JP2004148359A - 鍛造品寸法が調整可能な鍛造方法及び鍛造金型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸部42とその一端のつば部43とを持つ素材41を所定形状の鍛造品41a成形する鍛造金型10は、中空孔23を持ち素材が載置され上昇位置又は下降位置を取り得るダイ21、その中空孔内に配置されたロッド状のカウンタパンチ26を含む下型11と;ダイを大きさが変更可能な支持荷重で下方から支持する支持手段28と;ダイの下方に配置された当接部材17と;素材を所定の押下げ荷重でダイ及びカウンタパンチに加圧するパンチ36を含む上型35と;から成る。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鍛造品の寸法が調整可能な鍛造方法、及び寸法調整機構を内蔵した鍛造金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
鍛造は、一般に素材(ビレット)の塑性を利用して所定形状の機械部品等を成形する加工法であり、その一種に冷間鍛造がある。ここで、軸部とその一端のつば部とから成る素材を鍛造金型により冷間鍛造にする場合を考える。鍛造金型の下型のダイの上面及び上型のパンチの下面によりつば部を据え込み加工してその外径を増大させるとともに、ダイの中空孔の内周面及びパンチの下面により軸部を押し出し加工してその長さを増大させる。設計上(理論上)は素材のつば部の外径がΔdだけ広がり、軸部の長さがΔlだけ伸びるはずでも、現実の鍛造品では必ずしもそのようにならない。
【0003】
その理由は、熱処理条件や素材とダイ及びパンチとの間に供給する潤滑剤の違い等により素材の硬度がロット毎にばらつくため、及び潤滑剤により素材とダイ及びパンチとの間の摩擦抵抗が変化するため、及び継続使用によりダイ及びパンチに塑性変形が生ずることがあるためである。
【0004】
鍛造品の軸部及び/又はつば部の寸法がばらつくと研磨等の後処理が必要となり、その分製造コストが上昇する。そのために、鍛造製品の寸法が一定範囲に収まるように(寸法調整すべく)、従来から種々の工夫がなされている。
【0005】
図13に示す第1従来例では、下型150のダイ151の上下方向位置(高さ)を微調整している。即ち、円筒形状の保持部材152の内周側に回転部材153が螺合され、保持部材152に遊嵌され回転部材153上ダイ151が載置されている。
【0006】
素材158を鍛造しても所定寸法の鍛造品が得られないときは、回動部材153を回動させてダイ151の高さを調整する。すると、上型155のパンチ156の下降位置におけるダイ151とパンチ156との間の間隔が変わる。
【0007】
第2従来例(不図示)では、上記第1実施例におけるダイの代わりに、パンチの上下方向位置(高さ)を微調整している。
【0008】
図14に示す第3従来例(特許文献1参照)では、下型160の浮動ダイ162を油圧シリンダ164で支持し、油圧シリンダ164の移動ストロークを調整することにより素材(ボディフリーホイール)170の内周スプラインの長さを調整している。即ち、下型160は中心の固定ダイス161、その周りの浮動ダイス162、ストッパ163及び浮動ダイス162を支持する油圧シリンダ164等を含む。上型167はパンチ168を含む。
【0009】
パンチ168の下降力は油圧シリンダ164による浮動ダイス162の支持荷重よりも大きいため、素材170及び浮動ダイス162が下降し、固定ダイス161が素材170の中空部に入り込み内周スプラインが形成される。内周スプラインの形成は、浮動ダイス162の下降が進み、ストッパ163に当接した地点で終了する。但し、パンチ168は更に下降し、素材170の一端面が押しつぶされて据え込み加工される。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−166102号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記第1従来例は、ダイ151の位置を調整するためには、工具(不図示)を保持部材152の貫通孔152aから差し込んで回転部材153を回転させなければならず、調整作業が面倒である。また、保持部材152と回転部材153との間のねじ部の強度上の制約から、ダイ151及びパンチ156に大きな荷重が加わる鍛造加工には採用困難である。この事情は第2従来例でも同様である。
【0012】
また、第3従来例は、油圧シリンダ164の移動ストロークの調整により鍛造品の内周スプラインの長さは調整できても、素材170の硬度等にばらつきがある場合に、鍛造品の寸法を所定範囲に収めることはできない。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、熱処理条件に起因して硬度差が異なる素材が発生したとき、潤滑処理条件に起因して摩擦抵抗が異なる素材が発生したとき、及び金型の摩耗や焼付き度合いが変化したとき、鍛造加工で発生する寸法変化により寸法を所定範囲に収めることができなくなった場合に、寸法を所定範囲に収めることができる鍛造方法及びそのような寸法調整機構を内蔵した鍛造金型を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、鍛造加工における加工荷重と変化量との関係を検討した。その結果、成形加工の前半(特に初期)は荷重が比較的小さい間でも素材の変形は進行する。この荷重が低い間に発生する変形が最終的な鍛造品の形状に大きく影響することに気付いた。そこで、この成形加工の前半における素材の変形量を変更(制御)する方策を思い付いて、本発明を完成させた。
