JP2004149257A - エレベーター移動ケーブルの増設装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動ケーブルの増設が容易に行なえるとともに、短時間で作業が行なえるエレベーター移動ケーブルの増設装置の提供。
【解決手段】昇降路の中間部より上方位置のレール2に設置される移動ケーブル支持装置3の下方位置に、レール2を介して取付けられるブラケット9と、このブラケット9に螺着され複数本の移動ケーブル1をそれぞれ狭圧支持する押え板11とを備え、ブラケット9には、レール2に取付ける取付用螺子穴と、移動ケーブル1の配列間隔に複数列の挟圧用螺子穴とを設け、押え板11には、ブラケット9の挟圧用螺子穴との対向位置に挟圧用螺子穴より大きい穴11dを設けたもので、また、移動ケーブル1と押え板間11に、断面L字状の板体12が少なくとも1枚装着可能に構成されたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】昇降路の中間部より上方位置のレール2に設置される移動ケーブル支持装置3の下方位置に、レール2を介して取付けられるブラケット9と、このブラケット9に螺着され複数本の移動ケーブル1をそれぞれ狭圧支持する押え板11とを備え、ブラケット9には、レール2に取付ける取付用螺子穴と、移動ケーブル1の配列間隔に複数列の挟圧用螺子穴とを設け、押え板11には、ブラケット9の挟圧用螺子穴との対向位置に挟圧用螺子穴より大きい穴11dを設けたもので、また、移動ケーブル1と押え板間11に、断面L字状の板体12が少なくとも1枚装着可能に構成されたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベーター移動ケーブルの増設作業に好適なエレベーター移動ケーブルの増設装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベーターの移動ケーブルは、昇降路の上部にエレベーターの移動ケーブルを支える支持装置を設け、昇降路の中間部に移動ケーブルの揺れを阻止するケーブル押え装置を設け、支持装置とケーブル押え装置の間にワイヤーを張設し、移動ケーブルとワイヤーを所定間隔で固定したものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭57−3512号公報 (第3頁、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のように、支持装置で支えられたエレベーターの既設移動ケーブルに対して、新規移動ケーブルを増設するとき、支持装置から既設移動ケーブルを一旦取外し、新規移動ケーブルを加えた移動ケーブルの本数に見合った支持装置に取替える必要があり、既設移動ケーブルを懸垂支持しなければならず、建物の高さによって移動ケーブルも長くなり既設移動ケーブルの総重量が100kgを超える場合もある。このように支持装置から一旦取外した既設移動ケーブルは、手で支えることは困難であり、例え支えられる重量であっても作業者の肉体的疲労は非常に大きいという問題や、既設移動ケーブルをワイヤーで支持した場合、ケーブルの被服を傷つけたり屈曲する虞があった。
【0005】
本発明の目的は、移動ケーブルの増設が容易に行なえるとともに、短時間で作業が行なえるエレベーター移動ケーブルの増設装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、エレベーターの走行を制御する制御回路が組み込まれる制御盤と、昇降路に立設されるレールに案内されて昇降する乗りかごと、前記制御盤と前記乗りかごとの電気的な接続を行なう複数本の移動ケーブルと、前記昇降路の中間部より上方位置の前記レールに着脱自在に設置され、前記複数本の移動ケーブルを懸垂支持する移動ケーブル支持装置とを備えたエレベーター移動ケーブルの増設装置において、前記移動ケーブル支持装置の下方位置に前記レールを介して取付けられるブラケットと、このブラケットに螺着され前記複数本の移動ケーブルをそれぞれ挟圧支持する押え板とを備え、前記ブラケットには、前記レールに取付ける取付用螺子穴と、前記移動ケーブルの配列間隔に複数列の挟圧用螺子穴とを設け、前記押え板には、前記ブラケットの前記挟圧用螺子穴との対向位置に前記挟圧用螺子穴より大きい穴を設けたもので、また、前記移動ケーブルと前記押え板間に、断面L字状の板体が少なくとも1枚装着されるものである。
