JP2004148748A - 露光ユニット自動焦点調整及び傾き補正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置に用いられる露光ユニットであるLEDプリントヘッドのピントずれを簡単に検知して、ピントずれを調整するとともにLEDプリントヘッドの傾きを調整する。
【解決手段】LEDプリントヘッド22はLEDアレイ及びロッドレンズアレイを有しており、感光体ドラム21上に同一の露光パターンで第1及び第2のトナー像を形成した後、濃度センサ30a及び30bで第1及び第2のトナー像の濃度分布を得て、第1及び第2の濃度分布とする。演算回路29は第1及び第2の濃度分布を電圧値に変換した第1及び第2の電圧信号から第1及び第2のMTFを求め、モータ駆動制御装置28によってLEDプリントヘッドの位置を調整して、MTFが最大となるようにLEDプリントヘッドと感光体ドラムとの距離を調整する。さらに、演算回路は、第1及び第2の電圧信号間の位相差に応じてLEDプリントヘッドの一端を基準点として露光ユニットの他端を感光体ドラムに対して移動させてLEDプリントヘッドの傾きを補正する。
【選択図】 図1
【解決手段】LEDプリントヘッド22はLEDアレイ及びロッドレンズアレイを有しており、感光体ドラム21上に同一の露光パターンで第1及び第2のトナー像を形成した後、濃度センサ30a及び30bで第1及び第2のトナー像の濃度分布を得て、第1及び第2の濃度分布とする。演算回路29は第1及び第2の濃度分布を電圧値に変換した第1及び第2の電圧信号から第1及び第2のMTFを求め、モータ駆動制御装置28によってLEDプリントヘッドの位置を調整して、MTFが最大となるようにLEDプリントヘッドと感光体ドラムとの距離を調整する。さらに、演算回路は、第1及び第2の電圧信号間の位相差に応じてLEDプリントヘッドの一端を基準点として露光ユニットの他端を感光体ドラムに対して移動させてLEDプリントヘッドの傾きを補正する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置において露光ユニットの露光焦点(ピント)を調整するとともに、露光ユニットの傾きを補正するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真プロセスを用いた画像形成装置において、露光用の光源(露光ユニット)として発光ダイオードアレイ(以下LEDアレイと呼ぶ)を用いた画像形成装置が知られており、この種の画像形成装置では、これらLEDアレイから出力される光をロッドレンズアレイを介して感光体ドラムに結像して、感光体ドラム上に静電潜像を形成している。
【0003】
このような画像形成装置では、感光体ドラムの回転方向に直交する方向にLEDアレイを配置して、LEDを選択的に発光させ、ロッドレンズアレイを介して感光体ドラムに光を結像するととともに、感光体ドラムを回転させ、感光体ドラム上に二次元的に静電潜像を形成している。以下、LEDアレイ及びロッドレンズアレイの組み合わせをLEDプリントヘッドと呼ぶ。
【0004】
ところで、ロッドレンズアレイの画像伝送特性は、送られる画像の質、即ち、解像力で評価され、画像伝送特性は、MTF(Modulation Transfer Function)で表される。このMTFは、ロッドレンズアレイの焦点位置で測定した場合と、焦点位置からずれて測定した場合とでは大きく異なる。ロッドレンズアレイの共役長(TC)は、10mm程度である関係上、焦点位置のずれに対して極めて敏感であり、このため、感光体ドラムとLEDプリントヘッドとの距離は常に一定になるようにする必要がある。
【0005】
しかしながら、LEDプリントヘッドの結像位置(TC)を感光体ドラムの表面上に正確に設定することは、画像形成装置の組み立て時において、極めて難しく、組み立て時における結像位置の誤差に加えて、LEDプリントヘッドの機械的な歪み等が原因となって、LEDプリントヘッドの長手方向に沿って結像位置が異なることがある。そして、結像位置が正確に設定されないと、低画質の画像(例えば、濃度むらのある画像)が出力されることになる(つまり、MTFが劣化する)。
【0006】
このような不具合に対処するため、例えば、プリンタ部にサンプル画像を形成させた後、このサンプル画像の画質を評価して、電子写真プロセスに用いられる露光結像系(LEDプリントヘッド)の位置ずれを検知する。そして、この検知結果に応じて電子写真プロセスにおける露光光量を調整するようにしている(特許文献1参照)。
【0007】
また、ドットアレイプリンタにおいて、ドット発光素子アレイから出射された光を露光系レンズを介して目標結像位置に結像させる際、露光系レンズのピント合わせを行うため、目標結像位置と同一の位置に配置された少なくとも三つのアレイセンサを用いて、アレイセンサからの出力信号についてMTFを演算して、当該MTFをグラフ化した結果の極大値に応じて露光系レンズを移動する。つまり、MTFが極大値になるように、アクチュエータを駆動して、露光系レンズを光軸方向に移動させ、ピントを合わせるようにしている(特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−55498公報(第7ページ及び第8ページ、第18図)
【特許文献2】
特開平11−192743号公報(第5ページ及び第6ページ、第1図及び第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に記載された手法では、結像位置ずれに起因する濃度むら等の画質低下を、サンプル画像の画質を評価して露光光量の調整によって行っている関係上、露光以後のプロセス(例えば、現像段階)で濃度むら等の画質低下が発生しても、結像位置ずれと判定してしまうことになる。さらに、結像位置が大きくずれた場合等には、露光光量を調整しただけでは、濃度むら等の画質低下を防止することは困難である。
【0010】
加えて、特許文献1に記載された手法では、サンプル画像を評価して、結像位置のずれに応じて露光光量を調整している関係上、サンプル画像の形成を行わなければならず、サンプル画像を形成した後露光光量の調整を行い、そして、露光光量を調整した後、再度サンプル画像を形成して、画質の確認を行う必要があり、LEDプリントヘッドの結像位置ずれに起因する露光光量の調整が面倒であるという課題がある。
【0011】
