JP2004149277A - ウインチ装置及びそれを用いた伐採竹/木の回収装置並びにその回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】離隔して存在する物品の搬送を安全に効率よく行えるウィンチを提供する。また、伐採竹木の回収装置を提供する。
【解決手段】索条12が巻き掛けられて併設された2個のドラム14、16と、両ドラムを貫通して配置された回転軸18と、いずれかのドラムと回転軸とが連結状態のときには他のドラムが回転軸に対して自由回転状態とさせるように選択的に連動させる選択連動手段20と、回転軸を回転駆動させる駆動手段(112,22)と、を備える。例えば回転軸の軸方向移動により、いずれかのドラムとの連動選択を行なうので誤操作がなく、また、低コストである。
【選択図】 図2
【解決手段】索条12が巻き掛けられて併設された2個のドラム14、16と、両ドラムを貫通して配置された回転軸18と、いずれかのドラムと回転軸とが連結状態のときには他のドラムが回転軸に対して自由回転状態とさせるように選択的に連動させる選択連動手段20と、回転軸を回転駆動させる駆動手段(112,22)と、を備える。例えば回転軸の軸方向移動により、いずれかのドラムとの連動選択を行なうので誤操作がなく、また、低コストである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウインチ装置及びそれを用いた伐採竹/木の回収装置等に係り、特に、簡単な機構で双方向に巻き上げ、繰り出しできるウインチ装置及びそれを用いた伐採竹/木の回収装置並びにその回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材や竹は建材、建具、家具、炭等の原料として通常は人口植栽され、特に天然木林は自然保護の見地から過伐、乱伐を避けて計画的な育成が行なわれている。ところで、そのうちの竹は極めて繁殖力が強く、例えば孟宗竹や苦竹等は幹直径が10cm〜20cm、高さ20m〜30m、重量で100Kgにも達する。これらの竹は、もともとは人口的に植栽されたものであるが、近時の林業関係の労働力不足、竹林の維持管理コストの圧迫、竹林管理者の老齢化等により、急傾斜地や起伏の多い山間部あるいは茶畑、野菜畑、果樹園等のある丘陵地帯でも放置竹林面積が急拡大し、隣接の他人所有の茶畑や、野菜畑、果樹園等に地下茎から地上に成長させてそれらの作物を荒らしたり、檜等の植林を壊滅させる事例も多発してその荒廃が全国的に大きな社会問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、山間部や丘陵地帯の竹林から伐採した竹を搬出するに際しては、1本づつを人力によって搬出する小規模の搬出が主であるが、湿度が高く密生した竹林の急斜面や点在する切り株、あるいは、隆起している竹根等を避けての重量物運搬は、非常に過酷で危険の伴う作業であった。このため、例えば集材機(バックホウ型)のアームに小型のウインチ等を装備させて牽引するような場合がある。このような方法では、少なくとも搬送作業は動力によらしめることができるが、ウインチの巻き取り動作により直線的に牽引するから、林立した竹林の中で厳密な直線状の隙間を探して、そのつど、人力によって牽引物(竹)の倒された場所までワイヤロープを繰り出す作業が必要であり、したがって、集材機の位置から遠く離れた長い距離の牽引にはそれらの段取り作業時間がかかり、かつ、1本づつの牽引作業であるから効率が悪いという問題があった。これに対し、例えば特開2000−53381号において、パワーショベルのブームに別個の駆動源でそれぞれ独立に回転するメインとサブの2個のドラムを並列配置させてそれぞれのワイヤの端部と材木把持ワイヤとを連結具47で連結させ、適宜の立木に係止させたシーブ49を変向点としてそれぞれのドラムの回転駆動時に他のドラムをフリー状態としてメインワイヤの繰り出し作業軽減、木材の動力牽引等を行なわせるウインチが提案されている。しかしながら、この従来の特開2000−53381号のウインチによる搬出方法では、同公報図6に示すように、結局、シーブ49を変向点としてメインワイヤとサブワイヤが直線状に繰り出し、引き込み動作をするだけであり、メインワイヤをフリーにしてドラム部分とシーブと連結具47とで三角形を形成するように連結具47を把持して作業者が搬出させたい木材位置まで引き出して木材に連結させるから、搬出させたい木材の近辺に他の立木等が全くないような現地状況でのみ適用され、密生した竹林等では適用できないばかりでなく、三角形の1つの隅角を形成するように引き出す作業となるので引き出せる範囲が限定され、1本づつを搬送させ得る程度であって、搬送させたい木材の選択自由度が低い問題があった。また、連結具47の移動範囲はメインドラムとシーブ49間の直線部分のみに限定され、図6のサブワイヤを基準とした線対称側での材木を搬出させたい場合には、ワイヤの掛け替え作業や、集材機自体の移動が不可欠となり、木材搬送効率が極めて悪く、搬送時間もかかるという欠点があった。さらに、この従来のウインチでは、メインドラムにおいてメイン油圧モータの駆動力を断続させる点を除くと、メインドラムとサブドラムはそれぞれ個別のウインチを並設させたと同様の構成であって、個別の駆動源により駆動されるものであるから、製造コストが高いばかりでなく、単にメインドラム側がその油圧モータの駆動力を断続させてフリーにさせるだけで、サブドラム側はサブ油圧モータに対して完全な自由回動ではなく、駆動側とのギヤ咬合を維持させた状態であるから、操作がアンバランスとなって誤操作を生じやすいうえに、広範囲で効率の良い搬送を行なわせることが困難であった。また、このように放置竹林の増加の問題とともに、竹炭の吸湿、吸臭効果を生かした利用の可能性が大きいにもかかわらずこれらの資源が有効利用されず、無駄に放置されているという問題もある。さらに、上述した竹材や木材の伐採搬送時だけではなく、種々の物品の搬送作業、緊急救助作業等に際して汎用的に適用し得る双方向に繰り出し、牽引自在な簡易構成、低コストのウインチの開発が待望されていた。
【特許文献1】特開2000−53381号公報(図1、図6)
【0004】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、比較的にコンパクトな構成で低コストでありながら広範囲に大量の物品搬送を同時に行わせることのできるウインチ装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、簡単な操作で広範囲にわたり高効率に大量の伐採竹/木を回収させ得る伐採竹/木の回収装置、並びにその回収方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、索条12が巻き掛けられて併設された2個のドラム14、16と、両ドラムを貫通して配置された回転軸18と、いずれかのドラムと回転軸とが連結状態のときには他のドラムが回転軸に対して自由回転状態とさせるように選択的に連動させる選択連動手段20と、回転軸を回転駆動させる駆動手段(112,22)と、を備えたウインチ装置10から構成される。
【0006】
その際、選択連動手段20による選択連動が、回転軸18と2個のドラム14,16との軸方向相対移動により行なわれるようにするとよい。
【0007】
また、選択連動手段20は、回転軸18と2個のドラム14,16との軸方向相対移動に伴い回転軸とそれぞれのドラムとを選択的に、かつ連結離脱自在に歯車連結させる歯車連結機構からなる構成とすると良い。
【0008】
さらに、歯車連結機構32は、回転軸18と各々のドラムに設けられて回転軸と各ドラムとの軸方向相対移動に伴いそれぞれ連結離脱自在に歯車連結する第1、第2歯車連結部34、36を有するようにするとよい。
【0009】
また、選択連動手段20による選択連動が軸方向駆動手段による回転軸の軸方向移動により行なわれるようにするとよい。軸方向駆動は、モータ等に連動させて行なわせてもよいし、手動による駆動としてもよい。急傾斜地や電力供給源が付近にないような場合には、手動によるのが有利であり、また低コスト化に資する。軸方向駆動構成は単に回転軸を直接に直線的に移動させるようにしてもよく、変換機構を用いて回転入力により軸方向移動させるように構成してもよい。
【0010】
また、軸方向駆動手段は、回転入力部76と、回転入力部の回転入力を回転軸の軸方向移動に変換する変換機構78と、を備えるようにしてもよい。変換機構を介して回転入力により回転軸を軸方向移動させるようにするから、入力操作時に労力が小さくてよく、例えば手動操作による入力を実現させ得る。
【0011】
さらに、回転軸18の回転方向を切り替えるために回転軸への駆動力伝達を切り替える駆動力伝達切替手段22を備えるとよい。回転軸への駆動手段による駆動構成は、例えば歯車連結による原動機出力軸からの直接駆動としてもよい。例えば双方向モータ等の双方向回転原動機を適用し得る。汎用の一方向回転モータやエンジン発動機使用等により、装置コスト低減のためには、駆動力伝達切替手段による切替を行なうのが好ましい。特に竹木の密生地等の電力供給がない場合等において、エンジン式回転機を使用する場合には特に有利である。
【0012】
また、駆動力伝達切替手段22は、回転軸18に対して右または左回転を与えるように接続され離隔して配置された第1、第2切替歯車122a、122bと、第1、第2切替歯車に選択的に咬合し得るように設けられた入力歯車126と、入力歯車を第1、第2歯車に選択的に切替咬合させる操作部150と、を備えるようにしてもよい。入力歯車126の選択切替駆動はモータ等により自動的に行なわせてもよいし、手動によらしめてもよい。
【0013】
さらに、それぞれのドラムごとに対応してドラムの回転を制動する制動手段(310、312)を設けるとよい。ドラムを直接に制動させる方が事故や急なブレーキングが必要な場合に対応しやすいので有利である。
【0014】
また、本発明は、竹/木林(BB)中の複数箇所に設置した案内手段(402)と、該案内手段に案内されつつ水平ループ状に移動する索条12と、案内手段による索条のループ状案内移動を阻害しないように索条と伐採した竹/木を連結させる連結機構404と、索条の両端側を双方向に牽引あるいは繰り出し駆動させるウインチ装置10と、を備えた伐採竹/木の回収装置400から構成される。
【0015】
その際、索条12が切れめのない連続索条からなり、その両端側がそれぞれいずれかのドラム14,16に連結されるようにすると良い。索条の本数は1本でも複数本を束にした用い方でもよい。複数の索条を途中で連結接続させて用いてもよい。その際、案内手段通過時の索条の水平ループ状移動を阻害しないように極端な突出部分を形成させないようにするとよい。
【0016】
また、連結機構404が、索条12に通係された状態で連結固定される環状固定具420を含むようにしてもよい。環状固定具の形状自体は任意であるが、要は、案内手段を通過する際に案内手段から離脱したり、索条自体の円滑な通過を妨げるような連結構成としないようにするのが好ましい。
【0017】
また、連結機構404が、一端を索条側に連結され他端を伐採竹/木側に連結される枝索条426を有するようにしてもよい。
【0018】
さらに、案内手段(402)が、縦軸406回りに水平回転するプーリ408を備えたガイドブロックからなるようにしてもよい。
【0019】
また、ガイドブロックの縦軸406を伐採竹/木の残部(410)を利用して固定させてもよい。
【0020】
また、本発明は、竹/木林中の複数箇所に案内手段を設置し、該案内手段に案内されつつ水平ループ状に移動する索条を配置させ、索条に伐採した竹/木を連結し、双方向牽引繰り出し手段により索条を双方向に牽引あるいは繰り出し操作させつつ伐採した竹/木を回収させる伐採竹/木の回収方法から構成される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明に係るウインチ装置の実施の形態について説明する。本発明のウインチ装置は、比較的にコンパクトな構成で低コストでありながら広範囲に大量の物品搬送を同時に行わせることのできるウインチ装置であり、連続した例えば1本の索条の両端側を両ドラムのそれぞれいずれかに連結させた状態で、双方向への牽引、繰り出し操作を確実にかつ簡単に行なえるようにしたものである。例えば、図14は、本発明のウインチ装置を適用した例を示しており、竹林付近に設置したウインチ装置から繰り出した索条を複数のガイドによりループ状に支持させ、索条を双方向に牽引、繰り出し駆動させながら、索条に接続させた伐採竹等を搬送させるようにしている。