【0007】
このように構成したので、移動ケーブルを増設するとき、移動ケーブル支持装置の若干下方位置に取付けたレールにブラケットと、このブラケットに螺着する押え板との間に既設の複数本の移動ケーブルを配置して挟圧保持してから、増設した移動ケーブルと既設の複数本の移動ケーブルとを、移動ケーブル支持装置に懸垂支持するようにしたので、既設の移動ケーブルを長時間手で支持することがなく、作業が安全且つ容易に行なえるとともに、作業時間も短縮できる。
【0008】
また、既設の複数本の移動ケーブルは、ブラケットと押え板にそれぞれ移動ケーブルの配列間隔に設けた複数列の螺子穴及び穴を介して1本ずつ挟圧保持するので、隣接する移動ケーブル厚さの影響を受けず、自重でずれ落ちることがない。
【0009】
また、移動ケーブルと押え板間に断面L字状の板体を装着可能としたので、複数本の移動ケーブルの厚さがまちまちであっても厚みの補正ができ、移動ケーブルの挟圧保持が均一に行なえるとともに、断面L字状としたので、持ち易く脱着時に昇降路に落下させることもない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエレベーター移動ケーブルの増設装置の一実施形態を図1〜図3を用いて説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態を示す移動ケーブル増設装置取付け状態を示す要部斜視図、図2は本発明の移動ケーブル増設装置を用いて移動ケーブルの増設作業後の移動ケーブル支持装置近傍の要部斜視図、図3は移動ケーブル増設作業の作業手順を示すフローチャートである。
【0012】
図において、エレベーターの走行を制御する制御回路が組み込まれる図示しない制御盤と、昇降路を昇降する図示しない乗りかごとを電気的に接続する複数本の移動ケーブル1が昇降路に配設され、また、昇降路には図示しない乗りかごを案内するレール2が立設されており、昇降路中間部の上方位置のレール2には複数本の移動ケーブル1を垂下支持する移動ケーブル支持装置3がレールクリップ4にて締結されている。ここで、移動ケーブル支持装置3は、レールクリップ4でレール2に締結されるブラケット5と、このブラケット5に所定間隔で対向して締結される一対のL金具6と、この一対のL金具6間に装着され、複数本の移動ケーブル1をそれぞれ巻き掛けて支持する円柱形状の支持棒7とで構成されている。
【0013】
また、回路変更やオプション装置を追加するとき、複数本の移動ケーブル1の芯線に予備線が不足すると、複数本の移動ケーブル1に沿わせて新規移動ケーブル8を増設する必要があり、移動ケーブル支持装置3の約70cm下方位置のレール2に、レールクリップ4で締結される移動ケーブル増設装置9を用いて移動ケーブル増設作業が行なわれる。
【0014】
移動ケーブル増設装置9は、レール2にレールクリップ4で締結されるブラケット10と、断面コ字状の板体の対向面である側面11aに上面11bと平行な耳部11cを設けた押え板11と、ブラケット10に押え板11を螺着する図示しない複数個のボルトとで構成されている。ここで、押え板11の側面11aの寸法は、移動ケーブル1の厚みである例えば10mmよりやや小さい例えば9mmで形成され、押え板11の上面11bには、複数本の移動ケーブル1が移動ケーブル支持装置3で支持される配列間隔寸法である例えば10cmの間隔にて、複数列に複数個の穴11dがそれぞれ設けられ、押え板11の耳部11cには、ブラケット11との螺着用の穴11dがそれぞれ設けられている。また、ブラケット10には、レールクリップ4の図示しないボルトが嵌入する図示しない取付用長穴と、押え板11に設けた穴11dの対向位置に図示しない螺子穴が設けられている。
【0015】
また、押え板11と移動ケーブル1に装着される断面L字状の板体であるL字プレート12は、厚さは0.5〜1mm程度で良く、ブラケット10や押え板11の高さと略同じ長さを有しており、ブラケット10と押え板11及び図示しないナットで複数本の移動ケーブル1をそれぞれ挟圧したとき、複数本の移動ケーブル1の厚みに若干差があり、厚みの薄い移動ケーブル1がしっかり挟圧されない場合、押え板11と移動ケーブル1間に挿入して移動ケーブル1の厚みの補正を行なうもので、L字状に形成したことで、着脱のとき掴み易く、押え板11の挟圧を緩めたとき落下することもない。ここで、L字プレート12の材質は、挟圧したとき破損しない材質であれば金属でもビニールでも良い。
