JP2004148192A

JP2004148192A - ポンプのピストン

Info

Publication number: JP2004148192A
Application number: JP2002316013A
Authority: JP
Inventors: Hirotsugu Kohara; 裕嗣古原; Takayuki Goto; 孝之後藤; Minoru Takarada; 稔宝田
Original assignee: Yoshino Kogyosho Co Ltd
Current assignee: Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority date: 2002-10-30
Filing date: 2002-10-30
Publication date: 2004-05-27
Anticipated expiration: 2022-10-30
Also published as: JP4170064B2

Abstract

【課題】潤滑剤にディッピングしたピストンの吸着（または固着）を回避する。
【解決手段】シリンダ内に配置され、ポンプの押圧ヘッドにつながる中空ステムおよびこの中空ステムに連係するピストンガイドの動きに連動してシリンダ内を往復移動するピストンを、ピストンガイドを通す開口とシリンダの内壁面に摺動可能に接触する環状側壁部を有するピストン本体と、このピストン本体の後端で一体的に連結して該開口に通したピストンガイドを挿通させる貫通路を有し中空ステムの先端部に嵌まり込む環状体からなるものとし、ピストン本体の端面または環状体の端面のうちの少なくとも一端面に複数の突起を設ける。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄圧式液体噴出器のポンプ等に組み込んで好適なピストンに関し、該ピストンの製造過程で生じる部材相互の接着を有利に回避しようとするものである。
【０００２】
【従来の技術】
化粧水やコロンあるいは香水等の液体を微細噴霧する噴出器は分散媒を加圧媒体とともに容器に充填した、いわゆるエアゾールタイプの噴出器がこれまでに使用されてきたが、このような噴出器は、製造コストが嵩むうえ、分散媒を全て使い切った後においても容器内には加圧媒体が残存していることが多いため、その廃棄に際しては容器を穿孔して加圧媒体を排出しておくことが不可欠であって、容器を排出するにあったては手間がかかり、加圧媒体の大気中への放出が環境汚染にもつながることが懸念されている。
【０００３】
このため、近年では、エアゾールタイプの噴出器で使用されているような加圧媒体を不用とし、噴霧ヘッド（押圧ヘッド）を複数回にわたってポンピングすることによって内圧を高め、その圧力でもって内容物を噴射するようにした蓄圧式の噴出器が見直されてきている（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】
特開平２００２−２７３２７９号公報。
【０００５】
蓄圧式の噴出器は、容器の口部に固定保持されるシリンダと、このシリンダ内に配置されるピストンと、ピストンの往復移動に伴う接触、離隔により通路の開閉を行うピストンガイドと、このピストンガイドの一端を保持し他端を弾性部材を介してピストンの背面につながる中空ステムと、この中空ステムの内部通路につながるノズルを有する押圧ヘッドの組み合わせからなっており、押圧ヘッドを繰返し押圧し容器内の液体の吸引と加圧を行うことで液体の連続的な排出を可能としている。
【０００６】
ところで、かかる噴出器を構成するピストンは、シリンダ内で接触しながら往復移動する摺動部材であり摺動抵抗を小さくすることが要請され、また、ポンプを組み込む際の他の部材との摩擦抵抗を軽減する必要性から、その製造過程でピストンを潤滑剤（シリコン等）を入れた槽にディッピング（どぶ漬け）して潤滑剤のコーテイング層を形成するのが普通であるところ、ディッピング後に大量のピストンをばら積みした際、とくに最大径を有するピストンの本体同士がその端面で吸着（または固着）してしまうことがあり、該ピストンを吸着（または固着）した状態でパーツフィーダーに入れてしまうと機械停止の原因ともなりかねず、このようなピストンはポンプの組み立てに当たって一つずつ取り外す作業が不可欠であり生産効率を著しく低下させる原因になっていた。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のような従来の問題を解消できる新規なピストンを提案するところにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シリンダ内に配置され、ポンプの押圧ヘッドにつながる中空ステムおよびこの中空ステムに連係するピストンガイドの動きに連動してシリンダ内を往復移動するピストンであって、