【0022】
図1ないし図13は、本発明の第1の実施形態に係るウインチ装置を示しており、図1、図2に示すように、本実施形態のウインチ装置10は、索条12が巻き掛けられて併設された2個の例えば金属製ドラム14、16と、両ドラムを貫通して配置された回転軸18と、回転軸といずれかのドラム14、16とを選択的に連動させる選択連動手段20と、回転軸18の駆動手段と、を備えている。
【0023】
図において、基台上に相互に離隔して立ち上り固定された複数の支持枠24にそれぞれ軸受26が取り付けられており、該軸受26に回転自在、かつ軸方向移動自在に軸支されて回転軸18が横方向を長手方向として装架されている。回転軸18は、3個の支持枠24a、24b、24cを貫通するように配置されている。中央の支持枠24bとその両側の支持枠24a、24c間に挟まれて、それぞれ回転軸18に対して回転自在かつ軸方向移動自在に左右のドラム14、16が設けられている。それぞれのドラム14、16は内部が中空の胴部28と、その両側に固定された側枠30と、を備えた同じ形状、大きさからなり、それらの軸心部分を1本の回転軸18が貫通して、該回転軸18を共通の支軸としている。そして、回転軸18といずれかのドラム14、16とを選択的に連動させることにより、連動選択されたいずれかのドラムを回転させる。
【0024】
選択連動手段20は、いずれかのドラムと回転軸18とが連結状態のときには他のドラムが回転軸に対して自由回転状態とさせるように選択的に連動させるものであり、本実施形態において、選択連動手段による選択連動は、回転軸18と2個のドラムとの軸方向相対移動により行なわれるようになっている。さらに、選択連動手段20は、回転軸18と2個のドラム14、16との軸方向相対移動に伴い回転軸とそれぞれのドラムとを選択的に、かつ連結離脱自在に歯車連結させる歯車連結機構32を含む。
【0025】
歯車連結機構32は、それぞれのドラム14、16の中空内部であって、回転軸18の各々のドラムの取り付け位置に対応する位置に設けられた第1、第2歯車連結部34、36を含む。図3、4において、左ドラム14の中空内部には同中空内部を縦断するように2個の受板38、40が固定されている。受板38の中心部分には内歯歯車42が嵌合固定されてその中心部分を回転軸18が軸方向(図上、左右方向)移動する。受板40の中心部分には軸受44が取り付けられており、その中心部分を回転軸18が貫通した状態で軸方向移動かつ回転自在にドラム14を係合支持させている。一方、内歯歯車42の近傍位置となる回転軸18には、第1の選択駆動歯車46がその軸心を固定されている。第1選択駆動歯車46は内歯歯車42に咬合する外歯歯車からなり、回転軸18の軸方向移動に伴い内歯歯車42に咬合する状態と、その咬合状態から退避した非咬合状態と、に選択的に変位する。実施形態において、ドラム14に取り付けられた内歯歯車42と、回転軸18に固定された第1選択駆動歯車46とで第1歯車連結部34が構成される。また、実施形態において、右受板40と側枠30との中間位置の回転軸18には第1の移動範囲規制部材48が固定されている。第1移動範囲規制部材48は、回転軸18の軸方向の移動範囲の一方側の移動端を規定する規制手段であり、本実施形態では、円盤状に形成されて回転安定用のフライホイールとしての機能を兼用している。左ドラム14の両側枠30の中心部分にはそれぞれ軸受50が取り付けられて、回転軸18に対して回転、かつ軸方向移動自在に支持させている。さらに、左ドラム14の中央側支持枠24bに対向する側の側枠30には後述する制動機構のブレーキ受部がドラム14と一体回転するように付設固定されている。
【0026】
さらに、図1ないし図4において、右ドラム16は、左ドラムとほぼ同じ形状、同じ大きさで中央支持枠24bを中央線として線対称状に設けられている。すなわち、ドラムの胴部28の中空内部を縦断するように2個の受板52、54が固定され、受板54の中心部分には内歯歯車56が嵌合固定されてその中心部分を回転軸18が軸方向(図上、左右方向)移動する。受板52の中心部分には軸受44が取り付けられており、その中心部分を回転軸18が貫通した状態で軸方向移動かつ回転自在にドラム16を係合支持させている。そして、回転軸18に固定した第2の選択駆動歯車58が回転軸18の軸方向移動に伴い内歯歯車56に咬合する状態と、その咬合状態から退避した非咬合状態と、に選択的に変位する。そして、ドラム16に取り付けられた内歯歯車56と、回転軸18に固定された第2選択駆動歯車58とで第2歯車連結部36が構成される。さらに、右受板54と側枠30との中間位置の回転軸18にはフライホイール機能を兼用した第2の移動範囲規制部材60が固定されている。第2移動範囲規制部材60は、回転軸18の軸方向の移動範囲の他方側の移動端を規定する。したがって、左ドラム14と右ドラム16の第1、第2移動範囲規制部材48、60は、それぞれ左ドラム14の右受板40と右ドラム16の右側枠30と衝合することにより、それぞれの方向に対するそれ以上の回転軸18の軸方向移動が規制される位置において回転軸に固定される。その際、図上移動左端位置で回転軸がその軸方向移動を規制される状態で、左ドラム14の第1歯車連結部34の内歯歯車42と第1選択駆動歯車46が咬合状態となり、かつ右ドラムの第2歯車連結部36の内歯歯車56と第2選択駆動歯車58とが非咬合状態となって左ドラム14が駆動され、右ドラムはフリー回転状態となる。また、図上の移動右端位置で回転軸がその軸方向移動を規制される状態で、右ドラム16の第2歯車連結部36の内歯歯車56と第2選択駆動歯車58が咬合状態となり、かつ左ドラム14の第1歯車連結部34の内歯歯車42と第1選択駆動歯車46とが非咬合状態となって右ドラム16が駆動回転されるとともに左ドラムはフリー回転状態となるように設定される。これによって、縦続接続され索条が巻き掛けられてそれぞれ自由回転可能な2個のドラム14、16の軸に回転軸18を貫通させ、回転軸といずれかのドラムとを選択的に連動させることにより、索条を双方向に牽引、繰り出しさせながら索条に接続させた物品を搬送させ得る。その際、例えば連続した1本の索条の両端側を両ドラムのそれぞれに連結させた状態とすることにより、一方側のドラムが牽引駆動のときには、他のドラムが必ず自由回転で繰り出し状態となり、誤操作なく、物品搬送作業を行なえる。
【0027】
図5(a)、(b)は、1つのドラム(例えばドラム14)に対する索条12としてのワイヤの連結部分を示しており、ワイヤはドラムの胴部曲率に沿った終端固定部62において固定されている。すなわち、ドラムの側枠30に近接する胴部28の一部を切り欠いて支持ブロック64を胴部内側に固定させ、支持ブロック64にワイヤの端部側を挿通案内させ得る溝66を形成させ、該溝66を挿通させて延長させたワイヤの端部を胴部28に溶接固定させている。溝66は、ドラムの胴部28の曲率に沿ってR状に曲成されており、これによって、ワイヤに局部的な張力が加わらないようにしてドラムに対するワイヤの連結耐久性を向上させる。68はワイヤ端末の鉛合金溶着固定部、70は、ワイヤ先端部分を挿通させた保護プレート、72は、溝64を挿通させたワイヤの端末を固定部68で固定した状態でさらに溶融合金で固着させた保護材である。これらの固定処理は、ドラムの胴部28の一部を開閉する蓋74を開蓋させた状態で行なわれる。一方、他のドラム(例えばドラム16)側については、索条12の端部は図示しないが例えば係止用フックが固定されており、胴部28の内部に固定した受け環に開閉蓋74を開いて係脱自在に係止するようにしている。
【0028】
図1ないし図4において、左ドラム14の外側には回転軸の軸方向駆動手段が設けられている。軸方向駆動手段は、回転軸18を強制的に軸方向に移動させるものであり、本実施形態において、軸方向駆動手段は、回転入力部76と、変換機構78と、を含む。
【0029】
図1ないし図4において、左端側の支持枠24aの外側にケース80が固定され該ケースの底部に横方向に向けてラック82が固定されている。そして、このラック82に案内されながら横移動する入力ハンドル機構84が取り付けられている。入力ハンドル機構84は、手動によるハンドル操作で回転軸の軸方向移動に向けて駆動力を入力させる手段であり、実施形態において、ケース80の正面側に設けた横長孔86を貫通し先端を左端側支持枠24aから突設させた回転軸18に係合させるように設けられたシャフト88と、シャフトの外部側端部に固定されたハンドル90と、を含む。図6にも示すように、シャフト88の中間位置にはラック82の上付きのラック歯に噛み合うピニオン92が固定されており、これによって、ハンドル90をシャフトの軸周り方向に回転させることによりシャフト88は回転軸18との略直角方向の係合関係を保持しながら左右に横移動する。ここに、回転入力部76は、入力ハンドル機構と、ラック・ピニオン機構と、を含む。なお、図示を省略しているが、例えば図2のラック82とシャフト88の先端側との中間にはシャフトの横移動の際の横方向案内孔を形成した中間案内板がケース80に固定されており該シャフトの安定した横移動を行なわせるようにしている。また、ラック82は実施形態では1個のみ設けるようにしているが、離隔して複数個並列に設け、シャフトにも対応してピニオンを複数取り付けて、シャフトの先端側における回転軸18との接続部分に加わる係合角度を歪ませないように支持させるのが好ましい。
【0030】
図6、7において、シャフト88の先端側と回転軸18の突出部分との接続部分において変換機構78が設けられている。変換機構78は、回転軸18の自由回転状態を確保しつつ回転入力部76の回転入力を同回転軸の軸方向移動に変換する変換手段であり、本実施形態において、回転軸18の突出部に回転自在に取り付けられた軸受ブロック94と、軸受ブロック94の一部に対して軸回り回転自在に連結する軸回り回転機構96と、を含む。軸受ブロック94は、横方向に長く配置された回転軸18に対して回転自在に設けられ、回転軸18に内輪を固定された軸受と、その外被ケース98と、からなる。一方、シャフト88の先端部には該シャフトの外径を一体的に拡大させ内部に円盤状の空隙を形成させた閉鎖板を介して分割、組み立て可能な軸回り連結ブロック100が取り付けられている。そして、軸受ブロック94に一端を固定し、他端に円板102の中心から直角方向に伸びる軸体104からなる連結受体106が固定されており、この連結受体106の円板102が軸回り連結ブロック100の円盤状空隙内に収容されて軸回り連結ブロック100と連結受体106の円板102とはシャフト88の軸回り方向に自由回転自在に係合している。なお、108は回転軸18の軸方向に対する軸受ブロック94の移動を規制するストッパ部材、110は軸体と軸受ブロック94との固定状態を確保するダブルナットである。これによって、左右いずれかの方向回りにハンドル90を操作すると、軸受ブロック94により回転軸18の自在回転を行なわせつつラック・ピニオン82、92と軸回り回転機構96を介して回転軸18を軸方向移動させる。
【0031】
一方、図1ないし図4において、ドラム14、16の図上右側に回転軸18を回転駆動させる駆動手段が設けられている。本実施形態において、特に、回転軸18の回転方向を切り替えるために回転軸への駆動力伝達を切り替える駆動力伝達切替手段22が設けられ、軸方向移動する回転軸に対してその回転方向切替を円滑、確実に行ない、さらに一方向回転モータやエンジン発動機等の安価な原動機をそのまま適用し得るようにしている。
【0032】
図において、駆動手段は、例えばモータからなる原動機112と、減速機114と、駆動力伝達切替手段と、を含む。減速機114は、複数の歯車を咬合させて原動機112の出力軸116の回転を所要の減速比により減速させる。減速機114の出力軸118は、基台上に立設された他の支持枠242間に突出横架して回転自在に支持され、その出力軸の支持枠242部分にプーリ120が固定されている。そして、この出力軸118と回転軸18との中間部分に駆動力伝達切替装置22が設けられている。
【0033】
