JP2004148305A - 光触媒フィルタ及びそれを用いた空気清浄機 - Google Patents

光触媒フィルタ及びそれを用いた空気清浄機 Download PDF

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泰典 横道
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孫  仁徳
Koichi Yamaguchi
浩一 山口
Hidekazu Hayama
秀和 羽山
Takeo Matsui
丈雄 松井
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Abstract

【課題】 本発明は、従来の活性炭と光触媒を使用した光触媒フィルタの問題点を解決し、優れた空気浄化性能及び耐久性を有する光触媒フィルタ並びにそれを用いた空気清浄機及び排ガス処理装置を提供する。
【解決手段】 フィルタ基体、ナノスケールカーボンチューブを含む吸着材、及び光触媒とを含む光触媒フィルタ等に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、家庭やオフィスなどの空気清浄用フィルタ並びにそれを用いた空気清浄機及び排ガス処理装置に関する。
光触媒はその強い酸化力によって、脱臭、抗菌、防汚、空気浄化、水処理など様々な応用展開がなされている。家庭、オフィス、病院などの室内空間(微量のホルムアルデヒド、菌、たばこ臭など)を清浄化するために光触媒フィルタを付けた空気清浄器、エアコン等が使われている。光触媒による空気浄化は常温でメンテナンスフリーの方法として優れた方法である。この方法は、酸化チタンなどの光触媒に紫外線を照射する時に生じた強い酸化力に基づいたものである。実際に応用される場合には、浄化能力を高めるためにゼオライトや活性炭などの吸着材と複合して利用するケースが多い。つまり、光触媒をこれらの吸着材と混合したハイブリッド光触媒においては、有機物などの対象物質が吸着材に吸着され光触媒によって徐々に分解される。
一方、吸着材として汎用されている活性炭類は、その比表面積が通常数百m2/g程度である。活性炭類の寸法は、通常10μm上であり、表面にnm‐レベルの細孔を形成する工夫がなされているが、汚染分子が、細孔内部に到達しないので、吸着表面積を増加させるには限界がある。
また、ゴミ焼却に代表される焼却炉、熱分解炉などから排出されるダイオキシン類など有害物質がそれらの多種多様な毒性(例えば、生理毒性、内分泌毒性、発癌性など)のため、社会的な問題になっている。このような有害物質の排出を抑制するためには様々な対策が取られている。
図8に近年改良された排ガス処理システムの一例を示す。焼却炉1から排出される高温(750〜950(C)の排ガスを水噴霧などによって約200(Cまで冷却するガス冷却装置2と、排ガス中の塩化水素、硫黄酸化物等の有害物質の脱塩素および脱硫処理を行う反応塔3と、排ガス中の煤塵や有害物質を濾布で濾過集塵するバグフィルタ4と、浄化された排ガスを誘引送風機によって外部排出する煙突6とから構成される。処理効率を高めるためにバグフィルタの前に活性炭を添加してダイオキシンや重金属などを吸着させる工程が加えられている。
ダイオキシン類有害物質の高い毒性のため、それらの排出規制が格段に厳しく、通常1ng/m3より低い濃度にコントロールすることが必要である。
ダイオキシンなどの有害物質に対する処理効率を更に高めるために、バグフィルタを前段と後段に分けて設置し、後段のバグフィルタにはダイオキシン分解触媒を装着する方法も提案されている(特許文献1参照)。しかし、必ずしも満足できるものではないのが現状である。
また、近年、黒鉛質構造ではなくアモルファス構造(非晶質構造)を有するナノスケールのカーボンチューブが特許文献2に報告されている。
特開2001−137663号公報(段落番号[0034]、第1図) 国際公開第00/40509号パンフレット(第5−40頁)
上述のようにゼオライトや活性炭とを併用した光触媒フィルタは、吸着能力に限界があるため空気浄化性能が不十分という課題がある。本発明は、従来の活性炭と光触媒を使用した光触媒フィルタの問題点を解決し、優れた空気浄化性能及び耐久性を有する光触媒フィルタ並びにそれを用いた空気清浄機及び排ガス処理装置を提供することを目的とする。
本発明らは、上記課題を解決するために、鋭意研究した結果、極めて高い吸着能を有するナノスケールカーボンチューブを含む吸着材と光触媒とを含有するフィルタを用いることによって上記課題を解決し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の光触媒フィルタ並びにそれを用いた空気清浄機及び排ガス処理装置を提供する。
項1 フィルタ基体、ナノスケールカーボンチューブを含む吸着剤、及び光触媒とを含む光触媒フィルタ。
項2 ナノスケールカーボンチューブが、カーボンナノチューブ(CNT)、又は
(i) アモルファスナノスケールカーボンチューブ、
(ii) ナノフレークカーボンチューブ、
(iii) (a)ナノフレークカーボンチューブと、(b)鉄、ニッケル及びコバルトからなる群から選ばれる金属又はその合金とからなり、該ナノフレークカーボンチューブ(a)のチューブ内空間部の10〜90%の範囲に、該金属又はその合金が存在している金属−炭素複合体、又は
(iv)上記(i)〜(iii)の2種以上の混合物
であることを特徴とする項1に記載の光触媒フィルタ。
項3 ナノスケールカーボンチューブが、
(i) アモルファスナノスケールカーボンチューブ、
(ii) ナノフレークカーボンチューブ、
(iii) (a)ナノフレークカーボンチューブと、(b)鉄、ニッケル及びコバルトからなる群から選ばれる金属又はその合金とからなり、該ナノフレークカーボンチューブ(a)のチューブ内空間部の10〜90%の範囲に、該金属又はその合金が存在している金属−炭素複合体、又は
(iv)上記(i)〜(iii)の2種以上の混合物
であることを特徴とする項1に記載の光触媒フィルタ。
項4 光触媒が、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、及びチタン酸ストロンチウムからなる群から選ばれる少なくとも1つである項1に記載の光触媒フィルタ。
項5 光触媒表面にPt、Pd、Cu、及びAgからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属を担持した項1に記載の光触媒フィルタ。
項6 光触媒が、吸着材に担持されていることを特徴とする項1に記載の光触媒フィルタ。
項7 項1〜6のいずれか1項に記載の光触媒フィルタと光源を備えた光触媒フィルタユニット。
項8 光源が、高圧水銀灯、低圧水銀灯、ブラックライト、エキシマレーザ、重水素ランプ、キセノンランプ、及びHg-Zn-Pbランプからなる群から選ばれる少なくとも1つである項7に記載の光触媒フィルタユニット。
項9 項8の光触媒フィルタユニットを備えた空気清浄機。
項10 項8の光触媒フィルタユニットを備えた排ガス処理装置。
項11 ナノスケールカーボンチューブを含む吸着材、光触媒、バインダー、及び分散剤を主成分とするスラリーを、フィルタの基体にコーティングすることを特徴とする光触媒フィルタの製造方法。
本発明の光触媒フィルタ並びにそれを用いた空気清浄機及び排ガス処理装置について詳細に説明する。
I.光触媒フィルタ
本発明は、フィルタ基体、ナノスケールカーボンチューブを含む吸着材、及び光触媒とを含む光触媒フィルタを提供する。この光触媒フィルタは、フィルタ基体にナノスケールカーボンチューブを含む吸着材と光触媒とを担持したものであっても、ナノスケールカーボンチューブを含む吸着材と光触媒とをフィルタ基体で挟んで担持したものであってもよい。本発明の光触媒フィルタは、極めて吸着性の高いナノスケールカーボンチューブを吸着材として用いたところに特徴を有している。