【0015】
本発明の特徴を概念的に言えば、ダイを浮遊状態で配置し、上昇位置から下降位置までの状態を取り得るようにした。ダイは、支持手段により所定の支持荷重で支持され、加工しない状態では支持手段により上昇位置に支持される。加工が開始し、パンチが下降しているとダイ上に載置された素材はパンチにより圧下され変形が進行していくと共に、ダイに加わる加工荷重は順次増加していく。そして、ダイに加わった加工荷重が支持荷重を越えると、ダイは下降位置まで下降し当接部材に当接する。
【0016】
よって、ダイを支持する支持荷重の大きさを適宜選択することにより、ダイが下降開始する時点でのダイに加わる加工荷重が変化する、すなわちダイが下降開始する時点での素材の変形の進行状態に差を生じさせうる。この素材の変形の進行状態による差により、ダイの下降によって変形を加える部分の長さや厚さ等が変化し、最終的に鍛造品の寸法に変化が発生させることができ、寸法の調整が可能となる。
【0017】
本発明は、素材の形状と、下型及び上型の形状とに応じて、3つの群に分類され、各群は鍛造品寸法が調整可能な鍛造方法の独立請求項と、鍛造品寸法が調整可能な鍛造金型の独立請求項とを含む。
▲1▼第1群
第1群の鍛造方法(第1発明)は、請求項1に記載したように、軸部とその一端側のつば部とを持つ素材を、上昇位置又は下降位置を取り得るダイ及びその内部に配置されたカウンタパンチを含む下型と、素材をダイ及びカウンタパンチに加圧するパンチを含む上型とで所定形状の鍛造品に成形する鍛造方法であって、ダイを支持荷重の大きさが変更可能な支持手段により上昇位置に支持し、ダイ及びカウンタパンチに対してパンチを小さい押下げ荷重で下降させてつば部を据え込み、軸部を前方押し出し、軸部の先端の円筒部を前方押し出す第1工程と;ダイを支持荷重に抗して下降位置に下降させ、ダイ及びカウンタパンチに対してパンチを大きい押下げ荷重で更に下降させて軸部を更に前方押し出し、円筒部を前方押し出す第2工程と;から成ることを特徴とする。
【0018】
第1群の鍛造金型(第2発明)は、請求項4に記載したように、軸部とその一端のつば部とを持つ素材を所定形状の鍛造品に成形する鍛造金型であって、中空孔を持ち素材が載置され上昇位置又は下降位置を取り得るダイ、及びダイの中空孔内に配置されたロッド状のカウンタパンチを含む下型と;ダイを大きさが変更可能な支持荷重で下方から支持する支持手段と;ダイの下方に配置された当接部材と;素材を所定の押下げ荷重でダイ及びカウンタパンチに加圧するパンチを含む上型と;から成る。ダイは、所定の支持荷重が増加する押下げ荷重よりも大きい間は支持手段に支持されて上昇位置にあり、押下げ荷重が所定の支持荷重よりも大きくなったとき下降位置に移動して当接部材に当接することを特徴とする。
【0019】
第1群の鍛造方法及び鍛造金型において、ダイの支持荷重がパンチの押下げ荷重よりも大きい間、換言すればパンチの押下げ荷重がダイの支持荷重よりも小さい間は、ダイは上昇位置にある。パンチの押下げ荷重がダイの支持荷重よりも大きくなると、換言すればダイの支持荷重がパンチの押下げ荷重よりも小さくなると、ダイは下降位置に下降する。
【0020】
支持荷重が比較的小さい場合、パンチの押下げ荷重が支持手段の支持荷重よりも小さい時間即ちダイが上昇位置にある時間が短い。よって、鍛造初期における素材の変形量が小さい。これに対して、支持荷重が比較的大きい場合、押下げ荷重が支持荷重よりも小さい時間即ちダイが上昇位置にある時間が長くなり、鍛造初期における素材の変形量が大きい。よって、支持荷重の大きさを適宜変更すれば、鍛造初期における素材の変形量を変更することができ、素材の熱処理条件等が異なっても、鍛造品寸法を所定範囲に収めることができる。
【0021】
この事情は、第2群及び第3群の発明でも基本的に同様である。
▲2▼第2群
第2群の鍛造方法(第3発明)は、請求項8に記載したように、軸状の素材を、上昇位置又は下降位置を取り得るダイ及びその内部に配置された補助ダイを含む下型と、素材をダイ及び補助ダイに加圧するパンチを含む上型とで所定形状の鍛造品に成形する鍛造方法であって、ダイを支持荷重の大きさが変更可能な支持支持手段により上昇位置に支持し、ダイ及び補助ダイに対してパンチを小さい押下げ荷重で下降させ、素材の上端部を後方押し出し、下端部を前方押し出し、下端部の先端の円筒部を前方押し出す第1工程と;ダイを支持荷重に抗して下降位置に下降させ、ダイ及び補助ダイに対してパンチを大きい押下げ荷重で更に下降させ、素材の上端部を更に後方押し出し、下端部を更に前方押し出し、下端部の先端を前方押し出す第2工程と;から成ることを特徴とする。
【0022】
第2群の鍛造金型(第4発明)は、請求項12に記載したように、軸状の素材を所定形状の鍛造品に成形する鍛造金型であって、中空孔を持ち素材が載置され上昇位置又は下降位置を取り得るダイ、及びダイの中空孔内に配置された円筒形状の補助ダイを含む下型と;ダイを大きさが変更可能な支持荷重で下方から支持する支持手段と;ダイの下方に配置された当接部材と;素材を所定の押下げ荷重でダイ及び補助ダイに加圧するパンチを含む上型と;から成る。ダイは、所定の支持荷重が増加する押下げ荷重よりも大きい間は支持手段に支持されて上昇位置にあり、押下げ荷重が所定の支持荷重よりも大きくなったとき下降位置に下降して当接部材に当接することを特徴とする。