実施形態において、駆動力伝達切替装置22は、離隔して並列配置され第1、第2の入力切替歯車122a、122bを有する2入力1出力歯車機構124と、プーリ120に連動されていずれかの切替歯車に選択的に歯車連結する入力歯車126を備えた切替機構128と、切替機構の入力歯車126をいずれかの切替歯車122に切り替え駆動させる切替駆動機構130と、を備えている。2入力1出力歯車機構124は、図2に示すように、対向して基台上に立設された支持枠241に互いに咬合しつつ軸受を介して回転自在に支持された一対の咬合歯車132、134と、それぞれの歯車132、134よりも小さな歯車であって、それらの歯車軸の端部に互いに離隔して固定された切替歯車122a、122bと、を含む。そして、咬合歯車のいずれか(本実施形態では134)の歯車軸135が支持枠241の外部に突設延長されて端部が支持枠24cに回転自在に支持されている。この歯車軸135には、軸方向に長い筒状の長歯歯車136が固定されており、この長歯歯車136と、回転軸18の右端支持枠24cから突出した部分に固定された連動歯車138が咬合して設けられている。回転軸18の軸方向移動に伴い、連動歯車138は長歯歯車136との咬合を維持しながら長歯歯車136に沿ってその軸方向に咬合位置をHのシフト幅で変位させる。2入力1出力歯車機構124の切替歯車122a、122bに同一回転方向の回転が選択的に入力されると、その出力側の長歯歯車136の回転方向が反転する。
【0034】
切替機構128は、入力歯車126を連結させ減速機の出力軸118に固定された小プーリ120にベルト139を介して連動されるプーリ140と、入力歯車126をいずれかの切替歯車に選択的に歯車連結させる案内移動装置と、を含む。すなわち、基台上に離隔して対向立設された支持枠242に横長孔140が設けられ、この横長孔140に横移動案内されるようにプーリ軸142に固定したプーリ144が設置されている。詳細には、両支持枠242の上端をコ字状に覆うように門形枠146が配置され、この門形枠146の両側板に、横長孔140の長手方向にスライド自在に対向した2個の軸受148a、148bが取り付けられている。プーリ軸142は両側をこれらの軸受に軸支されて転動自在に支持されている。そして、このプーリ軸142のドラム側の端部は左側の支持枠242から突出されその軸端側に入力歯車126が固定されている。軸受148に軸支されたプーリ142は、軸受148を両側に固定した門形枠146と一体的に横長孔140に沿ってスライド状に移動する。この移動範囲は図12、13に示すように、少なくとも入力歯車126がいずれかの切替歯車122a、122bと咬合する状態を確保し得る範囲に設定される。なお、詳細には、図12に示すように小プーリ120の軸を中心に大プーリ144がセクタ状に首振り運動をするように動くので、横長孔140は、大きな曲率の円弧孔とされるか、又は、門形枠が移動しうる大きさの孔として、支持枠242側に軸受148を円弧状に移動案内させる案内レールを取り付けても良い。
【0035】
さらに、図2において、案内移動装置の近傍には操作部150が設けられている。実施形態において、操作部150は、門形枠146に接続されて入力歯車126を第1、第2切替歯車122a、122bに選択的に切替咬合駆動させる手動操作機構からなり、図11に示すように、基台に取り付けたL字形ブラケット152に下端を枢支させて立設した操作ロッド154と、該操作ロッド154の高さ方向中間部にその一端側を枢支させた連結バー156と、を含む。連結バー156の他端側は、図10の門形枠146の一側面側に枢支連結されており、操作ロッド154を図11上、矢示P方向に押動、引き戻し操作することにより、門形枠146を横長孔140に沿って横移動させ、これによって、入力歯車126を切替歯車122のいずれかに選択的に咬合させる。L字形ブラケット152には、操作ロッド154の傾動角度設定用の咬み合い凹部158を有するとともに、操作ロッド側にはレバー160に連係して該咬み合い凹部158のいずれかの凹溝に係脱自在なスプリング付勢された係合子162が設けられており、常時はスプリングの付勢力により係合子162がいずれかの凹溝に押し付けられて操作ロッド154の角度が保持されるとともに、レバー160を握り込んで係合子を凹溝から離脱させた状態でP方向に押動あるいは引き込み操作することにより連結バー156を門形枠方向に対して進退駆動させる。通常は、L字ブラケット152の立設部位に沿って縦方向に配置した状態と、操作ロッド154を最も傾動させた状態と、により門形枠146が横長孔140内を移動し、それに対応して入力歯車126の切替歯車122に対する選択的な咬合が得られるようになっている。
【0036】
図1、2に戻って、前述したドラムには制動機構が設けられている。制動機構は、両ドラムから引き出されてループ状に配置された索条の搬送時の必要に応じたブレーキングと、駆動力を離断されてフリーとされたドラムからの索条の過大な繰り出しを防止して索条のもつれを防止する制動手段である。図3、4において、中央側支持枠24bに対向する側の両ドラム14、16の側枠30にはそれらの外側においてブレーキドラム302、304がワイヤドラム14、16とそれぞれ一体回転するように付設固定されている。ブレーキドラム302、304はそれぞれのワイヤドラムの胴部28よりも大きく側枠30の大きさよりもやや小さい胴部306、308を有し、両ワイヤドラムの側枠30からそれぞれ外側に張り出して一体的に設けられている。
【0037】
図9においてワイヤドラム16側の制動機構を示しており、該制動機構は、ワイヤドラム16のブレーキドラム302の近傍に一端を基台側に枢支されたペダル310と、ペダルの他端側に一端を枢支されその他端側を基台側に枢支させてブレーキドラム302を上面から覆うように略U字状に曲成されたブレーキプレート312と、を含む。ブレーキプレート312の下面側にはブレーキシュー314が張設されており、ブレーキドラム302との間に微小の間隙を設けて配置されている。足踏み式のペダル310とブレーキプレート312との枢支部316には押しバネ318が設置されてペダルの他端側を持ち上げ、ブレーキプレート312とブレーキドラム302間に常時空隙を形成させて非制動状態を保持させる。ブレーキプレート312の他端側は一端を基台側に枢支させた補助プレート320に固定されており、さらに、この補助プレートと基台側にバネ322が介設されてペダル310の踏み込み時のブレーキプレート312のブレーキドラムに対する弾力的な制動を行なわせるようにしている。この制動機構は、ワイヤドラム14側についても同様の構成で設置されている。
【0038】
次に、本実施形態のウインチ装置の作用について説明すると、1本の索条の両端側が、それぞれのワイヤドラム14、16に連結されて図14のように、ウインチ装置を含む閉ループが形成されるように索条が配置される。いま、例えば図3において、第1、第2の選択駆動歯車46、58がともにそれぞれの対応する内歯歯車42、56に咬合しない状態(ニュートラル状態)にあり、このとき、左右のドラム14、16はいずれも回転軸18との連結がなく、フリーの状態となっている。この状態から、例えば回転入力部76のハンドル90を左回転すると、変換機構78を介して回転軸18はx1方向(図上、左方向)に軸方向移動し、第1移動範囲規制部材48が右受板40に当接し、第1選択駆動歯車46が内歯歯車42に咬合する。このとき、右ドラム側の第2選択駆動歯車58は受板52、54の中間位置にあって非咬合状態を維持している。次に、操作ロッド154を操作して駆動力伝達切替装置22の入力歯車126を例えば切替歯車122bと咬合するように切り替えて回転軸18をドラム14が巻き取り回転するように回動させると、図14上、索条12はR1方向に周回移動する。一方、索条を反転周回させたいときには、ハンドル90を右回転させ、回転軸18をx2方向(図上、右方向)に軸方向移動させると、第2移動範囲規制部材60がドラム16の右側側枠30の内側に当接して回転軸の軸方向移動が規制される。このとき、右ドラム16の第2選択駆動歯車58は、内歯歯車56に咬合状態となり、右ドラムと回転軸18とが連動状態となる。一方、このとき、左ドラム14の第1選択駆動歯車46は受板38、40の中間位置にあって、非咬合状態である。そして、操作ロッド154を操作して駆動力伝達切替装置22の入力歯車126を例えば切替歯車122aと咬合するように切り替えて回転軸18をドラム16が巻き取り回転するように回動させると、図14上、索条12はR2方向に周回移動することとなる。この際、適宜ブレーキ操作が必要な場合には、制動機構のいずれかのペダル310を踏み込んでドラムの回動を制動させる。
【0039】
このように、縦続接続され索条が巻き掛けられてそれぞれ自由回転可能な2個のドラムの軸に回転軸を貫通させ、回転軸といずれかのドラムとを選択的に連動させることにより、索条を双方向に牽引、繰り出しさせながら索条に接続させた物品を搬送させるから、回転軸の軸方向移動操作により1個のドラムのみが選択咬合され、これに回転軸を介してドラムの回転方向の指示のみを行なうことにより簡単な操作で、しかも広範囲にわたる効率的な伐採竹/木、あるいはその他の任意の物品の搬送を行なうことが可能となる。なお、実施形態では、原動機は、電動モータとしているが、油圧モータ、エンジン発動機その他の回転機器あるいは、原動機を用いてもよい。
【0040】
次に、上記のウインチ装置を用いた本発明の第2の実施形態に係る伐採竹/木の回収装置並びにその方法について、図14ないし図17により説明するが、前記した実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。本発明の伐採竹/木の回収装置は、双方向牽引、繰り出し可能な索条を併設した2個のドラムにその両端を直結状に固定させ、索条を引き出した状態としてループ状に配置させて案内手段によりループ状にかつ双方向牽引、繰り出し自在に駆動させるようにした回収装置である。
【0041】
図14において、本実施形態の回収装置400は、例えば1平方メートル当りに1本程の竹Bが密生する孟宗竹林BBの付近の空き地S等に配置させた自動車Mに車載したウインチ装置10を備えて構成される。本実施形態の回収装置400は、竹/木林中の複数箇所に設置した案内ガイド402と、案内ガイドに案内されつつ水平ループ状に移動する索条12と、索条と伐採した竹/木BWを連結させる連結装置404と、索条12の両端側を双方向に牽引あるいは繰り出し駆動させるウインチ装置10と、を備えている。索条12は、例えばワイヤロープからなりその両端は、ウインチ装置10のそれぞれのドラム14、16の終端固定部において固定されている。したがって、実施形態において、索条12は、切れめのない連続索条からなり、いずれかのドラム14、16の牽引、繰り出し駆動によりR1またはR2方向に周回駆動される。
【0042】
図において、案内ガイド402は、竹/木林中の複数箇所に例えば環状に離隔して設置して索条12を水平ループ状に移動案内させる案内手段であり、本実施形態では、例えば図17に示すように支持軸としての縦軸406に支持されて水平回転するプーリ408を備えたガイドブロックから構成されている。ガイドブロックは、例えば金属製からなり、縦軸406を伐採竹の残部としての基幹410の中空内部に縦方向に挿入し、その隙間に超早強系コンクリート等を充填して固化させて支持させるようにしている。プーリ408は、ワイヤロープの直径よりも十分に大きな幅と深さをもつガイド溝412を有しており、ワイヤロープをそれぞれ外掛けで掛け回してガイドブロックの外周側をワイヤロープが周回移動するように案内させる。このプーリ408の設置高さは基本的には任意でよいが、地面に対して数センチメートルあるいは、数十センチメール程度の低い位置に設定されるのが好ましい。
【0043】
なお、この案内ガイド402は、図18に示すように、他の固定手段を用いて竹林中に環状に配置固定させるようにしてもよい。この図18の案内ガイドでは、基板414上に補強プレート416を介して補強した状態で縦軸406を溶接等により立設固定させ、基板414はアンカー部材418を地中に打ち込んで固定させたものである。
【0044】