本発明の光触媒フィルタとしては、図9に示すようなフィルタが例示される。
フィルタ基体
フィルタ基体としては、吸着材とダイオキシン類分解触媒を担持しうる材質であれば特に限定はないが、セラミック、金属、炭素、ガラス、紙、不織布等が例示される。
セラミックとしては、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化セリウム、酸化クロム、酸化コバルト、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化ケイ素、酸化タンタル、酸化タリウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、及びそれらの複合金属酸化物が例示され、コストの点から酸化ケイ素、酸化アルミニウムが好ましい。
金属としては、亜鉛、スズ、アルミニウム、クロム、チタン、マグネシウム、ベリリウム、銅、マンガン、タングステン等が例示され、軽量性とコストの点からアルミニウムが好ましい。
炭素としては、黒鉛、カルビン、コークス、木炭、カーボンブラック、ダイヤモンドライクカーボン、炭素繊維、ガラス状炭素等が例示され、加工性と比表面積の点から炭素繊維が好ましい。
ガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、水ガラス、石英ガラス、ガラス繊維等が例示され、コスト、通気性などのの点からガラス繊維が好ましい。
紙としては、フッ素樹脂繊維紙、合成樹脂を含浸させた機能紙、無機系の繊維からなる紙等が例示される。
吸着材及び光触媒の担持のしやすさ、耐久性、耐熱性等からセラミックが好適に採用される。
フィルタ基体の形状としては、ハニカム状、網目状、筒状、箱状等のものが例示される。通気性と表面積の点から、ハニカム状のものが好ましい。ハニカムの形状としては、六角形セルからなるヘキサゴンハニカム、正方形セルからなるハニカム、三角形セルからなるハニカム、中空円筒状セルを集合してなるハニカムなどが挙げられる。ここで、六角形や正方形などのセル形状は正式な多角形ではなく、角や丸いまたは辺が曲がっているなどした異形であっても良い。
ナノスケールカーボンチューブを含む吸着材
本発明で用いられる吸着材は、ナノスケールカーボンチューブを含有した吸着材からなる。ここで、ナノスケールカーボンチューブとは、カーボンナノチューブ(CNT)、又は
(i) アモルファスナノスケールカーボンチューブ、
(ii) ナノフレークカーボンチューブ、
(iii) (a)ナノフレークカーボンチューブと、(b)鉄、ニッケル及びコバルトからなる群から選ばれる金属又はその合金とからなり、該ナノフレークカーボンチューブ(a)のチューブ内空間部の10〜90%の範囲に、該金属又はその合金が存在している金属−炭素複合体、又は
(iv)上記(i)〜(iii)の2種以上の混合物を挙げることができる。中でも、上記の(i)〜(iv)のいずれかのナノスケールカーボンチューブが好適に選択される。
カーボンナノチューブ(CNT)は、従来公知のものが採用される。CNTは、その壁部が完全に連続した炭素網面からなり、最外面の炭素原子の配列が規則的な完全な連続的な黒鉛構造を有している。
また、上記ナノスケールカーボンチューブのうち、(i)のアモルファスナノスケールカーボンチューブは、その壁部が黒鉛構造ではなく多数の微細なグラフェンシート(炭素網面)が不規則に分布したアモルファス構造を有しているため、最外層を構成する炭素網面は、チューブ長手方向の全長にわたって連続しておらず、不連続となっている。
同様に、上記(ii)のナノフレークカーボンチューブ及び上記(iii)の金属−炭素複合体にあっても、その壁部を構成するナノフレークカーボンチューブの最外層は、チューブ長手方向の全長にわたって連続していない不連続なグラフェンシートから形成されている。
このように、上記アモルファスナノスケールカーボンチューブ、ナノフレークカーボンチューブ及び金属−炭素複合体は、壁部、特にその最外面を構成するグラフェンシートが不連続性を有するために、壁部の最外面を構成する炭素原子の配列が不規則となっている。おそらくこのために、本発明で使用するナノスケールカーボンチューブは、他の物質、例えば樹脂や溶媒等との親和性が高い。また、本発明で使用するナノスケールカーボンチューブは、直線状の形態を有しているため、導電性ないし制電性を得るためのネットワーク形成(即ち、ナノスケールカーボンチューブ相互が電荷移動を可能とする程度に接触又は接近して系全体に亘って導電性ないし制電性を発揮する分散状態を形成すること)も容易である。おそらくは、このような高い親和性、高い直線性のために、配合量が少量であっても、ナノスケールカーボンチューブ相互の接触による電荷移動又はナノスケールカーボンチューブ相互の接近によるトンネル効果に基づく電荷移動が可能となり、所望の導電性ないし制電性が達成できるものと推察される。
また、樹脂からの抜け落ちがほとんどなくパーティクルコンタミネーションを極めて低いレベルまで抑えることができるのは、上記ナノスケールカーボンチューブがナノスケールの繊維状であり、これらが物理的にマトリックスの樹脂に強固に結合していること、マトリックスの樹脂との親和性にも優れていること等によるものと推察される。
以下、上記(i)のアモルファスナノスケールカーボンチューブ、(iii)の金属−炭素複合体、及び(ii)のナノフレークカーボンチューブについてこの順に説明する。
<アモルファスナノスケールカーボンチューブ>
アモルファスナノスケールカーボンチューブは、WO00/40509(特許第3355442号=上記特許文献2)に記載されており、カーボンからなる主骨格を有し、直径が0.1〜1000nmであり、アモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブであって、直線状の形態を有し、X線回折法(入射X線:CuKα)において、ディフラクトメーター法により測定される炭素網平面(002)の平面間隔(d002)が3.54Å以上、特に3.7Å以上であり、回折角度(2θ)が25.1度以下、特に24.1度以下であり、2θバンドの半値幅が3.2度以上、特に7.0度以上であることを特徴とするものである。
該アモルファスナノスケールカーボンチューブは、マグネシウム、鉄、コバルト、ニッケル等の金属の塩化物の少なくとも1種からなる触媒の存在下で、分解温度が200〜900℃である熱分解性樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール等を、励起処理することにより得られる。
出発原料としての熱分解性樹脂の形状は、フィルム状乃至シート状、粉末状、塊状などの任意の形状であって良い。例えば、基板上に薄膜化アモルファスナノスケールカーボンチューブを形成させた炭素材料を得る場合には、基板上に熱分解性樹脂を塗布あるいは載置した状態で、適切な条件下に励起処理すればよい。
該励起処理としては、例えば、不活性雰囲気中、好ましくは450〜1800℃程度の温度域でかつ原料の熱分解温度以上で加熱する、室温〜3000℃程度の温度域でかつ原料の熱分解温度以上でのプラズマ処理する等の処理が例示できる。
本発明で使用するアモルファスナノスケールカーボンチューブは、アモルファス構造(非晶質構造)を有するナノスケールのカーボンナノチューブで、中空直線状であり、細孔が高度に制御されている。その形状は、主に円柱、四角柱などであり、先端の少なくとも一方が、キャップを有していない(開口している)場合が多い。先端が閉口している場合には、形状がフラット状である場合が多い。