また、特許文献2に記載された手法では、少なくとも3つのアレイセンサを用いて、これらアレイセンサからの出力信号に応じて、露光系レンズの位置を調整するため、センサの数が多くなってしまい、しかも、演算量が増加してしまうという課題がある。つまり、特許文献2に記載された手法を用いると、コストアップとなってしまうという課題がある。
【0012】
ところで、上述のような画像形成装置では、LEDプリントヘッドと感光体ドラムが平行な関係となるように、LEDプリントヘッドの傾きを調整する必要があるが、画像形成装置の使用につれて、軸受け部等の機械的要素の磨耗等に起因して不可避的に、LEDプリントヘッドが感光体ドラムに対して傾くことがある。そして、このような傾きが生じると、感光体ドラムの表面上において部分的にピントが合わなくなってしまい、結果的に濃度むら等の画質低下が生じてしまう。一般に、LEDプリントヘッドの傾き調整はサービスマンが調整しており、熟練を要しないとLEDプリントヘッドの調整は難しく、しかも、サービスマンが派遣されるまで、LEDプリントヘッドの傾きを調整することができない。
【0013】
特許文献1に記載された手法では、露光光量を調整して画質の確認を行っているにすぎず、特許文献2では、MTFに応じてレンズの位置を調整しているにすぎないから、LEDプリントヘッドが感光体ドラムの軸方向に対して傾いている状態となっても、LEDプリントヘッドの傾きを調整することが難しいという課題がある。
【0014】
本発明の目的は、簡単にLEDプリントヘッドの露光位置ずれ(焦点(ピント)ずれ)を検知して、ピントずれを調整でき、しかもLEDプリントヘッドの傾きを調整することのできる露光ユニット自動焦点調整及び傾き補正装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、像担持体を露光ユニットで露光して得られた静電潜像を現像してトナー像を前記像担持体上に形成して、前記トナー像を記録媒体に転写して画像形成を行う画像形成装置に用いられ、前記像担持体には同一の露光パターンで第1及び第2のトナー像が形成され、前記第1及び前記第2のトナー像の濃度分布をそれぞれ計測して第1及び第2の濃度分布を得る計測手段と、前記第1及び前記第2の濃度分布間のずれ量に応じて前記露光ユニットの一端を基準点として前記露光ユニットの他端を前記像担持体に対して移動させて前記露光ユニットの傾きを補正する傾き補正手段とを有することを特徴とする露光ユニット自動焦点調整及び傾き補正装置が得られる。
【0016】
このようにして、像担持体に予め規定された間隔をおいて同一の露光パターンで第1及び第2のトナー像を形成して、第1及び第2のトナー像の濃度分布をそれぞれ計測して第1及び第2の濃度分布を得て、第1及び第2の濃度分布間のずれ量に応じて露光ユニットの一端を基準点として露光ユニットの他端を像担持体に対して移動させて露光ユニットの傾きを補正するようにすれば、極めて容易に精度よく露光ユニットの傾きを自動的に調整することができることになる。
【0017】
また、本発明では、前記第1及び前記第2の濃度分布に応じて前記露光ユニットと前記像担持体との距離を調整して前記露光ユニットによる露光焦点を前記像担持体上に調整する焦点調整手段を有している。
【0018】
このようにして、第1及び第2の濃度分布に応じて露光ユニットと前記像担持体との距離を調整して、露光ユニットによる露光焦点を像担持体上に調整するようにすれば、印画を行うことなく、ピントを合わせることができ、簡単にピントずれを調整することができる。そして、印画を行う必要がないから、ピント調整を迅速に行うことができる。
【0019】
例えば、前記露光ユニットは光を発光する発光手段と、前記光を前記像担持体上に結像させるレンズ系とを有し、前記焦点調整手段は前記第1及び第2の濃度分布に応じてそれぞれ得られる第1及び第2のMTFが最大となるように前記露光ユニットと前記像担持体との距離を調整する。
【0020】
このように、第1及び第2の濃度分布に応じてそれぞれ得られる第1及び第2のMTFが最大となるように露光ユニットと前記像担持体との距離を調整するようにすれば、トナー像を転写する転写過程以降における各種外乱(ノイズ)に影響されることなく、ピント合わせを行うことができる。
【0021】
また、前記露光ユニットは光を発光する発光手段と、前記光を前記像担持体上に結像させるレンズ系とを有し、前記焦点調整手段は、前記第1及び第2の濃度分布に応じてそれぞれ第1及び第2のMTFを求め、前記露光ユニットと前記像担持体との距離を調整して、再び前記露光パターンで前記第1及び前記第2のトナー像が形成された後、再び前記第1及び第2の濃度分布によって得られた第1及び第2のMTFと前回の第1及び第2のMTFとを比較してその比較結果に応じて前記第1及び前記第2のMTFが増加するように前記露光ユニットと前記像担持体との距離を調整するようにしてもよい。
【0022】
なお、前記ずれ量として、例えば、前記第1及び前記第2の濃度分布にそれぞれ応じた第1及び第2の電圧信号の位相差が用いられる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0024】
まず、図1を参照して、感光体ドラム(像担持体)21の軸方向に沿ってLEDプリントヘッド(以下LPHと呼ぶ)22が配置されており、このLPH(露光ユニット)22は、複数のLEDが感光体ドラム21の軸方向に配列されたLEDアレイ(図示せず)を露光用の光源として用いるとともに、複数のロッドレンズを感光体ドラム21の軸方向に配列したロッドレンズアレイ(図示せず)を用いて、LEDから出力される光を感光体ドラム上に結像させる。LEDアレイ及びロッドレンズアレイは一体化されて、LPH22とされる。
【0025】
LEDアレイはLED駆動回路(図示せず)によって駆動されており、LED駆動回路は、画像データ(画像パターン)に応じてLEDアレイを駆動することになる。なお、感光体ドラム21及びLPH22はドラムユニット23として画像形成装置本体の支持部24に支持されている。
【0026】
LPH22の両端部にはそれぞれステッピングモータ25及び26が配設されるとともに、図中右端にはステッピングモータ27が配置されている。そして、ステッピングモータ25及び26の駆動によって、後述するように、LPH22は図中上下方向に移動し、ステッピングモータ27の駆動によって、LPH22は図中左端を支点(基準点)として紙面の表から裏方向(又は裏から表方向)に移動する。