一方、索条12と、伐採した竹/木BWを連結させる連結装置404が水平ループ状に移動するワイヤロープの任意の1個又は複数箇所に取り付けられている。本実施形態において、特に、連結装置404は、ガイドブロックに外掛け状態で周回するワイヤロープの周回移動を阻害しない連結装置であり、詳細には、該連結装置は、索条12に通係された状態で連結される環状固定具420を含む。図15、16は、連結装置404の要部を示しており、実施形態において、連結装置404は、3個の環状固定具420と、それぞれに接続固定された接続環422と、それらの接続環422の孔を通係して緩く環状に連結されたチェーン424と、一端をチェーンに通係されて他端側が枝ワイヤロープ426と連結するワイヤ端末固定金具428と、を備えている。環状固定具420は、ガイドブロックに外掛けされてワイヤロープ12が周回する際にガイドブロックのガイド溝412を円滑に摺動しうるように、少なくともガイド溝412との摺動側に円弧状の部位を有する環状固定手段であり、実施形態において、ガイド溝412との摺動側がU字の底部に対応するようにワイヤロープに通係状に装着させたUボルト430と、Uボルトの端部側を通係してあてがった通しプレート432と、固定ナット434と、を含む。なお、通しプレート432とワイヤロープ12側との間には弾性体436が介設されて連結状態を確実にしている。なお、環状固定具420は、1個のみ、あるいは、2個、4個以上など適宜に設けて使用できる。
【0045】
枝ワイヤロープ426は、連結装置の固定箇所に適宜の本数連結して設けられ他端側を伐採竹/木側に連結される枝索条であり、その長さも任意に設定してよい。好適には、図14のJ及びK位置のように、ループ状に配置した索条の相対位置に枝索条を連結させるようにすることにより、最も反転、牽引効率を良好にさせる。
【0046】
なお、図中438は、両ドラムから牽引、繰り出しされる索条の張力維持装置であり、ある程度の張力を保つようにウインチ装置の前部に設置して両ドラム側から延長された索条を挟み込む転動ガイドローラ等の張力安定具が必要に応じて設けられている。
【0047】
上述した伐採竹/木の回収装置は、多数密生する竹林内の任意の大きさとなる環状位置の複数箇所に案内ガイド402を配置固定し、ウインチ装置の一方側のドラムから引き出した索条をそれらの案内ガイドに外掛けして掛け回す。その状態で、適宜の索条位置に環状固定具420を固定し、さらに、枝ワイヤロープ426を固定したワイヤ端末固定金具428を連結させる。そして、伐採した竹Bを枝ワイヤロープ426の先端側に適宜係止連結させ、その状態で、ウインチ装置10を駆動させてR1あるいはR2方向に主索条12を周回駆動させて伐採竹等を回収させる。これによって、広範にかつ大量の切り出した竹を一度に回収でき、搬送効率を大幅に向上させ得る。
【0048】
以上説明した本発明のウインチ装置及びそれを用いた伐採竹/木の回収装置並びにその回収方法は、上記の実施の形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲における変更も本発明に含まれる。
【0049】
【発明の効果】
以上、説明した様に、本発明に係るウインチ装置によれば、索条が巻き掛けられて併設された2個のドラムと、両ドラムを貫通して配置された回転軸と、いずれかのドラムと回転軸とが連結状態のときには他のドラムが回転軸に対して自由回転状態とさせるように選択的に連動させる選択連動手段と、回転軸を回転駆動させる駆動手段と、を備えた構成であるから、1個の原動機のみでいずれかのドラムの駆動選択を行なえ、比較的にコンパクトな構成で低コストでありながら、連続した例えば1本の索条の両端側を両ドラムのそれぞれいずれかに連結させた状態で、双方向への牽引、繰り出し操作を確実にかつ簡単に行なえて、広範囲に大量の物品搬送を同時に行わせることが可能である。特に離隔して広い範囲に存在する複数の物品等の安全かつ確実な搬送を実現し得る。また、山間林地等での竹、木林での伐採回収作業等に用いて高効率の搬送を行なえる。
【0050】
また、選択連動手段による選択連動が、回転軸と2個のドラムとの軸方向相対移動により行なわれる構成とすることにより、例えば回転軸の軸方向移動のみで駆動側ドラムを選択し、他方のドラムをニュートラル状態にでき、繰り出しあるいは牽引の方向選択操作が容易であるとともに、構成部材が共通化して点検、交換、保守も簡単である。
【0051】
また、選択連動手段は、回転軸と2個のドラムとの軸方向相対移動に伴い回転軸とそれぞれのドラムとを選択的に、かつ、連結離脱自在に歯車連結させる歯車連結機構が設けられて構成され、さらに、歯車連結機構は、回転軸と各々のドラムに設けられて回転軸と各ドラムとの軸方向相対移動に伴いそれぞれ連結離脱自在に歯車連結する第1、第2歯車連結部を有する構成とされることにより、回転軸と2個のドラムとの軸方向相対移動による選択連動構成を具体的に実現し得る。
【0052】
また、選択連動手段による選択連動が軸方向駆動手段による回転軸の軸方向移動により行なわれるようにすることにより、両ドラムの共通の支軸としての回転軸を軸方向移動させるだけで、いずれかの駆動すべきドラムの連動選択が行なえ、簡単な機構で選択連動構成を実現し得る。
【0053】
また、軸方向駆動手段は、回転入力部と、回転入力部の回転入力を回転軸の軸方向移動に変換する変換機構と、を備えた構成とすることにより、回転軸の回転自在構成を維持しつつその軸方向移動を円滑に行なわせ得る。
【0054】
また、回転軸の回転方向を切り替えるために回転軸への駆動力伝達を切り替える駆動力伝達切替手段を備えた構成とすることにより、一方向回転の安価なモータやエンジン発動機を利用して低コストの装置を構成し得る。特に山間部や林野地等の電力供給が望めない場所での燃料式回転機の使用を実現させ得る。
【0055】
また、回転軸への駆動力伝達を切り替える駆動力伝達切替手段は、回転軸に対して右または左回転を与えるように接続され離隔して配置された第1、第2切替歯車と、第1、第2切替歯車に選択的に咬合し得るように設けられた入力歯車と、入力歯車を第1、第2歯車に選択的に切替咬合させる操作部と、を備えた構成とすることにより、自在回転と、軸方向移動を行なう回転軸への回転方向切替構成を具体的に実現し得る。
【0056】
また、それぞれのドラムごとに対応してドラムの回転を制動する制動手段が設けられた構成とすることにより、ドラムからの索条の過度の繰り出し時や広範囲搬送時の不慮の事故あるいは緩やかな牽引操作等が必要な際等にドラムを直接制動し得るので迅速な制動により安全かつ確実な物品の搬送作業を行なうことが可能である。
【0057】
また、本発明の伐採竹/木の回収装置は、竹/木林中の複数箇所に設置した案内手段と、該案内手段に案内されつつ水平ループ状に移動する索条と、案内手段による索条のループ状案内移動を阻害しないように索条と伐採した竹/木を連結させる連結機構と、索条の両端側を双方向に牽引あるいは繰り出し駆動させる請求項1ないし8のいずれかに記載のウインチ装置と、を備えた構成であるから、低コストのウインチを用いて、連続した例えば1本の索条の両端側を両ドラムのそれぞれいずれかに連結させた状態で、双方向への牽引、繰り出し操作を確実にかつ簡単に行なえて、広範にかつ大量の切り出した竹材や木材を一度に回収でき、搬送効率を大幅に向上させることができる。したがって、少ない労働力及び労力によりこれらを実現できるから、労働力不足、あるいは老齢化したこの種林業分野だけでなく、一般の農家や住宅等においても簡易に該ウインチ装置を適用でき竹林の整備を行なえるので、竹の産業としての素材利用だけでなく、筍等の食材としての収穫も行ないやすくなり竹林整備、隣地への竹による侵奪事故などを未然に防止できる。
【0058】
また、索条が切れめのない連続索条からなり、その両端側がそれぞれいずれかのドラムに連結されている構成とすることにより、1つのウインチ装置による双方向の牽引、繰り出し構成を実現し得る。
【0059】
また、連結機構が、索条に通係された状態で連結固定される環状固定具を含むようにすることで、索条のループ状水平移動時に案内手段により円滑にループの双方向移動を行なわせることができる。
【0060】
さらに、連結機構が、一端を索条側に連結され他端を伐採竹/木側に連結される枝索条を有する構成とすることにより、ループ状に周回される主索条に対する伐採竹、木の連結が簡単となり、伐採作業を効率よく行なうことができる。
【0061】
また、案内手段が、縦軸回りに水平回転するプーリを備えたガイドブロックからなる構成であるから、索条のループ状水平移動を簡単な構成で、かつ円滑に行なわせることが可能である。
【0062】
また、ガイドブロックの縦軸を伐採竹/木の残部を利用して固定させた構成とすることにより、切り倒した後等の竹等の基幹を用いて強固に縦軸を固定でき、伐採残の部分を有効活用し得る。
【0063】
また、本発明の伐採竹/木の回収方法は、竹/木林中の複数箇所に案内手段を設置し、該案内手段に案内されつつ水平ループ状に移動する索条を配置させ、
索条に伐採した竹/木を連結し、双方向牽引繰り出し手段により索条を双方向に牽引あるいは繰り出し操作させつつ伐採した竹/木を回収させる構成とすることにより、広範にかつ大量の切り出した竹材や木材を一度に回収でき、搬送効率を大幅に向上させることができる。したがって、少ない労働力及び労力によりこれらを実現できるから、労働力不足、あるいは老齢化したこの種林業分野だけでなく、一般の農家や住宅等においても竹林の整備を行なえ、また、筍等の食材としての収穫も行ないやすくなり竹林整備、隣地への竹による侵奪事故などを未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のウインチ装置の一部を断面で示した正面説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態のウインチ装置の一部を断面で示した平面説明図である。
【図3】図2のドラム部分の要部を拡大して示した要部拡大横断面図である。
【図4】図2のドラム部分の要部を拡大して示した他の要部拡大横断面図である。
【図5】(a)は、索条のドラムに対する固定部分の一部省略拡大正面図、(b)は、そのB−B線断面図である。
【図6】図1の回転入力部と変換機構を示す要部拡大横断面説明図である。
【図7】図6の変換機構の部分の要部拡大説明図である。
【図8】図1の回転入力部と変換機構を正面側から見た一部切欠拡大正面図である。
【図9】図1のA−A線拡大矢示図である。
【図10】(a)は、門形枠部分の摺動状態を示す側面側から見た要部拡大説明図、(b)は、その正面側から見た要部縦断面図である。
【図11】図1の手動操作部の拡大全体側面図である。
【図12】大プーリの作用説明図である。
【図13】入力歯車と切替歯車の切替作用説明図である。
【図14】本発明の伐採竹/木の回収装置の全体平面説明図である。
【図15】図14の連結機構の拡大一部省略説明図である。
【図16】図15の側面側から見た縦断面説明図である。
【図17】図14の案内ガイドの拡大正面説明図である。
【図18】図14の他の案内ガイドの構成の拡大正面説明図である。
【符号の説明】
10 ウインチ装置、12 索条、14 左ドラム、16 右ドラム、18 回転軸、20 選択連動手段、22 駆動力伝達切替装置、32 連結離脱機構、34 第1歯車連結部、36 第2歯車連結部、46 第1選択駆動歯車、58 第2選択駆動歯車、76 回転入力部、78 変換機構、84 入力ハンドル機構、96 軸回り回転機構、112 原動機、122a、b 切替歯車、124 2入力1出力歯車機構、126 入力歯車、128 切替歯車、130 切替駆動機構、144 大プーリ、146 門形枠、150 手動操作部、302 ブレーキドラム、400 回収装置、402 案内ガイド、404 連結装置、406 縦軸、408 プーリ、410 基幹、412 ガイド溝、420環状固定具、426 枝ワイヤロープ、430 Uボルト、B 竹、BB 竹林、BW 伐採竹/木、R1、R2 周回方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウインチ装置及びそれを用いた伐採竹/木の回収装置等に係り、特に、簡単な機構で双方向に巻き上げ、繰り出しできるウインチ装置及びそれを用いた伐採竹/木の回収装置並びにその回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材や竹は建材、建具、家具、炭等の原料として通常は人口植栽され、特に天然木林は自然保護の見地から過伐、乱伐を避けて計画的な育成が行なわれている。ところで、そのうちの竹は極めて繁殖力が強く、例えば孟宗竹や苦竹等は幹直径が10cm〜20cm、高さ20m〜30m、重量で100Kgにも達する。