【0016】
次に、このような構成の移動ケーブル増設装置9を用いて、3本掛けの移動ケーブル1に新規移動ケーブル8を1本増設する作業手順を説明する。
【0017】
まず、作業者は図示しない乗りかごを移動ケーブル支持装置3の近傍に停止させ、エレベーターに電源を供給する遮断機を開放する。
【0018】
次に、作業者は図示しない乗りかごの上に乗り込み、移動ケーブル支持装置3の下方約70cmの位置のレール4に、レールクリップ4で移動ケーブル増設装置9のブラケット10を取付けるとともに(ステップS1)、ブラケット10の前方に3本の移動ケーブル1が垂下するよう配置させ、押え板11を3本の移動ケーブル1の前方から当接させ、図示しない複数本のボルトで押え板11をブラケット10に締結させた後、更に図示しない複数本のボルトをそれぞれ締上げて、3本の移動ケーブル1をブラケット10と押え板11にて挟圧保持させる(ステップS2)。ここで、移動ケーブル1の厚みの差から保持力が弱い移動ケーブル1があった場合、L字プレート12を押え板11と該当する移動ケーブル1に挿入して、再度複数本のボルトを締上げて、3本の移動ケーブル1の保持力を均一にする。
【0019】
次に、移動ケーブル支持装置3のブラケット5に設けられる一対のL金具6の一方を取外し、支持棒7と3本の移動ケーブル1を外した後、レールクリップ4の図示しないボルト・ナットを緩めてブラケット5を取外した後(ステップS3)、移動ケーブル1が4本掛け用のブラケット5AにL金具6の一方を締結して、取外したブラケット5の位置にブラケット5Aをレールクリップ4で取付け、移動ケーブル1が4本掛け用の支持棒7Aに外した3本の移動ケーブル1を装着した状態で、他方のL金具6をブラケット5Aに締結させながら支持棒7Aを一対のL金具6の間に装着する(ステップS4)。
【0020】
次に、増設する1本の新規移動ケーブル8を3本の移動ケーブル1に沿わせて敷設し(ステップS5)、ステップS4でレール2に取付けた移動ケーブル支持装置3の支持棒7Aに新規移動ケーブル8を巻き掛け、3本の移動ケーブル1と新規移動ケーブル8の間隔を調整するとともに、図示しないワイヤーを新規移動ケーブル8の被覆が傷付けることがないように巻き掛け、支持棒7Aに懸垂支持させる(ステップS6)。
【0021】
次に、移動ケーブル増設装置9の図示しない複数本のボルトを緩めて、3本の移動ケーブル1の挟圧保持を解除するとともに、図示しない複数本のボルトを外して押え板11をブラケット10から外した後、レールクリップ4の図示しないボルト・ナットを緩めてブラケット10をレール2から取外して(ステップS7)、新規移動ケーブル8の増設作業が完了する。
【0022】
なお、本実施形態では、押え板11は、図示しないボルトで螺着するとき、締めすぎて移動ケーブル1をつぶして内部の芯線を傷つけたり、屈曲部を生じさせないように、断面コ字状の板体の対向面である側面11aに上面11bと平行な耳部11cを設けた形状としたが、ブラケット10に設けた図示しない螺子穴との対向位置に穴を設けてあれば、板体であっても良く、図示しないボルトの締付を的確に行なえば同様な効果が得られる。
【0023】
また、本実施形態では、3本の移動ケーブルから新規移動ケーブル8を1本増設して4本の移動ケーブルとするとき、移動ケーブル支持装置3のブラケット5及び支持棒7A移動ケーブル4本用のブラケット5A及び支持棒7Aに交換する説明をしたが、ブラケット5から外した一方のL金具6の形状を変えた長いL金具を使用して、支持棒7Aが一対のL金具6間に装着しても良く、このときはブラケット5をそのまま使用できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、移動ケーブルを増設するとき、移動ケーブル支持装置の若干下方位置に取付けたレールにブラケットと、このブラケットに螺着する押え板との間に既設の複数本の移動ケーブルを配置して挟圧保持してから、増設した移動ケーブルと既設の複数本の移動ケーブルとを、移動ケーブル支持装置に懸垂支持するようにしたので、既設の移動ケーブルを長時間手で支持することがなく、作業が安全且つ容易に行なえるとともに、作業時間も短縮できる。
【0025】
また、既設の複数本の移動ケーブルは、ブラケットと押え板にそれぞれ移動ケーブルの配列間隔に設けた複数列の螺子穴及び穴を介して1本ずつ挟圧保持するので、隣接する移動ケーブル厚さの影響を受けず、自重でずれ落ちることがない。
