JP2004147810A - ラジウムを用いた治療器 - Google Patents
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Abstract
【課題】治療に必要な放射線を得ることができるラジウムの量を確保できるとともに、製造が容易な、ラジウムを用いた治療器を提供すること。
【解決手段】内部を複数の部屋(2a〜2p)に分割した袋体(2)と、該袋体(2)における前記各部屋(2a〜2p)の内部に充填したラジウムを含む粉体(3)と、前記ラジウムを含む粉体(3)を充填した袋体(2)を略真空状態で収容したカバー材(4)と、を備えたことを特徴としており、袋体の内部に形成した各部屋内にラジウムを含む粉体を充填しているため、治療に必要な放射線を得ることができるだけのラジウム量を確保することができるとともに、治療に応じて容易にラジウムを含む粉体の量を調節可能とし、また、前記ラジウムを含む粉体を内部に充填した袋体を圧略真空態でカバー材に収容しているため、ラジウムを含む粉体が治療器の外に出てしまうことを有効に防止できる。
【選択図】 図1
【解決手段】内部を複数の部屋(2a〜2p)に分割した袋体(2)と、該袋体(2)における前記各部屋(2a〜2p)の内部に充填したラジウムを含む粉体(3)と、前記ラジウムを含む粉体(3)を充填した袋体(2)を略真空状態で収容したカバー材(4)と、を備えたことを特徴としており、袋体の内部に形成した各部屋内にラジウムを含む粉体を充填しているため、治療に必要な放射線を得ることができるだけのラジウム量を確保することができるとともに、治療に応じて容易にラジウムを含む粉体の量を調節可能とし、また、前記ラジウムを含む粉体を内部に充填した袋体を圧略真空態でカバー材に収容しているため、ラジウムを含む粉体が治療器の外に出てしまうことを有効に防止できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はラジウムを用いた治療器に係り、より詳しくは、ラジウムを含有することで知られる秋田県の玉川温泉で採取される湯の花を粉末状にしたものを袋体に充填するとともに、この、内部に湯の花を粉末状にしたものを充填した袋体を略真空状態でカバー材に収容してなることを特徴とするラジウムを用いた治療器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ラジウム元素から放射される放射線が病気等の治療に効果があることが知られており、そのために、このラジウムの効果を利用した各種の治療用具等が提供されている。
【0003】
例えば、秋田県の玉川温泉で採取される湯の花にはラジウムが含有されていることが知られているが、そのために、このラジウムを含んだ湯の花を用いた入浴剤が提供されており、この入浴剤を用いることにより病気等の治療を行なうことができるとされている。
【0004】
しかしながら、このような入浴剤の場合には、一度の使用でラジウムが消失してしまうために効率が悪いという問題点が考えられる。
【0005】
この点、このような問題点を解決する方法として、登録第3080299号実用新案「遠赤外線とラジウム放射線による治療器」(以下「従来の治療器」という。)が提案されている。
【0006】
そして、この実用新案では、秋田県鹿角市八幡平の玉川温泉で採取される湯の花の粉末を用いて、この湯の花の粉末を生地に塗布し、その後、この湯の花の粉末を塗布した生地をポリエステル等の通気性のある生地で上下から包み、これを従来から提供されている遠赤外線治療器に重ねて組み合わせた治療器が開示されている。そしてこれにより、湯の花の粉末から放射される放射線による治療を可能にするとともに、湯の花が持つ湯の香りの作用で温泉浴気分とが相俟って高い効果を得ることを可能にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の治療器では、湯の花の粉末を生地に塗布する構成としているために、治療に必要なだけのラジウムの量を十分に確保することができず、そのために治療に必要な放射線を得ることができない、という問題点が考えられる。
【0008】
また、その製造に際しては、湯の花の粉末を生地に塗布する作業が煩雑であるとともに、この湯の花の粉末を塗布した生地をポリエステル等の通気性のある生地で上下から包む作業の際もまた、塗布した湯の花の粉末が生地から落ちてしまう等の原因により煩雑で面倒にならざるを得ない。
【0009】
そこで、本発明は、治療に必要な放射線を得ることができるラジウムの量を確保できるとともに、製造が容易な、ラジウムを用いた治療器を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のラジウムを用いた治療器は、