【0027】
例えば、LPH22の両端部にはそれぞれネジ部材(ピント調整ピン)22a及び22bが回動可能に取り付けられており、ネジ部材22a及び22bの下端は当接部材221に当接している。一方、ステッピングモータ25の回転軸25a及びステッピングモータ26の回転軸26aはそれぞれネジ部材22a及び22bに結合されており、これによって、ステッピングモータ25が駆動されると、ステッピングモータ25の駆動量に応じてネジ部材22aが回動されて、LPH22の一端部が図中上下方向に移動する。
【0028】
同様に、ステッピングモータ26が駆動されると、ステッピングモータ26の駆動量に応じてネジ部材22bが回動されて、LPH22の他端部が図中上下方向に移動する。この結果、ステッピングモータ25及び26の駆動量に応じてLPH22は感光体ドラム21の軸方向に沿って感光体ドラム21との位置関係が変化することになる。
【0029】
さらに、ステッピングモータ27の回転軸は、紙面の表から裏側に延びLPH22の右端に取り付けられたネジ部材(ピント調整ピン:図示せず)に結合されており、前述と同様に、ステッピングモータ27が駆動されると、LPH22はその左端を支点として、紙面の表から裏方向(又は裏から表方向)に移動する(以下この方向を奥行き方向と呼ぶ)。
【0030】
ステッピングモータ25〜27はモータ駆動制御装置28によって駆動制御されており、モータ駆動制御装置28は、後述するようにして、演算回路29から与えられるモータ駆動指令に応じてステッピングモータ25〜27を制御することになる。
【0031】
感光体ドラム21に対向して、濃度センサ(IDセンサ:計測手段)30a及び30bが配置されており、このIDセンサ30a及び30bは、感光体ドラム21の軸方向に沿って予め定められた間隔をおいて配置されている。図示の例では、IDセンサ30a及び30bはそれぞれ感光体ドラム21の左端及び右端近傍に配置されている。後述するようにして、IDセンサ30a及び30bから出力される濃度信号は電圧変換回路31でそれぞれ電圧信号に変換されて(以下IDセンサ30aからの濃度信号に応じた電圧信号を第1の電圧信号と呼び、IDセンサ30bからの濃度信号に応じた電圧信号を第2の電圧信号と呼ぶ)、演算回路29に与えられる。そして、演算回路29は第1及び第2の電圧信号に応じて感光体ドラム21に形成されたトナー像の濃度分布を解析する。
【0032】
いま、LPH22の結像位置ずれ(ピント調整)を行う際には、帯電器(図示せず)で感光体ドラム21を均一に帯電した後、予め規定された画像データ(画像データ)を用いて感光体ドラム21を露光する。例えば、この画像パターンとして、2ドットの画像パターンを用いて、感光体ドラム21の両端部(IDセンサ30a及び30bに対応する位置)に2ドットの発光信号(ON/OFF信号)で露光を行って、感光体ドラム21の両端部に、感光体ドラム21の軸方向に平行な露光パターン(静電潜像)をそれぞれ形成する。その後、これら露光パターンを現像して、トナー像を得る(以下感光体ドラム21の左端部に形成されたトナー像を第1のトナー像と呼び、感光体ドラム21の右端部に形成されたトナー像を第2のトナー像と呼ぶ)。
【0033】
ここでは、帯電器としてスコロトロン帯電器を用い、感光体ドラム21として、φ30の正帯電型OPC感光体ドラムを用いて、例えば、感光体ドラム21の表面を、帯電器によって均一に帯電して、前述の予め規定された画像パターンによってLPH22を駆動して感光体ドラム21上に露光パターンを形成した。そして、現像器(図示せず)によって露光パターンを現像して、感光体ドラム21上に、トナー像を形成した。
【0034】
ここでは、感光体ドラム21の露光前表面電位は400V、暗電位は80V、半減露光量を0.17μJ/cm2、感光体ドラム21の線速を97mm/secとした。また、LPH22のサイズはA4サイズであり、解像度を600dpi、露光量を0.5〜0.9μJ/cm2、焦点距離(TC)を12mm〜18mm、露光光の波長を685nm〜800nmとした。さらに、現像の際のバイアス電圧を、直流成分:270V、交流電圧振幅:1.8kV〜2.5kV、周波数:1.5〜3.0kHzとした。
【0035】
上述のようにして、感光体ドラム21上にトナー像を形成した後、IDセンサ30a及び30bでそれぞれ第1及び第2のトナー像を検知して、それぞれ第1及び第2の濃度分布を得る。そして、IDセンサ30a及び30bはそれぞれ第1及び第2のトナー分布を示す第1及び第2の濃度分布信号を電圧変換回路31に与える。電圧変換回路31では、第1及び第2の濃度分布信号をそれぞれ第1及び第2の電圧信号(Vout)に変換して、これら第1及び第2の電圧信号を演算回路29に与える。
【0036】
図2も参照して、いま、第1の電圧信号を実線で、第2の電圧信号を破線で示す。第1の電圧信号に注目すると、現像に当たって、黒トナーを用いて、正反射光によって濃度分布を検出すると、谷となる箇所が最も黒トナーの量が多く、光吸収のピークを表すことになる。従って、黒色の部分(最も黒トナーの量が多い部分)で最低電圧値(Vb)となり、白色の部分(最も黒トナーの量が少ない部分)で最高電圧値(ピーク:Vp)となる。第2の電圧信号についても第1の電圧信号と同様な波形となる。
【0037】
演算回路29では、第1の電圧信号に応じてMTFを計算してMTF(第1のMTF)を求める。ここでは、MTF=(Vp−Vb)/(Vp+Vb)×100で表される。そして、このMTFは、LPH22のピントがずれると、小さくなる。同様にして、演算回路29では、第2の電圧信号に応じてMTFを計算してMTF(第2のMTF)を求める。
【0038】
上述のようにして、第1及び第2のMTFを求めた後、演算回路29では、モータ駆動指令をモータ駆動制御装置28に与える。モータ駆動指令に応答して、モータ駆動制御装置28はステッピングモータ25及び26を予め規定された回転量だけ駆動させて、感光体ドラム21とLPH22との距離を変化させる。
【0039】