【0026】
また、移動ケーブルと押え板間に断面L字状の板体を装着可能としたので、複数本の移動ケーブルの厚さがまちまちであっても厚みの補正ができ、移動ケーブルの挟圧保持が均一に行なえるとともに、断面L字状としたので、持ち易く脱着時に昇降路に落下させることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す移動ケーブル増設装置取付け状態を示す要部斜視図である。
【図2】本発明の移動ケーブル増設装置を用いて移動ケーブルの増設作業後の移動ケーブル支持装置近傍の要部斜視図である。
【図3】移動ケーブル増設作業の作業手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 既設ケーブル
2 レール
3 移動ケーブル支持装置
5、5A ブラケット
6 L金具
7、7A 支持棒
8 新規移動ケーブル
9 移動ケーブル増設装置
10 ブラケット
11 押え板
11a 側面
11b 上面
11c 耳部
11d 穴
12 L字プレート
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベーター移動ケーブルの増設作業に好適なエレベーター移動ケーブルの増設装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベーターの移動ケーブルは、昇降路の上部にエレベーターの移動ケーブルを支える支持装置を設け、昇降路の中間部に移動ケーブルの揺れを阻止するケーブル押え装置を設け、支持装置とケーブル押え装置の間にワイヤーを張設し、移動ケーブルとワイヤーを所定間隔で固定したものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭57−3512号公報 (第3頁、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のように、支持装置で支えられたエレベーターの既設移動ケーブルに対して、新規移動ケーブルを増設するとき、支持装置から既設移動ケーブルを一旦取外し、新規移動ケーブルを加えた移動ケーブルの本数に見合った支持装置に取替える必要があり、既設移動ケーブルを懸垂支持しなければならず、建物の高さによって移動ケーブルも長くなり既設移動ケーブルの総重量が100kgを超える場合もある。このように支持装置から一旦取外した既設移動ケーブルは、手で支えることは困難であり、例え支えられる重量であっても作業者の肉体的疲労は非常に大きいという問題や、既設移動ケーブルをワイヤーで支持した場合、ケーブルの被服を傷つけたり屈曲する虞があった。
【0005】
本発明の目的は、移動ケーブルの増設が容易に行なえるとともに、短時間で作業が行なえるエレベーター移動ケーブルの増設装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、エレベーターの走行を制御する制御回路が組み込まれる制御盤と、昇降路に立設されるレールに案内されて昇降する乗りかごと、前記制御盤と前記乗りかごとの電気的な接続を行なう複数本の移動ケーブルと、前記昇降路の中間部より上方位置の前記レールに着脱自在に設置され、前記複数本の移動ケーブルを懸垂支持する移動ケーブル支持装置とを備えたエレベーター移動ケーブルの増設装置において、前記移動ケーブル支持装置の下方位置に前記レールを介して取付けられるブラケットと、このブラケットに螺着され前記複数本の移動ケーブルをそれぞれ挟圧支持する押え板とを備え、前記ブラケットには、前記レールに取付ける取付用螺子穴と、前記移動ケーブルの配列間隔に複数列の挟圧用螺子穴とを設け、前記押え板には、前記ブラケットの前記挟圧用螺子穴との対向位置に前記挟圧用螺子穴より大きい穴を設けたもので、また、前記移動ケーブルと前記押え板間に、断面L字状の板体が少なくとも1枚装着されるものである。
【0007】
このように構成したので、移動ケーブルを増設するとき、移動ケーブル支持装置の若干下方位置に取付けたレールにブラケットと、このブラケットに螺着する押え板との間に既設の複数本の移動ケーブルを配置して挟圧保持してから、増設した移動ケーブルと既設の複数本の移動ケーブルとを、移動ケーブル支持装置に懸垂支持するようにしたので、既設の移動ケーブルを長時間手で支持することがなく、作業が安全且つ容易に行なえるとともに、作業時間も短縮できる。