これらの竹は、もともとは人口的に植栽されたものであるが、近時の林業関係の労働力不足、竹林の維持管理コストの圧迫、竹林管理者の老齢化等により、急傾斜地や起伏の多い山間部あるいは茶畑、野菜畑、果樹園等のある丘陵地帯でも放置竹林面積が急拡大し、隣接の他人所有の茶畑や、野菜畑、果樹園等に地下茎から地上に成長させてそれらの作物を荒らしたり、檜等の植林を壊滅させる事例も多発してその荒廃が全国的に大きな社会問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、山間部や丘陵地帯の竹林から伐採した竹を搬出するに際しては、1本づつを人力によって搬出する小規模の搬出が主であるが、湿度が高く密生した竹林の急斜面や点在する切り株、あるいは、隆起している竹根等を避けての重量物運搬は、非常に過酷で危険の伴う作業であった。このため、例えば集材機(バックホウ型)のアームに小型のウインチ等を装備させて牽引するような場合がある。このような方法では、少なくとも搬送作業は動力によらしめることができるが、ウインチの巻き取り動作により直線的に牽引するから、林立した竹林の中で厳密な直線状の隙間を探して、そのつど、人力によって牽引物(竹)の倒された場所までワイヤロープを繰り出す作業が必要であり、したがって、集材機の位置から遠く離れた長い距離の牽引にはそれらの段取り作業時間がかかり、かつ、1本づつの牽引作業であるから効率が悪いという問題があった。これに対し、例えば特開2000−53381号において、パワーショベルのブームに別個の駆動源でそれぞれ独立に回転するメインとサブの2個のドラムを並列配置させてそれぞれのワイヤの端部と材木把持ワイヤとを連結具47で連結させ、適宜の立木に係止させたシーブ49を変向点としてそれぞれのドラムの回転駆動時に他のドラムをフリー状態としてメインワイヤの繰り出し作業軽減、木材の動力牽引等を行なわせるウインチが提案されている。しかしながら、この従来の特開2000−53381号のウインチによる搬出方法では、同公報図6に示すように、結局、シーブ49を変向点としてメインワイヤとサブワイヤが直線状に繰り出し、引き込み動作をするだけであり、メインワイヤをフリーにしてドラム部分とシーブと連結具47とで三角形を形成するように連結具47を把持して作業者が搬出させたい木材位置まで引き出して木材に連結させるから、搬出させたい木材の近辺に他の立木等が全くないような現地状況でのみ適用され、密生した竹林等では適用できないばかりでなく、三角形の1つの隅角を形成するように引き出す作業となるので引き出せる範囲が限定され、1本づつを搬送させ得る程度であって、搬送させたい木材の選択自由度が低い問題があった。また、連結具47の移動範囲はメインドラムとシーブ49間の直線部分のみに限定され、図6のサブワイヤを基準とした線対称側での材木を搬出させたい場合には、ワイヤの掛け替え作業や、集材機自体の移動が不可欠となり、木材搬送効率が極めて悪く、搬送時間もかかるという欠点があった。さらに、この従来のウインチでは、メインドラムにおいてメイン油圧モータの駆動力を断続させる点を除くと、メインドラムとサブドラムはそれぞれ個別のウインチを並設させたと同様の構成であって、個別の駆動源により駆動されるものであるから、製造コストが高いばかりでなく、単にメインドラム側がその油圧モータの駆動力を断続させてフリーにさせるだけで、サブドラム側はサブ油圧モータに対して完全な自由回動ではなく、駆動側とのギヤ咬合を維持させた状態であるから、操作がアンバランスとなって誤操作を生じやすいうえに、広範囲で効率の良い搬送を行なわせることが困難であった。また、このように放置竹林の増加の問題とともに、竹炭の吸湿、吸臭効果を生かした利用の可能性が大きいにもかかわらずこれらの資源が有効利用されず、無駄に放置されているという問題もある。さらに、上述した竹材や木材の伐採搬送時だけではなく、種々の物品の搬送作業、緊急救助作業等に際して汎用的に適用し得る双方向に繰り出し、牽引自在な簡易構成、低コストのウインチの開発が待望されていた。
【特許文献1】特開2000−53381号公報(図1、図6)
【0004】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、比較的にコンパクトな構成で低コストでありながら広範囲に大量の物品搬送を同時に行わせることのできるウインチ装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、簡単な操作で広範囲にわたり高効率に大量の伐採竹/木を回収させ得る伐採竹/木の回収装置、並びにその回収方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、索条12が巻き掛けられて併設された2個のドラム14、16と、両ドラムを貫通して配置された回転軸18と、いずれかのドラムと回転軸とが連結状態のときには他のドラムが回転軸に対して自由回転状態とさせるように選択的に連動させる選択連動手段20と、回転軸を回転駆動させる駆動手段(112,22)と、を備えたウインチ装置10から構成される。
【0006】
その際、選択連動手段20による選択連動が、回転軸18と2個のドラム14,16との軸方向相対移動により行なわれるようにするとよい。
【0007】
また、選択連動手段20は、回転軸18と2個のドラム14,16との軸方向相対移動に伴い回転軸とそれぞれのドラムとを選択的に、かつ連結離脱自在に歯車連結させる歯車連結機構からなる構成とすると良い。
【0008】
さらに、歯車連結機構32は、回転軸18と各々のドラムに設けられて回転軸と各ドラムとの軸方向相対移動に伴いそれぞれ連結離脱自在に歯車連結する第1、第2歯車連結部34、36を有するようにするとよい。
【0009】
また、選択連動手段20による選択連動が軸方向駆動手段による回転軸の軸方向移動により行なわれるようにするとよい。軸方向駆動は、モータ等に連動させて行なわせてもよいし、手動による駆動としてもよい。急傾斜地や電力供給源が付近にないような場合には、手動によるのが有利であり、また低コスト化に資する。軸方向駆動構成は単に回転軸を直接に直線的に移動させるようにしてもよく、変換機構を用いて回転入力により軸方向移動させるように構成してもよい。
【0010】
また、軸方向駆動手段は、回転入力部76と、回転入力部の回転入力を回転軸の軸方向移動に変換する変換機構78と、を備えるようにしてもよい。変換機構を介して回転入力により回転軸を軸方向移動させるようにするから、入力操作時に労力が小さくてよく、例えば手動操作による入力を実現させ得る。
【0011】
さらに、回転軸18の回転方向を切り替えるために回転軸への駆動力伝達を切り替える駆動力伝達切替手段22を備えるとよい。回転軸への駆動手段による駆動構成は、例えば歯車連結による原動機出力軸からの直接駆動としてもよい。例えば双方向モータ等の双方向回転原動機を適用し得る。汎用の一方向回転モータやエンジン発動機使用等により、装置コスト低減のためには、駆動力伝達切替手段による切替を行なうのが好ましい。特に竹木の密生地等の電力供給がない場合等において、エンジン式回転機を使用する場合には特に有利である。
【0012】
また、駆動力伝達切替手段22は、回転軸18に対して右または左回転を与えるように接続され離隔して配置された第1、第2切替歯車122a、122bと、第1、第2切替歯車に選択的に咬合し得るように設けられた入力歯車126と、入力歯車を第1、第2歯車に選択的に切替咬合させる操作部150と、を備えるようにしてもよい。入力歯車126の選択切替駆動はモータ等により自動的に行なわせてもよいし、手動によらしめてもよい。
【0013】
さらに、それぞれのドラムごとに対応してドラムの回転を制動する制動手段(310、312)を設けるとよい。ドラムを直接に制動させる方が事故や急なブレーキングが必要な場合に対応しやすいので有利である。
【0014】
また、本発明は、竹/木林(BB)中の複数箇所に設置した案内手段(402)と、該案内手段に案内されつつ水平ループ状に移動する索条12と、案内手段による索条のループ状案内移動を阻害しないように索条と伐採した竹/木を連結させる連結機構404と、索条の両端側を双方向に牽引あるいは繰り出し駆動させるウインチ装置10と、を備えた伐採竹/木の回収装置400から構成される。
【0015】
その際、索条12が切れめのない連続索条からなり、その両端側がそれぞれいずれかのドラム14,16に連結されるようにすると良い。索条の本数は1本でも複数本を束にした用い方でもよい。複数の索条を途中で連結接続させて用いてもよい。その際、案内手段通過時の索条の水平ループ状移動を阻害しないように極端な突出部分を形成させないようにするとよい。
【0016】
また、連結機構404が、索条12に通係された状態で連結固定される環状固定具420を含むようにしてもよい。環状固定具の形状自体は任意であるが、要は、案内手段を通過する際に案内手段から離脱したり、索条自体の円滑な通過を妨げるような連結構成としないようにするのが好ましい。
【0017】
また、連結機構404が、一端を索条側に連結され他端を伐採竹/木側に連結される枝索条426を有するようにしてもよい。
【0018】
さらに、案内手段(402)が、縦軸406回りに水平回転するプーリ408を備えたガイドブロックからなるようにしてもよい。
【0019】
また、ガイドブロックの縦軸406を伐採竹/木の残部(410)を利用して固定させてもよい。
【0020】
また、本発明は、竹/木林中の複数箇所に案内手段を設置し、該案内手段に案内されつつ水平ループ状に移動する索条を配置させ、索条に伐採した竹/木を連結し、双方向牽引繰り出し手段により索条を双方向に牽引あるいは繰り出し操作させつつ伐採した竹/木を回収させる伐採竹/木の回収方法から構成される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明に係るウインチ装置の実施の形態について説明する。本発明のウインチ装置は、比較的にコンパクトな構成で低コストでありながら広範囲に大量の物品搬送を同時に行わせることのできるウインチ装置であり、連続した例えば1本の索条の両端側を両ドラムのそれぞれいずれかに連結させた状態で、双方向への牽引、繰り出し操作を確実にかつ簡単に行なえるようにしたものである。例えば、図14は、本発明のウインチ装置を適用した例を示しており、竹林付近に設置したウインチ装置から繰り出した索条を複数のガイドによりループ状に支持させ、索条を双方向に牽引、繰り出し駆動させながら、索条に接続させた伐採竹等を搬送させるようにしている。
【0022】
図1ないし図13は、本発明の第1の実施形態に係るウインチ装置を示しており、図1、図2に示すように、本実施形態のウインチ装置10は、索条12が巻き掛けられて併設された2個の例えば金属製ドラム14、16と、両ドラムを貫通して配置された回転軸18と、回転軸といずれかのドラム14、16とを選択的に連動させる選択連動手段20と、回転軸18の駆動手段と、を備えている。
【0023】
図において、基台上に相互に離隔して立ち上り固定された複数の支持枠24にそれぞれ軸受26が取り付けられており、該軸受26に回転自在、かつ軸方向移動自在に軸支されて回転軸18が横方向を長手方向として装架されている。回転軸18は、3個の支持枠24a、24b、24cを貫通するように配置されている。中央の支持枠24bとその両側の支持枠24a、24c間に挟まれて、それぞれ回転軸18に対して回転自在かつ軸方向移動自在に左右のドラム14、16が設けられている。それぞれのドラム14、16は内部が中空の胴部28と、その両側に固定された側枠30と、を備えた同じ形状、大きさからなり、それらの軸心部分を1本の回転軸18が貫通して、該回転軸18を共通の支軸としている。そして、回転軸18といずれかのドラム14、16とを選択的に連動させることにより、連動選択されたいずれかのドラムを回転させる。
【0024】
選択連動手段20は、いずれかのドラムと回転軸18とが連結状態のときには他のドラムが回転軸に対して自由回転状態とさせるように選択的に連動させるものであり、本実施形態において、選択連動手段による選択連動は、回転軸18と2個のドラムとの軸方向相対移動により行なわれるようになっている。さらに、選択連動手段20は、回転軸18と2個のドラム14、16との軸方向相対移動に伴い回転軸とそれぞれのドラムとを選択的に、かつ連結離脱自在に歯車連結させる歯車連結機構32を含む。
【0025】