その後、感光体ドラム上のトナー像を除去した後、前述の画像パターンで感光体ドラム21を露光して、再び、露光パターンを現像してトナー像を形成し、IDセンサ30a及び30bで、前述のようにして、トナー像を検出する。そして、IDセンサ30a及び30bからそれぞれ出力される第1及び第2の濃度分布信号を電圧変換回路31で第1及び第2の電圧信号に変換する。演算回路29では再度第1及び第2の電圧信号に応じてそれぞれ第1及び第2のMTFを求めて、第1及び第2のMTFがどのように変化しているかを判定して、再び前述のようにして、ステッピングモータ25及び26を駆動する。
【0040】
このようにして、第1及び第2のMTFが最大値(極大値)となるまで、ステッピングモータ25及び26を駆動制御して、LPH22の位置を調整してピント合わせを行う。
【0041】
ところで、LPH22が感光体ドラム21の軸心から傾いていない場合には、第1及び第2の電圧信号の間に位相差はなく、第1及び第2の電圧信号の位相は一致することになる。一方、LPH22が感光体ドラム21の軸心から傾くと、第1及び第2の電圧信号の間に位相差が生じ、この位相差はLPH22の傾きが大きくなる程、大きくなる。
【0042】
いま、図2に示すように、第1及び第2の電圧信号との間に位相差Δtがあると、演算回路29ではこの位相差Δtに応じて(つまり、第1及び第2の濃度分布のずれ量に応じて)、ステッピングモータ27を駆動制御することになる。つまり、位相差Δtに基づいて、演算回路29では、モータ駆動制御装置28にステッピングモータ27を駆動制御するためのモータ駆動指令を与えて、モータ駆動制御装置28はこのモータ駆動指令に応じてステッピングモータ27を駆動して、LPH22を奥行き方向に沿って移動させて、LPH22と感光体ドラム21とを平行状態とする(LPH22の傾きを無くする)。
【0043】
具体的には、図1において、LPH22の左端を基準点とした際には、第1の電圧信号の位相が第2の電圧信号の位相よりも進んでいる際には、LPH22の右端をステッピングモータ27によって紙面奥方向に移動させ、第1の電圧信号の位相が第2の電圧信号の位相よりも遅れている際には、LPH22の右端をステッピングモータ27によって紙面手前側に移動させて、LPH22と感光体ドラム21とを平行状態とする。
【0044】
このようにして、ステッピングモータ27を駆動制御する際においても、前述のようにして、トナー像を再度形成してステッピングモータ27を駆動制御することになる。
【0045】
なお、前述の基準点は感光体ドラム21の駆動ギアが左端にあるか右端にあるかに応じて適宜選定されることになる。
【0046】
また、上述の説明から容易に理解できるように、電圧変換回路、演算回路、モータ駆動制御回路、及びステッピングモータは焦点調整手段及び傾き補正手段として機能する。
【0047】
このようにして、予め規定された画像パターンで感光体ドラムを露光した結果得られる静電潜像を現像してトナー像を得て、トナー像の濃度分布に応じてMTFを求めて、このMTFに基づいてLPHの位置を調整するようにしたから、記録用紙に画像を形成することなく(つまり、印画を行うことなく)、LPHの露光焦点を調整することができることになる(つまり、ピントを合わせることができる)。言い換えると、簡単にLPHの露光位置ずれ(焦点(ピント)ずれ)を検知して、容易にピントの調整を行うことができる。
【0048】
加えて、感光体ドラム上のトナー像をスキャンして得られた濃度分布に応じてMTFを求めて、LPHのピント合わせを行うようにしたから、トナー像を記録用紙に転写する転写過程以降における各種外乱(ノイズ)に影響されることなく、ピント合わせを行うことができる。
【0049】
また、露光光量の調整を行うことなく、MTFに応じてLPHの位置を調整するようにしたから、ピントずれが大きい場合であっても、ピント調整を行うことができることになる。そして、印画を行う必要がないから、ピント調整を迅速に行うことができることになる。
【0050】
なお、画像形成を行うにつれて、感光体ドラムの表面が削られて感光体が薄くなったとしても、前述のように、感光体ドラムとLPHとの距離を調整しているから、容易にLPHのピントを調整することができることになる。
【0051】
さらに、第1及び第2の電圧信号の位相差に応じてLPH22の傾きを調整するようにしたから、極めて容易に精度よくLPH22の傾きを自動的に調整することができることになる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、像担持体に予め規定された間隔をおいて同一の露光パターンで第1及び第2のトナー像を形成して、第1及び第2のトナー像の濃度分布をそれぞれ計測して第1及び第2の濃度分布を得て、第1及び第2の濃度分布間のずれ量に応じて露光ユニットの一端を基準点として露光ユニットの他端を像担持体に対して移動させて露光ユニットの傾きを補正するようにしたから、極めて容易に精度よく露光ユニットの傾きを自動的に調整することができるという効果がある。
【0053】
また、本発明では、第1及び第2の濃度分布に応じて露光ユニットと像担持体との距離を調整して、露光ユニットによる露光焦点を像担持体上に調整したから、印画を行うことなく、ピントを合わせることができ、簡単にピントずれを調整することができるという効果がある。そして、印画を行う必要がないから、ピント調整を迅速に行うことができるという効果がある。
【0054】
本発明では、第1及び第2の濃度分布に応じてそれぞれ得られる第1及び第2のMTFが最大となるように露光ユニットと前記像担持体との距離を調整するようにしたから、トナー像を転写する転写過程以降における各種外乱(ノイズ)に影響されることなく、ピント合わせを行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動焦点調整及び傾き補正装置の一例を感光体ドラム及びLEDプリントヘッドとともに示す図である。
【図2】MTFの算出及びLEDプリントヘッドの傾きの補正について説明するための図である。
【符号の説明】
21 感光体ドラム
22 LEDプリントヘッド(LPH)
23 ドラムユニット
24 支持部
25,26,27 ステッピングモータ
28 モータ駆動制御装置
29 演算回路
30a,30b 濃度センサ(IDセンサ)