【0008】
また、既設の複数本の移動ケーブルは、ブラケットと押え板にそれぞれ移動ケーブルの配列間隔に設けた複数列の螺子穴及び穴を介して1本ずつ挟圧保持するので、隣接する移動ケーブル厚さの影響を受けず、自重でずれ落ちることがない。
【0009】
また、移動ケーブルと押え板間に断面L字状の板体を装着可能としたので、複数本の移動ケーブルの厚さがまちまちであっても厚みの補正ができ、移動ケーブルの挟圧保持が均一に行なえるとともに、断面L字状としたので、持ち易く脱着時に昇降路に落下させることもない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエレベーター移動ケーブルの増設装置の一実施形態を図1〜図3を用いて説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態を示す移動ケーブル増設装置取付け状態を示す要部斜視図、図2は本発明の移動ケーブル増設装置を用いて移動ケーブルの増設作業後の移動ケーブル支持装置近傍の要部斜視図、図3は移動ケーブル増設作業の作業手順を示すフローチャートである。
【0012】
図において、エレベーターの走行を制御する制御回路が組み込まれる図示しない制御盤と、昇降路を昇降する図示しない乗りかごとを電気的に接続する複数本の移動ケーブル1が昇降路に配設され、また、昇降路には図示しない乗りかごを案内するレール2が立設されており、昇降路中間部の上方位置のレール2には複数本の移動ケーブル1を垂下支持する移動ケーブル支持装置3がレールクリップ4にて締結されている。ここで、移動ケーブル支持装置3は、レールクリップ4でレール2に締結されるブラケット5と、このブラケット5に所定間隔で対向して締結される一対のL金具6と、この一対のL金具6間に装着され、複数本の移動ケーブル1をそれぞれ巻き掛けて支持する円柱形状の支持棒7とで構成されている。
【0013】
また、回路変更やオプション装置を追加するとき、複数本の移動ケーブル1の芯線に予備線が不足すると、複数本の移動ケーブル1に沿わせて新規移動ケーブル8を増設する必要があり、移動ケーブル支持装置3の約70cm下方位置のレール2に、レールクリップ4で締結される移動ケーブル増設装置9を用いて移動ケーブル増設作業が行なわれる。
【0014】
移動ケーブル増設装置9は、レール2にレールクリップ4で締結されるブラケット10と、断面コ字状の板体の対向面である側面11aに上面11bと平行な耳部11cを設けた押え板11と、ブラケット10に押え板11を螺着する図示しない複数個のボルトとで構成されている。ここで、押え板11の側面11aの寸法は、移動ケーブル1の厚みである例えば10mmよりやや小さい例えば9mmで形成され、押え板11の上面11bには、複数本の移動ケーブル1が移動ケーブル支持装置3で支持される配列間隔寸法である例えば10cmの間隔にて、複数列に複数個の穴11dがそれぞれ設けられ、押え板11の耳部11cには、ブラケット11との螺着用の穴11dがそれぞれ設けられている。また、ブラケット10には、レールクリップ4の図示しないボルトが嵌入する図示しない取付用長穴と、押え板11に設けた穴11dの対向位置に図示しない螺子穴が設けられている。
【0015】
また、押え板11と移動ケーブル1に装着される断面L字状の板体であるL字プレート12は、厚さは0.5〜1mm程度で良く、ブラケット10や押え板11の高さと略同じ長さを有しており、ブラケット10と押え板11及び図示しないナットで複数本の移動ケーブル1をそれぞれ挟圧したとき、複数本の移動ケーブル1の厚みに若干差があり、厚みの薄い移動ケーブル1がしっかり挟圧されない場合、押え板11と移動ケーブル1間に挿入して移動ケーブル1の厚みの補正を行なうもので、L字状に形成したことで、着脱のとき掴み易く、押え板11の挟圧を緩めたとき落下することもない。ここで、L字プレート12の材質は、挟圧したとき破損しない材質であれば金属でもビニールでも良い。
【0016】
次に、このような構成の移動ケーブル増設装置9を用いて、3本掛けの移動ケーブル1に新規移動ケーブル8を1本増設する作業手順を説明する。
【0017】
まず、作業者は図示しない乗りかごを移動ケーブル支持装置3の近傍に停止させ、エレベーターに電源を供給する遮断機を開放する。
【0018】