内部を複数の部屋に分割した袋体と、該袋体における前記各部屋の内部に充填したラジウムを含む粉体と、前記ラジウムを含む粉体を充填した袋体を略真空状態で収容したカバー材と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
このように、本発明のラジウムを用いた治療器では、袋体の内部を複数の部屋に分割するとともに、この形成した各部屋内にラジウムを含む粉体を充填しているため、治療に必要な放射線を得ることができるだけのラジウム量を確保することができるとともに、治療に応じて容易にラジウムを含む粉体の量を調節できるために、前述した従来の治療器と異なり、各種の治療に有効に用いることが可能である。
【0012】
また、本発明のラジウムを用いた治療器では、前記ラジウムを含む粉体を内部に充填した袋体を略真空状態でカバー材に収容しているために、ラジウムを含む粉体が治療器の外に出てしまうことを有効に防止可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のラジウムを用いた治療器では、内部を複数の部屋に分割した袋体における前記各部屋の内部にラジウムを含む粉体を充填するとともに、このラジウムを含む粉体を内部に充填した袋体を、略真空状態でカバー材内に収容し、これにより治療器本体を構成している。
【0014】
ここで、治療器本体に温熱手段を当接させるとよく、これにより、ラジウム粉末を加熱することが可能になり、より効果的な治療が可能となる。
【0015】
また、前記ラジウムを含む粉体としては、秋田県の玉川温泉で採取される湯の花を粉末にしたものを用いるとよい。
【0016】
【実施例】
本発明のラジウムを用いた治療器(以下単に「治療器」という。)の第1の実施例について図面を参照して説明すると、図1は本実施例の治療器の構造を示す断面図であり、図において1が本実施例の治療器である。
【0017】
そして、本実施例の治療器1では袋体を備えており、即ち、図において2が袋体であり、また、図2は袋体2の平面図であり、本実施例においてこの袋体2はさらし等の布により構成しているとともに、その内部を複数個に、より詳しくは16個に分割することにより複数個の部屋2a〜2pを形成している。
【0018】
次に、本実施例においては、前記袋体2における各部屋2a〜2p内にラジウムを含む粉体を、より詳しくは、ラジウムを含有することで知られている、秋田県の玉川温泉で採取される湯の花を粉末にしたもの(以下「湯の花粉末」という。)3を充填している。
【0019】
このように、本実施例の治療器1では、袋体2の内部に形成した複数個の部屋2a〜2pの内部に湯の花粉末3を充填する構成としているため、生地に湯の花粉末を塗布した従来の治療器と異なり、治療に必要な量のラジウムを確保することが可能であるとともに、治療の種類に合わせてラジウムの量を容易に調節することが可能である。
【0020】
また、本実施例における前記各部屋2a〜2pは、袋体2を、その内部が複数のマス型に分割されるようにして縫いつけることで形成しており、これにより、袋体2が折り曲げ自在となり、収納等を容易としている。
【0021】
次に、図において4はカバー材であり、即ち、本実施例における治療器1においては、前記内部に湯の花粉末3を充填した袋体2を袋状のカバー材4内に収容するとともに、このカバー材4内のエアーを吸引して、前記袋体2内、及び前記カバー材4内を略真空状態にし、これにより、前記袋体2を圧縮状態でカバー材4内に収容している。
【0022】
即ち、前記玉川温泉の湯の花粉末を用いて本実施例の治療器を構成した場合において、湯の花粉末が治療器の外に出てしまうと、湯の花粉末は強酸であるために、湯の花粉末の強酸性により周囲の物を腐食してしまうおそれが考えられる。そこで、本実施例においては、この湯の花粉末3を充填した袋体2をカバー材4内に収容するとともに、カバー材4内のエアーを吸引することにより袋体2の内部及びカバー材2の内部を略真空状態にすることで前記袋体2を圧縮状態でカバー材4内に収容し、これにより、袋体2内における湯の花粉末3の位置を固定して、部屋2a〜2p内における湯の花粉末3の移動を無くし、湯の花粉末3が治療器1の外に出てしまい周囲のものを腐食させることを防止している。
【0023】
そしてこのとき、本実施例においては、前記袋体2を布により構成しているために、カバー材4内の空気を吸引した際には袋体2の内部の空気をも容易に吸引することができるという効果がある。
【0024】
次に、このように構成される本実施例の治療器1の使用方法について説明すると、本実施例の治療器を使用する際には、これを、例えば、内部に電熱手段を備えた温熱治療器等の温熱手段に重ね合わせた後に、その状態における本実施例の治療器1の上に被治療者を腰掛けさせ、あるいは寝かせる。
【0025】