該アモルファスナノスケールカーボンチューブの外径は、通常1〜1000nm程度の範囲にあり、好ましくは1〜200nm程度の範囲にあり、より好ましくは、1〜100nm程度の範囲にある。そのアスペクト比(チューブの長さ/直径)は2倍以上であり、好ましくは5倍以上である。
ここで、「アモルファス構造」とは、規則的に配列した炭素原子の連続的な炭素層からなる黒鉛質構造ではなく、不規則な炭素網平面からなる炭素質構造を意味し、多数の微細なグラフェンシートが不規則に配列し、原子の配列が不規則になっている。代表的な分析手法である透過型電子顕微鏡(TEM)による像からは、本発明による非晶質構造のナノスケールカーボンチューブは、炭素網平面の平面方向の広がりがアモルファスナノスケールカーボンチューブの直径の1倍より小さいものと規定できる。従って、アモルファスナノスケールカーボンチューブの壁部の最外面を構成する炭素網面の長さは、20nm未満、特に5nm未満である。
非晶質炭素は一般的にはX線回折を示さないが、ブロードな反射を示す。黒鉛質構造では、炭素網平面が規則的に積み重なっているので、炭素網平面間隔(d002)が狭くなり、ブロードな反射は高角側(2θ)に移行して、次第に鋭くなり(2θバンドの半値幅が狭くなり)、d002回折線として観測できるようになる(黒鉛的位置関係で規則正しく積み重なっている場合はd002=3.354Åである)。
これに対し、非晶質構造は、上記のように一般的にはX線による回折を示さないが、部分的に非常に弱い干渉性散乱を示す。X線回折法(入射X線=CuKα)において、ディフラクトメーター法により測定される本発明によるアモルファスナノスケールカーボンチューブの理論的な結晶学的特性は、以下の様に規定される:炭素網平面間隔(d002)は、3.54Å以上であり、より好ましくは3.7Å以上である;回折角度(2θ)は、25.1度以下であり、より好ましくは24.1度以下である;前記2θバンドの半値幅は、3.2度以上であり、より好ましくは7.0度以上である。
典型的には、本発明で使用するアモルファスナノスケールカーボンチューブは、X線回折による回折角度(2θ)が18.9〜22.6度の範囲内にあり、炭素網平面間隔(d002)は3.9〜4.7Åの範囲内にあり、2θバンドの半値幅は7.6〜8.2度の範囲内にある。
本発明のアモルファスナノスケールカーボンチューブの形状を表す一つの用語である「直線状」なる語句は、次のように定義される。すなわち、透過型電子顕微鏡によるアモルファスナノスケールカーボンチューブ像の長さをLとし、そのアモルファスナノスケールカーボンチューブを伸ばした時の長さをL0とした場合に、L/L0が0.9以上となる形状特性を意味するものとする。
かかるアモルファスナノスケールカーボンチューブのチューブ壁部分は、あらゆる方向に配向した複数の微細な炭素網平面(グラフェンシート)からなる非晶質構造であり、これらの炭素網平面の炭素平面間隔により、活性点を有するためか、媒体である熱可塑性ポリマー樹脂または熱硬化性ポリマー樹脂との相性に優れているという利点を有する。
<金属−炭素複合体>
本発明で使用する上記金属−炭素複合体は、上記金属又は合金が、ナノスケールカーボンチューブ内空間部の全長に亘って、即ち、チューブ内空間部の100%の範囲に完全に充填されているものではなく、上記金属又は合金がそのチューブ内空間部の10〜90%の範囲に充填されている(即ち、部分的に充填されている)ことを特徴とするものである。
壁部は、パッチワーク状ないし張り子状(いわゆるpaper mache状)のナノフレークカーボンチューブである。本願特許請求の範囲及び明細書において、「ナノフレークカーボンチューブ」とは、フレーク状の黒鉛シートが複数枚(通常は多数)パッチワーク状ないし張り子状(paper mache状)に集合して構成されている、黒鉛シートの集合体からなる炭素製チューブを指す。
このナノフレークカーボンチューブは、一枚の黒鉛シートが円筒状に閉じた単層カーボンナノチューブ(シングルウォールカーボンナノチューブ)や複数枚の黒鉛シートがそれぞれ円筒状に閉じて同心円筒状ないし入れ子状となっている多層カーボンナノチューブ(マルチウォールカーボンナノチューブ)とは全く構造の異なるチューブ状炭素材である。
また、チューブ内空間部に内包される金属は、一種類の金属であっても合金であってもよい。チューブ内空間部に内包される金属としては、鉄、ニッケル、コバルト等が例示できる。また、チューブ内空間部に内包される合金としては、上記金属の2種以上からなる合金、例えば、鉄-ニッケル合金、鉄-コバルト合金、ニッケル-コバルト合金、鉄-ニッケル-コバルト合金等の金属同士の合金を例示できる。また、鉄、ニッケル、コバルト等の金属又はこれら金属の合金に炭素が含まれた合金、又は、炭化鉄、炭化ニッケル、炭化コバルト等も例示できる。これらのうちでも、鉄又は炭化鉄が好ましい。
本発明で使用する金属内包カーボンチューブは、(a)ナノフレークカーボンチューブと(b)内包金属又は合金(好ましくは、鉄又は炭化鉄)とからなるものであり、該カーボンチューブ内空間部(即ち、チューブ壁で囲まれた空間)の実質上全てが充填されているのではなく、該空間部の一部、より具体的には10〜90%程度、特に30〜80%程度、好ましくは40〜70%程度が内包金属又は合金(好ましくは、炭化鉄又は鉄)により充填されている。以下、炭化鉄又は鉄を内包するカーボンチューブを「鉄−炭素複合体」という。かかる鉄−炭素複合体は、特開2002−338220号に記載されている。
かかる鉄−炭素複合体は、特開2002−338220号に記載されている製造法に従って、
(1)不活性ガス雰囲気中、圧力を10-5Pa〜200kPaに調整し、反応炉内の酸素濃度を、反応炉容積をA(リットル)とし酸素量をB(Ncc)とした場合の比B/Aが1×10-10〜1×10-1となる濃度に調整して、反応炉内でハロゲン化鉄を600〜900℃まで加熱する工程、及び
(2)上記反応炉内を不活性ガス雰囲気とし、圧力を10-5Pa〜200kPaに調整し、熱分解性炭素源を導入して600〜900℃で加熱処理を行う工程を包含する製造方法により得られる。
以下本発明の鉄又は炭化鉄内包カーボンチューブ(鉄−炭素複合体)について説明する。
本発明で使用する鉄−炭素複合体においては、炭素部分は、製造工程(1)及び(2)を行った後、特定の速度で冷却するとナノフレークカーボンチューブとなり、製造工程(1)及び(2)を行った後、不活性気体中で加熱処理を行い、特定の冷却速度で冷却することにより、入れ子構造の多層カーボンナノチューブとなる。
<(a-1) ナノフレークカーボンチューブ>
本発明のナノフレークカーボンチューブと炭化鉄又は鉄からなる鉄−炭素複合体は、典型的には円柱状であるが、そのような円柱状の鉄−炭素複合体(後述の参考例2で得られたもの)の長手方向にほぼ垂直な断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図6に示し、側面のTEM写真を図2に示す。
また、図7の(a-1)にそのような円柱状のナノフレークカーボンチューブのTEM像の模式図を示す。図7の(a-1)において、100は、ナノフレークカーボンチューブの長手方向のTEM像を模式的に示しており、200は、ナノフレークカーボンチューブの長手方向にほぼ垂直な断面のTEM像を模式的に示している。
本発明で使用する鉄−炭素複合体を構成するナノフレークカーボンチューブは、代表的には、中空円筒状の形態を有し、その断面をTEM観察した場合、弧状グラフェンシート像が同心円状に集合しており、弧状グラフェンシート像がいくつか集まって、不連続な環を形成しており、また、その長手方向をTEMで観察した場合、略直線状のグラフェンシート像が、長手方向にほぼ並行に多層状に配列しており、個々のグラフェンシート像は、長手方向全長にわたって連続しておらず(長手方向全長よりも短く)、いくつかの短いグラフェンシート像が集まって、不連続な略直線状の像をチューブ長手方向全長に亘って形成しているという特徴を有している。