▲3▼第3群
第3群の鍛造方法(第5発明)は、請求項18に記載したように、軸部とその一端側のつば部とを持つ素材を、上昇位置又は下降位置を取り得るダイ及びその内部に配置された補助ダイを含む下型と、素材をダイ及び補助ダイに加圧するパンチを含む上型とで所定形状の鍛造品に成形する鍛造方法であって、ダイを支持荷重の大きさが変更可能な支持手段により上昇位置で支持し、ダイ及び補助ダイに対してパンチを小さい押下げ荷重で下降させ、素材のつば部を据込み及び後方押し出し、軸部を前方押し出し、軸部の先端の円筒部を前方押し出しする第1工程と;ダイを支持荷重に抗して下降位置に下降させ、ダイ及び補助ダイに対してパンチを大きい押し下げ荷重で更に下降させ、素材のつば部を更に据込み及び後方押し出し、軸部を更に前方押し出し、軸部の先端の円筒部を更に前方押し出しする第2工程と;から成ることを特徴とする。
【0023】
第3群の鍛造金型(第6発明)は、請求項21に記載したように、軸部とその一端側のつば部とを持つ素材を成形する鍛造金型であって、中空孔を持ち素材が載置され上昇位置又は下降位置を取り得るダイ、及びダイ内に配置された円筒状の補助ダイを含む下型と;ダイを大きさが変更可能な支持荷重で下方から支持する支持手段と;ダイの下方に配置された当接部材と;素材を所定の押下げ荷重で前記ダイ及び前記補助ダイに加圧するパンチを含む上型と;から成る。ダイは、所定の支持荷重が増加する押下げ荷重よりも大きい間は支持手段により支持されて上昇位置にあり、押下げ荷重が所定の支持荷重よりも大きくなったとき下降位置に下降して当接部材に当接することを特徴とする。
▲4▼第1群から第3群の鍛造方法において、請求項3、11及び20に記載したように、更に、支持荷重を変更した後、第1工程及び第2工程を少なくとも1回実行する第3工程を含むことができる。また、第1群から第3群の鍛造装置において、請求項5、13及び22に記載したように、支持荷重の大きさは段階的又は連続的に変更される。
【0024】
【発明の実施の形態】
<鍛造、素材>
本発明の鍛造方法は及び鍛造金型は冷間鍛造に好適に適用できる。冷間鍛造はでは、材料の塑性を利用して成形するため切削加工のような切り粉は発生せず、材料のロス(損失)が少なく、塑性変形による材料の流れで強度が向上する。また、同じ強度を確保しながら肉厚を薄くできるため資源の節約及びコストダウンにつながり、成形時に熱を加える必要がないため精密な加工に適している。但し、熱間鍛造の場合にも適用できる。
【0025】
一般の鉄鋼材料から成る素材は、第1タイプでは軸部とその一端のつば部とを備え、第2タイプでは軸部のみから成る。
<鍛造方法>
上記第1発明、第3発明及び第5発明の鍛造方法は第1工程と第2工程とから成り、ダイ及びパンチ等により素材を二段階に成形する。上述したように3つの発明は素材の形状と、ダイ及びパンチの形状とが異なる。
▲1▼ダイは支持手段により大きさが変更可能な支持荷重で支持され、パンチの押下げ荷重は漸増する。第1工程(前半)では、所定の支持荷重がパンチの押下げ荷重又は素材の変形荷重よりも大きく、ダイは上昇位置にある。このダイに向かって上型のパンチが下降し、比較的小さい押下げ荷重で素材をダイ等に向かって加圧して変形させる。これに対して、第2工程(後半)では、押下げ荷重が所定の支持荷重よりも大きく、ダイは下降位置に移動する。このダイに向かってパンチが更に下降し、比較的大きい押下げ荷重で素材をダイ等に向かって更に加圧して変形させる。
【0026】
ダイは所定の支持荷重で支持されているが、上型のパンチの押下げ荷重はゼロから所定値まで漸増する。押下げ荷重が支持荷重よりも大きくなった時点でダイは下降位置に下降する。これが第1工程から第2工程への移行時期である。
【0027】
素材は、第1工程では比較的低荷重で第1所定部分を加工され、第2工程では比較的高荷重で第1所定部分を更に加工され及び/又は第2所定部分を加工される。第1所定部分と第2所定部分とが生ずるのは、素材の形状やダイ及びパンチの形状による。
【0028】
第1支持荷重で第1工程及び第2工程を実行し、鍛造品を成形してみる。その寸法が満足できない場合、その結果に応じて、所定の支持荷重を第1所定荷重よりも大きい又は小さい第2支持荷重に変更して再度第1工程及び第2工程を実行し、鍛造品を成形すれば良い。
▲2▼加工の種類には据込み加工や押出し加工がある。「据込み加工」とは金型によりビレットに軸方向の圧縮力を加えて軸方向の寸法を短くし、軸直角方向の寸法を長くする加工法を言う。一方、「押出し加工」とは、ビレットに圧縮力を加えて金型に設けられた孔や、金型間の隙間から素材を絞り出して長さを延ばす加工法のことである。加圧方向と素材の流出方向との組合わにより前方押出し、後方押出し及び側方押出し等に分類される。
【0029】
本発明の鍛造方法は据え込みと1つ又は2つの前方押し出しとの組み合わせ加工、前方押し出しと前方押し出しの組み合わせ加工、据え込みと後方押し出しと1つ又は2つの前方押し出しとの組み合わせ加工等をなし得る。
<鍛造金型>
本発明の鍛造金型は上記鍛造方法を実施するために使用され、下型、支持手段、当接部材及び上型から成る。
【0030】
下型はダイ、カウンタパンチ又は補助ダイ等を含み、更に保持部材(ホルダ)、保持部材内に収納された当接部材及び支持手段を含むことができる。