31 電圧変換回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置において露光ユニットの露光焦点(ピント)を調整するとともに、露光ユニットの傾きを補正するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真プロセスを用いた画像形成装置において、露光用の光源(露光ユニット)として発光ダイオードアレイ(以下LEDアレイと呼ぶ)を用いた画像形成装置が知られており、この種の画像形成装置では、これらLEDアレイから出力される光をロッドレンズアレイを介して感光体ドラムに結像して、感光体ドラム上に静電潜像を形成している。
【0003】
このような画像形成装置では、感光体ドラムの回転方向に直交する方向にLEDアレイを配置して、LEDを選択的に発光させ、ロッドレンズアレイを介して感光体ドラムに光を結像するととともに、感光体ドラムを回転させ、感光体ドラム上に二次元的に静電潜像を形成している。以下、LEDアレイ及びロッドレンズアレイの組み合わせをLEDプリントヘッドと呼ぶ。
【0004】
ところで、ロッドレンズアレイの画像伝送特性は、送られる画像の質、即ち、解像力で評価され、画像伝送特性は、MTF(Modulation Transfer Function)で表される。このMTFは、ロッドレンズアレイの焦点位置で測定した場合と、焦点位置からずれて測定した場合とでは大きく異なる。ロッドレンズアレイの共役長(TC)は、10mm程度である関係上、焦点位置のずれに対して極めて敏感であり、このため、感光体ドラムとLEDプリントヘッドとの距離は常に一定になるようにする必要がある。
【0005】
しかしながら、LEDプリントヘッドの結像位置(TC)を感光体ドラムの表面上に正確に設定することは、画像形成装置の組み立て時において、極めて難しく、組み立て時における結像位置の誤差に加えて、LEDプリントヘッドの機械的な歪み等が原因となって、LEDプリントヘッドの長手方向に沿って結像位置が異なることがある。そして、結像位置が正確に設定されないと、低画質の画像(例えば、濃度むらのある画像)が出力されることになる(つまり、MTFが劣化する)。
【0006】
このような不具合に対処するため、例えば、プリンタ部にサンプル画像を形成させた後、このサンプル画像の画質を評価して、電子写真プロセスに用いられる露光結像系(LEDプリントヘッド)の位置ずれを検知する。そして、この検知結果に応じて電子写真プロセスにおける露光光量を調整するようにしている(特許文献1参照)。
【0007】
また、ドットアレイプリンタにおいて、ドット発光素子アレイから出射された光を露光系レンズを介して目標結像位置に結像させる際、露光系レンズのピント合わせを行うため、目標結像位置と同一の位置に配置された少なくとも三つのアレイセンサを用いて、アレイセンサからの出力信号についてMTFを演算して、当該MTFをグラフ化した結果の極大値に応じて露光系レンズを移動する。つまり、MTFが極大値になるように、アクチュエータを駆動して、露光系レンズを光軸方向に移動させ、ピントを合わせるようにしている(特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−55498公報(第7ページ及び第8ページ、第18図)
【特許文献2】
特開平11−192743号公報(第5ページ及び第6ページ、第1図及び第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に記載された手法では、結像位置ずれに起因する濃度むら等の画質低下を、サンプル画像の画質を評価して露光光量の調整によって行っている関係上、露光以後のプロセス(例えば、現像段階)で濃度むら等の画質低下が発生しても、結像位置ずれと判定してしまうことになる。さらに、結像位置が大きくずれた場合等には、露光光量を調整しただけでは、濃度むら等の画質低下を防止することは困難である。
【0010】
加えて、特許文献1に記載された手法では、サンプル画像を評価して、結像位置のずれに応じて露光光量を調整している関係上、サンプル画像の形成を行わなければならず、サンプル画像を形成した後露光光量の調整を行い、そして、露光光量を調整した後、再度サンプル画像を形成して、画質の確認を行う必要があり、LEDプリントヘッドの結像位置ずれに起因する露光光量の調整が面倒であるという課題がある。
【0011】
また、特許文献2に記載された手法では、少なくとも3つのアレイセンサを用いて、これらアレイセンサからの出力信号に応じて、露光系レンズの位置を調整するため、センサの数が多くなってしまい、しかも、演算量が増加してしまうという課題がある。つまり、特許文献2に記載された手法を用いると、コストアップとなってしまうという課題がある。
【0012】
ところで、上述のような画像形成装置では、LEDプリントヘッドと感光体ドラムが平行な関係となるように、LEDプリントヘッドの傾きを調整する必要があるが、画像形成装置の使用につれて、軸受け部等の機械的要素の磨耗等に起因して不可避的に、LEDプリントヘッドが感光体ドラムに対して傾くことがある。そして、このような傾きが生じると、感光体ドラムの表面上において部分的にピントが合わなくなってしまい、結果的に濃度むら等の画質低下が生じてしまう。一般に、LEDプリントヘッドの傾き調整はサービスマンが調整しており、熟練を要しないとLEDプリントヘッドの調整は難しく、しかも、サービスマンが派遣されるまで、LEDプリントヘッドの傾きを調整することができない。
【0013】
特許文献1に記載された手法では、露光光量を調整して画質の確認を行っているにすぎず、特許文献2では、MTFに応じてレンズの位置を調整しているにすぎないから、LEDプリントヘッドが感光体ドラムの軸方向に対して傾いている状態となっても、LEDプリントヘッドの傾きを調整することが難しいという課題がある。
【0014】
本発明の目的は、簡単にLEDプリントヘッドの露光位置ずれ(焦点(ピント)ずれ)を検知して、ピントずれを調整でき、しかもLEDプリントヘッドの傾きを調整することのできる露光ユニット自動焦点調整及び傾き補正装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、像担持体を露光ユニットで露光して得られた静電潜像を現像してトナー像を前記像担持体上に形成して、前記トナー像を記録媒体に転写して画像形成を行う画像形成装置に用いられ、前記像担持体には同一の露光パターンで第1及び第2のトナー像が形成され、前記第1及び前記第2のトナー像の濃度分布をそれぞれ計測して第1及び第2の濃度分布を得る計測手段と、前記第1及び前記第2の濃度分布間のずれ量に応じて前記露光ユニットの一端を基準点として前記露光ユニットの他端を前記像担持体に対して移動させて前記露光ユニットの傾きを補正する傾き補正手段とを有することを特徴とする露光ユニット自動焦点調整及び傾き補正装置が得られる。