あるいは、例えば、低温(38度前後)の温熱ルームの床面に床暖房等の加熱手段を備えるとともにその床面上に本実施例の治療器を載置して、その上に被治療者を腰掛けさせ、あるいは寝かせる。
【0026】
そうすると、湯の花粉末3が含有するラジウムから各種の放射線が放射されて、この放射線により被治療者を治療することができる。
【0027】
そしてこのとき、前記温熱手段により湯の花粉末3が加熱されるため、ラジウムの効果を十分に引き出すことができるとともに、玉川温泉における岩盤浴と同等の効果を得ることも可能である。
【0028】
このように、本実施例における治療器では、内部に複数の部屋を形成した袋体における前記各部屋の内部に、ラジウムを含有することで知られる秋田県玉川温泉で採取される湯の花の粉末を充填するとともに、この湯の花粉末を充填した袋体を略真空状態でカバー材に収容しているため、これを用いることによりラジウムの効果により各種の治療等を行なうことができるという効果を得ることが可能である。
【0029】
またこのとき、本実施例の治療器では、袋体の内部に複数の部屋を形成するとともにこの形成した各部屋内に湯の花粉末を充填する構成としているために、治療に応じてラジウムの量を容易に調整することができる、という効果も期待できるとともに、一度の使用で消失してしまう入浴剤と異なり、半永久的に使用することが可能である。
【0030】
更に、湯の花粉末を略真空状態で袋体内に充填しているために、これにより袋体2内における湯の花粉末3の位置が固定して、部屋2a〜2p内における湯の花粉末3の移動が無くなるため、湯の花粉末3が治療器1の外に出てしまい周囲のものを腐食させてしまうことを防止することもできる。
【0031】
なお、本発明の治療器は、袋体における各部屋にラジウムを含む粉末を充填するとともにこの袋体を略真空状態でカバー材に収容したことを特徴としており、ラジウムを含む粉末としては、必ずしも前記秋田県の玉川温泉で採取される湯の花の粉末を用いる必要はない。
【0032】
次に、図3は本発明のラジウムを用いた治療器の第2の実施例を説明するための断面図であり、図において8が本実施例の治療器である。そして、図3に示す治療器8では、前記第1実施例の治療器1に温熱手段を組み合わせた形態としている。
【0033】
即ち、図において7が前記第1実施例の治療器(第1実施例における符号1)であり、本実施例においては、治療器本体7としている。そして、この治療器本体7の下側には、電熱線等を内部に備えることにより昇温可能な温熱手段5が当接されており、この温熱手段5、及びその上に当接された前記治療器本体7を、外側カバー材6により収容している。
【0034】
そしてこの治療器7の使用に際しては、図示しないコード等を用いて前記温熱手段5に電源を供給するとともに、治療器7上に被治療者を腰掛けさせ、あるいは寝かせる。そうすると、前記と同様の効果を得ることが可能となる。
【0035】
なお、本実施例の治療器8は前記第1実施例に更に温熱手段5を組み合わせた形態としており、治療器本体7の構成等は前記第1実施例と同様であるので、重複した説明等は省略するとともに、同一構成部分には同一符号を付した。
【0036】
【発明の効果】
本発明のラジウムを用いた治療器は以上説明した形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0037】
本発明のラジウムを用いた治療器では、袋体の内部を複数の部屋に分割するとともに、この形成した各部屋内にラジウムを含む粉体を充填しているため、治療に必要な放射線を得ることができるだけのラジウム量を確保することができるとともに、治療に応じて容易にラジウムを含む粉体の量を調節できるために、前述した従来の治療器と異なり、各種の治療に有効に用いることが可能である。
【0038】
また、本発明のラジウムを用いた治療器では、前記ラジウムを含む粉体を内部に充填した袋体を圧略真空態でカバー材に収容しているために、これにより袋体内における湯の花粉末の位置が固定して部屋内における湯の花粉末の移動が無くなるため、湯の花粉末が治療器の外に出てしまい周囲のものを腐食させてしまうことを防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラジウムを用いた治療器の第1実施例の構造を説明するための断面図である。
【図2】本発明のラジウムを用いた治療器の第1実施例における袋体の平面図である。
【図3】本発明のラジウムを用いた治療器の第2実施例の構造を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 第1実施例におけるラジウムを用いた治療器
2 袋体
3 ラジウムを含む粉体(湯の花粉末)
4 カバー材
5 温熱手段
6 外側カバー
7 第2実施例における治療器本体
8 第2実施例におけるラジウムを用いた治療器