【0031】
ダイは素材の載置面及びその中心の中空孔を備える。中空孔は上端側の大径部、下端側の小径部及び中間のテーパ部を含むことができる。また、単一径の長孔と上端開口の環状のくぼみとを備えることができる。ダイは保持部材内に浮動状態に収納され、支持手段により支持されている。
【0032】
ロッド形状のカウンタパンチの上端部がダイの中空孔内に伸び、細長い円筒形状の補助ダイが保持部材に保持された当接部材の中空孔の内周面に装着されている。カウンタパンチは素材の軸部よりも細く、パンチはつば部よりも大きくできる。下型は更に、補助ダイの中空孔に挿入されたノックアウトピンを含み、その上端は補助ダイの上端よりも上方に突出していても下方に後退していても良い。
【0033】
支持手段は例えば油圧シリンダから成り、作動油の圧力等を調整することにより、支持荷重の大きさを段階的に又は連続的に変更することができる。
【0034】
上型のパンチの外径は、素材の上端部全体を加圧する場合は素材の外径より大きく、上端部の中心部のみを加圧する場合は素材の外径よりも小さくする。また、ダイの中空孔が環状のくぼみを持つ場合、パンチの外径はくぼみの内径よりも小さくする。
<鍛造品>
素材が第1タイプの場合、鍛造品の軸部は素材の軸部よりも長くなる。下端に円筒部が形成される場合と、されない場合とがある。つば部は、厚さが薄く外径が大きい円板部に変形する場合と、厚さが薄く外径が大きい円板形状の底部及びその周りの外周壁に変形する場合とがある。一方、素材が第2タイプの場合、鍛造品の下端側に凸部又は凹部が形成され、上端側に円筒部が形成される。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を基に説明する。
<第1実施例>
(鍛造金型)
図1に示す鍛造金型は下型10と上型35とから成る。下型10は保持部材11、スペーサ17、ダイ21、カウンタパンチ26及び油圧シリンダ28等を含む。このうち保持部材11は円筒部12と円形状の蓋部13とを有し、蓋部13の中心には円形状の挿入孔14があけられ、内周縁につば部15が形成されている。スペーサ(当接部材)17は円柱形状を持ち、その外周面が円筒部12の内周面に嵌合されている。中心部にはパンチ挿入孔18が形成され、中心から所定半径の円軌跡上には複数のシリンダ挿入孔19が形成されている。
【0036】
中空形状のダイ21は平坦な支持面22を備え、中心に断面円形状の挿入孔23があけられている。外周縁に形成された環状の嵌合溝24に保持部材11のつば部15が嵌合している。パンチ挿入孔18に挿入されたカウンタパンチ26は丸棒形状を持ち、挿入孔23内まで延びた上端の外径は挿入孔23の内径よりも細い。
【0037】
シリンダ装着孔19に油圧シリンダ28が装着され、これに滑合されたピストン(不図示)から上方に延びたピストンロッド29の上端がダイ21の下端面に結合されている。油圧シリンダ(支持手段)28は上記ダイ21を昇降させる。上昇位置ではダイ21の嵌合溝24に保持部材11のつば部15が係合し、下降位置ではダイ21の下面がスペーサ17の上面に着座する。油圧シリンダ28は支持荷重を三段階(最小の第1支持荷重、中間の第2支持荷重及び最大の第3支持荷重)の何れか一つに設定することができる。
【0038】
上型35はパンチ36及びこれを駆動する駆動機構(不図示)等を含む。パンチ36は円柱形状を持ち、円筒状で平坦な加圧面37を備えている。パンチ36の押下げ荷重は漸増し、下降ストロークは一定である。
(鍛造方法)
次に、上記鍛造金型の作動を説明する。別工程で予備成形された素材41(ビレット)から所定形状の鍛造品を成形する。
▲1▼図1及び図2(a)に示すように、素材41は軸部42と、その上端側のつば部43とを有する。軸部42の外径はd、長さはlで、つば部43の半径はrである。上昇位置にあるダイ21の挿入孔23に軸部42が挿入され、つば部43がダイ21の支持面22により支持される。また、ピストンロッド29は上昇しており、油圧シリンダ28によりダイ21を中間の大きさの第2支持荷重で支持している。素材41とダイ21との間に潤滑剤(例えば潤滑油)を供給する。
【0039】
パンチ36が押し下げられると、素材41とダイ21との間の変形抵抗及び摩擦抵抗によりダイ21に比較的小さい押下げ荷重が働く。この押下げ荷重(素材の変形荷重)が油圧シリンダ28の第2支持荷重よりも小さい間はピストンロッド29が縮まないのでダイ21は上昇位置にある。パンチ36の下降に伴い、ダイ21の支持面22とパンチ36の加圧面37とでつば部43で据込みが進行するとともに、パンチ36の加圧面37とダイ21の挿入孔23とで軸部42の前方押出しが進行する。その結果、図2(a)に示すように、つば部43は厚さが薄くなり半径rがΔr1だけ拡大し、軸部42は外径dはそのままで長さがΔl1だけ伸びる。
【0040】
据込み及び前方押出しの進行につれて、加工硬化等により変形し難くなった素材41からダイ21へ加わる押下げ荷重が増加する。そして、押下げ荷重が油圧シリンダ28の第2支持荷重を超えると、図3(a)に示すようにピストンロッド29が縮んでダイ21が下降し始め、図3(b)に示すようにダイ21の下面がスペーサ26の上面に当接して下降位置に停止する。この状態で挿入孔23の内周面とカウンタパンチ26の外周面とで軸部42が前方押出しされ、円筒部44が形成される。
【0041】