本発明で使用する鉄−炭素複合体を構成しているナノフレークカーボンチューブは、図6及び図7の(a-1)の200から明らかなように、その長手方向をにほぼ垂直な断面をTEM観察した場合、多数の弧状グラフェンシート像が同心円状(多層構造のチューブ状)に集合しているが、個々のグラフェンシート像は、例えば210、214に示すように、完全に閉じた連続的な環を形成しておらず、途中で途切れた不連続な環を形成している。一部のグラフェンシート像は、211に示すように、分岐している場合もある。不連続点においては、一つの不連続環を構成する複数の弧状TEM像は、図7の(a-1)の222に示すように、層構造が部分的に乱れている場合もあれば、223に示すように隣接するグラフェンシート像との間に間隔が存在している場合もあるが、TEMで観察される多数の弧状グラフェンシート像は、全体として、多層状のチューブ構造を形成している。
また、図2及び図7の(a-1)の100から明らかなように、ナノフレークカーボンチューブの長手方向をTEMで観察した場合、多数の略直線状のグラフェンシート像が本発明で使用する鉄−炭素複合体の長手方向にほぼ並行に多層状に配列しているが、個々のグラフェンシート像110は、鉄−炭素複合体の長手方向全長にわたって連続しておらず、途中で不連続となっている。一部のグラフェンシート像は、図7の(a-1)の111に示すように、分岐している場合もある。また、不連続点においては、層状に配列したTEM像のうち、一つの不連続層のTEM像は、図7の(a-1)の112に示すように、隣接するグラフェンシート像と少なくとも部分的に重なり合っている場合もあれば、113に示すように隣接するグラフェンシート像と少し離れている場合もあるが、多数の略直線状のTEM像が、全体として多層構造を形成している。
かかる本発明のナノフレークカーボンチューブの構造は、従来の多層カーボンナノチューブと大きく異なっている。即ち、図7の(a-2)の400に示すように、入れ子構造の多層カーボンナノチューブは、その長手方向に垂直な断面のTEM像が、410に示すように、完全な円形のTEM像となっている同心円状のチューブであり、且つ、図7の(a-2)の300に示すように、その長手方向の全長にわたって連続する直線状グラフェンシート像310等が平行に配列している構造(同心円筒状ないし入れ子状の構造)である。
以上より、詳細は未だ完全には解明されていないが、本発明で使用する鉄−炭素複合体を構成するナノフレークカーボンチューブは、フレーク状のグラフェンシートが多数パッチワーク状ないし張り子状に重なり合って全体としてチューブを形成しているようにみえる。
本発明で使用する鉄−炭素複合体を構成しているナノフレークカーボンチューブをTEM観察した場合において、その長手方向に配向している多数の略直線状のグラフェンシート像に関し、個々のグラフェンシート像の長さは、通常、2〜500nm程度、特に10〜100nm程度である。即ち、図7の(a-1)の100に示されるように、110で示される略直線状のグラフェンシートのTEM像が多数集まってナノフレークカーボンチューブの壁部のTEM像を構成しており、個々の略直線状のグラフェンシート像の長さは、通常、2〜500nm程度、特に10〜100nm程度である。
このように、鉄−炭素複合体を構成しているナノフレークカーボンチューブの最外面を構成する炭素網面の長さは、500nm以下であり、特に2〜500nm、特に10〜100nmである。
本発明で使用する鉄−炭素複合体を構成するナノフレークカーボンチューブの壁部の炭素部分は、上記のようにフレーク状のグラフェンシートが多数長手方向に配向して全体としてチューブ状となっているが、X線回折法により測定した場合に、炭素網面間の平均距離(d002)が0.34nm以下の黒鉛質構造を有するものである。
また、本発明で使用する鉄−炭素複合体のナノフレークカーボンチューブからなる壁部の厚さは、75nm以下、特に1〜40nm程度、好ましくは1〜30nm程度であって、全長に亘って実質的に均一である。
<(b)内包されている炭化鉄又は鉄>
本明細書において、上記カーボンチューブ内空間部の炭化鉄又は鉄による充填率(10〜90%)は、本発明により得られた鉄−炭素複合体を透過型電子顕微鏡で観察し、各カーボンチューブの空間部(即ち、カーボンチューブのチューブ壁で囲まれた空間)の像の面積に対する、炭化鉄又は鉄が充填されている部分の像の面積の割合である。
炭化鉄又は鉄の内包形態は、カーボンチューブ内空間部に連続的に内包されている形態、カーボンチューブ内空間部に断続的に内包されている形態等があるが、基本的には断続的に内包されている。従って、本発明で使用する鉄−炭素複合体は、金属内包炭素複合体ないし鉄化合物内包炭素複合体、炭化鉄又は鉄内包炭素複合体とも言うべきものである。
また、本発明で使用する鉄−炭素複合体に内包されている炭化鉄又は鉄は、カーボンチューブの長手方向に配向しており、結晶性が高く、炭化鉄又は鉄が充填されている範囲のTEM像の面積に対する、結晶性炭化鉄又は鉄のTEM像の面積の割合(以下「結晶化率」という)は、一般に、90〜100%程度、特に95〜100%程度である。
内包されている炭化鉄又は鉄の結晶性が高いことは、本発明鉄−炭素複合体の側面からTEM観察した場合、内包物のTEM像が格子状に配列していることから明らかであり、電子線回折において明確な回折パターンが得られることからも明らかである。
また、本発明で使用する鉄−炭素複合体に炭化鉄又は鉄が内包されていることは、電子顕微鏡、EDX(エネルギー分散型X線検出器)により容易に確認することができる。
<鉄−炭素複合体の全体形状>
本発明で使用する鉄−炭素複合体は、湾曲が少なく、直線状であり、壁部の厚さが全長に亘ってほぼ一定の均一厚さを有しているので、全長に亘って均質な形状を有している。その形状は、柱状で、主に円柱状である。
本発明による鉄−炭素複合体の外径は、通常、1〜150nm程度、特に3〜100nm程度の範囲にあり、好ましくは5〜80nm程度の範囲にある。チューブの長さ(L)の外径(D)に対するアスペクト比(L/D)は、5〜10000程度であり、特に10〜1000程度である。
本発明で使用する鉄−炭素複合体の形状を表す一つの用語である「直線状」なる語句は、次のように定義される。即ち、透過型電子顕微鏡により本発明で使用する鉄−炭素複合体を含む炭素質材料を200〜2000nm四方の範囲で観察し、像の長さをWとし、該像を直線状に伸ばした時の長さをWoとした場合に、比W/Woが、0.8以上、特に、0.9以上となる形状特性を意味するものとする。
本発明で使用する鉄−炭素複合体は、バルク材料としてみた場合、次の性質を有する。即ち、本発明では、上記のようなナノフレークカーボンチューブのチューブ内空間部の10〜90%の範囲に鉄または炭化鉄が充填されている鉄−炭素複合体は、顕微鏡観察によりかろうじて観察できる程度の微量ではなく、多数の該鉄−炭素複合体を含むバルク材料であって、鉄−炭素複合体を含む炭素質材料、或いは、炭化鉄又は鉄内包炭素質材料ともいうべき材料の形態で大量に得られる。
後述の参考例2で製造されたナノフレークカーボンチューブとそのチューブ内空間に部分充填された炭化鉄からなる本発明炭素質材料の電子顕微鏡写真を、図3に示す。
図3から判るように、本発明で使用する鉄−炭素複合体を含む炭素質材料においては、基本的にはほとんど全ての(特に99%又はそれ以上の)カーボンチューブにおいて、その空間部(即ち、カーボンチューブのチューブ壁で囲まれた空間)の10〜90%の範囲に炭化鉄又は鉄が充填されており、空間部が充填されていないカーボンチューブは実質上存在しないのが通常である。但し、場合によっては、炭化鉄又は鉄が充填されていないカーボンチューブも微量混在することがある。