【0016】
このようにして、像担持体に予め規定された間隔をおいて同一の露光パターンで第1及び第2のトナー像を形成して、第1及び第2のトナー像の濃度分布をそれぞれ計測して第1及び第2の濃度分布を得て、第1及び第2の濃度分布間のずれ量に応じて露光ユニットの一端を基準点として露光ユニットの他端を像担持体に対して移動させて露光ユニットの傾きを補正するようにすれば、極めて容易に精度よく露光ユニットの傾きを自動的に調整することができることになる。
【0017】
また、本発明では、前記第1及び前記第2の濃度分布に応じて前記露光ユニットと前記像担持体との距離を調整して前記露光ユニットによる露光焦点を前記像担持体上に調整する焦点調整手段を有している。
【0018】
このようにして、第1及び第2の濃度分布に応じて露光ユニットと前記像担持体との距離を調整して、露光ユニットによる露光焦点を像担持体上に調整するようにすれば、印画を行うことなく、ピントを合わせることができ、簡単にピントずれを調整することができる。そして、印画を行う必要がないから、ピント調整を迅速に行うことができる。
【0019】
例えば、前記露光ユニットは光を発光する発光手段と、前記光を前記像担持体上に結像させるレンズ系とを有し、前記焦点調整手段は前記第1及び第2の濃度分布に応じてそれぞれ得られる第1及び第2のMTFが最大となるように前記露光ユニットと前記像担持体との距離を調整する。
【0020】
このように、第1及び第2の濃度分布に応じてそれぞれ得られる第1及び第2のMTFが最大となるように露光ユニットと前記像担持体との距離を調整するようにすれば、トナー像を転写する転写過程以降における各種外乱(ノイズ)に影響されることなく、ピント合わせを行うことができる。
【0021】
また、前記露光ユニットは光を発光する発光手段と、前記光を前記像担持体上に結像させるレンズ系とを有し、前記焦点調整手段は、前記第1及び第2の濃度分布に応じてそれぞれ第1及び第2のMTFを求め、前記露光ユニットと前記像担持体との距離を調整して、再び前記露光パターンで前記第1及び前記第2のトナー像が形成された後、再び前記第1及び第2の濃度分布によって得られた第1及び第2のMTFと前回の第1及び第2のMTFとを比較してその比較結果に応じて前記第1及び前記第2のMTFが増加するように前記露光ユニットと前記像担持体との距離を調整するようにしてもよい。
【0022】
なお、前記ずれ量として、例えば、前記第1及び前記第2の濃度分布にそれぞれ応じた第1及び第2の電圧信号の位相差が用いられる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0024】
まず、図1を参照して、感光体ドラム(像担持体)21の軸方向に沿ってLEDプリントヘッド(以下LPHと呼ぶ)22が配置されており、このLPH(露光ユニット)22は、複数のLEDが感光体ドラム21の軸方向に配列されたLEDアレイ(図示せず)を露光用の光源として用いるとともに、複数のロッドレンズを感光体ドラム21の軸方向に配列したロッドレンズアレイ(図示せず)を用いて、LEDから出力される光を感光体ドラム上に結像させる。LEDアレイ及びロッドレンズアレイは一体化されて、LPH22とされる。
【0025】
LEDアレイはLED駆動回路(図示せず)によって駆動されており、LED駆動回路は、画像データ(画像パターン)に応じてLEDアレイを駆動することになる。なお、感光体ドラム21及びLPH22はドラムユニット23として画像形成装置本体の支持部24に支持されている。
【0026】
LPH22の両端部にはそれぞれステッピングモータ25及び26が配設されるとともに、図中右端にはステッピングモータ27が配置されている。そして、ステッピングモータ25及び26の駆動によって、後述するように、LPH22は図中上下方向に移動し、ステッピングモータ27の駆動によって、LPH22は図中左端を支点(基準点)として紙面の表から裏方向(又は裏から表方向)に移動する。
【0027】
例えば、LPH22の両端部にはそれぞれネジ部材(ピント調整ピン)22a及び22bが回動可能に取り付けられており、ネジ部材22a及び22bの下端は当接部材221に当接している。一方、ステッピングモータ25の回転軸25a及びステッピングモータ26の回転軸26aはそれぞれネジ部材22a及び22bに結合されており、これによって、ステッピングモータ25が駆動されると、ステッピングモータ25の駆動量に応じてネジ部材22aが回動されて、LPH22の一端部が図中上下方向に移動する。
【0028】
同様に、ステッピングモータ26が駆動されると、ステッピングモータ26の駆動量に応じてネジ部材22bが回動されて、LPH22の他端部が図中上下方向に移動する。この結果、ステッピングモータ25及び26の駆動量に応じてLPH22は感光体ドラム21の軸方向に沿って感光体ドラム21との位置関係が変化することになる。
【0029】
さらに、ステッピングモータ27の回転軸は、紙面の表から裏側に延びLPH22の右端に取り付けられたネジ部材(ピント調整ピン:図示せず)に結合されており、前述と同様に、ステッピングモータ27が駆動されると、LPH22はその左端を支点として、紙面の表から裏方向(又は裏から表方向)に移動する(以下この方向を奥行き方向と呼ぶ)。
【0030】
ステッピングモータ25〜27はモータ駆動制御装置28によって駆動制御されており、モータ駆動制御装置28は、後述するようにして、演算回路29から与えられるモータ駆動指令に応じてステッピングモータ25〜27を制御することになる。
【0031】
感光体ドラム21に対向して、濃度センサ(IDセンサ:計測手段)30a及び30bが配置されており、このIDセンサ30a及び30bは、感光体ドラム21の軸方向に沿って予め定められた間隔をおいて配置されている。図示の例では、IDセンサ30a及び30bはそれぞれ感光体ドラム21の左端及び右端近傍に配置されている。後述するようにして、IDセンサ30a及び30bから出力される濃度信号は電圧変換回路31でそれぞれ電圧信号に変換されて(以下IDセンサ30aからの濃度信号に応じた電圧信号を第1の電圧信号と呼び、IDセンサ30bからの濃度信号に応じた電圧信号を第2の電圧信号と呼ぶ)、演算回路29に与えられる。そして、演算回路29は第1及び第2の電圧信号に応じて感光体ドラム21に形成されたトナー像の濃度分布を解析する。