図2(b)に示すように、最終的な鍛造品41はつば部43aと軸部42a及び円筒部44aとを備え、つば部43aは素材41のつば部43に比べて厚さは更に薄くなり半径rがΔr2だけ増加し、円筒部44a及び軸部42aは軸部42に比べて外径dはそのままでの長さlがΔ2だけ増加する。
▲2▼次に、素材41と形状、寸法は同じであるが硬度が異なる素材46を上記鍛造金型10及び35で加工する場合を図4(a)及び(b)をもとに説明する。素材46は軸部47とつば部48とを備えている。
【0042】
この素材46を上記第2支持荷重で支持して鍛造すると、鍛造品46のつば部48aの外径が小さ過ぎ、軸部47a及び円筒部49の長さが長すぎる。この場合、ダイ21の支持荷重を最小の第1支持荷重に設定する。これによりダイ21の支持荷重が低下し、ダイ21は第2支持荷重で支持されている場合よりも早く下降を開始する。そのため、第1支持荷重が押下げ荷重よりも大きく、ダイ21が図4(a)に示す上昇位置にある時間は短く、つば部48の据込みと軸部47の前方押出しがあまり進行しない。
【0043】
素材46の押下げ荷重が第1支持荷重を超え、ダイ21が図4(b)に示す下降位置に下降すると、ダイ21の挿入孔23及びカウンタパンチ26による軸部47の前方押出しが行われ、円筒部49が成形される。ここで、軸部47の前方押出しが余り進行していないため円筒部49を押し出す際の抵抗が大きく、長さlの増加量は小さい。一方、つば部48の半径rの増加量は大きい。
【0044】
結局、図4(b)に示す鍛造品46aでは、つば部48aの広がり量は上記Δr2よりも大きく、軸部47a及び円筒部49aの伸び量は上記Δl2よりも小さい。これにより、上記鍛造品46よりもつば部48aの半径が大きく、軸部47a及び円筒部49aの長さが短い鍛造品46が得られる。
▲3▼続いて、素材41とは形状、寸法は同じで硬度が異なる素材53を上記鍛造金型10及び35で加工する場合、上記第2支持荷重で鍛造すると、最終的な鍛造品53aのつば部55aの外径が大き過ぎ、軸部54a及び円筒部56aの長さが短か過ぎる。この場合、油圧シリンダ28によるダイ21の支持荷重を最大の第3支持荷重に設定する。
【0045】
これによりダイ21の支持荷重が増加し、ダイ21は第2支持荷重で支持されている場合よりも遅く下降を開始する。そのため、第3支持荷重が押下げ荷重よりも大きく、ダイ21が図5(a)に示す上昇位置にある時間が長く、つば部55の据込みと軸部54の前方押出しがかなり進行する。
【0046】
素材53の押下げ荷重が第3支持荷重を超え、ダイ21が図5(b)に示す下降位置に下降すると、ダイ21の挿入孔23及びカウンタパンチ26による軸部54の前方押出しによる円筒部56の形成が行われる。ここで、軸部54は前方押出しがかなり進行しているため円筒部56の押出し時の抵抗が小さく、長さの増加量は大きい。その分、つば部55の半径の増加量は小さい。
【0047】
結局、図5(b)に示す最終的な鍛造品53aでは、つば部55aの広がり量は上記Δr2よりも小さく、軸部43a及び円筒部56aの伸び量は上記Δl2よりも大きい。これにより、上記鍛造品45よりもつば部55aの半径が小さく、軸部54a及び円筒部56aの長さが長い鍛造品53aが得られる。
(効果)
以上詳述した第1実施例によれば、以下の効果が得られる。
【0048】
まず、油圧ピストン28による支持荷重の大きさが中間、最少及び最大の何れであるかに応じて、ダイ21が下降を開始する時点でのパンチ36の位置即ちパンチ36の低荷重による素材41の加圧から高荷重による素材41の加圧に移行する時期が変化する。その結果、成形初期の低荷重による素材41、46及び53の軸部42、47及び54及びつば部43,48及び55の変形量が異なり、最終的な鍛造品41a,46a及び53aの形状が異なる。
【0049】
また、素材41,46又は53の硬度等に応じて、油圧シリンダ28の作動油の圧力を変更するのみで、ダイ21を支持する支持荷重の大きさを簡単かつ正確にに変更することができる。
【0050】
第1実施例と図13に示した第1従来例との相違は次の通りである。第1従来例では、鍛造品寸法が所定範囲に収まらないときは、ナット153を回動させてダイ151の位置(高さ)を変更する。ダイ151の高さの変更により、寸法Aと共に寸法Bまで相対的に変化してしまう。例えば、寸法Bだけ調整したいような調整は対応困難である。これに対して、本実施例では、油圧シリンダ28の支持荷重を自由に変更して加工途中の形状を変更するだけで、金型の相対的位置関係は変更することなく、寸法の調整ができる。
<第2実施例>
本発明の第2実施例を図6、図7及び図8を基に説明する。この実施例は丸棒状で硬度等の処理条件が異なる素材71又は91の下端を前方押し出すと共に上端を後方押し出して、下端に突起71c又は91cを、上端に円筒部71b又は91bを備えた鍛造品71a又は91aを加工する場合である。
【0051】
図6に示すように、鍛造金型の下型75はホルダ76、スペーサ78、ダイ80、ダイ80を支持する油圧シリンダ82、及びダイ80の中空孔81に装着された補助ダイ84等を含む。ダイ80の中空孔81は上端側の大径部81a、下端側の小径部81b及び中間のテーパ部81cを備える。補助ダイ82は細長い円筒形状で、スペーサ78の中空孔79からダイ80の小径部81bにかけて挿入されている。補助ダイ84の中空孔85にはノックアウトピン86が挿入され、その上端は補助ダイ82の上端から下方に後退している。上型88のパンチ89の外径はダイ80の大径部81aの内径より小さい。