また、本発明の炭素質材料においては、上記のようなカーボンチューブ内空間部の10〜90%に鉄または炭化鉄が充填されている鉄−炭素複合体が主要構成成分であるが、本発明の鉄−炭素質複合体以外に、スス等が含まれている場合がある。そのような場合は、本発明の鉄−炭素質複合体以外の成分を除去して、本発明の炭素質材料中の鉄−炭素質複合体の純度を向上させ、実質上本発明で使用する鉄−炭素複合体のみからなる炭素質材料を得ることもできる。
また、従来の顕微鏡観察で微量確認し得るに過ぎなかった材料とは異なり、本発明で使用する鉄−炭素複合体を含む炭素質材料は大量に合成できるので、その重量を容易に1mg以上とすることができる。後述する本発明製法をスケールアップするか又は何度も繰り返すことにより本発明の該材料は無限に製造できる。
本発明炭素質材料は、該炭素質材料1mgに対して25mm2以上の照射面積で、CuKαのX線を照射した粉末X線回折測定において、内包されている鉄または炭化鉄に帰属される40°<2θ<50°のピークの中で最も強い積分強度を示すピークの積分強度をIaとし、カーボンチューブの炭素網面間の平均距離(d002)に帰属される26°<2θ<27°のピークの積分強度Ibとした場合に、IaのIbに対する比R(=Ia/Ib)が、0.35〜5程度、特に0.5〜4程度であるのが好ましく、より好ましくは1〜3程度である。
本願特許請求の範囲及び明細書において、上記Ia/Ibの比をR値と呼ぶ。このR値は、本発明で使用する鉄−炭素複合体を含む炭素質材料を、X線回折法において25mm2以上のX線照射面積で観察した場合に、炭素質材料全体の平均値としてピーク強度が観察されるために、TEM分析で測定できる1本の鉄−炭素複合体における内包率ないし充填率ではなく、鉄−炭素複合体の集合物である炭素質材料全体としての、炭化鉄又は鉄充填率ないし内包率の平均値を示すものである。
尚、多数の本発明鉄−炭素複合体を含む炭素質材料全体としての平均充填率は、TEMで複数の視野を観察し、各視野で観察される複数の鉄−炭素複合体における炭化鉄又は鉄の平均充填率を測定し、更に複数の視野の平均充填率の平均値を算出することによっても求めることができる。かかる方法で測定した場合、本発明で使用する鉄−炭素複合体からなる炭素質材料全体としての炭化鉄又は鉄の平均充填率は、10〜90%程度、特に40〜70%程度である。
また、本発明においては、ハロゲン化鉄に代えて、例えば、(イ)ニッケル、コバルト等からなる群から選ばれる金属のハロゲン化物、又は、(ロ)上記(イ)の金属のハロゲン化物と他の金属(例えば鉄)のハロゲン化物との混合物を用いて、上記鉄−炭素複合体の製造法と同様にして、上記(イ)のニッケル、コバルトなどからなる群から選ばれる金属、又は、上記(ロ)の混合物の構成元素からなる合金、又は、上記ニッケル、コバルト等の炭化物が、ナノフレークカーボンチューブのチューブ内空間部の10〜90%の範囲に存在している金属−炭素複合体を得ることができる。
<ナノフレークカーボンチューブ>
上記の金属がナノフレークカーボンチューブのチューブ内空間に部分内包されている金属−炭素複合体を酸処理することにより、内包されている金属を溶解除去され、チューブ内空間部に金属が存在しない中空のナノフレークカーボンチューブを得ることができる。酸としては、塩酸、硝酸等を例示でき、その濃度は1〜10重量%程度のものが好ましい。酸処理方法としては、種々の方法により行うことが可能であるが、例えば、1規定の塩酸500mlに対し金属−炭素複合体5gを室温で24時間攪拌し、攪拌終了後はエタノールで洗浄することにより、中空のナノフレークカーボンチューブを単離することができる。
この酸処理によってもナノフレークカーボンチューブの基本的構成は特に変化を受けない。よって、チューブ内空間部に金属が存在しない中空のナノフレークカーボンチューブにおいても、その最外面を構成する炭素網面の長さは、500nm以下であり、特に2〜500nm、特に10〜100nmである。
また、本発明のダイオキシン類除去フィルタのダイオキシン除去能力を阻害しない程度で、上記のナノスケールカーボンチューブからなる吸着材に他の吸着成分を添加することもできる。他の吸着成分としては、ダイオキシン類が吸着されうるものであればよく、例えば、コール炭、やしがら炭、樹脂炭、木質炭、又はピート炭等の活性炭;火山灰、シリカゲル、シラス、クロモソルブ等のシリカ系物質;ゼオライト、モルデナイト等の粘土鉱物;アパタイト、骨炭、リン酸アンモニウムマグネシウム造粒物等のリン酸化合物;サンゴ化石、炭酸カルシウム等の炭酸系化合物;アルミナ;結晶性シリケート;シリカアルミナ等が用いられる。特にシリカゲル、結晶性シリケート、リン酸アンモニウムマグネシウム造粒物、サンゴ化石、ゼオライト、火山灰等を用いるのが好適である。上記他の吸着成分は、ナノスケールカーボンチューブ100重量部に対し、通常0〜5 0重量部程度含んでいてもよい。他の吸着成分が多すぎると、効果が低下するため好ましくない。
光触媒
光触媒としては、例えば、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)等が挙げられる。また、これらからなる群から選ばれる少なくとも1つが挙げられる。特に、安全性及びコスト面から、二酸化チタンが好ましい。光触媒は、塩素法、硫酸法等の公知の方法で製造されたものでよく、アナターゼ型のものが挙げられる。光触媒は、触媒活性を高める点において、粉末又は微粒子状態のものが好ましい。例えば、一次粒子の平均径が2〜400nm程度のものが好ましく、5〜80nm程度のものがより好ましい。また、光触媒の粒子の表面形状としては、接触面が大きくなる多孔性のものが好ましい。
また、光触媒の分解効率の観点より、光触媒表面にPt、Pd、Cu、及びAgからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属を担持していてもよい。該金属の担持量は、光触媒100重量部に対し、0.01〜10重量部程度であればよく、好ましくは、0.1〜5重量部程度である。光触媒表面に上記金属を担持する方法は、公知の方法を用いればよい。
光触媒フィルタの製造
光触媒フィルタが、フィルタ基体にナノスケールカーボンチューブを含む吸着材と光触媒とを担持したものである場合、吸着材と光触媒をフィルタ基体上に担持する方法は、フィルタの材質に応じて公知の方法を適宜選択して用いることができる。
例えば、フィルタの材質がセラミック、金属、ガラス、紙、不織布等の場合は、吸着材と光触媒と適当なバインダーを含むスラリーをフィルタの基体にコーティングし、必要に応じて加熱処理することにより担持させることができる。
上記スラリーは、吸着材、光触媒、バインダー及び分散剤を主成分とする。スラリーを構成する分散剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、トルエン、イソプロパノール等が例示され、それらからなる群から選ばれる少なくとも1種を採用しうる。本発明に用いられるバインダーは特に限定されないが、通常使われる無機あるいは有機系バインダーを用いることができる。無機系バインダーとしては、例えば、珪酸塩系バインダー、リン酸塩系バインダー、無機コロイド、金属アルコキシド、溶融フリット等が挙げられ、有機系バインダーとしては、例えば、フッ素樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