【0032】
いま、LPH22の結像位置ずれ(ピント調整)を行う際には、帯電器(図示せず)で感光体ドラム21を均一に帯電した後、予め規定された画像データ(画像データ)を用いて感光体ドラム21を露光する。例えば、この画像パターンとして、2ドットの画像パターンを用いて、感光体ドラム21の両端部(IDセンサ30a及び30bに対応する位置)に2ドットの発光信号(ON/OFF信号)で露光を行って、感光体ドラム21の両端部に、感光体ドラム21の軸方向に平行な露光パターン(静電潜像)をそれぞれ形成する。その後、これら露光パターンを現像して、トナー像を得る(以下感光体ドラム21の左端部に形成されたトナー像を第1のトナー像と呼び、感光体ドラム21の右端部に形成されたトナー像を第2のトナー像と呼ぶ)。
【0033】
ここでは、帯電器としてスコロトロン帯電器を用い、感光体ドラム21として、φ30の正帯電型OPC感光体ドラムを用いて、例えば、感光体ドラム21の表面を、帯電器によって均一に帯電して、前述の予め規定された画像パターンによってLPH22を駆動して感光体ドラム21上に露光パターンを形成した。そして、現像器(図示せず)によって露光パターンを現像して、感光体ドラム21上に、トナー像を形成した。
【0034】
ここでは、感光体ドラム21の露光前表面電位は400V、暗電位は80V、半減露光量を0.17μJ/cm2、感光体ドラム21の線速を97mm/secとした。また、LPH22のサイズはA4サイズであり、解像度を600dpi、露光量を0.5〜0.9μJ/cm2、焦点距離(TC)を12mm〜18mm、露光光の波長を685nm〜800nmとした。さらに、現像の際のバイアス電圧を、直流成分:270V、交流電圧振幅:1.8kV〜2.5kV、周波数:1.5〜3.0kHzとした。
【0035】
上述のようにして、感光体ドラム21上にトナー像を形成した後、IDセンサ30a及び30bでそれぞれ第1及び第2のトナー像を検知して、それぞれ第1及び第2の濃度分布を得る。そして、IDセンサ30a及び30bはそれぞれ第1及び第2のトナー分布を示す第1及び第2の濃度分布信号を電圧変換回路31に与える。電圧変換回路31では、第1及び第2の濃度分布信号をそれぞれ第1及び第2の電圧信号(Vout)に変換して、これら第1及び第2の電圧信号を演算回路29に与える。
【0036】
図2も参照して、いま、第1の電圧信号を実線で、第2の電圧信号を破線で示す。第1の電圧信号に注目すると、現像に当たって、黒トナーを用いて、正反射光によって濃度分布を検出すると、谷となる箇所が最も黒トナーの量が多く、光吸収のピークを表すことになる。従って、黒色の部分(最も黒トナーの量が多い部分)で最低電圧値(Vb)となり、白色の部分(最も黒トナーの量が少ない部分)で最高電圧値(ピーク:Vp)となる。第2の電圧信号についても第1の電圧信号と同様な波形となる。
【0037】
演算回路29では、第1の電圧信号に応じてMTFを計算してMTF(第1のMTF)を求める。ここでは、MTF=(Vp−Vb)/(Vp+Vb)×100で表される。そして、このMTFは、LPH22のピントがずれると、小さくなる。同様にして、演算回路29では、第2の電圧信号に応じてMTFを計算してMTF(第2のMTF)を求める。
【0038】
上述のようにして、第1及び第2のMTFを求めた後、演算回路29では、モータ駆動指令をモータ駆動制御装置28に与える。モータ駆動指令に応答して、モータ駆動制御装置28はステッピングモータ25及び26を予め規定された回転量だけ駆動させて、感光体ドラム21とLPH22との距離を変化させる。
【0039】
その後、感光体ドラム上のトナー像を除去した後、前述の画像パターンで感光体ドラム21を露光して、再び、露光パターンを現像してトナー像を形成し、IDセンサ30a及び30bで、前述のようにして、トナー像を検出する。そして、IDセンサ30a及び30bからそれぞれ出力される第1及び第2の濃度分布信号を電圧変換回路31で第1及び第2の電圧信号に変換する。演算回路29では再度第1及び第2の電圧信号に応じてそれぞれ第1及び第2のMTFを求めて、第1及び第2のMTFがどのように変化しているかを判定して、再び前述のようにして、ステッピングモータ25及び26を駆動する。
【0040】
このようにして、第1及び第2のMTFが最大値(極大値)となるまで、ステッピングモータ25及び26を駆動制御して、LPH22の位置を調整してピント合わせを行う。
【0041】
ところで、LPH22が感光体ドラム21の軸心から傾いていない場合には、第1及び第2の電圧信号の間に位相差はなく、第1及び第2の電圧信号の位相は一致することになる。一方、LPH22が感光体ドラム21の軸心から傾くと、第1及び第2の電圧信号の間に位相差が生じ、この位相差はLPH22の傾きが大きくなる程、大きくなる。
【0042】
いま、図2に示すように、第1及び第2の電圧信号との間に位相差Δtがあると、演算回路29ではこの位相差Δtに応じて(つまり、第1及び第2の濃度分布のずれ量に応じて)、ステッピングモータ27を駆動制御することになる。つまり、位相差Δtに基づいて、演算回路29では、モータ駆動制御装置28にステッピングモータ27を駆動制御するためのモータ駆動指令を与えて、モータ駆動制御装置28はこのモータ駆動指令に応じてステッピングモータ27を駆動して、LPH22を奥行き方向に沿って移動させて、LPH22と感光体ドラム21とを平行状態とする(LPH22の傾きを無くする)。
【0043】
具体的には、図1において、LPH22の左端を基準点とした際には、第1の電圧信号の位相が第2の電圧信号の位相よりも進んでいる際には、LPH22の右端をステッピングモータ27によって紙面奥方向に移動させ、第1の電圧信号の位相が第2の電圧信号の位相よりも遅れている際には、LPH22の右端をステッピングモータ27によって紙面手前側に移動させて、LPH22と感光体ドラム21とを平行状態とする。
【0044】
このようにして、ステッピングモータ27を駆動制御する際においても、前述のようにして、トナー像を再度形成してステッピングモータ27を駆動制御することになる。
【0045】
なお、前述の基準点は感光体ドラム21の駆動ギアが左端にあるか右端にあるかに応じて適宜選定されることになる。
