalline silicon target to form a heat insulating glass. The intermittent period was 30 μs for the ON time and 10 μs for the OFF time. Oxygen was used as the sputtering gas. The glass substrate was not heated during the formation of any film.
After the film formation, the heat insulating glass was taken out from the sputtering apparatus, then baked in the air at 650 ° C. for 7 minutes in a belt furnace, and allowed to cool to obtain heat insulating glass.
[0065]
(Example 14)
A heat insulating glass was obtained in the same manner as in Example 13 except that a Sn-Si target was used instead of the metal Sn target and a tin oxide layer containing silicon oxide (intermediate layer) was formed. The content of Si in the Sn—Si target was 50 mol% with respect to the total amount of Sn and Si. The composition of the tin oxide layer containing silicon oxide formed was equivalent to the target.
[0066]
(Example 15)
As glass substrate, Fe 2 O 3 Soda lime glass (product name: UVFL, T, manufactured by Asahi Glass Co., Ltd.) having a content of 0.65% by mass and a thickness of 3.5 mm v (Visible light transmittance) = 74%, T e (Solar radiation transmittance) = 49%, T 1500 (Transmittance of light having a wavelength of 1500 nm) = 50%). The glass substrate was washed and set on a substrate holder. ITO complex oxide sintered compact target (In 2 O 3 And SnO 2 SnO against the total amount of 2 The content is 10% by mass) and a metal Sn target is used as a cathode for direct current magnetron sputtering, and a polycrystalline silicon target and a Zr—Si mixed sintered body target (Zr: Si molar ratio is 1: 2) are intermittent direct current magnetrons. Separately attached to the cathode to be sputtered.
[0067]
After evacuating the film formation chamber, an ITO layer (first layer) having a thickness of 150 nm was formed on the glass substrate by a direct current magnetron sputtering method using an ITO composite oxide sintered target. Argon was used as the sputtering gas. The oxygen content in the sputtering gas was 1% by volume or less. The pressure at the time of sputtering was 0.4 Pa (hereinafter, all film formation was performed at the same pressure). The composition of the deposited ITO layer (first layer) was equivalent to the target.
Next, a tin oxide layer (intermediate layer) having a thickness of about 5 nm was formed on the first layer by a direct current magnetron sputtering method using a metal Sn target. Oxygen was used as the sputtering gas. The pressure during sputtering was 0.4 Pa.
Next, a silicon oxide layer (adhesion improving layer) having a thickness of 70 nm was formed on the intermediate layer by an intermittent direct current magnetron sputtering method using a polycrystalline silicon target. The intermittent period was 30 μs for the ON time and 10 μs for the OFF time. Oxygen was used as the sputtering gas.
Next, a silicon oxide layer (outermost layer) containing zirconium having a thickness of 10 nm is formed on the adhesion improving layer by an intermittent direct current magnetron sputtering method using a Zr—Si mixed sintered body target to form a heat insulating glass. did. The intermittent period was 30 μs for the ON time and 10 μs for the OFF time. Oxygen was used as the sputtering gas. The composition of the deposited silicon oxide layer (outermost layer) containing zirconium was equivalent to that of the target. The glass substrate was not heated during the formation of any film.
After the film formation, the heat insulating glass was taken out from the sputtering apparatus, then baked in the air at 650 ° C. for 7 minutes in a belt furnace, and allowed to cool to obtain heat insulating glass.
[0068]
(Example 16)
An intermediate layer mainly composed of tin oxide is not formed, and instead of a Zr—Si mixed sintered body target (Zr: Si molar ratio is 1: 2), a Zr—Si mixed sintered body target (Zr and A heat insulating glass was obtained in the same manner as in Example 15 except that a silicon oxide layer (outermost layer) containing zirconium was formed to a thickness of 80 nm using a molar ratio with Si of 1: 9). The composition of the formed silicon oxide layer containing zirconium (outermost layer) was equivalent to that of the target.
[0069]
(Example 17)
Example 13 with the exception of forming a silicon oxide layer (outermost layer) containing zirconium oxide using a Zr—Si mixed sintered body target (molar ratio of Zr and Si is 1: 9) instead of the polycrystalline silicon target It processed similarly and obtained the heat insulation glass. The composition of the silicon oxide layer (outermost layer) containing zirconium oxide formed was equivalent to that of the target.
[0070]
Film thickness of each layer of heat insulating glass produced as described above, visible light transmittance T v , Solar transmittance T e , T e / T v Ratio, T 1500 The amount of change in haze ratio (ΔH) before and after the Taber test is shown in Table 3 (Example 5 is shown again for comparison).
[0071]
T v , T e , T e / T v Ratio, T 1500 About the measuring method of, the method similar to Examples 1-12 was used. About (DELTA) H, the haze rate before and behind a Taber test was measured using Tokyo Denshoku Co., Ltd. haze meter: MODEL TC-H3, and the difference ((DELTA) H) before and behind that was measured. The Taber test was performed using the apparatus described in the abrasion resistance test of JIS-R3221 (2002), using a wear wheel CS-10F, and a load of 4.9 N under the condition of 1000 rotations. A lower value of ΔH means better scratch resistance.