珪酸塩系バインダーとしては、アルミノ珪酸塩、テトラアルキルオルトシリケート等が挙げられ、リン酸塩系バインダーとしては、リン酸カルシウム等が挙げられ、無機コロイドとしては、シリカコロイド等が挙げられ、金属アルコキシドとしては、チタンアルコキシド等が挙げられ、溶融フリットとしては、フリットガラス等が挙げられる。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。シリコン樹脂は、フェニルメチルポリシロキサンが挙げられる。
スラリーを構成する各成分の割合は、光触媒100重量部に対して、吸着材1〜200重量部程度(好ましくは、10〜100重量部程度)、及びバインダー5〜100重量部程度、分散剤50〜800重量部程度(好ましくは、100〜400重量部程度)である。
上記スラリーには、上記の成分以外に必要に応じ添加剤を加えてもよい。例えば、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤等が挙げられる。界面活性剤としては、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が例示される。これらの添加剤の合計使用量は、光触媒100重量部に対して、0〜50重量部程度(好ましくは、1〜10重量部程度)であればよい。
上記スラリーをフィルタの基体にコーティングする方法及びコーティング物を加熱処理方法は、いずれも公知の方法を採用すればよく特に限定はない。コーティング方法としては、例えば、ディップコーティング、スプレーコーティング、刷毛塗り、静電塗装等を採用することができる。また、加熱処理は、通常、80〜500℃程度で、0.5〜5時間程度で加熱すればよい。上記のコーティング及び加熱処理工程により、フィルタの基体上に吸着材と光触媒が担持される。
吸着材と光触媒をフィルタ基体上に担持する方法は、上記の方法以外に、光触媒をあらかじめナノスケールカーボンチューブを含む吸着材に担持させてから、その触媒担持吸着材をフィルタ基体上に担持させてもよい。
本発明のフィルタにおいて、フィルタ基体上の吸着材と光触媒の合計担持量は、フィルタ基体のろ過面積あたり、乾燥重量で10〜200g/m2程度、好ましくは20〜100g/m2程度である。10 g/m2以下であると触媒の活性が低下しやすく、200 g/m2以上にするとろ過圧損が大きく経済的ではない。
また、本発明の光触媒フィルタは、ナノスケールカーボンチューブを含む吸着材と光触媒とをフィルタ基体で挟んで担持したものであってもよい。例えば、袋状エアフィルタに吸着材と光触媒を充填し、フィルタ内部で吸着材と光触媒が通過する空気と均等に接触しうるように分散されたものが挙げられる。
II.光源
用いる光源としては、光触媒が機能する紫外線光源であればよく、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、ブラックライト、エキシマレーザ、重水素ランプ、キセノンランプ、Hg-Zn-Pbランプ等から選ばれる1種類の光源又は波長域の異なる2種類の光源を用いることができる。特に、実用的観点から、ブラックライトが好ましい。
III.光触媒フィルタユニット
本発明は、また、上記光触媒フィルタと光源を備えた光触媒フィルタユニットを提供する。その具体例を図10に示す。具体的には、光触媒フィルタの外体内に、吸気口8、集塵フィルタ9、光触媒フィルタ10、光源11、送風機12、及び排気口13を備えたものである。光触媒フィルタ10は、光源11を挟み込むように配置するのが光の利用効率の面から好ましい。
集塵フィルタ9としては、HEPA,ULPA等の公知のものが挙げられる。集塵フィルタは、1枚又は2枚以上設けてもよい。
光触媒フィルタ10は上記のものを採用しうる。光触媒フィルタは、1枚又は2〜5枚程度を束ねて用いてもよく、或いは1枚又は数枚を束ねた光触媒フィルタを、光源を介して2〜5個程度設けてもよい。
光源11は上記のものを採用しうる。光源は、フィルタの大きさにもよるが1個又は2個以上設けてもよい。
本発明の光触媒フィルタを通過する空気の濾過速度は、送風機12により調節可能であり、空気の濾過速度は、通常、0.2〜3.0m3/分程度とすればよい。
本発明の光触媒フィルタを通過する空気の温度は、その用途に応じて選択しうるが、通常、0〜300℃、好ましくは0〜250℃、より好ましくは0〜230℃である。
本発明の光触媒フィルタで処理しうるものとしては、大気中の悪臭原因物質、粉塵、微生物、ウィルス、シックハウス症候群の原因物質(ホルムアルデヒド等)、臭い成分(たばこ臭等)、化学物質等(以下「汚染物質」と呼ぶ)が例示される。本発明の光触媒フィルタによればこれらを効率的に吸着、分解除去することができる。また、後述するダイオキシンやPCB等も含まれる。
本発明の光触媒フィルタは、吸着材と光触媒をフィルタ上に担持しているため、吸着材に吸着された汚染物質は光触媒により速やかに分解される。吸着材だけでは吸着平衡により吸着量が頭打ちになるのに対し、本願のフィルタを用いることにより効率的に汚染物質を吸着、分解することができる。また、吸着材として、ナノスケールカーボンチューブを含むため極めて高い吸着力を備えている。また、ナノスケールカーボンチューブは極めて高い吸着能力を有するため、吸着材の使用量を少なくすることができ、吸着性能を維持しつつフィルタ自体をコンパクトにすることができる。
IV.空気清浄機
本発明は、また、上記光触媒フィルタユニットを備えた空気清浄機をも提供する
該空気清浄機は、荒いゴミをとるプレフィルター;静電気を使い汚れを集めやすくするイオン化部;抗菌・脱臭フィルタ付き電気集塵ロールフィルター;本発明の光触媒フィルタユニット;及び吸気(又は排気)ファン等を備えたものであればよい。本発明の光触媒フィルタユニット以外は、いずれも公知の部材を採用しうる。本発明の空気清浄機は、エアコン等の内部に組み込まれていてもよい。
V.排ガス処理装置
本発明は、さらに上記光触媒フィルタユニットを備えた排ガス処理装置をも提供する。その一例を図11に示す。図11の排ガス処理装置は、該焼却炉1、ガス冷却塔2、反応塔3、バグフィルタ4、光触媒フィルタユニット7、誘引送風機5、及び煙突6を備えている。また、上記反応塔3とバグフィルタ4の間には排ガスを活性炭処理する操作が含まれる。この排ガス処理装置の構成のうち、本発明の光触媒フィルタユニット7以外の構成はいずれも公知のものを採用しうる。
該焼却炉1は、被処理物であるゴミを焼却処理する炉である。
ガス冷却塔2では、該焼却炉1から排出される高温(750〜950℃)の排ガスを水噴霧等によって約200℃まで冷却する。
反応塔3では、排ガス中の塩化水素(HCl)、硫黄酸化物(SOx)(Xは1〜3の整数)等の有害物質の脱硫及び脱塩処理が行われる。具体的には、中和剤として消石灰(Ca(OH)2 )の粉末を相当量噴霧したり(乾式)、アルカリ水溶液(NaOH水溶液等)で洗浄したり(湿式)して、排ガスの酸性成分である塩化水素(HCl)、硫黄酸化物(SOx)が中和される。その後、煤塵や中和された反応生成物(CaCl2 ,CaSO4 )がバグフィルタ4内に装備した濾布によって集塵される。
バグフィルタ4は、排ガス中の煤塵を濾布で濾過集塵する。すなわち、反応塔3内で反応しなかった未反応の酸性成分や未反応の消石灰、あるいは、ダイオキシン類、重金属類がバグフィルタ4内である程度除去される。
さらに、排ガス中から本発明の光触媒フィルタユニット7により、排ガス中の汚染物質、特にダイオキシン類が効率的に除去される。
浄化された排ガスは誘引送風機5により誘引され、煙突6から外部排出される。