次に、作業者は図示しない乗りかごの上に乗り込み、移動ケーブル支持装置3の下方約70cmの位置のレール4に、レールクリップ4で移動ケーブル増設装置9のブラケット10を取付けるとともに(ステップS1)、ブラケット10の前方に3本の移動ケーブル1が垂下するよう配置させ、押え板11を3本の移動ケーブル1の前方から当接させ、図示しない複数本のボルトで押え板11をブラケット10に締結させた後、更に図示しない複数本のボルトをそれぞれ締上げて、3本の移動ケーブル1をブラケット10と押え板11にて挟圧保持させる(ステップS2)。ここで、移動ケーブル1の厚みの差から保持力が弱い移動ケーブル1があった場合、L字プレート12を押え板11と該当する移動ケーブル1に挿入して、再度複数本のボルトを締上げて、3本の移動ケーブル1の保持力を均一にする。
【0019】
次に、移動ケーブル支持装置3のブラケット5に設けられる一対のL金具6の一方を取外し、支持棒7と3本の移動ケーブル1を外した後、レールクリップ4の図示しないボルト・ナットを緩めてブラケット5を取外した後(ステップS3)、移動ケーブル1が4本掛け用のブラケット5AにL金具6の一方を締結して、取外したブラケット5の位置にブラケット5Aをレールクリップ4で取付け、移動ケーブル1が4本掛け用の支持棒7Aに外した3本の移動ケーブル1を装着した状態で、他方のL金具6をブラケット5Aに締結させながら支持棒7Aを一対のL金具6の間に装着する(ステップS4)。
【0020】
次に、増設する1本の新規移動ケーブル8を3本の移動ケーブル1に沿わせて敷設し(ステップS5)、ステップS4でレール2に取付けた移動ケーブル支持装置3の支持棒7Aに新規移動ケーブル8を巻き掛け、3本の移動ケーブル1と新規移動ケーブル8の間隔を調整するとともに、図示しないワイヤーを新規移動ケーブル8の被覆が傷付けることがないように巻き掛け、支持棒7Aに懸垂支持させる(ステップS6)。
【0021】
次に、移動ケーブル増設装置9の図示しない複数本のボルトを緩めて、3本の移動ケーブル1の挟圧保持を解除するとともに、図示しない複数本のボルトを外して押え板11をブラケット10から外した後、レールクリップ4の図示しないボルト・ナットを緩めてブラケット10をレール2から取外して(ステップS7)、新規移動ケーブル8の増設作業が完了する。
【0022】
なお、本実施形態では、押え板11は、図示しないボルトで螺着するとき、締めすぎて移動ケーブル1をつぶして内部の芯線を傷つけたり、屈曲部を生じさせないように、断面コ字状の板体の対向面である側面11aに上面11bと平行な耳部11cを設けた形状としたが、ブラケット10に設けた図示しない螺子穴との対向位置に穴を設けてあれば、板体であっても良く、図示しないボルトの締付を的確に行なえば同様な効果が得られる。
【0023】
また、本実施形態では、3本の移動ケーブルから新規移動ケーブル8を1本増設して4本の移動ケーブルとするとき、移動ケーブル支持装置3のブラケット5及び支持棒7A移動ケーブル4本用のブラケット5A及び支持棒7Aに交換する説明をしたが、ブラケット5から外した一方のL金具6の形状を変えた長いL金具を使用して、支持棒7Aが一対のL金具6間に装着しても良く、このときはブラケット5をそのまま使用できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、移動ケーブルを増設するとき、移動ケーブル支持装置の若干下方位置に取付けたレールにブラケットと、このブラケットに螺着する押え板との間に既設の複数本の移動ケーブルを配置して挟圧保持してから、増設した移動ケーブルと既設の複数本の移動ケーブルとを、移動ケーブル支持装置に懸垂支持するようにしたので、既設の移動ケーブルを長時間手で支持することがなく、作業が安全且つ容易に行なえるとともに、作業時間も短縮できる。
【0025】
また、既設の複数本の移動ケーブルは、ブラケットと押え板にそれぞれ移動ケーブルの配列間隔に設けた複数列の螺子穴及び穴を介して1本ずつ挟圧保持するので、隣接する移動ケーブル厚さの影響を受けず、自重でずれ落ちることがない。
【0026】
また、移動ケーブルと押え板間に断面L字状の板体を装着可能としたので、複数本の移動ケーブルの厚さがまちまちであっても厚みの補正ができ、移動ケーブルの挟圧保持が均一に行なえるとともに、断面L字状としたので、持ち易く脱着時に昇降路に落下させることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す移動ケーブル増設装置取付け状態を示す要部斜視図である。