【0052】
油圧シリンダ82によるダイ80の支持荷重が小さいときの加工工程が図7(a)(b)及び(c)に示されている。この場合、図7(a)に示すように、始め伸びていたピストンロッドが加工初期において縮み、始め上昇位置にあったダイ80は加工開始後まもなく下降位置に下降している。素材71の中間部はテーパ部81cに押し出されて円錐形状に変形するが、補助ダイ84による下端部の押出しは行われない。素材71の上端はパンチ89により後方押出しされる。
【0053】
パンチ89の押下げ荷重が増加し下降するにつれて、図7(b)に示すように、素材71の上端の後方押出しは進むが、下端は補助ダイ84の中空孔85内に殆ど押出しされない。更にパンチ89の押下げ荷重が増加し下降すると、図7(c)に示すように、パンチ89により上端に円筒部71bが形成され、下端は補助ダイ84の中空孔85に少し押し出されて小さな突起71cが形成される。こうして、下端に突起71cを、上端に円筒部71bを備えた鍛造品71aが成形される。
【0054】
図8(a)(b)及び(c)に油圧シリンダ92によるダイ80の支持荷重が大きい場合の加工工程を示す。加工初期は図8(a)に示すように、ダイ80は上昇位置にあり、テーパ部81cにより素材91の中間部が円錐形状に押出しされるが、下端部が小径部81bに少し押出しされている。上端部はパンチ89により少し後方押出しされる。
【0055】
図8(b)に示すように、パンチ89が増加した押下げ荷重で下降しても、油圧シリンダ82によるダイ80の支持荷重よりも小さい間はダイ80は下降しない。素材91の下端部が補助ダイ84の中空孔85内に後方押出しされる。また、パンチ89による上端部の後方押出しが進む。
【0056】
パンチ89が更に増加した押下げ荷重で下降すると、押下げ荷重が支持荷重よりも大きくなるのでダイ84は下降位置に下降し、図8(c)に示すように、その下面がストッパ78の上面に当接してダイ80の下降が停止する。補助ダイ84による下端部の前方押出しは、下端面がノックアウトピン86の上端面に当接するまで続く。パンチ89による上端の後方押出しも更に進む。こうして、下端に突起71cを、上端に円筒部91bを備えた鍛造品91aが成形される。円筒部91bの高さは上記鍛造品71aの円筒部71bの高さよりも高い。
<変形例>
図9及び図10に第2実施例の変形例を示す。図9に示すように、この変形例はダイ101の中空孔102の大径部102aは上記ダイ80の大径部81aと同程度の長さであるが、小径部102bの長さが短く、テーパ部102cの傾斜角度が比較的緩い。また、補助ダイ104の上端面からノックアウトピン106が上方に突出している。その他の構成は第2実施例と同じである。
【0057】
ダイ101、補助ダイ104及びノックアウトピン105を含む下型100で、上記素材71又は91と同様の素材110を鍛造した。その結果、油圧シリンダによる支持荷重が大きい場合も小さい場合も、図10に示すように下端側にくぼみ111aを備え、上端側に円筒部111bを備えた鍛造品110aが形成された。
【0058】
油圧シリンダ82によるダイ101の支持荷重が小さいときくぼみ111aが浅く円筒部111bが高くなり、支持荷重が大きいときはくぼみ111aが深く円筒部111bが低くなる。
<第3実施例>
図11及び図12に第3実施例を示す。図11に示すように、この実施例では素材120が軸部121とその一端のつば部122とからなり、つば部122の下端面は湾曲している。この素材120を下型130及び上型88により前方押出し、据込み及び後方押出しする。
【0059】
下型130のダイ131には上面に円形のくぼみ132が形成され、その中心に単一径で軸方向に長い中空孔132が形成されている。その分補助ダイ135の高さは低く上端が中空孔132の下端寄りに位置し、補助ダイ135の上端からノックアウトピン137が長く上方に突出している。
【0060】
この下型130及び上型88で素材120を鍛造すると、図12に示すように下端側の円筒部121aと、上端側の外周壁122aとを備えた鍛造品120aが得られる。油圧シリンダ82によるダイ130の支持荷重が小さいときと大きいときとでダイ131が下降する時点でのパンチの位置が変化する。これにより、油圧シリンダ82によるダイ130の支持荷重が小さいときは円筒部121aの高さが低く、外周壁122aの高さが低くなる。支持荷重が大きいときは反対の結果になる。
【0061】
【発明の効果】
以上述べてきたように、第1発明、第3発明及び第5発明の鍛造方法によれば、第1工程ではパンチが小さい押下げ荷重で素材を上昇位置にあり所定荷重で支持されたダイに加圧する。一方、第2工程ではパンチが大きい押下げ荷重で素材を下降位置にあるダイに加圧する。素材の処理条件を考慮して支持荷重を所定値に設定することにより、ダイが上昇位置にある間のパンチの降下量即ちダイが上昇位置から下降位置に下降する時点におけるパンチの位置が変化する。その結果、ダイが上昇位置にある成形前半(特に成形初期)の比較的小さい押下げ荷重による素材の変形量が変化し、最終的な鍛造品の寸法を調整して所定範囲に納めることができる。
【0062】
請求項3,11及び20によれば、第1工程における支持荷重を複数段階に調整することにより、種々の処理条件の素材から成形される鍛造品寸法を正確に調整することができる。
【0063】