ここで、本発明の排ガス処理装置で処理され得るダイオキシン類とは、ダイオキシンやPXB(Xはハロゲンを表す。)類に代表される有害なハロゲン化芳香族化合物等が挙げられる。芳香族ハロゲン系化合物としては、ダイオキシンやPCB類に代表される有害な物質(例えば環境ホルモン)であればこれらに限定されるものではない。ここで、前記ダイオキシンとは、ポリハロゲン化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PXDDs)及びポリハロゲン化ジベンゾフラン類(PXDFs)の総称であり(Xはハロゲンを示す)、ハロゲン系化合物とある種の有機ハロゲン化合物の燃焼時に微量発生するといわれる。ハロゲンの数によって一ハロゲン化物から八ハロゲン化物まであり、これらのうち、特に四塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン(T4 CDD)は、最も強い毒性を有するものとして知られている。すなわち、ダイオキシン類とは塩素化ダイオキシン類のみならず、臭素化ダイオキシン類等のハロゲン化ダイオキシン類を表す。また、PXB類(ポリハロゲン化ビフェニル類)はビフェニルにハロゲン原子が数個付加した化合物の総称であり、ハロゲンの置換数、置換位置により異性体があるが、PCB(ポリ塩化ビフェニル)の場合では、2,6−ジクロロビフェニル、2,2'−ジクロロビフェニル、2,3,5−トリクロロビフェニル等が代表的なものであり、毒性が強く、焼却した場合にはダイオキシン類が発生するおそれがあるものとして知られており、除去する必要がある。なお、PXB類には当然コプラナーPXBも含まれるのはいうまでもない。
本発明の光触媒フィルタユニット7を通過する排ガスの濾過速度は、通常、0.4m/分〜1.5m/分程度とすればよい。これにより、処理後のガス中のダイオキシン濃度を、0.1ng-TEQ/Nm3以下に低減させることが可能となる。
本発明の光触媒フィルタユニット7に含まれる光触媒フィルタは、上述したように1枚又は複数枚で構成されていてもよい。
本発明の光触媒フィルタは、ナノスケールカーボンチューブを含む吸着材と光触媒をフィルタに担持しているため、吸着性能が飛躍的に向上する。
また、ナノスケールカーボンチューブは耐久性が極めて高いため、本発明の光触媒フィルタの耐久性も向上する。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。尚、本発明は実施例に限定されるものではない。
参考例1(アモルファスナノスケールカーボンチューブの製造)
アモルファスナノスケールカーボンナノチューブは以下に示す方法で作製した。
60μm×10mm×10mmのPTFEフィルムに無水塩化鉄粉末(粒径500μm以下)10mgを均一に振りかけた後、プラズマ励起した。プラズマ励起の条件は、以下の通りであった:
雰囲気 :アルゴン(Ar)
内圧 :0.01torr
投入電力 :300W
RF周波数:13.56MHz。
反応終了後、アモルファスナノスケールカーボンチューブ(外径;10〜60nm、長さ;5〜6μm)が形成されたことを、走査電子顕微鏡(SEM)およびX線回折により確認した。
また、得られたアモルファスナノスケールカーボンチューブのX線回折角度(2θ)は19.1度であり、それから計算される炭素網平面間隔(d002)は4.6Å、2θのバンドの半値幅は8.1度であった。
参考例2(鉄―炭素複合体の製造)
図1に示すような反応装置を使用し、次のようにして本発明の鉄−炭素複合体を得た。図1において、1'は反応炉を示し、2'は加熱装置を示し、10'は磁製ボートを示す。
工程(1)
無水FeCl3(関東化学株式会社製)0.5gを磁製ボート内に薄く広げて敷き詰める。これを石英管からなる炉内の中央に設置し、炉内を圧力50Paまで減圧する。このとき、真空吸引するラインを取り付けた反応炉端部とは反対側(図1の反応管の左側)から酸素5000ppm含有アルゴンガスを30ml/minの速度で供給する。これにより、反応炉容積をA(リットル)とし、酸素量をB(Ncc)とした場合の比B/Aを、2.5×10-3とした。次いで、反応温度800℃まで減圧のまま昇温する。
工程(2)
800℃に到達した時点で、アルゴンを導入し、圧力を6.7×104Paに制御する。一方、熱分解性炭素源として、ベンゼン槽にアルゴンガスをバブリングさせて、揮発したベンゼンとアルゴンの混合ガスを、反応炉容積1リットル当たり、30ml/minの流速で炉内に導入し、希釈ガスとして、アルゴンガスを20ml/minの流速で導入する。
800℃の反応温度で30分間反応させ、500℃まで20分で降温後、ヒーターを取り外して20分で室温まで空冷することにより、本発明の鉄−炭素複合体を含む炭素質材料を200mg得た。
SEM観察の結果から、得られた鉄−炭素複合体は、外径15〜40nm、長さ2〜3ミクロンで直線性の高いものであった。また、炭素からなる壁部の厚さは、2〜10nmであり、全長に亘って実質的に均一であった。また、該壁部は、TEM観察及びX線回折法から炭素網面間の平均距離(d002)が0.34nm以下の黒鉛質構造を有するナノフレークカーボンチューブであることを確認した。
また、X線回折、EDXにより、上記本発明の鉄−炭素複合体には炭化鉄が内包されていることを確認した。
得られた本発明の炭素質材料を構成する多数の鉄−炭素複合体を電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、ナノフレークカーボンチューブの空間部(即ち、ナノフレークカーボンチューブのチューブ壁で囲まれた空間)への炭化鉄の充填率が10〜80%の範囲の種々の充填率を有する鉄−炭素複合体が混在していた。
ちなみに、該多数の鉄−炭素複合体のナノフレークカーボンチューブあるいはカーボンナノチューブ内空間部への炭化鉄の平均充填率は40%であった。下記表1に、得られた鉄−炭素複合体のTEM観察像の複数の視野を観察して算出した炭化鉄の平均充填率を示す。また、X線回折から算出されたR値は、0.56であった。
Figure 2004148305
本参考例2で得られた炭素質材料を構成する鉄−炭素複合体1本の電子顕微鏡(TEM)写真を図2に示す。
本参考例2で得られた炭素質材料における多数の鉄−炭素複合体の存在状態を示す電子顕微鏡(TEM)写真を図3に示す。
本参考例2で得られた鉄−炭素複合体1本の電子線回折図を図4に示す。図4から、鮮明な電子回折パターンが観測されており、内包物が高い結晶性を有することが分かる。TEM観察の結果、内包物の結晶化率(炭化鉄が充填されている範囲のTEM像の面積に対する、結晶性炭化鉄のTEM像の面積の割合)は、約100%であった。
本参考例2で得られた鉄−炭素複合体を含む炭素質材料(鉄−炭素複合材料の集合物)のX線回折図を図5に示す。
本参考例2で得られた鉄−炭素複合体1本を輪切状にした電子顕微鏡(TEM)写真を、図6に示す。
図6から判るように、本参考例2で得られた炭素質材料においてはその炭素壁面が、入れ子状でもスクロール状でもなく、パッチワーク状(いわゆる paper mache 状ないし張り子状)になっているように見え、ナノフレークカーボンチューブであった。
図6から判るように、本実施例で得られた鉄−炭素複合体を構成しているナノフレークカーボンチューブの形状は、円筒状であり、その長手方向を横切る断面のTEM写真において観察されるグラフェンシート像は、閉じた環状ではなく、不連続点を多数有する不連続な環状であった。
また、本発明の鉄−炭素複合体を構成しているナノフレークカーボンチューブをTEM観察した場合において、その長手方向に配向している多数の略直線状のグラフェンシート像に関し、個々のグラフェンシート像の長さは、概ね2〜30nmの範囲であった(図2)。
さらに、図6のチューブ内1〜20までのポイントで測定したEDX測定結果から、炭素:鉄の原子比率は5:5でほぼ均一な化合物が内包されていることが判った。
実施例1
図10に示す本発明の光触媒フィルタユニットを、次のようにして製造した。
図10の集塵フィルタ9は、たばこの煙やアエロジルなどの微細粒子が補集されるようにプリーツ加工された高性能のHEPAを用いた。