【図2】本発明の移動ケーブル増設装置を用いて移動ケーブルの増設作業後の移動ケーブル支持装置近傍の要部斜視図である。
【図3】移動ケーブル増設作業の作業手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 既設ケーブル
2 レール
3 移動ケーブル支持装置
5、5A ブラケット
6 L金具
7、7A 支持棒
8 新規移動ケーブル
9 移動ケーブル増設装置
10 ブラケット
11 押え板
11a 側面
11b 上面
11c 耳部
11d 穴
12 L字プレート
Claims (3)
- エレベーターの走行を制御する制御回路が組み込まれる制御盤と、昇降路に立設されるレールに案内されて昇降する乗りかごと、前記制御盤と前記乗りかごとの電気的な接続を行なう複数本の移動ケーブルと、前記昇降路の中間部より上方位置の前記レールに着脱自在に設置され、前記複数本の移動ケーブルを懸垂支持する移動ケーブル支持装置とを備えたエレベーター移動ケーブルの増設装置において、前記移動ケーブル支持装置の下方位置に前記レールを介して取付けられるブラケットと、このブラケットに螺着され前記複数本の移動ケーブルをそれぞれ挟圧支持する押え板とを備えたことを特徴とするエレベーター移動ケーブルの増設装置。
- 請求項1記載のエレベーター移動ケーブルの増設装置において、前記ブラケットは、前記レールに取付ける取付用螺子穴と、前記移動ケーブルの配列間隔に設けられる複数列の挟圧用螺子穴とを有し、前記押え板は、前記ブラケットに設けられる前記挟圧用螺子穴の対向位置に前記挟圧用螺子穴より大きい穴を設けたことを特徴とするエレベーター移動ケーブルの増設装置。
- 請求項1または請求項2記載のエレベーター移動ケーブルの増設装置において、前記移動ケーブルと前記押え板間に少なくとも1枚装着可能な断面L字状の板体を備えたことを特徴とするエレベーター移動ケーブルの増設装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002316247A JP2004149257A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | エレベーター移動ケーブルの増設装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002316247A JP2004149257A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | エレベーター移動ケーブルの増設装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=32460005
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004149257A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008207901A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Mitsubishi Electric Corp | エレベータ用制御ケーブルの固定装置及び固定方法 |
JP2008230788A (ja) * | 2007-03-22 | 2008-10-02 | Mitsubishi Electric Corp | エレベータの制御ケーブル吊手装置 |
CN105000448A (zh) * | 2014-04-17 | 2015-10-28 | 三菱电机株式会社 | 电梯及其悬挂体支撑装置 |
JP7351361B2 (ja) | 2022-02-28 | 2023-09-27 | フジテック株式会社 | エレベータ用ケーブル吊り具及びエレベータ |
-
2002
- 2002-10-30 JP JP2002316247A patent/JP2004149257A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008207901A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Mitsubishi Electric Corp | エレベータ用制御ケーブルの固定装置及び固定方法 |
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