【発明の属する技術分野】
本発明はラジウムを用いた治療器に係り、より詳しくは、ラジウムを含有することで知られる秋田県の玉川温泉で採取される湯の花を粉末状にしたものを袋体に充填するとともに、この、内部に湯の花を粉末状にしたものを充填した袋体を略真空状態でカバー材に収容してなることを特徴とするラジウムを用いた治療器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ラジウム元素から放射される放射線が病気等の治療に効果があることが知られており、そのために、このラジウムの効果を利用した各種の治療用具等が提供されている。
【0003】
例えば、秋田県の玉川温泉で採取される湯の花にはラジウムが含有されていることが知られているが、そのために、このラジウムを含んだ湯の花を用いた入浴剤が提供されており、この入浴剤を用いることにより病気等の治療を行なうことができるとされている。
【0004】
しかしながら、このような入浴剤の場合には、一度の使用でラジウムが消失してしまうために効率が悪いという問題点が考えられる。
【0005】
この点、このような問題点を解決する方法として、登録第3080299号実用新案「遠赤外線とラジウム放射線による治療器」(以下「従来の治療器」という。)が提案されている。
【0006】
そして、この実用新案では、秋田県鹿角市八幡平の玉川温泉で採取される湯の花の粉末を用いて、この湯の花の粉末を生地に塗布し、その後、この湯の花の粉末を塗布した生地をポリエステル等の通気性のある生地で上下から包み、これを従来から提供されている遠赤外線治療器に重ねて組み合わせた治療器が開示されている。そしてこれにより、湯の花の粉末から放射される放射線による治療を可能にするとともに、湯の花が持つ湯の香りの作用で温泉浴気分とが相俟って高い効果を得ることを可能にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の治療器では、湯の花の粉末を生地に塗布する構成としているために、治療に必要なだけのラジウムの量を十分に確保することができず、そのために治療に必要な放射線を得ることができない、という問題点が考えられる。
【0008】
また、その製造に際しては、湯の花の粉末を生地に塗布する作業が煩雑であるとともに、この湯の花の粉末を塗布した生地をポリエステル等の通気性のある生地で上下から包む作業の際もまた、塗布した湯の花の粉末が生地から落ちてしまう等の原因により煩雑で面倒にならざるを得ない。
【0009】
そこで、本発明は、治療に必要な放射線を得ることができるラジウムの量を確保できるとともに、製造が容易な、ラジウムを用いた治療器を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のラジウムを用いた治療器は、
内部を複数の部屋に分割した袋体と、該袋体における前記各部屋の内部に充填したラジウムを含む粉体と、前記ラジウムを含む粉体を充填した袋体を略真空状態で収容したカバー材と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
このように、本発明のラジウムを用いた治療器では、袋体の内部を複数の部屋に分割するとともに、この形成した各部屋内にラジウムを含む粉体を充填しているため、治療に必要な放射線を得ることができるだけのラジウム量を確保することができるとともに、治療に応じて容易にラジウムを含む粉体の量を調節できるために、前述した従来の治療器と異なり、各種の治療に有効に用いることが可能である。
【0012】
また、本発明のラジウムを用いた治療器では、前記ラジウムを含む粉体を内部に充填した袋体を略真空状態でカバー材に収容しているために、ラジウムを含む粉体が治療器の外に出てしまうことを有効に防止可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のラジウムを用いた治療器では、内部を複数の部屋に分割した袋体における前記各部屋の内部にラジウムを含む粉体を充填するとともに、このラジウムを含む粉体を内部に充填した袋体を、略真空状態でカバー材内に収容し、これにより治療器本体を構成している。
【0014】
ここで、治療器本体に温熱手段を当接させるとよく、これにより、ラジウム粉末を加熱することが可能になり、より効果的な治療が可能となる。
【0015】
また、前記ラジウムを含む粉体としては、秋田県の玉川温泉で採取される湯の花を粉末にしたものを用いるとよい。
【0016】
【実施例】
本発明のラジウムを用いた治療器(以下単に「治療器」という。)の第1の実施例について図面を参照して説明すると、図1は本実施例の治療器の構造を示す断面図であり、図において1が本実施例の治療器である。
【0017】