また、第2発明、第4発明及び第6発明の鍛造装置によれば、ダイが上昇位置にあり支持手段により所定荷重で支持されているときパンチが小さい押下げ荷重で素材をこのダイに加圧する。一方、ダイが下降位置にあるときパンチが大きい押下げ荷重で素材をこのダイに加圧する。素材の処理条件を考慮して支持荷重を所定値に設定することにより、ダイが上昇位置から下降位置に下降する時点におけるパンチの位置が変化する。その結果、ダイが上昇位置にある成形前半(特に成形初期)の比較的小さい押し下げ荷重による素材の変形量が変化し、最終的な鍛造品の寸法を調整して所定範囲に納めることができる。
【0064】
請求項5,13及び22によれば、支持手段の支持荷重を複数段階に調整することにより、種々の処理条件の素材から成形される鍛造品寸法を正確に調整することができる。
【0065】
具体的には、第1発明の鍛造方法及び第4発明の鍛造装置によれば、素材のつば部を据え込み、軸部を前方押し出し、軸部の先端の円筒部を前方押し出しする際の鍛造品寸法を調整することができる。また、第2発明の鍛造方法及び第5発明の鍛造装置によれば、軸状の素材の上端部を後方押し出し、下端部を前方押しだし、下端部の先端の円筒部を前方押し出しする際の鍛造品寸法を調整することができる。更に、第3発明の鍛造方法及び第6発明の鍛造装置によれば、素材のつば部を後方押し出し及び据え込み、軸部を前方押し出し、軸部の先端の円筒部を前方押し出しする際の鍛造品寸法を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による鍛造装置の正面断面図である。
【図2】(a)は上記鍛造装置により加工される素材の断面図であり、(b)は加工された鍛造品の断面図である。
【図3】(a)は中間の第2支持荷重による加工途中の状態を示す断面図、(b)は同じく加工後の状態を示す断面図である。
【図4】(a)は最小の第1支持荷重による加工途中の状態を示す断面図、(b)は同じく加工後の状態を示す断面図である。
【図5】(a)は最大の第3支持荷重による加工途中の状態を示す断面図、(b)は同じく加工後の状態を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施例による鍛造装置の正面断面図である。
【図7】(a)は第2実施例において支持荷重が小さい場合の加工初期の状態を示す説明図、(b)は同じく加工途中の状態を示す説明図、(c)は同じく加工終了時の状態を示す説明図である。
【図8】(a)は支持荷重が大きい場合の加工初期の状態を示す説明図、(b)は同じく加工途中の状態を示す説明図、(c)は同じく加工終了時の状態を示す説明図である。
【図9】上記第2実施例の変形例を示す要部断面図である。
【図10】変形例の鍛造装置により加工された鍛造品の断面図である。
【図11】本発明の第3実施例による鍛造装置の正面断面図である。
【図12】第3実施例の鍛造装置により加工された鍛造品の断面図である。
【図13】第1従来例を示す説明図である。
【図14】第2従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
10:下型 17:スペーサ
21:ダイ 23:中空孔
26:カウンタパンチ 28:油圧シリンダ
35:上型 36:パンチ
41:素材 42:軸部
43:つば部 41a:鍛造品
Claims (24)
- 軸部とその一端側のつば部とを持つ素材を、上昇位置又は下降位置を取り得るダイ及びその内部に配置されたカウンタパンチを含む下型と、素材をダイ及びカウンタパンチに加圧するパンチを含む上型とで所定形状の鍛造品に成形する鍛造方法であって、
前記ダイを支持荷重の大きさが変更可能な支持手段により上昇位置に支持し、該ダイ及び前記カウンタパンチに対して前記パンチを小さい押下げ荷重で下降させて前記つば部を据え込み、前記軸部を前方押し出し、該軸部の先端の円筒部を前方押し出す第1工程と、
前記ダイを支持荷重に抗して降位置に下降させ、該ダイ及び前記カウンタパンチに対して前記パンチを大きい押下げ荷重で更に下降させて前記軸部を更に前方押し出し、前記円筒部を前方押し出す第2工程と、
から成ることを特徴とする、鍛造品寸法が調整可能な鍛造方法。 - 前記押下げ荷重が所定の前記支持荷重よりも大きくなったとき、前記第1工程から前記第2工程に移行する請求項1に記載の鍛造方法。
- さらに、支持荷重の大きさを変更して前記第1工程及び前記第2工程を少なくとも1回実行する第3工程を含む請求項1に記載の鍛造方法。
- 軸部とその一端のつば部とを持つ素材を所定形状の鍛造品に成形する鍛造金型であって、
中空孔を持ち素材が載置され上昇位置又は下降位置を取り得るダイ、及び該ダイの中空孔内に配置されたロッド状のカウンタパンチを含む下型と、
前記ダイを大きさが変更可能な支持荷重で下方から支持する支持手段と、
前記ダイの下方に配置された当接部材と、
前記素材を所定の押下げ荷重で前記ダイ及び前記カウンタパンチに加圧するパンチを含む上型と、から成り、
前記ダイは、所定の前記支持荷重が増加する前記押下げ荷重よりも大きい間は前記支持手段に支持されて上昇位置にあり、該押下げ荷重が該支持荷重よりも大きくなったとき下降位置に移動して前記当接部材に当接することを特徴とする、鍛造品寸法が調整可能な鍛造金型。 - 前記支持手段の支持荷重の大きさは段階的又は連続的に変更される請求項4に記載の鍛造装置。
- 前記支持手段及び前記当接部材は前記下型内に配置されている請求項4に記載の鍛造装置。