[0072]
[Table 3]
Figure 2004149400
[0073]
From Table 1, the heat insulating glasses of Examples 13 to 17 are all T e / T v The ratio is 0.65 or less and T 1500 Was 35% or less, and had high heat insulating performance as in Example 5. Further, Examples 13 to 17 have ΔH of 3% or less and excellent scratch resistance, and Examples 15 to 17 have ΔH of 2% or less and further excellent scratch resistance. It was.
[0074]
【The invention's effect】
The heat insulating glass of the present invention is characterized by high visible light transmittance, high heat insulating performance, low film surface visible light reflectance, and excellent scratch resistance under certain conditions. Since the heat insulating glass can be formed by a sputtering method, the film thickness is excellent in uniformity. Moreover, since it has a good appearance and is excellent in acid resistance and alkali resistance, it is suitable as a front side glass for a single plate automobile.

Claims (8)

Fe含有量が0.3〜1質量%であるガラス基板と、前記ガラス基板上に多層膜を形成した断熱ガラスであって、前記多層膜は少なくともインジウムとスズとの酸化物を主成分とする第1層と、酸化ケイ素を主成分とする最外層とを有し、
前記断熱ガラスの日射透過率Tと可視光透過率Tとの比(T/T比)が0.65以下であり、前記断熱ガラスの可視光透過率Tが70%以上であり、かつ前記断熱ガラスの波長1500nmの光の透過率が35%以下であることを特徴とする断熱ガラス。
A glass substrate having a Fe 2 O 3 content of 0.3 to 1% by mass and a heat insulating glass in which a multilayer film is formed on the glass substrate, wherein the multilayer film is mainly composed of an oxide of at least indium and tin. A first layer as a component and an outermost layer mainly composed of silicon oxide;
The ratio (T e / T v ratio) between the solar transmittance T e and the visible light transmittance T v of the heat insulating glass is 0.65 or less, and the visible light transmittance T v of the heat insulating glass is 70% or more. A heat insulating glass, wherein the heat insulating glass has a light transmittance of 35% or less at a wavelength of 1500 nm.
前記断熱ガラスの日射透過率Tと可視光透過率Tとの比(T/T比)が0.60以下である請求項1に記載の断熱ガラス。2. The heat insulating glass according to claim 1, wherein the heat insulating glass has a ratio (T e / T v ratio) between a solar transmittance T e and a visible light transmittance T v of 0.60 or less. 前記断熱ガラスの波長1500nmの光の透過率が20%以下である請求項1または2に記載の断熱ガラス。The heat insulation glass of Claim 1 or 2 whose transmittance | permeability of the light of wavelength 1500nm of the said heat insulation glass is 20% or less. 前記インジウムとスズとの酸化物を主成分とする第1層の膜厚が80〜350nmである請求項1、2または3に記載の断熱ガラス。4. The heat insulating glass according to claim 1, wherein the first layer mainly comprising an oxide of indium and tin has a thickness of 80 to 350 nm. 前記酸化ケイ素を主成分とする最外層の膜厚が10〜150nmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の断熱ガラス。The heat insulating glass according to any one of claims 1 to 4, wherein a film thickness of the outermost layer containing silicon oxide as a main component is 10 to 150 nm. 前記インジウムとスズとの酸化物を主成分とする第1層と前記酸化ケイ素を主成分とする最外層との間に中間層が形成されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の断熱ガラス。The intermediate layer is formed between the 1st layer which has the oxide of the said indium and tin as a main component, and the outermost layer which has the said silicon oxide as a main component. Insulated glass. 前記中間層と前記酸化ケイ素を主成分とする最外層との間に密着改善層が形成されてなる請求項6に記載の断熱ガラス。The heat insulating glass according to claim 6, wherein an adhesion improving layer is formed between the intermediate layer and the outermost layer containing silicon oxide as a main component. ガラス基板上にインジウムとスズとの酸化物を主成分とする第1層と、酸化ケイ素を主成分とする最外層とを少なくとも有する多層膜が形成されてなる断熱ガラスの製造方法であって、前記インジウムとスズとの酸化物を主成分とする第1層を、インジウムとスズとの酸化物を主成分とするスパッタターゲットを用い、スパッタガス中の酸素の含有量がスパッタガス中の3体積%以下であるスパッタガス中でスパッタして形成し、かつ多層膜を形成した後、大気中で550〜750℃、1〜30分間焼成することを特徴とする断熱ガラスの製造方法。A method for producing heat insulating glass, in which a multilayer film having at least a first layer mainly composed of an oxide of indium and tin and an outermost layer mainly composed of silicon oxide is formed on a glass substrate, The first layer mainly composed of an oxide of indium and tin is formed using a sputtering target mainly composed of an oxide of indium and tin, and the oxygen content in the sputtering gas is 3 volumes in the sputtering gas. A method for producing heat-insulating glass, comprising: forming a multilayer film by sputtering in a sputtering gas that is less than or equal to 50%; and firing the film in the atmosphere at 550 to 750 ° C. for 1 to 30 minutes.
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