そして、本実施例の治療器1では袋体を備えており、即ち、図において2が袋体であり、また、図2は袋体2の平面図であり、本実施例においてこの袋体2はさらし等の布により構成しているとともに、その内部を複数個に、より詳しくは16個に分割することにより複数個の部屋2a〜2pを形成している。
【0018】
次に、本実施例においては、前記袋体2における各部屋2a〜2p内にラジウムを含む粉体を、より詳しくは、ラジウムを含有することで知られている、秋田県の玉川温泉で採取される湯の花を粉末にしたもの(以下「湯の花粉末」という。)3を充填している。
【0019】
このように、本実施例の治療器1では、袋体2の内部に形成した複数個の部屋2a〜2pの内部に湯の花粉末3を充填する構成としているため、生地に湯の花粉末を塗布した従来の治療器と異なり、治療に必要な量のラジウムを確保することが可能であるとともに、治療の種類に合わせてラジウムの量を容易に調節することが可能である。
【0020】
また、本実施例における前記各部屋2a〜2pは、袋体2を、その内部が複数のマス型に分割されるようにして縫いつけることで形成しており、これにより、袋体2が折り曲げ自在となり、収納等を容易としている。
【0021】
次に、図において4はカバー材であり、即ち、本実施例における治療器1においては、前記内部に湯の花粉末3を充填した袋体2を袋状のカバー材4内に収容するとともに、このカバー材4内のエアーを吸引して、前記袋体2内、及び前記カバー材4内を略真空状態にし、これにより、前記袋体2を圧縮状態でカバー材4内に収容している。
【0022】
即ち、前記玉川温泉の湯の花粉末を用いて本実施例の治療器を構成した場合において、湯の花粉末が治療器の外に出てしまうと、湯の花粉末は強酸であるために、湯の花粉末の強酸性により周囲の物を腐食してしまうおそれが考えられる。そこで、本実施例においては、この湯の花粉末3を充填した袋体2をカバー材4内に収容するとともに、カバー材4内のエアーを吸引することにより袋体2の内部及びカバー材2の内部を略真空状態にすることで前記袋体2を圧縮状態でカバー材4内に収容し、これにより、袋体2内における湯の花粉末3の位置を固定して、部屋2a〜2p内における湯の花粉末3の移動を無くし、湯の花粉末3が治療器1の外に出てしまい周囲のものを腐食させることを防止している。
【0023】
そしてこのとき、本実施例においては、前記袋体2を布により構成しているために、カバー材4内の空気を吸引した際には袋体2の内部の空気をも容易に吸引することができるという効果がある。
【0024】
次に、このように構成される本実施例の治療器1の使用方法について説明すると、本実施例の治療器を使用する際には、これを、例えば、内部に電熱手段を備えた温熱治療器等の温熱手段に重ね合わせた後に、その状態における本実施例の治療器1の上に被治療者を腰掛けさせ、あるいは寝かせる。
【0025】
あるいは、例えば、低温(38度前後)の温熱ルームの床面に床暖房等の加熱手段を備えるとともにその床面上に本実施例の治療器を載置して、その上に被治療者を腰掛けさせ、あるいは寝かせる。
【0026】
そうすると、湯の花粉末3が含有するラジウムから各種の放射線が放射されて、この放射線により被治療者を治療することができる。
【0027】
そしてこのとき、前記温熱手段により湯の花粉末3が加熱されるため、ラジウムの効果を十分に引き出すことができるとともに、玉川温泉における岩盤浴と同等の効果を得ることも可能である。
【0028】
このように、本実施例における治療器では、内部に複数の部屋を形成した袋体における前記各部屋の内部に、ラジウムを含有することで知られる秋田県玉川温泉で採取される湯の花の粉末を充填するとともに、この湯の花粉末を充填した袋体を略真空状態でカバー材に収容しているため、これを用いることによりラジウムの効果により各種の治療等を行なうことができるという効果を得ることが可能である。
【0029】
またこのとき、本実施例の治療器では、袋体の内部に複数の部屋を形成するとともにこの形成した各部屋内に湯の花粉末を充填する構成としているために、治療に応じてラジウムの量を容易に調整することができる、という効果も期待できるとともに、一度の使用で消失してしまう入浴剤と異なり、半永久的に使用することが可能である。
【0030】
更に、湯の花粉末を略真空状態で袋体内に充填しているために、これにより袋体2内における湯の花粉末3の位置が固定して、部屋2a〜2p内における湯の花粉末3の移動が無くなるため、湯の花粉末3が治療器1の外に出てしまい周囲のものを腐食させてしまうことを防止することもできる。
【0031】
なお、本発明の治療器は、袋体における各部屋にラジウムを含む粉末を充填するとともにこの袋体を略真空状態でカバー材に収容したことを特徴としており、ラジウムを含む粉末としては、必ずしも前記秋田県の玉川温泉で採取される湯の花の粉末を用いる必要はない。
【0032】