歯車連結機構32は、それぞれのドラム14、16の中空内部であって、回転軸18の各々のドラムの取り付け位置に対応する位置に設けられた第1、第2歯車連結部34、36を含む。図3、4において、左ドラム14の中空内部には同中空内部を縦断するように2個の受板38、40が固定されている。受板38の中心部分には内歯歯車42が嵌合固定されてその中心部分を回転軸18が軸方向(図上、左右方向)移動する。受板40の中心部分には軸受44が取り付けられており、その中心部分を回転軸18が貫通した状態で軸方向移動かつ回転自在にドラム14を係合支持させている。一方、内歯歯車42の近傍位置となる回転軸18には、第1の選択駆動歯車46がその軸心を固定されている。第1選択駆動歯車46は内歯歯車42に咬合する外歯歯車からなり、回転軸18の軸方向移動に伴い内歯歯車42に咬合する状態と、その咬合状態から退避した非咬合状態と、に選択的に変位する。実施形態において、ドラム14に取り付けられた内歯歯車42と、回転軸18に固定された第1選択駆動歯車46とで第1歯車連結部34が構成される。また、実施形態において、右受板40と側枠30との中間位置の回転軸18には第1の移動範囲規制部材48が固定されている。第1移動範囲規制部材48は、回転軸18の軸方向の移動範囲の一方側の移動端を規定する規制手段であり、本実施形態では、円盤状に形成されて回転安定用のフライホイールとしての機能を兼用している。左ドラム14の両側枠30の中心部分にはそれぞれ軸受50が取り付けられて、回転軸18に対して回転、かつ軸方向移動自在に支持させている。さらに、左ドラム14の中央側支持枠24bに対向する側の側枠30には後述する制動機構のブレーキ受部がドラム14と一体回転するように付設固定されている。
【0026】
さらに、図1ないし図4において、右ドラム16は、左ドラムとほぼ同じ形状、同じ大きさで中央支持枠24bを中央線として線対称状に設けられている。すなわち、ドラムの胴部28の中空内部を縦断するように2個の受板52、54が固定され、受板54の中心部分には内歯歯車56が嵌合固定されてその中心部分を回転軸18が軸方向(図上、左右方向)移動する。受板52の中心部分には軸受44が取り付けられており、その中心部分を回転軸18が貫通した状態で軸方向移動かつ回転自在にドラム16を係合支持させている。そして、回転軸18に固定した第2の選択駆動歯車58が回転軸18の軸方向移動に伴い内歯歯車56に咬合する状態と、その咬合状態から退避した非咬合状態と、に選択的に変位する。そして、ドラム16に取り付けられた内歯歯車56と、回転軸18に固定された第2選択駆動歯車58とで第2歯車連結部36が構成される。さらに、右受板54と側枠30との中間位置の回転軸18にはフライホイール機能を兼用した第2の移動範囲規制部材60が固定されている。第2移動範囲規制部材60は、回転軸18の軸方向の移動範囲の他方側の移動端を規定する。したがって、左ドラム14と右ドラム16の第1、第2移動範囲規制部材48、60は、それぞれ左ドラム14の右受板40と右ドラム16の右側枠30と衝合することにより、それぞれの方向に対するそれ以上の回転軸18の軸方向移動が規制される位置において回転軸に固定される。その際、図上移動左端位置で回転軸がその軸方向移動を規制される状態で、左ドラム14の第1歯車連結部34の内歯歯車42と第1選択駆動歯車46が咬合状態となり、かつ右ドラムの第2歯車連結部36の内歯歯車56と第2選択駆動歯車58とが非咬合状態となって左ドラム14が駆動され、右ドラムはフリー回転状態となる。また、図上の移動右端位置で回転軸がその軸方向移動を規制される状態で、右ドラム16の第2歯車連結部36の内歯歯車56と第2選択駆動歯車58が咬合状態となり、かつ左ドラム14の第1歯車連結部34の内歯歯車42と第1選択駆動歯車46とが非咬合状態となって右ドラム16が駆動回転されるとともに左ドラムはフリー回転状態となるように設定される。これによって、縦続接続され索条が巻き掛けられてそれぞれ自由回転可能な2個のドラム14、16の軸に回転軸18を貫通させ、回転軸といずれかのドラムとを選択的に連動させることにより、索条を双方向に牽引、繰り出しさせながら索条に接続させた物品を搬送させ得る。その際、例えば連続した1本の索条の両端側を両ドラムのそれぞれに連結させた状態とすることにより、一方側のドラムが牽引駆動のときには、他のドラムが必ず自由回転で繰り出し状態となり、誤操作なく、物品搬送作業を行なえる。
【0027】
図5(a)、(b)は、1つのドラム(例えばドラム14)に対する索条12としてのワイヤの連結部分を示しており、ワイヤはドラムの胴部曲率に沿った終端固定部62において固定されている。すなわち、ドラムの側枠30に近接する胴部28の一部を切り欠いて支持ブロック64を胴部内側に固定させ、支持ブロック64にワイヤの端部側を挿通案内させ得る溝66を形成させ、該溝66を挿通させて延長させたワイヤの端部を胴部28に溶接固定させている。溝66は、ドラムの胴部28の曲率に沿ってR状に曲成されており、これによって、ワイヤに局部的な張力が加わらないようにしてドラムに対するワイヤの連結耐久性を向上させる。68はワイヤ端末の鉛合金溶着固定部、70は、ワイヤ先端部分を挿通させた保護プレート、72は、溝64を挿通させたワイヤの端末を固定部68で固定した状態でさらに溶融合金で固着させた保護材である。これらの固定処理は、ドラムの胴部28の一部を開閉する蓋74を開蓋させた状態で行なわれる。一方、他のドラム(例えばドラム16)側については、索条12の端部は図示しないが例えば係止用フックが固定されており、胴部28の内部に固定した受け環に開閉蓋74を開いて係脱自在に係止するようにしている。
【0028】
図1ないし図4において、左ドラム14の外側には回転軸の軸方向駆動手段が設けられている。軸方向駆動手段は、回転軸18を強制的に軸方向に移動させるものであり、本実施形態において、軸方向駆動手段は、回転入力部76と、変換機構78と、を含む。
【0029】
図1ないし図4において、左端側の支持枠24aの外側にケース80が固定され該ケースの底部に横方向に向けてラック82が固定されている。そして、このラック82に案内されながら横移動する入力ハンドル機構84が取り付けられている。入力ハンドル機構84は、手動によるハンドル操作で回転軸の軸方向移動に向けて駆動力を入力させる手段であり、実施形態において、ケース80の正面側に設けた横長孔86を貫通し先端を左端側支持枠24aから突設させた回転軸18に係合させるように設けられたシャフト88と、シャフトの外部側端部に固定されたハンドル90と、を含む。図6にも示すように、シャフト88の中間位置にはラック82の上付きのラック歯に噛み合うピニオン92が固定されており、これによって、ハンドル90をシャフトの軸周り方向に回転させることによりシャフト88は回転軸18との略直角方向の係合関係を保持しながら左右に横移動する。ここに、回転入力部76は、入力ハンドル機構と、ラック・ピニオン機構と、を含む。なお、図示を省略しているが、例えば図2のラック82とシャフト88の先端側との中間にはシャフトの横移動の際の横方向案内孔を形成した中間案内板がケース80に固定されており該シャフトの安定した横移動を行なわせるようにしている。また、ラック82は実施形態では1個のみ設けるようにしているが、離隔して複数個並列に設け、シャフトにも対応してピニオンを複数取り付けて、シャフトの先端側における回転軸18との接続部分に加わる係合角度を歪ませないように支持させるのが好ましい。
【0030】
図6、7において、シャフト88の先端側と回転軸18の突出部分との接続部分において変換機構78が設けられている。変換機構78は、回転軸18の自由回転状態を確保しつつ回転入力部76の回転入力を同回転軸の軸方向移動に変換する変換手段であり、本実施形態において、回転軸18の突出部に回転自在に取り付けられた軸受ブロック94と、軸受ブロック94の一部に対して軸回り回転自在に連結する軸回り回転機構96と、を含む。軸受ブロック94は、横方向に長く配置された回転軸18に対して回転自在に設けられ、回転軸18に内輪を固定された軸受と、その外被ケース98と、からなる。一方、シャフト88の先端部には該シャフトの外径を一体的に拡大させ内部に円盤状の空隙を形成させた閉鎖板を介して分割、組み立て可能な軸回り連結ブロック100が取り付けられている。そして、軸受ブロック94に一端を固定し、他端に円板102の中心から直角方向に伸びる軸体104からなる連結受体106が固定されており、この連結受体106の円板102が軸回り連結ブロック100の円盤状空隙内に収容されて軸回り連結ブロック100と連結受体106の円板102とはシャフト88の軸回り方向に自由回転自在に係合している。なお、108は回転軸18の軸方向に対する軸受ブロック94の移動を規制するストッパ部材、110は軸体と軸受ブロック94との固定状態を確保するダブルナットである。これによって、左右いずれかの方向回りにハンドル90を操作すると、軸受ブロック94により回転軸18の自在回転を行なわせつつラック・ピニオン82、92と軸回り回転機構96を介して回転軸18を軸方向移動させる。
【0031】
一方、図1ないし図4において、ドラム14、16の図上右側に回転軸18を回転駆動させる駆動手段が設けられている。本実施形態において、特に、回転軸18の回転方向を切り替えるために回転軸への駆動力伝達を切り替える駆動力伝達切替手段22が設けられ、軸方向移動する回転軸に対してその回転方向切替を円滑、確実に行ない、さらに一方向回転モータやエンジン発動機等の安価な原動機をそのまま適用し得るようにしている。
【0032】
図において、駆動手段は、例えばモータからなる原動機112と、減速機114と、駆動力伝達切替手段と、を含む。減速機114は、複数の歯車を咬合させて原動機112の出力軸116の回転を所要の減速比により減速させる。減速機114の出力軸118は、基台上に立設された他の支持枠242間に突出横架して回転自在に支持され、その出力軸の支持枠242部分にプーリ120が固定されている。そして、この出力軸118と回転軸18との中間部分に駆動力伝達切替装置22が設けられている。
【0033】
実施形態において、駆動力伝達切替装置22は、離隔して並列配置され第1、第2の入力切替歯車122a、122bを有する2入力1出力歯車機構124と、プーリ120に連動されていずれかの切替歯車に選択的に歯車連結する入力歯車126を備えた切替機構128と、切替機構の入力歯車126をいずれかの切替歯車122に切り替え駆動させる切替駆動機構130と、を備えている。2入力1出力歯車機構124は、図2に示すように、対向して基台上に立設された支持枠241に互いに咬合しつつ軸受を介して回転自在に支持された一対の咬合歯車132、134と、それぞれの歯車132、134よりも小さな歯車であって、それらの歯車軸の端部に互いに離隔して固定された切替歯車122a、122bと、を含む。そして、咬合歯車のいずれか(本実施形態では134)の歯車軸135が支持枠241の外部に突設延長されて端部が支持枠24cに回転自在に支持されている。この歯車軸135には、軸方向に長い筒状の長歯歯車136が固定されており、この長歯歯車136と、回転軸18の右端支持枠24cから突出した部分に固定された連動歯車138が咬合して設けられている。回転軸18の軸方向移動に伴い、連動歯車138は長歯歯車136との咬合を維持しながら長歯歯車136に沿ってその軸方向に咬合位置をHのシフト幅で変位させる。2入力1出力歯車機構124の切替歯車122a、122bに同一回転方向の回転が選択的に入力されると、その出力側の長歯歯車136の回転方向が反転する。
【0034】
切替機構128は、入力歯車126を連結させ減速機の出力軸118に固定された小プーリ120にベルト139を介して連動されるプーリ140と、入力歯車126をいずれかの切替歯車に選択的に歯車連結させる案内移動装置と、を含む。すなわち、基台上に離隔して対向立設された支持枠242に横長孔140が設けられ、この横長孔140に横移動案内されるようにプーリ軸142に固定したプーリ144が設置されている。詳細には、両支持枠242の上端をコ字状に覆うように門形枠146が配置され、この門形枠146の両側板に、横長孔140の長手方向にスライド自在に対向した2個の軸受148a、148bが取り付けられている。プーリ軸142は両側をこれらの軸受に軸支されて転動自在に支持されている。そして、このプーリ軸142のドラム側の端部は左側の支持枠242から突出されその軸端側に入力歯車126が固定されている。軸受148に軸支されたプーリ142は、軸受148を両側に固定した門形枠146と一体的に横長孔140に沿ってスライド状に移動する。この移動範囲は図12、13に示すように、少なくとも入力歯車126がいずれかの切替歯車122a、122bと咬合する状態を確保し得る範囲に設定される。なお、詳細には、図12に示すように小プーリ120の軸を中心に大プーリ144がセクタ状に首振り運動をするように動くので、横長孔140は、大きな曲率の円弧孔とされるか、又は、門形枠が移動しうる大きさの孔として、支持枠242側に軸受148を円弧状に移動案内させる案内レールを取り付けても良い。