- 前記カウンタパンチは前記素材の軸部よりも細く、前記パンチは前記つば部よりも大きい請求項4に記載の鍛造装置。
- 軸状の素材を、上昇位置又は下降位置を取り得る前記ダイ及びその内部に配置された補助ダイを含む下型と、素材をダイ及び補助ダイに加圧するパンチを含む上型とで所定形状の鍛造品に成形する鍛造方法であって、
前記ダイを支持荷重の大きさが変更可能な支持手段により上昇位置に支持し、前記ダイ及び前記補助ダイに対して前記パンチを小さい押下げ荷重で下降させ、前記素材の上端部を後方押し出し、下端部を前方押し出し、下端部の先端の円筒部を前方押し出す第1工程と、
前記ダイを支持荷重に抗して降位置に下降させ、前記ダイ及び前記補助ダイに対して前記パンチを大きい押下げ荷重で更に下降させ、前記素材の上端部を更に後方押し出し、下端部を更に前方押し出し、下端部の先端を前方押し出す第2工程と、
から成ることを特徴とする、鍛造製品の寸法を調整可能な鍛造方法。 - 前記素材の下端部の先端は円筒部又は突起である請求項8に記載の鍛造方法。
- 前記押下げ荷重が所定の前記支持荷重よりも大きくなったとき、前記第1工程から前記第2工程に移行する請求項8に記載の鍛造方法。
- さらに、支持荷重の大きさを変更して前記第1工程及び前記第2工程を少なくとも1回実行する第3工程を含む請求項8に記載の鍛造方法。
- 軸状の素材を所定形状の鍛造品に成形する鍛造金型であって、
中空孔を持ち素材が載置され上昇位置又は下降位置を取り得るダイ、及び該ダイの中空孔内に配置された円筒形状の補助ダイを含む下型と、
前記ダイを大きさが変更可能な支持荷重で下方から支持する支持手段と、
前記ダイの下方に配置された当接部材と、
前記素材を所定の押下げ荷重で前記ダイ及び前記補助ダイに加圧するパンチを含む上型と、から成り、
前記ダイは、所定の前記支持荷重が増加する前記押下げ荷重よりも大きい間は前記支持手段に支持されて上昇位置にあり、該押下げ荷重が該支持荷重よりも大きくなったとき下降位置に下降して前記当接部材に当接することを特徴とする、鍛造品寸法が調整可能な鍛造金型。 - 前記支持手段の支持荷重の大きさは段階的又は連続的に変更される請求項12に記載の鍛造装置。
- 前記支持手段及び前記当接部材は前記下型内に配置されている請求項12に記載の鍛造装置。
- 前記下型は更に、前記補助ダイの中空孔に挿入されたノックアウトピンを含み、該ノックアウトピンの上端は補助ダイの上端よりも突出又は後退している請求項12に記載の鍛造金型。
- 前記中空孔は上端側の大径部、下端側の小径部及び中間のテーパ部を含む請求項12に記載の鍛造金型。
- 前記パンチは前記つば部の中心部を加圧する請求項12に記載の鍛造金型。
- 軸部とその一端側のつば部とを持つ素材を、上昇位置又は下降位置を取り得るダイ及びその内部に配置された補助ダイを含む下型と、素材をダイ及び補助ダイに加圧するパンチを含む上型とで所定形状の鍛造品に成形する鍛造方法であって、
前記ダイを支持荷重の大きさが変更可能な支持手段により上昇位置で支持し、前記ダイ及び前記補助ダイに対して前記パンチを小さい押下げ荷重で下降させ、前記素材のつば部を据込み及び後方押し出し、軸部を前方押し出し、軸部の先端の円筒部を前方押し出しする第1工程と、
前記ダイを支持荷重に抗して下降位置に下降させ、前記ダイ及び前記補助ダイに対して前記パンチを大きい押し下げ荷重で更に下降させ、前記素材のつば部を更に据込み及び後方押し出し、軸部を更に前方押し出し、軸部の先端の円筒部を更に前方押し出しする第2工程と、
から成ることを特徴とする、鍛造製品の寸法を調整可能な鍛造方法。 - 前記押下げ荷重が前記支持荷重よりも大きくなったとき、前記第1工程から前記第2工程に移行する請求項18に記載の鍛造方法。
- さらに、支持荷重の大きさを変更して前記第1工程及び前記第2工程を少なくとも1回実行する第3工程を含む請求項18に記載の鍛造方法。
- 軸部とその一端側のつば部とを持つ素材を成形する鍛造金型であって、
中空孔を持ち素材が載置され上昇位置又は下降位置を取り得るダイ、及び該ダイ内に配置された円筒状の補助ダイを含む下型と、
前記ダイを大きさが変更可能な支持荷重で支持する支持手段と、
前記ダイの下方に配置された当接部材と、
前記素材を所定の押下げ荷重で前記ダイ及び前記補助ダイに加圧するパンチを含む上型と、から成り、
前記ダイは、所定の前記支持荷重が増加する前記押下げ荷重よりも大きい間は前記支持手段により支持されて上昇位置にあり、該押下げ荷重が該支持荷重よりも大きくなったとき下降位置に下降して前記当接部材に当接することを特徴とする、鍛造品寸法が調整可能な鍛造金型。 - 前記支持手段の支持荷重は段階的又は連続的に変更される請求項21に記載の鍛造装置。
- 前記支持手段及び前記当接部材は前記下型内に配置されている請求項21に記載の鍛造装置。
- 前記ダイの中空孔は単一径の長孔と上端開口の環状のくぼみとを備え、前記パンチの外径は該くぼみの内径よりも小さい請求項21記載の鍛造金型。
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JP2013136068A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Nsk Ltd | 段付金属部材の製造方法 |
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