次に、図3は本発明のラジウムを用いた治療器の第2の実施例を説明するための断面図であり、図において8が本実施例の治療器である。そして、図3に示す治療器8では、前記第1実施例の治療器1に温熱手段を組み合わせた形態としている。
【0033】
即ち、図において7が前記第1実施例の治療器(第1実施例における符号1)であり、本実施例においては、治療器本体7としている。そして、この治療器本体7の下側には、電熱線等を内部に備えることにより昇温可能な温熱手段5が当接されており、この温熱手段5、及びその上に当接された前記治療器本体7を、外側カバー材6により収容している。
【0034】
そしてこの治療器7の使用に際しては、図示しないコード等を用いて前記温熱手段5に電源を供給するとともに、治療器7上に被治療者を腰掛けさせ、あるいは寝かせる。そうすると、前記と同様の効果を得ることが可能となる。
【0035】
なお、本実施例の治療器8は前記第1実施例に更に温熱手段5を組み合わせた形態としており、治療器本体7の構成等は前記第1実施例と同様であるので、重複した説明等は省略するとともに、同一構成部分には同一符号を付した。
【0036】
【発明の効果】
本発明のラジウムを用いた治療器は以上説明した形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0037】
本発明のラジウムを用いた治療器では、袋体の内部を複数の部屋に分割するとともに、この形成した各部屋内にラジウムを含む粉体を充填しているため、治療に必要な放射線を得ることができるだけのラジウム量を確保することができるとともに、治療に応じて容易にラジウムを含む粉体の量を調節できるために、前述した従来の治療器と異なり、各種の治療に有効に用いることが可能である。
【0038】
また、本発明のラジウムを用いた治療器では、前記ラジウムを含む粉体を内部に充填した袋体を圧略真空態でカバー材に収容しているために、これにより袋体内における湯の花粉末の位置が固定して部屋内における湯の花粉末の移動が無くなるため、湯の花粉末が治療器の外に出てしまい周囲のものを腐食させてしまうことを防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラジウムを用いた治療器の第1実施例の構造を説明するための断面図である。
【図2】本発明のラジウムを用いた治療器の第1実施例における袋体の平面図である。
【図3】本発明のラジウムを用いた治療器の第2実施例の構造を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 第1実施例におけるラジウムを用いた治療器
2 袋体
3 ラジウムを含む粉体(湯の花粉末)
4 カバー材
5 温熱手段
6 外側カバー
7 第2実施例における治療器本体
8 第2実施例におけるラジウムを用いた治療器
Claims (3)
- 内部を複数の部屋(2a〜2p)に分割した袋体(2)と、該袋体(2)における前記各部屋(2a〜2p)の内部に充填したラジウムを含む粉体(3)と、
前記ラジウムを含む粉体(3)を充填した袋体(2)を略真空状態で収容したカバー材(4)と、を備えたことを特徴とするラジウムを用いた治療器。 - 内部を複数の部屋(2a〜2p)に分割した袋体(2)と、該袋体(2)における前記各部屋(2a〜2p)の内部に充填したラジウムを含む粉体(3)と、
前記ラジウムを含む粉体(3)を充填した袋体(2)を略真空状態で収容したカバー材(4)と、具備した治療器本体(7)と、
該治療器本体(7)に当接させた温熱手段(5)と、
前記治療器本体(7)及び温熱手段(5)とを収容した外側カバー材(6)とを備えたことを特徴とするラジウムを用いた治療器。 - 前記ラジウムを含む粉体が、秋田県の玉川温泉で採取される湯の花を粉末にしたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のラジウムを用いた治療器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002315159A JP2004147810A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | ラジウムを用いた治療器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002315159A JP2004147810A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | ラジウムを用いた治療器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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