【0035】
さらに、図2において、案内移動装置の近傍には操作部150が設けられている。実施形態において、操作部150は、門形枠146に接続されて入力歯車126を第1、第2切替歯車122a、122bに選択的に切替咬合駆動させる手動操作機構からなり、図11に示すように、基台に取り付けたL字形ブラケット152に下端を枢支させて立設した操作ロッド154と、該操作ロッド154の高さ方向中間部にその一端側を枢支させた連結バー156と、を含む。連結バー156の他端側は、図10の門形枠146の一側面側に枢支連結されており、操作ロッド154を図11上、矢示P方向に押動、引き戻し操作することにより、門形枠146を横長孔140に沿って横移動させ、これによって、入力歯車126を切替歯車122のいずれかに選択的に咬合させる。L字形ブラケット152には、操作ロッド154の傾動角度設定用の咬み合い凹部158を有するとともに、操作ロッド側にはレバー160に連係して該咬み合い凹部158のいずれかの凹溝に係脱自在なスプリング付勢された係合子162が設けられており、常時はスプリングの付勢力により係合子162がいずれかの凹溝に押し付けられて操作ロッド154の角度が保持されるとともに、レバー160を握り込んで係合子を凹溝から離脱させた状態でP方向に押動あるいは引き込み操作することにより連結バー156を門形枠方向に対して進退駆動させる。通常は、L字ブラケット152の立設部位に沿って縦方向に配置した状態と、操作ロッド154を最も傾動させた状態と、により門形枠146が横長孔140内を移動し、それに対応して入力歯車126の切替歯車122に対する選択的な咬合が得られるようになっている。
【0036】
図1、2に戻って、前述したドラムには制動機構が設けられている。制動機構は、両ドラムから引き出されてループ状に配置された索条の搬送時の必要に応じたブレーキングと、駆動力を離断されてフリーとされたドラムからの索条の過大な繰り出しを防止して索条のもつれを防止する制動手段である。図3、4において、中央側支持枠24bに対向する側の両ドラム14、16の側枠30にはそれらの外側においてブレーキドラム302、304がワイヤドラム14、16とそれぞれ一体回転するように付設固定されている。ブレーキドラム302、304はそれぞれのワイヤドラムの胴部28よりも大きく側枠30の大きさよりもやや小さい胴部306、308を有し、両ワイヤドラムの側枠30からそれぞれ外側に張り出して一体的に設けられている。
【0037】
図9においてワイヤドラム16側の制動機構を示しており、該制動機構は、ワイヤドラム16のブレーキドラム302の近傍に一端を基台側に枢支されたペダル310と、ペダルの他端側に一端を枢支されその他端側を基台側に枢支させてブレーキドラム302を上面から覆うように略U字状に曲成されたブレーキプレート312と、を含む。ブレーキプレート312の下面側にはブレーキシュー314が張設されており、ブレーキドラム302との間に微小の間隙を設けて配置されている。足踏み式のペダル310とブレーキプレート312との枢支部316には押しバネ318が設置されてペダルの他端側を持ち上げ、ブレーキプレート312とブレーキドラム302間に常時空隙を形成させて非制動状態を保持させる。ブレーキプレート312の他端側は一端を基台側に枢支させた補助プレート320に固定されており、さらに、この補助プレートと基台側にバネ322が介設されてペダル310の踏み込み時のブレーキプレート312のブレーキドラムに対する弾力的な制動を行なわせるようにしている。この制動機構は、ワイヤドラム14側についても同様の構成で設置されている。
【0038】
次に、本実施形態のウインチ装置の作用について説明すると、1本の索条の両端側が、それぞれのワイヤドラム14、16に連結されて図14のように、ウインチ装置を含む閉ループが形成されるように索条が配置される。いま、例えば図3において、第1、第2の選択駆動歯車46、58がともにそれぞれの対応する内歯歯車42、56に咬合しない状態(ニュートラル状態)にあり、このとき、左右のドラム14、16はいずれも回転軸18との連結がなく、フリーの状態となっている。この状態から、例えば回転入力部76のハンドル90を左回転すると、変換機構78を介して回転軸18はx1方向(図上、左方向)に軸方向移動し、第1移動範囲規制部材48が右受板40に当接し、第1選択駆動歯車46が内歯歯車42に咬合する。このとき、右ドラム側の第2選択駆動歯車58は受板52、54の中間位置にあって非咬合状態を維持している。次に、操作ロッド154を操作して駆動力伝達切替装置22の入力歯車126を例えば切替歯車122bと咬合するように切り替えて回転軸18をドラム14が巻き取り回転するように回動させると、図14上、索条12はR1方向に周回移動する。一方、索条を反転周回させたいときには、ハンドル90を右回転させ、回転軸18をx2方向(図上、右方向)に軸方向移動させると、第2移動範囲規制部材60がドラム16の右側側枠30の内側に当接して回転軸の軸方向移動が規制される。このとき、右ドラム16の第2選択駆動歯車58は、内歯歯車56に咬合状態となり、右ドラムと回転軸18とが連動状態となる。一方、このとき、左ドラム14の第1選択駆動歯車46は受板38、40の中間位置にあって、非咬合状態である。そして、操作ロッド154を操作して駆動力伝達切替装置22の入力歯車126を例えば切替歯車122aと咬合するように切り替えて回転軸18をドラム16が巻き取り回転するように回動させると、図14上、索条12はR2方向に周回移動することとなる。この際、適宜ブレーキ操作が必要な場合には、制動機構のいずれかのペダル310を踏み込んでドラムの回動を制動させる。
【0039】
このように、縦続接続され索条が巻き掛けられてそれぞれ自由回転可能な2個のドラムの軸に回転軸を貫通させ、回転軸といずれかのドラムとを選択的に連動させることにより、索条を双方向に牽引、繰り出しさせながら索条に接続させた物品を搬送させるから、回転軸の軸方向移動操作により1個のドラムのみが選択咬合され、これに回転軸を介してドラムの回転方向の指示のみを行なうことにより簡単な操作で、しかも広範囲にわたる効率的な伐採竹/木、あるいはその他の任意の物品の搬送を行なうことが可能となる。なお、実施形態では、原動機は、電動モータとしているが、油圧モータ、エンジン発動機その他の回転機器あるいは、原動機を用いてもよい。
【0040】
次に、上記のウインチ装置を用いた本発明の第2の実施形態に係る伐採竹/木の回収装置並びにその方法について、図14ないし図17により説明するが、前記した実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。本発明の伐採竹/木の回収装置は、双方向牽引、繰り出し可能な索条を併設した2個のドラムにその両端を直結状に固定させ、索条を引き出した状態としてループ状に配置させて案内手段によりループ状にかつ双方向牽引、繰り出し自在に駆動させるようにした回収装置である。
【0041】
図14において、本実施形態の回収装置400は、例えば1平方メートル当りに1本程の竹Bが密生する孟宗竹林BBの付近の空き地S等に配置させた自動車Mに車載したウインチ装置10を備えて構成される。本実施形態の回収装置400は、竹/木林中の複数箇所に設置した案内ガイド402と、案内ガイドに案内されつつ水平ループ状に移動する索条12と、索条と伐採した竹/木BWを連結させる連結装置404と、索条12の両端側を双方向に牽引あるいは繰り出し駆動させるウインチ装置10と、を備えている。索条12は、例えばワイヤロープからなりその両端は、ウインチ装置10のそれぞれのドラム14、16の終端固定部において固定されている。したがって、実施形態において、索条12は、切れめのない連続索条からなり、いずれかのドラム14、16の牽引、繰り出し駆動によりR1またはR2方向に周回駆動される。
【0042】
図において、案内ガイド402は、竹/木林中の複数箇所に例えば環状に離隔して設置して索条12を水平ループ状に移動案内させる案内手段であり、本実施形態では、例えば図17に示すように支持軸としての縦軸406に支持されて水平回転するプーリ408を備えたガイドブロックから構成されている。ガイドブロックは、例えば金属製からなり、縦軸406を伐採竹の残部としての基幹410の中空内部に縦方向に挿入し、その隙間に超早強系コンクリート等を充填して固化させて支持させるようにしている。プーリ408は、ワイヤロープの直径よりも十分に大きな幅と深さをもつガイド溝412を有しており、ワイヤロープをそれぞれ外掛けで掛け回してガイドブロックの外周側をワイヤロープが周回移動するように案内させる。このプーリ408の設置高さは基本的には任意でよいが、地面に対して数センチメートルあるいは、数十センチメール程度の低い位置に設定されるのが好ましい。
【0043】
なお、この案内ガイド402は、図18に示すように、他の固定手段を用いて竹林中に環状に配置固定させるようにしてもよい。この図18の案内ガイドでは、基板414上に補強プレート416を介して補強した状態で縦軸406を溶接等により立設固定させ、基板414はアンカー部材418を地中に打ち込んで固定させたものである。
【0044】
一方、索条12と、伐採した竹/木BWを連結させる連結装置404が水平ループ状に移動するワイヤロープの任意の1個又は複数箇所に取り付けられている。本実施形態において、特に、連結装置404は、ガイドブロックに外掛け状態で周回するワイヤロープの周回移動を阻害しない連結装置であり、詳細には、該連結装置は、索条12に通係された状態で連結される環状固定具420を含む。図15、16は、連結装置404の要部を示しており、実施形態において、連結装置404は、3個の環状固定具420と、それぞれに接続固定された接続環422と、それらの接続環422の孔を通係して緩く環状に連結されたチェーン424と、一端をチェーンに通係されて他端側が枝ワイヤロープ426と連結するワイヤ端末固定金具428と、を備えている。環状固定具420は、ガイドブロックに外掛けされてワイヤロープ12が周回する際にガイドブロックのガイド溝412を円滑に摺動しうるように、少なくともガイド溝412との摺動側に円弧状の部位を有する環状固定手段であり、実施形態において、ガイド溝412との摺動側がU字の底部に対応するようにワイヤロープに通係状に装着させたUボルト430と、Uボルトの端部側を通係してあてがった通しプレート432と、固定ナット434と、を含む。なお、通しプレート432とワイヤロープ12側との間には弾性体436が介設されて連結状態を確実にしている。なお、環状固定具420は、1個のみ、あるいは、2個、4個以上など適宜に設けて使用できる。
【0045】
枝ワイヤロープ426は、連結装置の固定箇所に適宜の本数連結して設けられ他端側を伐採竹/木側に連結される枝索条であり、その長さも任意に設定してよい。好適には、図14のJ及びK位置のように、ループ状に配置した索条の相対位置に枝索条を連結させるようにすることにより、最も反転、牽引効率を良好にさせる。
【0046】
なお、図中438は、両ドラムから牽引、繰り出しされる索条の張力維持装置であり、ある程度の張力を保つようにウインチ装置の前部に設置して両ドラム側から延長された索条を挟み込む転動ガイドローラ等の張力安定具が必要に応じて設けられている。
【0047】
上述した伐採竹/木の回収装置は、多数密生する竹林内の任意の大きさとなる環状位置の複数箇所に案内ガイド402を配置固定し、ウインチ装置の一方側のドラムから引き出した索条をそれらの案内ガイドに外掛けして掛け回す。その状態で、適宜の索条位置に環状固定具420を固定し、さらに、枝ワイヤロープ426を固定したワイヤ端末固定金具428を連結させる。そして、伐採した竹Bを枝ワイヤロープ426の先端側に適宜係止連結させ、その状態で、ウインチ装置10を駆動させてR1あるいはR2方向に主索条12を周回駆動させて伐採竹等を回収させる。これによって、広範にかつ大量の切り出した竹を一度に回収でき、搬送効率を大幅に向上させ得る。
【0048】
以上説明した本発明のウインチ装置及びそれを用いた伐採竹/木の回収装置並びにその回収方法は、上記の実施の形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲における変更も本発明に含まれる。