ピストンガイドを通す開口とシリンダの内壁面に摺動可能に接触する環状側壁部を有するピストン本体と、このピストン本体の後端で一体的に連結して該開口に通したピストンガイドを挿通させる貫通路を有し中空ステムの先端部に嵌まり込む環状体からなり、
ピストン本体の端面または環状体の端面のうちの少なくとも一端面に複数の突起を設けたことを特徴とするポンプのピストンである。なお、本発明においてポンプとは、スプレータイプのポンプやトリガータイプのポンプ等、既知のディスペンサーの全てを指すものとする。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
【００１０】
図１は本発明に従うピストンの実施の形態をその外観斜視図として示したものであり、図２（ａ）（ｂ）はその正面および側面（下側半分を断面で表示）を示した図である。
【００１１】
図１、２において１はピストン本体、２はピストン本体１の後端で一体的に連結する環状体である。
【００１２】
ピストン本体１はシリンダの内壁面に摺動可能に接触する環状シール部１ａ、１ｂを有しており、その内側にはピストンガイドを通すための開口１ｃが設けられている。また、環状体２には、開口１ｃに通したピストンガイドを挿通させる貫通路２ａが設けられていて、その後端部は中空ステムの先端部に嵌まり込むようになっている。
【００１３】
また、３はピストン本体１の先端面に設けられた例で示した複数の突起（リブ状のものでもよい）である。
【００１４】
液体噴出器に組み込まれる一般的なピストンは、潤滑剤にディッピングしてばら積みすると、図３に示すようにピストン同士がその先端面で吸着（または固着）してしまい、ポンプの組み立てに当たっては、それをいちいち取り外す手間がかかっていたが、本発明に従うピストンは、その本体１の先端に複数の突起３が設けられているため、その部位における接触面積を小さくすることが可能となりピストン同士が吸着（または固着）する頻度は極めて少なくなる。
【００１５】
突起３は、図２に示した断面形状を有するものの他、図４（ａ）〜（ｃ）に示すような断面形状を有するものでもよく、その設置個数も任意であり、この点については限定されない。また、突起３はピストン本体１の先端面に設けた場合について示したが、突起３の形成箇所はピストンに形成される端面（ピストン本体１及び環状体２の端面）の少なくとも一端面に形成されていればよい。二つ以上の端面に設ける場合は、実施の形態で示したピストン本体１の先端面に加えてピストン本体１の後端面に設けるか、あるいは環状体２の後端面に設けることが可能であり、ピストンの形状によっては環状体２の先端面に設けるようにしてもよく、突起３を設ける端面及びその数はピストンの形状に合わせ適宜に変更できる。
【００１６】
図５に本発明に従うピストンをスプレータイプの液体噴出器のポンプに組み込んだ例を示す。
【００１７】
図５において４はピストンを配置するシリンダ、５はノズルを備えた押圧ヘッド、６は押圧ヘッド５につながる中空ステム、７は中空ステム６に連係するピストンガイドである。
【００１８】
【発明の効果】
本発明によれば、ピストン同士が吸着（または固着）する頻度が極めて小さく、吸着（または固着）に起因する機械停止やその取り外し作業がほとんどないので効率的な組み立て作業が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に従うピストンの外観斜視図である。
【図２】（ａ）（ｂ）は図１に示したピストンの正面及び側面を示した図である。
【図３】ピストンの吸着（または固着）状況を示した図である。
【図４】（ａ）〜（ｃ）は突起の断面形状の他の例を示した図である。
【図５】液体噴出器の断面を示した図である。
【符号の説明】
１ピストン本体
２環状体
３突起
４シリンダ
５押圧ヘッド
６中空ステム
７ピストンガイド

Claims

シリンダ内に配置され、ポンプの押圧ヘッドにつながる中空ステムおよびこの中空ステムに連係するピストンガイドの動きに連動してシリンダ内を往復移動するピストンであって、
ピストンガイドを通す開口とシリンダの内壁面に摺動可能に接触する環状側壁部を有するピストン本体と、このピストン本体の後端で一体的に連結して該開口に通したピストンガイドを挿通させる貫通路を有し中空ステムの先端部に嵌まり込む環状体からなり、
ピストン本体の端面または環状体の端面のうちの少なくとも一端面に複数の突起を設けたことを特徴とするポンプのピストン。