【0046】
また、上述の説明から容易に理解できるように、電圧変換回路、演算回路、モータ駆動制御回路、及びステッピングモータは焦点調整手段及び傾き補正手段として機能する。
【0047】
このようにして、予め規定された画像パターンで感光体ドラムを露光した結果得られる静電潜像を現像してトナー像を得て、トナー像の濃度分布に応じてMTFを求めて、このMTFに基づいてLPHの位置を調整するようにしたから、記録用紙に画像を形成することなく(つまり、印画を行うことなく)、LPHの露光焦点を調整することができることになる(つまり、ピントを合わせることができる)。言い換えると、簡単にLPHの露光位置ずれ(焦点(ピント)ずれ)を検知して、容易にピントの調整を行うことができる。
【0048】
加えて、感光体ドラム上のトナー像をスキャンして得られた濃度分布に応じてMTFを求めて、LPHのピント合わせを行うようにしたから、トナー像を記録用紙に転写する転写過程以降における各種外乱(ノイズ)に影響されることなく、ピント合わせを行うことができる。
【0049】
また、露光光量の調整を行うことなく、MTFに応じてLPHの位置を調整するようにしたから、ピントずれが大きい場合であっても、ピント調整を行うことができることになる。そして、印画を行う必要がないから、ピント調整を迅速に行うことができることになる。
【0050】
なお、画像形成を行うにつれて、感光体ドラムの表面が削られて感光体が薄くなったとしても、前述のように、感光体ドラムとLPHとの距離を調整しているから、容易にLPHのピントを調整することができることになる。
【0051】
さらに、第1及び第2の電圧信号の位相差に応じてLPH22の傾きを調整するようにしたから、極めて容易に精度よくLPH22の傾きを自動的に調整することができることになる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、像担持体に予め規定された間隔をおいて同一の露光パターンで第1及び第2のトナー像を形成して、第1及び第2のトナー像の濃度分布をそれぞれ計測して第1及び第2の濃度分布を得て、第1及び第2の濃度分布間のずれ量に応じて露光ユニットの一端を基準点として露光ユニットの他端を像担持体に対して移動させて露光ユニットの傾きを補正するようにしたから、極めて容易に精度よく露光ユニットの傾きを自動的に調整することができるという効果がある。
【0053】
また、本発明では、第1及び第2の濃度分布に応じて露光ユニットと像担持体との距離を調整して、露光ユニットによる露光焦点を像担持体上に調整したから、印画を行うことなく、ピントを合わせることができ、簡単にピントずれを調整することができるという効果がある。そして、印画を行う必要がないから、ピント調整を迅速に行うことができるという効果がある。
【0054】
本発明では、第1及び第2の濃度分布に応じてそれぞれ得られる第1及び第2のMTFが最大となるように露光ユニットと前記像担持体との距離を調整するようにしたから、トナー像を転写する転写過程以降における各種外乱(ノイズ)に影響されることなく、ピント合わせを行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動焦点調整及び傾き補正装置の一例を感光体ドラム及びLEDプリントヘッドとともに示す図である。
【図2】MTFの算出及びLEDプリントヘッドの傾きの補正について説明するための図である。
【符号の説明】
21 感光体ドラム
22 LEDプリントヘッド(LPH)
23 ドラムユニット
24 支持部
25,26,27 ステッピングモータ
28 モータ駆動制御装置
29 演算回路
30a,30b 濃度センサ(IDセンサ)
31 電圧変換回路
Claims (5)
- 像担持体を露光ユニットで露光して得られた静電潜像を現像してトナー像を前記像担持体上に形成して、前記トナー像を記録媒体に転写して画像形成を行う画像形成装置に用いられ、
前記像担持体には同一の露光パターンで第1及び第2のトナー像が形成され、前記第1及び前記第2のトナー像の濃度分布をそれぞれ計測して第1及び第2の濃度分布を得る計測手段と、
前記第1及び前記第2の濃度分布間のずれ量に応じて前記露光ユニットの一端を基準点として前記露光ユニットの他端を前記像担持体に対して移動させて前記露光ユニットの傾きを補正する傾き補正手段とを有することを特徴とする露光ユニット自動焦点調整及び傾き補正装置。 - さらに、前記第1及び前記第2の濃度分布に応じて前記露光ユニットと前記像担持体との距離を調整して前記露光ユニットによる露光焦点を前記像担持体上に調整する焦点調整手段を有することを特徴とする請求項1に記載の露光ユニット自動焦点調整及び傾き補正装置。
- 前記露光ユニットは光を発光する発光手段と、前記光を前記像担持体上に結像させるレンズ系とを有し、
前記焦点調整手段は、前記第1及び第2の濃度分布に応じてそれぞれ得られる第1及び第2のMTFが最大となるように前記露光ユニットと前記像担持体との距離を調整するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の露光ユニット自動焦点調整及び傾き補正装置。 - 前記露光ユニットは光を発光する発光手段と、前記光を前記像担持体上に結像させるレンズ系とを有し、
前記焦点調整手段は、前記第1及び第2の濃度分布に応じてそれぞれ第1及び第2のMTFを求め、前記露光ユニットと前記像担持体との距離を調整して、再び前記露光パターンで前記第1及び前記第2のトナー像が形成された後、再び前記第1及び第2の濃度分布によって得られた第1及び第2のMTFと前回の第1及び第2のMTFとを比較してその比較結果に応じて前記第1及び前記第2のMTFが増加するように前記露光ユニットと前記像担持体との距離を調整するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の露光ユニット自動焦点調整及び傾き補正装置。 - 前記ずれ量として、前記第1及び前記第2の濃度分布にそれぞれ応じた第1及び第2の電圧信号の位相差を用いるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の露光ユニット自動焦点調整及び傾き補正装置。
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