【0049】
【発明の効果】
以上、説明した様に、本発明に係るウインチ装置によれば、索条が巻き掛けられて併設された2個のドラムと、両ドラムを貫通して配置された回転軸と、いずれかのドラムと回転軸とが連結状態のときには他のドラムが回転軸に対して自由回転状態とさせるように選択的に連動させる選択連動手段と、回転軸を回転駆動させる駆動手段と、を備えた構成であるから、1個の原動機のみでいずれかのドラムの駆動選択を行なえ、比較的にコンパクトな構成で低コストでありながら、連続した例えば1本の索条の両端側を両ドラムのそれぞれいずれかに連結させた状態で、双方向への牽引、繰り出し操作を確実にかつ簡単に行なえて、広範囲に大量の物品搬送を同時に行わせることが可能である。特に離隔して広い範囲に存在する複数の物品等の安全かつ確実な搬送を実現し得る。また、山間林地等での竹、木林での伐採回収作業等に用いて高効率の搬送を行なえる。
【0050】
また、選択連動手段による選択連動が、回転軸と2個のドラムとの軸方向相対移動により行なわれる構成とすることにより、例えば回転軸の軸方向移動のみで駆動側ドラムを選択し、他方のドラムをニュートラル状態にでき、繰り出しあるいは牽引の方向選択操作が容易であるとともに、構成部材が共通化して点検、交換、保守も簡単である。
【0051】
また、選択連動手段は、回転軸と2個のドラムとの軸方向相対移動に伴い回転軸とそれぞれのドラムとを選択的に、かつ、連結離脱自在に歯車連結させる歯車連結機構が設けられて構成され、さらに、歯車連結機構は、回転軸と各々のドラムに設けられて回転軸と各ドラムとの軸方向相対移動に伴いそれぞれ連結離脱自在に歯車連結する第1、第2歯車連結部を有する構成とされることにより、回転軸と2個のドラムとの軸方向相対移動による選択連動構成を具体的に実現し得る。
【0052】
また、選択連動手段による選択連動が軸方向駆動手段による回転軸の軸方向移動により行なわれるようにすることにより、両ドラムの共通の支軸としての回転軸を軸方向移動させるだけで、いずれかの駆動すべきドラムの連動選択が行なえ、簡単な機構で選択連動構成を実現し得る。
【0053】
また、軸方向駆動手段は、回転入力部と、回転入力部の回転入力を回転軸の軸方向移動に変換する変換機構と、を備えた構成とすることにより、回転軸の回転自在構成を維持しつつその軸方向移動を円滑に行なわせ得る。
【0054】
また、回転軸の回転方向を切り替えるために回転軸への駆動力伝達を切り替える駆動力伝達切替手段を備えた構成とすることにより、一方向回転の安価なモータやエンジン発動機を利用して低コストの装置を構成し得る。特に山間部や林野地等の電力供給が望めない場所での燃料式回転機の使用を実現させ得る。
【0055】
また、回転軸への駆動力伝達を切り替える駆動力伝達切替手段は、回転軸に対して右または左回転を与えるように接続され離隔して配置された第1、第2切替歯車と、第1、第2切替歯車に選択的に咬合し得るように設けられた入力歯車と、入力歯車を第1、第2歯車に選択的に切替咬合させる操作部と、を備えた構成とすることにより、自在回転と、軸方向移動を行なう回転軸への回転方向切替構成を具体的に実現し得る。
【0056】
また、それぞれのドラムごとに対応してドラムの回転を制動する制動手段が設けられた構成とすることにより、ドラムからの索条の過度の繰り出し時や広範囲搬送時の不慮の事故あるいは緩やかな牽引操作等が必要な際等にドラムを直接制動し得るので迅速な制動により安全かつ確実な物品の搬送作業を行なうことが可能である。
【0057】
また、本発明の伐採竹/木の回収装置は、竹/木林中の複数箇所に設置した案内手段と、該案内手段に案内されつつ水平ループ状に移動する索条と、案内手段による索条のループ状案内移動を阻害しないように索条と伐採した竹/木を連結させる連結機構と、索条の両端側を双方向に牽引あるいは繰り出し駆動させる請求項1ないし8のいずれかに記載のウインチ装置と、を備えた構成であるから、低コストのウインチを用いて、連続した例えば1本の索条の両端側を両ドラムのそれぞれいずれかに連結させた状態で、双方向への牽引、繰り出し操作を確実にかつ簡単に行なえて、広範にかつ大量の切り出した竹材や木材を一度に回収でき、搬送効率を大幅に向上させることができる。したがって、少ない労働力及び労力によりこれらを実現できるから、労働力不足、あるいは老齢化したこの種林業分野だけでなく、一般の農家や住宅等においても簡易に該ウインチ装置を適用でき竹林の整備を行なえるので、竹の産業としての素材利用だけでなく、筍等の食材としての収穫も行ないやすくなり竹林整備、隣地への竹による侵奪事故などを未然に防止できる。
【0058】
また、索条が切れめのない連続索条からなり、その両端側がそれぞれいずれかのドラムに連結されている構成とすることにより、1つのウインチ装置による双方向の牽引、繰り出し構成を実現し得る。
【0059】
また、連結機構が、索条に通係された状態で連結固定される環状固定具を含むようにすることで、索条のループ状水平移動時に案内手段により円滑にループの双方向移動を行なわせることができる。
【0060】
さらに、連結機構が、一端を索条側に連結され他端を伐採竹/木側に連結される枝索条を有する構成とすることにより、ループ状に周回される主索条に対する伐採竹、木の連結が簡単となり、伐採作業を効率よく行なうことができる。
【0061】
また、案内手段が、縦軸回りに水平回転するプーリを備えたガイドブロックからなる構成であるから、索条のループ状水平移動を簡単な構成で、かつ円滑に行なわせることが可能である。
【0062】
また、ガイドブロックの縦軸を伐採竹/木の残部を利用して固定させた構成とすることにより、切り倒した後等の竹等の基幹を用いて強固に縦軸を固定でき、伐採残の部分を有効活用し得る。
【0063】
また、本発明の伐採竹/木の回収方法は、竹/木林中の複数箇所に案内手段を設置し、該案内手段に案内されつつ水平ループ状に移動する索条を配置させ、
索条に伐採した竹/木を連結し、双方向牽引繰り出し手段により索条を双方向に牽引あるいは繰り出し操作させつつ伐採した竹/木を回収させる構成とすることにより、広範にかつ大量の切り出した竹材や木材を一度に回収でき、搬送効率を大幅に向上させることができる。したがって、少ない労働力及び労力によりこれらを実現できるから、労働力不足、あるいは老齢化したこの種林業分野だけでなく、一般の農家や住宅等においても竹林の整備を行なえ、また、筍等の食材としての収穫も行ないやすくなり竹林整備、隣地への竹による侵奪事故などを未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のウインチ装置の一部を断面で示した正面説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態のウインチ装置の一部を断面で示した平面説明図である。
【図3】図2のドラム部分の要部を拡大して示した要部拡大横断面図である。
【図4】図2のドラム部分の要部を拡大して示した他の要部拡大横断面図である。
【図5】(a)は、索条のドラムに対する固定部分の一部省略拡大正面図、(b)は、そのB−B線断面図である。
【図6】図1の回転入力部と変換機構を示す要部拡大横断面説明図である。
【図7】図6の変換機構の部分の要部拡大説明図である。
【図8】図1の回転入力部と変換機構を正面側から見た一部切欠拡大正面図である。
【図9】図1のA−A線拡大矢示図である。
【図10】(a)は、門形枠部分の摺動状態を示す側面側から見た要部拡大説明図、(b)は、その正面側から見た要部縦断面図である。
【図11】図1の手動操作部の拡大全体側面図である。
【図12】大プーリの作用説明図である。
【図13】入力歯車と切替歯車の切替作用説明図である。
【図14】本発明の伐採竹/木の回収装置の全体平面説明図である。
【図15】図14の連結機構の拡大一部省略説明図である。
【図16】図15の側面側から見た縦断面説明図である。
【図17】図14の案内ガイドの拡大正面説明図である。
【図18】図14の他の案内ガイドの構成の拡大正面説明図である。
【符号の説明】
10 ウインチ装置、12 索条、14 左ドラム、16 右ドラム、18 回転軸、20 選択連動手段、22 駆動力伝達切替装置、32 連結離脱機構、34 第1歯車連結部、36 第2歯車連結部、46 第1選択駆動歯車、58 第2選択駆動歯車、76 回転入力部、78 変換機構、84 入力ハンドル機構、96 軸回り回転機構、112 原動機、122a、b 切替歯車、124 2入力1出力歯車機構、126 入力歯車、128 切替歯車、130 切替駆動機構、144 大プーリ、146 門形枠、150 手動操作部、302 ブレーキドラム、400 回収装置、402 案内ガイド、404 連結装置、406 縦軸、408 プーリ、410 基幹、412 ガイド溝、420環状固定具、426 枝ワイヤロープ、430 Uボルト、B 竹、BB 竹林、BW 伐採竹/木、R1、R2 周回方向
Claims (16)
- 索条が巻き掛けられて併設された2個のドラムと、
両ドラムを貫通して配置された回転軸と、
いずれかのドラムと回転軸とが連結状態のときには他のドラムが回転軸に対して自由回転状態とさせるように選択的に連動させる選択連動手段と、
回転軸を回転駆動させる駆動手段と、を備えたことを特徴とするウインチ装置。 - 選択連動手段による選択連動が、回転軸と2個のドラムとの軸方向相対移動により行なわれる請求項1記載のウインチ装置。
- 選択連動手段は、回転軸と2個のドラムとの軸方向相対移動に伴い回転軸とそれぞれのドラムとを選択的に、かつ連結離脱自在に歯車連結させる歯車連結機構からなる請求項1または2記載のウインチ装置。
- 歯車連結機構は、回転軸と各々のドラムに設けられて回転軸と各ドラムとの軸方向相対移動に伴いそれぞれ連結離脱自在に歯車連結する第1、第2歯車連結部を有する請求項3記載のウインチ装置。
- 選択連動手段による選択連動が軸方向駆動手段による回転軸の軸方向移動により行なわれる請求項1ないし4のいずれかに記載のウインチ装置。
- 軸方向駆動手段は、回転入力部と、回転入力部の回転入力を回転軸の軸方向移動に変換する変換機構と、を含む請求項5記載のウインチ装置。
- 回転軸の回転方向を切り替えるために回転軸への駆動力伝達を切り替える駆動力伝達切替手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のウインチ装置。
- 駆動力伝達切替手段は、回転軸に対して右または左回転を与えるように接続され離隔して配置された第1、第2切替歯車と、第1、第2切替歯車に選択的に咬合し得るように設けられた入力歯車と、入力歯車を第1、第2歯車に選択的に切替咬合させる操作部と、を備えた請求項7記載のウインチ装置。
- それぞれのドラムごとに対応してドラムの回転を制動する制動手段が設けられた請求項1ないし8のいずれかに記載のウインチ装置。
- 竹/木林中の複数箇所に設置した案内手段と、
該案内手段に案内されつつ水平ループ状に移動する索条と、
案内手段による索条のループ状案内移動を阻害しないように索条と伐採した竹/木を連結させる連結機構と、
索条の両端側を双方向に牽引あるいは繰り出し駆動させる請求項1ないし9のいずれかに記載のウインチ装置と、を備えたことを特徴とする伐採竹/木の回収装置。 - 索条が切れめのない連続索条からなり、その両端側がそれぞれいずれかのドラムに連結されている請求項10記載の伐採竹/木の回収装置。
- 連結機構が、索条に通係された状態で連結固定される環状固定具を含む請求項10または11記載の伐採竹/木の回収装置。
- 連結機構が、一端を索条側に連結され他端を伐採竹/木側に連結される枝索条を有する請求項10ないし12のいずれかに記載の伐採竹/木の回収装置。
- 案内手段が、縦軸回りに水平回転するプーリを備えたガイドブロックからなる請求項10ないし12のいずれかに記載の伐採竹/木の回収装置。
- ガイドブロックの縦軸を伐採竹/木の残部を利用して固定させた請求項14記載の伐採竹/木の回収装置。
- 竹/木林中の複数箇所に案内手段を設置し、該案内手段に案内されつつ水平ループ状に移動する索条を配置させ、
索条に伐採した竹/木を連結し、双方向牽引繰り出し手段により索条を双方向に牽引あるいは繰り出し操作させつつ伐採した竹/木を回収させることを特徴とする伐採竹/木の回収方法。
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