光触媒フィルタ10に使われる吸着材はアモルファスナノスケールカーボンチューブ(参考例1に基づき製造した)を用いた。光触媒としては1次粒子径約20nmのアナターゼ酸化チタンを用いた。吸着材の使用量はフィルタ基体の表面に対し30g/m2とし、また光触媒量もフィルタ面積に対し30g/m2として光触媒フィルタを製造した。
本発明のフィルタは次のようにして製造した。吸着材50重量部、酸化チタン100重量部、バインダー(テトラメチルオルトシリケート)50重量部をエタノール200重量部に分散してスラリーにした。このスラリーを含浸法で正方形セルからなるセラミックハニカム(材質:シリカ)に塗布した。含浸回数を調整することによって、フィルタ基体上の吸着材、光触媒とバインダーの合計担持量を乾燥重量で70g/m2(フィルタ基体のろ過面積にあたり)にした。
本発明のフィルタは、図10のように光触媒フィルタユニット内にフィルタ4枚を重ねたものを光源4本をはさんで2つ設置した。
実施例2
吸着材に参考例2で得られた鉄−炭素複合体を用いた以外は実施例1と同様にして光触媒フィルタを作成した。
比較例1
吸着材としてアモルファスナノスケールカーボンチューブの代わりに、活性炭(M-30,大阪ガス社製)のみを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作で光触媒フィルタユニットを製造した。
実験例1
実施例1、2及び比較例1で得られる光触媒フィルタユニットを1m3の試験ボックス内に設置してテストを行った。フィルタユニットに備えた送風機の風量は2.5m3/minとした。試験ガスは初期濃度80ppmのアセトアルデヒドを用いた。光源は3mW/cm2のブラックライトを4本用いた。光触媒フィルタユニットを作動開始後の試験ボックス内のアセトアルデヒドおよび二酸化炭素ガスの濃度変化はガスクロマトグラフィを用いて測定した。その結果を表2に示す。
表2から分かるように、本発明実施例のフィルタユニットを用いた場合、従来のフィルタに比べ、反応系内のアセトアルデヒドの濃度を0.01ppm以下に分解するまでに要する時間が短くなった。
Figure 2004148305
実験例2
本発明の光触媒フィルタのダイオキシン除去効果を評価するために、図8に示す従来の排ガス処理装置、及び図11に示す実施例1の光触媒フィルタユニットを用いた排ガス処理装置を用いて排ガス処理を行い、焼却炉出口及び処理後のダイオキシン濃度を測定した。排ガスの濾過速度は、1.0m/分程度とした。その結果を表3に示す。
Figure 2004148305
表3から明らかなように、本発明の光触媒フィルタユニットを設けた図11の排ガス処理装置を用いた場合、ほぼ完全にダイオキシンを除去できることが分かった。また、従来の排ガス処理装置に比べ飛躍的にダイオキシンを除去能力が向上したことが分かる。
本発明で使用する金属−炭素複合体の製造を行うための製造装置の一例を示す概略図である。 参考例2で得られた炭素質材料を構成する鉄−炭素複合体1本の電子顕微鏡(TEM)写真である。 参考例2で得られた炭素質材料における鉄−炭素複合体の存在状態を示す電子顕微鏡(TEM)写真である。 参考例2で得られた鉄−炭素複合体1本の電子線回折図である。 参考例2で得られた鉄−炭素複合体を含む炭素質材料(鉄−炭素複合体の集合物)のX線回折図である。 参考例2で得られた鉄−炭素複合体1本を輪切状にした電子顕微鏡(TEM)写真である。尚、図6の写真中に示されている黒三角(▲)は、組成分析のためのEDX測定ポイントを示している。 カーボンチューブのTEM像の模式図を示し、(a-1)は、円柱状のナノフレークカーボンチューブのTEM像の模式図であり、(a-2)は入れ子構造の多層カーボンナノチューブのTEM像の模式図である。 従来の排ガス処理装置の一例を示す図である。 本発明の光触媒フィルタの一例を示す図である。 本発明の光触媒フィルタユニットの一例を示す図である。 本発明の排ガス処理装置の一例を示す図である。
符号の説明
1’ 反応炉
2’ 加熱装置
10’ 磁製ボート
100 ナノフレークカーボンチューブの長手方向のTEM像
110 略直線状のグラフェンシート像
200 ナノフレークカーボンチューブの長手方向にほぼ垂直な断面のTEM像
210 弧状グラフェンシート像
300 入れ子構造の多層カーボンナノチューブの長手方向の全長にわたって連続する直線状グラフェンシート像
400 入れ子構造の多層カーボンナノチューブの長手方向に垂直な断面のTEM像
1 焼却炉
2 ガス冷却塔
3 触媒反応塔
4 バグフィルタ
5 誘引送風機
6 煙突
7 光触媒フィルタユニット
8 吸気口
9 集塵フィルタ
10 光触媒フィルタ
11 光源
12 送風機
13 排気口

Claims (11)

  1. フィルタ基体、ナノスケールカーボンチューブを含む吸着剤、及び光触媒とを含む光触媒フィルタ。
  2. ナノスケールカーボンチューブが、カーボンナノチューブ(CNT)、又は
    (i) アモルファスナノスケールカーボンチューブ、
    (ii) ナノフレークカーボンチューブ、
    (iii) (a)ナノフレークカーボンチューブと、(b)鉄、ニッケル及びコバルトからなる群から選ばれる金属又はその合金とからなり、該ナノフレークカーボンチューブ(a)のチューブ内空間部の10〜90%の範囲に、該金属又はその合金が存在している金属−炭素複合体、又は
    (iv)上記(i)〜(iii)の2種以上の混合物
    であることを特徴とする請求項1に記載の光触媒フィルタ。
  3. ナノスケールカーボンチューブが、
    (i) アモルファスナノスケールカーボンチューブ、
    (ii) ナノフレークカーボンチューブ、
    (iii) (a)ナノフレークカーボンチューブと、(b)鉄、ニッケル及びコバルトからなる群から選ばれる金属又はその合金とからなり、該ナノフレークカーボンチューブ(a)のチューブ内空間部の10〜90%の範囲に、該金属又はその合金が存在している金属−炭素複合体、又は
    (iv)上記(i)〜(iii)の2種以上の混合物
    であることを特徴とする請求項1に記載の光触媒フィルタ。
  4. 光触媒が、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、及びチタン酸ストロンチウムからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載の光触媒フィルタ。
  5. 光触媒表面にPt、Pd、Cu、及びAgからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属を担持した請求項1に記載の光触媒フィルタ。
  6. 光触媒が、吸着剤に担持されていることを特徴とする請求項1に記載の光触媒フィルタ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光触媒フィルタと光源を備えた光触媒フィルタユニット。
  8. 光源が、高圧水銀灯、低圧水銀灯、ブラックライト、エキシマレーザ、重水素ランプ、キセノンランプ、及びHg-Zn-Pbランプからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項7に記載の光触媒フィルタユニット。
  9. 請求項8の光触媒フィルタユニットを備えた空気清浄機。
  10. 請求項8の光触媒フィルタユニットを備えた排ガス処理装置。
  11. ナノスケールカーボンチューブを含む吸着材、光触媒、バインダー、及び分散剤を主成分とするスラリーを、フィルタの基体にコーティングすることを特徴とする光触媒フィルタの製造方法。
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